JPH0818168A - Ii−vi族化合物半導体発光素子 - Google Patents

Ii−vi族化合物半導体発光素子

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JPH0818168A
JPH0818168A JP27528594A JP27528594A JPH0818168A JP H0818168 A JPH0818168 A JP H0818168A JP 27528594 A JP27528594 A JP 27528594A JP 27528594 A JP27528594 A JP 27528594A JP H0818168 A JPH0818168 A JP H0818168A
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layer
doped region
compound semiconductor
semiconductor light
impurity
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JP27528594A
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English (en)
Inventor
Akira Ishibashi
晃 石橋
Satoru Ito
哲 伊藤
Hiroyuki Okuyama
浩之 奥山
Kazushi Nakano
一志 中野
Kenji Kondo
憲治 近藤
Reiko Takeishi
玲子 武石
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/02Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
    • H01L33/26Materials of the light emitting region
    • H01L33/28Materials of the light emitting region containing only elements of group II and group VI of the periodic system
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/30Structure or shape of the active region; Materials used for the active region
    • H01S5/32Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising PN junctions, e.g. hetero- or double- heterostructures
    • H01S5/327Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising PN junctions, e.g. hetero- or double- heterostructures in AIIBVI compounds, e.g. ZnCdSe-laser

Abstract

(57)【要約】 【目的】 II−VI族化合物半導体発光素子の長寿命
化を図る。 【構成】 II−VI族化合物半導体発光素子におい
て、p側クラッド層6の活性層側の部分26を低不純物
ドープ領域にして構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば発光ダイオー
ド、半導体レーザ等に用いられるII−VI族化合物半
導体発光素子、特に緑色、青色半導体発光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】レーザ光によって記録あるいは再生、も
しくはその双方を行う例えば光磁気記録において、記録
密度の向上からその光源のレーザとして、短波長例えば
青色半導体レーザを用いることの要求が高まっており、
この種の半導体レーザとしてII−VI族のZnMgS
Se系の半導体レーザが注目されている
【0003】ZnSe,ZnSSe,ZnMgSSe等
のII−VI族化合物半導体へのp型不純物ドーピング
は一般的に困難であり、窒素Nによりようやく実現され
るに至った。ホール濃度の上限値はZnSeで〜1×1
18cm-3,ZnMgSSe系に至っては、〜2×10
17cm-3とかなり低い値に止まっている。窒素Nそのも
のは結晶中に導入されていることは確認されているの
で、ホール濃度に反映されない窒素Nは不活性化してい
ると考えられる。その大部分は格子間原子になっている
と考えられる。
【0004】このII−VI族化合物半導体のZnMg
SSe系半導体レーザは、例えば図14に示すように、
n型GaAs基板1の一主面上に順次n型のZnMgS
Seによる第1のクラッド層2、n型のSを含むか含ま
ないZnSe(以下Zn(S)Seと記す)による第1
のガイド層3、ZnCdSe層による活性層4、p型の
Zn(S)Seによる第2のガイド層5、p型のZnM
gSSeによる第2のクラッド層6が形成されたII−
VI族化合物半導体レーザ部7を有して成る。そして、
これの上にキャップ層としてのp型のZn(S)Seに
よる第1の半導体層8と、ZnSeとZnTeとの多重
量子井戸構造(MQW)の第2の半導体層9と、p型の
ZnTeによる第3の半導体層10とが順次エピタキシ
ーされた後、第2及び第3の半導体層9及び10が中央
部をストライプ状に残るように選択エッチングされ、エ
ッチング除去された両側部分に絶縁層例えばポリイミド
層13が埋め込まれる。さらに、第3の半導体層10上
にPd,Pt,Auが順次被着された多層構造によるp
側の金属電極11がオーミックにコンタクトされてp側
電極部12が構成される。また、基板1の他の面には、
例えばInによる電極13がオーミックにコンタクトさ
れる。
【0005】ところで、この種のII−VI族化合物半
導体レーザにおいては、室温での連続発振が達成されて
はいるものの、秒オーダであり寿命が極めて短いものし
か得られない。これが為に、高密度光磁気記録用の光ピ
ックアップ装置への実用化が阻害されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の点に
鑑み、長寿命のII−VI族化合物半導体発光素子を提
供するものである。
【0007】すなわち、本発明者等は、活性層に近いp
側領域、中でもクラッド層6において、比抵抗を下げる
べくp型不純物である例えば窒素(N)のドープ濃度を
増していったとき、これに伴って格子間に入る窒素(以
下格子間窒素Nint という)が増え、この格子間窒素N
