JPH08190353A - 透過型カラー表示装置 - Google Patents

透過型カラー表示装置

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JPH08190353A
JPH08190353A JP7002296A JP229695A JPH08190353A JP H08190353 A JPH08190353 A JP H08190353A JP 7002296 A JP7002296 A JP 7002296A JP 229695 A JP229695 A JP 229695A JP H08190353 A JPH08190353 A JP H08190353A
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particles
electric field
transparent electrode
fluid
inorganic
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JP7002296A
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English (en)
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Hidenobu Anzai
秀伸 安齊
Kazuya Edamura
一弥 枝村
Kazuya Akashi
一弥 明石
Yasubumi Otsubo
泰文 大坪
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Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気感応型光機能性流体組成物の電界配列効
果を応用して画像を制御することができる透過型のカラ
ー表示装置を得る。 【構成】 対向する2枚の透明電極板2a、2bの間に
電界配列効果を有する黒色の固体粒子6を電気絶縁性媒
体7中に含有してなる電気感応型光機能性流体組成物3
が充填され、この透明電極板2aが着色されてなる画像
素子1を有する透過型カラー表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気感応型光機能性流体
組成物(以下、「EA流体」という)の電界配列効果
(以下、「EA効果」という)を応用して画像を制御す
ることができる透過型カラー表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バックライト照明を用いてカラー動画像
を表示する透過型カラー表示装置(以下、単に「表示装
置」という)としては従来からカラー液晶表示装置がよ
く知られている。このカラー液晶表示装置は、2枚の透
明電極板の間に液晶組成物が充填され、かつこの透明電
極板のいずれか一方がカラーフィルターなどによって着
色されてなる画像素子が、多数同一面上に並列され、隣
接する各画像素子の透明電極板が、互いに異なる色に着
色されて構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カラー液晶表
示装置にはさまざまな問題があって用途が限定されてい
る。これら問題点の例を挙げれば、例えば一般に明暗コ
ントラストが低く、純黒の表現が不十分であり、また明
視角が狭い、構造上製造上の難点があって大型画面が得
られない、耐光性が悪く屋外使用に向かない、などであ
る。従ってこのような問題点が克服された表示装置が強
く求められていた。
【0004】一方、本発明者らは、従来知られていない
新規な電界配列性を有するEA流体の研究を行ってい
る。このEA流体は電気絶縁性の媒体中にEA効果を有
する固体粒子(以下、「EA粒子」という)を分散させ
て得られる流体であり、これに電界を印加するとEA粒
子が誘電分極を起こし、更に誘電分極に基づく静電引力
によって互いに電場方向に配位連結して整列し、鎖状体
構造を示す性質を持っている。また、EA粒子によって
は電気泳動性を有することにより、電界印加時に電極板
部分に電気泳動して配列し、配列塊状構造を示す性質を
示すものもある。
【0005】そこで、このEA流体を2枚の透明電極板
の間に充填すると、この双方の電極板に電界を印加しな
いときはEA粒子が媒体中にランダムに分散しているの
で不透明であったものが、電界を印加するとEA粒子が
両電極板間に配列し電極板面に垂直な鎖状体を形成する
結果、この系を光が透過するようになることがわかっ
た。従ってこの系は電界のオン/オフに対応して画面が
透明/不透明に変化する表示装置の画像素子として用い
ることができる。本発明は、上記の知見に基づいて鋭意
研究の結果達成されたものであって、従って本発明の目
的は、EA流体の特性を応用して画像を制御することが
できる、上記の欠点のない透過型カラー表示装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、対向する
2枚の透明電極板の間に黒色のEA粒子を透明な電気絶
縁性媒体中に含有してなるEA流体が充填され、かつこ
の透明電極板の少なくともいずれか一方が着色されてな
る画像素子を有する表示装置を提供することによって解
決できる。この透明電極板の少なくともいずれか一方に
は、互いに非接触的に配列された2以上の透明な電極層
が形成されていることが好ましい。
【0007】本発明はまた、上記のいずれかの画像素子
が2以上、同一面上に並列され、隣接する各画像素子の
透明電極板が互いに異なる色に着色されてなる表示装置
を提供する。前記EA流体中のEA粒子は、有機高分子
化合物からなる芯体と、EA効果を有する無機物(以
下、「EA無機物」という)を含む表層とによって形成
された無機・有機複合粒子であることが好ましい。
【0008】
【作用】透明電極板の間に電界が印加されないときは黒
色のEA粒子が媒体中にランダムに分散しているのでこ
の画像素子は黒色不透明である。電界を印加するとEA
粒子が両電極板間に配列し電極板面に垂直な鎖状体を形
成する結果、この系を光が透過するようになる。この透
明電極板が着色されていれば白色バックライト光はこれ
を透過することによって着色され、カラー透過光が得ら
れる。従ってこの系は電界のオン/オフに対応して画面
が着色透明/黒色不透明に変化する。透明電極板の少な
くともいずれか一方に、互いに非接触的に配列された2
以上の透明な電極層が形成されていれば、これら同一面
上の電極層の間に電界を印加したとき、電極板面に平行
な鎖状体が形成されるので、系は黒色不透明に変化す
る。
【0009】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。 (実施例1)実施例1の表示装置は、図1(a)および
図1(b)に示す画像素子1を有する。図1(a)にお
いてこの画像素子1は、2枚の対向する透明電極板2a
−2bの間に黒色のEA流体3が充填されたセルからな
る。透明電極板2aは2層からなり、EA流体3に接す
る内側の層は透明な電極層4aであり、外側の層は赤色
(R)に着色された透明ガラス層5aである。また透明
電極板2bも2層からなり、EA流体3に接する内側の
層は透明な電極層4bであり、外側の層は無色透明なガ
ラス層5bである。このEA流体3は、黒色のEA粒子
