JPH08129348A - 大型カラー表示装置 - Google Patents

大型カラー表示装置

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Publication number
JPH08129348A
JPH08129348A JP6267891A JP26789194A JPH08129348A JP H08129348 A JPH08129348 A JP H08129348A JP 6267891 A JP6267891 A JP 6267891A JP 26789194 A JP26789194 A JP 26789194A JP H08129348 A JPH08129348 A JP H08129348A
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JP
Japan
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cell
transparent
electric field
particles
inorganic
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Application number
JP6267891A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidenobu Anzai
秀伸 安齊
Kazuya Edamura
一弥 枝村
Kazuya Akashi
一弥 明石
Yasubumi Otsubo
泰文 大坪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パブリックスペースで用いることができて、
白昼でも視認性が高い反射型の大型カラー表示装置を得
る。 【構成】 画像素子が2以上のセル10,…の並列体か
らなり、それぞれのセルが表示面となる透明板11a,
…と反対側に着色不透明板11b,…とを有し、その一
方に透明な基準電極12a,…が、他方に対向電極12
b,…が形成され、各セルの着色不透明板11b,…が
黒以外の異なる色に着色され、各セルの電極の間に、電
界配列性粒子13,…を電気絶縁性媒体中に含有してな
る電気感応型光機能性流体組成物14,…が充填され、
その電界配列性粒子がいずれのセルのものも黒色であ
り、かつセルの基準電極と対向電極との間に電界をオン
/オフする手段15,…が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は競技場やビルの壁面など
のパブリックスペースで用いることができて、白昼でも
視認性が高い大型カラー表示装置に関するものであり、
特に電気感応型光機能性流体組成物を用い、電界のオン
/オフによって画像を制御することができる反射型の大
型カラー表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】競技場やビルの壁面などのパブリックス
ペースで用いることができて、表示面の色や画像を随時
に変化させることができる大型カラー表示装置(以下、
単に「大型表示装置」という)として従来から知られて
いるものは電光表示板、ネオンサイン、CRT表示板、
LED表示板、液晶表示板、投影型表示装置などであ
る。しかしこれらはいずれも、白昼屋外などの明るい場
所で用いるには輝度が不足して視認性が悪く、また機構
上または経費的な理由から十分に大型の画面が得られな
いなどの問題がある。
【0003】白昼でも視認性が高いカラー表示装置とし
ては、回転板、反転板などの不透明着色板を有する反射
型のものが用いられている。このうち、回転板式のもの
は、表示装置の動画表示窓から、文字や画像を描いた円
盤状または巻回ベルト状の回転板の部分を見せ、この回
転板を連続的または間欠的に回転することによって画像
を変化させるものである。また反転板式のものは、それ
ぞれ異なる画像の部分または色を付与した小片状の反転
素子をマトリックス状に表示面に配列し、その各反転素
子を個別に2面またはそれ以上に反転し得るようにした
もので、この各反転素子の面をそれぞれ個別に制御して
動画などを表現するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】明るい場所でも視認性
が高い従来のこれらの反射型表示装置は、いずれも画像
の駆動が機械的に行われるため、表示できる画像が限定
されたり、また構造が複雑で故障しやすく、騒音を発生
し、重くかつ高価などの問題があって用途が限定されて
いた。そこで、白昼でも視認性が高く、しかも電気的な
機構でカラー画像を変化させることできる反射型の大型
表示装置が求められていた。
【0005】ところで本発明者らは、従来知られていな
い新規な電界配列性を有する電気感応型光機能性流体組
成物(以下、「EA流体」という)の研究を行ってい
る。この組成物は電気絶縁性の媒体中に固体粒子を分散
させて得られる流体であり、これに電界を印加すると固
体粒子が誘電分極を起こし、更に誘電分極に基づく静電
引力によって互いに電場方向に配位連結して整列し、鎖
状体構造を示す性質を持っている。また、固体粒子によ
っては電気泳動性を有することにより、電界印加時に電
極部分に電気泳動して配列し、配列塊状構造を示す性質
を示すものもある。
【0006】以下、電界印加時に媒体中の固体粒子が上
記のように配列する効果を電界配列効果または「EA効
果」と呼び、媒体中でこの性質を現す固体粒子を電界配
列性粒子または「EA粒子」と呼ぶこととする。
【0007】そこで、このEA流体を用いて、白昼でも
視認性が高い反射型の大型表示装置を提供する技術が求
められた。本発明は、上記の課題を解決するべく、鋭意
研究の結果達成されたものであって、従ってその目的
は、このEA流体を用い、電気的な手段によってカラー
画像を変化させることができる反射型の大型表示装置を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明者らは第1の大型表示装置として、画像素子
が2以上のセルの並列体からなり、それぞれのセルが、
一方の面が透明板で他方の面が着色不透明板である対向
する2面を有しかつこの2面のいずれか一方の面の内側
に透明な基準電極が形成され他方の面の内側に透明な対
向電極が形成されてなり、上記の各セルの着色不透明板
がそれぞれ黒以外の異なる色に着色され、それぞれのセ
ルが、その透明板を画像素子の表示面として同一面上に
隣接して並列配置され、それぞれのセルの上記電極の間
に、EA粒子を電気絶縁性媒体中に含有してなるEA流
体が充填され、それぞれのセルに充填されたEA流体中
の上記EA粒子がいずれも黒色に着色されてなり、かつ
それぞれのセルの基準電極と対向電極との間にそれぞれ
電界をオン/オフできる手段が設けられた大型カラー表
示装置を提供する。
【0009】さらに上記の課題を解決するために本発明
者らは第2の大型表示装置として、画像素子が2以上の
セルの積層体からなり、この内の1個のセルが、一方の
面が透明板で他方の面が着色不透明板である対向する2
面を有する片透明セルであり、他のセルが、双方共が透
明板である対向する2面を有する両透明セルであり、上
記各セルの上記2面のいずれか一方の面の内側に透明な
基準電極が形成され他方の面の内側に透明な対向電極が
形成され、上記の両透明セルが上記片透明セルの透明板
上に積層されてこの画像素子が形成され、それぞれのセ
ルの上記電極の間に、EA粒子を電気絶縁性媒体中に含
有してなるEA流体が充填され、この画像素子の表示面
となる透明板を有するセルに充填されたEA流体中の上
記EA粒子が黒色に着色されてなり、他のセルの上記E
A粒子および上記の着色不透明板がそれぞれ黒以外の異
なる色に着色されてなり、かつそれぞれのセルの基準電
極と対向電極との間にそれぞれ電界をオン/オフできる
手段が設けられた大型カラー表示装置を提供する。
【0010】上記の第1の大型表示装置または第2の大
型表示装置において、それぞれのセルの基準電極が形成
された面には、この基準電極と互いに隣接する透明な隣