int が結晶内で点欠陥となり、或いは、更に別の点欠陥
を誘起して転移の増殖に寄与する結果、この格子間窒素
int の濃度がII−VI族化合物半導体発光素子の寿
命に悪影響を及ぼすことを究明するに至り、p型不純物
のドープ濃度を抑制することによって、長寿命のII−
VI族化合物半導体発光素子を構成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明のII−VI
族化合物半導体発光素子は、p側クラッド層6の活性層
4側を低不純物ドープ領域又はノンドープ領域とした構
成とする。
【0009】第2の発明は、第1の発明のII−VI族
化合物半導体発光素子において、その低不純物ドープ領
域又はノンドープ領域を活性層4に接する部分に設けた
構成とする。
【0010】第3の発明は、第1の発明のII−VI族
化合物半導体発光素子において、その低不純物ドープ領
域又はノンドープ領域をガイド層5に接する部分に設け
た構成とする。
【0011】第4の発明は、第3の発明のII−VI族
化合物半導体発光素子において、低不純物ドープ領域を
ガイド層5に設けた構成とする。
【0012】第5の発明は、第4の発明のII−VI族
化合物半導体発光素子において、そのガイド層5の活性
層4に接する部分をノンドープ領域とした構成とする。
【0013】第6の発明は、第4又は第5の発明のII
−VI族化合物半導体発光素子において、その低不純物
ドープ領域の不純物ドープ濃度をクラッド層6側よりガ
イド層5側が小となる構成とする。
【0014】第7の発明は、第1、第2、第3、第4、
第5又は第6の発明のII−VI族化合物半導体発光素
子において、p側クラッド層6の不純物ドープ濃度を活
性層4側に向って段階的に減少した構成とする。
【0015】第8の発明のII−VI族化合物半導体発
光素子は、ガイド層5の活性層4側を低不純物ドープ領
域又はノンドープ領域とした構成とする。
【0016】第9の発明は、第1、第2、第3、第4、
第5、第6、第7又は第8の発明のII−VI族化合物
半導体発光素子において、その低不純物ドープ領域が2
×1017cm-3以下、望ましくは、1×1017cm-3
下の格子間不純物濃度を有した構成とする。
【0017】第10の発明は、第1、第2、第3、第
4、第5、第6、第7又は第8の発明のII−VI族化
合物半導体発光素子において、組成がZnMgSSeの
ときの低不純物ドープ領域の不純物ドープ濃度を7×1
17cm-3以下とした構成とする。
【0018】第11の発明は、第10の発明のII−V
I族化合物半導体発光素子において、ZnMgSSeの
バンドギャップエネルギーが2.9eV以上のときの低
不純物ドープ領域の不純物ドープ濃度が2×1017cm
-3以下とした構成とする。
【0019】第12の発明は、第1、第2、第3、第
4、第5、第6、第7又は第8の発明のII−VI族化
合物半導体発光素子において、組成がZn(S)Seの
ときの低不純物ドープ領域の不純物ドープ濃度が8×1
17cm-3以下とした構成とする。
【0020】第13の発明のII−VI族化合物半導体
発光素子は、p側ガイド層5の活性層4に接する領域を
ノンドープ領域とし、p側ガイド層5のノンドープ領域
以外の領域をドープ領域とした構成とする。
【0021】第14の発明は、第13の発明のII−V
I族化合物半導体発光素子において、p側クラッド層6
の活性層4側をノンドープ領域とした構成とする。
【0022】
【作用】第1の発明においては、p側クラッド層6の活
性層4側を低不純物ドープ領域又はノンドープ領域とす
ることにより、p側クラッド層6の活性層4側では格子
間不純物濃度が下がり、格子間不純物による点欠陥の導
入が抑制され、非発光再結合要因を低減、若しくは除く
ことができ、II−VI族化合物半導体発光素子の長寿
命化が図れる。
【0023】第2の発明においては、低不純物ドープ領
域又はノンドープ領域をp側クラッド層6の活性層4に
接する部分に設けることにより、活性層4を挟んで直接
クラッド層6を配したいわゆるDH構造のII−VI族
化合物半導体発光素子の長寿命化を図ることができる。
【0024】第3の発明においては、低不純物ドープ領
域又はノンドープ領域をp側クラッド層6のガイド層5
に接する部分に設けることにより、活性層4を挟んでガ
イド層5を配し、さらにその外側にクラッド層6を配し
たいわゆるSCH構造のII−VI族化合物半導体発光
素子の長寿命化を図ることができる。
【0025】第4の発明においては、SCH構造のII
−VI族化合物半導体発光素子において、p側クラッド
層6のガイド層5に接する部分を低不純物ドープ領域又
はノンドープ領域とすると共に、ガイド層5内にも低不
純物ドープ領域を設けることにより、より長寿命化を図
ることができる。
【0026】第5の発明においては、第4の発明のII
−VI族化合物半導体発光素子において、さらにガイド
層5の活性層4に接する部分をノンドープ領域とするこ
とにより、さらに活性層近傍部の点欠陥が除去され、更
に長寿命化を図ることができる。
【0027】第6の発明においては、低不純物ドープ領
域をp側クラッド層6のガイド層5に接する部分からガ
イド層5にわたって形成し、その低不純物ドープ領域の
不純物ドープ濃度をクラッド層6側よりガイド層5側を
小となすことにより、活性層4に近づくに従って点欠陥
の導入が減り、II−VI族化合物半導体発光素子の長
寿命化が図れる。
【0028】第7の発明においては、さらにp側クラッ
ド層6の不純物ドープ濃度を活性層4側に向って段階的
に減少することにより、活性層4に近い部分での点欠陥
の導入が減ると共に、それ以外の部分での抵抗が下が
り、動作電圧の上昇を抑えつつ長寿命化を図ることがで
きる。
【0029】第8の発明においては、SCH構造のII
−VI族化合物半導体発光素子において、ガイド層5の
活性層4側を低不純物ドープ領域又はノンドープ領域と
することにより、点欠陥の影響が除かれ長寿命化が図れ
る。この発明では、いわゆるガイド層5の厚さが大きい
SCH構造にも適する。
【0030】第9の発明においては、低不純物ドープ領
域を、2×1017cm-3以下、望ましくは、1×1017
cm-3の格子間不純物濃度を有する低不純物ドープ領域
で構成することにより、点欠陥の害を抑え長寿命化が図
れる。
【0031】第10の発明においては、組成がZnMg
SSeのとき、低不純物ドープ領域の不純物ドープ濃度
を7×1017cm-3以下とすることにより、格子間不純
物濃度を2×1017cm-3以下とすることができ、点欠
陥導入を抑制することができる。
【0032】第11の発明においては、ZnMgSSe
のバンドギャップエネルギーが、2.9eV以上のとき
の低不純物ドープ領域の不純物ドープ濃度を3×1017
cm -3以下とすることにより、格子間不純物濃度を1.
