JPH08180530A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JPH08180530A
JPH08180530A JP6336240A JP33624094A JPH08180530A JP H08180530 A JPH08180530 A JP H08180530A JP 6336240 A JP6336240 A JP 6336240A JP 33624094 A JP33624094 A JP 33624094A JP H08180530 A JPH08180530 A JP H08180530A
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tape
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寿雄 金城
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博通 平山
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    • G11B15/61Guiding record carrier on drum, e.g. drum containing rotating heads

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 直線性の悪い傾斜トラックを良好にトレース
して磁気記録再生装置間における互換性の向上を図った
磁気記録再生装置を提供する。 【構成】 磁気ヘッドHa,Hbを搭載して回転する上
ドラム10aと下ドラム10bからなるテープガイドド
ラム10を有するヘリカルスキャンVTRにおいて、テ
ープガイドドラム10に対する磁気テープTの巻き付け
範囲の始点と終点における磁気ヘッドHa,Hbの回転
軌跡面の高さを互いに逆方向に変化せしめる手段21,
22と、テープガイドドラム10に対する磁気テープT
の巻き付け範囲の始点と終点における磁気ヘッドHa,
Hbの回転軌跡面の高さを実質的に同方向に変化せしめ
る手段23,24,25を有するヘリカルスキャンVT
R。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転磁気ヘッドにより
磁気テープに傾斜トラックを形成して信号の記録及び/
又は再生を行う磁気記録再生装置に関し、特に、傾斜ト
ラックの直線性が悪い態様で記録された磁気テープであ
っても回転磁気ヘッドを該直線性の悪い傾斜トラックに
沿ってトレースさせる補正機構に関する。
【0002】
【従来の技術】回転磁気ヘッドにより磁気テープに傾斜
トラックを形成して信号の記録及び/又は再生を行う磁
気記録再生装置の一例としてVHS(登録商標)方式の
ビデオテープレコーダ(VTR)をあげることができ
る。そこで先ず、図1乃至図3を参照して斯かるVHS
方式VTRの代表的なテープ走行系について説明すると
ともに、磁気テープに形成される傾斜トラックの直線性
が阻害される具体的な要因について説明する。図1は、
VHS方式VTRの代表的なテープ走行系の要部を示す
斜視図、図2は、その正面図であり、磁気テープ上に本
来直線状に形成されるべき傾斜トラックが、何らかの原
因により曲がって形成された場合の傾斜トラック(以
下、このような現象を「トラック曲がり」と云い、この
ように記録されたトラックを「曲がりトラック」と云う
ことがある。)をテープガイドドラムとの関係で誇張し
て模式的に示したものである。また、図3は、ドラム軸
11の方向から見た平面図である。なお、図3において
は図1中の入り口側ガイドローラ13と出口側ガイドロ
ーラ14は省略して示してある。同図において、直線L
1 は、テープガイドドラム10に磁気テープTが巻回さ
れる範囲を2等分する直線であり直線L2 はこの直線L
1 に直交する直線である。なお、以後の説明において
は、同図中における直線L2 の左の方向を0度方向とし
て反時計回りに角度を指定して各部材のドラム軸11の
周りの回転方向の位置を特定する場合がある。
【0003】このVTRは、垂直線Zに対して角度φ傾
斜してドラムベース17上に設けられたテープガイドド
ラム10と、磁気テープTの走行方向上、テープガイド
ドラム10に対して入り口側に位置する入り口側ガイド
ローラ13、傾斜ポール1と、磁気テープTの走行方向
上、テープガイドドラム10に対して出口側に位置する
出口側ガイドローラ14、傾斜ポール2等を有する。そ
して、磁気テープTはテープカセット20のサプライリ
ール3より引き出され、消去ヘッド4及びインピーダン
スローラ5に添接し、傾斜ポール1,2により規制され
る所定の角度範囲に亘ってドラム10の周面に巻回さ
れ、次いでオーディオコントロールヘッド6に添接して
テープカセット20のテイクアップリール9に到るテー
プパスを形成しており、ピンチローラ8とキャプスタン
7とにより挟持駆動されて走行する。
【0004】ここで、テープガイドドラム10は、ドラ
ム軸11に同軸に支持された上ドラム10aと下ドラム
10bとから成っており、該上ドラム10aは、磁気ヘ
ッドHa,Hbを搭載してドラム軸11の周りに回転駆
動される。また、下ドラム10bには、磁気テープTの
下端縁Tbを案内するリード12がテープ巻き付けの全
範囲に亘って形成されている。このリード12は、下ド
ラム10bの磁気テープ摺接面10b-1より100〜1
50μm程度突出した棚状に±1μm程度の高い直線性
で旋盤加工されたものであり、磁気テープTが走行する
上での高さ方向の基準となるものである。
【0005】一方、入り口側ガイドローラ13と出口側
ガイドローラ14は、それぞれシャフト13d,14d
に設けられた上フランジ13a,14a、下フランジ1
3b,14bとシャフト13d,14dの周りに円滑に
回転し得る外輪ローラ13c,14cとから構成されて
いる。また、シャフト13d,14dには図示しない細
目ネジ(0.35mm/回転)がそれぞれ形成されてお
り、ポールベース15,16に螺合してそれぞれの高さ
が調整された状態でセットスクリュー15a,16bに
よって固定されている。そして、各ガイドローラ13,
14の上フランジ13a,14aは、実質的に磁気テー
プTの上端縁Taの位置を規制することになる。なお、
VHS方式VTRの場合、磁気テープTの幅は、規格値
で12.65±0.01mmであり、各ガイドローラ1
3,14の上フランジ13a,14aと下フランジ13
b,14bとの間隔は、12.7±0.03mmに設定
されるのが一般的である。即ち、磁気テープTの下端縁
Tbは、下ドラム10bに形成されたリード12で規制
し、その上端縁Taは、各ガイドローラ13,14の上
フランジ13a,14aで規制し、下フランジ13b,
14bは磁気テープTから逃がす構成とする設計思想が
とられている。
【0006】次に、このようなテープ走行系において、
「トラック曲がり」を生じさせる主な要因を挙げると、 (1) 入り口側ガイドローラ13と出口側ガイドローラ1
4の高さ調整不良 (2) ドラム軸11と上ドラム10aとの偏心による振れ (3) リード12の直線性不良 (4) 磁気テープTの走行中の上下振れ (5) 走行系の摩耗等の経時変化 等々、多くの要因が考えられる。しかしながら、本願発
明者等による調査結果によれば、これらの要因の中で実
際に直接の原因となっているのは、(1) の「入り口側ガ
イドローラ13と出口側ガイドローラ14の高さ調整不
良」がほとんどである。その他の要因はオーダー的にも
小さいものと考えられる。本願発明者等は、各種の手段
により意図的にトラック曲がりが生じた実験用の磁気テ
ープを作製し、入り口側ガイドローラ13と出口側ガイ
ドローラ14の高さをそれぞれ適宜調整して、これらの
磁気テープの再生FM波形を平坦にする試み、即ち、実
験用磁気テープに記録された曲がりトラックに沿って磁
気ヘッドをトレースさせる試みを行った。その結果、E
Pモードにおいて、トラック曲がりの程度が100μm
程度と数トラックの幅に相当するほど大きなものであっ
ても、曲がりトラックに沿って磁気ヘッドをトレースさ
せることが可能であることを確認した。
【0007】次に、ガイドローラの高さ調整不良に起因
してトラック曲がり生じることによって発生する所謂互
換再生上の問題について説明する。各ガイドローラ1
3,14の高さ調整が不十分な場合には、磁気テープT
は、リード12と上フランジ13a,14aとの間で押
圧力を受けて幅方向の変形を受けたり、その下端縁Tb
がリード12から離間したりして、磁気テープTに形成
されるトラックはその直線性が阻害されてトラック曲が
りを生じることになる。そして、このようなトラック曲
がりが生じた磁気テープTは、これを記録したVTR自
身で再生する所謂自己録再生の場合は、再生時にも記録
時と同様のトラックパターンが形成されるため、特に問
題を生じないが、記録したVTRと異なる他のVTRで
このテープを再生する所謂互換再生の場合には重大な問
題が生じる。
【0008】すなわち、各ガイドローラ13,14の高
さ調整が不十分なVTR(以下、「調整不良装置」とい
う。)で記録された結果、トラック曲がりが生じた磁気
テープTを各ガイドローラ13,14の高さ調整が適正
にされた他のVTR(以下、「標準装置」という。)で
再生すると、標準装置の磁気ヘッドは、磁気テープT上
に直線状のトラックパターンを形成してトレースするた
め、調整不良装置によって形成された曲がりトラックに
沿ったものとならず、そのトラック曲がりの程度に応じ
て、隣接トラックを再生してクロストークを生じたり、
トラック跨ぎノイズを生じることになる。
【0009】このような互換再生上の問題は、トラック
幅が小さい高密度記録の場合に特に深刻である。例え
ば、VHS方式VTRの場合は、トラックピッチ58μ
mの標準モード(SPモード)と、トラックピッチを標
準モードの1/3の19μmとした3倍の長時間モード
(EPモード)の二つのモードが規格上準備されている
が、このEPモードにおいてトラック幅19μmの磁気
ヘッドを用いて機械的な位置決め精度だけで互換性を維
持することは困難である。そこで、VHS方式VTRで
は、EPモードにおける互換性を維持するために、トラ
ックピッチ19μmよりも少し幅の広めの26μmのト
ラック幅を有する磁気ヘッドを用いて、一部オーバーラ
ップして、記録再生を行う方法がとられている。これに
より、磁気テープに記録されたトラックが若干のトラッ
ク曲がりを有していても、該曲がりトラック上をトレー
スすることができる。しかしながら、19μmピッチの
トラックを26μmのトラック幅を有する磁気ヘッドで
トレースするということは、必ず隣接トラックの信号も
同時に再生するということであり、アジマス損失によっ
て、ビート妨害は大幅に削減されるとはいえ、19μm
のトラック幅を有する磁気ヘッドで正確にトレースした
場合と比較すると、ビート妨害の目立った再生画像にな
ってしまうことは避けられない。そこで、比較的高級機
種に属するVHS方式VTRでは、自己録再生専用の磁
気ヘッドとして19μmのトラック幅を有するヘッドを
搭載するとともに互換再生用に26μmのトラック幅を
有するヘッドを併せて搭載して、自己録再生時と互換再
生時とでこれらの磁気ヘッドを使い分ける等の工夫がな
されている。
【0010】このように、EPモードにおける互換再生
では、再生画質を若干犠牲にすれば26μmのトラック
幅を有する磁気ヘッドを用いることによって、ある程度
のトラック曲がりを有した状態で記録された磁気テープ
であっても、トラック跨ぎノイズを生じることなく再生
することは可能である。しかし、このトラック曲がりが
磁気ヘッドのトラック幅に比して非常に大きな場合に
は、トラック跨ぎノイズの発生が避けられないことにな
る。このような問題を解決するための従来技術として
は、次の方法が知られている。その方法とは、磁気ヘッ
ドを圧電素子(バイモルフ)やボイスコイルモータ(V
CM)等のアクチュエータで支持した状態で回転ドラム
に搭載し、再生時にこのアクチュエータにより磁気ヘッ
ドをトラックと直交する方向に変位駆動することによっ
て、曲がりトラック上をトレースせんとする方法であ
る。斯かる技術を開示した具体的な文献としては、圧電
素子を使用した例として米国特許4,151,570
号、ボイスコイルモータを使用した例として特公昭51
−61815号公報又は特公昭63−46478号公報
等がある。
【0011】また、これらの公知技術とは別に、本願出
願人は、先に特願平5−120565号において、大略
以下の技術を提案している。該先の出願に係る技術と
は、前述した実験結果、即ち、入り口側ガイドローラ1
3と出口側ガイドローラ14の高さをそれぞれ適宜調整
することにより、実験用磁気テープに記録された曲がり
トラックに沿って磁気ヘッドをトレースさせることがで
きるという事実に基づくものである。即ち、該先の出願
における方法は、再生すべき磁気テープに記録されたト
ラック曲がりの程度に応じて、入り口側ガイドローラ1
3と出口側ガイドローラ14の高さをそれぞれ適宜調整
して、磁気テープの走行経路を変更し、当該磁気テープ
に曲がりトラックを形成して記録したVTRと同様の走
行経路を再現せんとするものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たアクチュエータにより磁気ヘッドをトラックと直交す
る方向に変位駆動する構成のVTRでは、小型で振幅周
波数特性の良好なバイモルフやボイスコイルモータ等の
アクチュエータを要するため、装置そのものが高価にな
らざるを得ない。また、回転ドラムに搭載されたバイモ
ルフやボイスコイルモータ等のアクチュエータに電力を
供給するためには、スリップリング等も不可欠であり、
装置の複雑化が避けられないという問題がある。
【0013】一方、本願出願人が先に提案した特願平5
−120565号に係る磁気記録再生装置は、斯かる公
知技術とは全くその考え方を異にするものであり、回転
ドラムに搭載したバイモルフやボイスコイルモータ等に
よって磁気ヘッドを直接変位駆動する必要がないため、
スリップリング等の電力供給手段が必要でないという利
点を有するものの、次のような点で難点がある。即ち、
該先の出願に係る磁気記録再生装置では、再生すべき磁
気テープに記録されたトラック曲がりの程度に応じて、
入り口側ガイドローラ13と出口側ガイドローラ14の
高さをそれぞれ適宜調整して、磁気テープの走行経路を
変更するものであるが、通常、これらの入り口側ガイド
ローラ13と出口側ガイドローラ14は、テープカセッ
ト20から磁気テープTを引き出してテープガイドドラ
ム10に磁気テープTを巻き付けるという所謂テープロ
ーディング機能又は、その逆に、テープガイドドラムに
巻き付けられた磁気テープをテープカセット20内に収
納するテープアンローディング機能を有するものであ
り、これらの機能を実現するために、入り口側ガイドロ
ーラ13と出口側ガイドローラ14は、移動する部材と
して構成せざるを得ないこと、これらの各ガイドローラ
13,14は装置のシャーシに取り付けられ、テープガ
イドドラム10とは製造上別部品であること、入り口側
ガイドローラ13と出口側ガイドローラ14の高さをそ
れぞれ適宜調整するためには、これらの各ガイドローラ
13,14を別々に駆動しなければならないこと、等か
ら結局、装置がかなり複雑化してしまうという問題があ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点に
鑑みなされたものであり、請求項1に係る発明は、「テ
ープガイドドラムに巻回された磁気テープに傾斜トラッ
クを形成して該磁気テープに情報の記録再生を行う磁気
記録再生装置であって、磁気ヘッドを搭載して回転する
上ドラムと、該磁気テープの下端縁を案内するリードを
備えた下ドラムとからなる該テープガイドドラムと、該
装置の基準面に対し予め定められた特定角度だけ傾斜し
た傾斜面を有し、該テープガイドドラムを支持するドラ
ムベースと、該装置に対して該予め定められた特定角度
だけ傾斜し該上ドラムと該下ドラムとを同軸に支持する
ドラム軸と、該テープガイドドラムに対する該磁気テー
プの巻き付け範囲の始点を規定する入り口側傾斜ポール
と、該テープガイドドラムに対する該磁気テープの巻き
付け範囲の終点を規定する出口側傾斜ポールと、該始点
近傍において該磁気テープの少なくも上端縁の位置を規
定すべきフランジを有した入り口側ガイドローラと、該
終点近傍において該磁気テープの少なくも上端縁の位置
を規定すべきフランジを有した出口側ガイドローラとを
少なくも具備した磁気記録再生装置において、該始点に
おける該磁気ヘッドの回転軌跡面の高さと該終点におけ
る該磁気ヘッドの回転軌跡面の高さとを互いに逆方向に
変化せしめる第1の姿勢制御手段と、該始点における該
磁気ヘッドの回転軌跡面の高さと該終点における該磁気
ヘッドの回転軌跡面の高さとを実質的に同方向に変化せ
しめる第2の姿勢制御手段とを設けたことを特徴とする
磁気記録再生装置。」を提供するものであり、
【0015】請求項2に係る発明は、「該第1の姿勢制
御手段は、該ドラムベースと該下ドラムとの間に構成し
た第1の支点と第2の支点とを結ぶ直線を回動軸とし、
該テープガイドドラムを傾斜せしめることを特徴とする
請求項1記載の磁気記録再生装置。」を提供するもので
あり、
【0016】請求項3に係る発明は、「該第1の姿勢制
御手段は、該ドラムベースと該下ドラムとの間に構成し
た第1の支点と第2の支点とを結ぶ第1の直線と第1の
支点と第3の支点とを結ぶ第2の直線とをそれぞれ回動
軸とし、該テープガイドドラムを傾斜せしめることを特
徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。」を提供す
るものであり、
【0017】請求項4に係る発明は、「該第1の姿勢制
御手段は、該ドラムベースと該下ドラムとの間に構成し
た第1の支点と第2の支点とを結ぶ第1の直線と第3の
支点と第4の支点とを結ぶ第2の直線とをそれぞれ回動
軸とし、該テープガイドドラムを傾斜せしめることを特
徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。」を提供す
るものであり、
【0018】請求項5に係る発明は、「該第2の姿勢制
御手段は該テープガイドドラムを該ドラム軸と略平行な
方向に変位せしめることを特徴とする請求項1乃至請求
項4記載の何れか一の磁気記録再生装置。」を提供する
ものであり、
【0019】請求項6に係る発明は、「該第2の姿勢制
御手段は該ドラムベースと該下ドラムとの間の該テープ
ガイドドラムに対する該磁気テープの巻き付け範囲の中
央を通り該ドラム軸に直交する直線又は該直線に略平行
な直線を回動軸とし、該テープガイドドラムを傾斜せし
めることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の何れ
か一の磁気記録再生装置。」を提供するものであり、
【0020】請求項7に係る発明は、「該上ドラムと該
下ドラムとを相対的に傾斜せしめる回動手段を設けたこ
とを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の何れか一の
磁気記録再生装置。」を提供するものであり、
【0021】請求項8に係る発明は、「テープガイドド
ラムに巻回された磁気テープに傾斜トラックを形成して
該磁気テープに情報の記録再生を行う磁気記録再生装置
であって、磁気ヘッドを搭載して回転する上ドラムと、
下ドラムとからなるテープガイドドラムと、その一縁部
が該磁気テープの下端縁を案内するリードとして機能す
る円環状部と底面部とから大略構成され該テープガイド
ドラムとは別体のリードリングと、該下ドラムの下部に
形成されて該下ドラムの磁気テープ摺接面より小径であ
って該リードリングの円環状部と遊嵌すべき段部と、該
装置の基準面に対し予め定められた特定角度だけ傾斜し
た傾斜面を有し、該リードリングと該テープガイドドラ
ムとを支持するドラムベースと、該装置に対して該予め
定められた特定角度だけ傾斜し該上ドラムと該下ドラム
とを同軸に支持するドラム軸と、該テープガイドドラム
に対する該磁気テープの巻き付け範囲の始点を規定する
入り口側傾斜ポールと、該テープガイドドラムに対する
該磁気テープの巻き付け範囲の終点を規定する出口側傾
斜ポールと、該始点近傍において該磁気テープの少なく
も上端縁の位置を規定すべきフランジを有した入り口側
ガイドローラと、該終点近傍において該磁気テープの少
なくも上端縁の位置を規定すべきフランジを有した出口
側ガイドローラとを少なくも具備した磁気記録再生装置
において、該始点における該磁気ヘッドの回転軌跡面及
び該リードリングの高さと該終点における該磁気ヘッド
の回転軌跡面及び該リードリングの高さとを互いに逆方
向に変化せしめる第1の姿勢制御手段と、該始点におけ
る該磁気ヘッドの回転軌跡面及び該リードリングの高さ
と該終点における該磁気ヘッドの回転軌跡面及び該リー
ドリングの高さとを実質的に同方向に変化せしめる第2
の姿勢制御手段とを設けたことを特徴とする磁気記録再
生装置。」を提供するものであり、
【0022】請求項9に係る発明は、「該リードリング
と該テープガイドドラムとを相対的に傾斜せしめる回動
手段を設けたことを特徴とする請求項8記載の磁気記録
再生装置。」を提供するものである。
【0023】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、それに先立ち、VTRにおいて生じる入り口側
ガイドローラ13と出口側ガイドローラ14の高さ調整
不良の各種態様を説明するとともに、これらの高さ調整