接電極が形成され、この基準電極と隣接電極との間、ま
たは基準電極と前記対向電極との間に、電界を切替えて
印加する手段が設けられていることが好ましい。
【0011】上記のいずれの大型表示装置においても、
前記のEA粒子は、有機高分子化合物からなる芯体と、
EA効果を有する無機物(以下、「EA無機物」とい
う)を含む表層とによって形成された無機・有機複合粒
子であることが好ましい。
【0012】
【作用】EA流体は電界無印加の状態ではEA粒子のラ
ンダム分散系であるから不透明であり、EA粒子の色が
反射色として見える。これに電界を印加すると、EA粒
子が電場方向に配列して鎖状体を形成するために、光は
この鎖状体と平行な方向に透過するようになる。従って
電界印加時にはEA流体は透明になって着色不透明板の
色が反射色として見えるようになる。本発明の第1の大
型表示装置にあっては、着色不透明板の色が異なるセル
が並列されて画像素子が形成され、各セルには黒色のE
A流体が含まれているのでこのEA流体がシャッターと
なって、電界を印加したセルの着色不透明板の色のみが
見えるようになる。従ってその着色不透明板の色がこの
画像素子の表示色となる。本発明の第2の大型表示装置
にあっては最上層のセルに黒色のEA流体が含まれてい
るのでこれがシャッターになり、最上層のセルに電界が
印加されたときにのみ、表示面から第2層目以降のセル
の色または着色不透明板の色が見えるようになる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳しく説明す
る。 (実施例1)図1(a)(b)は本発明の大型表示装置
の一実施例を示している。図1(a)に示すようにこの
大型表示装置は幅10m、高さ5mの表示面8を有し、
この表示面8上でカラー画像を経時的に変化させ、さま
ざまな情報や動画を連続的に表現することができるもの
である。またこの表示面8は夜間には照明9によって照
明されるようになっている。この表示面8は、その一部
Aを拡大して図1(b)の円A内に示すように、正方形
の画像素子1がマトリクス状にタテ・ヨコに密着配列さ
れて形成されている。
【0014】図2(a)(b)は、本発明の大型表示装
置の第1の実施例における1個の画像素子を示す。図2
(a)はその平面図、図2(b)は図2(a)の線X−
X’で切った断面図と回路図である。この画像素子1
は、4個の正方形のセル10、20、30、40の並列
体からなっている。これらのセルはいずれも概略同一の
構成を有するので、共通部分はセル10についてのみ説
明する。
【0015】セル10は対向する2面11a、11bを
有し、その2面の一方の面11aが透明板で他方の面1
1bが着色不透明板である。このセルを「片透明セル」
という。このセルの2面11a、11bのいずれか一方
の面、例えば11aの内側には透明な基準電極12aが
形成され他方の面11bの内側には透明な対向電極12
bが形成されている。セル10、20、30、40はい
ずれも片透明セルであって、各セルの着色不透明板11
b、21b、31b、41bは、それぞれ黒以外の異な
る色、例えば赤色、青色、黄色、白色に着色されてい
る。セル10、20、30、40は、透明板11a、2
1a、31a、41aを画像素子1の表示面として同一
面上に隣接して並列配置されている。
【0016】セル10に含まれるEA流体14は、電気
絶縁性媒体であるシリコーンオイル中にEA粒子13が
均一に分散されてなり、このEA粒子13は、図3に示
すように、有機高分子化合物であるポリアクリル酸エス
テルからなる芯体3と、EA無機物である水酸化チタン
微粒子4および黒色顔料5を含む表層6とによって形成
された無機・有機複合粒子(13)である。このEA流
体14の電界無印加時の色はEA粒子13の顔料の色に
よって黒色に見える。他のセル20、30、40に含ま
れるEA流体もEA流体14と実質的に同様の構成を有
し、電界無印加時の色はいずれも黒色である。
【0017】セル10の基準電極12aと対向電極12
bからそれぞれ配線が引き出され、これらの電極が電界
をオン/オフするためのスイッチ15と電源2に接続さ
れている。他のセル20、30、40についても同様で
ある。
【0018】この画像素子1は、以下のように作動す
る。いま、セル10、20、30、40の全てのスイッ
チをオフにしておくと、図2(a)に示すように、全て
のセルはEA流体中の黒色のEA粒子がランダムに分散
しているので黒色に見え、従ってこの画像素子1の表示
色は黒である。
【0019】次に例えばセル10のスイッチ15のみを
オンにしたとする。このとき、セル10中のEA粒子1
3は、図4(a)(b)に示すように、電界によるEA
効果によって電極12a−12bに垂直に配列して鎖状
体16を形成する結果、EA流体14中を光が透過し、
着色不透明板11bの色、すなわち赤色が見えるように
なる。従ってこの画像素子1の表示色は赤になる。次に
セル10のスイッチ15をオフにし、セル20のスイッ
チ25をオンにすると、セル10中のEA粒子13は元
のランダム分散状態に戻り、セル20中のEA粒子23
が鎖状体を形成するから、セル20のEA流体24中を
光が透過し、着色不透明板11bの色、すなわち青色が
見えるようになる。従ってこの画像素子1の表示色は青
になる。同様にして、セル30またはセル40のスイッ
チをオンにして他をオフにすれば、画像素子1の表示色
はそれぞれ黄または白になる。
【0020】この実施例の大型表示装置は、上記の画像
素子1が多数、縦横に配列されて構成されている。従っ
て上記の画像素子1の表示面の4分の1部が黒以外の色
に変化しても、観察距離に比して画像素子が十分に小さ
ければ、この画像素子全体がこの色に変色したと認めら
れる。また、この画像素子1の任意の2セルまたは3セ
ルを同時にオンにすれば、この画像素子1はそれらの混
合色に変化したと認められる。例えばセル10(赤色)
とセル20(青色)とを同時にオンにすれば、これを遠
くから観察したときは紫色に見える。またセル10(赤
色)とセル40(白色)とを同時にオンにすれば桃色に
見える。従って、これらの画像素子のそれぞれのスイッ
チをコンピュータ処理などによって制御すれば、色と画
像とを広範に変化させることができる反射型の大型表示
装置が得られる。
【0021】この実施例において、画像素子を構成する
セルの形状、数、配列パターン、各セルの色、回路構成
などが上記のものに限定されないことは言うまでもな
い。例えば各セルが円形でそれぞれが円周で接するよう
に構成されていてもよく、またセルが長方形でその長辺
で接するように並列されて構成されていてもよい。それ
ぞれのセルの着色不透明板の色は、赤、青、黄、白が好
ましくはあるが、他の色の組み合せであってもよい。
【0022】(実施例2)図5は、本発明の第2の大型
表示装置の一実施例における1個の画像素子を示す断面
図と回路図である。この画像素子7は、4個のセル5
0、60、70、80の積層体からなっている。この内
の1個のセル50は、一方が透明板51aで他方が着色
不透明板51bである対向する2面を有する片透明セル
である。他のセル60、70、80は、双方共が透明板
(例えばセル80における81a、81b)である対向
する2面を有する両透明セルである。この画像素子7
は、両透明セル60、70、80が片透明セル50の透
明板51a上に積層されて形成されている。この実施例
では隣接する各セルの間の透明板は兼用されている。こ
れら各セル50、60、70、80の上記2面のいずれ
か一方の面、例えばセル50における面51aの内側に
は透明な基準電極52aが形成され他方の面51bの内
側には透明な対向電極52bが形成さている。他のセル
についても同様である。
【0023】各セル50、60、70、80の上記電極
の間には、それぞれEA粒子53、63、73、83を
電気絶縁性媒体中に含有してなるEA流体54、64、
74、84が充填されている。この内、画像素子7の表
示面となる透明板81aを有するセル80に充填された
EA流体84中のEA粒子83は黒色に着色され、他の
セル50、60、70のEA粒子53、63、73およ