4×1017cm-3以下とすることができ、点欠陥導入を
抑制することができる。
【0033】第12の発明においては、組成がZn
(S)Seのとき、低不純物ドープ領域の不純物ドープ
濃度を8×1017cm-3以下とすることにより、格子間
不純物濃度を2×1017cm-3以下にすることができ、
点欠陥導入を抑制することができる。
【0034】上述したこれらの発明においては、低不純
物濃度領域を形成することは、直列抵抗値上昇とのトレ
ードオフの関係にあるが、長寿命化に関しては、低不純
物濃度領域を設けることが良いことを見出した。
【0035】第13の発明においては、p側ガイド層5
の活性層4に接する領域をノンドープ領域とし、p側ガ
イド層5のノンドープ領域以外の領域をドープ領域とす
ることにより、点欠陥の影響が除かれるとともにp側ク
ラッド層6への電子のオーバーフローが低減して長寿命
化が図られ、同時にしきい電流値Ithが低下する。
【0036】第14の発明においては、第13の発明の
II−VI族化合物半導体発光素子において、さらにp
側クラッド層6の活性層4側をノンドープ領域とするこ
とにより、更に点欠陥の導入が抑制され更なる長寿命化
が図れる。
【0037】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。実施例はII−VI族化合物半導体レーザに適用
した場合である。
【0038】図1は本発明の一実施例を示す。本例は、
例えばSiドープのn型の単結晶GaAsよりなる基板
1を用意する。この基板1の一主面上に順次Clドープ
のn型のZnMgSSeによる例えば厚さ0.8μmの
第1のクラッド層2、Clドープのn型のZn(S)S
eによる例えば厚さ120nmの第1のガイド層3、Z
nCdSeによる例えば厚さ7nmの活性層4、Zn
(S)Seによる例えば厚さが120nmの第2のガイ
ド層5、窒素Nドープのp型のZnMgSSeによる例
えば厚さ0.6μmの第2のクラッド層6をエピタキシ
ーして半導体レーザ部7を形成する。
【0039】そして、本例では、p側領域である第2の
クラッド層6から第2のガイド層5にかけて活性層4側
の窒素ドープ濃度が漸次低減する多段階のp型不純物で
ある窒素ドープ濃度分布を呈するように構成する。即
ち、図示の例では第2のガイド層5においては、活性層
4に接する部分をZn(S)Se層によるノンドープ領
域21とし、第2のクラッド層5側を後述するp型Zn
(S)Seによる低不純物ドープ領域22となし、第2
のクラッド層6においては、その第2のガイド層5に接
する部分を後述する低不純物ドープ領域23とし、その
他の部分を高不純物ドープ領域24と成す。多段階のp
型不純物ドープ濃度分布は、少くとも第2のクラッド層
5に有せしめるを可とし、且つ2段階以上とするを可と
する。
【0040】続いて、この半導体レーザ部7上にp側電
極部12を構成する。このp側電極部12は、第2のク
ラッド層6上に例えば窒素Nドープのn型のZn(S)
Seによる例えば厚さ0.6μmのキャップ層となる第
1の半導体層8と、ZnSeとZnTeとの多重量子井
戸構造(MQW)による第2の半導体層9と、窒素Nド
ープのn型のZnTeによる第3の半導体層10とを連
続エピタキシーによって形成し、その後、第2及び第3
の半導体層9及び10の中央部がストライプ状に残るよ
うに選択的にエッチングし、エッチング除去された、両
側部分に絶縁層例えばポリイミド層13を埋め込み、さ
らに、ストライプ状の第3の半導体層10上に、Pd,
Pt,Auが順次積層された多層構造による金属電極1
1をオーミックにコンタクトすることによって形成す
る。基板1の他方の主面には、Inによる他方の電極1
4をオーミックコンタクトする。
【0041】図10は、クラッド層2,6を構成するZ
nMgSSe(室温におけるバンドギャップエネルギー
が2.74eV)にp型不純物である窒素をドーピング
したときの、窒素ドープ濃度〔N〕に対する活性化され
たアクセプタ濃度(NA −N D )及び格子間窒素Nint
の濃度を示している。曲線Iはアクセプタ濃度、曲線I
Iは格子間窒素濃度を夫々示す。
【0042】アクセプタ濃度は、窒素ドープ濃度が7×
1017cm-3から飽和し始める。この飽和開始点Sは、
両接線a及びbの交点で定義する。領域Aが飽和領
(〔N〕>7×1017cm-3)となり、領域Bが非飽和
領域(〔N〕≦7×1017cm-3)となる。格子間窒素
濃度は、窒素ドープ濃度〔N〕が増えるに従って増加し
ていく。
【0043】ここで、格子間窒素Nint による点欠陥の
導入を抑えるには、一応の目安として、格子間窒素濃度
を2×1017cm-3以下、好ましくは1×1017cm-3
以下に抑えるのが望ましい。格子間窒素濃度が2×10
17cm-3を越えると、格子間窒素の拡散が激しくなる。
この図10から、格子間窒素濃度を2×1017cm-3
下とするには、窒素ドープ濃度〔N〕を7×1017cm
-3以下、格子間窒素濃度を1×1017cm-3以下とする
には窒素ドープ濃度〔N〕を5×1017cm-3以下とす
ることができる。
【0044】ZnMgSSeでは、バンドギャップエネ
ルギーが広くなるに従って、アクセプタ濃度が低いとこ
ろで飽和する。図11は、室温におけるバンドギャップ
エネルギーが2.90eVのZnMgSSeのアクセプ
タ濃度(NA −ND )及び格子間窒素濃度を示す。曲線
IIIはアクセプタ濃度、曲線IVは格子間窒素濃度を
夫々示す。図11では、窒素ドープ濃度〔N〕を3×1