不良等によって生じたトラック曲がりを有する磁気テー
プを本発明になる磁気記録再生装置で如何に補正して再
生するかにつき、図4乃至図6を参照してその基本原理
を説明する。図4(A)は、先に説明した図2と同様、
テープ走行系の要部を図3における90度の方向から見
た正面図であり、入り口側ガイドローラ13と出口側ガ
イドローラ14の双方の高さ調整が適正になされた標準
装置の状態を示す。また、図4(B)乃至(C)、図5
(D)乃至(F)、図6(G)乃至(I)は、入り口側
ガイドローラ13と出口側ガイドローラ14の一方又は
両方の高さ調整不良装置の状態を、上ドラム10a、傾
斜ポール1,2、ポールベース15,16等を省略して
示す正面図である。また、図4(A)乃至(C)、図5
(D)乃至(F)、図6(G)乃至(I)の各態様で記
録された磁気テープを各ガイドローラ13,14の高さ
が適正に調整された標準装置で再生した場合の1フィー
ルド期間における再生FM波形の代表例を各図の右側
に、図4(a)乃至(c)、図5(d)乃至(f)、図
6(g)乃至(i)として、それぞれ示す。
【0024】[標準装置]図4(A)は、上にも述べた
とおり、入り口側ガイドローラ13と出口側ガイドロー
ラ14の双方の高さ調整が適正になされた標準装置の状
態を示しており、磁気テープTはその下端縁Tbが下ド
ラム10bに形成されたリード12に沿って案内される
とともに、その上端縁Taは各ガイドローラ13,14
の上フランジ13a,14aによって規制されてその幅
方向の変形等を受けることなく理想的な状態で走行して
いる態様を示す。従って、斯かる状態で走行しながら記
録された磁気テープTは、これを他の標準装置で再生し
た場合、図4(a)に示す如き平坦な再生FM波形が得
られることになり、互換再生上問題はない。
【0025】[調整不良装置i ]次に、図4(B)は、
入り口側ガイドローラ13と出口側ガイドローラ14の
双方の高さがテープガイドドラム10に対して、矢印A
R1,AR2で示すように略々等量だけ高めに設定され
た調整不良装置i の状態を示している。この状態では、
磁気テープTはその下端縁Tbが各ガイドローラ13,
14の下フランジ13b,14bによって持ち上げられ
ることによって、テープガイドドラム10への入り口部
I(図3の略0度位置)近傍と出口部O(図3の略18
0度位置)近傍でリード12から浮き上がって走行する
状態となる。このような状態で走行しながら記録された
磁気テープTはトラック曲がりを生じ、その曲がりの程
度が、1フィールド期間でちょうど1トラック幅に相当
するような場合には、該磁気テープTを標準装置で再生
すると、図4(b)に示すような中央の振幅が大きく両
端の振幅が小さい所謂団子状のFM波形又は、磁気ヘッ
ドと曲がりトラックの位相関係よっては、これと逆に中
央の振幅が小さく両端の振幅が大きい鼓状のFM波形
(図示せず)として再生されることになり、画面の上下
又は中央にノイズが発生することが避けられない。しか
しながら、このような問題は、図4(B)の如き調整不
良装置i によって記録された磁気テープTを標準装置で
再生する所謂互換再生の場合に生じる問題であって、該
磁気テープTを図4(B)の調整不良装置i 自体で再生
する所謂自己録再生においては、斯かる問題を生ずるこ
となく図4(a)に示す如き平坦なFM波形が得られる
のが一般的である。これは、同一装置であれば、記録時
と再生時とで、磁気テープTは基本的に同様の走行態様
を示すと考えられるからである。本発明は、この点に着
目してなされたものである。即ち、本発明に係る磁気記
録再生装置では、図4(B)の如き調整不良装置i によ
って記録された磁気テープTを再生する場合には、テー
プガイドドラム10を矢印AR3のように下方に変位さ
せることによって、テープガイドドラム10と各ガイド
ローラ13,14との相対的な位置関係を該調整不良装
置i におけるそれと大略同様なものとし、該調整不良装
置i における磁気テープTの走行状態と実質的に等価な
走行状態を実現するものである。なお、ここで説明し
た、トラック曲がりを有する磁気テープの互換再生では
画面内にノイズが発生し、自己録再生では、比較的トラ
ック曲がりの程度が大きい場合でも、平坦なFM再生波
形が得られるという点に関しては、以下に順に示す調整
不良装置ii 〜viiiの場合においても同様であるため当
該装置の説明においては言及することを省略する。
【0026】[調整不良装置ii ]図4(C)は、上に
説明した図4(B)の場合とは逆に、入り口側ガイドロ
ーラ13と出口側ガイドローラ14の双方の高さがテー
プガイドドラム10に対して、矢印AR1,AR2で示
すように略々等量だけ僅かに低めに設定された調整不良
装置ii の状態を示している。この状態では、磁気テー
プTはその上端縁Taが各ガイドローラ13,14の上
フランジ13a,14aによって下方に付勢されること
によって、テープガイドドラム10への入り口部I(図
3の略0度位置)近傍と出口部O(図3の略180度位
置)近傍でリード12に押しつけられるとともに中央部
M(図3の略90度位置)ではリード12から浮き上が
って走行する状態となる。このような状態で走行しなが
ら記録された磁気テープTはトラック曲がりを生じ、そ
の曲がりの程度が、1フィールド期間でちょうど1トラ
ック幅に相当するような場合には、該磁気テープTを標
準装置で再生すると、図4(c)に示すような中央の振
幅が大きく両端の振幅が小さい図4(b)と同様な所謂
団子状のFM波形又は、磁気ヘッドと曲がりトラックの
位相関係よっては、これと逆に中央の振幅が小さく両端
の振幅が大きい鼓状のFM波形(図示せず)として再生
されることになり、画面の上下又は中央にノイズが発生
することが避けられない。本発明に係る磁気記録再生装
置では、図4(C)の如き調整不良装置ii によって記
録された磁気テープTを再生する場合には、テープガイ
ドドラム10を矢印AR3のように上方に変位させるこ
とによって、テープガイドドラム10と各ガイドローラ
13,14との相対的な位置関係を該調整不良装置ii
におけるそれと大略同様なものとし、該調整不良装置ii
における磁気テープTの走行状態と実質的に等価な走
行状態を実現するものである。
【0027】[調整不良装置iii ]図5(D)は、テー
プガイドドラム10に対して、入り口側ガイドローラ1
3が矢印AR1で示すように高めに、出口側ガイドロー
ラ14が矢印AR2で示すように僅かに低めに設定され
た調整不良装置iii の状態を示している。この状態で
は、磁気テープTはその下端縁Tbが入り口側ガイドロ
ーラ13の下フランジ13bによって持ち上げられると
ともにその上端縁Taが出口側ガイドローラ14の上フ
ランジ14aによって下方に付勢されることによって、
テープガイドドラム10への入り口部I(図3の略0度
位置)近傍では、リード12から浮き上がった状態とな
り、出口部O(図3の略180度位置)近傍ではリード
12に強圧接した状態で走行する。このような状態で走
行しながら記録された磁気テープTはトラック曲がりを
生じ、その曲がりの程度が、1フィールド期間で1トラ
ック幅程度に相当するような場合には、該磁気テープT
を標準装置で再生すると、典型的には、図5(d)に示
すような中央の振幅が大きく両端にくびれを有したFM
波形として再生されることになり、画面の上部と下部に
ノイズが発生することが避けられない。本発明に係る磁
気記録再生装置では、図5(D)の如き調整不良装置ii
i によって記録された磁気テープTを再生する場合に
は、テープガイドドラム10を紙面内において支点18
の周りに矢印AR4のように反時計方向に回動変位させ
ることによって、テープガイドドラム10と各ガイドロ
ーラ13,14との相対的な位置関係を該調整不良装置
iii におけるそれと大略同様なものとし、該調整不良装
置iii における磁気テープTの走行状態と実質的に等価
な走行状態を実現するものである。なお、この支点18
は、原則的には、図3に示す直線L1 に平行で且つドラ
ム軸11に直交する回動軸を形成するように構成される
べきものであるが、支点18の構成の仕方、即ち、テー
プガイドドラム10の回動軸となるべき直線の選び方
は、これに限定されるものではない。この支点の具体的
な各種の構成方法については、後に示すより具体的な実
施例において更に詳細に説明する。
【0028】[調整不良装置iv]図5(E)は、上に説
明した調整不良装置iii とは逆に、テープガイドドラム
10に対して、入り口側ガイドローラ13が矢印AR1
で示すように僅かに低めに、出口側ガイドローラ14が
矢印AR2で示すように高めに設定された調整不良装置
ivの状態を示している。この状態では、磁気テープTは
その上端縁Taが入り口側ガイドローラ13の上フラン
ジ13aによって下方に付勢されるとともにその下端縁
Tbが出口側ガイドローラ14の下フランジ14bによ
って持ち上げられることによって、テープガイドドラム
10への入り口部I(図3の略0度位置)近傍では、リ
ード12に強圧接した状態となり、出口部O(図3の略
180度位置)近傍ではリード12から浮き上がった状
態で走行する。このような状態で走行しながら記録され
た磁気テープTはトラック曲がりを生じ、その曲がりの
程度が、1フィールド期間で1トラック幅程度に相当す
るような場合には、該磁気テープTを標準装置で再生す
ると、典型的には、図5(e)に示すような中央がくび
れた瓢箪型のFM波形として再生されることになり、画
面の上部と下部にノイズが発生することが避けられな
い。本発明に係る磁気記録再生装置では、図5(E)の
如き調整不良装置ivによって記録された磁気テープTを
再生する場合には、テープガイドドラム10を紙面内に
おいて支点18の周りに矢印AR4のように時計方向に
回動変位させることによって、テープガイドドラム10
と各ガイドローラ13,14との相対的な位置関係を該
調整不良装置ivにおけるそれと大略同様なものとし、該
調整不良装置ivにおける磁気テープTの走行状態と実質
的に等価な走行状態を実現するものである。
【0029】[調整不良装置v ]図5(F)は、テープ
ガイドドラム10に対して、入り口側ガイドローラ13
と出口側ガイドローラ14の両者がそれぞれ矢印AR
1、矢印AR2で示すように2:1の割合で何れも高め
に設定された調整不良装置v の状態を示している。この
状態では、磁気テープTはその下端縁Tbが入り口側ガ
イドローラ13の下フランジ13bと出口側ガイドロー
ラ14の下フランジ14bによって持ち上げられること
によって、テープガイドドラム10への該磁気テープT
の巻き付け範囲の全域(入り口部Iから出口部O)に亘
ってリード12から浮き上がるとともにリード12に対
して傾きを持った状態で走行する。このような状態で走
行しながら記録された磁気テープTはトラック曲がりを
生じ、その曲がりの程度が、1フィールド期間で1トラ
ック幅程度に相当するような場合には、該磁気テープT
を標準装置で再生すると、典型的には、図5(f)に示
すようなくびれ有したFM波形として再生されることに
なり、画面の上部にノイズが発生することが避けられな
い。本発明に係る磁気記録再生装置では、図5(F)の
如き調整不良装置v によって記録された磁気テープTを
再生する場合には、テープガイドドラム10を紙面内に
おいて支点18の周りに矢印AR4のように反時計方向
に回動変位させるとともに矢印AR3のように下方に変
位させることによって、テープガイドドラム10と各ガ
イドローラ13,14との相対的な位置関係を該調整不
良装置v におけるそれと大略同様なものとし、該調整不
良装置v における磁気テープTの走行状態と実質的に等
価な走行状態を実現するものである。
【0030】[調整不良装置vi]図6(G)は、上に説
明した調整不良装置v とは逆に、テープガイドドラム1
0に対して、入り口側ガイドローラ13と出口側ガイド
ローラ14の両者がそれぞれ矢印AR1、矢印AR2で
示すように1:2の割合で何れも高めに設定された調整
不良装置viの状態を示している。この状態では、磁気テ
ープTはその下端縁Tbが入り口側ガイドローラ13の
下フランジ13bと出口側ガイドローラ14の下フラン
ジ14bによって持ち上げられることによって、テープ
ガイドドラム10への該磁気テープTの巻き付け範囲の
全域(入り口部Iから出口部O)に亘ってリード12か
ら浮き上がるとともにリード12に対して調整不良装置
v とは逆の傾きを持った状態で走行する。このような状
態で走行しながら記録された磁気テープTはトラック曲
がりを生じ、その曲がりの程度が、1フィールド期間で
1トラック幅程度に相当するような場合には、該磁気テ
ープTを標準装置で再生すると、典型的には、図6
(g)に示すようなくびれを有したFM波形として再生
されることになり、画面の下部にノイズが発生すること
が避けられない。本発明に係る磁気記録再生装置では、
図6(G)の如き調整不良装置viによって記録された磁
気テープTを再生する場合には、テープガイドドラム1
0を紙面内において支点18の周りに矢印AR4のよう
に時計方向に回動変位させるとともに矢印AR3のよう
に下方に変位させることによって、テープガイドドラム
10と各ガイドローラ13,14との相対的な位置関係
を該調整不良装置viにおけるそれと大略同様なものと
し、該調整不良装置viにおける磁気テープTの走行状態
と実質的に等価な走行状態を実現するものである。
【0031】[調整不良装置vii]図6(H)は、テー
プガイドドラム10に対して、出口側ガイドローラ14
の高さは適正に調整されているが、入り口側ガイドロー
ラ13が矢印AR1で示すように僅かに低めに設定され
た調整不良装置viiの状態を示している。この状態で
は、磁気テープTはその上端縁Taが入り口側ガイドロ
ーラ13の上フランジ13aによって下方に付勢されテ
ープガイドドラム10への入り口部I(図3の略0度位
置)近傍では、リード12に強圧接した状態で走行す
る。このような状態で走行しながら記録された磁気テー
プTはトラック曲がりを生じ、その曲がりの程度が、1
フィールド期間で1トラック幅程度に相当するような場
合には、該磁気テープTを標準装置で再生すると、典型
的には、図6(h)に示すようなくびれを有したFM波
形として再生されることになり、画面の上部にノイズが
発生することが避けられない。本発明に係る磁気記録再
生装置では、図6(H)の如き調整不良装置viiによっ
て記録された磁気テープTを再生する場合には、テープ
ガイドドラム10を紙面内において支点18の周りに矢
印AR4のように時計方向に回動変位させるとともに矢
印AR3のように上方に変位させることによって、テー
プガイドドラム10と各ガイドローラ13,14との相
対的な位置関係を該調整不良装置viiにおけるそれと大
略同様なものとし、該調整不良装置viiにおける磁気テ
ープTの走行状態と実質的に等価な走行状態を実現する
ものである。
【0032】[調整不良装置viii]図6(I)は、上に
説明した調整不良装置viiとは逆に、テープガイドドラ
ム10に対して、入り口側ガイドローラ13の高さは適
正に調整されているが、出口側ガイドローラ14が矢印
AR2でしめすように僅かに低めに設定された調整不良
装置viiiの状態を示している。この状態では、磁気テー
プTはその上端縁Taが出口側ガイドローラ14の上フ
ランジ14aによって下方に付勢されテープガイドドラ
ム10への出口部O(図3の略180度位置)近傍で
は、リード12に強圧接した状態で走行する。このよう
な状態で走行しながら記録された磁気テープTはトラッ
ク曲がりを生じ、その曲がりの程度が、1フィールド期
間で1トラック幅程度に相当するような場合には、該磁
気テープTを標準装置で再生すると、典型的には、図6
(i)に示すようなくびれを有したFM波形として再生
されることになり、画面の下部にノイズが発生すること
が避けられない。本発明に係る磁気記録再生装置では、
図6(I)の如き調整不良装置viiiによって記録された
磁気テープTを再生する場合には、テープガイドドラム
10を紙面内において支点18の周りに矢印AR4のよ
うに反時計方向に回動変位させるとともに矢印AR3の
ように上方に変位させることによって、テープガイドド
ラム10と各ガイドローラ13,14との相対的な位置
関係を該調整不良装置viiiにおけるそれと大略同様なも
のとし、該調整不良装置viiiにおける磁気テープTの走
行状態と実質的に等価な走行状態を実現するものであ
る。
【0033】以上説明したように、本発明の磁気記録再
生装置は、何らかの理由により、入り口側ガイドローラ
13と出口側ガイドローラ14の何れか一方又は双方の
高さが所定の適正な高さからズレた調整不良装置によっ
て曲がりトラックが記録された磁気テープTを互換再生
するに際して、テープガイドドラム10の姿勢を制御す
ることにより、テープガイドドラム10と各ガイドロー
ラ13,14とも相対的な位置関係を当該調整不良装置
のそれと大略同様なものとし、当該調整不良装置におけ
る磁気テープTの走行状態と実質的に等価な走行状態を
実現するものである。
【0034】なお、ここでは、ガイドローラ13,14
の高さ調整不良について、考えられる全ての態様ににつ
いて説明したが、本願発明者等の調査によれば、実際的
にはこれらのガイドローラ13,14が本来設定される
べき基準の高さより低めに調整設定されるケースは稀で
あり、ほとんどの場合は、基準の高さより高めに調整設
定されている。また、稀に、ガイドローラ13,14が
本来設定されるべき基準の高さより高めに調整設定され
ている場合でも、その基準の高さからのズレの程度は極
めて小さい。この理由は、製造工程(一般に互換調整と
呼ばれる。)における、ガイドローラ13,14の高さ
調整の実際の作業を考えれば容易に理解される。すなわ
ち、この互換調整は、テストテープ(調整工程用に特別
に作製されたトラック曲がりの少ない記録済みの磁気テ
ープ)を走行させて、その際の再生FM波形を観察しな
がら、再生FM波形が平坦な状態になるようにガイドロ
ーラ13,14の細目ネジをポールベース15,16に
螺合して高さが調整される。従って、仮に、ガイドロー
ラ14が基準の高さより低くなると、磁気テープTはリ
ード12とガイドローラ14の上フランジ14aとによ
り挟み込まれて直ちに変形を受けることになり、再生F
M波形は平坦な状態から敏感に変化し、調整作業者はガ
イドローラ14が低過ぎることを容易に認知することが
できるが、これとは反対に、ガイドローラ14の高さが
基準の高さより高い場合は、その下フランジ14bによ
って磁気テープTの下端縁Tbが若干持ち上げられたと
しても、FM再生波形はあまり敏感には変化しないた
め、調整作業者はガイドローラ14が高過ぎることを必
ずしも容易に認知することができないからである。
【0035】なお、このようなテープガイドドラム10
の姿勢制御を自動的に行うためには、調整不良装置によ
って記録された磁気テープTを走行させながらテープガ
イドドラム10を支点18の周りに所定範囲で回動せし
めるとともに上下方向に所定範囲で変位せしめ、その際
のFM再生波形が平坦になる姿勢を求めるようにすれば
よい。また、この際、各種のトラック曲がり態様とそれ
らを標準装置で再生した場合に得られるFM再生波形
(例えば図4(a)乃至(c)、図5(d)乃至
(f)、図6(g)乃至(i))との対応を予め求めて
おき、本発明の磁気記録再生装置のテープガイドドラム
10を標準装置の状態(図2に示すように垂直線Zに対
して角度φ傾斜した状態)として再生して得られたFM
再生波形と比較することにより、テープガイドドラム1
0を回動又は変位すべき方向を求めるようにしてもよ
い。
【0036】(第1実施例)次に、テープガイドドラム
10の姿勢を制御するための具体的な構成についての第
1実施例を図7乃至図13を参照して説明する。図7
は、第1実施例における、テープガイドドラム10の姿
勢制御の態様を三角図法的に示す模式図であり、同図
(a)は、ドラム軸11の方向から見た平面図を示す。
また、同図(b)は、90度の方向から見た正面図、同
図(c)は180度の方向からみた側面図をそれぞれ示
す。先ず、同図を参照して、本実施例におけるテープガ
イドドラム10の姿勢制御の概要を説明する。
【0037】本実施例においては、上ドラム10aと下
ドラム10bとからなるテープガイドドラム10は、図
7(b)に示すように、装置の図示しないシャーシに固
定されたドラムベース17と下ドラム10bとの間に設
けられた支点18によって形成される直線L3 (紙面に
垂直で直線L1 に平行)を回動軸とした回動による第1
の姿勢制御と、図7(c)に示すように、ドラムベース
17に対してテープガイドドラム10を大略ドラム軸1
1の方向に上下する第2の姿勢制御とが行われる。すな
わち、ドラムベース17と下ドラム10bの間の180
度の方向には、テープガイドドラム10を支点18の周
りに反時計方向に回動付勢する付勢手段21が設けられ
ており、これと対向した0度の方向には矢印AR5のよ
うに上下方向に変位する駆動手段22がドラムベース1
7に設けられている。従って、駆動手段22が上方に変
位するとテープガイドドラム10は、付勢手段21の付
勢力に抗して矢印AR6のように時計方向に回動し、反
対に、駆動手段22が下方に変位するとテープガイドド
ラム10は、付勢手段21の付勢力により矢印AR7の
ように反時計方向に回動して第1の姿勢制御が行われ
る。
【0038】また、ドラムベース17には、駆動手段2
2とは別にこれと独立してテープガイドドラム10に作
用する少なくも3個の駆動手段23,24,25が設け
られており、図7(c)中、矢印AR8のように同時に
上下に変位する。従って、駆動手段23,24,25が
