JPH08181003A - 限流素子およびその製造方法 - Google Patents

限流素子およびその製造方法

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JPH08181003A
JPH08181003A JP31785294A JP31785294A JPH08181003A JP H08181003 A JPH08181003 A JP H08181003A JP 31785294 A JP31785294 A JP 31785294A JP 31785294 A JP31785294 A JP 31785294A JP H08181003 A JPH08181003 A JP H08181003A
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JP
Japan
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current limiting
ceramic
limiting element
plate
ceramic resistors
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JP31785294A
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English (en)
Inventor
Kenji Kunihara
健二 国原
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】再使用可能な限流素子を得る。 【構成】温度係数が正のセラミックス抵抗体3の複数を
蜂の巣状のプラスチック壁2によって隔てる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は正の抵抗温度係数を持
つ抵抗体を用いる限流素子に係わり、特に過電流が流れ
たときの熱衝撃によるクラック発生を抑止する限流素子
の構造およびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、低圧配電系統においても大容量化
が進展し、それに伴い負荷が短絡した際に流れる過電流
も大電流化しており、ブレーカーについても高遮断容量
化が望まれている。このような技術動向に対応して、大
電流,大電力用の過電流保護素子として酸化バナジウム
2 3 系セラミックスを主成分とするPTC限流素子
の利用が期待されている。酸化バナジウムV2 3 系セ
ラミックスは100℃〜200℃の間で金属から絶縁物
に移転する性質を有しており、室温付近では比抵抗が1
-3Ω・cmと小さいため大電流、大電力用に期待され
ている。酸化バナジウムV23 系セラミックスを主成
分とする限流素子は過電流が流れると、ジュール発熱に
より高抵抗化し、ブレーカを動作させて電流の遮断を行
うことができる。 【0003】図6は酸化バナジウムV2 3 系セラミッ
クスの抵抗温度特性を示す線図である。酸化バナジウム
2 3 系セラミックスを主成分とする限流素子におい
ては過電流が流れたときのジュール発熱による温度上昇
はブレーカの要求仕様により数ms以内に200〜30
0℃に達することが要求される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようなブレーカの要求仕様を満足させるときには酸化バ
ナジウムV2 3 系セラミックスに熱衝撃が加わること
となり、酸化バナジウムV2 3 系セラミックスを破損
させ、再使用に供することができなくなるという問題が
あった。このために特開平4−14202号公報にはセ
ラミックに樹脂を混合して金属−絶縁体移転時の熱応力
の緩和を図る方法が開示され、また特開平4−3500
1号公報ではセラミックスにウイスカーを混合し強度の
向上を図ったり、さらにはセラミックスの結晶粒径の粗
大化を抑制して高強度化し熱衝撃によるクラック発生を
抑制する方法等が開示されており改善が進んではいるが
上記の方法では熱破損を完全に防止することができな
い。このようなことから、上記従来の酸化バナジウムV
2 3 系セラミックスを主成分とする限流素子を大電
流、大電力用の過電流保護素子として採用するには実用
上の制約が大きく、上記問題点の改善が要請されてい
た。 【0005】この発明は上述の点に鑑みてなされその目
的は、上記熱衝撃による破損の発生を実用上無視し得る
程度に抑制し、再使用が可能な限流素子を提供すること
にある。他の目的はこの限流素子を大電流,大電力用に
応用できる限流素子を提供することである。さらに他の
目的は上述の限流素子の製造方法を提供することにあ
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】本件特許発明者は、上記
