JP3631831B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、刈取部で刈取られた刈取穀稈を脱穀部側に搬送して脱穀処理するようにしたコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種コンバインは、穀稈引起し装置の背後に、上部搬送機構と下部搬送機構とを配設し、この上部搬送機構の上方位置には穂先搬送機構を設けて、前記穀稈引起し装置で圃場の植立穀稈を引起しながら刈刃により刈取り、この刈取穀稈を前記上部及び下部搬送機構と穂先搬送機構とで脱穀部側に搬送して脱穀処理するようにしている。このように、前記上部及び下部搬送機構と穂先搬送機構との各者で刈取穀稈の上下部位に搬送力を付与することにより、刈取穀稈を脱穀部側に搬送することができる。
【0003】
そして、前記穀稈引起し装置や各搬送機構に動力を伝達するに際して、次のような2つの動力伝達手段が採用されている。先ず、第1の動力伝達手段では、前記穀稈引起し装置の上方位置にエンジン側に連動連結する駆動横軸を架設し、該駆動横軸に前記穀稈引起し装置を連動連結させると共に、前記駆動横軸から連動軸を垂下させて、この連動軸に前記穂先搬送機構と上部及び下部搬送機構とをそれぞれ連動連結させるようにしている。また、第2の動力伝達手段では、前記駆動横軸とエンジンとの動力伝達経路の中間部位から前記上部及び下部搬送機構に動力を伝達し、この上部搬送機構と前記穂先搬送機構とを連動軸を介して連動連結させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述した従来の各動力伝達手段では、その何れにあっても前記上部搬送機構と穂先搬送機構とが連動軸を介して互いに連動連結されていることから、この穂先搬送機構は前記上部搬送機構の上部側に上下対向状に配置されることとなって、該上部搬送機構に対し穂先搬送機構を自由に位置設定することが困難となり、このため前記穂先及び上部搬送機構の送り作用側を互いに左右対向させることができず、穀稈穂先側に強力な搬送力を付与することができなかった。
【0005】
本発明の主な目的は、上部搬送機構に対し穂先搬送機構を自由に位置設定可能となし、これら穂先及び上部搬送機構の送り作用側を互いに左右対向させて穀稈穂先側の搬送能力を更に高めて良好な搬送を行えるようにする点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のコンバインは、左右方向へ適宜の間隔を隔てて配置される複数の穀稈引起し装置1と、該穀稈引起し装置1から引き継ぐ穀稈を脱穀部側へ搬送する複数の下部搬送機構4及び複数の上部搬送機構5並びにこれら上部搬送機構5の上側に配置された複数の穂先搬送機構6と、回転駆動が可能であり前記穀稈引起し装置1の上部に配置され、エンジンで駆動される回転駆動軸30から縦軸24を介して連結された駆動横軸20とを備え、該駆動横軸20に前記各穀稈引起し装置1が連動しているコンバインにおいて、前記回転駆動軸30から前記縦軸24までの、全ての前記下部搬送機構4及び全ての上部搬送機構5へ回転動力を伝達する第1の動力伝達経路と、前記駆動横軸20から、全ての前記穂先搬送機構6へ回転動力を伝達する第2の動力伝達経路とを備えており、更に、前記上部搬送機構5は、刈取穀稈の穂先側を左斜め後方に向けて搬送する右上部搬送チエン51と、刈取穀稈の穂先側を後方に搬送する中央上部搬送チエン52と、刈取穀稈の穂先側を右斜め後方に搬送する左上部搬送チエン53と、を備え、上記穂先搬送機構6は、上記各上部搬送チエン51,52,53の上方位置にそれぞれ配置すると共に、この穂先搬送機構6を、平面視で各上部搬送チエン51,52,53と左右に対向する位置に配設することを特徴とする。
【0007】