上方に変位すると、テープガイドドラム10も大略ドラ
ム軸11に沿って上方に変位し、逆に、駆動手段23,
24,25が下方に変位するとテープガイドドラム10
も大略ドラム軸11に沿って下方に変位して第2の姿勢
制御が行われる。
【0039】次に、これらの第1の姿勢制御と第2の姿
勢制御とを実現する具体的な機構について更に説明す
る。図8、図9は、本実施例におけるテープガイドドラ
ム10及びその周辺の構成を示す断面図であり、図8
(a)は、図3においてドラム軸11の軸心を通り90
度−270度方向を結ぶ直線(L1 )に沿って切断した
90度−270度断面図(以下、ドラム軸11の軸心を
通り特定の方向を結ぶ直線に沿って切断した断面図を二
つの方向を対にして同様に表現する。なお、先に特定し
た方向(図8(a)の例では、90度)が紙面内で左方
に対応するものとする。)、図8(b)は0度−180
度断面図、図9は30度−210度断面図をそれぞれ示
す。また、図10、図11は、本実施例の磁気記録再生
装置において、第1の姿勢制御又は第2の姿勢制御がな
された一態様のテープガイドドラム10及びその周辺の
構成を示す断面図であり、図10(a)は90度−27
0度断面図、図10(b)は0度−180度断面図、図
11は30度−210度断面図をそれぞれ示す。また、
図12は、本実施例のテープガイドドラム10及びその
周辺の構成を示す斜視図であり、図13は、その要部分
解斜視図である。
【0040】先ず、本実施例をはじめとして以下に順に
説明する第3実施例までに共通のドラム組立体DAの構
成について説明する。ドラム組立体DAは、図8又は図
9に示すように、大略ドラム軸11に同軸に支持された
下ドラム10bと上ドラム10aとからなるテープガイ
ドドラム10と、ドラムモータ19とから構成されてい
る。すなわち、その外周面に磁気テープ摺接面10b-1
とリード12とが形成された下ドラム10bにはドラム
軸11が圧入されており、ドラム軸11の上方には磁気
ヘッドHa,Hbを搭載した上ドラム10aがベアリン
グ26,27を介してドラム軸11の周りに回転可能に
取り付けられている。19はロータ19aとステータ1
9bとからなるドラムモータであり、ロータ19aは、
ネジ28,29等により上ドラムに固定され、ステータ
19bはカラー30を介してセットスクリュー31によ
りドラム軸11に固定されている。また、32は上ドラ
ム10aに取り付けられて上ドラム10aと一体に回転
する回転トランスであり、下ドラム10bに固定された
回転トランス33との間で信号の授受を行う。なお、3
4は、回転トランス33から引き出されたリード線であ
る。
【0041】そして、斯かる構成のドラム組立体DAは
その全体が、装置の図示しないシャーシに固定されたド
ラムベース17上にサブベース41を介して載置され
る。ドラムベース17には、図13に示すように、3箇
所にネジ孔35,36,37が形成されており、これら
のネジ孔35,36,37にはギア付きスクリュー3
8,39,40がそれぞれ螺合して、ドラムベース17
の面17aから突出してサブベース41を3点で支持し
ている。また、ドラムベース17の裏面には、複数本の
スタッド42(図9参照)が植設されており、これらの
スタッド42はリング状ギア43を回転可能な状態で支
持している。このリング状ギア43は、ギア付きスクリ
ュー38,39,40のギアと噛合するとともにモータ
44のピニオンと噛合している。従って、モータ44の
回転によりリング状ギア43が回転駆動されると、3本
のギア付きスクリュー38,39,40は同期して上昇
又は下降する。
【0042】サブベース41の90度の方向と270度
の方向には、支点ピン45,46が圧入植設されてい
る。支点ピン45,46は、上方凸部45a,46a、
スペーサ部45b,46b、下方凸部45c,46cか
らそれぞれ構成されており、スペーサ部45b,46b
がサブベース41の面41aに当接する位置まで下方凸
部45c,46cが圧入されている。サブベース41か
ら下方に突出した支点ピン45,46の下方凸部45
c,46cは、ドラムベースの90度の方向と270度
の方向に形成された貫通孔47,48に摺動自在に嵌合
してサブベース41の回転方向の位置決めをする。ま
た、サブベース41の中央開口41bの周りに形成され
た円環状部41cの外周面は、ドラムベース17の中央
開口17bに摺動自在に嵌合している。
【0043】下ドラム10bの底面には90度と270
度の方向にそれぞれ孔49,50が形成されており、こ
れらの孔49,50には、支点ピン45,46の上方凸
部45a,46aがそれぞれ嵌合して上方凸部45a,
46aを結ぶ直線L3 の周りにドラム組立体DAの回動
軸を構成する。すなわち、孔49,50と支点ピン4
5,46の上方凸部45a,46aとは、若干のクリア
ランスをもってそれぞれ嵌合するとともに、下ドラム1
0bとサブベース41とは、支点ピン45,46のスペ
ーサ部45b,46bによって所定の間隔だけ隔てられ
ており、斯かる構成よって、ドラム組立体DAは直線L
3 の周りに回動する自由度を与えられている。また、サ
ブベース41の0度の方向には、ネジ孔51が設けられ
ており、このネジ孔51には、ドラムベース17の孔5
2を貫通してギア付きスクリュー53が螺合しており、
ギア付きスクリュー53のギアにはモータ54のピニオ
ンが噛合している。従って、モータ54の回転によりギ
ア付きスクリュー53は上昇又は下降する。
【0044】一方、下ドラム10bの中央凸部55はサ
ブベース41の中央開口41bに貫入しており、その底
面にネジ止めされた板バネ56の腕部56a,56b,
56cがドラムベース17の裏面に当接することにより
ドラム組立体DAを下方に付勢している。なおここで、
板バネ56の腕部56b,56cは90度と270度の
方向に対応しており、ドラム組立体DAを主に下方に付
勢する作用をなす。また、腕部56aは0度の方向に対
応しており、図8(b)中、直線L3 を回動軸としてド
ラム組立体DAを主に反時計方向に回動付勢する作用を
なすものである。
【0045】次に、以上のようにドラムベース17上に
構成されたドラム組立体DA、即ち、テープガイドドラ
ム10の第1、第2の姿勢制御について図10、図11
を参照して説明する。なお、図10(b)は、第1の姿
勢制御によりテープガイドドラム10が直線L3 を回動
軸として時計方向に回動した状態を示し、図10(a)
は、第2の姿勢制御によりテープガイドドラム10が下
方に変位した状態を示す。直線L3 を回動軸にして、テ
ープガイドドラム10を回動する第1の姿勢制御は、モ
ータ54によりギア付きスクリュー53を、図10
(b)中、上下に変位させることによって行う。同図に
示すようにギア付きスクリュー53が上方に変位する
と、テープガイドドラム10は、板バネ56の腕部56
aによる反時計方向の回動付勢力に抗して時計方向に回
動傾斜する。また、逆にギア付きスクリュー53が下方
に変位すると、テープガイドドラム10は、板バネ56
の腕部56aによる反時計方向の回動付勢力により反時
計方向に回動傾斜する。
【0046】第2の姿勢制御は、モータ44によりリン
グ状ギア43を回転駆動し、3本のギア付きスクリュー
38,39,40を、図11中、上下に変位させること
によって行う。同図に示すようにギア付きスクリュー3
8,39,40が同時に下方に変位すると、板バネ56
の腕部56b,56cの付勢力によりサブベース41が
下降するためテープガイドドラム10も下降する。ま
た、逆にギア付きスクリュー38,39,40が同時に
上方に変位すると、板バネ56の腕部56b,56cの
付勢力に抗して、サブベース41が上昇するためテープ
ガイドドラム10も上昇する。
【0047】(第2実施例)次に、テープガイドドラム
10の姿勢を制御するための具体的な構成についての第
2実施例を図14乃至図18を参照して説明する。図1
4は、第2実施例における、テープガイドドラム10の
姿勢制御の態様を三角図法的に示す模式図であり、同図
(a)は、ドラム軸11の方向から見た平面図を示す。
また、同図(b)は、90度の方向から見た正面図、同
図(c)は180度の方向からみた側面図をそれぞれ示
す。先ず、同図を参照して、本実施例におけるテープガ
イドドラム10の姿勢制御の概要を説明する。本実施例
においては、第1の姿勢制御は、図14(b)に示すよ
うに、装置の図示しないシャーシに固定されたドラムベ
ース17と下ドラム10bとの間に設けられた支点18
によって形成される直線L3 (紙面に垂直で直線L1 に
平行)を回動軸としてテープガイドドラム10を回動す
ることによって行われる。この点は上に説明した第1実
施例と同様である。一方、第2の姿勢制御は、図14
(c)に示すように、ドラムベース17と下ドラム10
bとの間に設けられた支点57によって形成される直線
L4 (直線L3 と互いに直角をなす。)を回動軸として
テープガイドドラム10を回動することによって行われ
る。
【0048】すなわち、ドラムベース17と下ドラム1
0bの間の180度の方向には、テープガイドドラム1
0を支点18の周りに反時計方向に回動付勢する付勢手
段21が設けられており、これと対向した0度の方向に
は矢印AR5のように上下方向に変位する駆動手段22
がドラムベース17に設けられている。従って、駆動手
段22が上方に変位するとテープガイドドラム10は、
付勢手段21の付勢力に抗して矢印AR6のように時計
方向に回動し、反対に、駆動手段22が下方に変位する
とテープガイドドラム10は、付勢手段21の付勢力に
より矢印AR7のように反時計方向に回動して第1の姿
勢制御が行われる。
【0049】また、ドラムベース17と下ドラム10b
の間の90度の方向には、テープガイドドラム10を支
点57の周りに時計方向に回動付勢する付勢手段59が
設けられており、これと対向した270度の方向には矢
印AR5のように上下方向に変位する駆動手段58がド
ラムベース17に設けられている。従って、駆動手段5
8が上方に変位するとテープガイドドラム10は、付勢
手段59の付勢力に抗して矢印AR7のように反時計方
向に回動し、反対に、駆動手段58が下方に変位すると
テープガイドドラム10は、付勢手段59の付勢力によ
り矢印AR6のように時計方向に回動して第2の姿勢制
御が行われる。このように、本実施例においては、第2
の姿勢制御は支点57によって構成される直線L4 (直
線L3 と互いに直角をなす。)を回動軸としてテープガ
イドドラム10を回動することによって行われる。第2
の姿勢制御は、本実施例のように支点57によって構成
される直線L4 を回動軸としてテープガイドドラム10
を回動することによっても同様の効果が得られることを
本願発明者等は確認している。これは、直線L4 を回動
軸としたテープガイドドラム10の回動によって、各ガ
イドローラ13,14に対するテープガイドドラム10
の実質的な高さの変化が生じることによるものと考えら
れる。このように、第2の姿勢制御を支点57によって
構成される直線L4 を回動軸とした回動動作によって行
うことにより、姿勢制御のための機構を簡略化できる利
点がある。すなわち、第1実施例のように、テープガイ
ドドラム10をドラム軸11の方向に全体として上下に
駆動する構成では、3個の駆動手段23,24,25が
必要であり、且つこれら3個の駆動手段23,24,2
5を同期して駆動制御すること等が必要になるが、本実
施例の構成では、回動軸を支点57によって構成し、駆
動手段58と付勢手段59を設けるだけでよいのであ
る。
【0050】次に、このような回動によって第2の姿勢
制御が可能となることについての考えられる理由及び可
能な回動軸の設定範囲を図49乃至図52を参照して更
に補足説明する。図49(a),(b)、図50
(c),(d)、図51(e),(f)、図52
(g),(h)は、ドラムベース17を省略し、テープ
ガイドドラム10と出口側ガイドローラ14とを180
度の方向からみた状態を模式的に示す側面図である。こ
こで、図49(a),(b)は、先に説明した図4
(A),(B)にそれぞれ対応する図であり、図50
(c),(d)、図51(e),(f)、図52
(g),(h)は、回動動作による第2の姿勢制御のた
めの支点即ち回動軸の設定可能な範囲を説明するための
図である。なお、ガイドローラ13,14の高さの調整
不良の態様は、先にも説明した通り、ほとんどの場合、
基準の高さより高く設定されるものであるため、図50
乃至図52は、両ガイドローラ13,14が基準の高さ
よりも等量だけ高めに設定された不良装置によって記録
された磁気テープTを第2の姿勢制御(回動動作)によ
って互換再生する態様を示す。
【0051】図49(a)は、先に説明した図4(A)
に対応しており、各ガイドローラ13,14の高さ調整
が適正になされた標準装置の状態を示しており、磁気テ
ープTはその下端縁Tbが下ドラム10bに形成された
リード12に沿って案内されるとともに、その上端縁T
aはガイドローラ13,14の上フランジ13a,14
aによって規制されてその幅方向の変形等を受けること
なく理想的な状態で走行している態様を示す。図49
(b)は、先に説明した図4(B)に対応しており、入
り口側ガイドローラ13と出口側ガイドローラ14の双
方の高さがテープガイドドラム10に対して、等量だけ
高めに設定された調整不良装置i によって記録されたト
ラック曲がりを有する磁気テープTを互換再生するため
に、テープガイドドラム10を全体として2点鎖線で示
す位置から実線で示す位置へ下方に変位せしめて第2の
姿勢制御を行った状態を示す。
【0052】この状態では、図4(B)及び図49
(b)に示すように、入り口部Iと出口部Oでは、磁気
テープTの下端縁Tbとリード12とは離間し、中央部
Mでは、リード12に摺接又は近接した状態で磁気テー
プTは走行する。すなわち、この状態は、調整不良装置
i による自己録再生における磁気テープTの走行状態と
実質的に等価なものとなるのである。図50(c)は、
下ドラム10bの90度の位置に支点57を配置して、
直線L(紙面に垂直)を回動軸としてテープガイドドラ
ム10を回動自在に支持し、2点鎖線で示す位置から実
線で示す位置へ時計方向に回動せしめて第2の姿勢制御
を行った状態を示す。
【0053】この状態では、中央部Mにおけるリード1
2はほぼ支点57上であるためその高さはほとんど変化
せず、この中央部Mでは、磁気テープTの下端縁Tbは
リードに摺接して走行する。他方、支点57から離れた
位置にある入り口部Iと(図示せず)と出口部Oは、下
方に変位する。このとき、出口部O近傍における磁気テ
ープTはガイドローラ13,14の下フランジ13b,
14bによってその下端縁Tbが規制されるため、入り
口部Iの近傍及び出口部Oの近傍では磁気テープTの下
端縁Tbとリード12とが離間した状態で磁気テープT
は走行する。すなわち、この状態は、調整不良装置i に
よる自己録再生における磁気テープTの走行状態と実質
的に等価なものとなるのである。
【0054】図50(d)は、上に説明した図50
(c)の支点位置を図中右方に移動して、下ドラム10
bの0度−180度を結ぶ直線L(紙面に垂直でドラム
軸11に直交)が回動軸となるように支点57を配置し
て、テープガイドドラム10を回動自在に支持し、2点
鎖線で示す位置から実線で示す位置へ時計方向に回動せ
しめて第2の姿勢制御を行った状態を示す。この状態で
は、中央部Mにおけるリード12は上方に変位し、これ
によって磁気テープTもガイドローラ13,14の中央
部M寄りの部分が全体として上方に持ち上げられること
になり、この中央部Mでは、磁気テープTの下端縁Tb
はリードに摺接して走行する。他方、リード12の入り
口部Iと(図示せず)と出口部Oは、ほぼ支点57上に
あるためその高さはほとんど変化せず、入り口部Iの近
傍及び出口部Oの近傍では磁気テープTの下端縁Tbと
リード12とが離間した状態で磁気テープTは走行す
る。すなわち、この状態は、調整不良装置i による自己
録再生における磁気テープTの走行状態と実質的に等価
なものとなるのである。
【0055】図51(e)は、上に説明した図50
(d)の支点位置を図中更に右方に移動して、直線L
(紙面に垂直)が回動軸となるように支点57を配置し
て、テープガイドドラム10を回動自在に支持し、2点
鎖線で示す位置から実線で示す位置へ時計方向に回動せ
しめて第2の姿勢制御を行った状態を示す。この状態で
も、上に述べた図50(d)の場合と同様にして、中央
部Mでは、磁気テープTの下端縁Tbはリードに摺接し
て走行し、入り口部Iの近傍及び出口部Oの近傍では磁
気テープTの下端縁Tbとリード12とが離間した状態
で磁気テープTは走行することになり、結局、調整不良
装置i による自己録再生における磁気テープTの走行状
態と実質的に等価なものとすることができる。図51
(f)、図52(g)、図52(h)は、上に説明した
図51(e)の支点位置を図中更に順次右方に移動し
て、直線L(紙面に垂直)が回動軸となるように支点5
7を配置して、テープガイドドラム10を回動自在に支
持し、2点鎖線で示す位置から実線で示す位置へ時計方
向に回動せしめた状態を示す。
【0056】これらの状態では、回動軸となる直線L
は、図中、ガイドローラ13,14の位置に略一致した
位置又はガイドローラ13,14よりも右方に存在する
ため、時計方向の回動動作に際し、リード12の入り口
部I、中央部M、出口部Oは、いずれも磁気テープTの
下端縁Tbに摺接した状態が維持されることになり、調
整不良装置i による自己録再生における磁気テープTの
走行状態と実質的に等価なものとすることができない。
従って、ここで説明したようなテープガイドドラム10
とガイドローラ13,14との位置関係の場合、第2の
姿勢制御のための回動軸の許容される存在範囲は、大
略、図50(c)から図51(e)に示す範囲である。
なお、テープガイドドラム10とガイドローラ13,1
4との位置関係がより離れている構成の磁気記録再生装
置、例えば、図51(f)、図52(g),(h)等に
おいて、ガイドローラ14が、テープガイドドラム10
より右方に配置された構成の磁気記録再生装置では、こ
れらの図に示す回動軸の配置でも第2の姿勢制御が可能
である。
【0057】次に、これらの第1の姿勢制御と第2の姿
勢制御とを実現する具体的な機構について更に説明す
る。図15、図16は、本実施例におけるテープガイド
ドラム10及びその周辺の構成を示す断面図であり、図
15(a)は、90度−270度断面図、図15(b)
は0度−180度断面図、図16は45度−135度断
面図をそれぞれ示す。また、図17は、本実施例の磁気
記録再生装置において、第1の姿勢制御又は第2の姿勢
制御がなされた一態様のテープガイドドラム10及びそ
の周辺の構成を示す断面図であり、図17(a)は90
度−270度断面図、図17(b)は0度−180度断
面図をそれぞれ示す。また、図18は、本実施例のテー
プガイドドラム10及びその周辺の構成を示す要部分解
斜視図である。なお、ドラム組立体DAの構成は上で説
明した第1実施例の場合と同様であるから説明を省略す
る。
【0058】ドラム組立体DAはその全体が、装置の図
示しないシャーシに固定されたドラムベース17上にサ
ブベース41を介して載置される。ドラムベース17に
は、図15又は図18に示すように、0度の方向に凸状
支点60と孔52が、180度の方向には凸状支点61
が、90度の方向には貫通孔47とネジ孔62が、27
0度の方向には貫通孔48がそれぞれ形成されている。
また、ドラムベース17の下方には、ネジ孔62に螺合
しその先端がドラムベース17の面17aから突出して
サブベース41に当接するギア付きスクリュー63が設
けられており、このギア付きスクリュー63は、モータ
64によって駆動されて、図15(a)中、上昇又は下
降する。
【0059】サブベース41の90度の方向と270度
の方向には、第1実施例において説明したものと同様の
支点ピン45,46が同様の態様で圧入植設されてい
る。サブベース41から下方に突出した支点ピン45,
46の下方凸部45c,46cは、ドラムベースの貫通
孔47,48に摺動自在に嵌合してサブベース41の回
転方向の位置決めをする。なお、支点ピン45,46の
下方凸部45c,46cと貫通孔47,48との嵌合ク
リアランスは、後に説明するように、凸状支点60,6
1を結ぶ直線L4 を回動軸としたサブベース41の所定
範囲の回動を許容する程度に設定される。また、サブベ
ース41の中央開口41bの周りに形成された円環状部
41cの外周面は、ドラムベース17の中央開口17b
に摺動自在に嵌合している。この円環状部41cとドラ
ムベース17の中央開口17bとの嵌合も、直線L4 を
回動軸としたサブベース41の所定範囲の回動を許容す
る程度に設定される。
【0060】また、ドラムベース17の下方には、ドラ
ムベース17の孔52を貫通してネジ孔51に螺合しそ
の先端がサブベース41の面41aから突出して下ドラ
ム10bの底面に当接するギア付きスクリュー53が設
けられており、このギア付きスクリュー53は、モータ
54によって駆動されて、図15(b)中、上昇又は下
降する。下ドラム10bの底面には90度と270度の
方向にそれぞれ孔49,50が形成されており、これら
の孔49,50には、支点ピン45,46の上方凸部4
5a,46aがそれぞれ嵌合して上方凸部45a,46
aを結ぶ直線L3 の周りにドラム組立体DAの回動軸を
構成する点は、第1実施例の場合と同様である。また、
第1実施例と同様、下ドラム10bの中央凸部55はサ
ブベース41の中央開口41bに貫入しており、その底
面にネジ止めされた板バネ56の腕部56a,56b,
