JPH08137416A - カラー表示装置およびカラー表示方法 - Google Patents

カラー表示装置およびカラー表示方法

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JPH08137416A
JPH08137416A JP6278156A JP27815694A JPH08137416A JP H08137416 A JPH08137416 A JP H08137416A JP 6278156 A JP6278156 A JP 6278156A JP 27815694 A JP27815694 A JP 27815694A JP H08137416 A JPH08137416 A JP H08137416A
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electro
color display
inorganic
color
electrically insulating
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JP6278156A
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English (en)
Inventor
Hidenobu Anzai
秀伸 安齊
Kazuya Edamura
一弥 枝村
Kazuya Akashi
一弥 明石
Yasubumi Otsubo
泰文 大坪
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Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は任意の図形や文字等のカラー表示が
できるようにしたカラー表示装置およびカラー表示方法
を提供することを目的とする 【構成】 本発明は、多数の孔状の収納部20が整列形
成された収納板21と、この収納板21の表面側と裏面
側にそれぞれ固着された電極層27、28と、電界配列
効果を有する固体粒子32を電気絶縁性媒体31中に含
有してなり前記収納部のそれぞれに収納された電気感応
型光機能性流体30とを具備してなり、前記電極層2
7、28のうち、少なくとも一方が各収納部に対応して
形成された複数の分割電極層からなり、前記各電極層に
は、収納板の表面側の電極層と裏面側の電極層との間に
所望の電圧を印可する可変電源41が接続されるととも
に、前記各収納部に収納された電気感応型光機能性流体
の固体粒子32と電気絶縁性媒体の少なくとも一方に色
素が含まれてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電気感応型光機能性流
体を用いて所望の文字や図形等をカラー表示する装置お
よびカラー表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶を用いた表示装置として、図
14に示すように、上下の透明ガラス基板1、2の間に
液晶3を封入してなる構成の液晶パネル4が知られてい
る。この液晶パネル4は、上方のガラス基板1の上に偏
光板5を具備し、上方のガラス基板1の下に共通電極6
を具備するとともに、下方の透明基板2の下に偏光板7
を具備して構成され、下方の透明基板2の液晶側の面
に、液晶駆動用の微細な電気回路が形成されている。図
15に、前記液晶駆動用の微細な電気回路の一般的な構
成を示す。この例は薄膜トランジスタ(TFT)を用い
た駆動回路を示すもので、透明基板2上に形成したゲー
ト電極9をゲート絶縁層10で覆い、その上に形成した
a-Si膜11とエッチストッパ層12を挟むようにソ
ース電極13とドレイン電極14を設け、ドレイン電極
14を画素電極15に接続して形成し、ゲート電極9と
ソース電極13とドレイン電極14とが形成する薄膜ト
ランジスタでスイッチ素子16を構成し、このスイッチ
素子16によって選択的に画素電極15に通電し、画素
電極15が液晶3に作用させる電界により液晶分子の配
向制御を行って液晶分子による表示・非表示を切り換え
るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、この種のTFT
を用いた液晶パネルは、コンピュータのディスプレイや
液晶テレビ用、あるいは、各種電気機器の表示パネルな
どとして需要が増大し、それに伴って急速に開発が進め
られている状況にある。ところがこの種の液晶パネルに
おいては、液晶組成物自体の単価が高いこと、液晶を駆
動する微細な電気回路を製造するには、半導体集積回路
などの微細な電気回路を製造する場合と同等かそれ以上
の回路技術を必要とすること、大面積のものであっても
欠陥が許されないこと、TFT回路の形成以外にも、偏
光板やカラーフィルタなどを必要とすることなどから、
製造のために極めて高い費用がかかり、コストが極めて
高くなってしまう問題がある。また、液晶は一度電界を
作用させて配向制御を行っても、その電界を取り去ると
直ちに配向状態が崩れてしまうので、液晶による画像の
連続表示を行うには、液晶に常に所定の電界を印加して
おく必要があり、その分、駆動電力が必要になる問題が
ある。更に、液晶は特定の波長の光を吸収する性質があ
るので、液晶による表示には特定の着色がなされること
があり、この着色のために表示素子としての用途が限定
されてしまう問題がある。
【0004】ところで本発明者らは、従来全く知られて
いない新規な電界配列性を有する電気感応型光機能性流
体(以下、EA(Electric Alignment)流体と略す。)
の研究を行っている。このEA流体は、例えば電気絶縁
性の媒体中に固体粒子を分散させて得られる流体であ
り、これに電界を印加すると固体粒子が誘電分極を起こ
し、更に誘電分極に基づく静電引力によって互いに電場
方向に配位連結して整列し、鎖状体構造を示す性質を持
っている。また、固体粒子によっては電気泳動性を有す
ることにより、電界印加時に電極部分に電気泳動して配
列配向し、配列塊状構造を示すものもある。このよう
に、電界下における粒子の配列配向を電界配列効果(以
下、EA効果と称する)と呼び、そのような性質を有す
る固体粒子を電界配列性粒子(以下、EA粒子と称す
る)と呼ぶこととする。そして本発明者らは、この新規
な構造の電気感応型光機能性流体の研究を進めることに
より本発明に到達した。
【0005】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
であり、この新規な電界配列効果を有するEA流体を用
いて表示装置を構成し、任意の図形や文字等のカラー表
示ができるようにしたカラー表示装置およびカラー表示
方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においては、多数
の孔状の収納部が整列形成された収納板と、この収納板
の表面側と裏面側にそれぞれ固着された電極層と、電界
配列効果を有する固体粒子を電気絶縁性媒体中に含有し
てなり前記収納部のそれぞれに収納されたEA流体とを
具備してなり、前記電極層のうち、少なくとも一方を各
収納部に対応して形成された複数の分割電極層から構成
し、前記各電極層に、収納板の表面側の電極層と裏面側
の電極層とに異極電圧を印可する電源を接続するととも
に、前記各収納部に収納されたEA流体のEA粒子と電
