JPH0818945B2 - 抗菌性繊維材 - Google Patents

抗菌性繊維材

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JPH0818945B2
JPH0818945B2 JP5174677A JP17467793A JPH0818945B2 JP H0818945 B2 JPH0818945 B2 JP H0818945B2 JP 5174677 A JP5174677 A JP 5174677A JP 17467793 A JP17467793 A JP 17467793A JP H0818945 B2 JPH0818945 B2 JP H0818945B2
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antibacterial
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starch
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寧 三牧
照美 三牧
学 三牧
里香 吉田
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マキ商事株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カビや菌の発生や繁殖
を継続的に抑制することができる抗菌性繊維材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、繊維材や各種の樹脂成形体等
にはカビや菌の発生や繁殖を抑制したり或いは死滅させ
る抗菌剤(滅菌剤)が使用されている。例えば、無機系
の抗菌剤としてはゼオミック等があり、有機系の抗菌剤
としてはバイオシル等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の抗菌剤は水溶性に乏しいために、例えば天然繊維
等の親水性の繊維材に付着(固着)させることは基本的
に不可能であり、長時間に亙って浸漬処理を行っても抗
菌剤は充分に固着されないので、その繊維材を水洗いす
ると抗菌剤は容易に洗い流されてしまうものであった。
したがって、繊維材の抗菌性の維持、継続は殆どなされ
なかった。また、揮発性或いは昇華性の防カビ剤等も知
られているが、充分に密閉性を有する空間内でなければ
その効果は低いものであった。さらに、使用される抗菌
剤は、人体或いは草木に対する毒性がなく、廃水中の浄
化バクテリア等にも悪影響を与えないようなものである
ことが求められ、これらの性状及び前述の付着性を共に
兼ね備えるような抗菌剤が希求されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、澱粉と、該澱粉に対して0.01〜30
%の天然ヒバ材より抽出されるヒバ油及び/又はヒバ水
液とを水に分散或いは溶解させ、噴霧乾燥して微細な粒
状とした抗菌剤を水に溶解し、これに繊維を含浸させて
乾燥したことを特徴とする抗菌性繊維材に関するもので
ある。
【0005】
【0006】本発明に使用するヒバ油、ヒバ水液は、ヒ
バ(ヒノキ科)の幹部のチップやオガクズを水蒸気蒸留
して得られ、現在ではそれぞれ別々に市販されている。
このヒバ油、ヒバ水液中にはヒノキチオール、β−ドラ
ブリン等の抗菌性を有する水溶性の天然トロポロン類が
含有される。
【0007】上記ヒバ油、ヒバ水液を、澱粉と共に水に
溶解させる。その際の溶液温度は使用する澱粉の性状に
より異なるが、−10〜120℃の範囲で適宜に設定す
れば良い。尚、ヒバ油、ヒバ水液は、澱粉に対して0.
01〜30%の添加割合で加えるが、0.01%より少
ないと抗菌効果が充分ではなく、30%より多くしても
浮き出しが生ずるばかりでありそれ以上の抗菌効果が向
上がないので経済的には悪くなる。
【0008】上記溶液を公知の噴霧乾燥法により、微細
な粒状のパウダーとするのであるが、この乾燥温度も−
20〜160℃の範囲で適宜に設定すれば良く、例えば
自然風力により乾燥するようにしても良い。尚、ヒバ油
を使用した場合には、ヒバ油は水に完全に溶解すること
はなく油分の一部が液表面に浮遊する状態となるが、こ
の場合にも充分に攪拌しながら噴霧乾燥すれば、微細な
粒状の抗菌剤が作製される。
【0009】こうして作製される抗菌剤は、水溶性であ
り、しかも天然剤であるため、人体及び草木に対して無
害であり、また、上下水道などに廃棄された場合にも廃
水中の浄化バクテリアなどに影響を与えることがない。
【0010】上記抗菌剤を繊維材に固着させるために
は、水中に上記抗菌剤を0.01〜30%の割合で溶解
し、この溶液を繊維材に塗ったり、或いは繊維材を上記
溶液中に2秒〜30分浸漬し、−20〜160℃の範囲
で適宜に乾燥すれば良く、例えば自然風力により乾燥す
るようにしても良い。この繊維材は、糸状の繊維素でも
良いし、編織した繊維製品でも良く、また、材質として
