JPH0818719B2 - 画像形成装置の給紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、静電写真複写機やプリンターなどの画像形
成装置に装備される給紙装置に関するものである。

〔従来の技術〕

例えば静電写真複写機の給紙装置には、給紙信号を入
力するたびに未複写の用紙を一枚ずつ転写部に給紙する
ための給紙装置や、再給紙の信号を入力するたびに片面
複写後の用紙を転写部に給紙するための両面複写用の中
間給紙装置、あるいは、給紙信号を入力するたびに原稿
用紙を原稿台上に給紙するための原稿給紙装置があり、
その給紙の態様として、搬送ローラと用紙の重送防止用
ローラを、両ローラ間の用紙搬送作用部が給紙方向視で
ジグザグ状（凹凸状）になるようにローラ軸線方向視に
おいて一部を重合させて配設すると共に、回動信号を入
力して前記重送防止用ローラを反給紙方向にのみ所定角
度回動させる機構を連設し、かつ、前記重送防止用ロー
ラの清掃体を備えたものがある。

即ち、回動信号を入力した際に当該重送防止用ローラ
を反給紙方向に所定角度だけ回動させるようにして、所
定角度の回動下において、当該重送防止用ローラが固定
配置の摩擦パッドとなるようにし、この重送防止用ロー
ラによって用紙の重送を阻止するようにしたものであ
る。そして、前記のように該重送防止用ローラが固定配
置の摩擦パッドとなることは即ち、重送防止用ローラを
反給紙方向に回転させる構成のものに較べて、該重送防
止用ローラの給紙による摩擦量が小になることであり、
かつ、上記重送防止用ローラの所定角度にわたる回動に
よって該重送防止用ローラの偏摩耗が阻止されること
と、当該重送防止用ローラが回動されるたびに重送防止
作用部が清掃されることと相まって、用紙の重相防止が
長期にわたって良好に維持される。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、前記重送防止用ローラの支持が、ローラ回
動方向で遊びがあるような場合には、当該重送防止用ロ
ーラを固定配置の摩擦パッドとして機能させることが困
難になり、特に該重送防止用ローラが給紙方向に回動し
てしまうような場合には、折角の重送防止機能が大きく
削がれ、実効のある好ましい装置が得られない虞があ
る。

そこで、本発明は上記の実情に鑑みて成されたもの
で、極めて合理的な改良によって、重送防止を効果的に
図れる画像形成装置の給紙装置を提供することを目的と
する。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本発明に係る画像形成
装置の給紙装置は、搬送ローラと用紙の重送防止用ロー
ラとを、その両ローラ間の用紙搬送作用部が給紙方向視
で凹凸状に形成されるように配設するとともに、前記重
送防止用ローラを清掃するためにそのローラ周面と当接
する清掃体を設けてある画像形成装置にあって、前記重
送防止用ローラの反給紙方向への回動のみを許容するワ
ンウエイクラッチが被動部材を介してソレノイドと連動
連結され、そのソレノイドが、回動信号により前記重送
防止用ローラを反給紙方向にのみ所定角度だけ回動させ
るべく作動する一方、前記重送防止用ローラが前記ソレ
ノイドによって反給紙方向に回動されるとき以外は前記
重送防止用ローラの回動を制止させるため当接制動力
を、前記清掃体から重送防止用ローラに対して作用させ
てなることを特徴としている。

〔作用〕

回動信号が入力されると、ソレノイドが作動して被動
部材およびワンウエイクラッチを介して重送防止用ロー
ラが反給紙方向に所定角度回動される。このとき、その
重送防止用ローラと当接している清掃体によってシリコ
ンやオイルミスト、紙粉等がローラ周面から除去され
る。

一方、その重送防止用ローラが反給紙方向への回動を
終了したときには、その清掃体の当接制動力によって重
送防止用ローラの回動が制止され、次回の回動信号が入
力されるまでの間、その重送防止用ローラが固定状態と
なって摩擦パッドとして機能し、良好な重送防止効果が
発揮される。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、
第２図は片面複写と両面複写の選択が可能な静電写真複
写機の概略を示し、原稿の自動給紙装置１を備えた原稿
押え２を複写機本体３の上部に設けると共に、該複写機
本体３に感光体ドラム４を横架し、かつ当該感光体ドラ
ム４のまわりに、帯電装置５、現像装置６、転写装置
７、用紙分離装置８、クリーニング装置９を、その順に
感光体ドラム４の回転方向に配置すると共に、前記複写
機本体３の上部空間に光学系移動式の露光装置10を配置
し、さらに、手差し部11またはカセットケース12内の用
紙を前記転写装置７に搬送する給紙搬送装置13と、転写
・分離後の用紙を定着装置14に搬送する排紙搬送装置1
5、および、定着後の用紙をトレイ16に排出する排紙ロ
ーラ対17を設けてある。

