JPH08188952A - 積層不織布 - Google Patents

積層不織布

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JPH08188952A
JPH08188952A JP7000907A JP90795A JPH08188952A JP H08188952 A JPH08188952 A JP H08188952A JP 7000907 A JP7000907 A JP 7000907A JP 90795 A JP90795 A JP 90795A JP H08188952 A JPH08188952 A JP H08188952A
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nonwoven fabric
spinning
core
sheath
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JP7000907A
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So Yamaguchi
創 山口
Chikayuki Fukushima
周之 福島
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 引張り強力や耐摩耗性などの機械的特性に優
れるうえに、十分な柔軟性を備え、しかも層間に十分な
接着力を有した積層不織布を提供する。 【構成】 芯成分がエステル系重合体からなるととも
に、鞘成分が高密度ポリエチレンを主体とする成分から
なる、芯鞘構造の熱可塑性合成繊維にて構成された第1
の不織ウェブと、高密度ポリエチレンを主体とする成分
からなる熱可塑性合成繊維にて構成された第2の不織ウ
ェブとが、積層され、かつ熱圧接されて一体化されてい
る。その圧接面積率は4〜40%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、オレフィン系重合体やエステ
ル系重合体などの熱可塑性合成繊維からなる不織布が多
く知られている。オレフィン系重合体からなる不織布
は、一般には、柔軟性に優れるものの機械的特性及び毛
羽立ち性に劣るものである。一方、エステル系重合体か
らなる不織布は、機械的特性に優れるものの柔軟性に劣
るものである。
【0003】このような両者の欠点を解消するために、
オレフィン系重合体を鞘成分とするとともに、エステル
系重合体を芯成分として構成された、芯鞘複合構造を有
する熱可塑性複合繊維からなる不織布が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近、
用途展開の拡大により、不織布の機械的特性や柔軟性を
用途により微調整することが要求されている。上述の従
来の芯鞘構造の複合繊維を用いたものでは、繊度や、芯
成分及び鞘成分を構成する両重合体の複合比などを変更
することにより、いくらかの要求性能は満たすことはで
きるが、決して満足できるものではない。また、良好な
機械的特性や柔軟性を得るために、異なる重合体よりな
る一対の不織布を積層し、熱融着装置にて圧接一体化し
た積層不織布も知られている。しかし、化学的親和性に
乏しい重合体の組合わせであるがために、両不織布の接
着強力が著しく低く、用途によっては実用に耐えるもの
ではない。
【0005】本発明はこのような従来の不織布の欠点を
解消し、引張り強力や耐摩耗性などの機械的特性に優れ
るうえに、十分な柔軟性を備え、しかも層間に十分な接
着力を有した積層不織布を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは上
記の課題を解決するため日々努力の末に、本発明に至っ
た。すなわち本発明は、芯成分がエステル系重合体から
なるとともに、鞘成分が高密度ポリエチレンを主体とす
る成分からなる、芯鞘構造の熱可塑性合成繊維にて構成
された第1の不織ウェブと、高密度ポリエチレンを主体
とする成分からなる熱可塑性合成繊維にて構成された第
2の不織ウェブとが、積層され、かつ熱圧接されて一体
化されており、その圧接面積率が4〜40%であること
を特徴とする積層不織布を要旨とするものである。
【0007】このような構成によれば、引張り強力が高
く、柔軟性、耐摩耗性に優れた積層不織布が得られる。
また剥離強力も高く、高目付けでも柔軟性に優れた不織
布として、広範囲の用途に適用される。
【0008】本発明によれば、第1の不織ウェブと第2
