JPH08184273A

JPH08184273A - 調光ガラス窓

Info

Publication number: JPH08184273A
Application number: JP32573094A
Authority: JP
Inventors: Masayoshi Yamaguchi; 正芳山口; Yoshitaka Tanaka; 義孝田中
Original assignee: Obayashi Corp
Current assignee: Obayashi Corp
Priority date: 1994-12-27
Filing date: 1994-12-27
Publication date: 1996-07-16

Abstract

(57)【要約】【目的】日照状況の変化に合せてガラスの光透過度を
多様なパターンで自動的に調整でき、外部からの電力供
給が不要で、個々のガラス窓で独立した安価な自動調整
システムを構成できる調光ガラス窓を提供する。【構成】窓枠１に取り付けれた２枚の透明ガラス板２
と３の微小間隔部分に液晶８が封入されている。ガラス
板２の内面には全面的に透明な共通電極４が、ガラス板
３の内面には横長の短冊型に分割された透明な分割電極
５が薄膜状に形成されている。窓枠の幅広部１ａの外面
側に太陽電池６のパネルが配設され、内面側には操作パ
ネル７が配設され、窓枠１の内部には電源回路９とドラ
イバ１０とワンチップ・マイコン１１からなる駆動・制
御回路が実装されている。ドライバ１０とマイコン１１
は、電源回路９を介して供給される太陽電池６の出力で
動作し、液晶８を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、液晶物質の電気光学
効果を利用して光透過度を変化させる調光ガラス窓に関
する。

【０００２】

【従来の技術】２枚の透明ガラス板を間隔をあけて窓枠
に取り付け、その間隔部分に多数のスラットを連ねた昇
降式のブラインドを内蔵した調光ガラス窓が知られてい
る。この種のブラインド内蔵ガラス窓の多くは、スラッ
トの昇降と角度調整を窓枠に付設されている操作部を手
動操作して行う手動式のものである。一部には電動式の
ブラインド内蔵ガラス窓もあり、窓枠に組み込んだモー
タや電磁プランジャで駆動してスラットの昇降と角度調
整を行うように構成されている。この場合は、窓枠の室
内側に配設した操作パネルのタッチスイッチ類を操作す
ることで、非常に軽い操作力でスラットの昇降および角
度調整を行える。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】日照の状況変化に合せ
てブラインドの昇降やスラット角度を適時に調整するの
はかなり面倒であり、仕事に熱中している人が多いオフ
ィスなどではブラインド調整が不適切なままで放置され
ていることが多く、執務環境の低下につながっている。
そこで、日照の状況変化に合せてブラインドの昇降やス
ラット角度を適切に自動調整するシステムが望まれる。
しかし、このような自動システムを前記の構成の電動式
のブラインド内蔵ガラス窓で実現するのは不可能ではな
いが、コンパクトで安価な現実的なシステムとすること
は非常に難しい。

【０００４】まず、機械的なブラインドに加えてこれを
動かす電動機構を含むと、個々のブラインド内蔵ガラス
窓の価格が非常に高くなる。また、モータや電磁プラン
ジャで機械的にブラインドを動かす機構では、必要な駆
動電力が相当大きくなり、個々のガラス窓に付設する太
陽電池程度ではその電力をまかなえない。したがって外
部から電力を供給する構成になり、電力配線も非常に煩
雑になる。さらに、個々のガラス窓のブラインドをどの
ように制御するのかも問題になる。各ガラス窓はその配
設位置によって適切な調整具合が異なることが普通だ
し、そばにいる人の好みによっても適切な調整具合が異
なる。ただでさえ高価なブラインド内蔵ガラス窓に個々
に自動調整システムを付加すれば、非常に高価なものに
なってしまい、現実的な装置システムとは言えなくな
る。

【０００５】この発明は前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、日照状況の変化に合せてガ
ラスの光透過度を多様なパターンで自動的に調整でき、
外部からの電力供給が不要で、個々のガラス窓で独立し
た安価な自動調整システムを構成できる調光ガラス窓を
提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明の調光ガラス窓
は、窓枠に取り付けられた２枚の透明ガラス板と、この
２枚のガラス板の間の微小隙間に封入された液晶と、前
記両ガラス板の対向面にそれぞれ形成され、少なくとも
一方は多数の短冊型に分割された透明電極と、前記窓枠
の外面側に配設された太陽電池と、前記窓枠の内面側に
配設された操作パネルと、前記窓枠に内蔵されて前記太
陽電池の出力を電源として動作する駆動・制御回路とを
備える。そして前記駆動・制御回路は、前記各分割透明
電極のそれぞれと他方の透明電極との間に所定の電圧を
印加して電圧印加部分の前記液晶の光学特性を変化させ
ることでその部分の光透過度を変化させる液晶駆動手段
と、前記各分割透明電極のどれとどれに電圧を印加する
のかを前記太陽電池の出力レベルに応じて自動制御する
自動制御手段と、前記各分割透明電極のどれとどれに電
圧を印加するのかを前記操作パネルからの入力に応じて
制御する手動制御手段とを含んでいる。