機絶縁性媒体の少なくとも一方に色素を含んでなる構造
を採用することを問題解決の手段とした。
【0007】また、前記多数の収納部に収納されたEA
流体が、色の3原色である赤、青、黄のいずれか1つの
色素を含み、前記赤の色素を含むEA流体が収納された
収納部と、前記青の色素を含むEA流体が収納された収
納部と、前記黄の色素を含むEA流体が収納された収納
部が、対をなして隣接配置されてなる構造としても良
い。
【0008】更に、前記EA流体の電気絶縁性媒体が色
の3原色である赤、青、黄のいずれか1つの色素を含
み、固体粒子に、黒の色素が含まれていても良い。ま
た、前記収納板が黒色に着色されていても良い。更にま
た、前記収納板の表面側と裏面側のいずれか一方にバッ
クライトが設けられていても良い。
【0009】次に本発明のカラー表示方法にあっては、
電界配列効果を有する固体粒子を電気絶縁性媒体中に含
有してなり、EA粒子と電気絶縁性媒体の少なくとも一
方に色素を含ませてなるEA流体を用い、このEA流体
のうち、前記色素の色を替えた複数のEA流体を用い、
これらの色素の異なる個々のEA流体で1つの画素を構
成し、この画素を複数並べて配置し、各画素を構成する
EA流体に電界を印加するか否かを切り換えて各画素の
色を変えることでカラー表示することで前記問題点を解
決した。
【0010】また、他の方法として、電界配列効果を有
するEA粒子を電気絶縁性媒体中に含有してなり、赤の
色素を含むEA流体と、青の色素を含むEA流体と、黄
の色素を含むEA流体をそれぞれ1つ以上用い、前記各
EA流体に電界を印加するか否かを切り換えて各画素を
構成するEA流体の色を変えることでカラー表示するこ
ともできる。
【0011】更に、請求項6または7記載のカラー表示
方法において、全てのEA流体の固体粒子に黒の色素を
含ませ、各EA流体の電気絶縁性媒体に赤と青と黄のい
ずれかの色素を選択して含ませ、EA流体に対する電界
の印加により固体粒子を電界に沿って集合整列させて電
気絶縁性媒体の色素を見えるようにするか、EA流体に
対する電界の非印加時に固体粒子のランダム分散による
固体粒子の黒色素の色を見えるようにしても良い。
【0012】
【作用】本発明においては、収納板の収納部にEA流体
が収納され、各収納部のEA流体が電極層で挟まれた状
態になっている。各収納部のEA流体を挟む電極層に電
圧が印加されていない状態では、EA効果を有するEA
粒子は電気絶縁性媒体中に不規則にランダムに浮遊・分
散しており、これらのEA粒子が光を乱反射するために
収納部は不透明に見え、EA粒子の呈する色か、電気絶
縁性媒体の色が見えるか、EA粒子の色と電気絶縁性媒
体の色の配合された色が見える。ここでEA粒子が黒の
色素を含むならば、収納部は黒色に見え、EA粒子が赤
の色素を含むならば収納部は赤色に見え、EA粒子が青
の色素を含むならば収納部は青色に見え、EA粒子が黄
の色素を含むならば収納部は黄色に見える。
【0013】そして、可変電源から、収納部を挟む導電
層に電圧を印加すると、EA粒子は鎖状に配列結合して
鎖状体(粒子鎖)を形成し、この鎖状体が電界方向に平
行して配列する。すると平行に多数配列した鎖状体の間
隙を光が透過するようになるので、収納部内のEA粒子
の色はほとんど見えなくなり、収納部は電気絶縁性媒体
の色に見えるようになる。ここで電気絶縁性媒体が赤の
色素を含んでいるならば収納部は赤色に見え、電気絶縁
性媒体が青の色素を含んでいるならば収納部は青色に見
え、電気絶縁性媒体が黄の色素を含んでいるならば収納
部は黄色に見える。また、電気絶縁性媒体が着色されて
いなければ、無色透明に見える。従って多数の収納部の
電極層にそれぞれ別個に通電することで、所望の収納部
のみを赤か青か黄、あるは黒色にするかを切り換えるこ
とができる。よって、通電により電界を印加する収納部
を適切に選択して種々の色を見えるようにすることによ
り所望の文字や図形等のカラー表示ができる。
【0014】次に、収納板を黒色に着色していると、収
納部が特定の色になった場合にその周囲を黒で囲む発色
形態になるので、収納部での色の発色がより鮮明にな
る。更に、収納板の表面側か裏面側にバックライトを設
けるならば、バックライトから出された光によって、収
納部の色が鮮やかに見えるとともに、遠方から見た場合
の表示の確認も容易になり、表示が鮮明になる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の第1実施例について図面を参
照して詳細に説明する。図1は本発明に係るカラー表示
装置の第1実施例の分解斜視図であり、この例のカラー
表示装置Aは、多数の孔状の収納部20が形成された透
明の収納板21と、この収納板21の上面側を覆って被
着された上部透明基板22と、収納板21の裏面側を覆
って被着された下部透明基板23と、下部透明基板23
の裏面側に配された板状のバックライト24を主体とし
て構成されている。
【0016】前記収納板21の上面には黒色の塗料が塗
布されてブラックマスク25が被着されている。なお、
この例ではブラックマスク25を塗布により形成した
が、収納板21自体を黒色材料から形成して収納板全体
を黒色としても良い。また、収納板21は絶縁体から形
成される。次に、前記上部透明基板22の下面のほぼ全
面には、ITO(インジウム錫酸化物)膜等からなる透
明電極層27が形成されている。なお、この透明電極層
27はその下に位置する多数の収納部21の上面開口部
を閉じるように形成されていれば良いので、透明基板2
2のほぼ全面に形成されたものでなくとも、収納部27
の開口面の形状に合った形状の多数の分割電極から形成
したもので、各分割電極を電気的に相互に接続している
構造でも良い。
【0017】次に前記下部透明基板23は収納板21よ
りも若干幅広に形成されたもので、その上面には、前記
収納部21・・・の各下部開口面をそれぞれ閉じることが
できる形状と大きさの多数の円形状の透明電極層28が
形成されている。そして、これらの各透明電極層28は
それらの間の間隙を通る配線29を介して下部透明基板
23のコーナ部に導出され、各コーナ部に配置された駆
動用IC40・・・に接続されている。また、各駆動用I
C40・・・は相互に電気的に接続され、共通の可変電源
41に接続されるとともに、この可変電源41は上部透
明基板22の透明電極層27にも接続されている。更
に、各駆動用IC40または駆動用IC40と可変電源
41との間の配線にはタイミングコントロール回路等の
駆動制御装置42に接続されていて、必要に応じて前記
駆動用IC40・・・を介して必要数の透明電極層28と
透明電極層27に電圧を印加できるようになっている。
【0018】従って前記の構造によれば、上部透明基板
22の透明電極層27と下部透明基板23の所望の位置
の透明電極28との間、即ち、所望の位置の収納部20
に対して電界を印加することができるようになってい
る。なお、前記駆動用IC40と可変電源41と駆動制
御装置42の構成は、液晶テレビやコンピュータ用ディ
スプレイの液晶表示装置等においては公知のものである
ので、それらの分野において用いられている種々の駆動
装置をこの実施例の装置の駆動用として用いても良いの
は勿論である。
【0019】次に前記収納部20・・・は例えば図3に示
すようにように3つずつ対になるように選択され、対に
なった3つの収納部20にはそれぞれ以下に説明する発