56cがドラムベース17の裏面に当接することにより
ドラム組立体DAを下方に付勢している。
【0061】本実施例では、更にサブベース41に形成
された円環状部41cの底面にも板バネ65がネジ止め
されており、その腕部65a,65b,65cがドラム
ベース17の裏面に当接することによりサブベース41
を下方に付勢している。なおここで、板バネ65の腕部
65a,65cは0度と180度の方向に対応してお
り、サブベース41を主に下方に付勢する作用をなす。
また、腕部65bは90度の方向に対応しており、図1
5(a)中、直線L4を回動軸としてサブベース41を
主に反時計方向に回動付勢する作用をなすものである。
【0062】次に、以上のようにドラムベース17上に
構成されたドラム組立体DA、即ち、テープガイドドラ
ム10の第1、第2の姿勢制御について図17を参照し
て説明する。なお、図17(b)は、第1の姿勢制御に
よりテープガイドドラム10が直線L3 を回動軸として
時計方向に回動した状態を示し、図17(a)は、第2
の姿勢制御によりテープガイドドラム10が直線L4 を
回動軸として時計方向に回動した状態を示す。直線L3
を回動軸にして、テープガイドドラム10を回動する第
1の姿勢制御は、第1実施例の場合と同様であるから説
明を省略する。直線L4 を回動軸にして、サブベース4
1、即ち、テープガイドドラム10を回動する第2の姿
勢制御は、モータ64によりギア付きスクリュー63
を、図15(a)中、上下に変位させることによって行
う。同図に示すようにギア付きスクリュー63が上方に
変位すると、サブベース41は、板バネ65の腕部65
bによる反時計方向の回動付勢力に抗して時計方向に回
動傾斜する。また、逆にギア付きスクリュー63が下方
に変位すると、サブベース41は、板バネ65の腕部6
5bによる反時計方向の回動付勢力により反時計方向に
回動傾斜する。
【0063】次に、上に説明した第2実施例の変形例に
ついて図19乃至図21を参照して説明する。上に説明
した第2実施例では、第1の姿勢制御のための回動軸
は、支点ピン45,46を結ぶ直線L3 のように、ドラ
ム軸11の軸心を通ってドラム軸11に直交し、第2の
姿勢制御のための回動軸(直線L4 )と直交する構成で
あったが、本変形例は、この第1の姿勢制御のための回
動軸の構成を異にするものであり、以下第2実施例との
相違点を中心に説明する。図19は、本変形例における
テープガイドドラム10及びその周辺の構成を示す断面
図であり、図19(a)は、90度−270度断面図、
図19(b)は0度−180度断面図をそれぞれ示す。
また、図20は、本変形例の磁気記録再生装置におい
て、第1の姿勢制御又は第2の姿勢制御がなされた一態
様のテープガイドドラム10及びその周辺の構成を示す
断面図であり、図20(a)は90度−270度断面
図、図20(b)は0度−180度断面図をそれぞれ示
す。また、図21は、本変形例のテープガイドドラム1
0及びその周辺の構成を示す要部分解斜視図である。
【0064】ドラムベース17の面17aの0度の方向
には凸状支点60と孔52が、180度の方向には凸状
支点61と孔101が、90度の方向には凸状支点10
2とネジ孔103と孔104がそれぞれ形成され、更に
面17aの90度と270度の方向には位置決めピン1
05,106がそれぞれ圧入植設されている。サブベー
ス41の0度と180度の方向にはネジ孔51,107
が、90度と270度の方向には貫通孔108,109
がそれぞれ形成されるとともに面41a上の90度、2
50度、290度の各方向には凸状支点110,11
1,112がそれぞれ設けられている。また、面41a
の反対側の面の90度の方向にはタップ穴を有したボス
41dが形成されている。そして、このサブベース41
はその貫通孔108,109がドラムベース17に植設
された位置決めピン105,106と若干のクリアラン
スをもって嵌合するとともにボス41dがドラムベース
17の孔104に遊嵌した状態で、ドラムベース17の
凸状支点60,61,102上に配置されている。この
貫通孔108,109と位置決めピン105,106と
の若干のクリアランスを伴った嵌合により、サブベース
41はその回転方向の位置決めがなされるとともに、凸
状支点60,101を結ぶ直線L4 を回動軸とした回動
動作が許容される構成になっている。
【0065】また、下ドラム10bはその中央凸部55
がサブベース41の中央開口41bとドラムベース17
の中央開口17bに遊嵌した状態でサブベース41の凸
状支点60,61,102上に配置されている。下ドラ
ム10bの底面の90度と270度の方向にそれぞれ形
成された孔49,50には、サブベース41の貫通孔1
08,109を貫通して面41aから突出する位置決め
ピン105,106がそれぞれ所定のクリアランスをも
って嵌合して、下ドラム10bの回転方向の位置決めを
している。この孔49,50と位置決めピン105,1
06との嵌合クリアランスは凸状支点110,111を
結ぶ直線L7 又は凸状支点110,112を結ぶ直線L
8 を回動軸として下ドラム10bの所定範囲の回動動作
が許容される程度に設定される。
【0066】そして、下ドラム10bに圧入されたドラ
ム軸11の下端部には、スプリングホルダ113がセッ
トスクリュー114により固着されており、スプリング
ホルダ113とサブベース41の底面との間にはコイル
スプリング115,116が圧縮された状態で挿入され
ており、下ドラム10bをサブベース41の凸状支点1
10,111,112に押圧付勢している。また更に、
ドラムベース17の孔104を貫通して下方に突出する
サブベース41のボス41dにはネジ117が取り付け
られておりネジ117の座面とドラムベース17との間
にはコイルスプリング118が圧縮された状態で挿入さ
れてサブベース41をドラムベース17の凸状支点6
0,61,102に押圧付勢している。
【0067】一方、ドラムベース17の下方には、ドラ
ムベース17の孔52,101を貫通してサブベース4
1のネジ孔51,107に螺合するギア付きスクリュー
53,119とドラムベース17のネジ孔103に螺合
するギア付きスクリュー63とが設けられており、ギア
付きスクリュー53,119は、モータ54により駆動
され、ギア付きスクリュー63はモータ64により駆動
されて図中上下に変位する構成になっている。なお、ギ
ア付きスクリュー119の駆動用には図示しないモータ
を別に設けてもよいが、モータ54の駆動力を図示しな
いギア等により伝達して、ギア付きスクリュー53と互
いに逆方向に変位させるように構成すれば一つのモータ
で制御可能である。本変形例に関する以下の説明では、
このように、モータ54でギア付きスクリュー53,1
19の双方を駆動する構成として説明する。
【0068】次に、以上のようにドラムベース17上に
構成されたドラム組立体DA、即ち、テープガイドドラ
ム10の第1、第2の姿勢制御について図20を参照し
て説明する。なお、図20(b)は、第1の姿勢制御に
よりテープガイドドラム10が直線L7 を回動軸として
時計方向に回動した状態を示し、図20(a)は、第2
の姿勢制御によりテープガイドドラム10が直線L4 を
回動軸として時計方向に回動した状態を示す。
【0069】直線L7 又は直線L8 を回動軸にして、テ
ープガイドドラム10を回動する第1の姿勢制御は、モ
ータ54によりギア付きスクリュー53,119を、図
20(b)中、上下に変位させることによって行う。同
図に示すようにギア付きスクリュー53が上方に変位し
ギア付きスクリュー119が下方に変位すると、下ドラ
ム10bは凸状支点110,111を結ぶ直線L7 を回
動軸として時計方向に回動傾斜する。また、逆にギア付
きスクリュー53が下方に変位すると、下ドラム10b
は凸状支点110,112を結ぶ直線L8 を回動軸とし
て反時計方向に回動傾斜する。
【0070】直線L4 を回動軸にして、サブベース4
1、即ち、テープガイドドラム10を回動する第2の姿
勢制御は、モータ64によりギア付きスクリュー63
を、図20(a)中、上下に変位させることによって行
う。同図に示すようにギア付きスクリュー63が上方に
変位すると、サブベース41は、直線L4 を回動軸とし
て時計方向に回動傾斜する。
【0071】本変形例の特長は、記録又は、自己録再生
を行う場合にテープガイドドラム10の姿勢を基準とな
るべき姿勢(ドラム軸11が垂直線Zに対してにφ傾斜
した姿勢)に確実に維持することができる点である。即
ち、記録又は自己録再生に際しては、モータ64により
ギア付きスクリュー63を下方に変位させギア付きスク
リュー63の先端がサブベース41から離間した状態と
するとともに、モータ54によりギア付きスクリュー5
3,119を下方に変位させギア付きスクリュー53,
119の各先端が下ドラム10bから離間した状態とす
る。これにより、サブベース41は、ドラムベース17
上の三つの凸状支点60,61,102によって決定さ
れる平面に支持されるとともに、下ドラム10bは、サ
ブベース41上の三つの凸状支点110,111,11
2によって決定される平面に支持されることになり、テ
ープガイドドラム10はその姿勢が一義的に決定され
る。なお、本変形例における第2の姿勢制御としては、
サブベース41が三つの凸状支点60,61,102に
支持された基準の姿勢から、図19(a)中、時計方向
の回動傾斜のみが許容される構成であるが、斯かる構成
によってもほとんどの態様のトラック曲がりを補正する
ことが可能である。この点については、後に更に詳述す
る。
【0072】(第3実施例)次に、テープガイドドラム
10の姿勢を制御するための具体的な構成についての第
3実施例を図22乃至図29を参照して説明する。図2
2は、第3実施例における、テープガイドドラム10の
姿勢制御の態様を三角図法的に示す模式図であり、同図
(a)は、ドラム軸11の方向から見た平面図を示す。
また、同図(b)は、90度の方向から見た正面図、同
図(c)は180度の方向からみた側面図をそれぞれ示
す。
【0073】先ず、同図を参照して、本実施例における
テープガイドドラム10の姿勢制御の概要を説明する。
本実施例においては、第1の姿勢制御は、図22(b)
に示すように、装置の図示しないシャーシに固定された
ドラムベース17と下ドラム10bとの間に設けられた
支点18によって形成される直線L3 (紙面に垂直で直
線L1 に平行)を回動軸としてテープガイドドラム10
を回動することによって行われる。この点は上に説明し
た第1実施例又は第2実施例と同様である。一方、第2
の姿勢制御は、図22(c)に示すように、第1の姿勢
制御と同様、ドラムベース17と下ドラム10bとの間
に設けられた支点57によって形成される直線L5 (紙
面に垂直で直線L3 と互いに直角をなす。)を回動軸と
してテープガイドドラム10を回動することによって行
われる。
【0074】すなわち、ドラムベース17と下ドラム1
0bの間の180度の方向には、テープガイドドラム1
0を支点18の周りに反時計方向に回動付勢する付勢手
段21が設けられており、これと対向した0度の方向に
は矢印AR5のように上下方向に変位する駆動手段22
がドラムベース17に設けられている。従って、駆動手
段22が上方に変位するとテープガイドドラム10は、
付勢手段21の付勢力に抗して矢印AR6のように時計
方向に回動し、反対に、駆動手段22が下方に変位する
とテープガイドドラム10は、付勢手段21の付勢力に
より矢印AR7のように反時計方向に回動して第1の姿
勢制御が行われる。また、ドラムベース17と下ドラム
10bの間の270度の方向には、テープガイドドラム
10を支点57の周りに時計方向に回動付勢する付勢手
段67と矢印AR5のように上下方向に変位する駆動手
段58がドラムベース17に設けられている。従って、
駆動手段58が上方に変位するとテープガイドドラム1
0は、付勢手段67の付勢力に抗して矢印AR7のよう
に反時計方向に回動し、反対に、駆動手段58が下方に
変位するとテープガイドドラム10は、付勢手段67の
付勢力により矢印AR6のように時計方向に回動して第
2の姿勢制御が行われる。このように、本実施例は、上
に説明した第2実施例と比較した場合、第1の姿勢制御
については同様であるが、第2の姿勢制御については、
その支点57がテープガイドドラムに対して90度の位
置に配置されている点で異なる。なお、この支点57の
配置は先に説明した図50(c)の場合に対応する。
【0075】次に、これらの第1の姿勢制御と第2の姿
勢制御とを実現する具体的な機構について更に説明す
る。図23は、本実施例におけるテープガイドドラム1
0及びその周辺の構成を示す断面図であり、図23
(a)は、90度−270度断面図、図23(b)は0
度−180度断面図をそれぞれ示す。また、図24は、
本実施例の磁気記録再生装置において、第1の姿勢制御
又は第2の姿勢制御がなされた一態様のテープガイドド
ラム10及びその周辺の構成を示す断面図であり、図2
4(a)は90度−270度断面図、図24(b)は0
度−180度断面図をそれぞれ示す。また、図25は、
本実施例のテープガイドドラム10及びその周辺の構成
を示す要部分解斜視図である。なお、ドラム組立体DA
の構成は上で説明した第1実施例又は第2実施例の場合
と同様であるから説明を省略する。
【0076】ドラム組立体DAはその全体が、装置の図
示しないシャーシに固定されたドラムベース17上にサ
ブベース41を介して載置される。ドラムベース17に
は、図23又は図25に示すように、0度の方向に孔5
2が、270度の方向には貫通孔48とネジ孔68がそ
れぞれ形成されている。また、90度の方向には面17
aより所定量だけ高いリブ17cが形成され、面17a
には貫通孔47が形成されている。また、ドラムベース
17の下方には、ネジ孔68に螺合しその先端がドラム
ベース17の面17aから突出してサブベース41に当
接するギア付きスクリュー63が設けられており、この
ギア付きスクリュー63は、モータ64によって駆動さ
れて、図23(a)中、上昇又は下降する。
【0077】サブベース41の90度の方向と270度
の方向には、第1実施例において説明したものと同様の
支点ピン45,46が同様の態様で圧入植設されてい
る。サブベース41から下方に突出した支点ピン45,
46の下方凸部45c,46cは、ドラムベースの貫通
孔47,48に摺動自在に嵌合してサブベース41の回
転方向の位置決めをする。なお、支点ピン45,46の
下方凸部45c,46cと貫通孔47,48との嵌合ク
リアランスは、後に説明するように、リブ17cによっ
て決定される直線L5 を回動軸としたサブベース41の
所定範囲の回動を許容する程度に設定される。また、サ
ブベース41の中央開口41bの周りに形成された円環
状部41cの外周面は、ドラムベース17の中央開口1
7bに摺動自在に嵌合している。この円環状部41cと
ドラムベース17の中央開口17bとの嵌合も、直線L
5 を回動軸としたサブベース41の所定範囲の回動を許
容する程度に設定される。
【0078】また、ドラムベース17の下方には、ドラ
ムベース17の孔52を貫通してネジ孔51に螺合しそ
の先端がサブベース41の面41aから突出して下ドラ
ム10bの底面に当接するギア付きスクリュー53が設
けられており、このギア付きスクリュー53は、モータ
54によって駆動されて、図23(b)中、上昇又は下
降する。下ドラム10bの底面には90度と270度の
方向にそれぞれ孔49,50が形成されており、これら
の孔49,50には、支点ピン45,46の上方凸部4
5a,46aがそれぞれ嵌合して上方凸部45a,46
aを結ぶ直線L3 の周りにドラム組立体DAの回動軸を
構成する点は、第1実施例又は第2実施例の場合と同様
である。また、第1実施例又は第2実施例と同様、下ド
ラム10bの中央凸部55はサブベース41の中央開口
41bに貫入しており、その底面にネジ止めされた板バ
ネ56の腕部56a,56b,56cがドラムベース1
7の裏面に当接することによりドラム組立体DAを下方
に付勢している。
【0079】次に、以上のようにドラムベース17上に
構成されたドラム組立体DA、即ち、テープガイドドラ
ム10の第1、第2の姿勢制御について図24を参照し
て説明する。なお、図24(b)は、第1の姿勢制御に
よりテープガイドドラム10が直線L3 を回動軸として
時計方向に回動した状態を示し、図24(a)は、第2
の姿勢制御によりテープガイドドラム10が直線L5 を
回動軸として時計方向に回動した状態を示す。直線L3
を回動軸にして、テープガイドドラム10を回動する第
1の姿勢制御は、第1実施例又は第2実施例の場合と同
様であるから説明を省略する。直線L5 を回動軸にし
て、サブベース41、即ち、テープガイドドラム10を
回動する第2の姿勢制御は、モータ64によりギア付き
スクリュー63を、図23(a)中、上下に変位させる
ことによって行う。同図に示すようにギア付きスクリュ
ー63が下方に変位すると、サブベース41は、板バネ
56の腕部56cによる時計方向の回動付勢により、直
線L5 を回動軸として時計方向に回動傾斜する。また、
逆にギア付きスクリュー63が上方に変位すると、サブ
ベース41は、板バネ56の腕部56cによる時計方向
の回動付勢力に抗して直線L5 を回動軸として反時計方
向に回動傾斜する。
【0080】次に、上に説明した第3実施例の変形例に
ついて図26乃至図28を参照して説明する。本変形例
は、上に述べた第3実施例においてサブベース41を省
略して構成した例であり、以下第3実施例との相違点を
中心に簡単に説明する。図26は、本変形例におけるテ
ープガイドドラム10及びその周辺の構成を示す断面図
であり、図26(a)は、90度−270度断面図、図
26(b)は0度−180度断面図をそれぞれ示す。ま
た、図27は、本変形例の磁気記録再生装置において、
第1の姿勢制御又は第2の姿勢制御がなされた一態様の
テープガイドドラム10及びその周辺の構成を示す断面
図であり、図27(a)は90度−270度断面図、図
27(b)は0度−180度断面図をそれぞれ示す。ま
た、図28は、本変形例のテープガイドドラム10及び
その周辺の構成を示す要部分解斜視図である。
【0081】本変形例では、ドラムベース17の面17
a上の90度と270度の方向に支点ピン69,70が
直接植設される。支点ピン69は、先に説明した支点ピ
ン45,46と同形状であり、その下方凸部69c(図
示せず)は、スペーサ部69bが面17aに当接する位
置まで圧入固定されている。一方、支点ピン70はスペ
ーサ部を有しない単純な円柱形状のピンであり面17a
に所定の高さの突出部を形成するように圧入固定されて
いる。そして、支点ピン69の上方凸部69aと支点ピ
ン70には下ドラム10bに形成された孔49,50が
所定のクリアランスをもって嵌合する。他方、ドラムベ
ース17の0度の方向にはネジ孔71が、270度の方
向にはネジ孔68がそれぞれ設けられており、ネジ孔7
1にはギア付きスクリュー53が、ネジ孔68にはギア
付きスクリュー63がそれぞれ螺合してモータ54,6
4によって駆動されて上下に変位する構成になってい
る。また、下ドラム10bの中央凸部55は、ドラムベ
ース17の中央開口17b貫入した状態でその底面にネ
ジ止めされた板バネ56の腕部56a,56b,56c
がドラムベース17の裏面に当接してドラム組立体DA
を下方に付勢している。
【0082】次に、以上のようにドラムベース17上に
構成されたドラム組立体DA、即ち、テープガイドドラ
ム10の第1、第2の姿勢制御について図27を参照し
て説明する。なお、図27(b)は、第1の姿勢制御に
よりテープガイドドラム10が直線L3 を回動軸として
時計方向に回動した状態を示し、図27(a)は、第2
の姿勢制御によりテープガイドドラム10が直線L5 を
回動軸として時計方向に回動した状態を示す。
【0083】直線L3 を回動軸にして、テープガイドド
ラム10を回動する第1の姿勢制御のみを行う場合は、
モータ54によりギア付きスクリュー53を、図27
(b)中、上下に変位させることによって行う。すなわ
ち、ギア付きスクリュー63の面17aからの突出量を
支点ピン69のスペーサ部69bの厚みと同じにした状
態で同図に示すようにギア付きスクリュー53が上方に
変位すると、テープガイドドラム10は、板バネ56の
腕部56aによる反時計方向の回動付勢力に抗して時計
方向に回動傾斜する。また、逆にギア付きスクリュー5
3が下方に変位すると、テープガイドドラム10は、板
バネ56の腕部56aによる反時計方向の回動付勢力に
より反時計方向に回動傾斜する。
【0084】直線L5 を回動軸にして、テープガイドド
ラム10を回動する第2の姿勢制御のみを行う場合は、
モータ64とモータ54とによりギア付きスクリュー6
3とギア付きスクリュー53とを、同期して上下に変位
させることによって行う。図27(a)に示すように、
ギア付きスクリュー63とギア付きスクリュー53とが
一定の割合で下方に変位すると、テープガイドドラム1
0は、板バネ56の腕部56cによる時計方向の回動付
勢力により時計方向に回動傾斜する。また、逆にギア付
きスクリュー63とギア付きスクリュー53とが一定の
割合でが上方に変位すると、テープガイドドラム10
は、板バネ56の腕部56cによる時計方向の回動付勢
力に抗して反時計方向に回動傾斜する。なおここで、ギ
ア付きスクリュー63とギア付きスクリュー53とを変
位させる量の割合は、例えば、次のように決定される。
すなわち、ギア付きスクリュー63の先端とギア付きス
クリュー53の先端と支点ピン69のスペーサ部69b
との3点によって決定される平面を、直線L5 を回動軸
としてテープガイドドラム10を所望角度傾斜回動した