そして、前記複写機本体３の下部空間に重送防止機能
を有する再給紙装置18を設けると共に、前記定着後の用
紙を選択的に上記再給紙装置18に排紙するスイッチバッ
ク機構19を前記定着装置14と排紙ローラ対17との間に配
置し、更に、前記再給紙装置18に収容された片面複写後
の用紙を前記給紙搬送装置13に合流給紙する搬送装置20
を設ける一方、大容量の用紙を収容し得るエレベーター
式の大容量カセットケース21を前記カセットケース12の
配置部の下方に設け、かつ、該大容量カセットケース21
からの用紙を前記搬送装置20に合流給紙させるための重
送防止機能を有する給紙装置22を設けて成る。

即ち、前記手差し部11またはカセットケース12,21か
ら給紙される用紙の片面に画像を複写して、当該片面複
写後の用紙をトレイ16に排紙する片面複写の形態と、前
記再給紙装置18から所定のタイミングで給紙される片面
複写後の用紙の裏面側に画像を複写して、当該両面複写
後の用紙を前記トレイ16に排紙する両面複写の形態とを
選択できるように構成されているのである。

前記大容量カセットケース21は、第１図に示すよう
に、例えば2500枚と言ったオーダーの用紙を収容し得る
乗載板23を駆動昇降自在にケース本体24に設けると共
に、最上位の用紙の前端肩部に作用する分離爪25を設け
（必須の構成ではない。）て成り、そして、この大容量
カセットケース21に対する給紙装置22は、前記最上位の
用紙を繰り出す給紙ローラ26と、該給紙ローラ26によっ
て給紙された用紙を重送防止の状態で前記搬送装置20に
給紙する重送防止手段27から成る。

詳しくは、前記重送防止手段27は、第３図乃至第６図
に示すように、給紙用のガイ体28の上下に一対の上部軸
29と下部軸30を配設すると共に、給紙ローラ26への伝動
ギヤ31と搬送ローラ32,32を所定間隔で前記上部軸29に
設ける一方、前記搬送ローラ32,32間の巾よりもやゝ巾
狭の中央重送防止用ローラ33と、該中央重送防止用ロー
ラ33よりも小径で前記搬送ローラ32,32よりもやゝ巾広
の中間重送防止用ローラ34,34、及び、前記中央重送防
止用ローラ33と略同径で且つ巾狭の両側重送防止用ロー
ラ35,35を一体成型して、前記搬送ローラ32,32間に前記
中央重送防止用ローラ33を、且つ、該中央重送防止用ロ
ーラ33とその両側の両側重送防止用ローラ35,35間に前
記搬送ローラ32,32を、夫々相互に入り込ませるように
して、該一体成型ローラ33〜35を前記下部軸30に設けて
ある。

即ち、ローラ軸線方向視において一部が重合するよう
に、前記上部側の搬送ローラ32,32と下部側の重送防止
用ローラ33,35,35を前記上下部の軸29,30に設けてあっ
て、給紙方向視においてジグザグ状（凹凸状）の給紙搬
送部が形成されるようにしてある。

このローラ配置のために、前記ガイド体28に開口36を
形成してあって、この開口36の給紙方向上流側の縁部で
且つ前記重送防止用ローラ33、35,35の上面部に対応す
る部分には、遊端側が前記ローラ重合部の前半部近くに
位置するガイド板部ａを連設してある。

そして、スポンジ製（フェルト製やブラシ製などに変
形可能である。）の清掃体36を、前記重送防止用ローラ
33、34,34、35,35の周面である重送防止作用部に夫々当
接させて前記ガイド体28の下側に設けると共に、前記重
送防止用ローラ33、34,34、35,35を反給紙方向に所定角
度回動させる回動機構37を前記下部軸30の一端側に連設
してある。