び上記の着色不透明板51bは、それぞれ黒以外の異な
る色に着色されている。各セルの基準電極と対向電極
は、それぞれ独立に電界をオン/オフするスイッチ5
5、65、75、85と電源2に接続されている。
【0024】各セルに含まれるEA流体54、64、7
4、84は、実施例1の場合と同様に電気絶縁性媒体で
あるシリコーンオイル中にそれぞれEA粒子53、6
3、73、83が均一に分散されてなり、このそれぞれ
のEA粒子は、有機高分子化合物であるポリアクリル酸
エステルからなる芯体3と、EA無機物である水酸化チ
タン微粒子4および顔料を含む表層とによって形成され
た無機・有機複合粒子である。ただしEA粒子53では
EA無機物である水酸化チタン自体が白色であるから他
の顔料を含まず、他のEA粒子63、73、83の表層
に含まれる顔料は、それぞれ青色、赤色、黒色である。
また着色不透明板51bは黄色に着色されている。
【0025】この画像素子7は、以下のように作動す
る。いま、画像素子7の表示面81aをなすセル80の
スイッチ85をオフにしておくと、他のスイッチのオン
/オフに係わらず、表示面はEA粒子83の色によって
黒色に見える。次に、例えば図6に示すように、スイッ
チ85をオンにし、スイッチ75をオフのままにしてお
くと、セル80のEA粒子83は電界によるEA効果に
よって電極82a−82bに垂直に配列して鎖状体86
を形成する結果、EA流体84中を光が透過し、セル7
0のEA流体74の色、すなわち赤色が見えるようにな
る。従ってこの画像素子7の表示色は赤になる。
【0026】以下、同様にスイッチ85およびスイッチ
75をオンにし、スイッチ65をオフにしておけばセル
80とセル70とが透明になるからセル60の色すなわ
ち青色が見え、スイッチ85、75、65をオンにし、
スイッチ55をオフにしておけば白色が見え、全てのス
イッチをオンにすれば、全てのセルが透明になるから底
面をなす着色不透明板51bの色、すなわち黄色が見え
るようになる。
【0027】このように、この画像素子7はスイッチ5
5、65、75、85のオン/オフ操作によって黒、
白、赤、青、黄の5色に変色表示することができる。こ
の実施例の大型表示装置は、観察距離に比して十分に小
さいサイズの画像素子7が多数、縦横に配列されて構成
されている。そこで、隣接する画像素子に異なる色を表
示すれば、大型表示面のこの部分はそれらの混合色とし
て認識される。従ってこれらの画像素子のそれぞれのス
イッチをコンピュータ処理などによって制御すれば、中
間色を含めた広範な色と画像とが表示できる反射型の大
型表示装置が得られる。この実施例において、画像素子
を構成するセルの形状、数、各セルおよび着色不透明板
の色、その重ね順、回路構成などが上に示したものに限
定されないことは言うまでもない。
【0028】(実施例3)実施例3のカラー表示装置に
おける画像素子は、それぞれのセルの電極の構成と、そ
れに伴う電気回路が異なる以外は実施例1と同様であ
る。従ってここでは1個のセルについてのみ説明する。
図7は、この実施例における1個のセル90の電極の構
成と電気回路とを示している。このセルの一方の透明面
91aには、櫛形の透明な基準電極92aおよびこれと
互いに隣接する透明な隣接電極92cが、互いに入れ子
状に形成され、セルの他方の面91bには全面に対向電
極92bが形成されている。
【0029】このセルにおける電気回路は以下のように
構成されている。透明面91a上に形成された隣接電極
92cと他方の面91b上に形成された対向電極92b
とは、それぞれ切替えスイッチ93のそれぞれの固定端
子93c、93bに接続されている。切替えスイッチ9
3の可動端子93aは電源2の例えば(−)側に接続さ
れている。一方、透明面91a上の基準電極92aは、
この電源2の(+)側に接続されている。すなわちこの
電気回路は、切替えスイッチ93を切り換えることによ
って基準電極92aと隣接電極92cとの間、または基
準電極92aと対向電極92bとの間に、電界を切り替
えて印加することができるようになっている。
【0030】この電気回路との組み合せによって、セル
90は次のように作動する。まず、切替えスイッチ93
を対向電極92b側に接続すると、基準電極92aと対
向電極92bとの間に電界が印加される。従って、この
電極間に介在するEA流体は電界配列して透明面91a
に垂直な鎖状体を形成し、従ってこのセル90は透明に
なり、着色不透明板91bの色が見える。
【0031】次に切替えスイッチ93を隣接電極92c
側に切り換えると、基準電極92aと隣接電極92cと
の間に電界が印加される。このとき、EA流体は図8に
示すように、EA粒子94が基準電極92aと隣接電極
92cとの間に電界配列することによって、透明面91
aに平行な鎖状体95が形成され、この鎖状体95によ
って面が覆われるのでセルはEA粒子94の色によって
黒色不透明になる。
【0032】実施例3の大型表示装置における画像素子
は、上記のセル90の透明/不透明の変化が切替えスイ
ッチ93の切替えに依存して直ちに行われるので、電界
応答性の良好な大型表示装置となる。
【0033】実施例3に示した大型表示装置の画像素子
は実施例1の並列体の構成を有するものであるが、この
電極構成と回路構成は実施例2に示した積層体構成の画
像素子にも同様に適用することができる。実施例3にお
ける基準電極92aと隣接電極92cおよび対向電極9
2bとの極性は逆であってもよいことは言うまでもな
い。また基準電極92aと隣接電極92cのパターン
は、実施例3では櫛形とされているがこれに限定される
ものではなく、互いに隣接するように構成されたパター
ンであれば、例えば渦巻状、樹枝状など、いかなる形状
であってもよい。
【0034】以下に、本発明の大型表示装置に用いるに
好適なEA流体について、詳しく説明する。このEA流
体は、基本的にはEA効果を有する固体粒子(EA粒
子)を電気絶縁性媒体中に含有してなるものであれば、
いかなるものであってもよい。しかしEA粒子として特
に好適なものは、図3に示したように、有機高分子化合
物からなる芯体と、EA効果を有する無機物(EA無機
物)および色素を含む表層とによって形成された無機・
有機複合粒子である。この無機・有機複合粒子は表層が
EA無機物からなるので粒子全体としてEA効果を有し
ており、しかもEA無機物の比重が大きくても芯体が比
較的比重の小さい有機高分子化合物からなっているの
で、EA粒子の比重を電気絶縁性媒体と近似させること
ができ、分散性の良好なEA流体が得られる。
【0035】上記の芯体として使用し得る有機高分子化
合物の例としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸エス
テル、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合
物、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ニ
トリルゴム、ブチルゴム、ABS樹脂、ナイロン、ポリ
ビニルブチレート、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂な
どの1種または2種以上の混合物、またはこれらのモノ
マーまたはオリゴマー相互の、もしくは他のモノマーま
たはオリゴマーとの共重合物を挙げることができる。ま
た、上記の有機高分子化合物として、水酸基、カルボキ
シル基、アミノ基などの官能基を含有するものも使用す
ることができ、このような官能基含有有機高分子化合物
はEA効果を高めることができるので好ましいものであ
る。
【0036】無機・有機複合粒子の表層として用いるに
適したEA無機物は、電気半導体性無機物、無機イオン
交換体、シリカゲル、またはこれらの少なくともいずれ
か1種に金属ドーピングを施したもの、もしくは金属ド
ーピングの有無に拘らず、これらの少なくともいずれか
1種を他の支持体上に電気半導体層として施したもので
ある。
【0037】ここで、好ましい電気半導体性無機物の例
としては、(1)例えばSnO2 、アモルファス型二酸
化チタン(出光石油化学株式会社製)などの金属酸化
