JPH08177699A - 火花点火式筒内直噴エンジンの制御方法 - Google Patents

火花点火式筒内直噴エンジンの制御方法

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JPH08177699A
JPH08177699A JP32589494A JP32589494A JPH08177699A JP H08177699 A JPH08177699 A JP H08177699A JP 32589494 A JP32589494 A JP 32589494A JP 32589494 A JP32589494 A JP 32589494A JP H08177699 A JPH08177699 A JP H08177699A
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JP
Japan
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ignition
cylinder
injection
fuel
pulse
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JP32589494A
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English (en)
Inventor
Akira Akimoto
晃 秋本
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/027Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle four
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B2275/00Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
    • F02B2275/14Direct injection into combustion chamber
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/04Introducing corrections for particular operating conditions
    • F02D41/042Introducing corrections for particular operating conditions for stopping the engine

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン停止時に気筒内に液化燃料の残留を
なくして、オイルダイリューションを防止するととも
に、再始動時の点火プラグのくすぶり及び未燃ガスの排
出を防止する。 【構成】 イグニッションスイッチをOFFしたとき、
演算禁止フラグFKをセットして(S18)、以後、燃
料噴射及び点火に関する演算を禁止し、次いで各気筒#
iの点火未終了フラグF#iの値を参照し(S19〜S2
2)、F#i=1の点火未終了の気筒#iがある場合は、
ECU電源の投入を継続する。そして、全気筒#iの点
火未終了フラグF#iの値がF#i=0の点火終了となった
とき、セルフシャット信号線に対する出力ポート値GSE
を0にして、ECU電源をOFFして、エンジンを停止
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イグニッションスイッ
チをOFFしたとき、直ちにエンジンを停止させず、噴
射途中の気筒がある場合には、当該気筒の燃料噴射及び
点火が終了した後にエンジンを停止させる火花点火式筒
内直噴エンジンの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種の火花点火式筒内直噴
エンジンは、運転性、燃費などの向上をはかる上で有効
なものとして知られており、2サイクルエンジン及び4
サイクルエンジンの双方に採用されている。例えば特開
平4−339143号公報には、この火花点火式筒内直
噴エンジンを2サイクルエンジンに採用した技術が開示
されており、また、特開昭58−178835号公報に
は、4サイクルエンジンに採用した技術が開示されてい
る。
【0003】ところで、これら火花点火式筒内直噴エン
ジンでは、イグニッションスイッチをOFFすれば、E
CU電源がOFFされてエンジンは直ちに停止する。従
って、エンジン停止時、既に燃料噴射が開始されている