6が透明な電気絶縁性媒体7中に分散されてなってい
る。
【0010】電極層4aおよび4bからはそれぞれ配線
8a、8bが引き出され、これらの配線はスイッチ9お
よび電源10からなるスイッチング回路に接続されてい
る。図1(a)はスイッチ9がオフの状態を示してい
る。また赤色電極板2aの外側にはバックライト11が
配設されている。スイッチ9がオフのときは、黒色のE
A粒子6がEA流体3中にランダムに分散しているの
で、バックライト11が点灯していても光はEA粒子6
に遮られてこの画像素子1を透過し得ず、透明電極板2
b側から観察している観察者obsにはEA粒子6の色
である黒色が見えている。
【0011】スイッチ9をオンにして双方の電極層4a
−4b間に電界を印加すると、図1(b)に示すよう
に、EA粒子6は、電界によるEA効果によって電極層
4a−4b間に垂直に配列し、互いに間隔を隔てて鎖状
体12を形成する。この結果、鎖状体12の間隙部はE
A粒子が存在せず無色透明な電気絶縁性媒体7のみとな
るので、バックライト11の光が画像素子1を透過する
ようになる。
【0012】このとき、光は赤色透明電極板2aを通っ
て赤色光となり、電気絶縁性媒体7と透明電極板2bは
無色であるから、観察者obsからは赤色光が見えるよ
うになる。すなわち観察者obs側から見るとき、この
表示素子1はスイッチ9をオンにしたことによって赤色
に点灯する。再びスイッチ9をオフにすれば、EA粒子
6はランダム分散状態に戻るのでバックライト11の光
は遮断され、表示素子1は消灯して黒色に戻る。このよ
うに、この表示素子1を有する実施例1の表示装置は、
電界のオン/オフによって赤色透過光の点灯/消灯を繰
り返すことができ、例えば危険信号機の表示装置などと
して用いることができる。
【0013】実施例1の表示装置に用いたEA流体3
は、透明な電気絶縁性媒体であるジメチルシリコーンオ
イル7中に黒色のEA粒子6を含むものであって、この
EA粒子6は、図2に示すように、有機高分子化合物か
らなる芯体6aと、EA無機物6cおよび黒色顔料6d
を含む表層6bとによって形成された無機・有機複合粒
子(6)である。この無機・有機複合粒子6は芯体6a
が有機高分子化合物からなるので、EA無機物6cの比
重が比較的大きくても芯体6aとEA無機物6cとの重
量比を製造時に調節することによって、その比重を電気
絶縁性媒体6の比重に近似させることができ、この媒体
中に良好に分散させることができるようになる。また、
表層6bに黒色顔料が含まれているので、黒色以外のE
A無機物6cを用いても全体として黒色の粒子とするこ
とができる。従ってEA無機物6cとして、色を考慮す
ることなく適切なEA効果を有するものを選択すること
ができるようになる。
【0014】(実施例2)実施例2の表示装置における
画像素子は、透明電極板の構成とそれに伴う電気回路が
異なる以外は実施例1と同様である。従ってここでは主
として透明電極板と電気回路の構成について説明する。
図3は、この実施例における画像素子20の透明電極板
の構成と電気回路とを示している。この画像素子20の
一方の透明電極板21aには、櫛形の透明な電極層22
a(以下、「第一電極層22a」という)およびこれと
互いに非接触的に配列された透明な電極層22c(以
下、「第二電極層22c」という)が、互いに入れ子状
に形成され、他方の透明電極板21bには全面に一体の
電極層22b(以下、「対向電極層22b」という)が
形成されている。透明電極板21aは赤色に着色され、
透明電極板21bは無色である。
【0015】この画像素子20の電気回路は以下のよう
に構成されている。赤色透明電極板21a上に形成され
た第二電極層22cと他方の透明電極板21b上に形成
された対向電極層22bとは、それぞれ切替えスイッチ
23のそれぞれの固定端子23c、23bに接続されて
いる。切替えスイッチ23の可動端子23aは電源26
の例えば(−)側に接続されている。一方、赤色透明電
極板21a上の第一電極層22aは、この電源26の
(+)側に接続されている。すなわちこの電気回路は、
切替えスイッチ23を切り換えることによって第一電極
層22aと第二電極層22cとの間、または第一電極層
22aと対向電極層22bとの間に、電界を切り替えて
印加することができるようになっている。
【0016】このスイッチング回路との組み合せによっ
て、表示素子20は次のように作動する。まず、切替え
スイッチ23を対向電極層22b側に接続すると、第一
電極層22aと対向電極層22bとの間に電界が印加さ
れる。するとこの電極層間に介在するEA流体は、電界
配列して透明電極板21a−21b間に垂直な鎖状体を
形成し、この表示素子20はバックライト(図示せず)
からの照明光を透過し赤色に点灯する。
【0017】次に図4に示すように、切替えスイッチ2
3を第二電極層22c側に切り換えると、第一電極層2
2aと第二電極層22cとの間に電界が印加される。こ
のときEA粒子6は、先の透明電極板21a−21b間
に形成された垂直な鎖状体を解消して、第一電極層22
aと第二電極層22cとの間に電界配列する。これによ
って、透明電極板21aに平行な鎖状体25が簾状に形
成され透明電極板21aを覆うので、バックライト27
からの照明光が遮られ表示素子20は消灯する。このよ
うに、実施例2の表示装置は、切替えスイッチ23の切
替え操作に対応して表示素子20内に形成される鎖状体
の透明電極板に対する角度が垂直/水平と直ちに変化す
るので、点灯から消灯へも消灯から点灯へも電界応答性
の良好な表示装置となる。
【0018】実施例2における第一電極層22aと、第
二電極層22cおよび対向電極層22bの極性は逆であ
ってもよいことは言うまでもない。第一電極層22aと
第二電極層22cのパターンは、実施例2では櫛形とさ
れているがこれに限定されるものではなく、互いに非接
触的に配列された2以上の透明な電極層であれば、例え
ば渦巻状、樹枝状など、いかなる形状であってもよい。
また、スイッチングのための電気回路も実施例2のもの
に限定されるものではない。
【0019】(実施例3)実施例3の表示装置は、図5
(a)(b)に示す画素ユニットが多数、同一平面上に
隣接して配列されて構成されている。この画素ユニット
30は、一つのセルの中に3組の、実施例2と同様な画
像素子31、32、33が並列して組み込まれており、
かつそれぞれの組の一方の透明電極板34aには、画像
素子31、32、33にそれぞれ対応して赤(R)、緑
(G)、青(B)の色面が形成されたカラーフィルター
35が貼付されていて、これによって隣接する各画像素
子の透明電極板がそれぞれ赤(R)、緑(G)、青
(B)の異なる色に着色されている。
【0020】カラーフィルター35が貼付された透明電
極板34aには、各画像素子毎にそれぞれ櫛形の透明な
第一電極層36aおよびこれと互いに非接触的に配列さ
れた透明な第二電極層36bが互いに入れ子状に形成さ
れ、他方の透明電極板34bには、各画像素子毎にそれ
ぞれ独立した対向電極層36cが形成されている。透明
電極板34bは無色である。
【0021】各画像素子31、32、33は、それぞれ
独立にスイッチング回路を有している。図5(b)に、
煩雑を避けて画像素子33のスイッチング回路のみを示
したが、他の画像素子31、32についても同様であ
る。図5(b)において、画像素子33のスイッチング
回路は、互いに連動する切替えスイッチ37a−37b