17cm-3以下にすれば、格子間窒素濃度を1.4×1
17cm-3以下とすることができる。
【0045】図12は、ガイド層を構成するZnSeに
p型不純物である窒素Nをドーピングしたときの窒素ド
ープ濃度〔N〕に対する活性化されたアクセプタ濃度
(NA−ND )と格子間窒素濃度を示している。曲線V
はアクセプタ濃度、曲線VIは格子間窒素濃度を示す。
この図12から格子間窒素濃度を2×1017cm-3以下
とするには、窒素ドープ濃度〔N〕を8×1017cm-3
以下にし、格子間窒素濃度を1×1017cm-3以下とす
るには窒素ドープ濃度〔N〕を6×1017cm-3以下と
すればよい。なお、ZnSeに6%程度のSを含むZn
SSeの場合は、図10のZnSeの濃度分布に準ず
る。
【0046】しかして、図1の実施例では、図10の濃
度分布図に基づき、第2のクラッド層6のガイド層5に
接する部分23以外の主要部分24を、総抵抗の上昇を
抑えるべくアクセプタ濃度が飽和領域Aに存するよう
に、窒素ドープ濃度〔N〕が〔N〕>7×1017cm-3
の高不純物ドープ領域とし、第2のクラッド層6のガイ
ド層5に接する部分23を、窒素ドープ濃度〔N〕が
〔N〕≦5×1017cm-3、望ましくは〔N〕≦1×1
17cm-3の低不純物ドープ領域とする。
【0047】〔N〕≦5×1017cm-3では、アクセプ
タ濃度が3×1017cm-3以下となり、格子間窒素N
int が1×1017cm-3以下になるので、格子間窒素N
int が低減すると共に、格子間窒素Nint の拡散が抑え
られる。格子間窒素がこの値であれば、点欠陥の害を抑
えることができる。〔N〕≦1×1017cm-3では、ア
クセプタ濃度が8×1016cm-3以下となり、格子間窒
素Nint が1×1016cm-3以下となる。格子間窒素が
この値以下であれば点欠陥はほぼ無視できる。
【0048】更に、図1の第2のガイド層5において
は、図12の濃度分布図に基づき、p型クラッド層6に
接する部分22を、窒素ドープ濃度〔N〕が〔N〕≦2
×10 17cm-3の低不純物ドープ領域とし、ガイド層5
の活性層4に接する部分21をノンドープ領域としてい
る。Zn(S)Seのガイド層の窒素ドープ濃度〔N〕
が〔N〕≦2×1017cm-3とするときは、格子間窒素
濃度が1×1016cm-3以下となる。即ち、図1の実施
例では、窒素ドープ濃度に関してクラッド層6及びガイ
ド層5を含めて活性層4側が低ドープ濃度となるような
多段階ドープ濃度分布を有するように構成される。
【0049】上述の図1の構成によるII−VI族化合
物半導体レーザ25によれば、p型の第2のクラッド層
6及びp型の第2のガイド層5にわたって多段階の不純
物ドープ濃度分布をもたせ、特に、クラッド層6のガイ
ド層5に接する部分23を〔N〕≦5×1017cm-3
低不純物ドープ領域とすることにより、活性層4に近い
部分での格子間窒素の濃度を低減することができ、格子
間窒素による活性層近傍での点欠陥(非発光再結合要
因)の導入を抑制することができる。即ち、前述したよ
うに、クラッド層6の低不純物ドープ領域23における
格子間窒素濃度が例えば1×1017cm-3以下の場合に
は、格子間窒素Nint による点欠陥の害を抑えることが
でき、格子間窒素濃度が1×1016cm-3以下の場合に
は、格子間窒素Nint による点欠陥がほぼ無視できるこ
とになる。ガイド層5では、クラッド層6側の部分22
の窒素ドープ濃度〔N〕が2×1017cm-3以下である
ので格子間窒素濃度は1×1016cm-3以下となり、活
性層4側の部分21がノンドープ領域であるために格子
間窒素がなく、従って、点欠陥の影響は無視できる。
【0050】一方、クラッド層6の主要部分24では、
窒素ドープ濃度〔N〕が〔N〕>7×1017cm-3の高
不純物ドープ領域であるため低抵抗化される。
【0051】従って、p型クラッド層6の高不純物ドー
プ領域24により半導体レーザの全電圧、即ち動作電圧
の上昇を抑えつつ、低不純物ドープ領域23、22、ノ
ンドープ領域21により長寿命化を図ることができ、I
I−VI族化合物半導体レーザ、即ち緑色、青色半導体
レーザの実用化が促進される。
【0052】図2は本発明の他の実施例を示す。本例
は、特に第2のガイド層5をp型ガイド層として形成
し、そのクラッド層6側の部分28を格子間窒素濃度が
5×1016cm-3以下となるような窒素ドープ濃度とす
ると共に、活性層4に接する部分27を部分28より低
い窒素ドープ量として構成する。他の構成は、図1と同
様であるので、同一符号を付して重複説明を省略する。
【0053】かかる図2の構成のII−VI族化合物半
導体レーザ29においても、活性層4に近い部分での格
子間窒素Nint が少ないため、上例と同様に、動作電圧
の上昇を抑えつつ、点欠陥の導入を抑制して長寿命化を
図ることができる。
【0054】図3は本発明の他の実施例を示す。本例
は、第2のガイド層5をノンドープ領域、或いは格子間
窒素濃度が5×1016cm-3以下となるp型領域とな
し、p型の第2のクラッド層6のガイド層に接する部分
23を、窒素ドープ濃度〔N〕が〔N〕≦5×1017
-3、望ましくは〔N〕≦1×1017cm-3の低不純物
ドープ領域とする。クラッド層6の他の部分24は上例
と同様に窒素ドープ濃度〔N〕が7×1017cm-3より
多い高不純物ドープ領域とする。その他の構成は、図1
と同様であるので同一符号を付して重複説明を省略す
る。
【0055】かかる図3の構成のII−VI族化合物半