の不織ウェブとに適用される高密度ポリエチレンを主体
とする成分が、ポリエチレンとポリプロピレンとのブレ
ンド体であるが、ポリエチレン単体でも構成され得るも
のからなり、このブレンド体におけるポリエチレンとポ
リプロピレンとのブレンド重量比率が、(ポリエチレ
ン:ポリプロピレン)=(100〜80:0〜20)で
あるようにすることができる。このように構成すれば、
高速紡糸性に優れた不織布が得られる。
【0009】次に本発明を詳細に説明する。本発明の不
織布を構成する第1の不織ウェブのフィラメントは芯鞘
構造であり、その鞘成分の重合体が圧接に際して接着剤
として機能する。このため、芯成分の重合体の融点は、
鞘成分の重合体の融点より高くなければならない。か
つ、芯成分の重合体は柔軟性に優れたものであることが
重要である。
【0010】積層不織布を構成する第1の不織ウェブと
第2の不織ウェブとしては、化学的親和性の良い組合わ
せが考えられる。ここで本発明では、第1の不織ウェブ
は、芯成分がエステル系重合体であるとともに鞘成分が
高密度ポリエチレン(以下、「HDPE」と称する)を
主体とする成分からなる芯鞘構造の熱可塑性合成繊維に
て構成されることが必要である。また第2の不織ウェブ
は、HDPEを主体とする成分からなる熱可塑性合成繊
維にて構成されることが必要である。このように構成す
ることで、所要の良好な機械的特性と柔軟性とを兼備す
るという本発明の効果を発揮することが可能となる。
【0011】これに対して、本発明の構成を有しない場
合、すなわち、たとえば芯成分がエステル系重合体であ
るとともに鞘成分がオレフィン系重合体である芯鞘構造
の熱可塑性合成繊維からなる不織ウェブどうしを2層に
積層した不織布の場合は、柔軟性に劣ることになる。ま
た、たとえば、HDPEからなる熱可塑性合成繊維によ
って構成された不織ウェブどうしを2層に積層した不織
布の場合は、強力などの機械的特性が劣ることになる。
【0012】本発明において、エステル系重合体として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,6
−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸や、アジピン
酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸や、これらの
エステル類を酸成分とし、かつ、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、1,4−ブタジオール、ネオペ
ンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ールなどのジオール化合物をエステル成分とした、ホモ
ポリエステル重合体あるいは共重合体が挙げられる。な
お、これらのエステル系重合体には、パラオキシ安息香
酸、5−ソジウムスルホイソフタール酸、ポリアルキレ
ングリコール、ペンタエリススリトール、ビスフェノー
ルAなどが、添加あるいは共重合されていてもよい。
【0013】なお、本発明において、繊維を形成するた
めの熱可塑性重合体には、必要に応じて、たとえば艶消
し剤、顔料、防炎剤、消臭剤、光安定剤、熱安定剤、酸
化防止剤などの各種添加剤を、本発明の効果を損なわな
い範囲内で添加することができる。
【0014】第1の不織ウェブと第2の不織ウェブとに
適用される、HDPEを主体とする成分は、ポリエチレ
ンとポリプロピレンとのブレンド体であるが、ポリエチ
レン単体でも構成され得るものからなるようにすること
ができる。すなわち、ポリエチレン1種類のみからなる
重合体であってもよいし、製糸性の向上のためにポリエ
チレンとポリプロピレン(以下、「PP」と称する)と
の2種類の重合体のブレンド体から構成されるものであ
ってもよい。このときのブレンド重量比率は、(ポリエ
チレン:ポリプロピレン)=(100〜80:0〜2
0)であることが好ましい。HDPEの重量比率が80
%未満の場合は、逆に高速製糸性に劣ることになるため
好ましくない。
【0015】このブレンド体に使用するHDPEは、メ
ルトインデックス値(以下、「MI値」と称する)が1
0〜40g/10分であることが好ましい。MI値が1
0g/10分未満の場合は、紡糸温度を高くしなければ
高速紡糸を容易にできず、ノズル面の汚れも発生しやす
くなるなど、操業上好ましくない。また、MI値が40
g/10分を超える場合は、得られる繊維の強度が低く
なり好ましくない。