際の下ドラム10bの底面と一致するようにすればよい
のである。
【0085】なお、この第2の姿勢制御によるテープガ
イドドラム10の回動に伴って、下ドラム10bの孔5
0とこれに嵌合する支点ピン70とは摺動することにな
る。ここでは、第1の姿勢制御又は第2の姿勢制御を単
独で行う場合について説明したが、本変形例は、第3実
施例におけるサブベース41を省略して、ギア付きスク
リュー63の先端とギア付きスクリュー53の先端と支
点ピン69のスペーサ部69bとの3点によって平面を
決定して、テープガイドドラムの姿勢制御を行うもので
あり、ギア付きスクリュー63の面17aからの突出量
とギア付きスクリュー53の面17aからの突出量とを
適宜選択することにより第1の姿勢制御と第2の姿勢制
御とを併せて同時に行うことも可能なことはいうまでも
ない。
【0086】先に説明した第2実施例では、第1の姿勢
制御のための回動軸は、支点ピン45,46を結ぶ直線
L3 のように、ドラム軸11の軸心を通ってドラム軸1
1に直交し、第2の姿勢制御のための回動軸は、直線L
4 のように、凸状支点60,61を結ぶ直線L4 のよう
に、ドラム軸11の軸心を通ってドラム軸11に直交し
且つ直線L3 と互いに直角をなす構成であった。また、
上に説明した第3実施例では、第1の姿勢制御のための
回動軸は、支点ピン45,46を結ぶ直線L3 のよう
に、ドラム軸11の軸心を通ってドラム軸11に直交
し、第2の姿勢制御のための回動軸は、リブ17cによ
って構成される直線L5 のように、ドラム軸11と互い
に直角をなし且つ直線L3 と互いに直角をなす構成であ
った。
【0087】しかしながら、回動軸の設定の仕方はこれ
の構成に限られるものではない。以下、この回動軸の他
の設定の仕方についての二つの例を図29を参照して説
明する。図29は、テープガイドドラム10の姿勢制御
の態様を三角図法的に示す模式図であり、同図(a)
は、ドラム軸11の方向から見た平面図を示す。また、
同図(b),(d)は、90度の方向から見た正面図、
同図(c)は180度の方向からみた側面図をそれぞれ
示す。
【0088】(回動軸の第1の設定例)図29に示すよ
うに、ドラムベース17と下ドラム10bとの間には直
線L2を挟んで90度側に二つの支点72,73を設け
るとともに270度側には、同図(c)中、上下に変位
する駆動手段76を設ける。駆動手段76はストッパ7
6aを有し、上方に変位してストッパ76aがドラムベ
ース17に当接した状態でその先端が支点72,73と
同じ高さとなる。そして、テープガイドドラム10は、
これら二つの支点72,73と駆動手段76の先端との
3点によって決定される平面上に載置され、装置の図示
しないシャーシと下ドラム10bとの間に設けた付勢手
段77によって下方に付勢される。また、ドラムベース
17の0度と180度の方向には駆動手段78,79が
設けられており、図示しないモータによりそれぞれ独立
に図29(b)中、上下に変位駆動される構成になって
いる。
【0089】すなわち、この回動軸の第1の設定例で
は、図29(b)に示すように、駆動手段78を下方に
変位させその先端を下ドラム10bの底面から離間した
状態とし、駆動手段79を上方に変位させてその先端で
下ドラム10bの底面を押し上げるようにすると、テー
プガイドドラム10は支点72と駆動手段76の先端を
結ぶ直線L7 を回動軸として反時計方向に回動して第1
の姿勢制御が行われる。また逆に、駆動手段79を下方
に変位させその先端を下ドラム10bの底面から離間し
た状態とし、駆動手段78を上方に変位させてその先端
で下ドラム10bの底面を押し上げるようにすると、テ
ープガイドドラム10は支点73と駆動手段76の先端
を結ぶ直線L8 を回動軸として時計方向に回動して第1
の姿勢制御が行われる。
【0090】他方、図29(d)に示すように、駆動手
段78,79の各先端をいずれも下ドラム10bの底面
から離間した状態とし、駆動手段76が上下に変位する
と支点72,73を結ぶ直線L5 を回動軸としてテープ
ガイドドラム10が回動し第2の姿勢制御が行われるこ
とになる。また、第1の姿勢制御と第2の姿勢制御とを
併せて行う場合の回動軸は次のようになる。いま、図2
9(b)に示すように、支点72と駆動手段76の先端
(駆動手段76はそのストッパ76aがドラムベース1
7に当接する位置まで上昇して、その先端は、支点7
2,73と同じ高さまでドラムベース17から突出して
いる。)とを結ぶ直線L7 を回動軸としてテープガイド
ドラム10が反時計方向に回動して第1の姿勢制御がな
された状態において、駆動手段76を下方に変位させる
と、テープガイドドラム10は支点72と駆動手段79
の先端を結ぶ直線L11を回動軸として回動することによ
り第2の姿勢制御が行われる。また、これとは逆に、支
点73と駆動手段76の先端(駆動手段76はそのスト
ッパ76aがドラムベース17に当接する位置まで上昇
して、その先端は、支点72,73と同じ高さまでドラ
ムベース17から突出している。)とを結ぶ直線L8 を
回動軸としてテープガイドドラム10が時計方向に回動
して第1の姿勢制御がなされた状態において、駆動手段
76を下方に変位させると、テープガイドドラム10は
支点73と駆動手段78の先端を結ぶ直線L12を回動軸
として回動することにより第2の姿勢制御が行われるこ
とになる。
【0091】(回動軸の第2の設定例)次に、回動軸の
第2の設定例について説明する。この第2の設定例で
は、ドラムベース17と下ドラム10bとの間には直線
L2 を挟んで90度側に、二つの支点72,73を設け
るとともに270度側には、同図(c)中、上下に変位
する二つの駆動手段74,75を設ける。駆動手段7
4,75はストッパ74a,75aを有し、上方に変位
してストッパ74a,75aがそれぞれドラムベース1
7に当接した状態でその先端が支点72,73と同じ高
さとなる。そして、テープガイドドラム10は、これら
二つの支点72,73と駆動手段74,75の各先端と
の4点によって決定される平面上に載置され、装置の図
示しないシャーシと下ドラム10bとの間に設けた付勢
手段77によって下方に付勢される。ドラムベース17
の0度と180度の方向には駆動手段78,79が設け
られており、図示しないモータによりそれぞれ独立に図
29(b)中、上下に変位駆動される構成になっている
点は第1の設定例の場合と同様である。
【0092】この回動軸の第2の設定例では、図29
(b)に示すように、駆動手段78を下方に変位させそ
の先端を下ドラム10bの底面から離間した状態とし、
駆動手段79を上方に変位させてその先端で下ドラム1
0bの底面を押し上げるようにすると、テープガイドド
ラム10は支点72と駆動手段74の先端を結ぶ直線L
9 を回動軸として反時計方向に回動して第1の姿勢制御
が行われる。また逆に、駆動手段79を下方に変位させ
その先端を下ドラム10bの底面から離間した状態と
し、駆動手段78を上方に変位させてその先端で下ドラ
ム10bの底面を押し上げるようにすると、テープガイ
ドドラム10は支点73と駆動手段75の先端を結ぶ直
線L10を回動軸として時計方向に回動して第1の姿勢制
御が行われる。他方、図29(d)に示すように、駆動
手段78,79の各先端をいずれも下ドラム10bの底
面から離間した状態とし、駆動手段74,75の一方若
しくは両者が同期して上下に変位すると支点72,73
を結ぶ直線L5 を回動軸としてテープガイドドラム10
が回動し第2の姿勢制御が行われることになる。
【0093】また、第1の姿勢制御と第2の姿勢制御と
を併せて行う場合の回動軸は次のようになる。いま、図
29(b)に示すように、支点72と駆動手段74の先
端(駆動手段74はそのストッパ74aがドラムベース
17に当接する位置まで上昇して、その先端は、支点7
2,73と同じ高さまでドラムベース17から突出して
いる。)とを結ぶ直線L9 を回動軸としてテープガイド
ドラム10が反時計方向に回動して第1の姿勢制御がな
された状態において、駆動手段74,75を下方に変位
させると、テープガイドドラム10は支点72と駆動手
段79の先端を結ぶ直線L11を回動軸として回動するこ
とにより第2の姿勢制御が行われる。また、これとは逆
に、支点73と駆動手段75の先端(駆動手段75はそ
のストッパ75aがドラムベース17に当接する位置ま
で上昇して、その先端は、支点72,73と同じ高さま
でドラムベース17から突出している。)とを結ぶ直線
L10を回動軸としてテープガイドドラム10が時計方向
に回動して第1の姿勢制御がなされた状態において、駆
動手段74,75を下方に変位させると、テープガイド
ドラム10は支点73と駆動手段78の先端を結ぶ直線
L12を回動軸として回動することにより第2の姿勢制御
が行われることになる。
【0094】なお、ここで説明した回動軸の第1の設定
例と第2の設定例では、駆動手段76,74,75には
それぞれストッパ76a,74a,75aが設けられて
おり、駆動手段76,74,75はドラムベース17か
らの突出量が最大限、支点72,73の高さまでに制限
される構成になっている。すなわち、第2の姿勢制御と
しては、図29(c)中、テープガイドドラム10は、
下ドラム10bの底面とドラムベース17とが平行な状
態から時計方向の回動のみが許容される構成になってい
る。第2の姿勢制御として何故、図29(c)中におけ
る反時計方向の回動による姿勢制御が必要ないのかとい
う点については、先に製造工程における互換調整につい
て説明した通りであり、先に示した第3実施例における
回動軸の設定及びここで説明した2種類の回動軸の設定
例の場合には、時計方向の回動のみによって、ほとんど
全ての態様のトラック曲がりに対応して良好な互換再生
が可能であることを本願発明者等は実験的に確認してい
る。
【0095】以上に説明した回動軸の第1の設定例と第
2の設定例には、次のような利点がある。即ち、回動軸
が第1の設定例又は第2の設定例のように構成された磁
気記録再生装置によれば、記録又は自己録再生を行う場
合にテープガイドドラム10の姿勢を基準となるべき姿
勢(ドラム軸11が垂直線Zに対してにφ傾斜した姿
勢)に確実に維持することができるのである。即ち、記
録又は自己録再生に際しては、駆動手段76又は駆動手
段74及び駆動手段75をそれぞれのストッパ76a又
はストッパ74a及びストッパ75aがドラムベース1
7に当接するまで図29(c)中上方に変位せしめると
ともに駆動手段78,79を図29(d)に示すように
下方に変位せしめ、下ドラム10bの底面から離間した
状態とする。これにより、テープガイドドラム10は付
勢手段77により下方に付勢されて下ドラム10bの底
面が、支点72,73と駆動手段76の先端の3点によ
って決定される平面又は支点72,73と駆動手段7
4,75の先端の4点によって決定される平面と一致す
ることによりその姿勢が一義的に決定される。
【0096】次に、本願出願人が先に特願平5−259
178、特願平6−23408、特願平6−62072
等(以下、「先の提案」という。)において提案した磁
気記録再生装置に本願発明を適用した例を第4実施例乃
至第7実施例として説明する。そこで先ず、図30、図
31を参照して、先の提案に係る発明の磁気記録再生装
置についてそのポイントを簡単に説明する。図30
(a)乃至(c)及び図31(a)乃至(c)は、いず
れも先の提案において開示した主要な実施例の要部構成
を模式的に示す0度−180度断面図である。これら先
の提案に係る磁気記録再生装置は、磁気テープTを標準
の速度よりも高速に順方向に走行させながら再生するF
F再生モード、逆方向に走行させながら再生するFB再
生モード、磁気テープTを停止させた状態で再生するS
TILL再生モード等のトリックプレイを実現するもの
であり、これら各モードにおける磁気テープTの走行速
度の変化に応じて回転磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡
面と磁気テープTの相対的な空間位置関係を変化させる
ことにより、回転磁気ヘッドHa,Hbが磁気テープT
上の記録跡を良好にトレースできるようにした磁気記録
再生装置に関するものであり、基本的には、図30
(a)乃至(c)に示す第1のタイプと図31(a)乃
至(c)に示す第2のタイプの二つのタイプに分類され
る。
【0097】第1のタイプの磁気記録再生装置において
は、磁気ヘッドHa,Hbを搭載した上ドラム10aが
磁気テープ摺接面10b-1とリード12とを形成した下
ドラム10bに対して紙面内で時計方向又は反時計方向
に回動することにより、磁気ヘッドHa,Hbの回転軌
跡面を磁気テープTのトラックパターンに適合させるべ
く磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡面と下ドラム10b
のリード12との相対角度を変える補正(以下、「トラ
ック補正」という。)を行う。また、このトラック補正
による上ドラム10aの回動により、磁気テープTは上
ドラム10bに引っ張られて、その下端縁Tbが下ドラ
ム10bのリード12から浮き上がったりリード12に
押しつけられたりする傾向を生じる。従って、このよう
な傾向を解消すべく上ドラム10aと下ドラム10bと
を一体的に更に回動して下ドラム10bのリード12を
磁気テープTの下端縁Tbに一致させる補正(以下、
「リード補正」という。)を行う。本願発明者等の実験
結果によれば、このトラック補正のための下ドラム10
bに対する上ドラム10aの回動方向とリード補正のた
めの下ドラム10bの回動方向は同方向であり、その量
は概ね1対1である。すなわち、ドラムベース17を基
準に考えると、トラック補正のための上ドラム10aの
回動量とリード補正のための下ドラム10bの回動量と
の比率は、トリックプレイにおける磁気テープTの走行
速度にかかわらず略2対1となる。
【0098】図30(a)の磁気記録再生装置は、ドラ
ム軸11を介して上ドラム10aと一体に構成された中
間部材10cが下ドラム10bの内径と若干のクリアラ
ンスをもって嵌合することにより下ドラム10bに対す
る上ドラム10aの回動軸(直線LT )の位置を規定し
ている。すなわち、この例では中間部材10cに作用す
る付勢手段80と駆動手段81とにより上ドラム10a
は中間部材10cと共に直線LT (紙面に垂直でドラム
軸11と直交)を回動軸として時計方向又は反時計方向
に回動することによりトラック補正が行われる。また、
下ドラム10bに作用する付勢手段82と駆動手段83
とにより下ドラム10bは上ドラム10aと共に直線L
L (紙面に垂直でドラム軸11と直交)を回動軸として
時計方向又は反時計方向に回動することによりリード補
正が行われる。
【0099】また、図30(b),(c)の磁気記録再
生装置では、トラック補正とリード補正は上に説明した
図30(a)の場合と同様に行われるが、これらの磁気
記録再生装置では、下ドラム10bに対する上ドラムの
回動軸の位置の規定の仕方がそれぞれ異なる。即ち、同
図(b)の磁気記録再生装置では、上ドラム10aと中
間部材10cとを一体に支持するドラム軸11が下ドラ
ム10bの中心孔と嵌合することによって、下ドラム1
0bに対する上ドラムの回動軸(直線LT )の位置が規
定され、同図(c)の磁気記録再生装置では、ドラム軸
11によって上ドラム10aと一体に支持された中間部
材10cのドラム軸11と同軸である部分が下ドラム1
0bの中心孔と嵌合することによって、下ドラム10b
に対する上ドラムの回動軸(直線LT )の位置が規定さ
れるものである。図31(a)乃至(c)に示す第2の
タイプの磁気記録再生装置では、第1のタイプの磁気記
録再生装置における下ドラム10bが、磁気テープ摺接
面10d-1を有する下ドラム10dと、この下ドラム1
0dに遊嵌してリード12を形成する、下ドラム10d
とは別体のリードリング10eとから構成されている。
【0100】すなわち、第2のタイプの磁気記録再生装
置においては、リードリング10eに対して磁気ヘッド
Ha,Hbを搭載した上ドラム10aと磁気テープ摺接
面10d-1を有する下ドラム10dとが一体的に紙面内
で時計方向又は反時計方向に回動することにより、トラ
ック補正が行われる。また、リード補正はリードリング
10eと下ドラム10d,上ドラム10aを全体として
時計方向又は反時計方向に更に回動することによって行
う。なお、この第2のタイプの磁気記録再生装置におい
てもトラック補正のためのリードリング10eに対する
上ドラム10a及び下ドラム10dの回動方向とリード
補正のためのリードリング10eの回動方向は同方向で
あり、その量は概ね1対1である。すなわち、ドラムベ
ース17を基準に考えると、トラック補正のための上ド
ラム10a及び下ドラム10dの回動量とリード補正の
ためのリードリング10eの回動量との比率は、トリッ
クプレイにおける磁気テープTの走行速度にかかわらず
略2対1となる。
【0101】図31(a)の磁気記録再生装置は、ドラ
ム軸11を介して上ドラム10aと一体に構成された下
ドラム10dがリードリング10eに植設されたピン1
0fによって懸架下される。すなわち、この例では下ド
ラム10dに作用する付勢手段80と駆動手段81とに
より上ドラム10aは下ドラム10dと共に直線LT
(ピン10fによって決定され紙面に垂直でドラム軸1
1と直交)を回動軸として時計方向又は反時計方向に回
動することによりトラック補正が行われる。また、リー
ドリング10eに作用する付勢手段82と駆動手段83
とによりリードリング10eは下ドラム10d、上ドラ
ム10aと共に直線LL (紙面に垂直でドラム軸11と
直交)を回動軸として時計方向又は反時計方向に回動す
ることによりリード補正が行われる。
【0102】また、図31(b),(c)の磁気記録再
生装置では、トラック補正とリード補正は上に説明した
図31(a)の場合と同様に行われるが、これらの磁気
記録再生装置では、リードリング10eに対する下ドラ
ム10dの回動軸の位置の規定の仕方がそれぞれ異な
る。即ち、同図(b)の磁気記録再生装置では、ドラム
軸11によって上ドラム10aと一体に支持された下ド
ラム10dのドラム軸11と同軸である部分がリードリ
ング10eの中心孔と嵌合することによって、リードリ
ング10eに対する上ドラム10aの回動軸(直線LT
)の位置が規定され、同図(c)の磁気記録再生装置
では、上ドラム10aと下ドラム10dとを一体に支持
するドラム軸11がリードリング10eの中心孔と嵌合
することによって、リードリング10eに対する上ドラ
ム10aの回動軸(直線LT )の位置が規定されるもの
である。本発明は、上に説明した何れの先の提案につい
ても適用可能なものであるが、図31(b)に示した先
の提案に係る磁気記録再生装置に本発明を適用した例を
第4実施例乃至第6実施例として、図30(c)に示し
た先の提案に係る磁気記録再生装置に本発明を適用した
例を第7実施例として、以下、順に説明する。
【0103】(第4実施例)図32は、ここに示す第4
実施例又は後に示す第5実施例における、テープガイド
ドラム10及びリードリング10eの姿勢制御の態様を
三角図法的に示す模式図であり、同図(a)は、ドラム
軸11の方向から見た平面図を示す。また、同図(b)
は、90度の方向から見た正面図、同図(c)は180
度の方向から見た側面図をそれぞれ示す。先ず、同図を
参照して、第4実施例又は第5実施例におけるテープガ
イドドラム10及びリードリング10eの姿勢制御の概
要を説明する。
【0104】第4実施例又は第5実施例においては、第
1の姿勢制御は、図32(b)に示すように、装置の図
示しないシャーシに固定されたドラムベース17とリー
ドリング10eとの間に設けられた支点18によって形
成される直線L3 (紙面に垂直で直線L1 に平行)を回
動軸としてリードリング10e及び上ドラム10aと下
ドラム10dとからなるテープガイドドラム10を一体
に回動することによって行われる。第2の姿勢制御は、
図32(c)に示すように、ドラムベース17とリード
リング10eとの間に設けられた支点57によって形成
される直線L5 (紙面に垂直で直線L3 と互いに直角を
なす。)を回動軸としてリードリング10e及び上ドラ
ム10aと下ドラム10dとからなるテープガイドドラ
ム10を一体に回動することによって行われる。
【0105】すなわち、ドラムベース17とリードリン
グ10eの間の180度の方向には、リードリング10
eを支点18の周りに反時計方向に回動付勢する付勢手
段21が設けられており、これと対向した0度の方向に
は矢印AR5のように上下方向に変位する駆動手段22
がドラムベース17に設けられている。従って、駆動手
段22が上方に変位するとリードリング10eは、付勢
手段21の付勢力に抗して矢印AR6のように時計方向
に回動し、反対に、駆動手段22が下方に変位するとリ
ードリング10eは、付勢手段21の付勢力により矢印
AR7のように反時計方向に回動して第1の姿勢制御が
行われる。また、ドラムベース17とリードリング10
eの間の270度の方向には、リードリング10eを支
点57の周りに時計方向に回動付勢する付勢手段67と
矢印AR5のように上下方向に変位する駆動手段58が
ドラムベース17に設けられている。従って、駆動手段
58が上方に変位するとリードリング10eは、付勢手
段67の付勢力に抗して矢印AR7のように反時計方向
に回動し、反対に、駆動手段58が下方に変位するとリ
ードリング10eは、付勢手段67の付勢力により矢印
AR6のように時計方向に回動して第2の姿勢制御が行
われる。
【0106】なお、FF再生モード、FB再生モード等