色性の異なるEA流体が収納されている。即ち、例え
ば、図3に示すように対になった3つの収納部20のう
ち、1つに赤色に発色可能なEA流体が収納され、1つ
に青色に発色可能なEA流体が収納され、残り1つに黄
色に発色可能なEA流体が収納されている。
【0020】なお、図1、2、3においては収納部20
・・・の間の間隙を比較的大きく描いているが、これは図
面上で配線29を明確に表現するためであって、実際に
はこれら収納部20、20間の間隔は数分の一〜数mm
程度あれば十分である。即ち、現在、通常の薄膜トラン
ジスタアレイ基板を製造する技術においては、フォトリ
ソ技術と成膜技術を用いて数μm幅の配線を形成するこ
とが容易にできるので、収納部20、20の間の間隔が
数分の1〜数mm程度もあれば数10本〜100本程度
の配線が容易に形成できる。よって、収納部20、20
の数が多少多くなつても配線形成に支障はない。むし
ろ、1mm程度の間隔をあけて直径数mm〜数cm程度
の収納部20、20を多数形成するならば、収納板21
のほぼ全面を微細な表示エリアとして有効に使用するこ
とができ、後述する如くドットの細かい表示が容易にで
きる。
【0021】以下にこれらの発色が可能な特殊なEA流
体について詳細に説明すると、EA流体30は、基本的
に図5に示すような電気絶縁性媒体31中に無機・有機
複合粒子(固体粒子)32が分散されてなるものであ
る。この無機・有機複合粒子32は、有機高分子化合物
からなる芯体33と、この芯体33の表面を覆ったEA
効果を奏するEA無機物35からなる表層36とによっ
て形成されている。
【0022】このようなEA無機物35としては種々の
ものが知られているが、好ましい例としては多価金属の
水酸化物、ハイドロタルサイト類、多価金属の酸性塩、
ヒドロキシアパタイト、ナシコン型化合物、粘土鉱物、
チタン酸カリウム類、ヘテロポリ酸塩または不溶性フェ
ロシアン化物からなる無機イオン交換体及びシリカゲル
と電気半導体性無機物を挙げることができる。このよう
なEA無機物35が有機高分子化合物からなる芯体33
上に表層36を形成するとき、EA流体30に電界配列
性効果がもたらされる。また、上記の無機・有機複合粒
子32は、芯体33と同時に表層36を形成する方法に
よって製せられたものであることが好ましい。
【0023】前記無機・有機複合粒子32の芯体33と
して使用し得る有機高分子化合物の例としては、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エス
テル−スチレン共重合物、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、AB
S樹脂、ナイロン、ポリビニルブチレート、アイオノマ
ー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、
ポリカーボネート樹脂等の1種または2種以上の混合物
または共重合物を挙げることができる。
【0024】無機・有機複合粒子32の表層36として
使用し得る好ましいEA無機物35は無機イオン交換
体、電気半導体性無機物またはシリカゲルである。これ
らはその固体粒子を電気絶縁性媒体31中に分散すると
き、優れたEA効果を現す。無機イオン交換体の例とし
ては、(1)多価金属の水酸化物、(2)ハイドロタル
サイト類、(3)多価金属の酸性塩、(4)ヒドロキシ
アパタイト、(5)ナシコン型化合物、(6)粘土鉱
物、(7)チタン酸カリウム類、(8)ヘテロポリ酸
塩、及び(9)不溶性フェロシアン化物を挙げることが
できる。
【0025】以下に、それぞれの無機イオン交換体につ
いて詳しく説明する。 (1)多価金属の水酸化物。これらの化合物は、一般式
MOx(OH)y(Mは多価金属であり、xは零以上の数
であり、yは正数である)で表され、例えば水酸化チタ
ン、水酸化ジルコニウム、水酸化ビスマス、水酸化錫、
水酸化鉛、水酸化アルミニウム、水酸化タンタル、水酸
化ニオブ、水酸化モリブデン、水酸化マグネシウム、水
酸化マンガン、及び水酸化鉄等である。ここで、例えば
水酸化チタンとは含水酸化チタン(別名メタチタン酸又
はβチタン酸、TiO(OH)2)及び水酸化チタン
(別名オルソチタン酸又はαチタン酸、Ti(O
H)4)の双方を含むものであり、他の化合物について
も同様である。
【0026】(2)ハイドロタルサイト類。これらの化
合物は、一般式M13Al6(OH)43(CO)3・12H
2O(Mは 二価の金属である)で表され、例えば二価の
金属MがMg、CaまたはNi等である。 (3)多価金属の酸性塩。これらは例えばリン酸チタ
ン、リン酸ジルコニウム、リン酸錫、リン酸セリウム、
リン酸クロム、ヒ酸ジルコニウム、ヒ酸チタン、ヒ酸
錫、ヒ酸セリウム、アンチモン酸チタン、アンチモン酸
錫、アンチモン酸タンタル、アンチモン酸ニオブ、タン
グステン酸ジルコニウム、バナジン酸チタン、モリブデ
ン酸ジルコニウム、セレン酸チタン及びモリブデン酸錫
等である。
【0027】(4)ヒドロキシアパタイト。これらは例
えばカルシウムアパタイト、鉛アパタイト、ストロンチ
ウムアパタイト、カドミウムアパタイト等である。 (5)ナシコン型化合物。これらには例えば(H3O)
Zr2(PO43のようなものが含まれるが、本発明に
おいてはH3OをNaと置換したナシコン型化合物も使
用できる。 (6)粘土鉱物。これらは例えばモンモリロナイト、セ
ピオライト、ベントナイト等であり、特にセピオライト
が好ましい。
【0028】(7)チタン酸カリウム類。これらは一般
式aK2O・bTiO2・nH2O(aは0<a≦1を満
たす正数 であり、bは1≦b≦6を満たす正数であ
り、nは正数である)で表され、例えばK2・TiO2
2H2O、K2O・2TiO2・2H2O、0.5K2O・T
iO2・2H2O、及びK2O・2.5TiO2・2H2O等
である。なお、上記化合物のうち、aまたはbが整数で
ない化合物はaまたはbが適当な整数である化合物を酸
処理し、KとHとを置換することによって容易に合成さ
れる。 (8)ヘテロポリ酸塩。これらは一般式H3AE1240
・nH2O(Aはリン、ヒ素、ゲルマニウム、またはケ
イ素であり、Eはモリブデン、タングステン、またはバ
ナジウムであり、nは正数である)で表され、例えばモ
リブドリン酸アンモニウム、及びタングストリン酸アン
モニウムである。 (9)不溶性フェロシアン化物。これらは次の一般式で
表される化合物である。Mb-pxaA[E(CN)6](M
はアルカリ金属または水素イオン、Aは亜鉛、銅、ニッ
ケル、コバルト、マンガン、カドミウム、鉄(III)
またはチタン等の重金属イオン、Eは鉄(II)、鉄
(III)、または、コバルト(II)等であり、bは
4、または3であり、aはAの価数であり、pは0〜b
/aの正数である。)これらには例えば、Cs2Zn
[Fe(CN)6]及びK2Co[Fe(CN)6]等の
不溶性フェロシアン化合物が含まれる。
【0029】上記(1)〜(6)の無機イオン交換体は
いずれもOH基を有しており、これらの無機イオン交換
体のイオン交換サイトに存在するイオンの一部または全
部を別のイオンに置換したもの(以下、置換型無機イオ
ン交換体という)も、本発明における無機イオン交換体
に含まれるものである。即ち、前述の無機イオン交換体
をR−M1(M1は、イオン交換サイトのイオン種を表
す)と表すと、R−M1におけるM1の一部または全部