請求項1記載のコンバインは、穂先搬送機構6を上部搬送機構4に対し自由に位置設定することができ、穂先搬送機構6及び上部搬送機構4の送り作用側を互いに左右対向させ、これら穂先搬送機構6及び上部搬送機構4の間で、穂先搬送機構6及び上部搬送機構4により夫々穀稈穂先側に強力な搬送力を付与することが可能となり、穂先搬送機構及び上部搬送機構による穀稈穂先側の搬送能力を更に高めて、穀稈穂先側の良好な搬送を行うことができる。
【0008】
請求項2記載のコンバインは、上記手段において、前記第2の動力伝達経路は、前記駆動横軸20から垂下する上部軸26aと、該上部軸26aの下部にユニバーサルジョイント26cによって連結された下部軸26bとを備え、該下部軸26bが前記穂先搬送機構6に連動され、前記上部軸26aが前記穀稈引起し装置1に連動していることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載のコンバインにあっては、穀稈引起し装置1と穂先搬送機構6との動力伝達系の構造を簡素化することができ、しかも、駆動横軸20側の回転速度を変速することにより、穀稈引起し装置1と穂先搬送機構6との両者を互いに同調させて同時に穀稈搬送に最適な速度に変速することもできる。
【0010】
【発明の実施の態様】
図6は、本発明にかかるコンバインの一実施形態を示しており、このコンバインAは、下部側に左右一対のクローラ式走行装置Bを設け、上部側にフィードチエンC1を備えた脱穀部Cを搭載すると共に、前方部には6条刈り用の刈取部Dを配設して、この刈取部Dで刈取られた穀稈を前記脱穀部Cに搬送して脱穀処理するようにしている。図中、Eは前記脱穀部Cの側部に配置した運転キャビン、Fは同キャビンEの後部側に設けた穀粒貯溜タンクである。
【0011】
前記刈取部Dは、図2〜図4で示すように、引起しケース11内に多数の引起しタイン12を、上下方向に回行可能で、回行時に内外方に進退出可能に備えた上下方向に延びる6つの穀稈引起し装置1と、該各引起し装置1の前部両側に配設された合計7つの分草板2と、前記各引起し装置1の背後で下部側に横架された複数の分割刈刃3と、この刈刃3の後方側に配設された刈取穀稈の根元側を搬送する下部搬送機構4と、その上方位置に配設された刈取穀稈の上部側を搬送する上部搬送機構5と、その上方位置に配設された刈取穀稈の穂先側を搬送する穂先搬送機構6とを備えている。
【0012】
前記各穀稈引起し装置1は、その上部側を連結する横方向に延びる上部枠13を備え、この上部枠13を前記走行装置B側から刈取部D側に向けて配設された刈取フレーム10に、その中間部位から前上方に延びる支持杆10aを介して支持している。また、前記各分草板2は、前記刈取フレーム10の先端から前方に延びる支持フレーム10bを介して支持させている。
【0013】
前記下部搬送機構4は、前記刈刃3による刈取穀稈の右側2条分の根元側を左斜め後方に向けて搬送する右下部搬送チエン41と、中央2条分の根元側を後方に搬送する中央下部搬送チエン42と、左側2条分の根元側を右斜め後方に向けて搬送する左下部搬送チエン43とを備えている。また、各図の実施形態では、前記下部搬送機構4の前方側で前記各引起し装置1の後部下部位置に、スターホイル44とタイン45a付きの掻込ベルト45とを設け、これらスターホイル44と掻込ベルト45により前記各引起し装置2で引起された穀稈の根元側を前記刈刃3側に掻込んで、該刈刃3により穀稈を確実に刈取れるようにしている。
【0014】
さらに、前記上部搬送機構5は、刈取穀稈の右側2条分の穂先側を左斜め後方に向けて搬送するタイン51aをもつ右上部搬送チエン51と、中央2条分の穂先側を後方に搬送するタイン52aを備えた中央上部搬送チエン52と、左側2条分の穂先側を右斜め後方に搬送するタイン53aを備えた左上部搬送チエン53とを備えている。
【0015】