【０００７】前記の構成に加えて、前記透明電極に印加
する電圧の大きさを前記太陽電池の出力レベルに応じて
自動制御する自動制御手段と、前記透明電極に印加する
電圧の大きさを前記操作パネルからの入力に応じて制御
する手動制御手段とを前記駆動・制御回路に含めること
ができる。

【０００８】

【作用】日照が前記太陽電池に当ると、その出力を電源
として前記駆動・制御回路が動作可能となる。また前記
太陽電池の出力レベルにより日照の程度を前記駆動・制
御回路が認知する。日照が最高レベルに達している場
合、各分割透明電極のすべてと他方の透明電極との間に
電圧が印加され、その結果前記２枚の透明ガラス板の光
透過度は全面的に最低レベルになる（ガラスの全面がほ
ぼ遮光状態になる）。日照レベルがそれより低下する
と、一部の分割透明電極には電圧が印加されず、ガラス
板は部分的に透明になる。この透明部分と遮光部分が日
照状況に合せて多様な組み合わせパターンで変化する。
もちろん、同じ制御が前記操作パネルからの入力で手動
調整できる。

【０００９】また、前記透明電極に印加する電圧の大き
さを変化させる自動制御手段および手動調整手段を設け
ることで、前述の不透明部分の濃度を連続的または段階
的に変えることができる。

【００１０】

【実施例】この発明の一実施例による調光ガラス窓の概
略構成を図１、図２、図３に示している。アルミニウム
製などの窓枠１に２枚の透明ガラス板２と３が微小な間
隔をおいて取り付けられており、その微小間隔部分に液
晶８が封入されている。一方の透明ガラス板２の液晶８
に面した内面には全面的に透明電極４（以下これを共通
電極４と称する）が薄膜状に形成されている。他方の透
明ガラス板３の内面にも薄膜からなる透明電極５が形成
されているが、これは図１に示すように、１０個の横長
の短冊型の電極に分割されている（以下これを分割電極
５と称する）。

【００１１】窓枠１の下辺部分１ａは幅広に形成されて
おり、この幅広部１ａの外面側に太陽電池６のパネルが
配設されており、幅広部１ａの内面側にはタッチスイッ
チからなる操作パネル７が配設されている。さらに窓枠
１の幅広部１ａの内部には図３に示す電源回路９とドラ
イバ１０とワンチップ・マイコン１１からなる駆動・制
御回路が実装されている。ドライバ１０は共通電極４と
各分割電極５間に個別に駆動電圧を印加する。マイコン
１１は、電源回路９を介して太陽電池６の出力をレベル
弁別するとともに、操作パネル７からの入力を取り込ん
で、これらの入力情報にしたがってドライバ１０を制御
する。

【００１２】太陽電池６の出力は電源回路９に含まれて
いる二次電池または大容量コンデンサに畜電され、その
電力が電源回路９に含まれるレギュレータを介してドラ
イバ１０およびマイコン１１の電源として供給される。
したがって、太陽電池６にある程度以上の日照が当って
いないと、この駆動・制御回路の動作電力が得られず、
その結果以下に説明するように、液晶８を挟んだガラス
板２と３は全面的に透明になっている。日照がほとんど
ない場合はこれで良い。

【００１３】この実施例の液晶８はＤＳモードで動作す
るものとする。つまり電極間に電圧が印加されていなけ
れば液晶８は透明に保たれ、電極間に電圧が印加される
と光りは液晶８で強く散乱し、液晶８は白濁した不透明
な状態になる。その白濁度合い（濃度）は印加電圧の大
きさにより変化する。

【００１４】マイコン１１による制御モードは大きく自
動モードと手動モードに分れ、自動モードはさらに
の３つのモードに分れる。これらの各モードは操作パ
ネル７からの入力によって選択される。

