JPH08179454A - ハロゲン化銀写真乳剤 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤

Info

Publication number
JPH08179454A
JPH08179454A JP7253415A JP25341595A JPH08179454A JP H08179454 A JPH08179454 A JP H08179454A JP 7253415 A JP7253415 A JP 7253415A JP 25341595 A JP25341595 A JP 25341595A JP H08179454 A JPH08179454 A JP H08179454A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emulsion
silver halide
mol
silver
dopant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7253415A
Other languages
English (en)
Inventor
Eric L Bell
レスリー ベル エリック
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eastman Kodak Co filed Critical Eastman Kodak Co
Publication of JPH08179454A publication Critical patent/JPH08179454A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/06Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein with non-macromolecular additives
    • G03C1/08Sensitivity-increasing substances

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高コントラスト写真乳剤を提供すること。 【解決手段】 ドーパントと、粒子表面変性剤と、イリ
ジウムを含む六配位錯体とを内部又は表面に含有するハ
ロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀写真乳剤。前記ドー
パントは、ニトロシル又はチオニトロシル配位子と周期
律表の第5〜10族から選ばれた遷移金属とを含む遷移
金属錯体である。前記粒子表面変性剤は、周期律表の第
7〜10族から選ばれたイリジウム以外の遷移金属を含
む遷移金属錯体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は写真乳剤に関する。
より詳細には、本発明は遷移金属錯体の組合せを含むハ
ロゲン化銀写真乳剤に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー写真、黒白写真のどちらにおいて
も、露光して現像した際に高いコントラストを示す製品
が望まれている。これはコントラストが見掛けの鮮鋭性
と直接に関係があるという現実に基づいている。高いコ
ントラストを示す製品は視覚的に鮮鋭性が高いという印
象を与える。反対に、コントラストの低い製品は視覚的
に鮮鋭性が低いという印象を与える。伝統的に、写真業
者はコントラストをいずれもD−logE曲線(「特性
曲線」としても知られている;JamesのThe T
heory of Photographic Pro
perties、第四版、第501〜504頁を参照の
こと)由来の二つの方法によって規定している。第一の
方法は、D−logE曲線の直線部分の傾きとして規定
されるガンマ(γ)を求める方法である。第二の方法
は、D−logE曲線の足部の全体の鮮鋭性を求める方
法である。足部の鮮鋭性とは、足部の相対濃度を通常意
味する。例えば、鮮鋭な足とは相対的に低い(小さい)
足濃度を意味し、またソフトな足とは相対的に高い(大
きい)足濃度を意味する。一般に、足濃度を測定する地
点は感度が写真スピード点から0.3logE高い地点
に相当するが、足濃度は特性曲線の傾きが一次増加する
前であればいずれの地点でも適当に測定することはでき
る。写真スピード点は、典型的にはD−logE曲線上
の濃度が1.0である地点に相当する。
【0003】γの値が高いか又は足が鮮鋭であると、そ
の像のコントラストは比較的高くなる。γの値が低いか
又は足がソフトであると、その像のコントラストは比較
的低くなる。写真要素のコントラストを最大限に高めた
い場合に、ハロゲン化銀乳剤に各種遷移金属イオン及び
化合物をドープすることが知られている。ドーパント
は、ハロゲン化銀の析出時に乳剤に添加される物質であ
って、ハロゲン化銀粒子の内部構造内に取り込まれる。
ドーパントは、内部に取り込まれるため、化学増感剤や
分光増感剤のような析出後に添加される物質とは区別さ
れている。これら後者の化合物は、ハロゲン化銀粒子の
表面に外的に関係するものであるため、添加物又は粒子
表面変性剤と称する方が適切である。
【0004】ドーパントの量や配置によって、粒子の写
真特性を変えることができる。ドーパントが、六配位錯
体や四配位錯体のような配位錯体の一部を形成する遷移
金属である場合には、配位子もまた粒子内部に含まれる
ことができ、そして粒子の写真特性を変えることができ
る。ドープされたハロゲン化銀乳剤の特別な例を下記米
国特許明細書に見ることができる:シアン化物配位子を
有する鉄錯体の使用について記載している米国特許第
4,147,542号明細書;レニウム、ルテニウム又
はオスミウムと4個以上のシアン化物配位子との六配位
錯体の使用について記載している米国特許第4,94
5,035号及び同第4,937,180号明細書;並
びに高照度相反則不軌(HIRF)を低減するためにル
テニウムやイリジウムのイオンを使用することについて
記載している米国特許第4,828,962号明細書。
【0005】最近、ニトロシル又はチオニトロシル配位
子を有する遷移金属錯体を含む乳剤用ドーパントが知ら
れるようになった。欧州特許出願公開第0325235
号及び同第0457298号公報は、このような錯体の
一つ、すなわちカリウム鉄ペンタシアノニトロシルを使
用することについて記載している。第二のタイプのドー
パント、レニウムニトロシル又はレニウムチオニトロシ
ルが米国特許第4,835,093号明細書に、また第
三のタイプ、ジセシウムペンタクロロニトロシルオスメ
ートが米国特許第4,933,272号明細書に記載さ
れている。ハロゲン化銀乳剤においてドーパントを併用
することも知られている。このようなドーパントの組合
せを、ロジウム化合物とイリジウム化合物の両方を添加
することについて記載している米国特許第3,901,
713号明細書や、鉄化合物とイリジウム塩又はロジウ
ム塩とを併用することについて教示している米国特許第
3,672,901号明細書に見ることができる。
【0006】ハロゲン化銀乳剤の写真特性を改良する方
法は、化学増感や分光増感の際に乳剤に遷移金属を添加
する工程を含むものでもあった。既に述べたように、こ
のように添加される遷移金属は、ハロゲン化銀の析出後
に添加されるので、ドーパントというよりは粒子表面変
性剤と呼ばれる。化学増感剤の主流は金増感剤と硫黄増
感剤であり、どちらもハロゲン化銀結晶表面に電子トラ
ップ及び/又は光ホールを形成することにより乳剤感度
を高めると考えられている。別の遷移金属を添加するこ
とによる増感も行われている。具体的には白金塩が用い
られるが、この塩はゼラチンによる阻害を強く受ける。
さらに、イリジウム塩並びにロジウム、オスミウム及び
ルテニウムの錯イオンが化学増感剤として(またドーパ
ントとしても)使用されている。これらの金属が感度に
与える全体的な影響は、それらの原子価状態に依存して
いるようである。
【0007】粒子表面変性剤とドーパントを組み合わせ
たもの、又は2種の粒子表面変性剤を組み合わせたもの
が利用されており、例えば、米国特許第5,252,4
51号及び同第5,256,530号明細書に記載され
ている。遷移金属及びその組合せをドーパント又は粒子
表面変性剤として使用することは知られているが、従来
技術によるこれら遷移金属の適用法ではコントラストの
改良が不十分な乳剤しか得られない。これは、あるドー
パント又は粒子表面変性剤が不十分な効果しか発揮しな
い結果であるか、或いはドーパント又は粒子表面変性剤
