JPH02221208A - 持続的防カビ組成物とその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は１種以上のヒノキ科植物から得られる精油を有
効成分とし、主に家庭内の台所、浴室。

冷蔵庫及び靴箱等の空気の殺菌浄化を目的とする持続的
防カビ組成物とその製造法に関する。

〔従来の技術〕

近年、住宅構造の改良進歩、特に家屋機密性の向上と一
方、暖房の普及等の生活様式の変化と相俟って有害微生
物、特にカビの繁殖が問題となっている。家庭内のカビ
の繁殖は、台所、浴室、冷蔵庫、靴箱さらには室内の壁
や畳等に見られ、これを防ぐ有効で安全な防カビ剤の開
発が強く望まれている。

これを防ぐために従来使用されてきた肪カビ剤は、過酸
化水素２次亜塩素酸ソーダの様な酸化剤フェノール、ク
レゾールの様なフェノール系化合物、有機リン化合物又
は塩化ペンザルフニウムの様なカチオン系界面活性剤等
である。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記防カビ剤はいずれも化学合成品であり、使用の際、
防カビ剤の人体への直接吸入や食品１食器等への付着に
よる人体への間接的取り込みを生じ易く、その安全性、
残留毒性の点から問題がある。さらにそれら防カビ剤の
効果は一過性であり持続的な効果は望めない。

従って本発明は上述の実状に鑑み、家庭内で安全に使用
できる一方、効果が強くかつ持続性に優れて使用に便利
な防カビ剤を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは化学合成品でなく、天然物由来で安全性が
高く低毒性である抗菌物質に着目し、検討を進めた結果
、アスナロ属のアスナロ（Ｔｈｕ８）、ハイネズ（Ｊｕ
ｎｉｐｅｒｕｓ　　ｃｏｎｅｆｅｒ、ｔａ）、クロベ属
のクロベ（エエ且１上ｇｔａｎｄｉｓｈｉｉ）、ウェス
タン・レッド・シーダー（エエ且ユａ　　ｐｌｉｃａｔ
ａ）、インセンスシーダー属のインセンスシーダー（Ｌ
ｉｂｏｃｅｄｎｕｓ　　ｄｅｃｕｒｒｅｎｓ）、ヒノキ
類のタイワンヒノキ（Ｃｈａｍａｅｃｙｐａｒｉｓ　　
ｏｂｔｕｓａ　　ｖａｒ、　　　ｆ’ｏｒｍｏｓａｎｄ
）等のヒノキ科植物から得られる精油が高い防カビ活性
を有することを見い出した。きらにこれらの精油の揮散
性を制御した除放性製剤の検討を行った結果、ポリビニ
ルアルコールとシリカゲルとの混合物を支持体として使
用することにより、活性成分の揮散速度が適当に制御さ
れて抗菌効果が長時間に渡って持続する持続的防カビ組
成物を作ることに成功しこの発明を完成した。

以下に本発明を詳細に述べる。

〔作用〕

本発明の一つの目的は１種以上のヒノキ科植物から得ら
れる精油と精油を支持するポリビニルアルコールとシリ
カゲルとの混合物からなる持続的防カビ組成物を提供す
ることである。

本発明の別の目的は１種以上のヒノキ科植物から得られ
る精油と精油を支持するポリビニルアルコールとシリカ
ゲルとを混合することからなる持続的防カビ組成物の製
造法を提供することである本発明に使用する精油は、１
種以上のヒノキ科の植物体を原料として水蒸気蒸留ある
いは有機溶媒抽出等の方法により得られる精油を指し、
樹木、枝葉、根及び種子等その抽出部位及び製法につい
ては何ら限定するものではない。

有機溶媒抽出に使用する有機溶媒としては、メタノール
、エタノール、プロパツール等のアルコール類；メチル
エーテル、エチルエーテル等のエーテル類；メチルエチ
ルケトン、アセトン等のケトン類；酢酸エチル等のエス
テル類；クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化
炭化水素類；ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水
素類等が好適に使われる。

尚、これら精油は古来、建築用材あるいは食器用材とし
て使用されているヒノキ科植物を原料として製造される
精油であり、その安全性が高い。

助カビ有効量の精油の量は使用空間容積！当り０．０１
〜２０ｇ、好ましくは０．１〜１５ｇであるが実際の使
用条件、例えば温度、湿度、カビの汚染の程度などによ
って変動させることができる。

次に支持体であるポリビニルアルコールは揮発性である
精油の有効成分を保持する一方、適当な速度で揮散させ
る役割を果たすが、この発明に用いるポリビニルアルコ
ールの品質は、ケン化度８０モル％以上、好ましくは９
０モル％以上のものがよい、平均重合度は５００以上、
特に１０００以上が好ましい、またポリビニルアルコー
ルはヒドロゲルの形で支持体として機能するものであり
通常は２〜５０重量％の水溶液として使用する。

防カビ組成物からの精油の揮散速度は、組成物の精油／
ポリビニルアルコールの比率によって変動し、通常の精
油とポリビニルアルコールの比率は０．０２〜０．９６
：１．好ましくは０．１〜０．８：１である。

