JPH0818154B2 - 薄板用セルフシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ - Google Patents

薄板用セルフシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ

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JPH0818154B2
JPH0818154B2 JP22607188A JP22607188A JPH0818154B2 JP H0818154 B2 JPH0818154 B2 JP H0818154B2 JP 22607188 A JP22607188 A JP 22607188A JP 22607188 A JP22607188 A JP 22607188A JP H0818154 B2 JPH0818154 B2 JP H0818154B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は外部からシールドガスやフラックスを供給す
ることなく溶接を行うことのできるセルフシールドアー
ク溶接フラックス入りワイヤに係り、特に低電流域(20
0A以下)でスパッタ発生量が少なく、優れたビード外観
(形状)を有することを特長とし、薄板の溶接に適した
セルフシールドアーク溶接フラックス入りワイヤに関す
るものである。
(従来の技術) 近年、薄板(板厚0.6〜3.2mm程度が中心)の需要は自
動車、住宅、農機具等を始めとして急激に伸びてきてお
り、鋼材需要の約40%弱を占めるに至っている。また耐
食性や外観など製品の品質向上を目的とし、亜鉛メッキ
鋼板を中心とした表面処理鋼板の採用も進んでいる。
現在、この分野で使用されている溶接材料は、溶接施
工の能率向上の観点より、主としてワイヤ径0.6mmφ〜
1.2mmφの細径ソリッドワイヤであり、これを使用した
ガスシールドアーク溶接法が採用されている。
しかし乍ら、このようなソリッドワイヤによるガスシ
ールドアーク溶接は、 (1)スパッタの発生が多く、ビード外観(形状)が悪
い、 (2)表面処理鋼板において、欠陥(ピット、ブローホ
ール)が発生する、 (3)風よる影響を受け易く、屋外での作業が困難であ
る(特に建築の現場溶接、農機具の補修溶接等)、 (4)高価なシールドガス(Ar、CO2)を使用しなけれ
ばならない場合もある。
等の難点があり、このため、スパッタ除去、欠陥の手直
し及び防風対策などに労力を費さねばならず、問題とな
っている。
(発明が解決しようとする課題) このような問題を解決する対策として、特開昭61-169
196号が提案されている。しかし、この提案に係るセル
フシールドアーク溶接フラックス入りワイヤは上記問題
点(1)〜(4)をほぼ解決してはいるものの、特に低
電流域(200A以下)における溶接作業性が不充分なた
め、適用板厚が限定されるという欠点があり、未だ実用
化には至っていない。特に板厚0.6〜2.0mmt程度の薄板
の溶接、すなわち、低電流域の溶接において、(i)ス
パッタ発生量が非常に多い、(ii)ビード形状が悪い、
という2点の問題があり、この範囲においてはソリッド
ワイヤより作業能率が低下することが指摘されている。
本発明は、上記セルフシールドアーク溶接フラックス
入りワイヤの低電流域(200A以下)での問題を解決する
ためになされたものであって、低電流域でスパッタ発生
量が少なく、優れたビード外観(形状)を有し、特に薄
板の溶接に適したセルフシールドアーク溶接フラックス
入りワイヤを提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者は、低電流域での
スパッタ発生機構を検討すると共に、ビード形状に関し
て外皮金属組成、フラックス率、フラックス組成等々に
ついて種々検討した結果、(外皮断面積)/(ワイヤ断
面積)比のワイヤ長手方向のバラツキとワイヤ水分量並
びに金属弗化物の量と種類を特定することが効果的であ
るとの知見を得た。
そこで、この知見に基づいてセルフシールドアーク溶
接フラックス入りワイヤの一般的要件についても更に詳
細に検討した結果、ここに本発明をなしたものである。
すなわち、本発明に係るセルフシールドアーク溶接フ
ラックス入りワイヤは、ワイヤ水分量が300〜1000ppm