導体レーザ31においても、動作電圧の上昇を抑えつ
つ、点欠陥導入を抑制して長寿命化を図ることができ
る。
【0056】図4は本発明の他の実施例を示す。本例
は、第2のガイド層5をノンドープ領域、或は格子間窒
素濃度が5×10 16cm-3以下となるp型領域にし、p
型の第2のクラッド層6のガイド層5に接する部分32
をノンドープ領域として構成する。クラッド層6のガイ
ド層に接する部分32を除く他の主要部分24は、上例
と同様に、窒素ドープ濃度〔N〕が7×1017cm-3
り多い高不純物ドープ領域とする。その他の構成は、図
1と同様であるので、同一符号を付して重複説明を省略
する。
【0057】かかる図4の構成のII−VI族化合物半
導体レーザ33においても、クラッド層6のガイド層5
と接する部分32をノンドープ領域とすることによっ
て、活性層近傍での格子間窒素の導入を抑えることがで
き、動作電圧の上昇を抑えつつ、点欠陥の導入を抑制し
て長寿命化を図ることができる。
【0058】図5は本発明の他の実施例を示す。本例
は、第2のクラッド層6を通常の不純物濃度のp型領域
とし、第2のガイド層5のクラッド層6側の部分43を
通常の不純物濃度のp型領域とすると共に、第2のガイ
ド層5の活性層4に接する部分44をノンドープ領域又
は上述の低不純物ドープ領域として構成する。他の構成
は、図1と同様であるので、同一符号を付して重複説明
は省略する。
【0059】かかる図5の構成のII−VI族化合物半
導体レーザ45においても、ガイド層5の活性層4に接
する部分44をノンドープ領域又は低不純物ドープ領域
とすることによって、活性層近傍での格子間窒素の導入
を抑えることができ、動作電圧の上昇を抑えつつ、点欠
陥の導入を抑制して長寿命化を図ることができる。
【0060】図1〜図5の実施例は、いずれも活性層を
ガイド層によって挟み、その外側にクラッド層を配置す
るいわゆるSCH(Separate Continement Heterostruc
ture)構造においてそのガイド層の厚さが900Å〜1
200Å程度の狭い構造のものに適用した場合である
が、ガイド層が例えば1500Å或は2000Åを越え
るような大きい厚さのSCH構造に適用した実施例を図
6に示す。
【0061】図6の実施例においては、第2のガイド層
5の活性層4に接する部分35をそれ以外の部分36よ
り窒素ドープ濃度が少ない、例えば窒素ドープ濃度
〔N〕が8×1017cm-3以下、好ましくは6×1017
cm-3以下の低不純物ドープ領域又はノンドープ領域と
する。p型の第2のクラッド層6はアクセプタ濃度が飽
和領域Aに存する高不純物ドープ領域で構成する。その
他の構成は図1と同様であるので、同一符号を付し重複
説明を省略する。
【0062】尚、部分36から部分35にかけて窒素ド
ープ濃度を8×1017cm-3以下として且つ活性層に向
って段階的に減少させる構成とすることもできる。
【0063】かかる図6の構成のII−VI族化合物半
導体レーザ37においても、ガイド層5に活性層4側が
低濃度となるような段階的な窒素ドープ濃度分布をもた
せることにより、格子間窒素による点欠陥の導入を抑え
て長寿命化を図ることができる。
【0064】図7は、本発明の他の実施例を示す。本例
は、活性層を直接クラッド層で挟んだいわゆるDH(Do
uble Heterostructure)構造のII−VI族化合物半導
体レーザに適用した場合である。本例においては、図6
に示すように、例えばSiドープのn型の単結晶GaA
s基板1の一面上に、順次Clドープのn型のZnMg
SSeによる第1のクラッド層2、ZnCdSeによる
活性層4、窒素Nドープのp型のZnMgSSeによる
第2のクラッド層6をエピタキシーして半導体レーザ部
7を形成する。本例では、特に、第2のクラッド層6に
おいて、活性層4に接する部分39を図1で述べた低不
純物ドープ領域又はノンドープ領域となし、それ以外の
部分40を高不純物ドープ領域として構成する。なお、
第2のクラッド層6の活性層4に接する部分39をノン
ドープ領域とすることも可能である。続いて、図1で説
明したと同様のp側電極部を形成し、基板1の他の主面
に他方の電極14を形成する。
【0065】かかる図7の構成のDH構造のII−VI
族化合物半導体レーザ41においても、p型の第2のク
ラッド層6の活性層4に接する部分39が低不純物ドー
プ領域、或はノンドープ領域で形成されるので活性層近
傍部分での点欠陥の導入を抑制して半導体レーザの長寿
命化を図ることができる。
【0066】図8は、本発明の他の実施例を示す。本例
は、第2のガイド層5において、その活性層4に接する
領域をノンドープ領域42とするとともに、それ以外の
領域をアクセプタ濃度が飽和領域に存する高不純物ドー
プ領域(いわゆるp型ガイド領域)43となし、また、
第2のクラッド層6において、ガイド層5に接する領域
をノンドープ領域44とするとともに、それ以外の領域
をアクセプタ濃度が飽和領域に存する高不純物ドープ領
域45となして構成する。
【0067】ここで、第2のガイド層5のノンドープ領
域42の厚さt1 は300Å〜900Å、ドープ領域4
3の厚さt2 は900Å〜300Å、第2のクラッド層
6のノンドープ領域44の厚さt3 は50Å〜2000
Å、ドープ領域45の厚さt 4 は7500Å〜5500
Åとすることができる。図8の実施例ではガイド層5の
ノンドープ領域42の厚さt1 を700Å、ドープ領域
43の厚さt2 を500Å、第2のクラッド層6のノン