を、下記のイオン交換反応によって、M1とは異なるイ
オン種M2に置換した置換型無機イオン交換体もまた、
本発明における無機イオン交換体である。 xR−M1+yM2→Rx−(M2)y+xM1 (ここでx、yはそれぞれイオン種M2、M1の価数を表
す)。M1はOH基を有する無機イオン交換体の種類に
より異なるが、無機イオン交換体が陽イオン交換性を示
すものでは、一般にM1はH+であり、この場合のM2
アルカリ金属、アルカリ土類金属、多価典型金属、遷移
金属または希土類金属等、H+以外の金属イオンのいず
れか任意のものである。OH基を有する無機イオン交換
体が陰イオン交換性を示すものでは、M1は一般にOH-
であり、その場合M2は例えばI、Cl、SCN、N
2、Br、F、CH3COO、SO4またはCrO4等や
錯イオン等、OH-以外の陰イオン全般の内の任意のも
のである。
【0030】また、高温加熱処理によりOH基を一旦失
ってはいるが、水に浸漬させるなどの操作によって再び
OH基を有するようになる無機イオン交換体について
は、その高温加熱処理後の無機イオン交換体等も本発明
に使用できる無機イオン交換体の一種であり、その具体
例としてはナシコン型化合物、例えば(H3O)Zr
2(PO43の加熱により得られるHZr2(PO43
ハイドロタルサイトの高温加熱処理物(500〜700
℃で加熱処理したもの)等がある。これらの無機イオン
交換体は一種類だけではなく、多種類を同時に表層とし
て用いることもできる。なお、上記の無機イオン交換体
として、多価金属の水酸化物、及び多価金属の酸性塩を
用いることが特に好ましい。
【0031】前記無機・有機複合粒子32の表層36と
して使用し得る他の好ましいEA無機物は、電気伝導度
が、室温にて103〜10-11Ω-1/cmの金属酸化物、
金属水酸化物、金属酸化水酸化物、無機イオン交換体、
またはこれらの少なくともいずれか1種に金属ドーピン
グしたもの、もしくは金属ドーピングの有無に拘わら
ず、これらの少なくともいずれか1種を他の支持体上に
電気半導体層として施したもの等である。
【0032】以下に、他の好ましいEA無機物について
さらに詳しく説明する。 (A)金属酸化物:例えばSnO2 、アモルファス型二
酸化チタン(出光石油化学社製)等である。 (B)金属水酸化物:例えば水酸化チタン、水酸化ニオ
ブ等である。ここで水酸化チタンとは、含水酸化チタン
(石原産業社製)、メタチタン酸(別名βチタン酸、T
iO(OH)2 )およびオルソチタン酸(別名αチタン
酸、Ti(OH)4 )を含むものである。 (C)金属酸化水酸化物:この例としては例えばFeO
(OH)(ゲーサイト)等を挙げることができる。
【0033】(D)多価金属の水酸化物:先に(1)で
記載したものと同等。 (E)ハイドロタルサイト類:先に(2)で記載したも
のと同等。 (F)多価金属の酸性塩:先に(3)で記載したものと
同等。 (G)ヒドロキシアパタイト:先に(4)で記載したも
のと同等。 (H)ナシコン型化合物:先に(5)で記載したものと
同等。 (I)粘土鉱物:先に(6)で記載したものと同等。 (J)チタン酸カリウム類:先に(7)で記載したもの
と同等。 (K)ヘテロポリ酸塩:先に(8)で記載したものと同
等。 (L)不溶性フェロシアン化物:先に(9)で記載した
ものと同等。
【0034】(M)金属ドーピングEA無機物:これは
上記EA無機物(A)〜(L)の電気伝導度を上げるた
めに、アンチモン(Sb)等の金属をEA無機物にドー
ピングしたものであって、一例として、アンチモン(S
b)ドーピング酸化錫(SnO2 )等を挙げることがで
きる。 (N)他の支持体上に電気半導体層としてEA無機物を
施したもの:例えば支持体として酸化チタン、シリカ、
アルミナ、シリカ−アルミナ等の無機物粒子、またはポ
リエチレン、ポリプロピレン等の有機高分子粒子を用
い、これに電気半導体層としてアンチモン(Sb)ドー
ピング酸化錫(SnO2 )を施したもの等を挙げること
ができる。このようにEA無機物が施された粒子は全体
としてEA無機物となっている。 これらのEA無機物は、1種類だけでなく、2種類また
はそれ以上を同時に表層として用いることもできる。
【0035】前記のEA流体30に用いる電気絶縁性媒
体31としては、従来知られている電界配列性流体に使
用されているものが全て使用可能である。例えば、塩化
ジフェニル、セバチン酸ブチル、芳香族ポリカルボン酸
高級アルコールエステル、ハロフェニルアルキルエーテ
ル、トランス油、塩化パラフィン、弗素系オイル、また
はシリコーン系オイルやフルオロシリコーンオイル等、
電気絶縁性及び電気絶縁破壊強度が高く、化学的に安定
でかつ無機・有機複合粒子を安定に分散させ得るもので
あればいずれの流体も使用可能であり、またそれらの混
合物を使用することもできる。
【0036】このような無機・有機複合粒子32は種々
な方法によって製造することができる。例えば、有機高
分子化合物からなる粒子状の芯体33と微粒子状のEA
無機物35をジェット気流によって搬送し、衝突させる
方法がある。この場合は粒子状の芯体33の表面にEA
無機物35の微粒子が高速度で衝突し、固着して表層3
6を形成する。また、別の製法例として、粒子状の芯体
33を気体中に浮遊させておき、EA無機物の溶液を霧
状にしてその表面に噴霧する方法がある。この場合はそ
の溶液が芯体33の表面に付着し乾燥することによって
表層36が形成される。
【0037】しかし、無機・有機複合粒子32を製造す
る好ましい製法例は、芯体33と同時に表層36を形成
する方法である。この方法は、例えば、芯体33を形成
する有機高分子化合物のモノマーを重合媒体中で乳化重
合、懸濁重合または分散重合するに際して、微粒子状と
したEA無機物35を上記モノマー中、または重合媒体
中に存在させて行う、というものである。重合媒体とし
ては水が好ましいが、水と水溶性有機溶媒との混合物を
使用することができ、また有機系の貧溶媒を使用するこ
ともできる。この方法によれば、重合媒体の中でモノマ
ーが重合して芯体粒子を形成すると同時に、微粒子状の
EA無機物35が芯体33の表面に層状に配向してこれ
を被覆し、表層36を形成する。
【0038】乳化重合または懸濁重合によって無機・有
機複合粒子を製造する場合には、モノマーの疎水性の性
質とEA無機物35の親水性の性質を組み合わせること
によって、EA無機物35の微粒子の大部分を芯体粒子
の表面に配向させることができる。この芯体33と表層
36との同時形成方法によれば、有機高分子化合物から
なる芯体33の粒子の表面にEA無機物粒子35が緻密
かつ強固に接着し、堅牢な無機・有機複合粒子32が形
成される。
【0039】本発明に使用する無機・有機複合粒子32
の形状は必ずしも球形であることを要しないが、粒子状
の芯体33が調節された乳化・懸濁重合方法によって製
造された場合は、得られる無機・有機複合粒子32の形
状はほぼ球形となる。しかも球形状であれば、透過光量
を調節する際に光を全方向に散乱させることができるの
で、不定形のものよりも球形状のものが有利になる。無
機・有機複合粒子32の粒径は特に限定されるものでは
ないが、0.1〜500μm、特に5〜200μm程度
とすることが好ましい。この際の微粒子状のEA無機物
35の粒径は特に限定されるものではないが、好ましく
は0.005〜100μmであり、さらに好ましくは0.
