JPH08187026A - コンバインの刈取前処理部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 掻き込みパッカへの伝動を簡易にし、株元挾
持搬送装置への穀稈移送を円滑かつ確実に行えるコンバ
インの刈取前処理部構造を提供する。 【構成】 引起こされた穀稈を後方へ掻き込みながら移
送する歯車状の４個の掻き込みパッカ９Ａ〜９Ｄを左右
方向に複数個並べた状態で配設し、各掻き込みパッカ９
Ａ〜９Ｄの隣接するもの同士を歯合する状態で連係し、
左右方向での一端側に位置する掻き込みパッカ９Ａに連
動する従動輪体１３と、左右方向での他端側に位置する
掻き込みパッカ９Ｄと該掻き込みパッカ９Ｄに隣接する
掻き込みパッカ９Ｃとの歯合箇所の後方に配設した駆動
輪体１５とにわたって穀稈搬送用の株元挾持搬送チェー
ン１０を掛けわたし、前記左右方向での一端側に位置す
る掻き込みパッカ９Ａに隣接する掻き込みパッカ９Ｂを
他の掻き込みパッカ９Ａ，９Ｃ，９Ｄより前方に偏して
配置してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、左右に複数個並設され
た穀稈引起こし装置の後方箇所に、引起こされた穀稈を
後方へ掻き込みながら移送する歯車状の掻き込みパッカ
を左右方向に複数個並べた状態で配設したコンバインの
刈取前処理部構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のコンバインの刈取前処理
部構造にあっては、例えば本出願人が先に出願した特願
平５‐１６７６３１号に提案されたもののように、左右
方向に沿った１つの仮想直線上に各掻き込みパッカの回
転中心軸がほぼ位置する状態で、各掻き込みパッカを並
設しているとともに、その一端がわの掻き込みパッカは
その掻き込みパッカで後方に掻き込まれ刈取装置で刈り
取られた穀稈を株元挾持しながら縦搬送装置へ搬送する
株元挾持搬送装置により駆動動力が伝達されるように
し、他方がわの掻き込みパッカは刈取前処理部のフレー
ム兼用の伝動ケースから直接動力伝達されるようにした
ものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造のものにあっては、並設された掻き込みパッカへ
の動力伝達が複数箇所からなされるので、その伝動構造
が複雑になりコスト高を招くものとなっているととも
に、刈取前処理部の伝動ケースから伝動軸を立ち上げて
掻き込みパッカを駆動するものでは、伝動方向を変更す
るためのベベルギア機構等を掻き込みパッカの下方に配
置することで、そのベベルギア機構を内装するケース部
分が膨出構造をなして、泥土や雑草、藁屑等がそのケー
ス部分に遮られて下方に抜けにくいという問題もあっ
た。さらに、縦搬送装置へ穀稈を搬送する株元挾持搬送
装置と連動して回転される横一端がわの掻き込みパッカ
とその隣の掻き込みパッカとの間には、その隣の掻き込
みパッカが不当に縦搬送装置寄りに位置して干渉しない
よう、広い間隙を設けていたので、掻き込みパッカによ
る穀稈の後方への移送作用が穀稈に十分に働かない場合
があって、その穀稈の後方への移送がスムーズになされ
ない可能性があった。本発明は、上記実情に鑑みてなさ
れたものであって、掻き込みパッカへの伝動を簡易にす
るとともに、株元挾持搬送装置への穀稈移送を円滑かつ
確実に行えるコンバインの刈取前処理部構造の提供を目
的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明にかかるコンバイ
ンの刈取前処理部構造は、上記目的を達成するために、
左右に複数個並設された穀稈引起こし装置の後方箇所
に、引起こされた穀稈を後方へ掻き込みながら移送する
歯車状の４個の掻き込みパッカを左右方向に並べた状態
で配設するとともに、前記各掻き込みパッカの隣接する
もの同士を歯合する状態で連係し、左右方向での一端側
に位置する前記掻き込みパッカに連動する従動輪体と、
左右方向で他端側に位置する前記掻き込みパッカと該掻
き込みパッカに隣接する掻き込みパッカとの歯合箇所の
後方に配設した駆動輪体とにわたって穀稈搬送用の株元
挾持搬送チェーンを掛けわたし、前記左右方向での一端
側に位置する掻き込みパッカに隣接する掻き込みパッカ
を他の掻き込みパッカより前方に偏して配置してあるこ
とを特徴構成とする。かかる特徴構成による作用・効果
は次の通りである。