の組合せが逆効果を発揮した結果であることが多かっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、ドーパントと
粒子表面変性剤の組合せが高いコントラスト特性を付与
する、高いγ及び/又は鮮鋭な足を示す高コントラスト
ハロゲン化銀乳剤を提供することによって、こうした欠
点を克服することが望まれる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ドーパント
と、粒子表面変性剤と、イリジウムを含む六配位錯体と
を内部又は表面に含有するハロゲン化銀粒子を含むハロ
ゲン化銀写真乳剤であって、前記ドーパントが、ニトロ
シル又はチオニトロシル配位子と周期律表の第5〜10
族から選ばれた遷移金属とを含む遷移金属錯体であり、
そして前記粒子表面変性剤が、周期律表の第7〜10族
から選ばれたイリジウム以外の遷移金属を含む遷移金属
錯体であるハロゲン化銀写真乳剤を提供するものであ
る。
【0010】本発明により利用されるドーパントは、ハ
ロゲン化銀結晶を析出する際に乳剤へ添加されることを
さらに特徴とする。このため、ドーパントは結晶粒子の
内部構造中に取り込まれる。対照的に、粒子表面変性剤
はハロゲン化銀を析出した後に乳剤へ添加される。粒子
表面変性剤は、内部に取り込まれるというより結晶粒子
の表面に吸着され、そしてドーパント及びイリジウムを
含む六配位錯体との組合せによって、ハロゲン化銀乳剤
のコントラストを従来では考えられないほど改良する。
イリジウムを含む六配位錯体は、ドーパントとして結晶
粒子の内部構造中に取り込まれるか、或いは粒子表面変
性剤として粒子表面に吸着される。
【0011】本発明のある態様では、ドーパントと、粒
子表面変性剤と、イリジウムを含む六配位錯体とが、臭
化銀又はヨウ化銀を実質的に含まない塩化銀粒子へ適用
される。本発明の別の態様では、ハロゲン化銀キャリヤ
において塩化銀粒子の表面に沿って間隔をあけて粒子表
面変性剤が配置されている。このような場合のハロゲン
化銀キャリヤは、各結晶の全ハロゲン化銀の約2モル%
未満、好ましくは約1モル%未満を占める。このような
場合には、ドーパントと、粒子表面変性剤と、イリジウ
ムを含む六配位錯体との組合せによってコントラストが
改良される。
【0012】本発明の詳細な説明 本発明を説明する際に周期律表の特定の族を参照する。
これらの族を規定している周期律表は、America
n Chemical Societyによって採用さ
れており且つChemical and Engine
ering News(1985年2月4日、第26
頁)に記載されているものである。ハロゲン化銀乳剤の
成分は、それらのハロゲン化銀結晶粒子との関わりが内
的であるか外的であるかによって区別されることが多
い。先に述べたように、ハロゲン化銀析出時に添加され
る化合物は結晶構造内に内的に取り込まれるため、ドー
パントと呼ばれる。対照的に、析出後に添加される化合
物は粒子の外部表面と関わるようになる。これらの化合
物を規定する用語には、添加剤や粒子表面変性剤をはじ
めとする様々なものがある。
【0013】本発明は、ドーパントと、粒子表面変性剤
と、イリジウムを含む六配位錯体との組合せを含む高コ
ントラストハロゲン化銀乳剤に関するものである。ドー
パントは、ハロゲン化銀粒子全体の好ましくは10%以
上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70
%以上にわたり取り込まれている。場合によっては、各
ハロゲン化銀粒子のコア領域の90〜95%にわたり取
り込まれること、すなわち析出工程中に粒子体の90〜
95%が形成されるまで添加されることが望まれる。し
かしながら、ハロゲン化銀粒子の表面よりも内側に配置
される限り、析出工程の後の方で乳剤へ添加することも
できる。粒子の特定の領域にドーパントを帯状に配置す
ることも可能である。例えば、各粒子の25〜75%の
領域にわたり、又は各粒子の75〜95%の領域にわた
りドーパントを取り込ませることが考えられる。
【0014】本発明により利用されるドーパントは遷移
金属錯体であり、一般に以下の式で表すことができる。 〔TE4 (NZ)E’〕r 上式中、Tは、周期律表の第5族〜第10族から、好ま
しくは第8族から選ばれた遷移金属であり;Zは、酸素
又は硫黄であって、窒素と一緒にニトロシル配位子又は
チオニトロシル配位子を形成し;E及びE’は、ニトロ
シル配位子又はチオニトロシル配位子とは別の配位子を
表し;そしてrは0、−1、−2又は−3である。
【0015】遷移金属錯体の一部としてニトロシル又は
チオニトロシル配位子がハロゲン化銀粒子の内部構造中
に取り込まれ、それが乳剤の写真特性を変性するものと
考えられる。ハロゲン化銀粒子の内部構造には別の配位
子も取り込まれる。上記のEで規定された配位子は、結
晶粒子中の2個以上の金属中心間の橋基として働く橋架
配位子を表す。好ましい橋架配位子の特別な例として、
アクオ配位子、ハロゲン化物配位子、シアン化物配位
子、シアネート配位子、チオシアネート配位子、セレノ
シアネート配位子、テルロシアネート配位子及びアジド
配位子が挙げられる。上記のE’で規定された配位子は
E、ニトロシル又はチオニトロシルを表す。好ましい遷
移金属錯体を以下に列挙する。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】本発明に適した粒子表面変性剤は、周期律
表の第7族〜第10族から選ばれた、イリジウムを除く
遷移金属を含む遷移金属錯体である。このように、これ
には鉄、ルテニウム、オスミウム及びレニウムから選ば
れた遷移金属が含まれる。好ましくは、粒子表面変性剤
は周期律表の第8族から選ばれた遷移金属を含む。粒子
表面変性剤は、シアン化物配位子を含む六配位錯体であ
ることが考えられる。好ましくは、以下の式で表され
る。 〔M(CN)6-y y n 上式中、Mはイリジウム以外の第7族〜第10族の遷移
金属、好ましくは第8族の遷移金属として定義され;L
は配位子であり;yは0、1、2又は3であり;そして
nは0、−1、−2、−3又は−4である。
【0021】配位子の特別な例として、アクオ配位子、
ハロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シアネート配
位子、チオシアネート配位子、セレノシアネート配位
子、テルロシアネート配位子及びアジド配位子が含まれ
る。本発明の粒子表面変性剤は、乳剤の仕上げ工程中に
適用されることが好ましい。仕上げ工程とは、ハロゲン
化銀の析出工程に続いて実施されるすべての工程であっ
て、ハロゲン化銀粒子の表面を変性するために乳剤へ物
質を添加する工程に関わる。それゆえ、化学増感や分光
増感といった工程が含まれる。
【0022】仕上げ工程にはまた、ハロゲン化銀キャリ
ヤにおいてハロゲン化銀粒子の表面に沿って間隔をあけ
て粒子表面変性剤を付着させる工程も含まれる。このよ
うな場合、ハロゲン化銀キャリヤは、結晶の全ハロゲン
化物含有量の約2モル%未満、好ましくは約1モル%未
満を占める。このような仕上げ工程は、リップマンハロ
ゲン化物キャリヤ、例えば、リップマン臭化物、塩化
物、臭塩化物、塩臭化物、ヨウ塩臭化物又はヨウ臭塩化
物(ヨウ化物含有量は約10モル%未満である)を利用
して行うことが好ましい。具体的には、リップマンハロ
ゲン化物乳剤(平均粒径約0.05μmの非常に細かい
ハロゲン化銀乳剤)は、その粒子内に、一定量の粒子表
面変性剤を取り込ませることができる。これらの乳剤
を、本発明のはるかに大きなハロゲン化銀粒子の存在下
で消化する。するとそれらはより大きな粒子の表面に再
結晶化するため、粒子表面変性剤が送り込まれる。
【0023】リップマンハロゲン化物キャリヤは、ハロ
ゲン化銀粒子中の全ハロゲン化物の約2モル%未満、好
ましくは約1モル%未満を占めるにすぎないので、それ
らがより大きな粒子の周囲にシェルを形成することはな
い。むしろ、粒子表面に沿って飛び飛びに付着物を形成
する。一般に、これらの付着物はハロゲン化銀粒子の角
部に形成される。また、析出後にドープされた乳剤に粒
子表面変性剤を添加することによって本発明の乳剤を形
成することもできる。しかしながら、はるかに大きなハ
ロゲン化銀粒子の表面に結合するリップマンハロゲン化
物キャリヤを利用して粒子表面変性剤を適用することが
好ましい。リップマンハロゲン化物キャリヤを使用しな
い場合であって、ハロゲン化銀粒子が主として塩化銀で
ある場合には、粒子表面変性剤をハロゲン化カリウム
(典型的にはには臭化物又は塩化物)の溶液と一緒に適