で、鋼製外皮内に対ワイヤ全重量比で以下の成分、 SrF2を60%以上含む金属弗化物:0.5〜1.6 Al:2.0〜4.0 Mg:0.3〜1.5 Mn:0.3〜1.8 C:0.2〜0.5 Li、Srの複合酸化物の1種又は2種:0.1〜1.0を必須
成分として含み、 必要に応じてBaCO3:0.02〜1%を含むフラックスをフ
ラックス率が6〜20重量となるように充填し、且つ(外
皮断面積)/(ワイヤ断面積)比のワイヤ長手方向のバ
ラツキが0.05以下であることを特徴とするものである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
前述の如く、従来技術の問題点を解決するため、本発
明者は種々の基礎実験を行った。
ワイヤ水分、(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)比のワ
イヤ長手方向のバラツキ: まず、セルフシールドアーク溶接フラックス入りワイ
ヤの低電流域(200A以下)でのスパッタ発生機構につい
てアーク現象の高速度カメラ観察を含め、種々検討した
結果、アーク不安定に起因するスパッタが殆どであり、
以下に示す如く、低スパッタ化の支配因子としては、 (外皮断面積/(ワイヤ断面積)比のワイヤ長手方向
のバラツキ ワイヤ水分 が重要であることが認められた。
なお、実験条件(供試ワイヤ、溶接条件、スパッタ量
の測定方法)は以下のとおりとした。
〔供試ワイヤ〕
ワイヤ径:1.0mmφ 使用フープ:軟鋼 断面形状:第4図(A) フラックス:後述実施例中のNo.1の配合 フラックス率:13% 〔溶接条件〕 溶接電流:60A、極性:DCEN アーク電圧:アーク長約1mmとなる電圧 溶接速度:15cm/min チップ・母材間距離:15mm 母材:SS41(12mmt) 溶接法:ビードオンフレート法 〔スパッタ量の測定方法〕 後述の実施例の場合と同じ方法。
第1図は(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)比のワイ
ヤ長手方向のバラツキ(以下、ΔSという)とスパッタ
発生量の関係を示したものである。ここで、(外皮断面
積)/(ワイヤ断面積)比の測定は、ワイヤ断面におけ
る外皮面積、ワイヤ面積を画像処理(面積分析)により
求め、その比を計算して測定し、この比のバラツキは、
ワイヤ長手方向10cm間隔でn=30測定し、調査した。そ
の際、ワイヤ断面のサンプリングについては、スプール
巻きの場合は1スプールの中央部よりサンプリングし、
またパック入りワイヤま場合は収納中央部よりサンプリ
ングした。
第1図より、ΔSのバラツキの低減が低スパッタ化に
有効であることが認められる。ΔSが大きいと局部的に
電流密度が変化するため、アーク長が変動し、スパッタ
が発生する。すなわち、ΔSが0.05を超えると、アーク
長の変動が大きくなり、スパッタが急増する。なお、従
来のセルフシールドアーク溶接フラックス入りワイヤの
ΔSは0.07〜0.08であった。
これより、スパッタの低減には、ΔSを0.05以下に管
理することが重要であることが判明した。
なお、ΔSの調整は、成型、伸線時の速度、ダイスス
ケジュールなどの生産技術面及びフラックス粒度などの
ワイヤ組成面の調整により行うことができる。
また、第2図はワイヤ水分とスパッタ発生量の関係を
示したものである。なお、ワイヤ水分の測定はJIS K 01
13(1979)に準じた。
第2図に示す如く、ワイヤ水分の増加はスパッタ低減
に効果のあることがわかる。その量は300ppm以上で有効
である。水分はアークの吹き付け力、集中性を増す特性
があり、特に低電流域でのアークの安定性に効果があ
る。しかし、1000ppmを超えると耐気孔性が劣化するの
で、ワイヤ水分の適正範囲は300〜1000ppmの範囲とすべ
きであることが判明した。
以上説明したように、本発明は、従来技術に比較し
て、(1)ΔSの安定化を図ること、(2)ワイヤ水分
を高目に調整することに特徴があり、これにより、特に
低電流域でのスパッタ発生量を顕著に減少させ得たもの
である。
金属弗化物の量と種類: 次に、本発明者は、第2の課題であるビード形状につ
いて、外皮金属組成、フラックス率、フラックス組成等
を種々検討した結果、金属弗化物の量と種類を特定する
ことにより、低電流域(200A以下)の溶接においても良
好なビード形状が得られることを見い出した。
なお、実験条件(供試ワイヤ、溶接条件、ビード形状
評価方法)は以下のとおりとした。
〔供試ワイヤ〕