シリカゲルは混合物の均一性、物性改善に必須かつ有効
な物質であり、例えば防カビ有効量の精油をポリビニル
アルコールのみに混合した場合、均一に混合し難いこと
及び混合物が柔らかくなること等の製剤化の工程が困難
となる。この発明に用いるシリカゲルの品質は、粒状、
粉末あるいは微粉末のいずれでもよく、好ましくは粉末
、微粉末のものである。またシリカゲル使用量は精油と
ポリビニルアルコール混合物に対する重量比として１〜
５０％、好ましくは５〜３０％である。

本発明の持続的防カビ組成物はさらに使用に便利な剤形
、例えばフィルム、シート、ロンド、ブロック、テープ
、チューブ、繊維状のものさらには凍結乾燥等の処理に
より粒状や粉末状のものまで自由自在に成形加工が可能
である。また繊維。

不織布１発泡シート、編物あるいは織物との複合体等に
も加工できる。

本発明の持続的防カビ組成物は、さらに必要に応じて他
の抗菌性物質、水溶性高分子、界面活性剤、香料等を添
加した持続的防カビ組成物とすることも可能である。

併用する抗菌性物質としては、エチルアルコール等のア
ルコール類及び動植物由来の抗菌性物質等を挙げること
ができる。

水溶性高分子は、本発明の組成物の保水性を高めること
、またゲル強度を調節すること等のために添加するもの
であり、グリセリンやエチレングツコール等の多価アル
コールあるいはゼラチン。

シクロデキストリン、カルボキシメチルセルロースプン
−アクリル酸ソーダ共重合体，ビニルアルコール−アク
リル酸ソーダ共重合体，ポリアクリル酸ソーダ等が挙げ
られる。

界面活性剤としては各種石鹸類，高級アルコール硫酸エ
ステル、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル
等を挙げることができる。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例及び試験例を示す。

実施例及び試験例に使用した精油は、ヒノキアスナロか
ら得られた精油である。

実施例１。

次の処方により持続的防カビ組成物を調製した精油 シリカゲル ポリオキシエチレン− ソルビタンモノオレエート ３０％ポリビニルアルコール水溶液 ５ｇ １０ｇ １ｇ ０ｇ 調製手順 市販ポリビニルアルコール（ケン化度９９．５％モル％
，平均重合度１　、２００）の３０％水溶液５０ｇをオ
ートクレーブ中で１１０℃にて３０分間加熱溶解させた
．その溶液を５０〜６０℃に冷却させてからポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレエート１ｇを添加、さらに
精油１５ｇと市販のシリカゲル１０ｇの混合物を添加し
、撹拌して均一に分散させプラスチック容器に入れた後
、−２０℃のフリーザー中にて一昼夜放置することによ
り持続的防カビ組成物を得た。

実施例２。

次に実施例１で作製した持続的防カビ組成物を基剤とし
、さらに抗菌性物質としてエチルアルコールを配合した
持続的防カビ組成物を調製した。

精油　　　　　　　　　　　　　　　　１０ｇシリカゲ
ル　　　　　　　　　　　　　　　１０ｇエチルアルコ
ール　　　　　　　　　　　　５ｇポリオキシエチレン
− ソルビタンモノオレエート　　　　　　　　１ｇ３０％
ポリビニルアルコール水ｍ液　　　５０ｇ調製手順 加熱溶解し、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエ
ートを添加した３０％ポリビニルアルコール水溶液に精
油，シリカゲル、エチルアルコールの混合物を添加し、
撹拌下で均一に分散させプラスチック容器に入れ厚さ０
．５ｍｍのフィルム状とし、−２０℃のフリーザー中に
て一昼夜放置することにより持続的防カビ組成物を得た
。

試験例１．各種カビ類に対する精油の抗カビ活性の測定 ポリエチレン製蓋付きアイスクリームカップ（リスバッ
ク株式会社製，６０ｍｊ！容）を７０％アルコールで殺
菌し、その中にあらかじめオートクレーブ殺菌（１２０
℃，１５分間）したポテトデキストロース寒天培地（栄
研化学株式会社製）１０ｍｌを添加し寒天平板を作製す
る．寒天平板上に試験カビを１白金耳植菌する．植菌数
は１白金耳当り約ＩＸＩＯ’個である．次にカップの蓋
に小型シャーレ（直径３２ｍｍ，深さ１０ｍｍ）を置き
、その中に所定量の精油を添加しさらに植菌済みアイス
クリームカップを逆さまにして蓋を密着させる１次に、
アイスクリームカップを逆さまにしたまま２５６Ｃ１４
日間培養後、容積５０ｍ２当りの気体最小発育阻止濃度
（ｍｇ１５０ｍｆ／、）として精油の坑カビ活性を測定
し、容積１１当りの気体最小発育阻止濃度（ＭＩＣ）に
換算し表示した。その結果を第１表に示す。

第１表 て寒天平板を作成する０次に、このアイスクリームカッ
プを室内に１時間解放したまま放置し、さらに試験例１
と同様に精油を添加後、２５°Ｃで４日間培養し、寒天
平板上に発育したカビのコロニー数を測定した。結果を
第２表に示す。