用することが好ましい。ハロゲン化銀粒子の表面にある
ハロゲン化物原子が少量のハロゲン化物で置き換えられ
るので、粒子表面変性剤は粒子表面に吸着される傾向が
ある。特許請求した本発明の粒子表面変性剤の好適な例
を以下に列挙する。
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】イリジウムを含む六配位錯体は以下の構造
式を有することが好ましい。 Rq IrX6 上式中、Rは水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニ
ウム基を表し;qは2、3又は4であり;そしてXは配
位子、好ましくはハロゲン配位子(例、塩素原子若しく
は臭素原子)又は他のアニオン配位子を表す。
【0027】配位子の例として、アクオ配位子、ハロゲ
ン化物配位子、シアン化物配位子、シアネート配位子、
チオシアネート配位子、セレノシアネート配位子、テル
ロシアネート配位子及びアジド配位子が挙げられる。上
記配位子の組合せも考えられる。この配位子はニトロシ
ル配位子又はチオニトロシル配位子以外であることが好
ましい。イリジウムを含む六配位錯体は典型的には水溶
性である。水に溶解すると、R q はカチオンとして解離
すると同時に、イリジウム原子と配位子はアニオン性六
配位錯体として分散する。
【0028】六配位錯体は、写真的に有用なハロゲン化
銀において主流である面心立方晶格子と適合する空間形
状を示す。その6個の配位子は、結晶構造内の銀イオン
に隣接している6個のハロゲン化物イオンと空間的に類
似している。こうして、それらは実際にハロゲン化物イ
オンであることができる。それらはまた、ハロゲン化銀
結晶格子の内部に空間的且つ電気的に収容されうる単元
素又は多元素のいずれの配位子であってもよい。六配位
錯体に関する包括的記述についてはMcDugleらの
米国特許第4,933,272号明細書に見ることがで
き、本明細書ではこれを参照することによって取り入れ
ることとする。ドーパント同様、イリジウムを含む六配
位錯体はハロゲン化銀粒子内のどこに取り込まれてもよ
い。ハロゲン化銀粒子全体の50%以上、75%以上又
は90%以上にわたり取り込まれることができる。しか
しながら、六配位錯体はハロゲン化銀粒子の外部領域の
方に取り込まれることが好ましい。このため、粒子の全
体積を基準とした場合に、粒子の外側の80〜98%に
当たる領域にわたり六配位錯体が取り込まれていること
が好ましい。粒子体積の外側の85〜95%、最適には
90〜95%を構成する領域において六配位錯体が帯状
をなしているとさらに好ましい。
【0029】イリジウムを含む六配位錯体が粒子表面変
性剤としてハロゲン化銀粒子の表面に取り込まれること
も特に考えられる。このため、このような錯体を、先に
別の粒子表面変性剤に関して記載したように適用するこ
とができる。六配位錯体をリップマンハロゲン化物キャ
リヤの形態で粒子に適用する場合には、そのキャリヤは
ハロゲン化銀粒子中の全ハロゲン化物の約2モル%以
下、好ましくは約1モル%以下を占めることが好まし
い。イリジウムを含む六配位錯体の特別な例として、K
2 IrCl6 、K3 IrCl6 、K2 IrBr6 、K3
IrBr6 、K2 IrCl5 (H2 O)、K3 Ir(C
N)6 、K3 Ir(CN)5 Cl、K3 Ir(CN)4
2 及びK4 Ir(CN)6 が挙げられる。
【0030】本発明に用いられる粒子表面変性剤と、ド
ーパントと、イリジウムを含む六配位錯体とは、熟成剤
の存在下で熟成された塩化銀乳剤に適用することが好ま
しい。また、粒子表面変性剤は塩化銀1モル当たり約
1.0×10-6〜約5.0×10-4モルの量で適用され
ること、ドーパントは塩化銀1モル当たり約7.5×1
-10 〜約3.0×10-8モルの量で適用されること、
そしてイリジウムを含む六配位錯体は、ドーパントとし
て適用されるか粒子表面変性剤として適用されるかとは
無関係に、塩化銀1モル当たり約1.0×10-9〜約
1.0×10-4モルの量で適用されることが好ましい。
粒子表面変性剤は、塩化銀1モル当たり約1.0×10
-6〜約4.0×10-5モルの量で適用されることが好ま
しく、さらに最適には、塩化銀1モル当たり約3.9×
10-6〜約3.2×10-5モルの量で適用される。
【0031】このような場合のドーパントは、塩化銀1
モル当たり約1.0×10-9〜約2.0×10-8モルの
量にあることが好ましく、さらに最適には、塩化銀1モ
ル当たり約3.0×10-9〜約1.8×10-8モルの量
にある。ドーパント及び粒子表面変性剤の量が上記範囲
にある場合、イリジウムを含む六配位錯体は、塩化銀1
モル当たり約2.0×10-9〜約1.0×10-5モルの
量で使用されることが好ましく、より好ましくは、塩化
銀1モル当たり約5.0×10-9〜約5.0×10-6
ルの量で使用される。
【0032】本発明で使用できるハロゲン化銀粒子は既
知のいずれのタイプのものであってもよい。それらは、
臭化物イオンを唯一のハロゲン化物として形成されたも
の、塩化物イオンを唯一のハロゲン化物として形成され
たもの、又はこれら2種の混合物であることができる。
それらはまた、その内部に少量のヨウ化物イオンを取り
込んでいるものであってもよい。しかし、一般に、ハロ
ゲン化銀粒子中のヨウ化物濃度が銀基準で20モル%を
越えることは稀であり、典型的には10モル%未満であ
る。しかしながら、用途によってヨウ化物の使用法は大
きく異なる。高スピード(ASA100以上)のカメラ
用フィルムでは、ヨウ化物が存在するとどの粒状度レベ
ルにおいてもより高いスピードが実現されるため臭ヨウ
化銀乳剤が用いられる。放射線写真では、ヨウ化物含有
量が5モル%未満の臭ヨウ化銀乳剤又は臭化銀乳剤が慣
例的に用いられている。対照的に、グラフィックアーツ
やカラーペーパー用の乳剤は、50モル%を上回る塩化
物を含有することが典型的である。それらは、70モル
%を上回る、最適には85モル%を上回る塩化物を含有
することが好ましい。このような乳剤における残りのハ
ロゲン化物は、5モル%未満、最適には2モル%未満の
ヨウ化物を含み、そして塩化物やヨウ化物によって占め
られていないハロゲン化物の残部が臭化物であることが
好ましい。
【0033】本発明の利点は、上記のどのタイプの乳剤
にも存在するが、臭化銀又はヨウ化銀を実質的に含まな
い塩化銀粒子を含む乳剤であることが好ましい。「実質
的に含まない」とは、このような粒子のうち塩化銀が約
90モル%を上回ることを意味する。乳剤中のハロゲン
化銀のうち塩化銀が占める割合が約95モル%を上回る
ことが好ましい。さらに、その割合が約97〜99モル
%であることが最適である。本発明は、既知の乳剤調製
技法のいずれによっても実施することができる。このよ
うな技法には、通常採用されている技法、例えば、シン
グルジェット析出法やダブルジェット析出法;又は別の
ミキサー若しくは第一容器にてハロゲン化銀粒子を核生
成させた後に第二容器にて成長させてハロゲン化銀乳剤
を調製する方法が含まれる。これらの技法についてはど
れもResearch Disclosure(198
9年12月、アイテム308119、セクションI〜I
V、第993〜1000頁)に引用されている特許明細
書に記載されている。
【0034】ハロゲン化銀粒子をドーパントの存在下で
析出させた後、ドープされた乳剤を洗浄して過剰の塩を
除去する。この時点で本発明の粒子表面変性剤を添加し
てもよいし、また化学増感や分光増感といったさらに後
の時点で添加してもよい。化学増感も分光増感も上記
esearch Disclosure(アイテム30
8119)に記載されている常用のどの方法によっても
実施することができる。イリジウムを含む六配位錯体
は、ドーパントを添加する時に、粒子表面変性剤を添加
する時に、又はその他乳剤調製中のいずれか適当な時点
で添加することができる。本明細書では、本発明の乳剤
へドーパント及び粒子表面変性剤を適用するのに適した
方法について記載している米国特許第5,256,53
0号及び同第5,252,451号明細書を参照するこ
とによって取り入れることとする。
【0035】上記のように、本発明は、いずれのハロゲ
ン化物組成を有するハロゲン化銀粒子を用いても実施す
ることができる。また、本発明は、いずれの形態(すな
わち、立方体、八面体、十二面体、球体又は平板状)を
有するハロゲン化銀粒子を用いても実施することができ
る。しかしながら、本発明はアスペクト比が2:1より
も高い、好ましくは5:1以上の、最適には7:1以上
の平板状粒子を用いて実施することが好ましい。本明細