と電源38とを有する。切替えスイッチ37aは、その
可動端子が電源38の(+)側に接続されて(+)電位
を対向電極層36cと第一電極層36aとに切り替えて
供給するようになっており、また切替えスイッチ37b
は切替えスイッチ37aと連動して、切替えスイッチ3
7aが対向電極層36cに電位を供給中は第一電極層3
6aと第二電極層36bとを接続し、切替えスイッチ3
7aが第一電極層36aに電位を供給中は第一電極層3
6aと第二電極層36bとの接続を遮断するようになっ
ている。第二電極層36bと切替えスイッチ37bの可
動端子とは電源38の(−)側に接続されている。
【0022】いま、画像素子33において、切替えスイ
ッチ37aが、図5(b)のように対向電極層36cに
(+)電位を供給すると、第一電極層36aと第二電極
層36bとは接続されて共に(−)電位となるから、セ
ル中の黒色のEA粒子39は透明電極板34a−34b
に垂直な鎖状体40を形成する。従ってカラーフィルタ
ー35側に配置されたバックライト(図示せず)の光は
カラーフィルター35の青色部(B)を経由して透過
し、この画像素子33は青色に点灯する。画像素子31
(R)においても、同様な切替えモードを選択すれば、
画像素子31は赤色に点灯する。
【0023】画像素子32(G)のスイッチング回路は
図示されていないが、これを画像素子33のそれによっ
て説明すると、画像素子32(G)に接続された切替え
スイッチ37aを第一電極層36a側に切り替えると
き、第一電極層36aに(+)電位が供給され、対向電
極層36cは電界から開放される。一方、切替えスイッ
チ37bは第一電極層36aと第二電極層36bとの接
続を遮断するから、(−)電位は第二電極層36bにの
み供給される。これによって第一電極層36aと第二電
極層36bとの間に電界が印加されるので、EA粒子3
9はこれらの間に鎖状体40を形成して光を遮断する。
よって画像素子32(G)は消灯状態になる。
【0024】上記のスイッチング状態にある画素ユニッ
ト30を十分に遠くから観察すると、画像素子31から
の赤色光と画像素子33からの青色光とが混合して桃色
に見える。このように三っつの画像素子31、32、3
3のそれぞれの点灯と消灯とを組み合わせることによっ
て、この画素ユニット30は全点灯の白光色、全消灯の
黒色を含め8色の表現が可能となる。従って画素ユニッ
ト30が多数配列された実施例3の表示装置はフルカラ
ー表示装置として用いることができる。
【0025】実施例3の画素ユニット30は、混色を防
止し明暗コントラストを高めるために各画像素子31、
32、33の画面周囲にブラックマトリクスが施されて
いることが好ましい。また、隣接する画像素子の境界を
越えてEA粒子が電界配列することを防止するために、
各画像素子31、32、33の境界に閾または壁を設け
てもよい。
【0026】この画素ユニット30は、各電極層に印加
する電界の強度を変化させる手段を上記のスイッチング
回路に設けると、バックライトからの透過光量を画像素
子毎に独立に制御できるようになる。これによって各画
像素子は連続的に、またはデジタルに階調を変化させる
ことができるので、実施例3の画素ユニット30は更に
多くの色を表現できるようになる。画素ユニットにおけ
る各画像素子の配列パターンは自由である。また各画像
素子の画面形状も長方形ばかりでなく、正方形、円形、
正三角形、正六角形など任意の形状が採用できる。実施
例3の表示装置では、画素ユニットがR、G、Bの3色
の画像素子から構成され、この組合せはフルカラー表示
に好ましいものではあるが、目的に応じてR、G、B以
外の3色の組合せ、または場合によっては2色または4
色以上の組合せであってもよい。
【0027】以下に、本発明の表示装置に用いるに好適
なEA流体について、詳しく説明する。このEA流体
は、基本的にはEA効果を有する黒色の固体粒子(EA
粒子)を電気絶縁性媒体中に含有してなるものであれ
ば、いかなるものであってもよい。しかしEA粒子とし
て特に好適なものは、図2に示したように、有機高分子
化合物からなる芯体と、EA効果を有する無機物(EA
無機物)および黒色色素を含む表層とによって形成され
た無機・有機複合粒子6である。この無機・有機複合粒
子は表層がEA無機物を含むので粒子全体としてEA効
果を有しており、しかもEA無機物の比重が大きくても
芯体が比較的比重の小さい有機高分子化合物からなって
いるので、EA粒子の比重を電気絶縁性媒体と近似させ
ることができ、分散安定性の良好なEA流体が得られ
る。
【0028】上記の芯体として使用し得る有機高分子化
合物の例としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸エス
テル、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合
物、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ニ
トリルゴム、ブチルゴム、ABS樹脂、ナイロン、ポリ
ビニルブチレート、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂な
どの1種または2種以上の混合物、またはこれらのモノ
マーまたはオリゴマー相互の、もしくは他のモノマーま
たはオリゴマーとの共重合物・共縮重合物を挙げること
ができる。また、上記の有機高分子化合物として、水酸
基、カルボキシル基、アミノ基などの官能基を含有する
ものも使用することができ、このような官能基含有有機
高分子化合物はEA効果を高めることができるので好ま
しいものである。
【0029】無機・有機複合粒子の表層として用いるに
適したEA無機物は、電気半導体性無機物、無機イオン
交換体、シリカゲル、またはこれらの少なくともいずれ
か1種に金属ドーピングを施したもの、もしくは金属ド
ーピングの有無に拘らず、これらの少なくともいずれか
1種を他の支持体上に電気半導体層として施したもので
ある。
【0030】ここで、好ましい電気半導体性無機物の例
としては、(1)金属酸化物、例えばSnO2 、アモル
ファス型二酸化チタン(出光石油化学株式会社製)な
ど、(2)金属水酸化物、例えば水酸化チタン、水酸化
ニオブなど、(3)金属酸化水酸化物、例えばFeO
(OH)(ゲーサイト)など、および以下に説明する無
機イオン交換体を挙げることができる。ここで、水酸化
チタンとは、含水酸化チタン(石原産業株式会社製)、
メタチタン酸(別名βチタン酸、TiO(OH)2 )お
よびオルソチタン酸(別名αチタン酸、Ti(OH)
4 )を含むものである。
【0031】無機イオン交換体の例としては、例えば
(4)多価金属の水酸化物、(5)ハイドロタルサイト
類、(6)多価金属の酸性塩、(7)ヒドロキシアパタ
イト、(8)ナシコン型化合物、(9)粘土鉱物、(1
0)チタン酸カリウム類、(11)ヘテロポリ酸塩、お
よび(12)不溶性フェロシアン化物を挙げることがで
きる。これらの詳細について、以下に説明する。
【0032】(4)多価金属の水酸化物。これらの化合
物は、一般式 MOx(OH)y (Mは多価金属であり、xは零以上の数であり、yは正
数である)で表され、例えば、水酸化チタン、水酸化ジ
ルコニウム、水酸化ビスマス、水酸化錫、水酸化鉛、水
酸化アルミニウム、水酸化タンタル、水酸化ニオブ、水
酸化モリブデン、水酸化マグネシウム、水酸化マンガ