は絹(シルク)や羊毛等の蛋白繊維が好適であるが、ア
クリル繊維等を適用することができる。
【0011】こうして作製される繊維材は抗菌性を有
し、数十回に及ぶ洗濯の後にも抗菌剤は殆どが洗い流さ
れずに繊維材中に固着、残存され、長期間に亙って抗菌
効果を維持継続するものとなった。これは詳細な理由に
ついては不明であるが、澱粉が界面活性剤のように油溶
性及び水溶性の何れの性質をも有しているため、澱粉分
子とヒバ油成分とが弱い結合を有して水に溶け込み、し
かもこれに繊維を含浸させることにより繊維が疎水性で
あっても繊維の内部にまで浸透すると推察される。また
澱粉は、熱やその他の要因により老化して冷水に溶ける
α−デンプンから冷水に溶けないβ−デンプンに変化
し、繊維に強く固着しているとも推察される。これに対
し、例えばポリビニルアルコールは水溶性は有するもの
の油溶性を有していないためヒバ油成分と結合すること
がなく、疎水性の繊維の内部に浸透することもなく繊維
表面に付着し、しかも余程高熱にならない限り熱等に安
定であるため変性することもなく、水洗いで容易に溶け
出してしまうものと推察される。
【0012】また、この抗菌性を有する繊維材は、染色
工程における染料液に抗菌剤を溶解させると、染色と共
に抗菌剤の固着を行うことができるので、実質的に付加
工程がなくなり、工業生産上、極めて実用的価値が高い
ものとなる。
【0013】
【0014】
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。
【0016】抗菌剤の製造;ヒバ油(ヒバ純油液,成
田林業株式会社)100ccと、澱粉(デキシエース,
塩水港株式会社)1000gとを水10000cc中に
分散、溶解し、充分に攪拌する。この溶液(分散液)を
噴霧乾燥機(粉末製造機,塩水港株式会社)により微細
な粒状にして90℃で乾燥し、1001gの抗菌剤を得
た。
【0017】抗菌性繊維材の製造;上記で得られた
抗菌剤10gを7000ccの温水に5分間で溶解さ
せ、この溶液に動物性繊維(羊毛布団用羊毛わた)、植
物性繊維(綿毛布、布団生地、フキン生地)、アクリル
性繊維(ぬいぐるみ用アクリルボア4点)のそれぞれ1
000gを5分間浸し、80℃で30分間乾燥して繊維
表面に抗菌剤を付着させた。
【0018】
【0019】抗菌性繊維材の抗菌効果試験;前記の
ように製造された抗菌性繊維材(羊毛布団用羊毛わた、
綿毛布、布団生地、フキン生地、ぬいぐるみ用アクリル
ボア4点など合計8種類)を、繊維製品衛生加工協議会
が昭和62年12月に制定した『抗菌防臭加工製品の加
工効果評価試験マニュアル・シェークフラスコ法』若し
くは『衛生加工製品の加工効果評価試験マニュアル
(2)シェークフラスコ法』に準じて減菌率を測定し
た。結果は表1に示した。尚、無加工品の測定結果も併
せて記載した。
【0020】
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に用いる抗
菌剤は天然のヒバ材から抽出されるヒバ油やヒバ水液を
原料とするので、カビや菌の発生や繁殖を抑制し、或い
は死滅させることができ、上下水道等に廃棄された場合
にも廃水中の浄化バクテリアなどに影響を与えることが
なく、環境を汚染することがない。
【0023】また、上記抗菌剤は澱粉と弱い結合をして
水溶性であるため繊維材に固着させる際に浸透性が高
く、繊維素の内部にまで抗菌剤が到達して付着する。そ
して、澱粉を含むために充分に乾燥させた繊維材は、数
十回の水洗に際しても抗菌剤が殆ど洗い流されることが
なく、長期間に亙って抗菌効果を維持継続することがで
きる。
【0024】さらに、上記抗菌性を有する繊維材を作製
する際には例えば染色液中に抗菌剤を添加して浸漬処理
すれば良いので、従来の処理工程に付加する工程は実質
的になく、工業生産上、極めて実用的価値の高いものと
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 3/00 LAU D06M 13/00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉と、該澱粉に対して0.01〜30
    %の天然ヒバ材より抽出されるヒバ油及び/又はヒバ水
    液とを水に分散或いは溶解させ、噴霧乾燥して微細な粒
    状とした抗菌剤を水に溶解し、これに繊維を含浸させて
    乾燥したことを特徴とする抗菌性繊維材。
JP5174677A 1993-06-23 1993-06-23 抗菌性繊維材 Expired - Fee Related JPH0818945B2 (ja)

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CN107502450A (zh) * 2017-08-28 2017-12-22 广西科技大学 木葡萄精油及其应用

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