書中で用いるアスペクト比は、粒子の等価円直径とその
厚さとの比率を意味するものと理解される。粒子の等価
円直径は、粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直
径である。本発明の写真乳剤は、当該技術分野で周知の
写真要素に導入することができる。これらは、単純な単
層要素又は多層多色要素を含むことができる。多色要素
は、可視光スペクトルの三つの主要領域の各々に感光す
る色素像形成単位を含有する。各単位は、スペクトルの
特定領域に感光性のある多層乳剤層又は単一乳剤層を含
むことができる。さらに、各単位の乳剤層は、曲線形状
に関して特殊な特性を有する二種以上の乳剤の配合物を
含むことができる。写真要素の層は、像形成単位の層を
はじめとして、当該技術分野で周知の順序で様々な配置
をとることができる。
【0036】典型的な多色写真要素は、少なくとも1種
のシアン色素生成カプラーと組み合わされている1層以
上の赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含むシアン色素画像形
成単位と、少なくとも1種のマゼンタ色素生成カプラー
と組み合わされている1層以上の緑感性ハロゲン化銀乳
剤層を含むマゼンタ色素画像形成単位と、少なくとも1
種のイエロー色素生成カプラーと組み合わされている1
層以上の青感性ハロゲン化銀乳剤層を含むイエロー色素
画像形成単位とを担持する支持体を含む。該要素は、フ
ィルター層、中間層、オーバーコート層、下塗層、等の
ような別の層をさらに含有してもよい。
【0037】本発明の写真要素は、米国特許第4,27
9,945号及び同第4,302,523号明細書に記
載されているように、透明支持体の裏面に磁気粒子を含
有する層のような透明磁気記録層を含むこともできる。
典型的には、写真要素の(支持体を除く)全体の厚さは
約5〜約30μmである。本発明の乳剤と共に又はそれ
において使用するのに適した材料に関する以下の記述で
は、Research Disclosure(197
8年12月、アイテム17643)及びResearc
h Disclosure(1989年12月、アイテ
ム308119)を参照するが、どちらの文献も英国の
Kenneth Mason Publication
s社(Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Ham
pshire, P010 7DQ) の刊行物であり、本明細書ではこれ
らを参照することによって取り入れることとする。これ
らの刊行物を以降「Research Disclos
ure」と称する。「Research Disclo
sure」における特定のセクションを参照した場合に
は、上記Research Disclosureの各
々における適当なセクションをさすものとする。
【0038】先に述べたように、本発明で用いられるハ
ロゲン化銀乳剤は、臭化銀、塩化銀、ヨウ化銀、臭ヨウ
化銀、ヨウ塩化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ臭塩化銀又はこれ
らの混合物を含むことができる。この乳剤は、常用のい
ずれの形状又は寸法のハロゲン化銀粒子でも含むことが
できる。具体的には、この乳剤は、粗ハロゲン化銀粒
子、中間ハロゲン化銀粒子又は微細ハロゲン化銀粒子を
含むことができる。高アスペクト比平板状粒子乳剤が特
に考えられ、例えば、Wilgusらの米国特許第4,
434,226号明細書、Daubendiekらの米
国特許第4,414,310号明細書、Weyの米国特
許第4,399,215号明細書、Solbergらの
米国特許第4,433,048号明細書、Mignot
の米国特許第4,386,156号明細書、Evans
らの米国特許第4,504,570号明細書、Mask
askyの米国特許第4,400,463号明細書、W
eyらの米国特許第4,414,306号明細書、Ma
skaskyの米国特許第4,435,561号及び同
第4,643,966号明細書並びにDaubendi
ekらの米国特許第4,672,027号及び同第4,
693,964号明細書に記載されているものが挙げら
れる。本明細書ではこれらを参照することにより取り入
れることとする。また、粒子の周辺部よりも粒子のコア
部に高いモル比率のヨウ化物を含むヨウ臭化銀粒子も特
に考えられ、例えば、英国特許第1,027,146号
明細書、特開昭54−48521号公報、米国特許第
4,379,837号、同第4,444,877号、同
第4,665,012号、同第4,686,178号、
同第4,565,778号、同第4,728,602
号、同第4,668,614号及び同第4,636,4
61号明細書並びに欧州特許第264,954号明細書
に記載されているものが挙げられる。本明細書ではこれ
らを参照することにより取り入れることとする。ハロゲ
ン化銀乳剤は、析出時に単分散であっても多分散であっ
てもよい。この乳剤の粒子の寸法分布は、ハロゲン化銀
粒子の分離技法によって、又は粒子寸法の異なるハロゲ
ン化銀乳剤を配合する方法によって制御することができ
る。
【0039】この乳剤へは他のドーパントを添加するこ
とができる。ドーパントの例として、銅、タリウム、
鉛、ビスマス、カドミウム及び第8族貴金属が挙げられ
る。このドーパントは、米国特許第4,981,781
号、同第4,937,180号及び同第4,933,2
72号明細書に記載されている遷移金属錯体を含むこと
ができる。この乳剤は表面感性乳剤、すなわちハロゲン
化銀粒子の主として表面に潜像を形成する乳剤であって
もよいし、また内部潜像形成乳剤、すなわちハロゲン化
銀粒子の主として内部に潜像を形成する乳剤であっても
よい。この乳剤は、ネガ型乳剤、例えば表面感性乳剤又
はカブリのない内部潜像形成性乳剤であることができ、
また核生成剤の存在下若しくは均一露光で現像した際に
ポジ型となるカブリのない内部潜像形成型の直接ポジ乳
剤であることもできる。
【0040】ハロゲン化銀乳剤はさらに表面増感されて
いてもよい。そして貴金属(例、金)、ミドルカルコゲ
ン(例、硫黄、セレン又はテルル)及び還元増感剤を個
別に或いは組み合わせて使用することが特に考えられ
る。典型的な化学増感剤については上記Researc
h Disclosure(アイテム308119、セ
クションIII)に記載されている。ハロゲン化銀乳剤
は、シアニン、メロシアニン、錯シアニン及び錯メロシ
アニン(すなわち、3核、4核及び多核のシアニン及び
メロシアニン)、オキソノール、ヘミオキソノール、ス
チリル、メロスチリル及びストレプトシアニンをはじめ
とするポリメチン色素を含む各種の色素で分光増感する
ことができる。代表的な分光増感色素が上記Resea
rch Disclosure(アイテム30811
9、セクションIV)に記載されている。
【0041】写真要素の乳剤層や他の層に適したベヒク
ルについてはResearch Disclosure
(アイテム308119、セクションIX)とその中に
引用されている刊行物に記載されている。写真要素は、
Research Disclosure(セクション
VII、パラグラフD,E,F及びG)とその中に引用
されている刊行物に記載されているようにカプラーを含
むことができる。これらのカプラーは、Researc
hDisclosure(セクションVII、パラグラ
フC)とその中に引用されている刊行物に記載されてい
るように導入することができる。また、Researc
h Disclosure(アイテム308119、セ
クションVII、パラグラフF)に記載されているよう
に画像調節カプラーをさらに含む要素も考えられる。
【0042】本発明の写真要素は、蛍光増白剤(Res
earch Disclosure、セクションV)、
カブリ防止剤及び安定剤、例えば、メルカプトアゾール
(例、1−(3−ウレイドフェニル)−5−メルカプト
テトラゾール)、アゾリウム塩(例、3−メチルベンゾ
チアゾリウムテトラフルオロボレート)、チオスルホネ
ート塩(例、p−トルエンチオスルホン酸カリウム
塩)、テトラアザインデン(例、4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン)、及
Research Disclosure、セクショ
ンVIに記載されているもの、ステイン防止剤及び画像
色素安定剤(Research Disclosur
、セクションVII、パラグラフI及びJ)、光吸収
及び光散乱剤(Research Disclosur
、セクションVIII)、硬膜剤(Research