01〜10μmである。
【0040】このような無機・有機複合粒子32におい
て、表層36を形成するEA無機物35と芯体33を形
成する有機高分子化合物の重量比は特に限定されるもの
ではないが、(EA無機物):(有機高分子化合物)比
で(1〜60):(99〜40)の範囲、特に(4〜3
0):(96〜70)の範囲であることが好ましい。こ
こで、EA無機物35の重量比が1%未満では得られた
EA流体の電界配列性効果が不充分であり、60%を超
えると得られたEA流体30に過大な電流が流れる。こ
れらの無機・有機複合粒子32の比重は、芯体33に比
較的比重の小さな有機高分子化合物を使用することか
ら、表層36を形成するEA無機物35の比重と比べ
て、相対的に小さくすることができる。用いる有機高分
子化合物とEA無機物の種類と比率とによって、無機・
有機複合粒子32の比重は自在に調整可能であるが、一
般的に、用いる電気絶縁性媒体との関係から比重1.0
〜2.0程度に調整される。この場合、電気絶縁性媒体
との比重差が大きいと、媒体中で電界配列性粒子が重力
沈降し、均一分散ができなくなることもある。
【0041】次に、この例において使用する電気絶縁性
媒体31は、目的に応じて着色して使用する。着色する
場合は、選択された電気絶縁性媒体31に可溶であって
その電気的特性を損なわない種類と量の油溶性染料また
は分散性染料を用いることが好ましい。電気絶縁性媒体
31には、この他に、分散剤、界面活性剤、粘度調製
剤、酸化防止剤、安定剤などが含まれていてもよい。
【0042】また、上記の無機・有機複合粒子32の表
層36または芯体33には必要に応じて色素を含ませて
着色することができる。表層36に用いることのできる
色素は一般的な顔料である。この顔料は、芯体33上
に、上記の方法によりEA無機物35からなる表層36
を形成する際、EA無機物35に混合して用いて、表層
36に含ませることが好ましい。また、EA無機物自体
が特有の色を呈するものである場合は、その特有の色の
EA無機物35を用いることで無機・有機複合粒子32
の色を決定することができる。芯体33に色素を含ませ
る場合は、一般に合成樹脂用として知られている染料ま
たは顔料のいずれも使用可能である。この色素は、予め
芯体33を形成するモノマー中に混合した後にモノマー
を重合するか、または芯体33となる合成樹脂に練り込
んで芯体33中に含ませることができる。
【0043】例えば水酸化チタンやシリカゲルを混入す
ることにより白色に着色することができ、青色顔料のフ
タロシアニンブルー(大日精化工業株式会社製、シアニ
ンブルーS−32)を混入することにより青色に着色さ
せることができ、黄色顔料のファーストエロー(大日精
化工業株式会社製、NLファーストエロー5G(S)を
混入することにより黄色に着色することができる。さら
に、電気半導体無機物である黒色四酸化三鉄(Fe
34)を混入することにより黒色に着色でき、電気半導
体無機物である赤色三酸化二鉄(Fe23)を混入する
ことにより赤色に着色できる。従って、例えば透明ある
いは透明に近い白色の電気絶縁性媒体31に対して前記
色素を含む無機・有機複合粒子32を分散させることで
電気感応型光機能性流体30の色を前記色素の色に調整
することができる。即ち、表層36と芯体33の少なく
とも1つに色素を含む無機・有機複合粒子32は、これ
を用いることによって、得られたEA流体30の電圧無
負荷時の散乱光を前記の如く用いた色素の色にすること
ができる。
【0044】上記のような各種の方法、特に芯体33と
表層36を同時に形成する方法によって製造された無機
・有機複合粒子32は一般に、その表層36の全部また
は一部分が有機高分子物質や、製造工程で使用された分
散剤、乳化剤その他の添加物質の薄膜で覆われていて、
EA無機物粒子の電界配列性効果が充分に発揮されない
こともある。この不活性物質の薄膜は該粒子表面を研磨
することによって容易に除去し得る。
【0045】この無機・有機複合粒子32表面の研磨
は、種々な方法で行うことができる。例えば、無機・有
機複合粒子32を水などの分散媒体中に分散させて、こ
れを攪拌する方法によって行うことができる。この際、
分散媒体中に砂粒やボールなどの研磨材を混入して無機
・有機複合粒子32と共に攪拌する方法、あるいは研削
砥石を用いて攪拌する方法等によって行うこともでき
る。例えばまた、分散媒体を使用せず、無機・有機複合
粒子32と上記のような研磨材と、研削砥石を用いて乾
式で攪拌して行うこともできる。
【0046】さらに好ましい研磨方法は、無機・有機複
合粒子32をジェット気流等によって気流攪拌する方法
である。これは該粒子自体を相互に気相において激しく
衝突させて研磨する方法であり、他の研磨材を必要とせ
ず、粒子表面から剥離した不活性物質を分級によって容
易に分離し得る点で好ましい方法である。上記のジェッ
ト気流攪拌法においては、それに用いられる装置の種
類、攪拌速度、無機・有機複合粒子の材質等により研磨
条件を特定するのが難しいが、一般的には6000rp
mの攪拌速度で0.5〜15分程度ジェット気流攪拌す
るのが好ましい。
【0047】本発明に用いるEA流体30は上記の無機
・有機複合粒子32を、必要なら分散剤等、他の成分と
共に電気絶縁性媒体31中に均一に攪拌混合して製造す
ることができる。この攪拌機としては、液状分散媒に固
体粒子を分散させるために通常使用されるものがいずれ
も使用できる。
【0048】次に本発明に係る表示装置に用いる場合に
有効な無機・有機複合粒子濃度と電気絶縁性媒体31の
動粘度と印加電圧について説明する。本発明において用
いるEA流体30中における無機・有機複合粒子32の
粒子濃度は、特に限定されるものではないが0.5〜1
5重量 %であることが好ましい。その粒子濃度が0.5
重量%未満では充分な透過光制御効果が得られず、15
重量%以上では粒子濃度が濃すぎて大量の無機・有機複
合粒子32がEA流体30の全体に分散することになる
ので、後述の如く電場を印加して無機・有機複合粒子3
2・・・を配向制御しても透明感や色の変化が得られなく
なるおそれがある。
【0049】次に、本発明において用いる電気絶縁性媒
体31の動粘度は、1〜3000cStの範囲であるこ
とが好ましい。動粘度が1cStより小さいと、分散媒
中に揮発成分が多量に混在し、EA流体の貯蔵安定性の
面で不足を生じ、動粘度が3000cStより大きい
と、起泡が抜けにくくなり好ましくないが、電気絶縁性
媒体中に気泡を残留させると、通電時に気泡内のミクロ
領域で部分放電してスパークを引き起こし、絶縁劣化す
るおそれがある。なお、この動粘度の範囲は、10〜1
000cStがより好ましい範囲、10〜100cSt
が更に好ましい範囲となる。
【0050】次に、EA流体30に印加する電圧として
例えば、0.1〜5.0kV/mmの範囲で任意の電界を
かけることができるが、この範囲よりも大きな電界を印
加するようにしても良い。また、この印加電圧の範囲に
おいて、0.25〜1.5kV/mmの範囲とすることが
より好ましい。
【0051】次に、図1に示すカラー表示装置を使用し
てカラー表示を行う場合について説明する。収納板21
の1つの収納部20に収納されているEA流体30を簡
略的に見ると図6に示すように上下の透明電極層27、
28により挟まれた状態になっている。ここでこの透明
電極層27、28に駆動用IC40のスイッチ切り換え
により通電がなされていない状態とすると、無機・有機
複合粒子32は電気絶縁性媒体31中にランダムに浮遊
することになるので、黒色のEA粒子30を用いている
場合に収納部20はほぼ黒色に見える。ここで、電気絶
縁性媒体31に赤か青か黄の色素を含ませていたとして