【０００５】

【作用】即ち、歯車状の４個の掻き込みパッカは各々隣
接するもの同士が歯合する状態で連係されているととも
に、左右方向での一端側に位置する掻き込みパッカに連
動する従動輪体と、左右方向で他端側に位置する掻き込
みパッカと該掻き込みパッカに隣接する掻き込みパッカ
との歯合箇所の後方に配設した駆動輪体とにわたって穀
稈搬送用の株元挾持搬送チェーンを掛けわたし、左右方
向での一端側に位置する掻き込みパッカに隣接する掻き
込みパッカを他の掻き込みパッカより前方に偏して配置
してあるから、株元挾持搬送チェーンの駆動力が掻き込
みパッカに順次伝達されることになるとともに、その一
端側に位置する掻き込みパッカに隣接する掻き込みパッ
カは、前方に位置することで株元挾持搬送チェーンに干
渉しない状態で一端側の掻き込みパッカと歯合できて、
両掻き込みパッカ間に大きな間隙がないようにできるこ
とによって、穀稈はこれら掻き込みパッカで確実な後方
移送力を受けることになり、株元挾持搬送チェーンに受
けわたされることになる。

【０００６】

【発明の効果】従って、各掻き込みパッカの駆動を各別
に行わなくても良く、そのため、その駆動するための伝
動構造は簡単になるとともに、伝動機構を掻き込みパッ
カの下方に設けなくて良いことで、泥土や藁屑等が伝動
機構と引っ掛からない分、それら泥土や藁屑等の掻き込
みパッカ下方への滞留を抑制できる。又、一端側に位置
する掻き込みパッカとそれに隣接する掻き込みパッカと
による穀稈の後方移送や株元挾持搬送チェーンへの受け
わたしが確実かつ円滑になされるに至った。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図２に、コンバインの前部を示している。このコ
ンバインは、左右一対のクローラ走行装置１，１で支持
された機体２に、脱穀装置３、操縦部４等を搭載装備す
るとともに、機体２の前端部に横軸芯周りで上下揺動自
在に刈取前処理部６を装着して構成している。

【０００８】刈取前処理部６は、図１に示すように、４
個の固定分草具７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄと、３個の穀稈
引起こし装置８Ａ，８Ｂ，８Ｃと、刈取装置５と、平面
視で歯車状の掻き込みパッカ９Ａ，９Ｂ，９Ｃ，９Ｄ
と、株元挾持搬送チェーン１０と、縦搬送装置１１と
を、刈取フレーム１２に支持させて構成している。そし
て、最も右側の固定分草具７ａと右から２番目の固定分
草具７ｂとの間の穀稈導入経路Ｒａは、その間隔を大に
設定してあり、通常１条の穀稈列を導入するのである
が、この間隔では２条の穀稈列を導入しての刈取収穫作
業も行えるようになっている。縦搬送装置１１は、穂先
係止搬送機構１１Ａと株元挾持搬送機構１１Ｂとから成
り、扱深さ調節可能とするようにその後部における左右
向きの支点Ｘ周りで上下揺動操作自在に構成している。
そして、この縦搬送装置１１の搬送終端部から脱穀装置
３のフィードチェーンＦへ搬送穀稈を受け渡すのであ
る。

【０００９】３個の穀稈引起こし装置８Ａ，８Ｂ，８Ｃ
は左右に並設されており、右から順に第１引起こし装置
８Ａと、一対の穀稈導入経路Ｒｂ，Ｒｃを対向させた状
態で配設した第２及び第３引起こし装置８Ｂ，８Ｃとを
並設している。そして、第１引起こし装置８Ａの後方
に、第１掻き込みパッカ９Ａを配置し、第２引起こし装
置８Ｂの後方に、第２及び第３掻き込みパッカ９Ｂ，９
Ｃを配置し、第３引起こし装置８Ｃの後方に、第４掻き
込みパッカ９Ｄを配置している。第１、第２及び第４掻
き込みパッカ９Ａ，９Ｂ，９Ｄはほぼ同一の形状に構成
しているとともに、第３掻き込みパッカ９Ｃは他の掻き
込みパッカ９Ａ，９Ｂ，９Ｄより小径に構成している。
又、第１、第３及び第４掻き込みパッカ９Ａ，９Ｃ，９
Ｄは、その回転中心軸がほぼ左右方向に沿った直線上に
位置する状態で配設されているとともに、第２掻き込み
パッカ９Ｂは、他の掻き込みパッカ９Ａ，９Ｃ，９Ｄよ
りも所定距離前方に位置させて、つまり第２引起こし装
置８Ｂがわに寄せた状態で配設している。そして、第
１、第２、第３、第４掻き込みパッカ９Ａ，９Ｂ，９
Ｃ，９Ｄはそれぞれ左右に隣接するもの同士が互いに歯
合した状態で連係されており、穀稈導入経路Ｒａより導
入された穀稈を第１、第２掻き込みパッカ９Ａ，９Ｂの
互いの歯合箇所を通して後方に送り込み、穀稈導入経路
Ｒｂ，Ｒｃより導入された穀稈を第３、第４掻き込みパ
ッカ９Ｃ，９Ｄの互いの歯合箇所を通して後方に送り込
むように、各掻き込みパッカ９Ａ，９Ｂ，９Ｃ，９Ｄが
回転駆動される。