Disclosure、セクションX)、ポリアルキ
レンオキシド及びその他米国特許第5,236,817
号明細書に記載の界面活性剤、塗布助剤(Resear
ch Disclosure、セクションXI)、可塑
剤及び滑剤(Research Disclosur
、セクションXII)、帯電防止剤(Researc
h Disclosure、セクションXIII)、マ
ット剤(Research Disclosure、セ
クションXII及びXVI)並びに現像調節剤(Res
earch Disclosure、セクションXX
I)を含むことができる。
【0043】本発明の写真要素は、Research
Disclosure、セクションXVIIとその中に
引用されている文献に記載されているように、各種支持
体の上に塗布することができる。本発明の写真要素は、
反復使用型の露光構造体、又は使い捨てカメラ、レンズ
付きフィルム若しくは感光材料パッケージユニットなど
様々に呼ばれている限定使用型の露光構造体に導入する
ことができる。このようなユニットにおいて、本発明の
写真要素をResearch Disclosure
セクションXVIIIに記載されているように典型的に
はスペクトルの可視領域にある化学線に露光した後、
esearch Disclosure、セクションX
IXに記載されているように処理して可視色素像を形成
させることができる。可視色素像を形成させるための処
理には、写真要素を発色現像剤と接触させて現像可能な
ハロゲン化銀を還元すると共に発色現像剤を酸化する工
程が含まれる。発色現像剤酸化体が順にカプラーと反応
することで色素が生成する。
【0044】好ましい発色現像剤はp−フェニレンジア
ミン類である。特に好ましいものとして4−アミノ−3
−メチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−アミ
ノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−メタンスルホ
ンアミドエチル)アニリンスルフェート水和物、4−ア
ミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシ
エチル)アニリンスルフェート、4−アミノ−3−(β
−メタンスルホンアミドエチル)−N,N−ジエチルア
ニリン塩酸塩、及び4−アミノ−N−エチル−N−(β
−メトキシエチル)−m−トルイジン−ジ−p−トルエ
ンスルホン酸が挙げられる。
【0045】ネガ型ハロゲン化銀乳剤を使用すると、上
記処理工程によりネガ像が得られる。上記写真要素は、
既知のC−41又はRA−4カラープロセスで処理する
ことができる。ポジ像(または反転像)を得るために、
発色現像工程に先立ち、非発色現像剤で現像することに
より色素を生成させずに露光済ハロゲン化銀を現像し、
次いでその要素を均一にカブらせて未露光ハロゲン化銀
を現像可能にさせてもよい。写真要素の反転処理は、
esearch Disclosure、パラグラフX
IXに記載されている既知のE6プロセスに従い行うこ
とが好ましい。別法として、直接ポジ乳剤を使用してポ
ジ像を得ることもできる。
【0046】現像工程に続いて、銀やハロゲン化銀を除
去するための漂白、定着又は漂白−定着といった常用の
工程、水洗工程及び乾燥工程が行われる。以下の特別な
例を参照することにより本発明をさらによく理解するこ
とができる。これらは例示を目的としており、本発明の
乳剤及びその調製法を限定するものではない。
【0047】
【実施例】実施例1〜5は、ハロゲン化銀粒子のコア領
域の93%(体積基準)にわたりドーパントを取り込ま
せ、且つ該粒子の全ハロゲン化銀の約0.6%を占める
リップマン臭化物キャリヤを用いて粒子表面変性剤を適
用するように調製した。実施例1と実施例2では、イリ
ジウムを含む六配位錯体をドーパントとしてハロゲン化
銀粒子に取り込ませた。具体的には、各粒子の外部の9
3〜95%(体積基準)に当たる領域に帯状にした。
【0048】実施例3、実施例4及び実施例5では、リ
ップマン臭化物キャリヤ乳剤を利用して、イリジウムを
含む六配位錯体を粒子表面変性剤として各粒子の表面に
取り込ませた。具体的に使用したドーパントはTMC−
21とした。使用した粒子表面変性剤はTMC−82及
びTMC−84とした。六配位錯体は、ドーパントとし
て使用した場合にはK3 IrCl6 、また粒子表面変性
剤として使用した場合にはK2IrCl6 とした。
【0049】実施例1〜5の乳剤は、McBrideの
米国特許第3,271,157号明細書に記載されてい
るタイプのチオエーテル系ハロゲン化銀熟成剤を使用し
て、常用の析出法によって調製した。これらの乳剤を、
米国特許第4,994,147号明細書に記載されてい
るサイジング法を利用して紙支持体上に塗布した。具体
的には、0.28g/m2 の銀と共に、0.002g/
2 の2,4−ジヒドロキシ−4−メチル−1−ピペリ
ジノシクロペンテン−3−オン、0.02g/m2 のK
Cl、0.78mg/m2 のトリルチオスルホン酸カリ
ウム、7.8mg/m2 のトリルスルフィン酸ナトリウ
ム、1.08g/m2 のイエロー色素生成カプラーN−
(5−((4−(2,4−ビス(1,1−ジメチルプロ
ピル)フェノキシ)−1−オキソブチル)アミノ)−2
−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−3−オキソ−
2−(4−((4−(フェニルメトキシ)フェニル)ス
ルホニル)フェノキシ)−ペンタンアミド及び0.16
6g/m2 のゼラチンを塗布した。ビニルスルホン系ゼ
ラチン硬膜剤と一緒にゼラチン保護オーバーコート層
1.1g/m2 を適用した。
【0050】このコーティングに3000°Kの光源を
ステップタブレットを介して露光し、そしてイーストマ
ン・コダック社刊行物第Z−130番(1990)の
「Using KODAK EKTACOLOR RA
Chemicals」に推奨されているように処理し
た。処理後、各コーティングのステータスA反射濃度を
測定した。粒子表面変性剤としてFe(CN)6 、Ru
(CN)6 又はK2 IrCl6 を添加するため、一連の
リップマン臭化物キャリヤ乳剤(L−1〜L−4)を調
製した。リップマン臭化物キャリヤは以下のように調製
した。
【0051】乳剤L−1:5.6重量%ゼラチン水溶液
4.0リットルを含む反応容器を、温度を40℃に、p
Hを5.8に、そしてAgBr溶液の添加によりpAg
を8.86に調整した。この反応容器に、1698.7
グラムのAgNO3 を含む2.5モル水溶液と102
8.9グラムのNaBrを含む2.5モル水溶液とを激
しく攪拌しながら同時に注入した。このダブルジェット
析出工程をpAgを8.86に制御しながら3分間継続
した後、ダブルジェット析出工程を17分間継続した。
この間にpAgは8.86から8.06へと直線的に低
下した。全部で10モルの臭化銀(リップマン臭化物)
が析出し、その臭化銀の平均粒径は0.05μmであっ
た。乳剤L−2 :乳剤L−2の調製は、ダブルジェット析出
工程の最初の35%の間に2.5モルNaBr水溶液へ
14.78グラムのK4 Fe(CN)6 ・3(H2 O)
を添加したことを除き、乳剤L−1とまったく同様とし
た。このダブルジェット析出法によって、銀1モル当た
り3.5×10-3モルのFe(CN)6 を含有する粒径
0.05μmの乳剤10モルが得られた。
【0052】乳剤L−3:乳剤L−3の調製は、ダブル
ジェット析出工程の最初の35%の間に2.5モルNa
Br水溶液へ14.47グラムのK4 Ru(CN)6
添加したことを除き、乳剤L−1とまったく同様とし
た。このダブルジェット析出法によって、銀1モル当た
り3.5×10-3モルのRu(CN)6 を含有する粒径
0.05μmの乳剤10モルが得られた。乳剤L−4 :乳剤L−4の調製は、ダブルジェット析出
工程の最初の75〜80%の間に2.5モルNaBr水
溶液へ0.075グラムのK2 IrCl6 を添加したこ
とを除き、乳剤L−1とまったく同様とした。このダブ
ルジェット析出法によって、銀1モル当たり1.5×1
-5モルのIrCl6 を含有する粒径0.05μmの乳
剤10モルが得られた。
【0053】実施例1 8.5リットルの2.8重量%ゼラチン水溶液と1.8
グラムの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタ
ンとを温度を68.3℃、pHを5.8、そしてNaC
l溶液の添加によりpAgを7.35に調整した反応容
器中で乳剤1を調製した。この反応容器に、1658.