【0016】PPのメルトフローレート値(以下、MF
R値と称する)は、5〜70g/10分であることが好
ましい。MFR値が5g/10分未満である場合は、可
紡性がよくないので好ましくない。また、70g/10
分を超える場合は、強度の高い繊維が得られず好ましく
ない。
【0017】本発明の不織布を構成する芯鞘複合繊維
は、その繊度や、芯成分と鞘成分の重量比などについ
て、とくに制限はない。繊度については、極端に細いも
のは独自の風合いを持つが一般的に生産性が劣り、また
極端に太いものは不織布の風合いを損なう。このため一
般的には2〜10デニールが好ましい。
【0018】芯鞘重量比は、接着成分である鞘成分の重
合体の適量の存在と、強度を保つ鞘成分の重合体の存在
とが不可欠になる。このため、極端に芯または鞘成分の
重合体の少ないものは好ましくなく、鞘/芯=0.2〜
2/1程度の範囲が好ましい。
【0019】本発明の不織布を構成するフィラメントの
断面形状については、とくに制限はない。通常の円形断
面はもとより、偏平、多角形などの異形断面のものであ
ってもよい。
【0020】本発明の不織布の製造の際における複合紡
糸や延伸や開繊の方法には、従来公知の方法を使用でき
る。たとえば複合紡糸方法としては、複数の紡糸孔を設
けた円形あるいは矩形の複合紡糸口金による方法が一般
的である。延伸には空気力やローラを利用する方法があ
るが、前者の方が一般的であり、独立した円形断面のジ
ェットや不織布の幅方向に細長い開口を持つスリット状
のジェットを使用できる。開繊方法としては、空気流を
利用するものや、摩擦あるいは高電圧を利用して帯電さ
せる方法などが一般的である。本発明においては、最終
的に2種の不織ウェブを2層構造をなすように堆積でき
る方法であれば、どのような製造方法であってもよい。
【0021】また、本発明の不織布は、2層の不織ウェ
ブが、熱融着装置によって熱または超音波にて圧接され
る必要があるが、その圧接面積率は4〜40%でなけれ
ばならない。4%未満の場合は機械的特性が劣り、また
40%を超える場合は柔軟性に劣ることになる。なお、
圧接部分の形状などについてはとくに制限はない。
【0022】本発明の不織布の目付けは、20〜200
g/m2 であることが好ましい。より好ましくは30〜
150g/m2 であり、いっそう好ましくは50〜12
0g/m2 である。目付けが20g/m2 未満であると
強度が不足し、また200g/m2 を超えると柔軟性を
損なうことになり好ましくない。
【0023】第1の不織ウェブと第2の不織ウェブとの
積層重量比率は、20〜80:80〜20であることが
好ましい。第1の不織ウェブの積層重量比率が20%未
満であると機械的特性が劣り、また、これが80%を超
えると柔軟性に劣るため、好ましくない。
【0024】
【実施例】次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明
する。しかし、本発明は、これらの実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0025】以下の各実施例において、各物性値は次の
方法により測定した。 (1)メルトインデックス値(g/10分):ASTM
−D−1238(E)に記載の方法に準じて温度190
℃で測定した。 (2)メルトフローレート値(g/10分):ASTM
−D−1238(L)に記載の方法に準じて温度230
℃で測定した。 (3)相対粘度:フェノールと四塩化エタンとの等重量
混合溶液を溶媒とし、試料濃度0.5g/100cc、
温度20℃の条件で測定した。 (4)融点(℃):パーキンエルマ社製示差走査型熱量
計DSC−2型を用い、試料重量を5mg、昇温速度を
20℃/分として測定して得た融解吸熱曲線の最大値を
与える温度を融点(℃)とした。 (5)目付け(g/m2 ):標準状態の試料から縦10
cm×横10cmの試料片各10点を作製し、平衡水分
に至らしめた後、各試料片の重量(g)を秤量し、得ら
れた値の平均値を単位面積当たりに換算して、目付け
(g/m2 )とした。 (6)引張り強力(g/5cm幅)及び引張り伸度
(%):JIS−L−1096Aに記載の方法に準じて
測定した。すなわち、試料長が10cm、試料幅が5c
mの試験片各10点を作製し、各試料片ごとに不織布の
経及び緯方向について、定速伸長型引張り試験機(東洋
ボールドウィン社製テンシロンUTM−4−1−10
0)を用いて引張速度10cm/分で伸長した。そして
得られた切断時荷重値(g/5cm幅)の平均値を引張