【００１０】掻き込みパッカ９Ａ，９Ｂ，９Ｃ，９Ｄの
うち、右端に位置する掻き込みパッカ９Ａは、穀稈導入
経路Ｒａより導入された穀稈を、掻き込みパッカ９Ａ，
９Ｂで後方に掻き込んだ後、刈取装置５で株元の刈取を
行い、そして、その刈取穀稈を株元挾持搬送チェーン１
０で挾持しながら、縦搬送装置１１へ移送していくので
あって、この株元挾持搬送チェーン１０の搬送始端部の
従動輪としての従動プーリ１３の支軸１４に右端の掻き
込みパッカ９Ａが一体回転自在に支持されている。株元
挾持搬送チェーン１０を駆動するための駆動輪としての
駆動プーリ１５は、掻き込みパッカ９Ｃ，９Ｄの歯合箇
所の後方に配置してあり、刈取フレーム１２より回転駆
動される状態で立設した駆動軸１６に取り付けている。
そして、駆動プーリ１５と従動プーリ１３とにわたって
懸けわたした株元挾持搬送チェーン１０の搬送始端部か
ら搬送終端部までの搬送経路箇所には株元挾持搬送チェ
ーン１０と協働で穀稈を挾持するための挾持レール１７
を設けている。又、掻き込みパッカ９Ａ，９Ｃ，９Ｄに
連動して穀稈を掻き込みパッカ９Ａ，９Ｂ，９Ｃ，９Ｄ
の歯合箇所に係止搬送する係止爪付き無端回動帯１８
ａ，１８ｃ，１８ｄを設けている。

【００１１】上記構成により、株元挾持搬送チェーン１
０は、刈取フレーム１２に内装された伝動機構からの駆
動軸１６への伝動で回動駆動され、そして、株元挾持搬
送チェーン１０の従動プーリ１３からの伝動で掻き込み
パッカ９Ａが回転駆動され、その掻き込みパッカ９Ａに
順次歯合する掻き込みパッカ９Ｂ，９Ｃ，９Ｄが回転駆
動されるようになっている。掻き込みパッカ９Ｂは、他
の掻き込みパッカ９Ａ，９Ｃ，９Ｄより前方に位置する
ことで、掻き込みパッカ９Ａとの歯合が良好になされる
とともに、その穀稈を後方に送り出した方向が株元挾持
搬送チェーン１０の搬送方向にほぼ沿うようになってい
るので、穀稈導入経路Ｒａから導入された穀稈を円滑か
つ確実に株元挾持搬送チェーン１０に受けわたすことが
できるようになっている。

【００１２】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】刈取前処理部の要部を示す概略平面図

【図２】コンバインの前部を示す側面図

【符号の説明】 ８Ａ〜８Ｃ 穀稈引起こし装置 ９Ａ〜９Ｄ 掻き込みパッカ １０ 株元挾持搬送チェーン １３ 従動輪体 １５ 駆動輪体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右に複数個並設された穀稈引起こし装
   置（８Ａ，８Ｂ，８Ｃ）の後方箇所に、引起こされた穀
   稈を後方へ掻き込みながら移送する歯車状の４個の掻き
   込みパッカ（９Ａ，９Ｂ，９Ｃ，９Ｄ）を左右方向に並
   べた状態で配設するとともに、前記各掻き込みパッカ
   （９Ａ，９Ｂ，９Ｃ，９Ｄ）の隣接するもの同士を歯合
   する状態で連係し、左右方向での一端側に位置する前記
   掻き込みパッカ（９Ａ）に連動する従動輪体（１３）
   と、左右方向で他端側に位置する前記掻き込みパッカ
   （９Ｄ）と該掻き込みパッカ（９Ｄ）に隣接する掻き込
   みパッカ（９Ｃ）との歯合箇所の後方に配設した駆動輪
   体（１５）とにわたって穀稈搬送用の株元挾持搬送チェ
   ーン（１０）を掛けわたし、前記左右方向での一端側に
   位置する掻き込みパッカ（９Ａ）に隣接する掻き込みパ
   ッカ（９Ｂ）を他の掻き込みパッカ（９Ａ，９Ｃ，９
   Ｄ）より前方に偏して配置してあるコンバインの刈取前
   処理部構造。