また、前記穂先搬送機構6は、ケース61と、その内部に回行可能で回行時に内外方に進退出するように設けられた複数の穂先タイン62とを備えており、この穂先搬送機構6の3個を前記上部搬送機構5を構成する各搬送チエン51,52,53の上方位置に配置すると共に、これら穂先搬送機構6のうち中央側穂先搬送機構6を、図3に示すように平面視で中央側上部搬送機構5と左右に対向する位置に配設している。
【0016】
そして、前記各分草板2から内方に導入される圃場の植立穀稈を前記各引起し装置1で引起しながら、この引起された穀稈の根元側を前記スターホイル44と掻込ベルト45とで前記刈刃3側へと掻込んで刈取り、この刈取穀稈の右側2条分の根元及び穂先側を、前記下部及び上部搬送機構4,5に備えた右下部搬送チエン41及び右上部搬送チエン51と右側穂先搬送機構6の各タイン62とにより左斜め後方に搬送し、また、刈取穀稈の中央2条分の根元及び穂先側を、前記中央下部搬送チエン42及び中央上部搬送チエン52と中央側穂先搬送機構6の各タイン62とにより後方に向けて搬送し、さらに、刈取穀稈の左側2条分の根元及び穂先側を、前記左下部搬送チエン43及び左上部搬送チエン53と左側穂先搬送機構6の各タイン62とにより右斜め後方に向けて搬送するようにしている。
【0017】
また、前記下部搬送機構4として配設した右下部搬送チエン41の搬送方向終端側には、前記各搬送チエン41,42,43と各穂先搬送機構6のタイン62とにより搬送されて合流する6条分の刈取穀稈の根元側を前記脱穀部CのフィードチエンC1の送り始端側に受け継ぎ搬送する後下部搬送チエン71を設けると共に、前記上部搬送機構5における右上部搬送チエン51の搬送方向終端側には、前記各搬送チエン51,52,53と各穂先搬送機構6のタイン62とにより搬送されて合流する6条分の刈取穀稈の穂先側を前記脱穀部Cの穀稈挿入口に搬送する後上部搬送チエン72を設ける一方、これら後下部及び後上部搬送チエン71,72の送り方向終端側には、該各搬送チエン71,72により搬送された穀稈を前記フィードチエンC1に適正位置で受け渡す補助搬送チエン73を配設して、これら各搬送チエン71,72,73により6条分の刈取穀稈を前記脱穀部Cに供給して脱穀処理するようにしている。
【0018】
そして、前記下部及び上部搬送機構4,5と穂先搬送機構6との動力伝達経路をそれぞれ独立させて、該穂先搬送機構6を、前記各穀稈引起し装置1の上部側に配設した上部枠13内に設ける駆動横軸20に連動連結させると共に、前記下部及び上部搬送機構4,5を、前記コンバインAに搭載したエンジン側から延び、前記刈取フレーム10の先端側に固設する横筒21内の下部横軸22に連結される前記刈取フレーム10内の回転駆動軸30と、前記横筒21と前記上部枠13との長さ方向一側に上下方向に配設する動力伝達パイプ23に内装された縦軸24に連動連結させる。
【0019】
具体的には、図1で明らかなように、前記駆動横軸20を収容する横パイプ20aから下方に向けて複数の縦パイプ25を垂下させ、該パイプ25の内の3個にそれぞれ縦連動軸26を回転可能に支持させて、この各縦連動軸26と前記駆動横軸20とを、該駆動横軸20の3個所と前記縦連動軸26の上端側とに固設した互いに噛合する一組の第1ベベルギヤ27,27を介して連動連結させると共に、前記各縦連動軸26と前記穀稈引起し装置1及び穂先搬送機構6との間に伝動機構8を介装させる。
【0020】
この伝動機構8は、前記各縦連動軸26の長さ方向中間部位と前記穀稈引起し装置1の引起しケース11に支持した駆動スプロケット14をもつ入力軸15とに、互いに噛合する一組の第2ベベルギヤ81,81を固設して、該各ベベルギヤ81,81により前記駆動横軸20と前記穀稈引起し装置1の入力軸15とを連動連結すると共に、前記各縦連動軸26の先端側と前記穂先搬送機構6に備えたケース61に支持する回転軸63の上端側とに、互いに噛合する一組の第3ベベルギヤ82,82を固設し、該各ベベルギヤ82,82により前記駆動横軸20と前記穂先搬送機構6の回転軸63とを連動連結させて構成している。また、前記引起しケース11における前記駆動スプロケット14の下部側には、該駆動スプロケット14に掛回されて前記各引起しタイン12を上下回行させるチエンをガイドするためのガイドスプロケット16を設けている。