物、(2)例えば水酸化チタン、水酸化ニオブなどの金
属水酸化物、(3)例えばFeO(OH)(ゲーサイ
ト)などの金属酸化水酸化物、および以下に説明する無
機イオン交換体を挙げることができる。ここで、水酸化
チタンとは、含水酸化チタン(石原産業株式会社製)、
メタチタン酸(別名βチタン酸、TiO(OH)2 )お
よびオルソチタン酸(別名αチタン酸、Ti(OH)
4 )を含むものである。
【0038】無機イオン交換体の例としては、例えば
(4)多価金属の水酸化物、(5)ハイドロタルサイト
類、(6)多価金属の酸性塩、(7)ヒドロキシアパタ
イト、(8)ナシコン型化合物、(9)粘土鉱物、(1
0)チタン酸カリウム類、(11)ヘテロポリ酸塩、お
よび(12)不溶性フェロシアン化物を挙げることがで
きる。これらの詳細について、以下に説明する。
【0039】(4)多価金属の水酸化物。これらの化合
物は、一般式MOx(OH)y(Mは多価金属であり、x
は零以上の数であり、yは正数である)で表され、例え
ば、水酸化チタン、水酸化ジルコニウム、水酸化ビスマ
ス、水酸化錫、水酸化鉛、水酸化アルミニウム、水酸化
タンタル、水酸化ニオブ、水酸化モリブデン、水酸化マ
グネシウム、水酸化マンガン、および水酸化鉄などであ
る。ここで、例えば水酸化チタンとは含水酸化チタン
(別名メタチタン酸またはβチタン酸、TiO(OH)
2)および水酸化チタン(別名オルソチタン酸またはα
チタン酸、Ti(OH)4)の双方を含むものであり、
他の化合物についても同様である。
【0040】(5)ハイドロタルサイト類。これらの化
合物は、一般式M13Al6(OH)43(CO)3・12H
2O(Mは 二価の金属である)で表され、例えば二価の
金属MがMg、CaまたはNiなどである。 (6)多価金属の酸性塩。これらは例えばリン酸チタ
ン、リン酸ジルコニウム、リン酸錫、リン酸セリウム、
リン酸クロム、ヒ酸ジルコニウム、ヒ酸チタン、ヒ酸
錫、ヒ酸セリウム、アンチモン酸チタン、アンチモン酸
錫、アンチモン酸タンタル、アンチモン酸ニオブ、タン
グステン酸ジルコニウム、バナジン酸チタン、モリブデ
ン酸ジルコニウム、セレン酸チタンおよびモリブデン酸
錫などである。
【0041】(7)ヒドロキシアパタイト。これらは例
えばカルシウムアパタイト、鉛アパタイト、ストロンチ
ウムアパタイト、カドミウムアパタイトなどである。 (8)ナシコン型化合物。これらには例えば(H3O)
Zr2(PO43のようなものが含まれるが、本発明に
おいてはH3OをNaと置換したナシコン型化合物も使
用できる。 (9)粘土鉱物。これらは例えばモンモリロナイト、セ
ピオライト、ベントナイトなどであり、特にセピオライ
トが好ましい。
【0042】(10)チタン酸カリウム類。これらは一
般式aK2O・bTiO2・nH2O(a は0<a≦1を
満たす正数 であり、bは1≦b≦6を満たす正数であ
り、nは 正数である)で表され、例えばK2・TiO2
・2H2O、K2O・2TiO2・2 H2O、0.5K2
・TiO2・2H2O、およびK2O・2.5TiO2・2
2O などである。なお、上記化合物のうち、aまたは
bが整数でない化合物はaまたはbが適当な整数である
化合物を酸処理し、KとHとを置換することによって容
易に合成される。 (11)ヘテロポリ酸塩。これらは一般式H3AE12
40・nH2O(Aはリン、ヒ素、ゲルマニウム、または
ケイ素であり、Eはモリブデン、タングステン、または
バナジウムであり、nは正数である)で表され、例えば
モリブドリン酸アンモニウム、およびタングストリン酸
アンモニウムである。 (12)不溶性フェロシアン化物。これらは次の一般式
で表される。Mb-pxaA[E(CN)6](Mはアルカリ
金属または水素イオン、Aは亜鉛、銅、ニッケル、コバ
ルト、マンガン、カドミウム、鉄(III)またはチタ
ンなどの重金属イオン、Eは鉄(II)、鉄(II
I)、またはコバルト(II)などであり、bは4また
は3であり、aはAの価数であり、pは0〜b/aの正
数である)。これらには例えば、Cs2Zn[Fe(C
N)6]およびK2Co[Fe(CN)6]などの不溶性
フェロシアン化合物が含まれる。
【0043】上記(4)〜(12)の無機イオン交換体
はいずれもOH基を有しており、これらの無機イオン交
換体のイオン交換サイトに存在するイオンの一部または
全部を別のイオンに置換したもの(以下、置換型無機イ
オン交換体という)も、本発明における無機イオン交換
体に含まれるものである。即ち、前述の無機イオン交換
体をR−M1(M1は、イオン交換サイトのイオン種を表
す)と表すと、R−M1におけるM1の一部または全部
を、下記のイオン交換反応によって、M1とは異なるイ
オン種M2に置換した置換型無機イオン交換体もまた、
本発明における無機イオン交換体である。 xR−M1+yM2→Rx−(M2)y+xM1 (ここでx、yはそれぞれイオン種M2、M1の価数を表
す)。M1はOH基を有する無機イオン交換体の種類に
より異なるが、無機イオン交換体が陽イオン交換性を示
すものでは、一般にM1はH+であり、この場合のM2
アルカリ金属、アルカリ土類金属、多価典型金属、遷移
金属または希土類金属など、H+以外の金属イオンのい
ずれか任意のものである。OH基を有する無機イオン交
換体が陰イオン交換性を示すものでは、M1は一般にO
であり、その場合M2は例えばI、Cl、SCN、
NO2、Br、F、CH3COO、SO4またはCrO4
どや錯イオンなど、OH-以外の陰イオン全般の内の任
意のものである。
【0044】また、高温加熱処理によりOH基を一旦失
ってはいるが、水に浸漬させるなどの操作によって再び
OH基を有するようになる無機イオン交換体について
は、その高温加熱処理後の無機イオン交換体なども本発
明に使用できる無機イオン交換体の一種であり、その具
体例としてはナシコン型化合物、例えば(H3O)Zr2
(PO43の加熱により得られるHZr2(PO43
ハイドロタルサイトの高温 加熱処理物(500〜70
0℃で加熱処理したもの)などがある。これらの無機イ
オン交換体は一種類だけではなく、多種類を同時に表層
として用いることもできる。なお、上記の無機イオン交
換体として、多価金属の水酸化物、および多価金属の酸
性塩を用いることが特に好ましい。
【0045】EA無機物に金属ドーピングを施したもの
(13)の例としては、アンチモンドーピング酸化錫な
どを挙げることができる。金属ドーピングは、EA無機
物の電気伝導度を上げたい場合に施される。また、他の
支持体上に電気半導体層としてEA無機物を施したもの
(14)の例としては、例えば支持体として酸化チタ
ン、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナなどの無機物
粒子、またはポリエチレン、ポリプロピレンなどの有機
高分子粒子を用い、これに電気半導体層としてアンチモ
ンドーピング酸化錫を施したものなどを挙げることがで
きる。
【0046】これらのEA無機物は、1種類だけではな
く、2種類またはそれ以上を混合して用いることもでき
る。無機・有機複合粒子の表層に用いるに特に好適なE
A無機物は、(1)金属酸化物、(2)金属水酸化物、
(3)金属酸化水酸化物、(4)多価金属の水酸化物、
(13)金属ドーピングEA無機物、または(14)他
の支持体上に電気半導体層としてEA無機物を施したも
のなどである。
【0047】EA無機物を用いるに際しては、その電気
伝導度が室温にて103 Ω-1/cm〜10-11 Ω-1/c
mの範囲内にあるものを選択することが好ましい。電気
伝導度が103 Ω-1/cmを越えると、これを含むEA
流体に過大な電流が流れ、電力消費が大きいばかりでな
く装置が過熱される可能性がある。10-11 Ω-1/cm
未満ではEA効果が微弱であるために、十分な効果が得
られない場合がある。
【0048】無機・有機複合粒子において、表層を形成
するEA無機物と芯体を形成する有機高分子化合物との
重量比(%)は、特に限定されるものではないが、例え
ば(EA無機物):(有機高分子化合物)の重量比で
(1〜60):(99〜40)の範囲内、特に(4〜3
0):(96〜70)の範囲内であることが好ましい。