り強力(g/5cm幅)とし、切断時の伸長率(%)の
平均値を引張り伸度(%)とした。 (7)剥離強力(g/5cm幅):試料長が10cm、
試料幅が5cmの試料片計10点を作製し、各試料片ご
とに不織布の経方向について、定速伸長型引張り試験機
(東洋ボールドウィン社製テンシロンUTM−4−1−
100)を用いて、引張速度10cm/分で、第1の不
織ウェブ層と第2の不織ウェブ層とを積層不織布の端部
から計って5cmの位置まで強制的に剥離させた。そし
て、得られた荷重値(g/5cm幅)の平均値を層間剥
離強力(g/5cm幅)とした。 (8)剛軟度(g):試料長が10cm、試料幅が5c
mの試料片計5個を作製し、各試料片ごとに横方向に曲
げて円筒状物とし、各々その軸方向について、定速伸長
型引張り試験機(東洋ボールドウィン社製テンシロンU
TM−4−1−100)を用いて圧縮速度5cm/分で
圧縮した。そして、そのときの最大荷重値(g)の平均
を剛軟度(g)とした。この剛軟度は、その値が低いほ
ど積層不織布の柔軟性が優れていることを示す。 (9)耐摩耗性:JIS−L−1096に準じてテーパ
ー型摩耗試験機を用い、250gの荷重で1分間70回
転の速度で100回摩耗したものを、目視で下記の基準
に従って評価した。
【0026】A級 ほとんど変化なし B級 わずかに毛羽立ちが認められる C級 摩擦部分が綿状になっている (実施例1)芯鞘型複合紡糸孔からなる第1の紡糸孔群
と、単一紡糸孔からなる第2の紡糸孔群とを有する溶融
紡糸装置を使用した。そして、複合紡糸孔の一方から
の、固有粘度0.70、融点260℃のポリエチレンテ
レフタレート(以下、「PET」と称する)重合体を芯
成分とするとともに、複合紡糸孔の他方からの、MI値
20g/10分、融点131℃のHDPE重合体を鞘成
分とする、繊度3デニール、芯鞘複合比1:1の芯鞘型
複合糸を紡出した。また単一紡出孔から、MI値20g
/10分、融点131℃のHDPE重合体を、繊度3デ
ニールになるように紡出した。紡出したフィラメント群
を、各紡糸孔群に対応してその下方に配設された複数の
エアージェットにより引き取った。
【0027】その後、図1に示すように、不織布の進行
方向に沿った前方の噴出穴1から芯鞘複合フィラメント
群aを噴出させるとともに、後方の噴出穴2から単相フ
ィラメント群bを噴出させ、芯鞘複合糸の不織ウェブと
単相糸の不織ウェブとが2層構造を持つように堆積させ
た。そして、この堆積ウェブ3を通常の不織ウェブ搬送
装置によって矢印x方向に搬送し、一対のフラットロー
ルと圧接面積率が15%である彫刻ロールとからなる熱
圧接装置を用いて125℃で圧接し、不織布を得た。得
られた不織布において、芯鞘複合糸の不織ウェブと単相
糸の不織ウェブとは、重量比で1:1で構成され、その
目付けは60g/m2 であった。また、その他の各物性
値を測定し、とくに複合糸ウェブ面の耐摩耗性をテーパ
ー法で測定した。その結果を表1に示す。 (実施例2)圧接面積率が4%であること以外は実施例
1と同様にして、不織布を得た。この不織布の各物性値
を表1に示す。 (実施例3)圧接面積率が40%であること以外は実施
例1と同様にして、不織布を得た。この不織布の各物性
値を表1に示す。 (実施例4)第1の不織ウェブの鞘成分と第2の不織ウ
ェブとで用いる重合体を、MI値20g/10分、融点
131℃のHDPE重合体と、MFR値15g/10
分、融点163℃であるPP重合体とのブレンド体と
し、その重量比率を(HDPE重合体:PP重合体)=
90:10とした。そして、それ以外は実施例1と同様
にして、不織布を得た。この不織布の各物性値を表1に
示す。 (実施例5)第1の不織ウェブの鞘成分と第2の不織ウ
ェブとで用いる重合体を、MI値20g/10分、融点
131℃のHDPE重合体と、MFR値15g/10
分、融点163℃であるPP重合体とのブレンド体と
し、その重量比率を(HDPE重合体:PP重合体)=
80:20とした。そして、それ以外は実施例1と同様
にして、不織布を得た。この不織布の各物性値を表1に
示す。 (実施例6)第1の不織ウェブと第2の不織ウェブとの
積層重量比率を80:20としたこと以外は実施例1と
同様にして、不織布を得た。その各物性値を表1に示
す。 (実施例7)第1の不織ウェブと第2の不織ウェブとの
積層重量比率を20:80としたこと以外は実施例1と
同様にして、不織布を得た。その各物性値を表1に示
す。 (比較例1)芯鞘型複合紡糸孔からなる紡糸孔群を有す
る溶融紡糸装置を2台使用し、両方の複合紡糸孔から、