ドープ領域44の厚さt3 を500Å、ドープ領域45
の厚さt4 を7100Åとした。なお、その他、第1の
クラッド層2の厚さは7600Å、第1のガイド層3の
厚さは1200Å、活性層4の厚さは70Å、キャップ
層8の厚さは4000Åとした。その他の構成は、図1
と同様であるので同一符号を付して重複説明を省略す
る。
【0068】かかる図8の構成のII−VI族化合物半
導体レーザ46によれば、p側のガイド層5の活性層4
に接する領域をノンドープ領域42とし、p側のクラッ
ド層6のガイド層5に接する領域をノンドープ領域44
とすることにより、点欠陥の導入を制御し、しかもp側
のクラッド層6への電子のオーバーフローを低くするこ
とができ、長寿命化を図ることができる。同時に、しき
い電流値Ithを低下することができる。
【0069】p側のガイド層5のノンドープ領域42の
厚さt1 が300Åより小さいと、点欠陥を制御する効
果が得られず、厚さt1 が900Åを越えるとp側のク
ラッド層6への電子のオーバーフロー、しきい電流値I
thがともに大きくなる。また、p側クラッド層6のノ
ンドープ領域44の厚さt3 が50Åより小さくなると
点欠陥の抑制効果が得られず、厚さt3 が2000Åを
越えると総抵抗の上昇の影響が生じる。
【0070】図9は、本発明の更に他の実施例を示す。
本例は、第2のガイド層5において、その活性層4に接
する領域をノンドープ領域42とするとともにそれ以外
の領域をアクセプタ濃度が飽和領域に存する高不純物ド
ープ領域43となし、第2のクラッド層6はアクセプタ
濃度が飽和領域に存する高不純物ドープ領域となして構
成する。
【0071】第2のガイド層5のノンドープ領域42の
厚さt1 は300Å〜900Å、本例では700Åと
し、ドープ領域43の厚さt2 は900Å〜300Å、
本例では500Åとする。他の第1のクラッド層2及び
第2のクラッド層6の厚さは例えば夫々7600Å、第
1のガイド層3の厚さは例えば1200Å、活性層4の
厚さは例えば70Å、キャップ層8の厚さは例えば40
00Åとした。その他の構成は、図1と同様であるので
同一符号を付して重複説明を省略する。
【0072】かかる図9の構成のII−VI族化合物半
導体レーザ47においても、p側のガイド層5の活性層
4に接する厚さt1 の領域をノンドープ領域42とする
ことにより、点欠陥の導入を制御し、且つp側のクラッ
ド層6への電子のオーバーフローを低くすることができ
長寿命化を図ることができると共に、しきい電流値It
hを低下することができる。
【0073】但し、図8の半導体レーザ46では、第2
のクラッド層6にもノンドープ領域44を形成している
ため、図9の半導体レーザ47に比較して、点欠陥の導
入抑制効果が大きい。
【0074】図13は、図8の構成の半導体レーザ46
と図9の構成の半導体レーザ47と、図4において第2
のガイド層5をノンドープ領域とし、第2のクラッド層
6のガイド層5に接する部分32をノンドープ領域とし
た構成の半導体レーザ33とを比較したしきい電流値I
th、及びp側のクラッド層6への電子のオーバーフロ
ー(Pn)のシミュレーション結果を示すグラフであ
る。同図中、曲線VIIはしきい電流値Ith、曲線V
IIIは電子のオーバーフロー(Pn)である。なお、
このときの図4の半導体レーザ33は、第1のクラッド
層2の厚さを7600Å、第1のガイド層3の厚さを1
200Å、活性層4の厚さを70Å、第2のガイド層5
の厚さを1200Å、第2のクラッド層6のノンドープ
領域32の厚さを500Å及びドープ領域24の厚さを
7100Åとした。
【0075】この図13のグラフから明らかなように、
図4の半導体レーザ33に比較して、図8及び図9の半
導体レーザ46及び47の方が、しきい電流値Ith、
電子のオーバーフロー(Pn)ともに低下する。即ち、
p側のクラッド層6、ガイド層5のノンドープ領域が大
きくなると、バリアが実効的に低くなるため、n側から
の電子のオーバーフローが増える。従って、この図8及
び図9のII−VI族化合物半導体レーザ46及び47
の構成をとることによって、更にp側クラッド層への電
子のオーバーフローを抑制して長寿命化を図ることがで
きると共に、しきい値電流Ithの上昇を抑えることが
でき、青色半導体レーザの実用化を促進できる。
【0076】尚、上例ではp型不純物として窒素Nを用
いたが、その他インジウムIn等、他のI族又はIV族
の元素を用いても同様の効果が得られる。
【0077】又、上例ではクラッド層3,6としてZn
MgSSeを用いたが、その他、例えばZnMgSSe
とZnSeとの超格子構造を用いてもよく、この場合に
も格子間不純物が2×1017cm-3以下となるようにそ
の組成に対応して活性層側の低不純物ドープ領域の不純
物ドープ濃度が選定される。
【0078】又、上述のp型不純物である窒素Nのドー
プ濃度を段階的に制御する方法としては、プラズマ励起
された活性窒素を用いた場合、その窒素供給量の変化又
は/及びプラズマパワーの変化によって制御することが
できる。
【0079】更に、上例では、格子間窒素の影響の大き
いp側領域のクラッド層6及び/又はガイド層5の活性
層側を低不純物ドープ領域又はノンドープ領域として構
成したが、その他、n側領域のクラッド層2及び/又は
ガイド層3に対して同様の構成を採ることも可能であ
る。
【0080】上述したように、本発明によれば、室温連
続(CW)発振で且つ長寿命のII−VI族化合物半導
体レーザ即ち、緑色、青色半導体レーザを得ることがで