EA無機物の重量比が1%未満では得られたEA流体の
EA効果が不十分であり、60%を超えると、比重が大
となってEA粒子の安定分散が得難くなると共に、得ら
れたEA流体に過大な電流が流れるようになる。
【0049】EA粒子の着色には、芯体に染料または顔
料を含ませることもできるが、EA流体の色は主として
EA粒子の表層に依存するので、図3に示すように、E
A粒子の表層が着色されていることが好ましい。これ
は、表層の形成時にEA無機物と共に有機または無機の
任意の顔料を用いることによって実現できる。このとき
EA無機物自体が所望の色に呈色しているものであれば
別途に顔料を用いる必要はない。
【0050】無機・有機複合粒子は上記以外の成分を含
んでいてもよい。その例としては例えば芯体に酸化防止
剤、充填剤、カプリング剤、カーボンブラックなど、ま
た表層にカーボンブラックやアミン系化合物などの荷電
調整材などを挙げることができる。
【0051】EA粒子の比重は、電気絶縁性媒体中に安
定に分散させるにはこの電気絶縁性媒体の比重に近いこ
とが好ましい。一般的には、用いる電気絶縁性媒体との
関係から比重1.0〜2.0程度であることが好まし
い。EA粒子と電気絶縁性媒体との比重差が大きいと、
媒体中でEA粒子が重力沈降し、均一分散ができなくな
ることもある。この観点から、芯体に比較的比重の小さ
な有機高分子化合物を使用する無機・有機複合粒子は、
表層を形成するEA無機物の比重が大きくても、相対的
に比重を小さくすることができて有利である。無機・有
機複合粒子では、用いる有機高分子化合物とEA無機物
の種類と比率とを選択することによって、その比重を自
在に調整することができる。
【0052】EA粒子の粒径および形状は特に限定され
るものではないが、粒径が0.1μm〜500μm、特
に5μm〜200μm程度の球体であることが好まし
い。粒径が0.1μm未満では光の反射性が低下し、透
明に見えるようになって不都合であるばかりでなく、一
定重量含むEA流体の粘度が上昇し、電界のオン/オフ
変化に対する応答性が低下し、また気泡を巻き込み易く
なり好ましくない。500μmを越えると粒径が過大で
あるため電界のオン/オフに対応する応答が鈍くなり、
また分散安定性も低下する。このときのEA無機物の粒
径は特に限定されるものではないが、好ましくは0.0
05μm〜100μmであり、さらに好ましくは0.0
1μm〜10μmである。
【0053】無機・有機複合粒子は種々な方法で製造す
ることができる。その一例として、例えば有機高分子化
合物からなる芯体の粒子とEA無機物の微粒子とをジェ
ット気流で搬送して衝突させる方法がある。この場合は
芯体粒子の表面にEA無機物微粒子が高速度で衝突し、
固着して表層を形成する。また、別の製法例としては、
芯体粒子を気体中に浮遊させておき、EA無機物の溶液
を霧状にしてその表面に噴霧する方法がある。この場合
はその溶液が芯体粒子の表面に付着した後、乾燥によっ
て表層が形成される。
【0054】無機・有機複合粒子を製造する好ましい製
法例は、芯体と表層とを同時に形成する方法である。こ
の方法は、例えば、芯体を形成する有機高分子化合物の
モノマーまたはオリゴマー(以下、単に「モノマー」と
いう)を重合媒体中で乳化重合、懸濁重合または分散重
合するに際して、EA無機物の微粒子および顔料を上記
モノマーまたは重合媒体中に存在させる方法である。重
合媒体としては水が好ましいが、水と水溶性有機溶媒と
の混合物も使用でき、また有機系の貧溶媒を使用するこ
ともできる。この方法によれば、重合媒体の中でモノマ
ーが重合して芯体粒子を形成すると同時に、EA無機物
微粒子および顔料が芯体粒子の表面に層状に配向してこ
れを被覆し、表層を形成する。
【0055】乳化重合または懸濁重合によって無機・有
機複合粒子を製造する場合には、モノマーの疎水性の性
質とEA無機物の親水性の性質とを組み合わせることに
よって、EA無機物の微粒子の大部分を芯体粒子の表面
に配向させることができる。この芯体と表層との同時形
成方法によれば、有機高分子化合物からなる芯体粒子の
表面にEA無機物粒子および顔料が緻密かつ強固に接着
し、堅牢な無機・有機複合粒子が形成される。
【0056】本発明に使用する無機・有機複合粒子の形
状は必ずしも球形であることを要しないが、芯体粒子が
調節された乳化・懸濁重合方法によって製造される場合
は、得られる無機・有機複合粒子の形状はほぼ真球形に
なる。真球形であれば、透過光量を調節する際に光を全
方向に散乱させることができ、またEA流体の流動粘度
を低下させ、電界変化に対する応答性を高めるためにも
有利である。
【0057】上記のような各種の方法、特に芯体と表層
とを同時に形成する方法によって製造された無機・有機
複合粒子は一般に、その表層の全部または一部分が有機
高分子物質や、製造工程で使用された分散剤、乳化剤そ
の他の添加物質の薄膜で覆われていてEA効果が十分に
発揮されない場合がある。この不活性物質の薄膜は表層
の表面を研磨することによって除去し得る。従って本発
明の好ましいEA流体にあっては、その表面を研磨した
無機・有機複合粒子が用いられる。
【0058】無機・有機複合粒子の表面の研磨は、種々
な方法で行うことができる。例えば、無機・有機複合粒
子を水などの分散媒体中に分散させて、これを攪拌する
方法によって行うことができる。この際、分散媒体中に
砂粒やボールなどの研磨材を混入して無機・有機複合粒
子と共に攪拌する方法、あるいは研削砥石を用いて攪拌
する方法などによって行うこともできる。例えばまた、
分散媒体を使用せず、無機・有機複合粒子と上記のよう
な研磨材と、研削砥石を用いて乾式で攪拌して行うこと
もできる。
【0059】さらに好ましい研磨方法は、無機・有機複
合粒子をジェット気流などによって気流攪拌する方法で
ある。これは該粒子自体を相互に気相において激しく衝
突させて研磨する方法であり、他の研磨材を必要とせ
ず、粒子表面から剥離した不活性物質を分級によって容
易に分離し得る点で好ましい方法である。上記のジェッ
ト気流攪拌においては、それに用いられる装置の種類、
攪拌速度、無機・有機複合粒子の材質などにより研磨条
件を特定するのが難しいが、一般的には6000rpm
の攪拌速度で0.5分間〜15分間程度ジェット気流攪
拌するのが好ましい。
【0060】本発明に用いるEA流体は上記の無機・有
機複合粒子を、必要なら分散剤など他の成分と共に電気
絶縁性媒体中に均一に攪拌混合して製造することができ
る。この攪拌機としては、液状分散媒に固体粒子を分散
させるために通常使用されるものがいずれも使用でき
る。
【0061】EA流体に用いる電気絶縁性媒体として
は、従来からEA流体に適するものとして知られている
ものがいずれも使用可能である。例えば、塩化ジフェニ
ル、セバチン酸ブチル、芳香族ポリカルボン酸高級アル
コールエステル、ハロフェニルアルキルエーテル、トラ
ンス油、塩化パラフィン、弗素系油、またはシリコーン
系油やフルオロシリコーンオイルなど、電気絶縁性およ
び電気絶縁破壊強度が高く、化学的に安定でかつ無機・
有機複合粒子を安定に分散させ得るものであればいずれ
の流体も使用可能であり、またそれらの混合物を使用す
ることもできる。
【0062】この電気絶縁性媒体の動粘度は、1cSt
〜3000cStの範囲内であることが好ましい。動粘
度が1cStより小さい電気絶縁性媒体は一般に揮発成
分が多く、このためEA流体の貯蔵安定性に問題が生
じ、動粘度が3000cStより大きいと気泡が抜けに
くくなり好ましくない。EA流体中に気泡が多く残留す
ると、電界印加時に気泡内のミクロ領域で部分放電して
スパークを起こし、絶縁劣化する惧れがある。この観点
から動粘度は、10cSt〜1000cStの範囲内、
特に10cSt〜100cStの範囲内が特に好まし
い。
【0063】この電気絶縁性媒体は、画像素子の全体的
な調色など、目的に応じて着色することもできる。着色
する場合は、選択された電気絶縁性媒体に可溶であって
その電気的特性を損なわない種類と量の油溶性染料また
は分散性染料を用いることが好ましい。電気絶縁性媒体