熱衝撃によるクラック発生のメカニズムにつき詳細に調
べ、酸化バナジウムV2 3 系セラミックスのクラック
発生の抑制について検討を重ねたところ、クラック発生
による破損は過電流の素子内部への流通が不均一なため
素子が局部的に加熱され、周囲とのあいだに大きな温度
勾配が生じ熱膨張差ができるためであることをつきつめ
た。クラック発生のない素子は過電流の分布に不均一は
生じるが比較的小さい。限流素子によりそのような差異
を生ずる理由は判然とはしないが、セラミックス特有の
組成的あるいは微細構造的不均一性と関連しているよう
に考えられる。セラミックスである限りこのような不均
一性から逃れることは困難であり、少数であってもクラ
ックを生ずる不良素子を完全に除去することは困難であ
る。クラックは大きな温度勾配を生じる個所の一つから
発生し一瞬のうちに周囲に伝播し素子を再使用不可能な
までに破壊する。 【0007】本発明は上述の知見に基いてなされたもの
であり、その目的は第1の発明によれば抵抗の温度係数
が正のセラミックス抵抗体の複数と、前記セラミックス
抵抗体を相互に隔てる蜂の巣状のプラスチックス壁を備
えるとすることにより達成される。上述の発明におい
て、セラミックス抵抗体は(V1-x x 2 3 (O≦
X≦0.02,YはCr,Al から選ばれた少なくとも一
種) であるとすること、またはプラスチックスがポリイ
ミドであるとすることが有効である。 【0008】第2の発明によればセラミックス抵抗体の
板状体を調製し得られた板状体を高分子接着剤を介して
板状体の主面において重合して積層体を形成する工程
と、積層体を前記工程の重合の方向と非垂直の方向に薄
く切断して重合板を調製し得られた重合板を切断した面
で前記高分子接着剤を介して重合する工程を備えるとす
ることにより達成される。 【0009】 【作用】セラミックス抵抗体は蜂の巣状のプラスチック
ス壁により相互に電気的,機械的に分離されて多重化し
ており一個のセラミックス抵抗体にクラックが発生して
もその破損はプラスチックス壁によりさえぎられ隣接す
る抵抗体にはクラックが伝ぱんしない。 【0010】セラミックス抵抗体に酸化バナジウム系セ
ラミックスを用いるときは比抵抗が比較的小さいため大
電流,大電力下で温度の上昇を小さくして好適に使用で
きる。プラスチックスにポリイミドを用いると、ポリイ
ミドの耐熱性により大電流,大電力の使用に耐えること
ができる。 【0011】 【実施例】次にこの発明の実施例を図面に基いて説明す
る。PTCセラミックス抵抗体としては酸化バナジウム
2 3 系セラミックスを用いる。図1,図2,図3,
図4はこの発明の実施例に係る限流素子の製造工程を示
す斜視図、図5はこの発明の実施例に係る限流素子を示
す断面図である。 【0012】イ)V2 5 99.65mo1%、Cr2
3 0.35mo1%を配合し、純水を溶媒として添加し、
ボールミルで約48h間粉砕・混合してセラミックス原
料を得る。 ロ)上記セラミックス原料を乾燥後、水素気流中で60
0℃×4h続けて1000℃×4h燒成しV2 5 をV
2 3 に還元する。 【0013】ハ)上記燒成後、Fe2 3 を5%、バイ
ンダーを3%添加し、再び純水を溶媒としてボールミル
で約24h間粉砕・混合しその後乾燥して成形用のセラ
ミックス原料を得る。 ニ)上記セラミックス原料を2t/cm2 の圧力でプレ
ス成形し、厚み3mm×30mm□の成形体を得る。成
型体はドクタブレード法,カレンダロール法,押出し法
等で成型することもできる。 【0014】ホ)上記成形体を水素気流中で1500℃
×4h燒成し厚み2mm×25mm□のV2 3 系セラ
ミックスの焼結した板状体1を得る。 へ)ポリイミド接着剤2を板状体の両面に均一にコーテ
ィングし、板状体を10層重ね200〜300℃で約1
h加熱・硬化し板状体同志を接着して積層体を得る(図
1)。 【0015】ト)上記積層体をダイヤモンドカッター
で、接着面に垂直且つ端面に平行に2mm間隔に切断し
て重合板を得る(図2)。 チ)切断面に再びポリイミド接着剤を両面に均一にコー
ティングし、重合板の長手方向が一致するように10層
重ね200〜300℃で約1h加熱・硬化し接着する
(図3)。 【0016】リ)上記成形体をダイヤモンドカッター
で、成型体の長手方向に垂直、接着面に垂直に2mm間
隔で切断し、25mm□×2mm厚の集合体4を得る。
本集合体は100個のセラミックス抵抗体で構成されて
いることになる(図4)。 ヌ)さらに、上記成形体の切断面の両側にAgまたはA
g−Pdからなる導電ペーストを印刷したのち、300
℃で焼付けて電極とした。これにMoからなる電極6を
圧着して評価試料とした(図5)。 【0017】本発明の素子と比較のため、本発明の素子
と同等な電気特性を持つ20mm□×2mm厚のV2
3 系セラミックスの焼結体をそれぞれ100個用意し