上記の回動機構37は次のように構成されている。即
ち、前記ケース本体24にソレノイドブラケット38を設け
ると共に、このブラケット38にソレノイド39を取り付
け、かつ、前記下部軸30の一端側にワンウエイクラッチ
40を介して被動部材41を連設する一方、前記下部軸30と
平行な軸42を前記ブラケット38に回動自在に枢着し、そ
して、この軸42の一端部に水平アーム43を連設すると共
に、該アーム43の長孔ｂにピンｃを介して前記ソレノイ
ド39のスピンドルｄを連係させ、かつ、前記軸42の他端
部にアーム44を起立連設すると共に、該アーム44の長孔
ｅにピンｆを介して前記被動部材41を連係させて成る。

尚、前記ソレノイド39には、前記大容量カセットケー
ス21から用紙を給紙するモードを選択したときに、該ソ
レノイド39を所定時間だけ励磁させる信号が入力されよ
うに構成されている。

而して、上記励磁信号がソレノイド39に入力されて該
ソレノイド39が励磁されると、前記スピンドルｄがソレ
ノイドケースｇ内に引退する方向に駆動（第５図に示す
状態から第６図に示す状態）され、このスピンドルｄの
直線運動が前記起立アーム44の揺動運動に変換されて、
これに連動して前記被動部材41ならびにワンウエイクラ
ッチ40を介して、前記下部軸30と共に前記重送防止用ロ
ーラ33、34,34、35,35が反給紙方向に回動し、前記搬送
ローラ32,32に対する該重送防止用ローラ33、34,34、3
5,35の重送防止作用部位置が変更されると共に、該重送
防止用ローラ33、34,34、35,35の重送防止作用部には清
掃体36が当接しているので、当該重送防止作用部に付着
のシリコンオイルミストや紙粉等が清掃体36によって清
掃除去されるのである。

そして、前記励磁信号を入力して所定時間を経過する
と前記ソレノイド39が消磁され、前記被動部材41が元の
姿勢に復帰操作（第５図に示す状態から第６図に示す状
態）されるのであるが、前記重送防止用ローラ33、34,3
4、35,35の重送防止作用部には清掃体36が当接されてい
て、前記下部軸30に清掃体36の当接制動力が掛かってい
ることと、該下部軸30と前記被動部材41との間にワンウ
エイクラッチ40を備えさせていることによって、前記被
動部材41が元の姿勢に復帰操作されても前記重送防止用
ローラ33、34,34、35,35は回動することがなく、即ち、
大容量カセットケース21からの給紙モードがとられるた
びに、前記重送防止用ローラ33、34,34、35,35が反給紙
方向に所定角度だけ回動されるのである。

さらに、上記の給紙モード下でプリントスイッチが操
作されるたびに、前記給紙ローラ26によって最上位の用
紙が重送防止手段27に向けて給紙されると共に、該用紙
が前記搬送ローラ32,32と重送防止用ローラ33、34,34、
35,35との間のジグザグ状の用紙搬送作用部に導入され
るのであり、かつこのとき、前記重送防止用ローラ33、
34,34、35,35は固定下にあるので、即ち、反給紙方向に
回転していないので、該重送防止用ローラ33、34,34、3
5,35のために用紙先端が反給紙方向に折り曲げられるこ
とがなく、しかも、該用紙先端はガイド板部ａによる案
内を受けて前記用紙搬送作用部に導入されるので、用紙
先端が重送防止用ローラ33、34,34、35,35に当接して折
れ曲がることもなく、極めてスムーズに前記搬送装置20
に給紙されるのである。

一方、前記搬送ローラ32,32の摩擦抵抗は重送防止用
ローラ33、34,34、35,35の摩擦抵抗よりも大きく、か
つ、該重送防止用ローラ33、34,34、35,35の摩擦抵抗は
用紙どうしの摩擦抵抗よりも大きく設定されており、而
して、前記給紙ローラ26によって用紙が二枚重ねの状態
で前記搬送ローラ32,32と重送防止用ローラ33、34,34、
35,35との間に送りこまれた際に、該二枚目の用紙が重
送防止用ローラ33、34,34、35,35に当接して給紙が阻止
されることと上記摩擦抵抗の差とを基にして、前記搬送
ローラ32,32側の用紙のみが給紙されるのである。