気筒では、点火未終了のままエンジンが停止されてしま
うことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら火花点
火式筒内直噴エンジンでは、通常の吸入管噴射式エンジ
ンとは異なり、気筒内に燃料を直接噴射させるため、噴
射途中の点火未終了状態でエンジンが停止されると、こ
の噴射された燃料が気筒内で液化して、シリンダ内壁等
に付着し、オイルダイリューションを起因する。また、
この種の筒内直噴エンジンでは、成層燃焼を実現するた
めに、濃混合気を点火プラグの周囲に形成させるように
設定されているので、燃料噴射途中でエンジンが停止す
ると、液化した燃料が点火プラグに付着し易く、再始動
時にくすぶりが発生する等、良好な再始動性が得られな
くなるばかりか、未燃ガス排出の原因にもなる。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、再始動時の点火プラグのくすぶり、未燃ガスの排出
を防止するとともに、液化燃料によるオイルダイリュー
ションを防止する火花点火式筒内直噴エンジンの制御方
法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による火花点火式筒内直噴エンジンの制御方法
は、筒内に直接噴射した燃料を火花点火により燃焼させ
る火花点火式筒内直噴エンジンの制御方法において、イ
グニッションスイッチをオフしたとき、既に燃料噴射が
開始され且つ点火未終了の気筒がある場合には、この点
火未終了気筒に対する燃料噴射及び点火が終了した後に
制御装置電源をオフすることを特徴とする。
【0007】
【作 用】本発明では、イグニッションスイッチをオフ
したとき、既に燃料が噴射され且つ点火未終了の気筒が
あるか否かを全気筒について判断し、点火未終了気筒が
ある場合には、当該点火未終了気筒の燃料噴射及び点火
が終了するまで、制御装置に対する通電を続行し、この
点火未終了気筒に対する点火が終了したときに、制御装
置に対する通電をオフして、エンジンを停止させる。
【0008】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0009】図14には火花点火式筒内直噴エンジンの
燃料供給系を含む全体的概略が示されている。
【0010】本実施例に示す火花点火式筒内直噴エンジ
ン(以下、単に「エンジン」と称する)1は、2サイク
ル4気筒ガソリンエンジンであり、このエンジン1のシ
リンダヘッド2とシリンダブロック3とピストン4とで
形成される燃焼室5に、点火コイル6aの二次側に接続
された点火プラグ7と高圧用インジェクタ8とが臨まさ
れ、上記点火コイル6aの一次側に、イグナイタ6bが
接続されている。
【0011】また、上記シリンダブロック3に、掃気ポ
ート3aと排気ポート3bとが形成され、上記シリンダ
ブロック3に形成した冷却水通路3cに、水温センサ9
が臨まされている。上記掃気ポート3aには給気管10
が連通され、この給気管10には、上流側にエアクリー
ナ11が取付けられており、また中途に掃気ポンプ12
が介装されている。この掃気ポンプ12はクランクシャ
フト1aに連動するエンジン駆動式であり、この掃気ポ
ンプ12の動作により燃焼室5へ新気が強制的に供給さ
れると共に、この燃焼室5内を掃気する。
【0012】また、上記給気管10には、上記掃気ポン
プ12をバイパスするバイパス通路13が接続されてお
り、このバイパス通路13に、上記掃気ポンプ12の掃
気圧を制御するバイパス制御弁15bが介装されてい
る。また、上記給気管10には、上記バイパス通路13
の流入ポート上流に、スロットル弁15aが介装されて
おり、このスロットル弁15aを操作するアクセルペダ
ル14にアクセル開度(=スロットル開度)αを検出す
るアクセル開度センサ16が連設されている。
【0013】また、上記排気ポート3bには、上記クラ
ンクシャフト1aの回転に同期して開閉することで、排
気タイミングを制御する排気ロータリ弁17が設けら
れ、この排気ロータリ弁17に排気管18が連通されて
いる。さらに、この排気管18に触媒コンバータ19が
介装されていると共に、下流端にマフラ20が接続され
ている。
【0014】また、図15に示すように、上記クランク
シャフト1aには、クランク角検出用クランクロータ2
1aと気筒判別用クランクロータ21bとが所定間隔を
開けて軸着されており、この各クランクロータ21a,
21bの外周上に所定の間隙Sを有して電磁ピックアッ
プ等からなるクランク角センサ22aと気筒判別センサ
22bとが対設されている。
【0015】図16に示すように、上記クランク角検出
用クランクロータ21aには、複数のクランク角検出用