もその量を少なくしておくと、電気絶縁性媒体31自体
は半透明の赤色や青色や黄色を示すので、この中に黒色
の無機・有機複合粒子32が浮遊していると全体として
は粒子の色が優先して見えるようになり、ほぼ黒色に見
える。よって、図6に示す状態ではこの収納部20は表
示していない状態となる。
【0052】次に駆動用IC40のスイッチ操作により
可変電源41から電極層27、28に通電してEA流体
30に電界を印可すると、図7に示すように無機・有機
複合粒子32が鎖状に配列結合して鎖状体(粒子鎖)3
8を形成し、この鎖状体38が電界方向に平行に配列す
る。この配列の結果、黒色の無機・有機複合粒子38が
収納部20の全面積に占める割合が激減し、これにより
電気絶縁性媒体31の色が全体の色を決めるようになっ
て収納部20の色は、その電気絶縁性媒体31の呈する
色、即ち、赤の色素を含む電気絶縁性媒体31である場
合には赤色に、青の色素を含む電気絶縁性媒体31であ
る場合には青色に、黄の色素を含む電気絶縁性媒体31
である場合には黄色に変化する。よって、電極層27、
28に通電するか否かの切り換えにより、収納部20内
のEA流体30を黒色から赤色、黒色から青色、あるい
は、黒色から黄色に変化させることができ、カラー表
示、あるいは非表示を切り換えることができる。
【0053】従って駆動用IC40・・・により複数の収
納部20に対する通電の有無を切り換えることで任意の
収納部20に通電して任意の色をドットとして表示でき
ることになり、これらの所望の色のドットの集合により
任意の文字や図形の表示ができるようになる。よってこ
の例のカラー表示装置をカラーテレビやパソコンあるい
はその他のあらゆるカラー表示装置のカラーディスプレ
イとして使用することができる。
【0054】また、前記カラー表示装置Aにあっては、
0.1〜5.0kV/mmの電圧で高々数mA/m2
いう極めて少ない電流で駆動できるので、10W/m2
程度も電力があれば充分に駆動することができ、省電力
構造とすることができる。更に、透明電極層27、28
に通電と同時に、無機・有機複合粒子32を配列できる
ので、充分な応答性を得ることができる。また、EA流
体30によるカラー表示を行うならば、光吸収に起因す
る発熱などのおそれがなく、エネルギー的に無駄のない
カラー表示装置ができる。
【0055】更に、一度電界を印加して無機・有機複合
粒子32・・・の配向を行うと、無機・有機複合粒子32・
・・は電圧を切ってもしばらくの間その状態を維持するの
で、印加する電圧は間欠的で良くなり、その分省エネル
ギー駆動ができる。なお、無電界時の無機・有機複合粒
子32の配向状態の維持時間は、無機・有機複合粒子3
2自体またはそれを分散させている電気絶縁性媒体31
の動粘度に応じて適宜調節することができる。即ち、電
気絶縁性媒体31の動粘度を低くすれば維持時間を短縮
することができ、動粘度を高くすれば維持時間を長くす
ることができる。
【0056】また、本発明のカラー表示装置Aは、構造
が簡単であり製造単価も液晶を用いた従来のカラー表示
装置よりも遥かに低コストで提供できる。ちなみに、先
に説明したEA流体は通常の液晶材料よりも原料コスト
において1/10以下と考えられ、極めて安価である。
また、従来のTFTカラー液晶表示装置においては、液
晶駆動のための種々のカラーフィルタや偏光板を用い、
薄膜トランジスタを透明基板上に形成する必要がある
が、本発明に係るカラー表示装置Aにあっては、先にも
説明した通り簡単な配線回路構成で良く、電源まわりの
電気回路等も簡略化できるので低コストで製造可能であ
る。
【0057】また、先の説明においては、電界の印加に
よって無機・有機複合粒子32が1列の鎖状体38を形
成して平行に配列する現象について説明したが、無機・
有機複合粒子32の数が数重量%を越えて多くなると、
1列の鎖状体38ではなく、鎖状体38が複数列相互に
接合して、図8の(a)の如くカラム39を構成して配
列するようになる。このカラム39においては左右の鎖
状体の無機・有機複合粒子32は1つずつずれて互い違
いに隣接する。これについて本発明者らは、図8の
(b)に示すごとく、+極部分と−極部分に誘電分極し
ている無機・有機複合粒子32が互い違いに隣接して+
極部分と−極部分とが引き合って配列した方がエネルギ
ー的に安定なためであると推定している。従って、無機
・有機複合粒子32の含有量が多い場合は、多数のカラ
ム39が電極層27、28の間に形成されることにな
り、このカラム39の生成により色を変える機構が作用
する。そして、この場合、多量の無機・有機複合粒子3
2が複数のカラム39にまとまるので、隣接するカラム
39どうしの間隔は大きくあくことになり、色の変色機
能は顕著になる。
【0058】ところで、前記無機・有機複合粒子32の
粒径を前述した如く0.1〜500μmの範囲、好まし
くは、5〜200μmの範囲としたのは、本願発明の無
機・有機複合粒子32が機能上、光散乱型粒子あるいは
光反射型粒子であることに起因している。周知の如く可
視光の波長は380〜780nm、即ち、0.38〜0.
78μmであるので、この程度の波長の光を散乱あるい
は反射させて前記の透過光制御を行うには、前記無機・
有機複合粒子32の粒径を最低でも0.1μm以上、好
ましくは5μm以上とすることが必要になる。
【0059】これに対し、ブラウン運動を起こすような
可視光の波長よりも小さな粒径、例えば、5nm〜数1
0nm(=0.005〜0.02μm)程度の誘電性の超
微粒子を電気絶縁性媒体19中に分散させた場合、電界
によりこの超微粒子を配向させ得ることも考えられる
が、その場合の光透過機構は前記の本願発明の例とは全
く異なり、無電界時に超微粒子が分散して光を完全に透
過させ、電界印加時に超微粒子が配向して光を散乱させ
て減衰することになり、全く異なった挙動を示すことに
なるので好ましくない。
【0060】次に、前記のような超微粒子で誘電性を示
すものとしてTiBaO4の超微粒子を考えることがで
きるが、TiBaO4は比重が4〜6の範囲の物質であ
り、重いので、仮にTiBaO4粒子を光反射型にする
目的でその粒径を大きしようとしても、電気絶縁性媒体
19中で媒体との比重差により重力沈降するようにな
り、均一分散させることは到底できない。また、前記T
iBaO4粒子を電気絶縁性媒体19中に均一に分散さ
せるためには、比重の大きな電気絶縁性媒体31が要求
されるが、比重4〜6程度の電気絶縁性媒体は存在しな
い。これに対して本願発明の無機・有機複合粒子32
は、前述したように比重を1.2前後に容易に調整でき
るので、一般に知られる多種類の電気絶縁性媒体を利用
することができる。
【0061】次に、着色性の面から見ると、前記超微粒
子に着色することは困難であり、また、仮に着色できた
としても、粒子径が小さすぎるので、電気絶縁性媒体3
1に分散させた超微粒子の色を知覚可能なように発色さ
せることはできない。従って前記超微粒子を用いた場合
は、電気絶縁性媒体31の色のみを見えるようにするこ
とができ、着色パターンは1つのみしか実現できない。
例えば、赤色透明と赤色不透明との間での変化のみが実
現可能となる。
【0062】これに対して本願発明によれば、媒体を赤
色透明、無機・有機複合粒子を白色とした場合に、白濁
不透明〜赤色透明の変色を実現でき、媒体を無色透明、
無機・有機複合粒子を青色とした場合に、青色不透明〜
無色透明の変色を実現でき、媒体を赤色、無機・有機複
合粒子を青色とした場合に、紫不透明〜赤色透明の変色
を実現でき、媒体を薄青色、粒子を黄色にした場合に黄
緑色不透明〜薄青色透明を実現できる。勿論、先に説明
したように、無機・有機複合粒子32を黒色とし、電気