前述の基礎実験と同一のワイヤ 〔溶接条件〕 溶接電流:60A、極性:DCEN アーク電圧:アーク長約1mmとなる電圧 溶接速度:15cm/min チップ・母材間距離:15mm 母材:SS41(0.8t×50w×500l) 溶接姿勢:T型水平すみ肉 〔ビード形状評価方法〕 後述実施例の場合と同一で、フランク角θにより、θが
55°未満の場合に○(良)、55°〜65°の場合に△(や
や劣)、65°を超える場合に×(劣)にて評価した。
第3図に示す如く、ワイヤ中の金属弗化物の量及び全
金属弗化物に占めるSrF2の割合を規定することにより、
良好なビード形状が得られることが判明した。
すなわち、金属弗化物は、シールド剤であると共に主
要なスラグ形成作用があるが、0.5%未満ではシールド
不十分になり、ピット、ブローホール等の欠陥が生じ、
またビード形状も劣化する。一方、1.6%を超えるとス
ラグの融点が下がりすぎるため、ビード形状が劣化し、
またヒュームも増大する。したがって、金属弗化物の量
は0.5〜1.6%の範囲に規制する。
但し、この金属弗化物は、SrF2を60%以上含む弗化物
とする必要がある。前述の如く、金属弗化物は主要なス
ラグ剤であり、その種類によりスラグの物性が違ってく
るため、ビード形状に及ぼす影響も異ってくる。すなわ
ち、第3図に示す如く良好なビード形状を得るには60%
以上のSrF2が必須である。なお、残部の金属弗化物とし
てはCaF2、BaF2、LiF2、NaF、Na2SiF6等のいずれの金属弗化
物を使用してもよい。
以上の基礎実験に基づき、本発明に係るセルフシール
ドアーク溶接フラックス入りワイヤの主な構成は、従来
技術に比較して、特に、(1)ΔSの安定化を図ったこ
と、(2)金属弗化物の量を低目に設定し、且つSiF2
必須成分として含有せしめること、等を特徴とし、これ
により、低電流域(200A以下)でのスパッタの発生及び
ビード形状を大幅に改善したものであり、板厚2.3mm以
上の溶接は勿論のこと、板厚2.3mm未満の薄板の溶接を
可能にしたのである。
本発明の目的を十分達成するためには、更にセルフシ
ールドアーク溶接フラックス入りワイヤの一般的要件も
併せて具備する必要があり、以下に説明するようにフラ
ックス成分、フラックス率を規制する。
Al: Alは脱酸、脱窒剤として作用するものであるが、2.0
%未満ではピット及びブローホール等の溶接欠陥が発生
する。また4.0%を超えると溶着金属中に残存するAlが
増加するため、著しく延性を損なうので好ましくない。
またヒューム量も増大する。したがって、Alは2.0〜4.0
%の範囲とする。
なお、Al源としてはMe-Alのほか、Fe-Al、Al-Li、Al-
Mg等の合金を使用できる。
Mg: MGは脱酸剤として作用し、且つ溶接時金属上記を発生
してアーク柱や溶融プールをシールドし、アークを安定
にする効果がある。しかし、0.3%未満では効果が十分
でなく、ピット、ブローホール等の溶接欠陥が発生す
る。またアークが不安定になり易い。また1.5%を超え
るとアークの吹き付け力が強くなりすぎるため、ヒュー
ムが増大する。したがって、Mgは0.3〜1.5%の範囲とす
る。
なお、Mg源としてはMe-Mgのほか、Al-Mg、Ni-Mg、Si-
Mg等の合金を使用することができる。
Li、Srの複合酸化物: Li、Srの複合酸化物はスラグ形成剤として作用するも
ので、ビード外観(光沢)及びスラグの剥離性の向上に
効果がある。しかし、0.1%未満ではその効果がなく、
スラグの剥離性が劣る。また1.0%を超えるとヒューム
が増大する。したがって、Li、Srの複合酸化物は0.1〜
1.0%の範囲とする。
なお、これら複合酸化物としてはLi2SiO3、LiFeO2、Li2
MnO3、Li2TiO3、Li2ZrO3、SrFe2O4等を使用することができ
る。
Mn: Mnは脱酸剤として作用し、溶接金属中の強度を保持す
るためのものであるが、0.3%未満では強度不足とな
り、1.8%を超えると強度が過剰となり、曲げ延性を損
なうので、0.3〜1.8%の範囲とする。
なお、Mn源としてはFe-Mn、Fe-Si-Mn等を使用するこ
とができる。
C: Cは溶接金属の硬度強化用元素であると共にアークの
吹き付け力を増す作用があり、0.2〜0.4%の範囲で添加
する必要がある。0.2%未満では効果がなく、アーク吹
き付け力が弱く、特に低電流域でアーク不安定となり易
い。また0.4%を超えると硬度過大となり、衝撃性能が
劣化する。更にアーク吹き付け力が強くなりすぎてヒュ
ームが増大する。
なお、C源としてはグラファイトや、Cを含有する合
金等が使用できる。