には、この他に分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、酸化
防止剤、安定剤などが含まれていてもよい。
【0064】EA流体中における無機・有機複合粒子の
濃度は、特に限定されるものではないが0.5重量%〜
15重量 %であることが好ましい。濃度が0.5重量
%未満では充分なEA効果が得られず、15重量%を越
えると濃度が高すぎて電界印加時にも十分な透明感が得
られなくなる惧れがある。
【0065】次に、このEA流体の一般的な作動原理を
説明する。図9(a)(b)はこの動作原理を示すもの
であって、透明電極101a−101bがスイッチSw
を介して電源Bと電気的に接続されている。この系に、
電気絶縁性媒体102中にEA粒子103が分散された
EA流体が充填されている。図9(a)はスイッチSw
が開放され、透明電極101a−101bに電界が印加
されていない状態を示す。この状態でEA粒子103は
電気絶縁性媒体102中にランダムに分散・浮遊してい
る。従ってこの系の一方の電極101a側から光Lが入
射すると、この光LはEA粒子103の表面で乱反射さ
れ、光Lの入射側からこの系を観察すると不透明に見え
る。このときの色はEA粒子103の色に一致する。
【0066】次に図9(b)に示すようにスイッチSw
を閉じて透明電極101a−101bに電界を印加する
と、電極間に介在しているEA粒子103が透明電極1
01a−101bの間で電極に垂直な方向に配列して鎖
状体104を形成する。電気絶縁性媒体102中に分散
されたEA粒子103の配合割合は前述のように15重
量%以下、特に10重量%以下とされているので、これ
らが配列して鎖状体104を形成すると、鎖状体と鎖状
体の間にはEA粒子が存在しない間隙が形成されること
になり、電極101a側から入射した光Lは、この間隙
を通過して系を透過する。従ってこの状態では系は透明
に見える。このときEA粒子104の色は見えない。
【0067】この状態で再びスイッチSwを開放すると
透明電極101a−101b間の電界は消失するから、
鎖状体104は崩壊し、EA粒子103は元のランダム
な分散・浮遊状態に戻り、系は不透明になる。ただし、
ランダム状態に戻る速さは、電気絶縁性媒体102の粘
度、電気絶縁性媒体とEA粒子との比重差、温度、振動
の有無などによって変化する。そこで実施例3に示した
ように、セルの一方の面に、基準電極と隣接電極とを形
成し、この電極間に電界を印加するようにすれば、この
ときはEA粒子103が電極面に平行な鎖状体(図示せ
ず)を形成するので電気的に不透明に戻すことができ、
透明/不透明の変換が速やかに行われるので本発明の大
型表示装置における電界応答性が著しく改善される。
【0068】透明電極101a−101b間に印加する
電界強度は、EA粒子103の特性によって変化するこ
とは言うまでもないが、通常はこれを電圧で表すとき、
例えば0.1kV/mm〜5.0kV/mmの範囲内で
選択することができる。EA粒子が無機・有機複合粒子
である場合は、0.25〜1.5kV/mmの範囲内が
好適である。
【0069】EA粒子103は、電界の印加によって鎖
状体を形成すると述べたが、EA流体におけるEA粒子
の含有量が1重量%を超えて多くなると、図10に示す
ように、1列の鎖状体ではなく、複数の鎖状体104が
互いに接合し、カラム105を形成して配列するように
なる。
【0070】このカラム105においては、複数の鎖状
体104,104,…のEA粒子103が図11に示す
ように、互いにずれて接触するように並ぶ。これについ
て本発明者らは、(+)と(−)に誘電分極した個々の
EA粒子103が、互いにその対極で引き合って配列
し、エネルギー的な安定を得ているためと推定してい
る。
【0071】従って、EA粒子103の含有量が多い場
合は、多数のカラム105が透明電極101a−101
b間に形成されることになり、これに伴ってカラム間の
間隙は単体の鎖状体が多数形成される場合より広くな
り、透過光量の増大が顕著となって更に透明度が高くな
る。
【0072】ところで、前記のようにEA粒子の粒径を
0.1μm〜500μmの範囲内、好ましくは、5μm
〜200μmの範囲内としたのは、本発明に用いるEA
粒子が機能上、光散乱型粒子あるいは光反射型粒子であ
ることに起因している。周知のように、可視光の波長は
380nm〜780nm、即ち、0.38〜0.78μ
mであるので、この程度の波長の光を散乱あるいは反射
させて前記の透過光制御を行うには、EA粒子の粒径を
最低でも0.1μm以上、好ましくは5μm以上とする
ことが必要になる。
【0073】これに対し、ブラウン運動を起こすような
可視光の波長よりも小さな粒径、例えば、5nm〜数1
0nm(0.005〜0.02μm程度)の誘電体の超微
粒子を電気絶縁性媒体中に分散させた場合、電界により
この超微粒子を配向させ得ることも考えられるが、その
場合の光透過機構は前記の本願発明の例におけるものと
は全く異なり、電界無印加時に超微粒子が分散して光を
完全に透過させ、電界印加時には超微粒子が配向して光
を散乱させて減衰することになり、全く異なった挙動を
示すことになる。
【0074】例えば、前記のような超微粒子で誘電性を
示すものとしてTiBaO4の超微粒 子を考えることが
できるが、TiBaO4は、比重が4〜6の範囲の物質
で重いので、仮にTiBaO4粒子を光反射型にする目
的でその粒径を大きしようとしても、電気絶縁性媒体中
で媒体との比重差により重力沈降するようになり、均一
分散させることは到底できない。また、前記TiBaO
4粒子を電気絶縁性媒体中に均一に分散させるために
は、比重の大きな電気絶縁性媒体が要求されるが、比重
4〜6程度の電気絶縁性媒体は存在しない。これに対し
て本発明に用いる無機・有機複合粒子は、前述したよう
に比重を1.2前後に容易に調整できるので、一般に知
られる多種類の電気絶縁性媒体を利用することができ
る。
【0075】次に着色性の面から見ても、前記超微粒子
に着色することは実際上困難であり、また、仮に着色で
きたとしても、粒子径が小さすぎるので、電気絶縁性媒
体に分散させた超微粒子の色を知覚可能なように発色さ
せることはできない。従って電界のオン/オフによっ
て、本発明に求められる着色不透明と無色透明との変化
をもたらすことはできない。
【0076】(試験例1)本発明に用いられるEA流体
の一例について、電界強度と透明度変化との関係を試験
した。厚さ1.0mmのITOガラスを2枚用意し、I
TO面を内側にして2mmの間隔で平行に対向させ、そ
の周縁部を樹脂製のシール部材でシールし、セルを形成
した。このセルには開孔を設けて下記のEA流体が充填
できるようにした。
【0077】水酸化チタン(一般名;含水酸化チタン、
石原産業株式会社製、C−II)40g、アクリル酸ブ
チル300g、1,3−ブチレングリコールジメタクリ
レート100g及び重合開始剤の混合物を、第三リン酸
カルシウム25gを分散安定化剤として含有する180
0mlの水中に分散し、60℃で1時間攪拌下に懸濁重
合を行った。得られた生成物を濾過、酸洗浄し、さらに
水洗後、乾燥して無機・有機複合粒子を得た。
【0078】得られた無機・有機複合粒子をジェット気
流攪拌機(株式会社奈良機械製作所製ハイブリダイザ
ー)を用いてジェット気流攪拌し、表面研磨された無機
・有機複合粒子を得た。このものの比重は1.157、
平均粒径は13.7μmであった。この無機・有機複合
粒子を、その含有率が種々の重量%となるように種々の
動粘度のシリコーンオイル(東芝シリコーン株式会社
製、TSF451シリーズ)中に均一に分散して各種の
EA流体試料を調製した。
【0079】上記の各種のEA流体をそれぞれ上記のセ
ルに充填し、ITO電極に印加する電界強度(KV/m
m)を種々に変化させ、このときセルに入射した光の強
度とセルを透過した光の強度をそれぞれ光センサで検出
し、その比較値を増加光としてdBmで表示した。この
場合、3.2dBmの増加が光パワーでは2.09倍の増
加を意味し、4.2dBmの増加は光パワーで2.63倍
の増加を意味する。測定結果を図12〜図16に示す。
【0080】図12は、シリコーンオイル(電気絶縁性