きるものであり、従って、例えば高密度光磁気記録にお
ける光ピックアップ装置の実用化を促進できる。上例で
は、本発明をII−VI族化合物半導体レーザに適用し
た場合であるが、その他、II−VI族化合物半導体に
よる発光ダイオードにも適用することができる。
【0081】
【発明の効果】上述したように、本発明構成によれば、
p側クラッド層の活性層側を低不純物ドープ領域又はノ
ンドープ領域とする構成を採ることから、活性層近傍で
の格子間不純物による点欠陥導入を抑え、II−VI族
化合物半導体発光素子の長寿命化を図ることができる。
【0082】本発明では、DH構造、SCH構造のいず
れのII−VI族化合物半導体発光素子に対しても長寿
命化を図ることができる。
【0083】加えて、SCH構造のII−VI族化合物
半導体発光素子において、p側のクラッド層からガイド
層にかけて低不純物ドープ領域又はノンドープ領域の構
成を採ることにより更に長寿命化させることができる。
【0084】また上記低ドープ領域を有するSCH構造
のII−VI族化合物半導体発光素子において、更にガ
イド層の活性層に接する部分をノンドープ領域とするこ
とにより更に活性層近傍での点欠陥導入が抑えられ、更
なる長寿化が図れる。
【0085】更に、上記SCH構造のII−VI族化合
物半導体発光素子において、p側のクラッド層からガイ
ド層にかけて低不純物ドープ領域の不純物ドープ濃度を
活性層側が小となるように選定することにより、格子間
不純物による点欠陥の影響が更に抑えられ、長寿命化を
図ることができる。
【0086】また、p側クラッド層の不純物ドープ濃度
が段階的に活性層に向って減少する構成を採るので、更
にクラッド層における格子間不純物による点欠陥の影響
が抑えられ、長寿命化を図ることができる。
【0087】また、SCH構造のII−VI族化合物半
導体発光素子において、そのガイド層に対して活性層側
を低不純物ドープ領域又はノンドープ領域とすることに
より、同様に長寿命化を図ることができる。これは、ガ
イド層の厚みが大きいSCH構造のII−VI族化合物
半導体発光素子にも有効である。
【0088】また、低不純物ドープ領域の不純物ドープ
濃度を2×1017cm-3以下の格子間不純物濃度となる
ように選定することにより、点欠陥の害を抑え、確実に
長寿命化を図ることができる。
【0089】また、組成がZnMgSSeのとき、その
低不純物ドープ領域の不純物ドープ濃度を7×1017
-3以下とすることにより、格子間不純物濃度を2×1
17cm-3以下に設定でき、長寿命化を可能にする。
【0090】また、組成ZnMgSSeのバンドギャッ
プエネルギーが2.9eV以上のときの低不純物ドープ
領域の不純物ドープ濃度を3×1017cm-3以下とする
ことにより、格子間不純物濃度を1.4×1017cm-3
以下に設定でき、長寿命化を可能にする。
【0091】また、組成がZn(S)Seのとき、その
低不純物ドープ領域の不純物ドープ濃度を8×1017
-3以下とすることにより、格子間不純物濃度を2×1
17cm-3以下に設定でき、長寿命化を可能にする。
【0092】また、p側ガイド層の活性層に接する領域
をノンドープ領域とし、p側ガイド層の他の領域をドー
プ領域とすることにより、点欠陥の影響を除くととも
に、p側クラッド層への電子のオーバーフローを低減す
ることができ、長寿命化を図ることができ、同時にしき
い電流値の上昇を抑えることができる。
【0093】また、p側ガイド層の活性層に接する領域
をノンドープ領域とすると共に、p側クラッド層の活性
層側をノンドープ領域とすることにより、更なる長寿命
化を図り、しきい電流値の上昇を抑えることができる。
【0094】従って、本発明を適用することにより、例
えば高密度光磁気記録における光ピックアップ装置の実
用化を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるII−VI族化合物半導体発光素
子の一例を示す構成図である。
【図2】本発明によるII−VI族化合物半導体発光素
子の他の例を示す構成図である。
【図3】本発明によるII−VI族化合物半導体発光素
子の他の例を示す構成図である。
【図4】本発明によるII−VI族化合物半導体発光素
子の他の例を示す構成図である。
【図5】本発明によるII−VI族化合物半導体発光素
子の他の例を示す構成図である。
【図6】本発明によるII−VI族化合物半導体発光素
子の他の例を示す構成図である。
【図7】本発明によるII−VI族化合物半導体発光素
子の他の例を示す構成図である。
【図8】本発明によるII−VI族化合物半導体発光素
子の他の例を示す構成図である。
【図9】本発明によるII−VI族化合物半導体発光素
子の他の例を示す構成図である。
【図10】室温でのバンドギャップエネルギー2.74
eVのZnMgSSeにおける窒素Nドープ濃度に対す
るアクセプタ濃度及び格子間窒素濃度を示すグラフであ
る。
【図11】室温でのバンドギャップエネルギー2.90
eVのZnMgSSeにおける窒素Nドープ濃度に対す
るアクセプタ濃度及び格子間窒素濃度を示すグラフであ
る。
【図12】室温でのZnSeにおける窒素Nドープ濃度
に対するアクセプタ濃度及び格子間窒素濃度を示すグラ
フである。
【図13】しきい電流値Ithと電子のオーバーフロー
(Pn)のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図14】従来のII−VI族化合物半導体レーザの構