ン、および水酸化鉄などである。ここで、例えば水酸化
チタンとは含水酸化チタン(別名メタチタン酸またはβ
チタン酸、TiO(OH)2)および水酸化チタン(別
名オルソチタン酸またはαチタン酸、Ti(OH)4
の双方を含むものであり、他の化合物についても同様で
ある。
【0033】(5)ハイドロタルサイト類。これらの化
合物は、一般式 M13Al6(OH)43 (CO)3・12H2O (Mは 二価の金属である)で表され、例えば二価の金
属MがMg、CaまたはNiであるものなどである。 (6)多価金属の酸性塩。これらは例えばリン酸チタ
ン、リン酸ジルコニウム、リン酸錫、リン酸セリウム、
リン酸クロム、ヒ酸ジルコニウム、ヒ酸チタン、ヒ酸
錫、ヒ酸セリウム、アンチモン酸チタン、アンチモン酸
錫、アンチモン酸タンタル、アンチモン酸ニオブ、タン
グステン酸ジルコニウム、バナジン酸チタン、モリブデ
ン酸ジルコニウム、セレン酸チタンおよびモリブデン酸
錫などである。
【0034】(7)ヒドロキシアパタイト。これらは例
えばカルシウムアパタイト、鉛アパタイト、ストロンチ
ウムアパタイト、カドミウムアパタイトなどである。 (8)ナシコン型化合物。これらには例えば (H3O)Zr2(PO43 などが含まれるが、本発明においてはH3OをNaと置
換したナシコン型化合物も使用できる。 (9)粘土鉱物。これらは例えばモンモリロナイト、セ
ピオライト、ベントナイトなどであり、特にセピオライ
トが好ましい。
【0035】(10)チタン酸カリウム類。これらは一
般式 aK2O・bTiO2・nH2O (aは0<a≦1を満たす正数であり、bは1≦b≦6
を満たす正数であり、nは正数である)で表され、例え
ばK2・TiO2・2H2O、K2O・2TiO2・2H
2O、0.5K2O・TiO2・2H2O、およびK2O・
2.5TiO2・2H2O などが含まれる。なお、上記
化合物のうち、aまたはbが整数でない化合物はaまた
はbが適当な整数である化合物を酸処理し、KとHとを
置換することによって容易に合成することができる。 (11)ヘテロポリ酸塩。これらは一般式 H3AE1240・nH2O (Aはリン、ヒ素、ゲルマニウム、またはケイ素であ
り、Eはモリブデン、タングステン、またはバナジウム
であり、nは正数である)で表され、例えばモリブドリ
ン酸アンモニウム、タングストリン酸アンモニウムなど
である。
【0036】(12)不溶性フェロシアン化物。これら
は次の一般式 Mb-pxaA[E(CN)6] (Mはアルカリ金属または水素イオン、Aは亜鉛、銅、
ニッケル、コバルト、マンガン、カドミウム、鉄(II
I)またはチタンなどの重金属イオン、Eは鉄(I
I)、鉄(III)、またはコバルト(II)などであ
り、bは4または3であり、aはAの価数であり、pは
0〜b/aの正数である)で表され、例えばCs2Zn
[Fe(CN)6]、K2Co[Fe(CN)6]などの
不溶性フェロシアン化合物が含まれる。
【0037】上記(4)〜(12)の無機イオン交換体
はいずれもOH基を有しており、これらの無機イオン交
換体のイオン交換サイトに存在するイオンの一部または
全部を別のイオンに置換したもの(以下、置換型無機イ
オン交換体という)も、本発明における無機イオン交換
体に含まれるものである。すなわち、前述の無機イオン
交換体を R−M1 (M1は、イオン交換サイトのイオン種を表す)と表す
と、R−M1におけるM1の一部または全部を、下記のイ
オン交換反応によって、M1とは異なるイオン種M2に置
換した置換型無機イオン交換体もまた、本発明における
無機イオン交換体である。 xR−M1+yM2→Rx−(M2)y+xM1 (ここでx、yはそれぞれイオン種M2、M1の価数を表
す)。このM1はOH基を有する無機イオン交換体の種
類により異なるが、無機イオン交 換体が陽イオン交換
性を示すものでは、一般にM1はH+であり、この場合の
2 はアルカリ金属、アルカリ土類金属、多価典型金
属、遷移金属または希土類金属など、H+以外の金属イ
オンのいずれか任意のものである。OH基を有する無機
イオン交換体が陰イオン交換性を示すものでは、M1
一般にOH-であり、その場合M2は例えばI、Cl、S
CN、NO2、Br、F、CH3COO、SO4またはC
rO4などや錯イオンなど、OH-以外の陰イオン全般の
中から選ばれた任意のものである。
【0038】また、高温加熱処理によりOH基を一旦失
ってはいるが、水に浸漬させるなどの操作によって再び
OH基を有するようになる無機イオン交換体について
は、その高温加熱処理後の無機イオン交換体なども本発
明に使用できる無機イオン交換体の一種であり、その具
体例としてはナシコン型化合物、例えば(H3O)Zr2
(PO43の加熱により得られるHZr2(PO43
ハイドロタルサイトの高温 加熱処理物(500〜70
0℃で加熱処理したもの)などが含まれる。これらの無
機イオン交換体は一種類だけではなく、多種類を同時に
表層として用いることもできる。なお、上記の無機イオ
ン交換体として、多価金属の水酸化物、および多価金属
の酸性塩を用いることが特に好ましい。
【0039】EA無機物に金属ドーピングを施したもの
(13)の例としては、アンチモンドーピング酸化錫な
どを挙げることができる。金属ドーピングは、EA無機
物の電気伝導度を上げたい場合に施される。また、他の
支持体上に電気半導体層としてEA無機物を施したもの
(14)の例としては、例えば支持体として酸化チタ
ン、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナなどの無機物
粒子、またはポリエチレン、ポリプロピレンなどの有機
高分子粒子を用い、これに電気半導体層としてアンチモ
ンドーピング酸化錫を施したものなどを挙げることがで
きる。
【0040】これらのEA無機物は、1種類だけでな
く、2種類またはそれ以上を混合して用いることもでき
る。無機・有機複合粒子の表層に用いるに特に好適なE
A無機物は、(1)金属酸化物、(2)金属水酸化物、
(3)金属酸化水酸化物、(4)多価金属の水酸化物、
(13)金属ドーピングEA無機物、または(14)他
の支持体上に電気半導体層としてEA無機物を施したも
のなどである。
【0041】EA無機物を用いるに際しては、その電気
伝導度が室温にて103 Ω-1/cm〜10-11 Ω-1/c
mの範囲内にあるものを選択することが好ましい。電気
伝導度が103 Ω-1/cmを越えると、これを含むEA
流体に過大な電流が流れ、電力消費が大きいばかりでな
く装置が過熱される可能性がある。10-11 Ω-1/cm
未満ではEA効果が微弱であるために、十分な効果が得
られない場合がある。
【0042】無機・有機複合粒子において、表層を形成
するEA無機物と芯体を形成する有機高分子化合物との
重量比(%)は、特に限定されるものではないが、例え
ば(EA無機物):(有機高分子化合物)の重量比で
(1〜60):(99〜40)の範囲内、特に(4〜3
0):(96〜70)の範囲内であることが好ましい。
EA無機物の重量比が1%未満では得られたEA流体の
EA効果が不十分であり、60%を超えると、比重が大
となってEA粒子の分散安定性が得難くなると共に、得
られたEA流体に過大な電流が流れるようになる。
【0043】EA粒子の着色には、芯体に染料または顔
料を含ませることもできるが、EA粒子の色は主として
表層色に依存するので、図2に示したように、EA粒子
の表層に黒色色素を含ませることが好ましい。これは、