0グラムのAgNO3 を含む3.75モル水溶液と57
0.4グラムのNaClを含む3.75モル水溶液とを
激しく攪拌しながら同時に注加した。このダブルジェッ
ト析出工程はpAgを7.35に制御して行った。全部
で9.76モルの塩化銀を析出させた。得られた粒子
は、平均立方縁長0.60μmの立方体の形態をしてい
た。
【0054】乳剤1は、その試料50ミリモルを40℃
に加熱し、280ミリグラムのイエロー分光増感色素の
アンヒドロ3,3’−ジ−3−スルホプロピル−5’−
クロロ−ナフト〔1,2−d〕チアゾロチアシアニンヒ
ドロキシドテトラブチルアンモニウム塩を添加し、そし
て0.3ミリモルの乳剤L−1を添加することによっ
て、分光増感及び化学増感した。温度を60℃に上昇さ
せてリップマン臭化物の粒子表面への適用を促進させ
た。次いで、チオ硫酸ナトリウムと4−ヒドロキシ−6
−1,3,3a,7−テトラアザインデンを添加し、そ
して乳剤を60℃で維持した。次いで、1−(3−アセ
トアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添
加して分光及び化学増感を完了した。
【0055】乳剤2は、乳剤1と同様に調製し増感した
が、但し、ダブルジェット析出工程の最初の93%の間
(0〜93%)に、3.75NaCl水溶液へ2.0マ
イクログラムのCs2 Os(NO)Cl5 を添加した。
銀1モル当たり3.0×10 -9モルのOs(NO)Cl
5 を含有する塩化銀9.76モルが析出した。得られた
粒子は、平均立方縁長0.60μmの立方体の形態をし
ていた。乳剤3は、乳剤1と同様に調製し増感したが、
但し、増感工程において0.3ミリモルの乳剤L−1の
代わりに0.075ミリモルの乳剤L−2及び0.22
5ミリモルの乳剤L−1を添加した。このようにして、
粒子表面変性剤として乳剤3へ銀1モル当たり7.8×
10-6モルのFe(CN)6 を添加した。
【0056】乳剤4は、乳剤1と同様に調製し増感した
が、但し、ダブルジェット析出工程の93%〜95%の
間に、3.75NaCl水溶液へ0.145ミリグラム
のK 3 IrCl6 を添加した。銀1モル当たり28.5
×10-9モルのK3 IrCl 6 を含む塩化銀9.76モ
ルが析出した。得られた粒子は、平均立方縁長0.60
μmの立方体の形態をしていた。乳剤5は、乳剤3と同
様に調製し増感したが、但し、乳剤1の代わりに乳剤4
を使用した。このようにして、粒子表面変性剤として銀
1モル当たり7.8×10-6モルのFe(CN)6 を乳
剤5へ添加すると同時に、ドーパントとして銀1モル当
たり28.5×10-9モルのK3 IrCl6 を添加し
た。
【0057】乳剤6は、乳剤1と同様に調製し増感した
が、但し、ダブルジェット析出工程の最初の93%の間
に、3.75NaCl水溶液へ2.0マイクログラムの
Cs 2 Os(NO)Cl5 を添加し、且つ析出工程の9
3%〜95%の間に0.145ミリグラムのK3 IrC
6 を添加した。銀1モル当たり3.0×10-9モルの
Os(NO)Cl5 と銀1モル当たり28.5×10-9
モルのK3 IrCl6を含む塩化銀9.76モルが析出
した。得られた粒子は、平均立方縁長0.60μmの立
方体の形態をしていた。乳剤7は、乳剤3と同様に調製
し増感したが、但し、乳剤1の代わりに乳剤2を使用し
た。こうして、粒子表面変性剤として銀1モル当たり
7.8×10-6モルのFe(CN)6 を乳剤7へ添加す
ると同時に、ドーパントとして銀1モル当たり銀1モル
当たり3.0×10-9モルのOs(NO)Cl5 を添加
した。乳剤8は、乳剤3と同様に調製し増感したが、但
し、乳剤1の代わりに乳剤6を使用した。こうして、粒
子表面変性剤として銀1モル当たり7.8×10-6モル
のFe(CN)6 を乳剤8へ添加すると同時に、ドーパ
ントとして銀1モル当たり銀1モル当たり3.0×10
-9モルのOs(NO)Cl5 と28.5×10 -9モルの
3 IrCl6 とを添加した。
【0058】
【表1】
【0059】1.AgCl1モル当たり10億分の1モ
ル部のOs(NO)Cl5 (TMC−21) 2.AgCl1モル当たり100万分の1モル部のFe
(CN)6 (TMC−84) 3.93〜95%帯域にドーパントとして取り込まれた
AgCl1モル当たり10億分の1モル部のK3 IrC
6 4.濃度1.0を得るための相対露光量(LogE)の
逆数×100 5.センシトメトリー曲線の写真スピード点における接
線の傾き 6.写真スピード点より0.3logE高感度の地点に
おける濃度値
【0060】乳剤1を基準とした場合、乳剤8によるガ
ンマ増加量及び足濃度減少量は、各化合物が単独で用い
られている乳剤2〜乳剤4によるそれらの合計量を上回
ることを示している。さらに、乳剤8によるガンマ増加
量及び足濃度減少量は、特定の組合せの化合物が用いら
れている乳剤2と乳剤5によるそれらの合計量、乳剤3
と乳剤6によるそれらの合計量、又は乳剤4と乳剤7に
よるそれらの合計量のいずれに対しても上回っていた。
実施例1は、ドーパントと、粒子表面変性剤と、イリジ
ウムを含む六配位錯体とを組み合わせて写真乳剤へ導入
すると、写真コントラストの意外な改良が得られること
を例示したものである。
【0061】実施例2 乳剤9、10、12、15は、それぞれ乳剤1、2、
4、7と同様に調製した。乳剤3、5、6及び8を調製
するために採用した同じ手順でそれぞれ乳剤11、1
3、14、16に粒子表面変性剤としてRu(CN)6
を添加したが、但し、乳剤L−2の代わりに乳剤L−3
を使用した。
【0062】
【表2】
【0063】1.AgCl1モル当たり10億分の1モ
ル部のOs(NO)Cl5 (TMC−21) 2.AgCl1モル当たり100万分の1モル部のRu
(CN)6 (TMC−82) 3.93〜95%帯域にドーパントとして取り込まれた
AgCl1モル当たり10億分の1モル部のK3 IrC
6 4.濃度1.0を得るための相対露光量(LogE)の
逆数×100 5.センシトメトリー曲線の写真スピード点における接
線の傾き 6.写真スピード点より0.3logE高感度の地点に
おける濃度値
【0064】乳剤9を基準とした場合、乳剤16による
ガンマ増加量及び足濃度減少量は、各化合物が単独で用
いられている乳剤10〜乳剤12によるそれらの合計量
を上回ることを示している。さらに、乳剤16によるガ
ンマ増加量及び足濃度減少量は、特定の組合せの化合物
が用いられている乳剤10と乳剤13によるそれらの合
計量、乳剤11と乳剤14によるそれらの合計量、又は
乳剤12と乳剤15によるそれらの合計量のいずれに対
しても上回っていた。実施例1と同様、実施例2は、ド
ーパントと、粒子表面変性剤と、イリジウムを含む六配
位錯体とを組み合わせて写真乳剤へ導入すると、写真コ
ントラストの意外な改良が得られることを例示したもの
である。
【0065】実施例3 乳剤17、18、19、23をそれぞれ乳剤1、2、3
及び7と同様に調製した。乳剤20は、乳剤1と同様に
調製し増感したが、但し、増感工程において0.3ミリ
モルの乳剤L−1の代わりに0.06ミリモルの乳剤L
−4と0.24ミリモルの乳剤L−1とを添加した。こ
うして、粒子表面変性剤として銀1モル当たり28.0
×10-9モルのK2 IrCl6 を乳剤20へ添加した。
乳剤21は、乳剤1と同様に調製し増感したが、但し、
増感工程において0.3ミリモルの乳剤L−1の代わり
に0.06ミリモルの乳剤L−4と、0.075ミリモ
ルの乳剤L−2と、0.165ミリモルの乳剤L−1と
を添加した。こうして、粒子表面変性剤として銀1モル
当たり7.8×10-6モルのFe(CN)6 と28.0
×10-9モルのK2 IrCl6 とを乳剤21へ添加し
た。
【0066】乳剤22は乳剤2と同様に析出させた後、
乳剤20と同様に増感した。こうして、ドーパントとし
て銀1モル当たり銀1モル当たり3.0×10-9モルの
Os(NO)Cl5 と粒子表面変性剤として銀1モル当
たり28.0×10-9モルのK2 IrCl6 とを乳剤2
2へ添加した。乳剤24は乳剤2と同様に析出させた
後、乳剤21と同様に増感した。こうして、ドーパント
として銀1モル当たり銀1モル当たり3.0×10-9
ルのOs(NO)Cl5 及び粒子表面変性剤として銀1
モル当たり7.8×10-6モルのFe(CN)6 と2
8.0×10-9モルのK2 IrCl6 とを添加した。
【0067】
【表3】
【0068】1.AgCl1モル当たり10億分の1モ
ル部のOs(NO)Cl5 (TMC−21) 2.AgCl1モル当たり100万分の1モル部のFe
(CN)6 (TMC−84) 3.粒子表面変性剤として取り込まれたAgCl1モル
当たり10億分の1モル部のK2 IrCl6 4.濃度1.0を得るための相対露光量(LogE)の
逆数×100 5.センシトメトリー曲線の写真スピード点における接
線の傾き
【0069】乳剤17を基準とした場合、乳剤24によ
るガンマ増加量及び足濃度減少量は、各化合物が単独で
用いられている乳剤18〜乳剤20によるそれらの合計
量を上回ることを示している。さらに、乳剤24による
ガンマ増加量及び足濃度減少量は、特定の組合せの化合
物が用いられている乳剤によるそれらの合計量のいずれ
に対しても上回っていた。
【0070】実施例4 乳剤25、26、27、31をそれぞれ乳剤1、2、1
1、15と同様に調製した。乳剤28は、乳剤1と同様
に調製し増感したが、但し、増感工程において0.3ミ
リモルの乳剤L−1の代わりに0.03ミリモルの乳剤
L−4と0.27ミリモルの乳剤L−1とを添加した。
こうして、粒子表面変性剤として銀1モル当たり14.