絶縁性媒体31を赤とした場合は黒色〜赤色、無機・有
機複合粒子32を黒色とし、電気絶縁性媒体31を青と
した場合は黒色〜青色、無機・有機複合粒子32を黒色
とし、電気絶縁性媒体31を黄とした場合は黒色〜黄色
のカラー表示を実現できる。また、着色する部分を見て
も、無機・有機複合粒子32の芯体33と表層36と電
気絶縁性媒体31のいずれにも着色することができ、着
色バリエーションを容易に付けることができる。なお、
無機・有機複合粒子32の芯体33の表面は無機物で覆
われるが、無機物どうしの隙間から色が漏れるので、芯
体33に着色した場合の色もEA流体の色に有効に反映
される。
【0063】また、無機・有機複合粒子32の表層36
に対して着色するには、無機・有機複合粒子32を製造
する場合に用いる無機・有機複合粒子の中に必要数量の
着色無機顔料を混ぜて均一に混合し、これを用いて前述
した方法で無機・有機複合粒子32を製造すれば良い。
このようにして製造した無機・有機複合粒子32は、例
えば、芯体33の周囲に付着されている無機・有機複合
粒子の中の一部が着色無機顔料で置換された構造を有す
るようになる。これによって、無機・有機複合粒子に着
色することができる。
【0064】図9〜図10は本発明に係るカラー表示装
置の第2実施例を示すもので、この例のカラー表示装置
Bが先に説明した第1実施例のカラー表示装置Aと異な
っているのは、下部透明基板23に形成した透明電極層
の形状である。この例の透明電極層28’は、図10に
拡大して示すように櫛刃型平面略円形状の線状電極層2
8aとこれに離間して噛み合う櫛刃型平面略円形状の線
状電極層28bとの組み合わせにより、全体として円形
状に形成されたものである。また、配線部29aが各透
明電極層28’の一方の線状電極層28aに、配線部2
9bが各透明電極層28’の他方の線状電極層28bに
それぞれ接続されていて、それぞれ駆動用IC40に接
続されている。なお、この例では櫛刃状の線状電極層2
8a、28bを噛み合わせた形状の電極層を採用してい
るが、各線状電極層の形状は櫛刃状に限らず、螺旋状、
矩形螺旋状、同心円状、矩形波状等の種々の形状を採用
することができ、それらの線状電極層を互いに接触しな
いように個々の部分部分において接近させて隣接配置し
たものであれば、任意の形状を採用することができる。
【0065】この構造のカラー表示装置Bにおいて、非
表示状態とするには、上部透明基板22の透明電極層2
7には通電しない状態とし、下部透明基板23の線状電
極層28aと線状電極層28bに通電する。すると、図
11に示すように黒色の無機・有機複合粒子32が線状
電極層27aと線状電極層27bとの間で整列するの
で、EA流体30が入った収納部20を黒色にすること
ができ、非表示状態とすることができる。
【0066】次にカラー表示状態とするには、図7を基
に第1実施例で説明した場合と同様の配向状態とするた
めに、上部透明基板22の透明電極層27と、下部透明
基板23の線状電極層28a、28bとの間に通電す
る。これにより無機・有機複合粒子32を図7に示す場
合と同様に上下方向に配列できるので、電気絶縁性媒体
31の色を見えるようにすることができ、カラー表示が
できる。即ち、電気絶縁性媒体31として赤のものを用
いた収納部20は赤く、電気絶縁性媒体31として青の
ものを用いた収納部20は青く、電気絶縁性媒体31と
して黄のものを用いた収納部20は黄色にすることがで
きる。
【0067】なお、この実施例2の構成においては、上
部透明基板22の透明電極層27と下部透明基板23の
線状電極層28a、28bの間に通電するか、線状電極
層28aと線状電極層28bとの間に通電するかを切り
換えれば良いので、先の第1実施例の構造のカラー表示
装置Aよりも高速応答表示ができる特徴がある。
【0068】図12は収納板21に矩形状の収納部2
0’を形成した例を示すものである。この例のように収
納部20’を矩形状に形成しても先に説明した例のカラ
ー表示装置と同等のにカラー表示ができる。この例の場
合、表示のドットが丸形ではなく矩形状であるので、先
の例の装置と異なる雰囲気の表示品質になるが、カラー
表示能力は同等である。なお、これまでに説明した例に
おいて、収納部20、20’の間の間隔に多数の配線を
形成する必要を生じるが、現在、通常の薄膜トランジス
タアレイ基板を製造する技術においては、数μm幅の配
線を形成することが容易にできるので、収納部20、2
0’の間の間隔が1mm程度もあれば数10本〜100
本程度の配線が容易に形成できる。よって、収納部2
0、20’の数が多少多くなつても配線形成に支障はな
い。むしろ、1mm程度の間隔をあけて直径数mm〜数
cm程度の収納部20、20’を形成するならば、収納
板21のほぼ全面を表示エリアとして使用することがで
き、ドットの細かい表示が容易にできる。
【0069】以下、実験例を示し、本発明の効果を明ら
かにする。ガラス基板からなる厚さ2mmの板体に黒色
皮膜を形成し、更に直径5mmの複数の透孔を整列状態
で互いに離間して形成して収納板を形成した。また、透
明ガラス基板の表面に、ITO(インジウム錫酸化物)
膜からなる透明電極層を表示部分全体にわたって形成し
て被覆し、別の透明ガラス基板の表面に、円形櫛刃状の
線状電極層(電極幅50μm)と異極となる円形櫛刃状
の線状電極層(電極幅50μm)からなる直径円形状の
複数の丸形電極層を複数形成した。次に前記線状電極層
を形成した透明基板を前記収納体の一面に貼り合わせて
一体化した。この貼り合わせ作業を行う際に、前記各透
孔の開口部と前記丸形電極層の位置を正確に位置合わせ
して貼り合わせた。次いで一体化した収納板の孔状の収
納部にそれぞれ種々の色に発色可能なEA流体を注入し
た。
【0070】ここで用いたEA流体の製造工程を以下に
説明する。まず、水酸化チタン(一般名;含水酸化チタ
ン、石原産業株式会社製、C−II)、アクリル酸ブチ
ル、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート及び
重合開始剤の混合物を、第三リン酸カルシウムを分散安
定化剤として含有する水中に分散し、60℃で1時間攪
拌下に懸濁重合を行った。得られた生成物を濾過、酸洗
浄し、さらに水洗後、乾燥して無機・有機複合粒子を得
た。
【0071】上記で得られた無機・有機複合粒子をジェ
ット気流攪拌機(株式会社奈良機械製作所製ハイブリダ
イザー)を用いてジェット気流攪拌し、表面研磨してな
る無機・有機複合粒子を得た。このものの比重は1.1
57、平均粒径は13.7μmであった。前記無機・有
機複合粒子を、種々の動粘度のシリコーン油(東芝シリ
コーン株式会社製、TSF451シリーズ)中に、その
含有率が種々の重量%となるように均一に分散した。な
お、各EA流体のEA無機物にあっては、青色顔料のフ
タロシアニンブルー(大日精化工業株式会社製、シアニ
ンブルーS−32)を20%混入することにより青色に
着色し、黄色顔料のファーストエロー(大日精化工業株
式会社製、NLファーストエロー5G(S)を20%混
入することにより黄色に着色し、電気半導体無機物であ
る赤色三酸化二鉄(Fe23)を混入することにより赤
色に着色した。
【0072】前記EA流体を用いて行った透過光制御実
験の結果を以下に示す。実験は、図9と図10に示す櫛
刃型電極を用いた装置を使用し、青色の顔料を混入した
EA流体を収納した1つの収納部に入射した光の強度と
収納体を通過した光の強度をそれぞれ光センサで検出
し、それぞれを比較した結果を増加光としてdBm表示
することで行った。この場合、例えば3.2dBmの増
加が生じると光パワーで2.09倍の増加を意味し、4.