表層の形成時にEA無機物と共に有機または無機の任意
の黒色顔料を用いることによって実現できる。また、表
層を形成する無機物として黒色四酸化三鉄(Fe34
やカーボンブラックなど、黒色であってしかもそれ自体
がEA効果を有するものを使用する場合は、必ずしも黒
色顔料の使用を必要としない。
【0044】無機・有機複合粒子は上記以外の成分を含
んでいてもよい。その例としては、例えば芯体に酸化防
止剤、充填剤、カプリング剤、カーボンブラックなど、
また表層にカーボンブラックやアミン系化合物などの荷
電調整材が含まれていてもよい。
【0045】EA粒子の比重は、電気絶縁性媒体中に安
定に分散させるためにこの電気絶縁性媒体の比重に近い
ことが好ましい。一般的には、用いる電気絶縁性媒体と
の関係から比重1.0〜2.0程度であることが好まし
い。EA粒子と電気絶縁性媒体との比重差が大きいと、
媒体中でEA粒子が重力沈降し、均一分散ができなくな
ることもある。この観点から、芯体に比較的比重の小さ
な有機高分子化合物を使用する無機・有機複合粒子は、
表層を形成するEA無機物の比重が大きくても、相対的
に比重を小さくすることができて有利である。無機・有
機複合粒子では、用いる有機高分子化合物とEA無機物
の種類と比率とを選択することによって、その比重をあ
る程度自在に調整することができる。
【0046】本発明の表示装置に用いるEA流体中のE
A粒子は、その粒径が0.1μm〜500μm、特に5
μm〜200μm程度の範囲内にあることが好ましい。
粒径が0.1μm未満では、粒子表面における光の乱反
射性が低下し透明に見えるようになって不都合であるば
かりでなく、この粒子群を一定重量含むEA流体の粘度
が上昇して電界応答性が低下し、また気泡を巻き込み易
くなるなどの不都合が生じる。500μmを越えると粒
径が過大となって、この粒子群を一定重量含むEA流体
の電界無印加時の不透明性が低下し、また分散安定性も
低下するなどの不都合が生じる。
【0047】EA粒子の形状は、特に限定されるもので
はないが、球形であることが好ましい。球形であれば光
を全方向に均一に乱反射させることができるばかりでな
く、EA流体の流動粘度を低下させるので電界応答性を
高めることができる。この観点からも上記の無機・有機
複合粒子は、芯体が有機高分子化合物からなり、この芯
体粒子は調節された乳化・懸濁重合方法によって製造さ
れる場合はほぼ真球形に形成できるので、本発明の表示
装置に用いるEA粒子としてきわめて有用である。
【0048】無機・有機複合粒子は種々な方法で製造す
ることができる。その一例として、例えば有機高分子化
合物からなる芯体の粒子とEA無機物の微粒子および必
要なら顔料粒子とをジェット気流で搬送して衝突させる
方法がある。この場合は芯体粒子の表面にEA無機物微
粒子が高速度で衝突し、固着して表層を形成する。ま
た、別の製法例としては、芯体粒子を気体中に浮遊させ
ておき、EA無機物および必要なら色素の溶液または分
散液を霧状にしてその表面に噴霧する方法がある。この
溶液または分散液は適当な糊料を含んでいてもよい。こ
の場合はその溶液または分散液が芯体粒子の表面に付着
した後、乾燥によって表層が形成される。
【0049】無機・有機複合粒子を製造する好ましい製
法例は、芯体と表層とを同時に形成する方法である。こ
の方法は、例えば、芯体を形成する有機高分子化合物の
モノマーまたはオリゴマー(以下、単に「モノマー」と
いう)を重合媒体中で乳化重合、懸濁重合または分散重
合するに際して、EA無機物の微粒子および必要なら顔
料粒子を上記モノマーまたは重合媒体中に存在させる方
法である。重合媒体としては水が好ましいが、水と水溶
性有機溶媒との混合物も使用でき、また有機系の貧溶媒
を使用することもできる。この方法によれば、重合媒体
の中でモノマーが重合して芯体粒子を形成すると同時
に、EA無機物微粒子および顔料が芯体粒子の表面に層
状に配向してこれを被覆し、表層を形成する。
【0050】乳化重合または懸濁重合によって無機・有
機複合粒子を製造する場合には、モノマーの疎水性の性
質とEA無機物の親水性の性質とを組み合わせることに
よって、EA無機物の微粒子の大部分を芯体粒子の表面
に配向させることができる。この芯体と表層との同時形
成方法によれば、有機高分子化合物からなる芯体粒子の
表面にEA無機物粒子および顔料が緻密かつ強固に接着
し、堅牢な無機・有機複合粒子が形成される。
【0051】本発明に使用する無機・有機複合粒子の形
状は製法によって必ずしも球形であるとは限らないが、
芯体粒子が調節された乳化・懸濁重合方法によって製造
される場合は得られる無機・有機複合粒子の形状はほぼ
真球形になる。真球形が得られるので、前記のように光
の乱反射性や電界応答性が高いEA流体が得られる。
【0052】上記の各種の製法、特に芯体と表層とを同
時に形成する製法により製造された無機・有機複合粒子
は、一般にその表層の全部または一部分が有機高分子物
質や製造工程で使用された分散剤、乳化剤その他の添加
物質の薄膜で覆われていてEA効果が十分に発揮されな
い場合がある。これらの不活性物質の薄膜は、表層の表
面を研磨することによって除去することができる。従っ
て本発明の好ましい表示装置に用いられるEA流体にあ
っては、その表面が研磨された無機・有機複合粒子が用
いられる。
【0053】無機・有機複合粒子の表面の研磨は、種々
な方法で行うことができる。例えば、無機・有機複合粒
子を水などの分散媒体中に分散させて、これを攪拌する
方法によって行うことができる。この際、分散媒体中に
砂粒やボールなどの研磨材を混入して無機・有機複合粒
子と共に攪拌する方法、あるいは研削砥石を用いて攪拌
する方法などによって行うこともできる。例えばまた、
分散媒体を使用せず、無機・有機複合粒子と上記のよう
な研磨材と、研削砥石を用いて乾式で攪拌して行うこと
もできる。
【0054】さらに好ましい研磨方法は、無機・有機複
合粒子をジェット気流などによって気流攪拌する方法で
ある。これはEA粒子自体を相互に気相において激しく
衝突させて研磨する方法であり、他の研磨材を必要とせ
ず、粒子表面から剥離した不活性物質を分級によって容
易に分離し得る点で好ましい方法である。上記のジェッ
ト気流攪拌においては、それに用いられる装置の種類、
攪拌速度、無機・有機複合粒子の材質などにより研磨条
件を特定するのが難しいが、一般的には6000rpm
の攪拌速度で0.5分間〜15分間程度ジェット気流攪
拌するのが好ましい。
【0055】本発明に用いるEA流体は上記の無機・有
機複合粒子を、必要なら分散剤など他の成分と共に電気
絶縁性媒体中に均一に攪拌混合して製造することができ
る。この攪拌機としては、液状分散媒に固体粒子を分散
させるために通常使用されるものがいずれも使用でき
る。
【0056】EA流体に用いる電気絶縁性媒体として
は、従来からEA流体に適するものとして知られている
ものがいずれも使用可能である。例えば、塩化ジフェニ
ル、セバチン酸ブチル、芳香族ポリカルボン酸高級アル
コールエステル、ハロフェニルアルキルエーテル、トラ
ンス油、塩化パラフィン、フッ素系オイル、またはシリ
コーン系オイルやフルオロシリコーン系オイルなどであ
り、電気絶縁性および電気絶縁破壊強度が高く、化学的
に安定でかつ無機・有機複合粒子を安定に分散させ得る
ものであればいずれの流体も使用可能である。またそれ
らの混合物を使用することもできる。