媒体)の動粘度が10cStの場合において、無機・有
機複合粒子の濃度(重量%)と印加電界強度(KV/m
m)の変化に対応する増加光(dB)を測定した結果を
示す。図13は、シリコーンオイルの動粘度が50cS
tの場合における同様な試験結果を示す。図14はシリ
コーンオイルの動粘度が100cStの場合における同
様な試験結果を示す。
【0081】図12〜図14に示す結果から、試験した
粒子濃度において、0.25kV/mm〜1.5kV/m
mの範囲で電界強度を変化させたとき、いずれの場合
も、電界強度の増大に伴って増加光のdBm値が増加し
ていることがわかる。すなわち、電極間の電界強度が増
大するに伴ってセルの透明度が大となっている。このこ
とから、本発明の大型表示装置において電界のオン/オ
フによってセルの透明/不透明が制御できると共に、電
界強度を変化させればその透明度を連続的ないし断続的
に変化させることも可能であることを示している。この
ように電界強度を変化させることによって、個々のセル
の透明度を変化させることができる大型表示装置も本発
明に含まれるものである。また、粒子濃度が1.0 重量
%では電界強度を3kV/mmとしても増加光の割合が
少ない。これよって、粒子濃度は2.5重量%以上とす
ることが好ましいことがわかる。
【0082】図15は、粒子濃度を5.0重量%に固定
した場合において、シリコーンオイルの動粘度と電界強
度の変化に対応する増加光(dB)を測定した結果を示
す。図16は、粒子濃度を7.5重量%に固定した場合
における同様な試験結果を示す。
【0083】図15、図16に示す結果から、粒子濃度
が5.0重量%であっても7.5重量%であっても、シ
リコーンオイル(電気絶縁性媒体)の動粘度を10cS
t〜100cStの範囲内とするとき、この例では透過
光量の制御幅が最大となったことを示している。
【0084】次に、EA流体の電界応答性についての試
験例を示す。動粘度が10cStのシリコーンオイルに
7重量%の無機・有機複合粒子を分散させたEA流体を
上記のセルに充填し、電界を印加してからの透過光量の
変化を時間と共に測定した。結果を図17に示す。図1
7において、測定開始約1秒後に電界を印加した。
【0085】図17の結果から、このEA流体は電界印
加直後から透過光量が増大し始め、3秒〜4秒で透過光
量が最大になって以後安定することが明らかである。
【0086】図18は、動粘度10cStのシリコーン
オイルに対し、青色に着色したEA粒子を4重量%添加
したEA流体を用いて透過光量測定を行った場合の透過
光量と波長との関係を示す。EA粒子の着色は、EA粒
子を製造する際にその表層を構成するEA無機物の20
重量%を青色顔料に置換することで行った。図におい
て、E=0kVで示される曲線は、電界無印加時の透過
波長スペクトルを示し、E=2kVで示される曲線は、
2kVの電位を電極に印加した際の透過波長スペクトル
を示す。
【0087】図18の両曲線の比較により明らかなよう
に、電界無印加時に波長の短い青色系の光を多く透過さ
せた青色系のEA流体が、電界印加時に広い波長域で光
を透過させるように変化しており、青色から無色透明に
変化したことが明らかである。
【0088】図19は、青色の染料を0.1重量%添加
したジメチルシリコーンオイルを電気絶縁性媒体として
用い、この電気絶縁性媒体のみ(EA粒子を含まないも
の)の透過光量測定を行った場合の透過光スペクトルを
示す。なお、この電気絶縁性媒体は肉眼では薄い青色に
見える媒体である。図19において、光源スペクトルと
媒体スペクトルとを比較すると、短波長の青色を示すス
ペクトル以外の部分で光の吸収がなされている。このこ
とから電気絶縁性媒体が青色になっていることは明らか
である。
【0089】図20は、青色の染料を0.1重量%添加
したジメチルシリコーンオイルを電気絶縁性媒体に用
い、これに黄色に着色したEA粒子を5重量%分散させ
たEA流体について透過光量測定を行った場合の透過光
スペクトルを示す。無機・有機複合粒子を着色する際に
用いた手段は前記の例と同等であり、今回は黄色の顔料
を用いた。
【0090】図20は光源スペクトルとE=0kV/m
mの場合の透過光スペクトルとE=1kV/mmの場合
の透過光スペクトルをそれぞれ示している。この図か
ら、電界無印加時に青色と黄色の混合色の黄緑色不透明
であったものが、電界印加時に無色透明に近い青色透明
状態に変化したことがわかる。このように種々のバリエ
ーションの色をEA流体に付与することができ、その色
をそれとは異なった色の透明状態または同じ色の透明状
態あるいは無色透明状態に変更できることが明らかにな
った。
【0091】図21は、図7に示した実施例3の画像素
子であって、一方の透明面91aに櫛形の透明な基準電
極92aおよびこれと互いに隣接する透明な隣接電極9
2cが互いに入れ子状に形成され、セルの他方の透明面
91bに対向電極92bが形成されたセルに、動粘度1
0cStのシリコーンオイルを電気絶縁性媒体とし、青
色に着色した無機・有機複合粒子をEA粒子として4重
量%添加したEA流体を充填し、切替えスイッチ93を
切り換えたときの効果を示している。
【0092】図21の線は、いずれの電極にも電界を
印加しない状態における透過光スペクトルを示してい
る。線は、電界を印加し、切替えスイッチ93を操作
して基準電極92a−対向電極92bの間に2kVの電
界を印加したときの透過光スペクトルを示している。線
は、切替えスイッチ93を切り換えて、基準電極92
a−隣接電極92cの間に2kVの電界を印加したとき
の透過光スペクトルを示している。
【0093】図21において、線から、電界無印加時
にはEA粒子がランダムに浮遊・分散し、測定波長帯域
において不透明であることを示している。線は、基準
電極92a−対向電極92bの間に電界を印加したこと
によって、EA粒子が透明面91aに垂直に配列し、そ
の結果広い波長帯域で光を透過したことを示している。
線は、同一面上の基準電極92a−隣接電極92cの
間に電界を印加したとき、EA粒子がこの面に平行に配
列した結果、光の透過を遮ったことを示している。すな
わち、この電極の切替え操作によって光の透過度を速や
かに変化させることができることがわかる。
【0094】表1と表2は、動粘度50cStのシリコ
ーンオイル(電気絶縁性媒体)を用い、EA粒子の濃度
を5.0重量%とし、電界強度を変化させたときの透過
光を波長毎に測定した結果を示す。
【0095】
【表1】
【表2】
【0096】表1と表2に示す結果から、本発明に係る
大型表示装置を用いて画像制御を行う場合、400〜1
100nmの広い波長域において均一な透光性が得られ
ており、本発明により、広範な光波長域において均一な
色調調節ができることが明らかになった。なお、通常、
可視光の波長域は480nm〜780nmとされている
ので、可視光の波長のほぼ全域と、それよりも波長の長
い赤外線領域において、本発明の装置は均一な透過光制
御性能を有することが明らかになった。
【0097】
【発明の効果】本発明の第1の大型カラー表示装置は、
画像素子が2以上のセルの並列体からなり、この各セル
の非表示面である着色不透明面がそれぞれ黒以外の異な
る色に着色され、双方の透明電極間に介在するEA流体
中のEA粒子が黒色であるので、電極間に電界が印加さ
れたセルのみが黒以外の色を現し、これによって色およ
び画像を変化させ得る反射型の大型カラー表示装置が得
られる。
【0098】本発明の第2の大型カラー表示装置は、画
像素子が2以上のセルの積層体からなり、表示面をなす
セルに含まれるEA流体中のEA粒子が黒色であり、下
層のセルに含まれるEA流体中のEA粒子の色および最
下層のセルの着色不透明板の色がそれぞれ黒以外の異な
る色に着色されているので、表層面のセルの電極間に電
界を印加し、更に他のセルの電極間に電界を適宜オン/
オフすることによって画像素子が黒以外の色を現し、こ
れによって色および画像を変化させ得る反射型の大型カ
ラー表示装置が得られる。
【0099】本発明の第3の大型カラー表示装置は、セ
ルの一方の面に基準電極と隣接電極とが形成され、これ
らの電極間または基準電極−対向電極間に電界を切替え