のトリックプレイは次のように行う。すなわち、FF再
生モードの場合は、0度の方向に設けられた駆動手段8
5を上方に変位させ、180度の方向に設けられた付勢
手段84の反時計方向の付勢力に抗して上ドラム10a
及び下ドラム10dを一体に、支点86によって形成さ
れる直線L13(図32(b)中、紙面に垂直)を回動軸
として時計方向に回動してトラック補正を行う。また、
これに併せて駆動手段22を上方に変位させ、リードリ
ング10eを支点18によって形成される直線L3 を回
動軸として時計方向に回動してリード補正を行う。FB
再生モードの場合は、逆に駆動手段85,22をそれぞ
れ下方に変位させて上ドラム10a及び下ドラム10d
又はリードリング10eを反時計方向に回動してトラッ
ク補正及びリード補正を行う。
【0107】次に、これらの第1の姿勢制御と第2の姿
勢制御及びトラック補正とリード補正を実現する具体的
な機構について更に説明する。図33は、第4実施例に
おけるテープガイドドラム10及びその周辺の構成を示
す断面図であり、図33(a)は、90度−270度断
面図、図33(b)は0度−180度断面図をそれぞれ
示す。また、図34は、本実施例の磁気記録再生装置に
おいて、第1の姿勢制御又は第2の姿勢制御がなされた
一態様のテープガイドドラム10及びリードリング10
eとその周辺の構成を示す断面図であり、図34(a)
は90度−270度断面図、図34(b)は0度−18
0度断面図をそれぞれ示す。また、図35は、本実施例
のテープガイドドラム10及びその周辺の構成を示す要
部分解斜視図である。
【0108】ドラム組立体DAは、図33に示すよう
に、大略、ドラム軸11に同軸に支持された上ドラム1
0aと下ドラム10dとからなるテープガイドドラム1
0と、この下ドラム10dの外周に遊嵌するリードリン
グ10eと、ドラムモータ19とから構成されている。
すなわち、その外周面に磁気テープ摺接面10d-1が形
成された下ドラム10dにはドラム軸11が圧入されて
おり、ドラム軸11の上方には磁気ヘッドHa,Hbを
搭載した上ドラム10aがベアリング26,27を介し
てドラム軸11の周りに回転可能に取り付けられてい
る。19はロータ19aとステータ19bとからなるド
ラムモータであり、ロータ19aは、ネジ28,29等
により上ドラムに固定され、ステータ19bはカラー3
0を介してセットスクリュー31によりドラム軸11に
固定されている。また、32は上ドラム10aに取り付
けられて上ドラム10aと一体に回転する回転トランス
であり、下ドラム10dに固定された回転トランス33
との間で信号の授受を行う。なお、34は、回転トラン
ス33から引き出されたリード線である。
【0109】そして、斯かる構成のドラム組立体DAは
その全体が、装置の図示しないシャーシに固定されたド
ラムベース17上に載置される。ドラムベース17に
は、図33又は図35に示すように、0度の方向にはネ
ジ孔87が、略30度の方向にはネジ孔88が、270
度の方向にはネジ孔89がそれぞれ形成されており、こ
れらのネジ孔87,88,89には、ギア付きスクリュ
ー90,91,92がそれぞれ螺合している。なお、図
33(b)、図34(b)はいずれも0度−180度断
面図であるが、便宜上、略30度の方向のギア付きスク
リュー91も同時に示す。ここで、ギア付きスクリュー
90,91はアイドルギア93を介してモータ94によ
り駆動されて略2:1の割合で図中、同時に上下に変位
する。また、ギア付きスクリュー92は、モータ95に
駆動されて図中、上下に変位する。ドラムベース17の
90度の方向と270度の方向には、先に図26乃至図
28を参照して説明したのと同様の支点ピン69,70
が同様の態様で植設されている。そして、これらの支点
ピン69,70は、リードリング10eに形成された孔
49,50に所定のクリアランスをもって嵌合し、支点
ピン69,70を結ぶ直線L3 の周りにリードリング1
0eの回動軸を構成する。
【0110】また、リードリング10eは、図35に示
す如くその端面が磁気テープTの下端縁Tbを案内する
リード12として作用する円環状部10eー1と、その断
面形状がナイフエッジ状の中央開口10eー2を有する底
面部10eー3とから大略構成されている。そして、底面
部10eー3の0度の方向にはギア付きスクリュー90が
貫通する貫通孔96が、180度の方向には下ドラム1
0dに植設された位置決めピン97が嵌合する長孔98
が、90度と270度の方向には凸状支点60,61が
それぞれ形成されている。そして、下ドラム10dはそ
の中央凸部55がリードリング10eのナイフエッジ状
の中央開口10eー2に若干のクリアランスをもって嵌合
するとともに位置決めピン97が長孔98に嵌合した状
態でその小径部10dー2がリードリング10eの円環状
部10eー1の内周に遊嵌する。この際、下ドラム10d
は、その底面部がリードリング10eの底面部10eー3
に形成された凸状支点60,61と貫通孔96を貫通し
て突出するギア付きスクリュー90の先端に当接して支
持される。また、下ドラム10dの中央凸部55には、
略十字型の板バネ99がネジ止めされており、その0度
と90度と270度の方向の腕部99a,99b,99
dはドラムベース17の裏面に当接して下ドラム10d
及びリードリング10eを全体として、図中下方に付勢
する。他方、板バネ99の180度の方向の腕部99c
はリードリング10eの180度の方向にに形成された
凸部10eー4に当接してリードリング10eを、図33
(b)中、反時計方向に回動付勢する。
【0111】次に、以上のようにドラムベース17上に
構成されたドラム組立体DA、即ち、テープガイドドラ
ム10及びリードリング10eの第1、第2の姿勢制御
について図34を参照して説明する。なお、図34
(b)は、第1の姿勢制御によりテープガイドドラム1
0及びリードリング10eが直線L3 を回動軸として時
計方向に回動した状態を示し、図34(a)は、第2の
姿勢制御によりテープガイドドラム10及びリードリン
グ10eが直線L5 を回動軸として時計方向に回動した
状態を示す。
【0112】直線L3 を回動軸にして、テープガイドド
ラム10及びリードリング10eを回動する第1の姿勢
制御のみを行う場合は、モータ94によりギア付きスク
リュー91を、図34(b)中、上下に変位させること
によって行う。すなわち、ギア付きスクリュー92の面
17aからの突出量を支点ピン69のスペーサ部69b
の厚みと同じにした状態で同図に示すようにギア付きス
クリュー91が上方に変位すると、リードリング10e
は、板バネ99の腕部99cによる反時計方向の回動付
勢力に抗して時計方向に回動傾斜する。また、逆にギア
付きスクリュー91が下方に変位すると、リードリング
10eは、板バネ99の腕部99cによる反時計方向の
回動付勢力により反時計方向に回動傾斜する。
【0113】直線L5 を回動軸にして、テープガイドド
ラム10及びリードリング10eを回動する第2の姿勢
制御のみを行う場合は、モータ95とモータ94とによ
りギア付きスクリュー92とギア付きスクリュー91と
を、同期して上下に変位させることによって行う。図3
4(a)に示すように、ギア付きスクリュー92とギア
付きスクリュー91とが一定の割合で下方に変位する
と、リードリング10eは、板バネ99の腕部99dに
よる時計方向の回動付勢力により時計方向に回動傾斜す
る。また、逆にギア付きスクリュー92とギア付きスク
リュー91とが一定の割合でが上方に変位すると、リー
ドリング10eは、板バネ99の腕部99dによる時計
方向の回動付勢力に抗して反時計方向に回動傾斜する。
なおここで、ギア付きスクリュー92とギア付きスクリ
ュー91とを変位させる量の割合は、例えば、次のよう
に決定される。すなわち、ギア付きスクリュー92の先
端とギア付きスクリュー91の先端と支点ピン69のス
ペーサ部69bとの3点によって決定される平面を、直
線L5 を回動軸としてテープガイドドラム10及びリー
ドリング10eを所望角度傾斜回動した際のリードリン
グ10eの底面と一致するようにすればよいのである。
【0114】なお、これら第1の姿勢制御のみを行う場
合も第2の姿勢制御のみを行う場合も、ギア付きスクリ
ュー90は同時にギア付きスクリュー91と同方向に駆
動されてギア付きスクリュー91の略2倍変位して、下
ドラム10dと上ドラム10aとをリードリング10e
に対して直線L13を回動軸として回動させることになる
(先に説明したトラック補正の動作)が、トラック曲が
りの程度が所定の程度以下であれば、このようなリード
リング10eに対する下ドラム10d及び上ドラム10
aの回動動作が伴っても第1の姿勢制御又は第2の姿勢
制御を実現することが可能であることを本願発明者等は
確認している。
【0115】また、本実施例において、ギア付きスクリ
ュー91を30度の方向に配置したのは、第2の姿勢制
御に際してのリードリング10eに対する下ドラム10
d及び上ドラム10aの回動動作の影響を極力少なくす
るためである。仮に、ギア付きスクリュー91を−30
度の方向(330度の方向)に配置した場合は、第2の
姿勢制御に際してのリードリング10eに対する下ドラ
ム10d及び上ドラム10aの回動量大きくなってしま
うのである。即ち、いま仮に、ネジ孔87,88,89
と支点ピン69とがドラムベース17の中央開口17b
の中心から略等距離に配置されているとすれば、これら
を180度の方向から見たときの間隔の比率は、支点ピ
ン69とネジ孔88との間隔を1とすれば、支点ピン6
9とネジ孔87との間隔は2、支点ピン69とネジ孔8
9との間隔は4の割合となる。斯かる配置において、第
2の姿勢制御として、ギア付きスクリュー92を4だけ
下方に変位させる場合を考えると、これに伴ってギア付
きスクリュー91は1だけ下方に変位させる必要があ
る。ギア付きスクリュー91とギア付きスクリュー90
とがモータ94によって駆動されて変位する量の比率
は、先にも述べたように略1:2であるから、ギア付き
スクリュー90は略2だけ下方に変位することになる。
【0116】これに対して、本実施例とは逆に、ネジ孔
88が−30度(330度)の方向に形成されて、これ
にギア付きスクリュー91が螺合する構成の場合は、支
点ピン69とネジ孔87との間隔を2とすれば、支点ピ
ン69とネジ孔88との間隔は3、支点ピン69とネジ
孔89との間隔は4の割合となる。斯かる配置におい
て、第2の姿勢制御として、ギア付きスクリュー92を
4だけ下方に変位させる場合を考えると、これに伴って
ギア付きスクリュー91は3だけ下方に変位させる必要
がある。その結果、ギア付きスクリュー90は略6だけ
下方に変位することになり、上に説明したネジ孔88を
30度の方向に配置した場合に比べリードリング10e
に対する下ドラム10d及び上ドラム10aの傾きは非
常に大きなものとなってしまうのである。
【0117】以上の説明では、第1の姿勢制御又は第2
の姿勢制御を単独で行う場合について説明したが、ギア
付きスクリュー91の面17aからの突出量とギア付き
スクリュー89の面17aからの突出量とを適宜選択す
ることにより第1の姿勢制御と第2の姿勢制御とを併せ
て同時に行うことも可能なことはいうまでもない。ま
た、本実施例では、部品点数を削減するために、ギア付
きスクリュー90,91を一つのモータ94で駆動する
構成として説明したが、各別にモータを設けて駆動する
ようにしてもよいことは云うまでもない。その場合に
は、リードリング10eに対して下ドラム10d及び上
ドラム10aが傾斜しないようにギア付きスクリュー9
1,92の変位態様に合わせてギア付きスクリュー90
を適宜変位駆動すればよい。
【0118】本実施例において、FF再生モード、FB
再生モード等のトリックプレイは、ギア付きスクリュー
92の面17aからの突出量を支点ピン69のスペーサ
部69bの厚みと同じにした状態でモータ94によりギ
ア付きスクリュー90,91を上下に変位することによ
って行われる。即ち、FF再生モードでは、図33
(b)において、モータ94によりギア付きスクリュー
90,91を上方に変位させる。この時、ギア付きスク
リュー90,91は、略2:1の割合で上方に変位しそ
れぞれ下ドラム10dとリードリング10eを、図中、
時計方向に回動せしめる。FB再生モードでは、逆に、
モータ94によりギア付きスクリュー90,91を下方
に変位させる。ギア付きスクリュー90,91は、略
2:1の割合で下方に変位しそれぞれ下ドラム10dと
リードリング10eを、図中、反時計方向に回動せしめ
る。
【0119】(第5実施例)次に、本発明の第5実施例
について、図36乃至図38を参照して説明する。図3
6は、本実施例におけるテープガイドドラム10及びそ
の周辺の構成を示す断面図であり、図36(a)は、9
0度−270度断面図、図36(b)は0度−180度
断面図をそれぞれ示す。また、図37は、本実施例の磁
気記録再生装置において、第1の姿勢制御又は第2の姿
勢制御がなされた一態様のテープガイドドラム10及び
リードリング10eとその周辺の構成を示す断面図であ
り、図37(a)は90度−270度断面図、図37
(b)は0度−180度断面図をそれぞれ示す。また、
図38は、本実施例のテープガイドドラム10及びその
周辺の構成を示す要部分解斜視図である。
【0120】本実施例は上に説明した第4実施例と比較
した場合、第4実施例におけるリードリング10eとド
ラムベース17との間にサブベース41を介在させ、こ
のサブベース41に対して、リードリング10eや下ド
ラム10dを回動傾斜させて第1の姿勢制御やトラック
補正、リード補正をそれぞれなし、ドラムベース17に
対してサブベース41を回動傾斜することにより第2の
姿勢制御をなす構成である点において相違する。従っ
て、以下これら第4実施例との相違点について説明し、
第4実施例と共通の構成については説明を省略する。ド
ラム組立体DAはその全体が、装置の図示しないシャー
シに固定されたドラムベース17上にサブベース41を
介して載置される。ドラムベース17には、図36又は
図38に示すように、略0度の方向に逃げ孔100が、
270度の方向には貫通孔48とネジ孔89がそれぞれ
形成されている。また、90度の方向には面17aより
所定量だけ高いリブ17cが形成され、面17aには貫
通孔47が形成されている。
【0121】また、ドラムベース17の下方には、ネジ
孔89に螺合しその先端がドラムベース17の面17a
から突出してサブベース41に当接するギア付きスクリ
ュー92が設けられており、このギア付きスクリュー9
2は、モータ95によって駆動されて、図36(a)
中、上昇又は下降する。サブベース41の90度の方向
と270度の方向には、第1実施例において説明したも
のと同様の支点ピン45,46が同様の態様で圧入植設
されている。サブベース41から下方に突出した支点ピ
ン45,46の下方凸部45c,46cは、ドラムベー
スの貫通孔47,48に摺動自在に嵌合してサブベース
41の回転方向の位置決めをする。なお、支点ピン4
5,46の下方凸部45c,46cと貫通孔47,48
との嵌合クリアランスは、先に説明した第3実施例の場
合と同様、リブ17cによって決定される直線L5 を回
動軸としたサブベース41の所定範囲の回動を許容する
程度に設定される。また、サブベース41の中央開口4
1bの周りに形成された円環状部41cの外周面は、ド
ラムベース17の中央開口17bに摺動自在に嵌合して
いる。この円環状部41cとドラムベース17の中央開
口17bとの嵌合も、直線L5 を回動軸としたサブベー
ス41の所定範囲の回動を許容する程度に設定される。
【0122】また、ドラムベース17の下方には、ドラ
ムベース17の逃げ孔100を貫通してネジ孔87に螺
合しその先端がサブベース41の面41aから突出し更
にリードリング10eの貫通孔96を貫通して下ドラム
10bの底面に当接するギア付きスクリュー90とドラ
ムベース17の逃げ孔100を貫通してネジ孔87に螺
合しその先端がサブベース41の面41aから突出して
リードリング10eの底面に当接するギア付きスクリュ
ー91とが設けられており、これらのギア付きスクリュ
ー90,91は、モータ94によって駆動されて、図3
6(b)中、上昇又は下降する。リードリング10eの
底面には90度と270度の方向にそれぞれ孔49,5
0が形成されており、これらの孔49,50には、支点
ピン45,46の上方凸部45a,46aがそれぞれ嵌
合して上方凸部45a,46aを結ぶ直線L3 の周りに
ドラム組立体DAの回動軸を構成する。また、下ドラム
10dの中央凸部55はリードリング10eのナイフエ
ッジ状の中央開口10eー2に若干のクリアランスをもっ
て嵌合し、更にサブベース41の中央開口41bとドラ
ムベース17の中央開口17bに遊嵌した状態でその底
面にネジ止めされた板バネ99の腕部99a,99b,
99dがドラムベース17の裏面に当接し、腕部99c
がリードリング10eの180度の方向にに形成された
凸部10eー4に当接することによりドラム組立体DAを
下方に付勢している。
【0123】(第6実施例)次に、テープガイドドラム
10及びリードリング10eの姿勢を制御するための具
体的な構成についての第6実施例を図39乃至図44を
参照して説明する。なお、本実施例は、先に説明した第
4実施例における第1の姿勢制御、第2の姿勢制御、ト
ラック補正、リード補正の回動軸の変形例を与えるもの
であり、以下第4実施例との相違点について主として説
明する。
【0124】図39は、本実施例における、テープガイ
ドドラム10及びリードリング10eの姿勢制御の態様
を三角図法的に示す模式図であり、同図(a)は、ドラ
ム軸11の方向から見た平面図を示す。また、同図
(b)は、90度の方向から見た正面図、同図(c)は
180度の方向からみた側面図をそれぞれ示す。なお、
同図(a)において、正方形の点で示すP1乃至P5
は、下ドラム10dとリードリング10eとの間に構成
すべき回動軸を形成するために選択される支点を示し、
白丸で示すP6乃至P10は、ドラムベース17と下ド
ラム10dとの間に構成すべき回動軸を形成するために
選択される支点を示す。
【0125】先ず、回動軸の第1の設定例として、支点
P1,P2,P4を選択して支点P1と支点P4を結ぶ
直線L14と、支点P2と支点P4を結ぶ直線L15とを下
ドラム10dとリードリング10eとの間の回動軸と
し、支点P7,P9,P10を選択して支点P7と支点
P9を結ぶ直線L17と、支点P7と支点P10を結ぶ直
線L16とをドラムベース17と下ドラム10dとの間の
回動軸とした場合のテープガイドドラム10及びリード
リング10eの姿勢制御の概要を説明する。本設定例に
おいては、下ドラム10dは、装置の図示しないシャー
シに固定されたドラムベース17と下ドラム10dとの
間に設けられた支点P7,P9,P10上に矢印AR9
の方向に付勢されて支持される。ここで、支点P9,P
10は、回動軸を形成するための支点と機能するととも
に、矢印AR5のように変位して下ドラム10dに作用
する駆動手段としても機能するものである。
【0126】また、リードリング10eは、付勢手段1
50,151により付勢されてその上に形成された支点
P1,P2,P4が下ドラム10dに当接した態様で支
持されている。すなわち、ドラムベース17の略0度と
略180度の方向には駆動手段129,131が、リー
ドリング10eの略0度と略180度の方向には駆動手
段130,132がそれぞれ設けられており、例えば同
図(b)に示すように、駆動手段129,130を下方
に変位させ、駆動手段131,132を上方に変位させ
ことによりテープガイドドラム10及びリードリング1
0eは反時計方向に回動して第1の姿勢制御(これは、
FB再生モードに対応したトラック補正、リード補正に
対応する。)が行われる。時計方向の回動による第1の
姿勢制御又は、FF再生モードに対応したトラック補
正、リード補正は、この逆であり説明を省略する。
【0127】また、第2の姿勢制御は、支点P9,P1
0を同期して変位させることによって、テープガイドド
ラム10及びリードリング10eを支点P7(直線L1
8)の周りに図39(c)中で回動させることによって
行う。次に、回動軸の第2の設定例として、支点P1,
P2,P3,P5を選択して支点P1と支点P5を結ぶ
直線L19と、支点P2と支点P3を結ぶ直線L20とを下
ドラム10dとリードリング10eとの間の回動軸と
し、支点P6,P8,P9,P10を選択して支点P6
と支点P10を結ぶ直線L21と、支点P8と支点P9を
結ぶ直線L22とをドラムベース17と下ドラム10dと
の間の回動軸とした場合のテープガイドドラム10及び
リードリング10eの姿勢制御の概要を説明する。
【0128】本設定例においては、下ドラム10dは、
装置の図示しないシャーシに固定されたドラムベース1
7と下ドラム10dとの間に設けられた支点P6,P
8,P9,P10上に矢印AR9の方向に付勢されて支
持される。ここで、支点P9,P10は、回動軸を形成
するための支点と機能するとともに、矢印AR5のよう
に変位して下ドラム10dに作用する駆動手段としても
機能するものであることは、第1の設定例の場合と同様
である。また、リードリング10eは、付勢手段15
0,151により付勢されてその上に形成された支点P
1,P2,P3,P5が下ドラム10dに当接した態様
で支持されている。
【0129】次に、上に説明した回動軸の第1の設定例
の場合における第1の姿勢制御と第2の姿勢制御及びト
ラック補正とリード補正を実現する具体的な機構につい
て更に説明する。図40は、第6実施例におけるテープ
ガイドドラム10及びその周辺の構成を示す断面図であ