0×10-9モルのK2 IrCl6 を乳剤28へ添加し
た。乳剤29は、乳剤1と同様に調製し増感したが、但
し、増感工程において0.3ミリモルの乳剤L−1の代
わりに0.03ミリモルの乳剤L−4と、0.075ミ
リモルの乳剤L−3と、0.195ミリモルの乳剤L−
1とを添加した。こうして、粒子表面変性剤として銀1
モル当たり7.8×10-6モルのRu(CN)6 と1
4.0×10-9モルのK2 IrCl6 とを乳剤29へ添
加した。
【0071】乳剤30は乳剤2と同様に析出させた後、
乳剤28と同様に増感した。こうして、ドーパントとし
て銀1モル当たり銀1モル当たり3.0×10-9モルの
Os(NO)Cl5 と粒子表面変性剤として銀1モル当
たり14.0×10-9モルのK2 IrCl6 とを乳剤3
0へ添加した。乳剤32は乳剤2と同様に析出させた
後、乳剤29と同様に増感した。こうして、ドーパント
として銀1モル当たり銀1モル当たり3.0×10-9
ルのOs(NO)Cl5 及び粒子表面変性剤として銀1
モル当たり7.8×10-6モルのRu(CN)6 と1
4.0×10-9モルのK2 IrCl6 とを添加した。
【0072】
【表4】
【0073】1.AgCl1モル当たり10億分の1モ
ル部のOs(NO)Cl5 (TMC−21) 2.AgCl1モル当たり100万分の1モル部のRu
(CN)6 (TMC−82) 3.粒子表面変性剤として取り込まれたAgCl1モル
当たり10億分の1モル部のK2 IrCl6 4.濃度1.0を得るための相対露光量(LogE)の
逆数×100 5.センシトメトリー曲線の写真スピード点における接
線の傾き 6.写真スピード点より0.3logE低感度の地点に
おける濃度値
【0074】乳剤25を基準とした場合、乳剤32によ
るガンマ増加量及び足濃度減少量は、各化合物が単独で
用いられている乳剤26〜乳剤28によるそれらの合計
量を上回ることを示している。さらに、乳剤32による
ガンマ増加量及び足濃度減少量は、特定の組合せの化合
物が用いられている乳剤によるそれらの合計量のいずれ
に対しても上回っていた。
【0075】実施例5 乳剤33、34、35、39をそれぞれ乳剤1、2、1
1、15と同様に調製した。乳剤36、37、38、4
0をそれぞれ乳剤28、29、30、32と同様に調製
したが、但し、増感工程において0.03ミリモルの乳
剤L−4及び0.09ミリモルの乳剤L−1の代わりに
0.12ミリモルの乳剤L−4を添加した。こうして、
粒子表面変性剤として銀1モル当たり55.9×10-9
モルのK2 IrCl6 を添加した。
【0076】
【表5】
【0077】1.AgCl1モル当たり10億分の1モ
ル部のOs(NO)Cl5 (TMC−21) 2.AgCl1モル当たり100万分の1モル部のRu
(CN)6 (TMC−82) 3.粒子表面変性剤として取り込まれたAgCl1モル
当たり10億分の1モル部のK2 IrCl6 4.濃度1.0を得るための相対露光量(LogE)の
逆数×100 5.センシトメトリー曲線の写真スピード点における接
線の傾き 6.写真スピード点より0.3logE低感度の地点に
おける濃度値
【0078】乳剤33を基準とした場合、乳剤40によ
るガンマ増加量及び足濃度減少量は、各化合物が単独で
用いられている乳剤34〜乳剤36によるそれらの合計
量を上回ることを示している。さらに、乳剤40による
ガンマ増加量及び足濃度減少量は、特定の組合せの化合
物が用いられている乳剤によるそれらの合計量のいずれ
に対しても上回っていた。
【0079】上記の実施例1〜5は、ニトロシル又はチ
オニトロシル配位子を含む遷移金属錯体ドーパントと、
イリジウム以外の遷移金属を含む遷移金属錯体粒子表面
変性剤と、ドーパント又は粒子表面変性剤としてのイリ
ジウムを含む六配位錯体とを組み合わせて使用すると、
本発明の利点が存在することを例示している。これらの
実施例はまた、本発明が、特定の写真乳剤のセンシトメ
トリー曲線の肩濃度を有利に制御する手段を提供するこ
とも例示している。こうして、本発明は、写真要素にお
ける階調再現を制御する手段を提供する。
【0080】以下、本発明の好ましい実施態様を項分け
記載する。 (1)ドーパントと、粒子表面変性剤と、イリジウムを
含む六配位錯体とを内部又は表面に含有するハロゲン化
銀粒子を含むハロゲン化銀写真乳剤であって、前記ドー
パントが、ニトロシル又はチオニトロシル配位子と周期
律表の第5〜10族から選ばれた遷移金属との遷移金属
錯体であり、そして前記粒子表面変性剤が、周期律表の
第7〜10族から選ばれたイリジウム以外の遷移金属を
含む遷移金属錯体であるハロゲン化銀写真乳剤。 (2)前記ドーパントがニトロシル又はチオニトロシル
配位子と周期律表の第8族から選ばれた遷移金属との遷
移金属錯体である、(1)項記載の写真乳剤。 (3)前記粒子表面変性剤が周期律表の第8族から選ば
れた遷移金属を含む遷移金属錯体である、(2)項記載
の写真乳剤。
【0081】(4)前記ハロゲン化銀粒子が塩化銀を含
有し且つ臭化銀又はヨウ化銀を実質的に含まない、
(3)項記載の写真乳剤。 (5)前記イリジウムを含む六配位錯体が下記構造式: Rq IrX6 (上式中、Rは水素原子、アルカリ金属原子又はアンモ
ニウム基を表し;qは2、3又は4であり;そしてXは
配位子を表す)で示される、(4)項記載の写真乳剤。 (6)前記Xがハロゲン原子を表す、(5)項記載の写
真乳剤。
【0082】(7)前記粒子表面変性剤がハロゲン化銀
キャリヤにおいて前記塩化銀粒子の表面に沿って間隔を
あけて配置されており、前記ハロゲン化銀キャリヤが前
記ハロゲン化銀粒子の約2モル%未満を占める、(3)
項記載の写真乳剤。 (8)前記ハロゲン化銀キャリヤが前記ハロゲン化銀粒
子の約1モル%未満を占める、(7)項記載の写真乳
剤。 (9)前記粒子表面変性剤がシアン化物配位子を含む、
(3)項記載の写真乳剤。
【0083】(10)前記粒子表面変性剤が下記構造
式: 〔M(CN)6-y y n (上式中、Mは第8族の遷移金属であり;Lは配位子で
あり;yは0、1、2又は3であり;そしてnは0、−
1、−2、−3又は−4である)で示される、(9)項
記載の写真乳剤。 (11)前記粒子表面変性剤が〔Fe(CN)6 -4
形態にある、(10)項記載の写真乳剤。 (12)〔Fe(CN)6 -4を塩化銀1モル当たり約
1.0×10-6〜約5.0×10-4モルの量で含む、
(11)項記載の写真乳剤。 (13)〔Fe(CN)6 -4を塩化銀1モル当たり約
1.0×10-6〜約4.0×10-5モルの量で含む、
(12)項記載の写真乳剤。 (14)〔Fe(CN)6 -4を塩化銀1モル当たり約
3.9×10-6〜約3.2×10-5モルの量で含む、
(13)項記載の写真乳剤。
【0084】(15)前記粒子表面変性剤が〔Ru(C
N)6 -4である、(10)項記載の写真乳剤。 (16)〔Ru(CN)6 -4を塩化銀1モル当たり約
1.0×10-6〜約5.0×10-4モルの量で含む、
(15)項記載の写真乳剤。 (17)〔Ru(CN)6 -4を塩化銀1モル当たり約
1.0×10-6〜約4.0×10-5モルの量で含む、
(16)項記載の写真乳剤。 (18)〔Ru(CN)6 -4を塩化銀1モル当たり約
3.9×10-6〜約3.2×10-5モルの量で含む、
(17)項記載の写真乳剤。
【0085】(19)前記ドーパントが下記構造式: 〔TE4 (NZ)E’〕r (上式中、Tは、周期律表の第8族から選ばれた遷移金
属であり;Zは、酸素又は硫黄であって、窒素と一緒に
ニトロシル配位子又はチオニトロシル配位子を形成し;
E及びE’は配位子を表し;そしてrは0、−1、−2
又は−3である)で示される、(2)項記載の写真乳
剤。 (20)前記ドーパントが〔Os(NO)Cl5 -2
ある、(19)項記載の写真乳剤。 (21)前記ハロゲン化銀粒子中に、塩化銀1モル当た
り約7.5×10-10〜約3.0×10-8モルの〔Os
(NO)Cl5 -2が取り込まれている、(20)項記
載の写真乳剤。 (22)前記ハロゲン化銀粒子中に、塩化銀1モル当た
り約1.0×10-9〜約2.0×10-8モルの〔Os
(NO)Cl5 -2が取り込まれている、(21)項記
載の写真乳剤。
【0086】(23)前記ハロゲン化銀粒子中に、塩化
銀1モル当たり約3.0×10-9〜約1.8×10-8
ルの〔Os(NO)Cl5 -2が取り込まれている、
(22)項記載の写真乳剤。 (24)前記ドーパントが、前記ハロゲン化銀粒子の体
積の約93%にわたり取り込まれている、(1)項記載
の写真乳剤。 (25)周期律表の第8族から選ばれた遷移金属とニト
ロシル又はチオニトロシル配位子とを含む遷移金属錯体
であるドーパントの存在下で形成され、且つその形成後
に周期律表の第8族から選ばれた遷移金属とシアン化物
配位子とを含む遷移金属錯体である粒子表面変性剤によ
って変性されたハロゲン化銀粒子と、イリジウム含有遷
移金属錯体とを含むハロゲン化銀写真乳剤。
【0087】本発明をその好ましい実施態様を特に参照
しながら詳細に説明してきたが、本発明の精神及び範囲
内に包含される変型や変更が可能であることを理解され
たい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドーパントと、粒子表面変性剤と、イリ
    ジウムを含む六配位錯体とを内部又は表面に含有するハ
    ロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀写真乳剤であって、
    前記ドーパントが、ニトロシル又はチオニトロシル配位
    子と周期律表の第5〜10族から選ばれた遷移金属とを
    含む遷移金属錯体であり、そして前記粒子表面変性剤
    が、周期律表の第7〜10族から選ばれたイリジウム以
    外の遷移金属を含む遷移金属錯体であるハロゲン化銀写
    真乳剤。
JP7253415A 1994-09-30 1995-09-29 ハロゲン化銀写真乳剤 Pending JPH08179454A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/316,003 US5480771A (en) 1994-09-30 1994-09-30 Photographic emulsion containing transition metal complexes
US316003 1994-10-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08179454A true JPH08179454A (ja) 1996-07-12

Family

ID=23227042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7253415A Pending JPH08179454A (ja) 1994-09-30 1995-09-29 ハロゲン化銀写真乳剤