固有粘度0.70、融点260℃のPET重合体を芯成
分とするとともに、MI値20g/10分、融点131
℃のHDPE重合体を鞘成分とする、繊度3デニール、
芯鞘複合比1:1の芯鞘型複合糸をそれぞれ紡出した。
それ以外は実施例1と同様の紡糸装置、堆積装置を使用
した。そして、両方の複合紡糸孔からの不織ウェブどう
しを堆積させ、その堆積ウェブを通常の不織ウェブ搬送
装置の方向に搬送し、一対のフラットロールと彫刻ロー
ルとからなる熱圧接装置を用いて125℃で圧接し、不
織布を得た。得られた不織布の各物性値を表1に示す。 (比較例2)単一成分の紡糸孔からなる紡糸孔群を有す
る溶融紡糸装置を2台使用し、両方の単一成分紡糸孔か
ら、固有粘度0.70、融点260℃のPET重合体を
紡出した。それ以外は実施例1と同様の紡糸装置、堆積
装置を使用した。そして、両方の単一成分紡糸孔からの
不織ウェブどうしを堆積させ、その堆積ウェブを通常の
不織ウェブ搬送装置の方向に搬送し、一対のフラットロ
ールと彫刻ロールとからなる熱圧接装置を用いて235
℃で圧接し、不織布を得た。得られた不織布の各物性値
の測定結果を表1に示す。 (比較例3)単一成分の紡糸孔からなる紡糸孔群を有す
る溶融紡糸装置を2台使用し、一方の単一紡糸孔から、
固有粘度0.70、融点260℃のPET重合体を、3
デニールとなるように紡出した。また他方の単一紡糸孔
から、MI値20g/10分、融点131℃のHDPE
重合体を、3デニールとなるように紡出した。それ以外
は実施例1と同様の紡糸装置、堆積装置を使用した。そ
して、両方の複合紡糸孔からの不織ウェブどうしを堆積
させ、その堆積ウェブを通常の不織ウェブ搬送装置の方
向に搬送し、一対のフラットロールと彫刻ロールとから
なる熱圧接装置を用いて125℃で圧接し、不織布を得
た。得られた不織布の各物性値の測定結果を表1に示
す。 (比較例4)不織布の圧接面積率が2%であること以外
は実施例1と同様にして不織布を得た。得られた不織布
の各物性値の測定結果を表1に示す。 (比較例5)不織布の圧接面積率が45%であること以
外は実施例1同様にして不織布を得た。得られた不織布
の各物性値の測定結果を表1に示す。 (比較例6)第1の不織ウェブの鞘成分と第2の不織ウ
ェブとで用いる重合体を、MI値20g/10分、融点
131℃のHDPE重合体と、MFR値15g/10
分、融点163℃のPP重合体とのブレンド体とした。
そのブレンド重量比率は、(HDPE重合体:PP重合
体)=75:25とした。そして、それ以外は実施例2
と同様にして紡糸したが、不織布を得ることはできなか
った。 (比較例7)第1の不織ウェブと第2の不織ウェブとの
積層重量比率を85:15とした。それ以外は実施例1
と同様にして紡糸し、不織布を得た。得られた不織布の
各物性値の測定結果を表1に示す。 (比較例8)第1の不織ウェブと第2の不織ウェブとの
積層重量比率を15:85とした。それ以外は実施例1
と同様にして紡糸し、不織布を得た。得られた不織布の
各物性値の測定結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例1は、表1に示す通り、柔軟性、耐
摩耗性に優れた積層不織布であった。実施例2は、圧接
面積率が低いためやや剥離強力が低いものの、柔軟性、
耐摩耗性に優れた積層不織布であった。実施例3は、圧
接面積率が高いためやや柔軟性に劣るものの、柔軟性、
耐摩耗性に優れた積層不織布であった。実施例4及び5
は、同様に柔軟性、耐摩耗性に優れた積層不織布であっ
たうえに、HDPEにPPをブレンドしたため、高速製
糸性が良好であった。実施例6は、第1の不織ウェブの
積層重量比率が高いためやや柔軟性に劣るものの、柔軟
性、耐摩耗性に優れた積層不織布であった。実施例7
は、第2の不織ウェブの積層重量比率が高いためやや引
張り強力が低いものの、柔軟性、耐摩耗性に優れた積層
不織布であった。
【0030】比較例1は、PET重合体を芯成分、高密
度PE重合体を鞘成分とする芯鞘型複合糸のみで不織布
が構成されたため、剛軟度が高く、柔軟性に乏しいもの
であった。比較例2は、PET重合体のみで不織布が構
成されたため、引張り強力は高いものの、剛軟度が高
く、柔軟性に乏しいものであった。比較例3は、HDP
E重合体のみで不織布が構成されたため、製糸性に乏し
く、引張り強力も低いものであった。比較例4は、圧接
面積率が低いため、剥離強力が低いものであった。比較
例5は、圧接面積率が高いため、剛軟度が高く、柔軟性
に乏しいものであった。比較例6は、HDPEにブレン