BaCO3: BaCO3はシールド剤として作用すると共に、スラグの
粘性、スラグの剥離性を調整する作用があり、必要に応
じて0.02〜1%の範囲で添加することができる。しか
し、0.02%未満ではその効果がなく、1%を超えると溶
接時に発生する分解ガス(CO2)のため、スパッタが増
大する。なお、炭酸塩としてはBaCO3のほか、CaCO3、SrC
O3等種々のものがあるが、アークの安定性の面よりBaCO
3が好ましい。
希土類元素: 希土類元素(Ce、La、Sm、Y、Pr、Nd等)は溶融金属
及びスラグの粘性を低下させるため、亜鉛メッキ鋼板等
の表面処理鋼板の耐気孔性改善に効果があるので、必要
に応じて0.2%以下の範囲で添加することができる。0.2
%を超えるとビード形状が劣化するので好ましくない。
その他: 本発明で使用する外皮金属(帯鋼フープ)としては、
成形性の観点から深絞り性の良好な冷間圧延鋼や熱間圧
延鋼が使用されるが、特に制限されるものではない。し
かし、C量は極力少ないものを使用する方が有利であ
る。また金属中のMnやSi等は脱酸剤として作用し、溶滴
移行中のCO及びCO2の発生量を抑制する効果があるか
ら、ある程度含有させる方が有利である。しかし、これ
らの含有量が多すぎると加工性が低下するので外皮金属
中のMn量は2.0%以下、Si量は1.0%以下に抑えるのがよ
い。
更に、本発明ではあらゆる断面形状のワイヤとするこ
とができる。例えば、第4図(A)〜(D)にワイヤの
断面形状を4種類例示したが、これらのいずれの形状で
あってもよい。
そして、ワイヤ径は、用途に応じて0.9mmφ、1.0mm
φ、1.2mmφ、1.4mmφ、1.6mmφ、2.0mmφ、2.4mmφ、
3.2mmφ等の中から任意に決めることができる。
また、本発明は種々の鋼種に適用でき、主として軟
鋼、高張力鋼であるが、用途により低合金鋼、高合金鋼
などに拡大しても差し支えない。
次に本発明の実施例を示す。
(実施例) 第1表に示す条件のフラックス入りワイヤを常法によ
り作成した。ワイヤ径は1.2mmφ、ワイヤ断面形状は第
4図の(B)のものとした。また該ワイヤの外皮金属と
しては軟鋼を使用し、その含有成分はC:0.04%、Mn:0.3
5%、Si:0.01%、P:0.014%、S:0.01%である。
次いで、これらのフラックス入りワイヤを使用し、次
の溶接条件にて溶接試験を行った。
溶接条件 溶接電流:100A、極性:DCEN アーク電圧:アーク長約1mmとなる電圧 溶接速度:25cm/min チップ・母材間距離:15mm 母材:SS41(12mmt) 溶接法:下向きビードオンプレート法 溶接試験結果(スパッタ発生量、ビード形状、耐気孔
性、溶接作業性、送給性等)を第2表に示す。
なお、スパッタ発生量の測定には、下向きビードオン
プレート法により溶接し、第5図に示す装置(3はスパ
ッタ捕集板、4はワイヤ送給装置、5はトーチ、6は母
材、7は台車を示す)を使用した。すなわち、スパッタ
発生量は、第5図に示す捕集板を用いてアーク点のまわ
りに飛散するスパッタを捕集し、重量を測定することに
より求めた。測定時間は1分間とし、単位時間当たりの
値(g/min)を算出した。
また、ビード形状の評価方法としては、T型水平すみ
肉溶接を行い、第6図(10は溶着金属、11はボンド部、
12は熱影響部である)に示すように、水平すみ肉溶接部
止端部のフランク角θにより評価した。フランク角θ
は、断面マクロを採取し(n=3)、撮影機により溶接
部を拡大して測定した。ビード形状が悪くなる(凸ビー
ド)ほどフランク角θは大きくなり、θが55°未満の場
合に○(良)、55°〜65°の場合に△(やや劣)、65°
をこえる場合に×(劣)で評価した。
また、耐気孔性は下向きビードオン溶接部のX線透過
結果により評価した。
第2表より、以下の如く考察される。
No.1〜No.6は本発明例であり、低電流域においてスパ
ッタの発生が極めて少なく、ビード形状も優れている。
勿論、ピット、ブローホール等の欠陥が発生せず、溶接
作業性、送給性等も良好である。
No.7〜No.8はワイヤ水分の量が本発明範囲外にある比
較例であり、ワイヤ水分量が少なすぎるとスパッタが増
大し、多すぎるとピット、ブローホール等の溶接欠陥が
発生し耐気孔性が劣る。
No.9は(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)比のワイヤ
長手方向のバラツキΔSが大きすぎる比較例であり、ア
ークの変動が起こり、そのためスパッタが増加してい
る。