【0021】
また、同図の実施形態では、前記縦連動軸26を前記縦パイプ25に内装される上部軸26aと、この縦パイプ25の下方から突出する下部軸26bとにそれぞれ分割し、これら上,下部軸26a,26bをユニバーサルジョイント26cを介して互いに連結し、前記上部軸26aの下端側に前記伝動機構8を構成する第2ベベルギヤ81を、かつ、前記下部軸26bの下端側に前記第3ベベルギヤ82をそれぞれ固設している。
【0022】
さらに、前記穂先搬送機構6のケース61に設ける各穂先タイン62は、前記回転軸63に連結体64を介して追従回転可能支持しており、また、前記ケース61には、前記各穂先タイン62を倒伏させてケース61内に後退させるためのびン65を設けている。
尚、前記各穂先タイン62は、前記ケース61に設けたレール(図示せず)に沿って回行され、その回行時にレールにより前記ケース61の外方に進出させるようにしている。
【0023】
次に、図5に示す動力伝達経路について説明する。同図では、前記コンバインAに搭載したエンジン側から延び前記刈取フレーム10に内装された回転駆動軸30と前記刈取フレーム10の先端側に固設した横筒21内の下部横軸22とに、互いに噛合する一組の第4ベベルギヤ31,31を固設すると共に、前記下部横軸22の長さ方向2個所に、互いに噛合して前記各分割刈刃3側に回転動力を伝達する複数組から成る第5,第6ベベルギヤ32,33を固設して、前記回転駆動軸30から下部横軸22に伝達される回転動力により前記各分割刈刃3を往復駆動させるようにしている。
【0024】
また、前記下部横軸22の一方側軸端と前記動力伝達パイプ23に内装された縦軸24の下端側とに、互いに噛合する一組の第7ベベルギヤ34,34をそれぞれ固設すると共に、前記駆動横軸20の一方側軸端に互いに噛合する一組の第8ベベルギヤ35,35を連結して、この第8ベベルギヤ35の一方側から延びる中間軸36と前記縦軸24との間をクラッチ機構37を介して連結連結させている。
【0025】
さらに、前記駆動横軸20には、前記穂先搬送機構6の各穂先タイン62と前記穀稈引起し装置1の各引起しタイン12とを共に前記伝動機構8を介して回行駆動する前記第1ベベルギヤ27,27を設ける他に、互いに噛合する一組の第9ベベルギヤ38,38を連結し、また、これら第9ベベルギヤ38と前記引起しケース11に支持した入力軸15との間に互いに噛合する一組の第10ベベルギヤ39,39を介装して、これら第9及び第10ベベルギヤ38,39により、前記伝動機構8が設けられることなく、つまり、前記穂先搬送機構6の各穂先タイン62に連動されない側の前記穀稈引起し装置1の各引起しタイン12を回行駆動させるようにしている。
【0026】
また、前記エンジン側から延びる回転駆動軸30には、前記下部搬送機構4の右下部搬送チエン41及び中央下部搬送チエン42と、前記上部搬送機構5の右下部搬送チエン51及び中央上部搬送チエン52とをそれぞれ歯車伝動機構を介して連動連結させる共に、前記駆動横軸20と下部横軸22との間に設ける前記動力伝達パイプ23内の縦軸24に、前記下部搬送機構4の左下部搬送チエン43と、前記上部搬送機構5の左下部搬送チエン53とを歯車伝動機構を介して連動連結させている。尚、同図において、前記下部及び上部搬送機構4,5における各搬送チエン41〜43及び51〜53の斜線部分は、これら各チエンの駆動側を示している。
【0027】