【0057】この電気絶縁性媒体の動粘度は、1cSt
〜3000cStの範囲内であることが好ましい。動粘
度が1cStより小さい電気絶縁性媒体は一般に揮発成
分が多く、このためEA流体の貯蔵安定性に問題が生
じ、動粘度が3000cStより大きいと気泡が抜けに
くくなり好ましくない。EA流体中に気泡が多く残留す
ると、電界印加時に気泡内のミクロ領域で部分放電して
スパークを起こし、絶縁性が劣化する惧れがある。この
観点から動粘度は、10cSt〜1000cStの範囲
内、特に10cSt〜100cStの範囲内が好まし
い。
【0058】この電気絶縁性媒体は、画像素子の全体的
な調色などの目的で必要なら着色することもできる。着
色する場合は、選択された電気絶縁性媒体に可溶であっ
てその電気的特性と透明性を損なわない種類と量の油溶
性染料または分散性染料を用いることができる。電気絶
縁性媒体は、この他に分散剤、界面活性剤、粘度調整
剤、酸化防止剤、安定剤などを含んでいてもよい。
【0059】EA流体中における無機・有機複合粒子の
濃度は、特に限定されるものではないが0.5重量%〜
15重量 %であることが好ましい。濃度が0.5重量
%未満では充分なEA効果が得られず、15重量%を越
えると濃度が高すぎて電界印加時にも十分な透明感が得
られなくなる惧れがある。
【0060】次に、このEA流体の一般的な作動原理を
説明する。図6(a)(b)はこの動作原理を示すもの
であって、透明電極板101a−101bがスイッチS
wを介して電源Bと電気的に接続されている。この系に
電気絶縁性媒体102中にEA粒子103が分散された
EA流体が充填されている。 図6(a)はスイッチS
wが開放され、透明電極板101a−101bに電界が
印加されていない状態(電界オフ時)を示す。この状態
でEA粒子103は電気絶縁性媒体102中にランダム
に分散・浮遊している。従ってこの系の一方の電極板1
01a側から光Lが入射すると、この光LはEA粒子1
03の表面で乱反射され、光源と反対側からこの系を観
察するとこの系は暗黒に見える。
【0061】次に図6(b)に示すようにスイッチSw
を閉じて透明電極板101a−101bに電界を印加す
ると(電界オン時)、電極板間に介在しているEA粒子
103が透明電極板101a−101bの間で電極板に
垂直な方向に配列して鎖状体104を形成する。電気絶
縁性媒体102中に分散されたEA粒子103の配合割
合は前述のように15重量%以下、特に10重量%以下
とされているので、これらが配列して鎖状体104を形
成すると、鎖状体と鎖状体の間にはEA粒子が存在しな
い間隙が形成されることになり、電極板101a側から
入射した光Lは、この間隙を通過して系を透過する。従
ってこの状態では光源と反対側からこの系を観察すると
系は透明に見える。このときEA粒子104の色は見え
ない。
【0062】この状態で再びスイッチSwをオフにする
と透明電極板101a−101b間の電界は消失するか
ら、鎖状体104は崩壊し、EA粒子103は元のラン
ダムな分散・浮遊状態に戻り、系は光を透過しなくな
る。ただし、ランダム状態に戻る速さは、電気絶縁性媒
体102の粘度、電気絶縁性媒体とEA粒子との比重
差、温度、振動の有無などによって変化する。そこで実
施例2に示したように、透明電極板の一方の面に、第一
電極層と第二電極層とを形成し、この電極層間に電界を
印加するようにすれば、このときはEA粒子103が例
えば図4に示したように、電極板面に平行な鎖状体を簾
状に形成するので電気的に不透明に戻すことができ、透
明/不透明の転換が速やかに行われるようになる。
【0063】透明電極板101a−101b間に印加す
る電界強度は、EA粒子103の特性や電極板間隔など
によって変化することは言うまでもないが、通常はこれ
を電圧で表すとき、例えば0.1kV/mm〜5.0k
V/mmの範囲内で選択することができる。EA粒子が
無機・有機複合粒子である場合は、0.25〜1.5k
V/mmの範囲内が好適である。
【0064】EA粒子103は、電界の印加によって鎖
状体を形成すると述べたが、EA流体におけるEA粒子
の含有量が1重量%を超えて多くなると、図7に示すよ
うに、1列の鎖状体ではなく、複数の鎖状体104が互
いに接合し、カラム105を形成して配列するようにな
る。
【0065】このカラム105においては、複数の鎖状
体104,104,…のEA粒子103が図8に示すよ
うに、互いにずれて接触するように並ぶ。これについて
本発明者らは、(+)と(−)に誘電分極した個々のE
A粒子103が、互いにその対極で引き合って配列し、
エネルギー的な安定を得ているためと推定している。
【0066】従って、EA粒子103の含有量が多い場
合は、多数のカラム105が透明電極板101a−10
1b間に形成されることになり、これに伴ってカラム間
の間隙は単体の鎖状体が多数形成される場合より広くな
り、透過光量の増大が顕著となって更に透明度が高くな
る。
【0067】ところで、前記のようにEA粒子の粒径を
0.1μm〜500μmの範囲内、好ましくは、5μm
〜200μmの範囲内としたのは、本発明に用いるEA
粒子が機能上、光散乱型粒子あるいは光反射型粒子であ
ることに起因している。周知のように、可視光の波長は
380nm〜780nm、即ち、0.38〜0.78μ
mであるので、この程度の波長の光を散乱あるいは反射
させて前記の透過光制御を行うには、EA粒子の粒径を
最低でも0.1μm以上、好ましくは5μm以上とする
ことが必要になる。
【0068】これに対し、ブラウン運動を起こすような
可視光の波長よりも小さな粒径、例えば、5nm〜数1
0nm(0.005〜0.02μm程度)の誘電体の超
微粒子を電気絶縁性媒体中に分散させた場合、電界によ
りこの超微粒子を配向させ得ることも考えられるが、そ
の場合の光透過機構は前記の本願発明の例におけるもの
とは全く異なり、電界無印加時に超微粒子が分散して光
を完全に透過させ、電界印加時には超微粒子が配向して
光を散乱させて減衰することになり、全く異なった挙動
を示すことになる。
【0069】例えば、前記のような超微粒子で誘電性を
示すものとしてはTiBaO4の超微粒子が考えられる
が、TiBaO4は比重が4〜6の範囲の物質で重いの
で、仮にTiBaO4粒子を光反射型にする目的でその
粒径を大きしようとしても、電気絶縁性媒体中で媒体と
の比重差により重力沈降するようになり、均一分散させ
ることは到底できない。また、前記TiBaO4粒子を
電気絶縁性媒体中に均一に分散させるためには、比重の
大きな電気絶縁性媒体が要求されるが、比重4〜6程度
の電気絶縁性媒体は存在しない。これに対して本発明に
用いる無機・有機複合粒子は、前述したように比重を
1.2前後に容易に調整できるので、一般に知られてい
る多種類の電気絶縁性媒体を利用することができる。
【0070】次に着色性の面から見ても、前記超微粒子
に着色することは実際上困難であり、また、仮に着色で
きたとしても、粒子径が小さすぎるので、電気絶縁性媒
体に分散させた超微粒子の色を知覚可能なように発色さ
せることはできない。従って電界のオン/オフによっ
て、本発明に求められる着色不透明と透明との変化をも
たらすことはできない。
【0071】(試験例1)EA流体の一例について、電
界強度と透明度変化との関係を試験した。厚さ1.0m
mのITOガラスを2枚用意し、ITO面を内側にして
2mmの間隔で平行に対向させ、その周縁部を樹脂製の