【００１５】自動モードでは、各分割電極５毎に電圧
の印加・非印加が制御され、かつ印加する電圧は常に最
高電圧となる。つまり電圧が印加された分割電極５の部
分エリアはもっとも濃い不透明状態になる。また、太陽
電池６の入射光量が大きいほど、各分割電極５の列の上
から順に電圧を印加する個数を増やしていく。したがっ
て日照が強いと不透明部分が上から下へと順に増えてく
る（ブラインドを徐々に降ろすのに似ている）。反対に
太陽電池６の入射光量が小さいほど、電圧を印加してい
る分割電極５を下から順に非印加に切り替えていく。つ
まり、日照が弱いと透明部分が下から上へと順に増えて
いく（ブラインドを徐々に上げるのに似ている）。

【００１６】自動モードでは、各分割電極５の全体を
１つの電極とみなして、共通電極４との間の印加電圧の
大きさを連続的または段階的に制御する。つまり太陽電
池６の入射光量が大きいほど印加電圧を高くする。した
がって、ガラス板２と３の透明度が全面同時に変化す
る。もちろん日照が強いほど不透明の濃度が高くなる。

【００１７】自動モードは、自動モードのブライン
ドの昇降に似た不透明部分の上げ下げに加えて、自動モ
ードの不透明部分の濃度の制御を付加したものであ
り、その組み合せ方はあらかじめ設定されたプログラム
に従う。すなわち、自動モードでは各分割電極５に印
加する電圧を最高電圧としたが、太陽電池の入射光量に
応じて不透明部分の印加電圧を変更するものである。

【００１８】手動モードでは、ブラインドの昇降に似た
不透明部分の上げ下げをスイッチ操作で任意に制御で
き、また不透明部分の濃度の制御もスイッチ操作で任意
に行える。

【００１９】以上の実施例ではＤＳモードの液晶とした
が、もちろん本発明はこれに限定されない。ＴＮモード
の液晶と偏光板を組合せれば、前記と同様な動作をより
低消費電力で実現できる。さらにＧＨモードの液晶を用
いればカラー化も容易である。

【００２０】また、自動モード，における透明部分
に電圧を印加しないで透明にすることなく、該部分にも
電圧を加えて薄い不透明部分としてもよい。

【００２１】

【発明の効果】この発明の調光ガラス窓では、ブライン
ドのような機械的な可動部分がなく、調光作用はごく消
費電力の小さい液晶の電気光学効果によっているので、
個々の窓枠に配設した太陽電池で充分に調光制御の電力
をまかなえる。また個々の窓枠にワンチップ・マイコン
などの安価な制御回路を内蔵することで、ブラインドの
昇降に似た不透明部分の上げ下げや不透明部分の濃度制
御を日照状況に合せて自動制御することがごく簡単に行
える。もちろんスイッチ入力による手動制御も簡単であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例による調光ガラス窓の室内
側の立面図である。

【図２】同上調光ガラス窓の室外側の立面図である。

【図３】同上調光ガラス窓の駆動・制御系の構成図であ
る。

【符号の説明】

１窓枠１ａ幅広部２、３透明ガラス板４共通電極５分割電極６太陽電池７操作パネル８液晶９電源回路１０ドライバ１１マイコン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】窓枠に取り付けられた２枚の透明ガラス
板と、この２枚のガラス板の間の微小隙間に封入された
液晶と、前記両ガラス板の対向面にそれぞれ形成され、
少なくとも一方は多数の短冊型に分割された透明電極
と、前記窓枠の外面側に配設された太陽電池と、前記窓
枠の内面側に配設された操作パネルと、前記窓枠に内蔵
されて前記太陽電池の出力を電源として動作する駆動・
制御回路とを備え、前記駆動・制御回路は、前記各分割透明電極のそれぞれ
と他方の透明電極との間に所定の電圧を印加して電圧印
加部分の前記液晶の光学特性を変化させることでその部
分の光透過度を変化させる液晶駆動手段と、前記各分割
透明電極のどれとどれに電圧を印加するのかを前記太陽
電池の出力レベルに応じて自動制御する自動制御手段
と、前記各分割透明電極のどれとどれに電圧を印加する
のかを前記操作パネルからの入力に応じて制御する手動
制御手段とを含むことを特徴とする調光ガラス窓。
【請求項２】前記駆動・制御回路は、前記透明電極に
印加する電圧の大きさを前記太陽電池の出力レベルに応
じて自動制御する自動制御手段と、前記透明電極に印加
する電圧の大きさを前記操作パネルからの入力に応じて
制御する手動制御手段とを含むことを特徴とする請求項
１に記載の調光ガラス窓。