り、図40(a)は、90度−270度断面図、図40
(b)は0度−180度断面図をそれぞれ示す。また、
図41は、本実施例の磁気記録再生装置において、第1
の姿勢制御又はトラック補正及びリード補正がなされた
一態様のテープガイドドラム10及びリードリング10
eとその周辺の構成を示す断面図であり、図41
(a),(b)は、いずれも0度−180度断面図を示
す。また、図42は第2の姿勢制御がなされた一態様の
テープガイドドラム10及びリードリング10eとその
周辺の構成を示す90度−270度断面図であり、図4
3は、本実施例のテープガイドドラム10及びその周辺
の構成を示す要部分解斜視図である。
【0130】なお、ドラム組立体DAの構成は上で説明
した第4実施例の場合と大略同様であるから説明を省略
する。ドラム組立体DAはその全体が、装置の図示しな
いシャーシに固定されたドラムベース17上に載置され
る。ドラムベース17には、図40又は図43に示すよ
うに、0度の方向にはネジ孔120と貫通孔121が、
180度の方向にはネジ孔122と貫通孔123がそれ
ぞれ形成されている。ネジ孔120,122には、ギア
付きスクリュー129,131が螺合し、貫通孔12
1,123には、ギア付きスクリュー130,132が
貫通して後述するリードリング10eに形成されたネジ
孔139,140に螺合する構成になっている。ここ
で、ギア付きスクリュー129,130はアイドルギア
133を介してモータ135に連結されるとともにギア
付きスクリュー131,132もアイドルギア134と
図示しないギアを介してモータ135に連結されてお
り、モータ135に駆動されて同時に変位する。即ち、
モータ135に駆動されてギア付きスクリュー129,
130が上方に変位すると、これと同時にギア付きスク
リュー131,132は下方に変位し、ギア付きスクリ
ュー129,130が下方にに変位すると、ギア付きス
クリュー131,132は上方に変位する構成になって
いる。
【0131】また、ドラムベースの略250度と290
度の方向にはそれぞれネジ孔127,128が形成され
ており、これらのネジ孔127,128にはモータ13
6に駆動されて同時に上下に変位するギア付きスクリュ
ー137,138がそれぞれ螺合している。なお、29
0度の方向のネジ孔128とギア付きスクリュー138
を便宜上、90度−270度断面図である図40(a)
内又は図42内に同時に示す。また、ドラムベース17
の面17a上には、90度の方向に位置決めピン124
と支点ピン126が、270度の方向に位置決めピン1
25がそれぞれ植設されている。ここで、位置決めピン
124,125は、後述するリードリング10eの貫通
孔144,145に嵌合して貫通するとともに底面部1
0eー3から突出した各先端は下ドラム10dの孔49,
50に所定のクリアランスをもって嵌合して、リードリ
ング10e及び下ドラム10dのドラム軸11の周りに
おける回転方向の位置決めを行う。
【0132】リードリング10eの底面部10eー3に
は、その0度と180度の方向にネジ孔139,140
が、90度、250度、290度の方向には孔141,
142,143が、90度と270度の方向には貫通孔
144,145がそれぞれ形成されている。そして、孔
141には支点ピン126が、孔142,143にはギ
ア付きスクリュー137,138がそれぞれ遊嵌する。
また更に、底面部10eー3の45度、135度、270
度の方向には、凸状支点146,147,148がそれ
ぞれ形成されている。一方、下ドラム10dの中央凸部
55には、板バネ149がネジ止めされており、その4
5度と135度と270度の方向の腕部149a,14
9b,149cはドラムベース17の裏面に当接して下
ドラム10dを下方に付勢して下ドラム10dの底面を
支点ピン126とギア付きスクリュー137,138に
当接せしめる。また、板バネ149の腕部149d,1
49e,149fはリードリング10eの底面に形成さ
れた凸部10eー4に当接してリードリング10eを上方
に付勢して、凸状支点146,147,148を下ドラ
ム10dの底面に当接せしめる。
【0133】次に、以上のようにドラムベース17上に
構成されたドラム組立体DA、即ち、テープガイドドラ
ム10及びリードリング10eの第1、第2の姿勢制御
について図41、図42を参照して説明する。図41
(a)は、第1の姿勢制御により下ドラム10dが支点
ピン126の先端とギア付きスクリュー137の先端を
結ぶ直線L17を回動軸として時計方向に回動するととも
にリードリング10eが凸状支点147,148を結ぶ
直線L15を回動軸として時計方向(下ドラム10dに対
しては反時計方向)に回動した状態を示し、同図(b)
は、下ドラム10dが支点ピン126の先端とギア付き
スクリュー138の先端を結ぶ直線L16を回動軸として
反時計方向に回動するとともにリードリング10eが凸
状支点146,148を結ぶ直線L14を回動軸として反
時計方向(下ドラム10dに対しては時計方向)に回動
した状態をそれぞれ示す。なお、ここで同図(a),
(b)はFF再生モード、FB再生モードのトラック補
正、リード補正がなされた状態にも対応する。また、図
42は第2の姿勢制御によりテープガイドドラム10及
びリードリング10eが直線L18を回動軸として時計方
向に回動した状態を示す。
【0134】第1の姿勢制御のみ又はトラック補正及び
リード補正のみを行う場合は、次のように行う。すなわ
ち、モータ136によりギア付きスクリュー137,1
38を支点ピン126と同じ高さに設定した状態で、モ
ータ135によりギア付きスクリュー129,130
を、図41(a)中、上方に変位させる。この時、ギア
付きスクリュー131,132は、同時に下方に変位す
る。これにより、ギア付きスクリュー131,132
は、それぞれリードリング10eの底面及び下ドラム1
0dの底面から離間し、ギア付きスクリュー130は、
下ドラム10dの底面に当接して下ドラム10dを直線
L17を回動軸として時計方向に回動させるとともに、ギ
ア付きスクリュー129は、リードリング10eの底面
に当接してリードリング10eを直線L15を回動軸とし
て時計方向に回動させることになり、第1の姿勢制御又
は、FF再生モードに対応したトラック補正及びリード
補正がなされることになる。
【0135】また、この逆の姿勢制御即ち、下ドラム1
0d及びリードリング10eを反時計方向に回動する第
1の姿勢制御又はトラック補正及びリード補正は、次の
ように行う。モータ135によりギア付きスクリュー1
31,132を、図41(b)中、上方に変位させ、ギ
ア付きスクリュー129,130を下方に変位させると
下ドラム10dは直線L16を回動軸として反時計方向に
回動し、リードリング10eは直線L14を回動軸として
反時計方向に回動することになり、第1の姿勢制御又
は、FB再生モードに対応したトラック補正及びリード
補正がなされることになる。第2の姿勢制御のみを行う
場合は、次のように行う。すなわち、図40(b)に示
すように、ギア付きスクリュー129,131をいずれ
もリードリング10eの底面から離間したした状態とす
るとともにギア付きスクリュー130,132も下ドラ
ム10dの底面から離間した状態とする。この状態で
は、下ドラム10dは板バネ149の付勢力により下方
に付勢されて、その底面が支点ピン126とギア付きス
クリュー137,138に当接して支持される。この状
態からモータ136によりギア付きスクリュー137,
138を駆動して下方に変位させると、図42に示すよ
うにリードリング10e及び下ドラム10dは共に直線
L18を回動軸として時計方向に回動して第2の姿勢制御
が行われる。
【0136】以上の説明では、第1の姿勢制御又は第2
の姿勢制御を単独で行う場合について説明したが、第1
の姿勢制御と第2の姿勢制御とを併せて同時に行うこと
も可能なことはいうまでもない。また、本実施例の磁気
記録再生装置では、記録又は自己録再生に際しては、図
40(b)に示すように、ギア付きスクリュー129,
131をいずれもリードリング10eの底面から離間し
たした状態とするとともにギア付きスクリュー130,
132も下ドラム10dの底面から離間した状態とする
ことにより、リードリング10eは板バネ149の付勢
力によりその三つの凸状支点146,147,148が
下ドラム10dの底面に当接して下ドラム10dに対す
るリードリング10eの姿勢が一義的に決定される。な
おこの時、ギア付きスクリュー137,138はモータ
136に駆動されて支点ピン126と同じ高さに突出し
た状態とされることは云うまでもない。
【0137】なお、ここで説明した、回動軸の第1の設
定例はこれに限定されるこのではない。例えば、図53
に示すように、ドラムベース17上に支点ピン152,
153を設けるとともにネジ孔154を形成してこのネ
ジ孔154にギア付きスクリュー137を螺合させ、リ
ードリング10eには、これらの支点ピン152,15
3及びギア付きスクリュー137がそれぞれ貫入する孔
155,156,157を形成するとともに凸状支点1
58,159,160を設けるようにしてもよい。な
お、本実施例では、支点P7,P9,P10又は支点P
6,P8,P9,P10をドラムベース17と下ドラム
10dとの間に設ける構成について説明したが、これら
の支点は図44に示すように、ドラムベース17とリー
ドリング10eとに間に構成するようにしてもよい。
【0138】(第7実施例)次に、図30(c)を参照
して説明した先の提案に係る磁気記録再生装置に本発明
を適用した例を第7実施例として以下に説明する。図4
5は、本実施例における、テープガイドドラム10の姿
勢制御の態様を三角図法的に示す模式図であり、同図
(a)は、ドラム軸11の方向から見た平面図を示す。
また、同図(b)は、90度の方向から見た正面図、同
図(c)は180度の方向からみた側面図をそれぞれ示
す。先ず、同図を参照して、本実施例におけるテープガ
イドドラム10の姿勢制御の概要を説明する。本実施例
においては、第1の姿勢制御は、装置の図示しないシャ
ーシに固定されたドラムベース17と下ドラム10bと
の間に設けられた支点18によって形成される直線L3
(紙面に垂直で直線L1 に平行)を回動軸として上ドラ
ム10aと下ドラム10dとからなるテープガイドドラ
ム10を一体に回動することによって行われる。
【0139】すなわち、ドラムベース17と下ドラム1
0bの間の180度の方向には、下ドラム10bを支点
18の周りに反時計方向に回動付勢する付勢手段21が
設けられており、これと対向した0度の方向には矢印A
R5のように上下方向に変位する駆動手段83がドラム
ベース17に設けられている。従って、駆動手段83が
上方に変位すると下ドラム10bは、付勢手段21の付
勢力に抗して矢印AR6のように時計方向に回動し、反
対に、駆動手段83が下方に変位すると下ドラム10b
は、付勢手段21の付勢力により矢印AR7のように反
時計方向に回動して第1の姿勢制御が行われる。なお、
同図(b)においては、ドラムベース17に対して、下
ドラム10bが反時計方向に回動するとともに、下ドラ
ム10bに対して上ドラム10aが更に反時計方向に回
動した状態(後に説明するFB再生モードに対応したト
ラック補正とリード補正とがなされた状態)を示してい
るが、このような回動によっても第1の姿勢制御は可能
である。なお、先にも説明したように、第1の姿勢制御
としては、上ドラム10aと下ドラム10bとの同軸度
が維持された状態でこれらが一体として回動することが
望ましい。このように上ドラム10aと下ドラム10b
とを一体的に回動するには、駆動手段83の変位量に応
じて、駆動手段81を別に制御して上ドラム10aと下
ドラム10bとの同軸を維持するようにすればよい。
【0140】また、ドラムベース17と下ドラム10b
の間の270度の方向には、下ドラム10bを支点57
の周りに時計方向に回動付勢する付勢手段67と矢印A
R5のように上下方向に変位する駆動手段58がドラム
ベース17に設けられている。従って、駆動手段58が
上方に変位すると下ドラム10bは、付勢手段67の付
勢力に抗して矢印AR7のように反時計方向に回動し、
反対に、駆動手段58が下方に変位すると下ドラム10
bは、付勢手段67の付勢力により矢印AR6のように
時計方向に回動して第2の姿勢制御が行われる。なお、
FF再生モード、FB再生モード等のトリックプレイは
次のように行う。すなわち、FF再生モードの場合は、
0度の方向に設けられた駆動手段81を上方に変位さ
せ、180度の方向に設けられた付勢手段84の反時計
方向の付勢力に抗して上ドラム10aを、支点86によ
って形成される直線L13(図45(b)中、紙面に垂
直)を回動軸として時計方向に回動してトラック補正を
行う。また、これに併せて駆動手段83を上方に変位さ
せ、下ドラム10bを支点18によって形成される直線
L3 を回動軸として時計方向に回動してリード補正を行
う。FB再生モードの場合は、逆に駆動手段81,83
をそれぞれ下方に変位させて上ドラム10a及び下ドラ
ム10bを反時計方向に回動してトラック補正、リード
補正を行う。
【0141】次に、これらの第1の姿勢制御と第2の姿
勢制御及びトラック補正とリード補正を実現する具体的
な機構について更に説明する。図46は、第7実施例に
おけるテープガイドドラム10及びその周辺の構成を示
す断面図であり、図46(a)は、90度−270度断
面図、図46(b)は0度−180度断面図をそれぞれ
示す。また、図47は、本実施例の磁気記録再生装置に
おいて、第1の姿勢制御又は第2の姿勢制御がなされた
一態様のテープガイドドラム10及びその周辺の構成を
示す断面図であり、図47(a)は90度−270度断
面図、図47(b)は0度−180度断面図をそれぞれ
示す。また、図48は、本実施例のテープガイドドラム
10及びその周辺の構成を示す要部分解斜視図である。
【0142】ドラム組立体DAは、図46に示すよう
に、大略、ドラム軸11に同軸に支持された上ドラム1
0aと中間部材10cとこの中間部材10cの外周に遊
嵌する下ドラム10bとからなるテープガイドドラム1
0と、ドラムモータ19とから構成されている。すなわ
ち、中間部材10cにはドラム軸11が圧入されてお
り、ドラム軸11の上方には磁気ヘッドHa,Hbを搭
載した上ドラム10aがベアリング26,27を介して
ドラム軸11の周りに回転可能に取り付けられている。
19はロータ19aとステータ19bとからなるドラム
モータであり、ロータ19aは、ネジ28,29等によ
り上ドラム10aに固定され、ステータ19bはカラー
30を介してセットスクリュー31によりドラム軸11
に固定されている。また、32は上ドラム10aに取り
付けられて上ドラム10aと一体に回転する回転トラン
スであり、中間部材10cに固定された回転トランス3
3との間で信号の授受を行う。
【0143】そして、斯かる構成のドラム組立体DAは
その全体が、装置の図示しないシャーシに固定されたド
ラムベース17上に載置される。ドラムベース17に
は、図46又は図48に示すように、0度の方向にはネ
ジ孔87が、略30度の方向にはネジ孔88が、270
度の方向にはネジ孔89がそれぞれ形成されており、こ
れらのネジ孔87,88,89には、ギア付きスクリュ
ー90,91,92がそれぞれ螺合している。なお、図
46(b)、図47(b)はいずれも0度−180度断
面図であるが、便宜上、略30度の方向のギア付きスク
リュー91も同時に示す。ここで、ギア付きスクリュー
90,91はアイドルギア93を介してモータ94によ
り駆動されて略2:1の割合で図中、同時に上下に変位
する。また、ギア付きスクリュー92は、モータ95に
駆動されて図中、上下に変位する。ドラムベース17の
90度の方向と270度の方向には、先に図26乃至図
28を参照して説明したのと同様の支点ピン69,70
が同様の態様で植設されている。そして、これらの支点
ピン69,70は、下ドラム10bに形成された孔4
9,50に所定のクリアランスをもって嵌合し、支点ピ
ン69,70を結ぶ直線L3 の周りに下ドラム10bの
回動軸を構成する。
【0144】また、下ドラム10bは、図48に示す如
く磁気テープ摺接面10b-1とリード12とからなる円
環状部10bー2と、その断面形状がナイフエッジ状の中
央開口10bー3を有する底面部10bー4とから大略構成
されている。そして、底面部10bー4の0度の方向には
ギア付きスクリュー90が貫通する貫通孔96が、18
0度の方向には中間部材10cに植設された位置決めピ
ン97が嵌合する長孔98が、90度と270度の方向
には凸状支点60,61がそれぞれ形成されている。そ
して、中間部材10cはその中央凸部55が下ドラム1
0bのナイフエッジ状の中央開口10bー3に若干のクリ
アランスをもって嵌合するとともに位置決めピン97が
長孔98に嵌合した状態で下ドラム10bの円環状部1
0bー2の内周に遊嵌する。この際、中間部材10cは、
その底面部が下ドラム10bの底面部10bー4に形成さ
れた凸状支点60,61と貫通孔96を貫通して突出す
るギア付きスクリュー90の先端に当接して支持され
る。また、中間部材10cの中央凸部55には、略十字
型の板バネ99がネジ止めされており、その0度と90
度と270度の方向の腕部99a,99b,99dはド
ラムベース17の裏面に当接して中間部材10c及び下
ドラム10bを全体として、図中下方に付勢する。他
方、板バネ99の180度の方向の腕部99cは下ドラ
ム10bの180度の方向にに形成された凸部10bー5
に当接して下ドラム10bを、図46(b)中、反時計
方向に回動付勢する。
【0145】次に、以上のようにドラムベース17上に
構成されたドラム組立体DA、即ち、テープガイドドラ
ム10の第1、第2の姿勢制御について図47を参照し
て説明する。なお、図47(b)は、第1の姿勢制御
(又はFF再生モード対応したトラック補正及びリード
補正)により下ドラム10bが直線L3 を回動軸として
時計方向に回動するとともに中間部材10c即ち上ドラ
ム10aが直線L13を回動軸として時計方向に回動した
状態を示し、図47(a)は、第2の姿勢制御によりテ
ープガイドドラム10即ち上ドラム10a及び下ドラム
10bが直線L5を回動軸として時計方向に回動した状
態を示す。
【0146】直線L3 を回動軸にして、テープガイドド
ラム10を回動する第1の姿勢制御のみを行う場合は、
モータ94によりギア付きスクリュー91を、図47
(b)中、上下に変位させることによって行う。すなわ
ち、ギア付きスクリュー92の面17aからの突出量を
支点ピン69のスペーサ部69bの厚みと同じにした状
態で同図に示すようにギア付きスクリュー91が上方に
変位すると、下ドラム10bは、板バネ99の腕部99
cによる反時計方向の回動付勢力に抗して時計方向に回
動傾斜する。また、逆にギア付きスクリュー91が下方
に変位すると、下ドラム10bは、板バネ99の腕部9
9cによる反時計方向の回動付勢力により反時計方向に
回動傾斜する。
【0147】直線L5 を回動軸にして、テープガイドド
ラム10を回動する第2の姿勢制御のみを行う場合は、
モータ95とモータ94とによりギア付きスクリュー9
2とギア付きスクリュー91とを、同期して上下に変位
させることによって行う。図47(a)に示すように、
ギア付きスクリュー92とギア付きスクリュー91とが
一定の割合で下方に変位すると、下ドラム10bは、板
バネ99の腕部99dによる時計方向の回動付勢力によ
り時計方向に回動傾斜する。また、逆にギア付きスクリ
ュー92とギア付きスクリュー91とが一定の割合でが
上方に変位すると、下ドラム10bは、板バネ99の腕
部99dによる時計方向の回動付勢力に抗して反時計方
向に回動傾斜する。なおここで、ギア付きスクリュー9
2とギア付きスクリュー91とを変位させる量の割合
は、例えば、次のように決定される。すなわち、ギア付
きスクリュー92の先端とギア付きスクリュー91の先
端と支点ピン69のスペーサ部69bとの3点によって
決定される平面を、直線L5を回動軸としてテープガイ
ドドラム10を所望角度傾斜回動した際の下ドラム10
bの底面と一致するようにすればよいのである。
【0148】なお、これら第1の姿勢制御のみを行う場
合も第2の姿勢制御のみを行う場合も、ギア付きスクリ
ュー90は同時にギア付きスクリュー91と同方向に駆
動されてギア付きスクリュー91の略2倍変位して、中
間部材10cと上ドラム10aとを下ドラム10bに対
して直線L13を回動軸として回動させることになる(先
に説明したトラック補正の動作)が、トラック曲がりの
程度が所定の程度以下であれば、このような下ドラム1
0bに対する上ドラム10aの回動動作が伴っても第1
の姿勢制御又は第2の姿勢制御を実現することが可能で
あることを本願発明者等は確認している。
【0149】以上の説明では、第1の姿勢制御又は第2
の姿勢制御を単独で行う場合について説明したが、ギア
付きスクリュー91の面17aからの突出量とギア付き
スクリュー89の面17aからの突出量とを適宜選択す
ることにより第1の姿勢制御と第2の姿勢制御とを併せ
て同時に行うことも可能なことはいうまでもない。ま
た、本実施例では、部品点数を削減するために、ギア付
きスクリュー90,91を一つのモータ94で駆動する
構成として説明したが、各別にモータを設けて駆動する
ようにしてもよいことは云うまでもない。その場合に
は、下ドラム10bに対して上ドラム10aが傾斜しな
いようにギア付きスクリュー91,92の変位態様に合
わせてギア付きスクリュー90を適宜変位駆動すればよ
い。
【0150】本実施例において、FF再生モード、FB
再生モード等のトリックプレイは、ギア付きスクリュー