て印加する手段が設けられているので、この切替えによ
ってEA流体は直ちに透明−不透明の変換を行い、電界
応答性の良好な反射型の大型カラー表示装置が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の大型表示装置の一実施例を示
す正面図と、(b)図1(a)のA部分を拡大した正面
図。
【図2】 (a)本発明の第1の実施例における画像素
子の平面図と、(b)図2(a)の線x−x’で切った
断面図および回路図。
【図3】 図2の実施例に用いたEA流体に含まれるE
A粒子の断面図。
【図4】 (a)図2の実施例における一実施態様を示
す平面図と、(b)図4(a)の線x−x’で切った断
面図および回路図。
【図5】 本発明の第2の実施例における画像素子の断
面図と回路図。
【図6】 図5の実施例における一実施態様を示す断面
図と回路図。
【図7】 本発明の第3の実施例における画像素子のセ
ルの電極構成を示す展開図と回路図。
【図8】 図7に示す実施例における一作動態様を示す
断面図。
【図9】 本発明に用いられるEA流体の、(a)電界
無印加時の挙動を示す断面図と(b)電界印加時の挙動
を示す断面図。
【図10】 本発明に用いられるEA流体におけるEA
粒子の電界印加時の一挙動を示す断面図。
【図11】 図10に示す挙動が起こる原理を説明する
ための断面図。
【図12】 本発明に用いられるEA流体について、電
気絶縁性媒体の動粘度を10cStに固定し、EA粒子
濃度と印加する電界強度とを変化させたときの透過光の
光量変化を示すグラフ。
【図13】 本発明に用いられるEA流体について、電
気絶縁性媒体の動粘度を50cStに固定し、EA粒子
濃度と印加する電界強度とを変化させたときの透過光の
光量変化を示すグラフ。
【図14】 本発明に用いられるEA流体について、電
気絶縁性媒体の動粘度を100cStに固定し、EA粒
子濃度と印加する電界強度とを変化させたときの透過光
の光量変化を示すグラフ。
【図15】 本発明に用いられるEA流体について、E
A粒子濃度を5.0重量%に固定し、電気絶縁性媒体の
動粘度と印加する電界強度とを変化させたときの透過光
の光量変化を示すグラフ。
【図16】 本発明に用いられるEA流体について、E
A粒子濃度を7.5重量%に固定し、電気絶縁性媒体の
動粘度と印加する電界強度とを変化させたときの透過光
の光量変化を示すグラフ。
【図17】 本発明の一実施例におけるセルの電界応答
性の測定例を示すグラフ。
【図18】 本発明の一実施例におけるセルの電界無印
加時および電界印加時の透過光スペクトルを示すグラ
フ。
【図19】 本発明の一実施例に用いる電気絶縁性媒体
の透過光スペクトルを示すグラフ。
【図20】 青色に着色した電気絶縁性媒体中に、黄色
に着色したEA粒子を分散させたEA流体について、電
界無印加時および電界印加時の透過光スペクトルを示す
グラフ。
【図21】 実施例3の装置において、電界無印加時、
対向電極に電界を印加したとき、および隣接電極に電界
を印加したときの透過光スペクトルを示すグラフ。
【符号の説明】
1…画像素子、10,20,30,40…セル、11
a,21a,31a,41a…透明板、11b,21
b,31b,41b…着色不透明板、12a,12b,
22a,22b…透明電極、13,23…EA粒子、1
4、24…EA流体、3…芯体、4…EA無機物、5…
顔料、6…表層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明石 一弥 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 大坪 泰文 千葉県千葉市稲毛区小仲台9丁目21番1号 206

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像素子が2以上のセルの並列体からな
    り、それぞれのセルが、一方の面が透明板で他方の面が
    着色不透明板である対向する2面を有しかつこの2面の
    いずれか一方の面の内側に透明な基準電極が形成され他
    方の面の内側に透明な対向電極が形成されてなり、上記
    の各セルの着色不透明板がそれぞれ黒以外の異なる色に
    着色され、それぞれのセルが、その透明板を画像素子の
    表示面として同一面上に隣接して並列配置され、 それぞれのセルの上記電極の間に、電界配列効果を有す
    る固体粒子を電気絶縁性媒体中に含有してなる電気感応
    型光機能性流体組成物が充填され、それぞれのセルに充
    填された電気感応型光機能性流体組成物中の上記固体粒
    子がいずれも黒色に着色されてなり、かつそれぞれのセ
    ルの基準電極と対向電極との間にそれぞれ電界をオン/
    オフできる手段が設けられた大型カラー表示装置。
  2. 【請求項2】 画像素子が2以上のセルの積層体からな
    り、この内の1個のセルが、一方の面が透明板で他方の
    面が着色不透明板である対向する2面を有する片透明セ
    ルであり、他のセルが、双方共が透明板である対向する
    2面を有する両透明セルであり、上記各セルの上記2面
    のいずれか一方の面の内側に透明な基準電極が形成され
    他方の面の内側に透明な対向電極が形成され、上記の両
    透明セルが片透明セルの透明板上に積層されてこの画像
    素子が形成され、 それぞれのセルの上記電極の間に、電界配列効果を有す
    る固体粒子を電気絶縁性媒体中に含有してなる電気感応
    型光機能性流体組成物が充填され、この画像素子の表示
    面となる透明板を有するセルに充填された電気感応型光
    機能性流体組成物中の上記固体粒子が黒色に着色されて
    なり、他のセルの上記固体粒子および上記の着色不透明
    板がそれぞれ黒以外の異なる色に着色されてなり、かつ
    それぞれのセルの基準電極と対向電極との間にそれぞれ
    電界をオン/オフできる手段が設けられた大型カラー表
    示装置。
  3. 【請求項3】 それぞれのセルの基準電極が形成された
    面に、この基準電極と互いに隣接する透明な隣接電極が
    形成され、この基準電極と隣接電極との間、または基準
    電極と前記対向電極との間に、電界を切替えて印加する
    手段が設けられた請求項1または請求項2に記載の大型
    カラー表示装置。
  4. 【請求項4】 前記の固体粒子が、有機高分子化合物か
    らなる芯体と、電界配列効果を有する無機物を含む表層
    とによって形成された無機・有機複合粒子である請求項
    1ないし請求項3のいずれか1項に記載の大型カラー表
    示装置。
JP6267891A 1994-09-30 1994-10-31 大型カラー表示装置 Pending JPH08129348A (ja)

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EP95115166A EP0709719A1 (en) 1994-09-30 1995-09-26 Electrically controlled, reflection type display device

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009288600A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Bridgestone Corp ドットマトリックス型情報表示用パネル
JP2010002933A (ja) * 2001-04-02 2010-01-07 E Ink Corp 画像安定性を改良した電気泳動媒体

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JP2010002933A (ja) * 2001-04-02 2010-01-07 E Ink Corp 画像安定性を改良した電気泳動媒体
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