次に、以上の構成による作用について説明する。前記エンジン側から延びる回転駆動軸30の回転駆動により、前記下部横軸22を介して前記分割刈刃3が往復駆動されると同時に、前記下部横軸22と縦軸24及びクラッチ機構37を介して前記駆動横軸20が回転され、これに伴い前記各穀稈引起し装置1の各引起しタイン12がスプロケット14を介して上下回行され、また、前記伝動機構8を設けた側の各穀稈引起し装置1においては、前記駆動横軸20の回転動力が、前記縦連動軸26及び伝動機構8を介して前記各穀稈引起し装置1の引起しタイン12と各穂先搬送機構6の穂先タイン62とに伝達されて、これら穂先タイン62と引起しタイン12とが互いに連動して回行駆動される。
【0028】
以上の構成により、これら穀稈引起し装置1と穂先搬送機構6との動力伝達系の構造を簡素化することができ、しかも、前記回転駆動軸30の回転速度を変速することにより、前記穀稈引起し装置1と穂先搬送機構6との両者を互いに同調させて同時に穀稈搬送に最適な速度に変速することもできる。
【0029】
さらに、前記エンジン側の回転駆動軸30の回転により、前記下部搬送機構4の右下部搬送チエン41及び中央下部搬送チエン42と、前記上部搬送機構5の右下部搬送チエン51及び中央上部搬送チエン52とが回転駆動され、また、前記駆動横軸20と下部横軸22との間に設ける縦軸24の回転により、前記下部搬送機構4の左下部搬送チエン43と、前記上部搬送機構5の左下部搬送チエン53とが回転駆動される。
【0030】
そして、前記引起し装置1の引起しタイン12で引起されながら前記分割刈刃3で刈取られた穀稈の上下部位を、前記下部搬送機構4の各搬送チエン41,42,43及び上部搬送機構5の各搬送チエン51,52,53の回転駆動に伴い前記脱穀部C側へと搬送することにより、刈取穀稈が前記穀稈引起し装置1のケース11等に引掛かったりすることなく、刈取穀稈を脱穀部C側に確実に搬送することができる。
【0031】
しかも、前記下部及び上部搬送機構4,5と穂先搬送機構6との動力伝達経路はそれぞれ独立した別経路とされ、この穂先搬送機構6が前記伝動機構8等を介して前記駆動横軸20に連動連結され、一方、前記下部及び上部搬送機構4,5は、前記刈取ブレーム10内の回転駆動軸30と、前記動力伝達パイブ23に内装した縦軸24に連動連結されているので、前記穂先搬送機構6を上部搬送機構5とは関係なく自由に位置設定することができ、このため、前記穂先及び上部搬送機構6,5の送り作用側を互いに左右対向させ、これら穂先及び上部搬送機構6,5の間で、該各搬送機構6,5によりそれぞれ穀稈穂先側に強力な搬送力を付与することが可能となって、これら各搬送機構6,5による穀稈穂先側の搬送能力を更に高めて、穀稈穂先側の良好な搬送を行うことができる。
尚、以上の実施形態では、6条刈取用のコンバインを示したが、本発明では、それ以外のコンバインにも適用することができる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、左右方向へ適宜の間隔を隔てて配置される複数の穀稈引起し装置1と、該穀稈引起し装置1から引き継ぐ穀稈を脱穀部側へ搬送する複数の下部搬送機構4及び複数の上部搬送機構5並びにこれら上部搬送機構5の上側に配置された複数の穂先搬送機構6と、回転駆動が可能であり前記穀稈引起し装置1の上部に配置され、エンジンで駆動される回転駆動軸30から縦軸24を介して連結された駆動横軸20とを備え、該駆動横軸20に前記各穀稈引起し装置1が連動しているコンバインにおいて、前記回転駆動軸30から前記縦軸24までの、全ての前記下部搬送機構4及び全ての上部搬送機構5へ回転動力を伝達する第1の動力伝達経路と、前記駆動横軸20から、全ての前記穂先搬送機構6へ回転動力を伝達する第2の動力伝達経路とを備えており、更に、前記上部搬送機構5は、刈取穀稈の穂先側を左斜め後方に向けて搬送する右上部搬送チエン51と、刈取穀稈の穂先側を後方