92の面17aからの突出量を支点ピン69のスペーサ
部69bの厚みと同じにした状態でモータ94によりギ
ア付きスクリュー90,91を上下に変位することによ
って行われる。即ち、FF再生モードでは、図47
(b)において、モータ94によりギア付きスクリュー
90,91を上方に変位させる。この時、ギア付きスク
リュー90,91は、略2:1の割合で上方に変位しそ
れぞれ中間部材10c及び上ドラム10aと下ドラム1
0bを、図中、時計方向に回動せしめる。FB再生モー
ドでは、逆に、モータ94によりギア付きスクリュー9
0,91を下方に変位させる。ギア付きスクリュー9
0,91は、略2:1の割合で下方に変位しそれぞれ中
間部材10c及び上ドラム10aと下ドラム10bを、
図中、反時計方向に回動せしめる。
【0151】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の磁
気記録再生装置によれば、バイモルフやボイスコイルモ
ータ等のアクチュエータを用いることなく、簡単な構成
でトラック曲がりを有する記録済みの磁気テープを良好
に再生可能となり、例えばVHS方式VTRにおけるE
Pモードのような高密度記録の場合であっても磁気記録
再生装置間における互換性を確保することができる。ま
た、本願出願人の先の提案における、リード補正を実現
する手段を第1の姿勢制御手段と兼用することによりF
F再生やFB再生等のトリックプレイ機能とトラック曲
がりを有する記録済み磁気テープを再生する互換性維持
機能とを同時に実現した磁気記録再生装置を構成するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】VHS方式VTRの代表的なテープ走行系の要
部を示す斜視図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1をドラム軸の方向から見た平面図である。
【図4】入り口側ガイドローラと出口側ガイドローラの
高さ調整不良の各種態様を示す平面図である。
【図5】入り口側ガイドローラと出口側ガイドローラの
高さ調整不良の各種態様を示す平面図である。
【図6】入り口側ガイドローラと出口側ガイドローラの
高さ調整不良の各種態様を示す平面図である。
【図7】本発明の第1実施例における、テープガイドド
ラムの姿勢制御の態様を三角図法的に示す模式図であ
る。
【図8】第1実施例におけるテープガイドドラム及びそ
の周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90度
−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面図
をそれぞれ示す。
【図9】第1実施例におけるテープガイドドラム及びそ
の周辺の構成を示す30度−210度断面図である。
【図10】第1実施例における第1の姿勢制御又は第2
の姿勢制御がなされた一態様のテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90
度−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面
図をそれぞれ示す。
【図11】第1実施例における第2の姿勢制御がなされ
た一態様のテープガイドドラム及びその周辺の構成を示
す30度−210度断面図である。
【図12】第1実施例のテープガイドドラム及びその周
辺の構成を示す斜視図である。
【図13】第1実施例のテープガイドドラム及びその周
辺の要部構成を示す分解斜視図である。
【図14】本発明の第2実施例における、テープガイド
ドラムの姿勢制御の態様を三角図法的に示す模式図であ
る。
【図15】第2実施例におけるテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90
度−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面
図をそれぞれ示す。
【図16】第2実施例におけるテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す45度−135度断面図である。
【図17】第2実施例における第1の姿勢制御又は第2
の姿勢制御がなされた一態様のテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90
度−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面
図をそれぞれ示す。
【図18】第2実施例のテープガイドドラム及びその周
辺の要部構成を示す分解斜視図である。
【図19】第2実施例の変形例におけるテープガイドド
ラム及びその周辺の構成を示す断面図であり、同図
(a)は90度−270度断面図、同図(b)は0度−
180度断面図をそれぞれ示す。
【図20】第2実施例の変形例における第1の姿勢制御
又は第2の姿勢制御がなされた一態様のテープガイドド
ラム及びその周辺の構成を示す断面図であり、同図
(a)は90度−270度断面図、同図(b)は0度−
180度断面図をそれぞれ示す。
【図21】第2実施例の変形例のテープガイドドラム及
びその周辺の要部構成を示す分解斜視図である。
【図22】本発明の第3実施例における、テープガイド
ドラムの姿勢制御の態様を三角図法的に示す模式図であ
る。
【図23】第3実施例におけるテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90
度−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面
図をそれぞれ示す。
【図24】第3実施例における第1の姿勢制御又は第2
の姿勢制御がなされた一態様のテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90
度−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面
図をそれぞれ示す。
【図25】第3実施例のテープガイドドラム及びその周
辺の要部構成を示す分解斜視図である。
【図26】第3実施例の変形例におけるテープガイドド
ラム及びその周辺の構成を示す断面図であり、同図
(a)は90度−270度断面図、同図(b)は0度−
180度断面図をそれぞれ示す。
【図27】第3実施例の変形例における第1の姿勢制御
又は第2の姿勢制御がなされた一態様のテープガイドド
ラム及びその周辺の構成を示す断面図であり、同図
(a)は90度−270度断面図、同図(b)は0度−
180度断面図をそれぞれ示す。
【図28】第3実施例の変形例のテープガイドドラム及
びその周辺の要部構成を示す分解斜視図である。
【図29】本発明の第2実施例又は第3実施例におけ
る、回動軸の異なる設定例を説明するためにテープガイ
ドドラムの姿勢制御の態様を三角図法的に示す模式図で
ある。
【図30】先の提案において開示した主要な実施例の要
部構成を模式的に示す0度−180度断面図である。
【図31】先の提案において開示した主要な実施例の要
部構成を模式的に示す0度−180度断面図である。
【図32】本発明の第4実施例又は第5実施例におけ
る、テープガイドドラムの姿勢制御の態様を三角図法的
に示す模式図である。
【図33】第4実施例におけるテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90
度−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面
図をそれぞれ示す。
【図34】第4実施例における第1の姿勢制御又は第2
の姿勢制御がなされた一態様のテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90
度−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面
図をそれぞれ示す。
【図35】第4実施例のテープガイドドラム及びその周
辺の要部構成を示す分解斜視図である。
【図36】第5実施例におけるテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90
度−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面
図をそれぞれ示す。
【図37】第5実施例における第1の姿勢制御又は第2
の姿勢制御がなされた一態様のテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90
度−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面
図をそれぞれ示す。
【図38】第5実施例のテープガイドドラム及びその周
辺の要部構成を示す分解斜視図である。
【図39】本発明の第6実施例における、テープガイド
ドラムの姿勢制御の態様を三角図法的に示す模式図であ
る。
【図40】第6実施例におけるテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90
度−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面
図をそれぞれ示す。
【図41】第6実施例における第1の姿勢制御又はトラ
ック補正及びリード補正がなされた一態様のテープガイ
ドドラム及びその周辺の構成を示す断面図であり、同図
(a),(b)はいずれも0度−180度断面図を示
す。
【図42】第6実施例における第2の姿勢制御がなされ
た一態様のテープガイドドラム及びその周辺の構成を示
す90度−270度断面図である。
【図43】第6実施例のテープガイドドラム及びその周
辺の要部構成を示す分解斜視図である。
【図44】本発明の第6実施例における、回動軸の異な
る設定例を説明するためにテープガイドドラムの姿勢制
御の態様を三角図法的に示す模式図である。
【図45】本発明の第7実施例における、テープガイド
ドラムの姿勢制御の態様を三角図法的に示す模式図であ
る。
【図46】第7実施例におけるテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90
度−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面
図をそれぞれ示す。
【図47】第7実施例における第1の姿勢制御又は第2
の姿勢制御がなされた一態様のテープガイドドラム及び
その周辺の構成を示す断面図であり、同図(a)は90
度−270度断面図、同図(b)は0度−180度断面
図をそれぞれ示す。
【図48】第7実施例のテープガイドドラム及びその周
辺の要部構成を示す分解斜視図である。
【図49】回動による第2の姿勢制御を説明するために
テープガイドドラムと出口側ガイドローラとを180度
の方向からみた状態を模式的に示す側面図である。
【図50】回動による第2の姿勢制御を説明するために
テープガイドドラムと出口側ガイドローラとを180度
の方向からみた状態を模式的に示す側面図である。
【図51】回動による第2の姿勢制御を説明するために
テープガイドドラムと出口側ガイドローラとを180度
の方向からみた状態を模式的に示す側面図である。
【図52】回動による第2の姿勢制御を説明するために
テープガイドドラムと出口側ガイドローラとを180度
の方向からみた状態を模式的に示す側面図である。
【図53】第6実施例のテープガイドドラム及びその周
辺の要部構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 傾斜ポール 2 傾斜ポール 3 サプライリール 4 消去ヘッド 5 インピーダンスローラ 6 オーディオコントロールヘッド 7 キャプスタン 8 ピンチローラ 9 テイクアップリール 10 テープガイドドラム 11 ドラム軸 12 リード 13 入り口側ガイドローラ 13a 上フランジ 13b 下フランジ 13c 外輪ローラ 13d シャフト 14 出口側ガイドローラ 14a 上フランジ 14b 下フランジ 14c 外輪ローラ 14d シャフト 15 ポールベース 15a セットスクリュー 16 ポールベース 16a セットスクリュー 17 ドラムベース 17a 面 17b 中央開口 18 支点 19 ドラムモータ 19a ロータ 19b ステータ 20 テープカセット 21 付勢手段 22 駆動手段 23 駆動手段 24 駆動手段 25 駆動手段 26 ベアリング 27 ベアリング 28 ネジ 29 ネジ 30 カラー 31 セットスクリュー 32 回転トランス 33 回転トランス 34 リード線 35 ネジ孔 36 ネジ孔 37 ネジ孔 38 ギア付きスクリュー 39 ギア付きスクリュー 40 ギア付きスクリュー 41 サブベース 41a 面 41b 中央開口 41c 円環状部 42 スタッド 43 リング状ギア 44 モータ 45 支点ピン 45a 上方凸部 45b スペーサ部 45c 下方凸部 46 支点ピン 46a 上方凸部 46b スペーサ部 46c 下方凸部 47 貫通孔 48 貫通孔 49 孔 50 孔 51 ネジ孔 52 孔 53 ギア付きスクリュー 54 モータ 55 中央凸部 56 板バネ 56a 腕部 56b 腕部 56c 腕部 57 支点 58 駆動手段 59 付勢手段 60 凸状支点 61 凸状支点 62 ネジ孔 63 ギア付きスクリュー 64 モータ 65 板バネ 65a 腕部 65b 腕部 65c 腕部 67 付勢手段 68 ネジ孔 69 支点ピン 70 支点ピン 71 ネジ孔 72 支点 73 支点 74 駆動手段 75 駆動手段 76 駆動手段 77 付勢手段 78 駆動手段 79 駆動手段 80 付勢手段 81 駆動手段 82 付勢手段 83 駆動手段 84 付勢手段 85 駆動手段 86 支点 87 ネジ孔 88 ネジ孔 89 ネジ孔 90 ギア付きスクリュー 91 ギア付きスクリュー 92 ギア付きスクリュー 93 アイドルギア 94 モータ 95 モータ 96 貫通孔 97 位置決めピン 98 長孔 99 板バネ 100 逃げ孔 101 孔 102 凸状支点 103 ネジ孔 104 孔 105 位置決めピン 106 位置決めピン 107 ネジ孔 108 貫通孔 109 貫通孔 110 凸状支点 111 凸状支点 112 凸状支点 113 スプリングホルダ 114 セットスクリュー 115 コイルスプリング 116 コイルスプリング 117 ネジ 118 コイルスプリング 119 ギア付きスクリュー 120 ネジ孔 121 貫通孔 122 ネジ孔 123 貫通孔 124 位置決めピン 125 位置決めピン 126 支点ピン 127 ネジ孔 128 ネジ孔 129 ギア付きスクリュー 130 ギア付きスクリュー 131 ギア付きスクリュー 132 ギア付きスクリュー 133 アイドルギア 134 アイドルギア 135 モータ 136 モータ 137 ギア付きスクリュー 138 ギア付きスクリュー 139 ネジ孔 140 ネジ孔 141 孔 142 孔 143 孔 144 貫通孔 145 貫通孔 146 凸状支点 147 凸状支点 148 凸状支点 149 板バネ 150 付勢手段 151 付勢手段 152 支点ピン 153 支点ピン 154 ネジ孔 155 孔 156 孔 157 孔 158 凸状支点 159 凸状支点 160 凸状支点

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テープガイドドラムに巻回された磁気テー
    プに傾斜トラックを形成して該磁気テープに情報の記録
    再生を行う磁気記録再生装置であって、 磁気ヘッドを搭載して回転する上ドラムと、該磁気テー
    プの下端縁を案内するリードを備えた下ドラムとからな
    る該テープガイドドラムと、 該装置の基準面に対し予め定められた特定角度だけ傾斜
    した傾斜面を有し、該テープガイドドラムを支持するド
    ラムベースと、 該装置に対して該予め定められた特定角度だけ傾斜し該
    上ドラムと該下ドラムとを同軸に支持するドラム軸と、 該テープガイドドラムに対する該磁気テープの巻き付け
    範囲の始点を規定する入り口側傾斜ポールと、 該テープガイドドラムに対する該磁気テープの巻き付け
    範囲の終点を規定する出口側傾斜ポールと、 該始点近傍において該磁気テープの少なくも上端縁の位
    置を規定すべきフランジを有した入り口側ガイドローラ
    と、 該終点近傍において該磁気テープの少なくも上端縁の位
    置を規定すべきフランジを有した出口側ガイドローラと
    を少なくも具備した磁気記録再生装置において、 該始点における該磁気ヘッドの回転軌跡面の高さと該終
    点における該磁気ヘッドの回転軌跡面の高さとを互いに
    逆方向に変化せしめる第1の姿勢制御手段と、 該始点における該磁気ヘッドの回転軌跡面の高さと該終
    点における該磁気ヘッドの回転軌跡面の高さとを実質的
    に同方向に変化せしめる第2の姿勢制御手段とを設けた
    ことを特徴とする磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】該第1の姿勢制御手段は、該ドラムベース
    と該下ドラムとの間に構成した第1の支点と第2の支点
    とを結ぶ直線を回動軸とし、該テープガイドドラムを傾
    斜せしめることを特徴とする請求項1記載の磁気記録再
    生装置。
  3. 【請求項3】該第1の姿勢制御手段は、該ドラムベース
    と該下ドラムとの間に構成した第1の支点と第2の支点
    とを結ぶ第1の直線と第1の支点と第3の支点とを結ぶ
    第2の直線とをそれぞれ回動軸とし、該テープガイドド
    ラムを傾斜せしめることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録再生装置。
  4. 【請求項4】該第1の姿勢制御手段は、該ドラムベース
    と該下ドラムとの間に構成した第1の支点と第2の支点
    とを結ぶ第1の直線と第3の支点と第4の支点とを結ぶ
    第2の直線とをそれぞれ回動軸とし、該テープガイドド
    ラムを傾斜せしめることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録再生装置。
  5. 【請求項5】該第2の姿勢制御手段は該テープガイドド
    ラムを該ドラム軸と略平行な方向に変位せしめることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4記載の何れか一の磁気
    記録再生装置。
  6. 【請求項6】該第2の姿勢制御手段は該ドラムベースと
    該下ドラムとの間の該テープガイドドラムに対する該磁
    気テープの巻き付け範囲の中央を通り該ドラム軸に直交
    する直線又は該直線に略平行な直線を回動軸とし、該テ
    ープガイドドラムを傾斜せしめることを特徴とする請求
    項1乃至請求項4記載の何れか一の磁気記録再生装置。
  7. 【請求項7】該上ドラムと該下ドラムとを相対的に傾斜
    せしめる回動手段を設けたことを特徴とする請求項1乃
    至請求項6記載の何れか一の磁気記録再生装置。
  8. 【請求項8】テープガイドドラムに巻回された磁気テー
    プに傾斜トラックを形成して該磁気テープに情報の記録
    再生を行う磁気記録再生装置であって、 磁気ヘッドを搭載して回転する上ドラムと、下ドラムと
    からなるテープガイドドラムと、 その一縁部が該磁気テープの下端縁を案内するリードと
    して機能する円環状部と底面部とから大略構成され該テ
    ープガイドドラムとは別体のリードリングと、 該下ドラムの下部に形成されて該下ドラムの磁気テープ
    摺接面より小径であって該リードリングの円環状部と遊
    嵌すべき段部と、 該装置の基準面に対し予め定められた特定角度だけ傾斜
    した傾斜面を有し、該リードリングと該テープガイドド
    ラムとを支持するドラムベースと、 該装置に対して該予め定められた特定角度だけ傾斜し該
    上ドラムと該下ドラムとを同軸に支持するドラム軸と、 該テープガイドドラムに対する該磁気テープの巻き付け
    範囲の始点を規定する入り口側傾斜ポールと、 該テープガイドドラムに対する該磁気テープの巻き付け
    範囲の終点を規定する出口側傾斜ポールと、 該始点近傍において該磁気テープの少なくも上端縁の位
    置を規定すべきフランジを有した入り口側ガイドローラ
    と、 該終点近傍において該磁気テープの少なくも上端縁の位
    置を規定すべきフランジを有した出口側ガイドローラと
    を少なくも具備した磁気記録再生装置において、 該始点における該磁気ヘッドの回転軌跡面及び該リード
    リングの高さと該終点における該磁気ヘッドの回転軌跡
    面及び該リードリングの高さとを互いに逆方向に変化せ
    しめる第1の姿勢制御手段と、 該始点における該磁気ヘッドの回転軌跡面及び該リード
    リングの高さと該終点における該磁気ヘッドの回転軌跡
    面及び該リードリングの高さとを実質的に同方向に変化
    せしめる第2の姿勢制御手段とを設けたことを特徴とす
    る磁気記録再生装置。
  9. 【請求項9】該リードリングと該テープガイドドラムと
    を相対的に傾斜せしめる回動手段を設けたことを特徴と
    する請求項8記載の磁気記録再生装置。
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