た。本発明の素子をA,比較用素子をBとした。この両
方の素子に50Hz、10000Aの電流を全波通電し、
急激な通電加熱による熱衝撃に対するクラック発生の有
無の試験を行い、3回繰り返して耐熱衝撃性を評価し
た。 【0018】結果を表1に示す。表1は、試験前後にお
ける常温の素子抵抗変化率で5%以上の素子をクラック
発生の不良素子としたものであり、その後の観察で不良
素子の全てにクラックが発生していることが確認されて
いる。また不良素子については素子Bでは全てクラック
の発生が無いことも確認した。素子Aでは、良品素子で
も素子を構成する100個の抵抗体の一部にクラックの
発生が認められた。表2は素子Aにおけるクラックの発
生割合を示している。 【0019】 【表1】 【0020】 【表2】素子Aの場合、素子Bと同じような割合でクラックの発
生が認められる。しかしながら、素子Aの場合は100
個の独立した抵抗体からなっておりクラックが発生して
も周囲に伝播して致命的なダメージを素子に与えること
がないため、素子の機能を(電気特性)にほとんど影響
がなく繰り返しの使用が可能である。表におけるワース
トケースでも常温における電気抵抗の上昇は2%程度で
ありPTC特性にもなんら影響もなく、過電流保護の限
流素子として問題がない。 【0021】なお本実施例では蜂の巣形状は四角である
がこれに限定されるものではない。 【0022】 【発明の効果】この発明によれば、複数のセラミックス
抵抗体が蜂の巣状のプラスチックス壁により相互に電気
的,機械的に分離され相互に独立した抵抗体となってい
るために電流のジュール熱により熱衝撃が加わって特定
のセラミックス抵抗体が破損してもその破損の進行はプ
ラスチックス壁により遮断され隣接する抵抗体には破損
が伝播せず、再使用に耐える安定した限流素子が得られ
る。 【0023】複数のセラミックス抵抗体に酸化バナジウ
ムV2 3 系セラミックスをまたプラスチックス壁にポ
リイミドを使用すると大電流,大電力用の限流素子が得
られる。セラミックス抵抗体の板状体を高分子接着剤を
介して重合して積層体を得たのち、積層体をスライスし
て重合板とし、次いでスライスした面で高分子接着剤を
介して重合板を重ねるので蜂の巣状のプラスチックス壁
で隔離された複数のセラミックス抵抗体からなる限流素
子が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の実施例に係る限流素子の製造工程を
示す斜視図 【図2】この発明の実施例に係る限流素子の製造工程を
示す斜視図 【図3】この発明の実施例に係る限流素子の製造工程を
示す斜視図 【図4】この発明の実施例に係る限流素子の製造工程を
示す斜視図 【図5】この発明の実施例に係る限流素子を示す断面図 【図6】酸化バナジウムV2 3 系セラミックスの抵抗
温度特性を示す線図 【符号の説明】 1 酸化バナジウムV2 3 系セラミックスの板状体 2 ポリイミド接着剤 3 酸化バナジウムV2 3 系セラミックスの抵抗体 4 集合体 5 電極 6 電極

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】抵抗の温度係数が正のセラミックス抵抗体
    の複数と、前記セラミックス抵抗体を相互に隔てる蜂の
    巣状のプラスチックス壁を備えることを特徴とする限流
    素子。 【請求項2】請求項1記載の限流素子において、セラミ
    ックス抵抗体が(V 1-x x 2 3 (O≦X≦0.0
    2,YはCr,Al から選ばれた少なくとも一種) であるこ
    とを特徴とする限流素子。 【請求項3 】請求項1記載の限流素子において、プラス
    チックス壁がポリイミドであることを特徴とする限流素
    子。 【請求項4】セラミックス抵抗体の板状体を調製し得ら
    れた板状体を高分子接着剤を介して板状体の主面におい
    て重合して積層体を形成する工程と、積層体を前記工程
    の重合の方向と非垂直の方向に薄く切断して重合板を調
    製し得られた重合板を切断した面で前記高分子接着剤を
    介して重合する工程を備えることを特徴とする限流素子
    の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014123764A (ja) * 2010-10-05 2014-07-03 Otowa Denki Kogyo Kk 非線形抵抗素子及びその製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014123764A (ja) * 2010-10-05 2014-07-03 Otowa Denki Kogyo Kk 非線形抵抗素子及びその製造方法

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