シール部材でシールし、セルを形成した。このセルには
開孔を設けて下記のEA流体が充填できるようにした。
【0072】水酸化チタン(一般名;含水酸化チタン、
石原産業株式会社製、C−II)40g、アクリル酸ブ
チル300g、1,3−ブチレングリコールジメタクリ
レート100g及び重合開始剤の混合物を、第三リン酸
カルシウム25gを分散安定化剤として含有する180
0mlの水中に分散し、60℃で1時間攪拌下に懸濁重
合を行った。得られた生成物を濾過、酸洗浄し、さらに
水洗後、乾燥して無機・有機複合粒子を得た。
【0073】得られた無機・有機複合粒子をジェット気
流攪拌機(株式会社奈良機械製作所製ハイブリダイザ
ー)を用いてジェット気流攪拌し、表面研磨された無機
・有機複合粒子を得た。このものの比重は1.157、
平均粒径は13.7μmであった。この無機・有機複合
粒子を、その含有率が種々の重量%となるように種々の
動粘度のシリコーンオイル(東芝シリコーン株式会社
製、TSF451シリーズ)中に均一に分散して各種の
EA流体試料を調製した。
【0074】上記の各種のEA流体をそれぞれ上記のセ
ルに充填し、ITO電極板に印加する電界強度(KV/
mm)を種々に変化させ、このときセルに入射した光の
強度とセルを透過した光の強度をそれぞれ光センサで検
出し、その比較値を増加光としてdBmで表示した。こ
の場合、3.2dBmの増加が光パワーでは2.09倍の
増加を意味し、4.2dBmの増加は光パワーで2.63
倍の増加を意味する。測定結果を図9〜図13に示す。
【0075】図9は、シリコーンオイル(電気絶縁性媒
体)の動粘度が10cStの場合において、無機・有機
複合粒子の濃度(重量%)と印加電界強度(KV/m
m)の変化に対応する増加光(dB)を測定した結果を
示す。図10は、シリコーンオイルの動粘度が50cS
tの場合における同様な試験結果を示す。図11はシリ
コーンオイルの動粘度が100cStの場合における同
様な試験結果を示す。
【0076】図9〜図11に示す結果から、試験した粒
子濃度において、0.25kV/mm〜1.5kV/mm
の範囲で電界強度を変化させたとき、いずれの場合も、
電界強度の増大に伴って増加光のdBm値が増加してい
ることがわかる。すなわち、電極板間の電界強度が増大
するに伴ってセルの透明度が大となっている。このこと
から、本発明の表示装置において電界のオン/オフによ
って画像素子の透明/不透明が制御できると共に、電界
強度を変化させればその透明度の階調を連続的ないし断
続的に変化させることも可能であることを示している。
このように電界強度を変化させることによって、個々の
画像素子の透明度を変化させることができる表示装置も
本発明に含まれるものである。また、粒子濃度が1.0
重量%では電界強度を3kV/mmにしても増加光の割
合が少ない。これよって、粒子濃度は2.5重量%以上
とすることが好ましいことがわかる。
【0077】図12は、粒子濃度を5.0重量%に固定
した場合において、シリコーンオイルの動粘度と電界強
度の変化に対応する増加光(dB)を測定した結果を示
す。図13は、粒子濃度を7.5重量%に固定した場合
における同様な試験結果を示す。
【0078】図12、図13に示す結果から、粒子濃度
が5.0重量%であっても7.5重量%であっても、シ
リコーンオイル(電気絶縁性媒体)の動粘度を10cS
t〜100cStの範囲内とするとき、この例では透過
光量の制御幅が最大となったことを示している。
【0079】次に、EA流体の電界応答性についての試
験例を示す。動粘度が10cStのシリコーンオイルに
7重量%の無機・有機複合粒子を分散させたEA流体を
上記のセルに充填し、電界を印加してからの透過光量の
変化を時間と共に測定した。結果を図14に示す。図1
4において、測定開始約1秒後に電界を印加した。
【0080】図14の結果から、このEA流体は電界印
加直後から透過光量が増大し始め、3秒〜4秒で透過光
量が最大になって以後安定することが明らかである。
【0081】図15は、動粘度10cStのシリコーン
オイルに対し、青色に着色したEA粒子を4重量%添加
したEA流体を用いて透過光量測定を行った場合の透過
光量と波長との関係を示す。EA粒子の着色は、EA粒
子を製造する際にその表層を構成するEA無機物の20
重量%を青色顔料に置換することで行った。図におい
て、E=0kVで示される曲線は、電界オフ時の透過波
長スペクトルを示し、E=2kVで示される曲線は、2
kVの電位を電極板に印加した際の透過波長スペクトル
を示す。
【0082】図15の両曲線の比較により明らかなよう
に、電界オフ時には波長の短い青色系の光を僅かに透過
させるのみであった青色系のEA流体が、電界オン時に
は広い波長域で光を透過させるように変化しており、青
色から無色透明に変化したことが明らかである。
【0083】図16は、青色の染料を0.1重量%添加
したジメチルシリコーンオイルを電気絶縁性媒体として
用い、この電気絶縁性媒体のみ(EA粒子を含まないも
の)の透過光量測定を行った場合の透過光スペクトルを
示す。なお、この電気絶縁性媒体は肉眼では薄い青色に
見える媒体である。図16において、光源スペクトルと
媒体スペクトルとを比較すると、短波長の青色を示すス
ペクトル以外の部分で光の吸収がなされている。このこ
とから電気絶縁性媒体が青色になっていることは明らか
である。
【0084】図17は、青色の染料を0.1重量%添加
したジメチルシリコーンオイルを電気絶縁性媒体に用
い、これに黄色に着色したEA粒子を5重量%分散させ
たEA流体について透過光量測定を行った場合の透過光
スペクトルを示す。無機・有機複合粒子を着色する際に
用いた手段は前記の例と同様であり、ただし今回は黄色
の顔料を用いている。
【0085】この図は光源スペクトルとE=0kV/m
mの場合の透過光スペクトルとE=1kV/mmの場合
の透過光スペクトルとを同一画面に示している。この図
から、電界オフ時に青色と黄色の混合色の黄緑色不透明
であったものが、電界オン時に無色透明に近い青色透明
状態に変化したことがわかる。このように種々のバリエ
ーションの色をEA流体に付与することができ、その色
をそれとは異なった色の透明状態または同じ色の透明状
態あるいは無色透明状態に変更できることが明らかにな
った。
【0086】図18は、図3および図4に示した実施例
2の画像素子と同様な、ただし黒色のEA粒子の代わり
に青色のEA粒子を含む画像素子に関するものである。
この画像素子は、一方の透明電極板21aに櫛形の透明
な第一電極層22aおよびこれと非接触的に隣接する透
明な第二電極層22cが互いに入れ子状に形成され、セ
ルの他方の透明電極板21bに対向電極層22bが形成
されたセルに、動粘度10cStのシリコーンオイルを
電気絶縁性媒体とし、青色に着色した無機・有機複合粒
子をEA粒子として4重量%添加したEA流体を充填し
たものである。図18は、この画像素子について、切替
えスイッチ23を切り換えたときの効果を示している。
【0087】図18の線は、いずれの電極板にも電界
を印加しない初期状態における透過光スペクトルを示し
ている。線は、電界を印加し切替えスイッチ23を操
作して第一電極層22aと対向電極層22bとの間に2
kVの電界を印加したときの透過光スペクトルを示して
いる。線は、切替えスイッチ23を切り換えて第一電
極層22aと隣接電極層22cとの間に2kVの電界を