2dBmの増加が生じると光パワーで2.63倍の増加
を意味する。
【0073】図13は、収納部のEA流体を両側から挟
む電極層に通電した際の透過光量変化曲線aと収納部の
一側に形成された一対の櫛刃型線状電極層どうしに通電
した際の透過光量の変化曲線bを示す図である。この図
から、青色の無機・有機複合粒子を配向制御している状
態では可視光の波長帯域である380〜780nmの広
い範囲でほとんどの光が通過し、ほぼ透明となるのに対
し、無機・有機複合粒子を櫛刃型電極層どうしの間で配
向制御した状態においては青色の光のみがセンサに到達
しており、表示が透明状態から青色状態に変化したこと
を確認することができた。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、収
納板の収納部にEA流体を収納し、各収納部のEA流体
を電極層で挟んだ構造になっている。従って各収納部の
EA流体を挟む電極層に電圧が印加されていない状態で
は、EA効果を有するEA粒子は電気絶縁性媒体中に不
規則にランダムに浮遊・分散しており、これらのEA粒
子が光を乱反射するために収納部は不透明に見え、EA
粒子の呈する色か、電気絶縁性媒体の色が見えるか、あ
るいは、EA粒子の色と電気絶縁性媒体の色の配合され
た色が見える。ここでEA粒子が黒色に着色されている
ならば収納部は黒色に見え、EA粒子が赤に着色されて
いるならば収納部は赤色に見え、EA粒子が青に着色さ
れているならば収納部は青色に見え、EA粒子が黄に着
色されているならば収納部は黄色に見える。
【0075】そして、可変電源から、収納部を挟む導電
層に電圧を印加すると、EA粒子は鎖状に配列結合して
鎖状体(粒子鎖)を形成し、この鎖状体が電界方向に平
行して配列する。すると、平行に配列した鎖状体の間隙
を光が透過するようになり、収納部の面積に占める鎖状
体の面できが激減するので、収納部内のEA粒子の色は
ほとんど見えなくなり、収納部は電気絶縁性媒体の色に
見えるようになる。ここで電気絶縁性媒体が赤に着色さ
れているならば収納部は赤色に見え、電気絶縁性媒体が
青に着色されているならば収納部は青色に見え、電気絶
縁性媒体が黄に着色されているならば収納部は黄色に見
える。また、電気絶縁性媒体が着色されていなければ、
無色透明に見える。従って多数の収納部の電極層にそれ
ぞれ別個に通電することで所望の収納部のみを赤か青か
黄、あるは黒色にするかを切り換えることができる。
【0076】次に、収納板を黒色に着色していると、収
納部が特定の色になった場合にその周囲を黒で囲む発色
形態になるので、収納部での色の発色がより鮮明にな
る。更に、収納板の表面側か裏面側にバックライトを設
けるならば、バックライトから出された光によって、収
納部の色が鮮やかに見えるとともに、遠方から見た場合
の表示の確認も容易になり、表示が鮮明になる。
【0077】また、本発明のカラー表示装置は、構造が
簡単であり製造単価も液晶を用いた従来のカラー表示装
置よりも遥かに低コストで提供できる。ちなみに、先に
説明したEA流体は通常の液晶材料よりも原料コストに
おいて1/10以下と考えられ、極めて安価である。ま
た、従来のTFTカラー液晶表示装置においては、液晶
駆動のための種々のカラーフィルタや偏光板を用い、薄
膜トランジスタを透明基板上に形成する必要があるが、
本発明に係るカラー表示装置Aにあっては、先にも説明
した通り簡単な配線回路構成で良く、電源まわりの電気
回路等も簡略化できるので低コストで製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るカラー表示装置の第1実施例を
示す分解斜視図である。
【図2】 図1に示すカラー表示装置の下部透明基板を
示す平面図である。
【図3】 EA流体が収納される透孔の位置を示す平面
図である。
【図4】 図1に示す装置の一部断面図である。
【図5】 EA流体の一例を示す断面図である。
【図6】 電気絶縁性媒体中に分散しているEA流体を
示す図である
【図7】 EA流体中の無機・有機複合粒子を電界によ
り配列させた状態を示す図である。
【図8】 図8(a)は無機・有機複合粒子がコラムを
形成して配列した状態を示す図、図8(b)はコラムの
帯電状態を示す図である。
【図9】 図9は本発明に係る第2実施例のカラー表示
装置を示す分解斜視図である。
【図10】 図9に示すカラー表示装置の電極層の一部
を示す図である。
【図11】 無機・有機複合粒子の配列状態の一例を示
す図である。
【図12】 収納部を矩形状とした例を示す図である。
【図13】 無機・有機複合粒子の配列の仕方による光
透過実験結果を示す図である。
【図14】 一般的なTFT液晶表示装置の構造を示す
図である。
【図15】 一般的なTFT回路の要部を示す図であ
る。
【符号の説明】
20・・・収納部、21・・・収納板、22・・・上部透明基
板、23・・・下部透明基板、24・・・バックライト、25
・・・ブラックマスク、27・・・電極層、28・・・電極層、
30・・・EA流体、31…電気絶縁性媒体、32…無機
・有機複合粒子(固体粒子)、33…芯体、36…表
層、38…鎖状体(粒子鎖)、40・・・駆動用IC、4
1・・・可変電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明石 一弥 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 大坪 泰文 千葉県千葉市稲毛区小仲台9丁目21番1号 206

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の孔状の収納部が整列形成された収
    納板と、この収納板の表面側と裏面側にそれぞれ固着さ
    れた電極層と、電界配列効果を有する固体粒子を電気絶
    縁性媒体中に含有してなり前記収納部のそれぞれに収納
    された電気感応型光機能性流体とを具備してなり、 前記電極層のうち、少なくとも一方が各収納部に対応し
    て形成された複数の分割電極層からなり、前記各電極層
    には、収納板の表面側の電極層と裏面側の電極層との間
    に所望の電圧を印可する可変電源が接続されるととも
    に、 前記各収納部に収納された電気感応型光機能性流体の固
    体粒子と電気絶縁性媒体の少なくとも一方に色素が含ま
    れてなることを特徴とするカラー表示装置。
  2. 【請求項2】 前記多数の収納部に収納された電気感応
    型光機能性流体が、色の3原色である赤、青、黄のいず
    れか1つの色素を含み、前記赤の色素を含む電気感応型
    光機能性流体が収納された収納部と、前記青の色素を含
    む電気感応型光機能性流体が収納された収納部と、前記
    黄の色素を含む電気感応型光機能性流体が収納された収
    納部が、対をなして隣接配置されてなることを特徴とす
    る請求項1記載のカラー表示装置。
  3. 【請求項3】 前記電気感応型光機能性流体の固体粒子
    に黒の色素が含まれてなり、電気絶縁性媒体に色の3原
    色である赤、青、黄のいずれか1つの色素が含まれてな
    ることを特徴とする請求項2記載のカラー表示装置。
  4. 【請求項4】 前記収納板が黒色に着色されてなること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラー表
    示装置。
  5. 【請求項5】 前記収納板の表面側と裏面側のいずれか
    一方にバックライトが設けられてなることを特徴とする
    カラー表示装置。
  6. 【請求項6】 電界配列効果を有する固体粒子を電気絶
    縁性媒体中に含有してなり、固体粒子と電気絶縁性媒体
    の少なくとも一方に色素を含ませてなる電気感応型光機
    能性流体を用い、この電気感応型光機能性流体のうち、
    前記色素の色を替えた複数の電気感応型光機能性流体を
    用い、これらの色素の異なる個々の電気感応型光機能性
    流体で個々の画素を構成し、この画素を複数並べて配置
    し、各画素を構成する電気感応型光機能性流体に電界を
    印加するか否かを切り換えて各画素の色を変えることで
    カラー表示することを特徴とするカラー表示方法。
  7. 【請求項7】 電界配列効果を有する固体粒子を電気絶
    縁性媒体中に含有してなり、赤の色素を含む電気感応型
    光機能性流体と、青の色素を含む電気感応型光機能性流
    体と、黄の色素を含む電気感応型光機能性流体をそれぞ
    れ1つ以上用い、前記各電気感応型光機能性流体に電界
    を印加するか否かを切り換えて各画素を構成する電気感
    応型光機能性流体の色を変えることでカラー表示するこ
    とを特徴とするカラー表示方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載のカラー表示方法
    において、全ての電気感応型光機能性流体の固体粒子に
    黒の色素を含ませ、各電気感応型光機能性流体の電気絶
    縁性媒体に赤と青と黄のいずれかの色素を選択して含ま
    せ、電気感応型光機能性流体に対する電界の印加により
    固体粒子を電界に沿って集合整列させて電気絶縁性媒体
    の色素の色を見えるようにするか、電気感応型光機能性
    流体に対する電界の非印加時に固体粒子のランダム分散
    による固体粒子の黒色素の色を見えるようにすることを
    特徴とするカラー表示方法。
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