に搬送する中央上部搬送チエン52と、刈取穀稈の穂先側を右斜め後方に搬送する左上部搬送チエン53と、を備え、上記穂先搬送機構6は、上記各上部搬送チエン51,52,53の上方位置にそれぞれ配置すると共に、この穂先搬送機構6を、平面視で各上部搬送チエン51,52,53と左右に対向する位置に配設することで、穂先搬送機構6を上部搬送機構5に対し自由に位置設定することができ、穂先搬送機構6及び上部搬送機構5の送り作用側を互いに左右対向させ、これら穂先搬送機構6及び上部搬送機構5の間で、穂先搬送機構6及び上部搬送機構5により夫々穀稈穂先側に強力な搬送力を付与することが可能となり、穂先搬送機構6及び上部搬送機構5による穀稈穂先側の搬送能力を更に高めて、穀稈穂先側の良好な搬送を行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、上記効果に加えて、第2の動力伝達経路は、前記駆動横軸20から垂下する上部軸26aと、該上部軸26aの下部にユニバーサルジョイント26cによって連結された下部軸26bとを備え、該下部軸26bが前記穂先搬送機構6に連動され、前記上部軸26aが前記穀稈引起し装置1に連動していることで、穀稈引起し装置1と穂先搬送機構6との動力伝達系の構造を簡素化することができ、しかも、駆動横軸20側の回転速度を変速することにより、穀稈引起し装置1と穂先搬送機構6との両者を互いに同調させて同時に穀稈搬送に最適な速度に変速することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明コンバインの要部である穂先搬送機構における動力伝達系の一部を示す断面図。
【図2】同刈取部の側面図。
【図3】その正面図。
【図4】その平面図。
【図5】動力伝達経路を示す図。
【図6】コンバイン全体を示す斜視図。
【符号の説明】
1…穀稈引起し装置、 4…下部搬送機構、 5…上部搬送機構
6…穂先搬送機構、 8…伝動機構、 20…駆動横軸
Claims (2)
- 左右方向へ適宜の間隔を隔てて配置される複数の穀稈引起し装置1と、該穀稈引起し装置1から引き継ぐ穀稈を脱穀部側へ搬送する複数の下部搬送機構4及び複数の上部搬送機構5並びにこれら上部搬送機構5の上側に配置された複数の穂先搬送機構6と、回転駆動が可能であり前記穀稈引起し装置1の上部に配置され、エンジンで駆動される回転駆動軸30から縦軸24を介して連結された駆動横軸20とを備え、該駆動横軸20に前記各穀稈引起し装置1が連動しているコンバインにおいて、
前記回転駆動軸30から前記縦軸24までの、全ての前記下部搬送機構4及び全ての上部搬送機構5へ回転動力を伝達する第1の動力伝達経路と、
前記駆動横軸20から、全ての前記穂先搬送機構6へ回転動力を伝達する第2の動力伝達経路とを備えており、更に、
前記上部搬送機構5は、
刈取穀稈の穂先側を左斜め後方に向けて搬送する右上部搬送チエン51と、
刈取穀稈の穂先側を後方に搬送する中央上部搬送チエン52と、
刈取穀稈の穂先側を右斜め後方に搬送する左上部搬送チエン53と、を備え、
上記穂先搬送機構6は、上記各上部搬送チエン51,52,53の上方位置にそれぞれ配置すると共に、この穂先搬送機構6を、平面視で各上部搬送チエン51,52,53と左右に対向する位置に配設することを特徴とするコンバイン。 - 前記第2の動力伝達経路は、前記駆動横軸20から垂下する上部軸26aと、該上部軸26aの下部にユニバーサルジョイント26cによって連結された下部軸26bとを備え、該下部軸26bが前記穂先搬送機構6に連動され、前記上部軸26aが前記穀稈引起し装置1に連動していることを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
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