印加したときの透過光スペクトルを示している。
【0088】図18において、線から、電界オフ時に
はEA粒子がランダムに浮遊・分散し、測定波長帯域に
おいて不透明であることを示している。線は、第一電
極層22aと対向電極層22bとの間に電界を印加した
ことによって、EA粒子が透明電極板21aに垂直に配
列し、その結果広い波長帯域で光を透過したことを示し
ている。線は、同一面上の第一電極層22aと第二電
極層22cとの間に電界を印加したとき、EA粒子がこ
の面に平行に配列した結果、光の透過を遮ったことを示
している。すなわち、この電極の切替え操作によって光
の透過度を速やかに変化させることができることがわか
る。
【0089】表1と表2は、動粘度50cStのシリコ
ーンオイル(電気絶縁性媒体)を用い、EA粒子の濃度
を5.0重量%とし、電界強度を変化させたときの透過
光を波長毎に測定した結果を示す。
【0090】
【表1】
【表2】
【0091】表1と表2に示す結果から、本発明に係る
表示装置を用いて画像制御を行う場合、400〜110
0nmの広い波長域において均一な透光性が得られてお
り、本発明により、広範な光波長域において均一な色調
調節ができることが明らかになった。なお、通常、可視
光の波長域は480nm〜780nmとされているの
で、可視光の波長のほぼ全域と、それよりも波長の長い
赤外線領域において、本発明の装置は均一な透過光制御
性能を有することが明らかになった。
【0092】
【発明の効果】本発明の表示装置は、着色された透明電
極板を有する画像素子にEA流体が充填されてなるもの
であるので、この透明電極板に電界をオン/オフするこ
とによって画像素子を透明/不透明に変化させることが
でき、透過光によるカラー表示ができる。このEA流体
は黒色のEA粒子を含んでいるので電界オフ時に透過光
の遮蔽効果が大きく、かつ観察者側からの反射色も黒色
であるから明暗コントラストの良好なカラー表示装置と
なる。
【0093】透明電極板の一方に互いに非接触的に配列
された2以上の電極層が設けられていれば、極性の一方
をこの電極層の一方と対向電極層とに切り替えて電界を
印加することによって、この画像素子の電界応答性を著
しく改善することができる。表示装置が、透明電極板の
色が異なる2以上の画像素子を同一面上に並列して有す
るものであれば、この表示装置は多色表現が可能とな
る。
【0094】EA粒子が有機高分子化合物の芯体とEA
無機物(および顔料)の表層とからなる無機・有機複合
粒子であれば、EA流体の保存安定性と耐光性が良好で
あるので、これを用いた表示装置は耐久性と耐光性に優
れ、屋外使用もできるようになる。本発明の表示装置は
構造が簡単であり、大型化の障害になる要因がないの
で、安価に大型の透過型カラー表示装置を製造すること
ができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の表示装置の一実施例にお
ける電界オフ時の態様を示す断面図と回路図、(b)
は、同じく電界オン時の態様を示す断面図と回路図。
【図2】 図1の実施例に用いたEA流体に含まれるE
A粒子の一例を示す断面図。
【図3】 本発明の第2の実施例における画像素子の電
極板構成を示す展開図と回路図。
【図4】 図3の画像素子における一作動態様を示す断
面図と回路図。
【図5】 (a)は、本発明の第3の実施例における画
素ユニットを示す平面図、(b)は、図5(a)の線X
−X’で切った断面図と回路図。
【図6】 一般のEA流体における、(a)は、電界オ
フ時の挙動を示す断面図、(b)は、電界オン時の挙動
を示す断面図。
【図7】 一般のEA流体におけるEA粒子の電界オン
時の一挙動を示す断面図。
【図8】 図7に示す挙動が起こる原理を説明するため
の断面図。
【図9】 本発明に用いられるEA流体について、電気
絶縁性媒体の動粘度を10cStに固定し、EA粒子濃
度と印加する電界強度とを変化させたときの透明度の変
化を示すグラフ。
【図10】 本発明に用いられるEA流体について、電
気絶縁性媒体の動粘度を50cStに固定し、EA粒子
濃度と印加する電界強度とを変化させたときの透明度の
変化を示すグラフ。
【図11】 本発明に用いられるEA流体について、電
気絶縁性媒体の動粘度を100cStに固定し、EA粒
子濃度と印加する電界強度とを変化させたときの透明度
の変化を示すグラフ。
【図12】 本発明に用いられるEA流体について、E
A粒子濃度を5.0重量%に固定し、電気絶縁性媒体の
動粘度と印加する電界強度とを変化させたときの透明度
の変化を示すグラフ。
【図13】 本発明に用いられるEA流体について、E
A粒子濃度を7.5重量%に固定し、電気絶縁性媒体の
動粘度と印加する電界強度とを変化させたときの透明度
の変化を示すグラフ。
【図14】 EA流体におけるセルの電界応答性の測定
例を示すグラフ。
【図15】 EA流体におけるセルの電界オフ時および
電界オン時の透過光スペクトルを示すグラフ。
【図16】 EA流体における電気絶縁性媒体の透過光
スペクトルを示すグラフ。
【図17】 青色に着色した電気絶縁性媒体中に、黄色
に着色したEA粒子を分散させたEA流体について、電
界オフ時および電界オン時の透過光スペクトルを示すグ
ラフ。
【図18】 実施例2と同等な表示装置において、電界
オフ時、対向電極層に電界を印加したとき、および第二
電極層に電界を印加したときの透過光スペクトルを示す
グラフ。
【符号の説明】
1…画像素子、2a,2b…透明電極板、3…EA流
体、4a,4b…透明電極層、5a,5b…透明ガラス
層、6…EA粒子、7…電気絶縁性媒体、9…スイッ
チ、10…電源、11…バックライト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明石 一弥 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 大坪 泰文 千葉県千葉市稲毛区小仲台9丁目21番1号 206

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する2枚の透明電極板の間に電界配
    列効果を有する黒色の固体粒子を透明な電気絶縁性媒体
    中に含有してなる電気感応型光機能性流体組成物が充填
    され、かつこの透明電極板の少なくともいずれか一方が
    着色されてなる画像素子を有する透過型カラー表示装
    置。
  2. 【請求項2】 上記透明電極板の少なくともいずれか一
    方に、互いに非接触的に配列された2以上の透明な電極
    層が形成されてなる請求項1に記載の透過型カラー表示
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2のいずれかに記
    載の画像素子が2以上、同一面上に並列され、隣接する
    各画像素子の透明電極板が、互いに異なる色に着色され
    てなる透過型カラー表示装置。
  4. 【請求項4】 電気感応型光機能性流体組成物中の固体
    粒子が、有機高分子化合物からなる芯体と、電界配列効
    果を有する無機物を含む表層とによって形成された無機
    ・有機複合粒子である請求項1ないし請求項3のいずれ
    か1項に記載の透過型カラー表示装置。
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