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5480771A (ja)
JP (1) JPH08179454A (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5558981A (en) * 1995-05-15 1996-09-24 Eastman Kodak Company Emulsions with the highest speeds compatible with low granularity
US5783373A (en) * 1996-10-30 1998-07-21 Eastman Kodak Company Digital imaging with high chloride emulsions
US5783378A (en) * 1996-10-30 1998-07-21 Eastman Kodak Company High chloride emulsion that contains a dopant and peptizer combination that increases high density contrast
US6159679A (en) * 1997-03-01 2000-12-12 Agfa-Gevaert, N.V. Photosensitive image-forming element containing internally modified silver halide crystals
JP3714002B2 (ja) 1999-03-01 2005-11-09 コニカミノルタホールディングス株式会社 ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP4292051B2 (ja) * 2003-03-13 2009-07-08 富士フイルム株式会社 ハロゲン化銀乳剤およびハロゲン化銀カラー写真感光材料

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4835373B1 (ja) * 1969-05-17 1973-10-27
US3901713A (en) * 1971-06-02 1975-08-26 Fuji Photo Film Co Ltd Process for the manufacture of silver halide photographic emulsion containing iridium and rhodium
US4147542A (en) * 1975-05-27 1979-04-03 Konishiroku Photo Industry Co., Ltd. Silver halide photographic emulsions for use in flash exposure
GB8624704D0 (en) * 1986-10-15 1986-11-19 Minnesota Mining & Mfg High contrast scanner photographic elements
JPH0814682B2 (ja) * 1988-01-18 1996-02-14 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀感光材料
US4937180A (en) * 1988-04-08 1990-06-26 Eastman Kodak Company Photographic emulsions containing internally modified silver halide grains
US4835093A (en) * 1988-04-08 1989-05-30 Eastman Kodak Company Internally doped silver halide emulsions
US4945035A (en) * 1988-04-08 1990-07-31 Eastman Kodak Company Photographic emulsions containing internally modified silver halide grains
US4933272A (en) * 1988-04-08 1990-06-12 Eastman Kodak Company Photographic emulsions containing internally modified silver halide grains
JP2559281B2 (ja) * 1989-12-18 1996-12-04 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真乳剤およびそれを用いた感光材料
US5229263A (en) * 1990-05-15 1993-07-20 Fuji Photo Film Co., Ltd. Silver halide photographic material and process for the development thereof
EP0530361B1 (en) * 1991-03-22 1997-09-24 Eastman Kodak Company Transition metal complex with nitrosyl ligand dopant and iridium dopant combinations in silver halide
US5385817A (en) * 1993-01-12 1995-01-31 Eastman Kodak Company Photographic emulsions containing internally and externally modified silver halide grains
US5256530A (en) * 1993-01-12 1993-10-26 Eastman Kodak Company Photographic silver halide emulsion containing contrast improving grain surface modifiers
US5252451A (en) * 1993-01-12 1993-10-12 Eastman Kodak Company Photographic emulsions containing internally and externally modified silver halide grains
US5360712A (en) * 1993-07-13 1994-11-01 Eastman Kodak Company Internally doped silver halide emulsions and processes for their preparation

Also Published As

Publication number Publication date
US5480771A (en) 1996-01-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5474888A (en) Photographic emulsion containing transition metal complexes
GB2109577A (en) Radiation-sensitive photographic silver halide emulsion and process for preparing the same
GB2110405A (en) Radiation-sensitive emulsion and process for its preparation
US5500335A (en) Photographic emulsion containing transition metal complexes
JPH0749551A (ja) 平板状粒子乳剤による電子印刷方法
JP3045315B2 (ja) ハロゲン化銀中のニトロシルリガンドを有する遷移金属錯体ドーパント及びイリジウムドーパントの組合せ
US4997751A (en) Silver halide emulsions having improved low intensity reciprocity characteristics and processes of preparing them
JP2703121B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH06235994A (ja) 内部及び外部改質ハロゲン化銀粒子含有写真乳剤
JP2645827B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法
EP0488737A1 (en) Image forming method
JPH08179454A (ja) ハロゲン化銀写真乳剤
JPH06235993A (ja) 内部及び外部改質ハロゲン化銀粒子含有写真乳剤
US6153370A (en) Silver halide emulsion and silver halide light-sensitive material using the same
EP0488601B1 (en) Silver halide photographic light-sensitive material
US6265145B1 (en) Process for the preparation of high chloride emulsions containing iodide
JPH07199398A (ja) スピード及び安定性が改良された写真要素
JPH07199390A (ja) 写真要素及び写真方法
JP3193381B2 (ja) 平板状粒子の製造方法
JPS63301039A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法
US6740483B1 (en) Process for doping silver halide emulsion grains with Group 8 transition metal shallow electron trapping dopant, selenium dopant, and gallium dopant, and doped silver halide emulsion
JP2921979B2 (ja) 改良光活性粒子生成のための第▲vi▼b族化合物によるハロゲン化銀乳剤のドーピング
JPH08171163A (ja) 輻射線感性乳剤及び写真要素
US6242171B1 (en) Tabular grain silver halide emulsion and method of preparation
JP2756798B2 (ja) ネガ型ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040323