第７図に清掃体36の別実施例を示す。このものは、例
えばスポンジ製（フェルト製やブラシ製などに変形可能
である。）などの軟質の清掃体部分36a,36aとその両側
の硬質の制動体部分36bとによって清掃体36を構成した
もので、その内の軟質の清掃体部分36a,36aを重送防止
用ローラ33、34,34、35,35周面の重送防止作用部に且つ
硬質の制動体部分36bを両側重送防止用ローラ35,35の外
側角部の重送防止作用部に、夫々当接させてガイド体28
の下側に設けた点に特徴がある。

尚、前記重送防止用ローラ33、34,34、35,35の内の中
間重送防止用ローラ34,34は、用紙の重送防止に良好に
機能するものであるが、用紙の重送防止に主として機能
するのは、前記搬送ローラ32,32とによってジグザグ状
の給紙搬送部を形成する中央と両側の重送防止用ローラ
33、35,35であり、而して、上記中間重送防止用ローラ3
4,34を省略して実施するも良い。

また、前記重送防止用ローラ33、34,34、35,35を所定
角度回動させるための機構37として、ソレノイド39とワ
ンウエイクラッチ40とを主体にし、且つ、前記清掃体36
を重送防止用ローラ33、34,34、35,35の給紙方向への連
れ回り防止の制動体に兼用する構成としたが、前記下部
軸30の一端側にブレーキ付きクラッチを設けると共に該
クラッチに回転駆動系を連動連結し、かつ、前記クラッ
チを所定時間だけ動力伝達させる制御構成としても良
く、即ち、上記回動機構37の具体構造は各種変形可能で
ある。

さらに、上記の実施例では、大容量カセットケース21
の給紙装置22を対象にして説明したが、両面複写のため
の再給紙用の給紙装置17や、手差し部11あるいはカセッ
トケース12における給紙装置を実施対象にするも良く、
その他、複写機に限らずプリンターやファクシミリなど
各種の画像形成装置における給紙装置を実施対象にする
ことができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、回動信号を入力した際
に当該重送防止用ローラを反給紙方向に所定角度だけ回
動させるようにして、所定角度の回動下において、当該
重送防止用ローラが固定配置の摩擦パッドとなるように
構成し、これによって重送防止用ローラの給紙時におけ
る摩擦量を小ならしめると共に、この重送防止用ローラ
の偏摩耗を抑止でき、併せて清掃体でこの重送防止用ロ
ーラの重送防止作用部を清掃できるため、用紙の重送防
止を長期にわたって良好に維持させることができる。そ
して、この清掃体を前記重送防止用ローラの給紙方向の
回動を阻止するように前記重送防止用ローラに当接させ
て制動体としても兼用させることによって、該重送防止
用ローラが固定配置の摩擦パッドとして一層効率良く作
用し、重送防止が一段と効果的に発揮され、前記の用紙
の重送防止作用を長期にわたって良好に維持させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は給紙装置の詳細図、第２図は画像形成装置の一
例の静電写真複写機の概略縦断側面図、第３図は清掃体
を展開図示した重送防止手段の説明図、第４図は重送防
止手段の詳細図、第５図及び第６図は重送防止用ローラ
の状態切り換え説明図である。そして第７図は清掃体の
別実施例を示す説明図である。 32……搬送ローラ、33,35……重送防止用ローラ、36…
…清掃体（制動体）、37……所定角度回動機構、39……
ソレノイド、40……ワンウエイクラッチ。

フロントページの続き (72)発明者 笹木 賢次 大阪府大阪市東区玉造１丁目２番28号 三 田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−67434（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−204543（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送ローラと用紙の重送防止用ローラと
   を、その両ローラ間の用紙搬送作用部が給紙方向視で凹
   凸状に形成されるように配設するとともに、前記重送防
   止用ローラを清掃するためにそのローラ周面と当接する
   清掃体を設けてある画像形成装置において、前記重送防
   止用ローラの反給紙方向への回動のみを許容するワンウ
   エイクラッチが被動部材を介してソレノイドと連動連結
   され、そのソレノイドが、回動信号により前記重送防止
   用ローラを反給紙方向にのみ所定角度だけ回動させるべ
   く作動する一方、前記重送防止用ローラが前記ソレノイ
   ドによって反給紙方向に回動されるとき以外は前記重送
   防止用ローラの回動を制止させるため当接制動力を、前
   記清掃体から重送防止用ローラに対して作用させてなる
   ことを特徴とする画像形成装置の給紙装置。