第２表 試験例２．空中浮遊菌に対する精油の抗カビ活性を測定 試験例１と同様にアイスクリームカップを用い試験例３
．空中浮遊菌に対する持続的防カビ組成物の持続効果の
測定 試験例１と同様にアイスクリームカップを用いて寒天平
板を作製する。次に、アイスクリームカップを室内に１
時間解放したまま放置し、空中浮遊菌を捕集する０次に
、カップの蓋上に小型シャーレを置き、羊の中に実施例
１で得られた持続的防カビ組成物をＩｇ（精油量１９７
ｍｇ）を添加し、上述のアイスクリームカップを逆きま
にして蓋を密着させる。次に、アイスクリームカップを
逆さまにしたまま２５℃、４日間培養後、寒天平板上に
発育したカビのコロニーの直径を測定し、その平均値を
算出した。次に、新たに空中浮遊菌を捕集したアイスク
リームカップを上述の測定済アイスクリームカップと入
れ換えて同様に２５℃、４日間培養後、コロニーの直径
を測定し平均値を算出する。この操作を繰り返して、持
続的防カビ組成物の持続効果を測定した。また対照とし
て上記持続的肪カビ組成物から精油を除いた。もの、並
びに比較試料として（Ｉ）精油のみ２００ｍｇ及び（Ｉ
Ｉ）ポリビニルアルフール 代わりにゼオライトと寒天を用いた下記組成の試料を調
製し、同様の試験を行った。

精油１５ｇ，ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエ
ート１ｇ，ゼオライト７ｇ，寒天２ｇ。

精製水５１ｇ０調製は次のようにして行った。

寒天とポリオキシエチレンソルビタンモノオしエートを
精製水に懸濁させ加熱溶解したものに精油とゼオライト
の混合物を添加し、冷却固化きせる。

効果の表示は、対照区のコロニー直径の平均値を１００
とした場合のそれぞれの試験区のコロニー直径の平均値
を％で示し、カビ発育抑制率とした。その結果を第３表
に示す。

結果を第３表に示す。

第３表 試験例４．冷蔵庫内の浮遊菌及び壁付着菌に対する持続
的防カビ組成物の持続効果 実施例で得られた持続的防カビ組成物２００ｇを５台の
家庭用冷蔵庫（１３７ｆｆｉ容）の棚にそれぞれ置き、
一定期間（７，１４，２１，２８，３５日間）密閉後の
庫内浮遊菌数と内壁付着菌数を測定した。

浮遊菌の測定手順はプラスチックシャーレ（直径９０ｍ
ｍ）にポテトデキストロース寒天培地の平板を作製し、
この寒天平板３枚を一定期間密閉しておいた冷蔵庫内に
３時間解放したまま放置、庫内浮遊菌を平板上に発育し
たカビのコロニー数を測定し、３枚の平均値で示した。

また内壁付着菌数の測定は浮遊菌数の測定後に、フード
スタンプ（日水製薬株式会社製）を用いて内壁の３箇所
から付着菌を採取、２５°Ｃ，４日間培養後、フードス
タンプ（断面積１０ｃｍ”当りのカビ数を測定した。フ
ードスタンプの組成は、ブドウ糖４％、ペプトン１％、
寒天１．５％、ｐＨ６，０である。結果を第４表に示す
。

第４表 試験例５．靴付着菌に対する持続的防カビ組成物の持続
効果 実施例２で得られた持続的防カビ組成物のフィルムで革
靴を包み２ケ月間室温にて保存後、靴付着菌数を前述フ
ードスタンプにて計り、３箇所の平均から靴１０ｃｍ”
当りのカビ数を測定した。

試験には２足の革靴を用い、それぞれ片方を持続的防カ
ビ組成物のフィルムで、他方を薄紙で包み試験した。結
果を第５表に示す。

第５表 〔発明の効果〕 実施例の試験例１，２．より明らかなように、ヒノキ科
植物のヒノキアスナロから得られた精油はカビの各種タ
イプカルチャー及び野生株の両方に空気中で揮散接触さ
せて顕著な抗カビ活性を示した。

試験例３，４．５において、本発明の持続的防カビ組成
物は長時間に渡って、防カビ活性が持続されることが確
認された。さらに試験例４の結果より、この持続的防カ
ビ組成物は含水率が高いにもかかわらず、低温でもその
性状及び防カビの持続効果が常温と比較して何ら変わら
ないことが証明された。

これらのことは、この発明の持続的防カビ組成物が安全
性の高い、使用に便利で安価な家庭用時カビ剤、又はそ
の基剤として有用であることを示している。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）１種以上のヒノキ科植物から得られる精油と前記
   精油を支持するポリビニルアルコールとシリカゲルとの
   混合物から成る持続的防カビ組成物（２）１種以上のヒ
   ノキ科植物から得られる精油と前記精油を支持するポリ
   ビニルアルコールとシリカゲルとの混合物から成る持続
   的防カビ組成物の製造法。