成図である。
【符号の説明】
1 n型GaAs基板 2 n型クラッド層(ZnMgSSe:Cl) 3,5 ガイド層 4 活性層(ZnCdSe) 6 p型クラッド層(ZnMgSSe:N) 7 半導体レーザ部 8 p型Zn(S)Se層(キャップ層) 9 p型多重量子井戸構造(ZnSe/ZnTe) 10 p型ZnTe層 11 金属電極 12 p側電極部 13 ポリイミド層 14 他の電極 21 ノンドープ領域 22,23,39 低不純物ドープ領域 24,40 高不純物ドープ領域 27 低不純物ドープ領域 32 ノンドープ領域 44,35 低不純物ドープ領域 25,29,31,33,37,41,45,46,4
7 II−VI族化合物半導体レーザ 42,44 ノンドープ領域 43,45 高不純物ドープ領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 一志 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 近藤 憲治 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 武石 玲子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p側クラッド層の活性層側を低不純物ド
    ープ領域又はノンドープ領域としてなることを特徴とす
    るII−VI族化合物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 上記低不純物ドープ領域又はノンドープ
    領域が活性層に接する部分に設けられることを特徴とす
    る請求項1に記載のII−VI族化合物半導体発光素
    子。
  3. 【請求項3】 上記低不純物ドープ領域又はノンドープ
    領域がガイド層に接する部分に設けられることを特徴と
    する請求項1に記載のII−VI族化合物半導体発光素
    子。
  4. 【請求項4】 上記低不純物ドープ領域が上記ガイド層
    内に設けられることを特徴とする請求項3に記載のII
    −VI族化合物半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 上記ガイド層の活性層に接する部分がノ
    ンドープ領域であることを特徴とする請求項4に記載の
    II−VI族化合物半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 上記低不純物ドープ領域の不純物ドープ
    濃度が上記クラッド層側より上記ガイド層側を小とする
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のII−VI族
    化合物半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 上記p側クラッド層の不純物ドープ濃度
    が上記活性層側に向って段階的に減少されてなることを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載のI
    I−VI族化合物半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 ガイド層の活性層側を低不純物ドープ領
    域又はノンドープ領域としてなることを特徴とするII
    −VI族化合物半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 上記低不純物ドープ領域は2×1017
    -3以下の格子間不純物濃度を有することを特徴とする
    請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載のII
    −VI族化合物半導体発光素子。
  10. 【請求項10】 組成がZnMgSSeのときの、上記
    低不純物ドープ領域の不純物ドープ濃度が7×1017
    -3以下であることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7又は8に記載のII−VI族化合物半導
    体発光素子。
  11. 【請求項11】 上記ZnMgSSeのバンドギャップ
    エネルギーが2.9eV以上のときの上記低不純物ドー
    プ領域の不純物ドープ濃度が3×1017cm-3以下であ
    ることを特徴とする請求項10に記載のII−VI族化
    合物半導体発光素子。
  12. 【請求項12】 組成がZn(S)Seのときの、上記
    低不純物ドープ領域の不純物ドープ濃度が8×1017
    -3以下であることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7又は8に記載のII−VI族化合物半導
    体発光素子。
  13. 【請求項13】 p側ガイド層の活性層に接する領域を
    ノンドープ領域とし、上記p側ガイド層の上記ノンドー
    プ領域以外の領域をドープ領域としてなることを特徴と
    するII−VI族化合物半導体発光素子。
  14. 【請求項14】 p側クラッド層の活性層側をノンドー
    プ領域とすることを特徴とする請求項13に記載のII
    −VI族化合物半導体発光素子。
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