No.10〜No.11はフラックス充填率が本発明範囲外にあ
る比較例であり、フラックス充填率が小さすぎるとアー
クの安定性が劣り、スパッタもやや増加する。大きすぎ
るとワイヤが軟弱になり、送給トラブル(断線等)が発
生する。
No.12〜No.13は金属弗化物の量が本発明範囲外にある
比較例であり、少なすぎるとシールド不足となり、溶接
欠陥(ピット、ブローホール)が発生する。多すぎると
ビード形状が劣化し、凸ビードとなる。
No.14は金属弗化物中に占めるSrF2の割合が少なすぎ
る比較例であり、ビード形状が劣化する。
No.15〜No.16はフラックス中のAlの量が本発明範囲外
にある比較例であり、少なすぎるとピット、ブローホー
ルが発生する。多すぎると延性、靱性が劣化すると共に
ヒュームも増大する。
No.17〜No.18はフラックス中のMgの量が本発明範囲外
にある比較例であり、少なすぎると脱酸不足となり、ピ
ット、ブローホールが発生する。更にアークもやや不安
定となる。一方、多すぎるとヒュームが増大する。
No.19〜No.20はフラックス中のMnの量が本発明範囲外
にある比較例であり、少なすぎると強度不足となり、多
すぎると曲げ延性が劣化する。
No.21〜No.22はLi、Srの複合酸化物の量が本発明範囲
外にある比較例であり、少なすぎるとスラグの剥離性が
悪く、多すぎるとヒュームが増加する。
No.23〜No.24はフラックス中のCの量が本発明範囲外
にある比較例であり、少なすぎるとアークが不安定とな
り、多すぎるとヒュームが増大すると共に靱性が劣化す
る。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、要するに、
(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)比のワイヤ長手方向
のバラツキΔSの安定化を図ること、ワイヤ水分を高目
に調整すること、金属弗化物の量を低目に設定し且つSr
F2を必須成分として含有せしめてその割合を規定するこ
と、等により、従来のセルフシールドアーク溶接フラッ
クス入りワイヤの問題点である低電流域(200A以下)で
のスパッタの発生及びビード形状を大幅に改善すること
が可能となり、セルフシールドアーク溶接フラックス入
りワイヤの用途拡大に大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)比のワイヤ
長手方向のバラツキΔSとスパッタ発生量の関係を示す
図、 第2図はワイヤ水分とスパッタ発生量の関係を示す図、 第3図は金属弗化物の量及びSrF2の割合とビード形状の
関係を示す図、 第4図(A)〜(D)はワイヤ断面形状の一例を示す概
略断面図、 第5図はスパッタ捕集装置を示す図で、(a)は側面
図、(b)は平面図であり、 第6図はヒード形状評価方法におけるフランク角を説明
する図である。 1……外皮金属、2……フラックス、3……スパッタ捕
集板、4……ワイヤ送給装置、5……トーチ、6……母
材、7……台車、8……台車駆動装置、9……溶着金
属、10……ボンド部、11……熱影響部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−169196(JP,A) 特公 昭51−14097(JP,B2) 特公 昭53−26219(JP,B2) 特公 昭50−17349(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤ水分量が300〜1000ppmで、鋼製外皮
    内に対ワイヤ全重量比で下記成分を必須成分として含む
    フラックスをフラックス率が6〜20重量となるように充
    填し、且つ(外皮断面積)/(ワイヤ断面積)比のワイ
    ヤ長手方向のバラツキが0.05以下であることを特徴とす
    るセルフシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ。 記 SrF2を60%以上含む金属弗化物:0.5〜1.6 Al:2.0〜4.0 Mg:0.3〜1.5 Mn:0.3〜1.8 C:0.2〜0.5 Li、Srの複合酸化物の1種又は2種:0.1〜1.0
  2. 【請求項2】前記フラックスがBaCO3を0.02〜1%含む
    ものである請求項1に記載のセルフシールドアーク溶接
    フラックス入りワイヤ。
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