ドするPPの割合が高いため高速製糸性に劣り、上述の
ように不織布を得ることができなかった。比較例7は、
第1の不織ウェブの積層重量比率が高いため、柔軟性に
劣るものであった。比較例8は、第2の不織ウェブの積
層重量比率が高いため、引張り強力が低いものであっ
た。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明の積層不織布は、芯
成分がエステル系重合体からなるとともに、鞘成分が高
密度ポリエチレンを主体とする成分からなる、芯鞘構造
の熱可塑性合成繊維にて構成された第1の不織ウェブ
と、高密度ポリエチレンを主体とする成分からなる熱可
塑性合成繊維にて構成された第2の不織ウェブとが、積
層され、かつ熱圧接されて一体化されており、その圧接
面積率が4〜40%であるように構成したため、引張り
強力が高いうえに柔軟性にすぐれ、とくに高目付けでも
柔軟性に優れ、さらに剥離強力や耐摩耗性にも優れた不
織布とすることができて、広範囲の用途に適用できる。
【0032】また第1の不織ウェブと第2の不織ウェブ
とに適用される高密度ポリエチレンを主体とする成分
を、ポリエチレンとポリプロピレンとのブレンド体で構
成すれば、上述の効果に加えて、さらに高速紡糸性に優
れた不織布を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層不織布の製造方法の一例を示す図
である。
【符号の説明】
a フィラメント群 b フィラメント群 3 堆積ウェブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯成分がエステル系重合体からなるとと
    もに、鞘成分が高密度ポリエチレンを主体とする成分か
    らなる、芯鞘構造の熱可塑性合成繊維にて構成された第
    1の不織ウェブと、高密度ポリエチレンを主体とする成
    分からなる熱可塑性合成繊維にて構成された第2の不織
    ウェブとが、積層され、かつ熱圧接されて一体化されて
    おり、その圧接面積率が4〜40%であることを特徴と
    する積層不織布。
  2. 【請求項2】 第1の不織ウェブと第2の不織ウェブと
    に適用される高密度ポリエチレンを主体とする成分が、
    ポリエチレンとポリプロピレンとのブレンド体である
    が、ポリエチレン単体でも構成され得るものからなり、
    このブレンド体におけるポリエチレンとポリプロピレン
    とのブレンド重量比率が、(ポリエチレン:ポリプロピ
    レン)=(100〜80:0〜20)であることを特徴
    とする請求項1記載の積層不織布。
  3. 【請求項3】 第1の不織ウェブと第2の不織ウェブと
    における高密度ポリエチレンのメルトインデックス値
    が、ASTM−D−1238(E)の方法で測定して1
    0〜40g/10分であり、またポリプロピレンのメル
    トフローレート値が、ASTM−D−1238(L)の
    方法で測定して5〜70g/10分であることを特徴と
    する請求項2記載の積層不織布。
  4. 【請求項4】 目付けが20〜200g/m2 であるこ
    とを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載
    の積層不織布。
  5. 【請求項5】 第1の不織ウェブと第2の不織ウェブと
    の積層重量比率が20〜80:80〜20であることを
    特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の積
    層不織布。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0833002A1 (en) * 1996-09-30 1998-04-01 Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. Flexible nonwoven fabric and laminate thereof
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KR20190054635A (ko) * 2017-11-14 2019-05-22 주식회사 휴비스 패턴 가공성이 우수한 섬유집합체 제조방법 및 이에 의한 섬유집합체

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