突起21cが各気筒の上死点前BTDCθ1〜θ3の位置
に形成されている。本実施例に示すエンジン1は点火順
序を#1→#4→#3→#2とする等間隔燃焼であり、
各気筒の上死点TDCは90°CA毎に設定されている。
なお、上記各クランク角検出用突起21cのクランク角
は、θ1=BTDC75°CA、θ2=BTDC45°CA、
θ3=BTDC15°CAであり、すなわち、各クランク
角検出用突起21cは、各気筒の上死点TDCを挟んで
円周上に30°CAの等ピッチで形成されている。
【0016】また、図17に示すように、上記気筒判別
用クランクロータ21bの外周には、本実施例では3個
の気筒判別用突起21dが形成されている。そのうちの
2個の気筒判別用突起21dが、#1気筒の上死点前B
TDCθ4,θ5の位置に形成されており、また、他の気
筒判別用突起21dが#3気筒の上死点前BTDCθ6
の位置に形成されている。なお、本実施例による各気筒
判別用突起21dのクランク角は、θ4=BTDC60
°CA、θ5=BTDC30°CA、θ6=BTDC60°CA
である。
【0017】クランクシャフト1aの回転により上記ク
ランク角検出用クランクロータ21aのクランク角検出
用突起21cが上記クランク角センサ22aに対向位置
し、或いは上記気筒判別用クランクロータ21bの気筒
判別用突起21dが上記気筒判別センサ22bに対向位
置したとき各センサ22a、22bと、上記各クランク
ロータ21a,21bの突起21c,21dの頂部との
間隙Sは、例えばS=0.8±0.4(mm)に設定されている。
【0018】なお、図14に示すように、上記両センサ
22a,22bは所定の挟み角を有して配設されている
が、図16、図17では、説明を容易にするために両ク
ランクロータ21a,21bの対応する上死点を一致さ
せた状態で示す。
【0019】また、上記各センサ22a,22bでの、
クランクシャフト1aの回転に同期して上記各クランク
ロータ21a,21bの突起21c,21dの検出タイ
ミング、すなわち、上記各センサ22a,22bで検出
するクランクパルスと気筒判別パルスの検出タイミング
は、図23〜図25のタイミングチャートに示す通り
で、#1気筒のBTDCθ4の気筒判別パルス(以下、
「θ4パルス」と略称)は#1気筒のBTDCθ1のクラ
ンクパルス(以下、「θ1パルス」と略称)とBTDC
θ2のクランクパルス(以下、「θ2パルス」と略称)と
の間に割込まれ、またBTDCθ5の気筒判別パルス
(以下、「θ5パルス」と略称)は#1気筒のθ2パルス
とBTDCθ3のクランクパルス(以下、「θ3パルス」
と略称)との間に割込まれる。さらに、#3気筒のBT
DCθ6の気筒判別パルス(以下、「θ6パルス」と略
称)は#3気筒のθ1パルスとθ2パルスとの間に割込ま
れる。従って、上記気筒判別センサ22bで上記θ4パ
ルスとθ5パルスとを検出した後のクランクパルスは、
#1気筒のθ3パルスであることが判別でき、また上記
気筒判別センサ22bでθ6パルスを検出し、その後、
上記クランク角センサ22aで検出するθ2パルスとθ3
パルスとの間に気筒判別パルスが割込まれなければ、上
記θ3パルスは#3気筒のBTDCθ3を示すものである
ことが判別できる。
【0020】なお、図23のタイミングチャートは始動
時の燃料噴射及び点火を、図24のタイミングチャート
は始動後の燃料噴射及び点火をそれぞれ示し、図25は
イグニッションスイッチOFF時の燃料噴射及び点火を
示すタイミングチャートである。上記θ1パルスは、始
動時のドエル開始タイミングタイマスタートの基準クラ
ンク角となり、始動後は噴射開始タイミングタイマスタ
ートの基準クランク角となる。またθ2パルスが始動後
の点火時期タイマスタートの基準クランク角となる。さ
らに、θ3パルスが、始動時は噴射開始の基準クランク
角、及び点火時期タイマスタートの基準クランク角にな
り、また始動後はドエル開始タイミングタイマスタート
の基準クランク角になる。
【0021】また、4サイクル4気筒エンジンでは、上
記気筒判別用クランクロータ21bをカムシャフトに軸
着したカムロータとし、上記気筒判別センサ22bを、
このカムロータに対設させるようにしても良い。
【0022】次に、燃料系の構成について説明する。図
14の符号23は燃料ラインで、この燃料ライン23の
中途に高圧用燃料ポンプ28が介装され、さらに、この
高圧用燃料ポンプ28の下流側に高圧用電磁式プレッシ
ャレギュレータ33が介装されている。また、この燃料
ライン23の上記高圧用燃料ポンプ28の上流側が、燃
料タンク24から燃料を送出する低圧デリバリライン2
3aを構成し、この高圧用燃料ポンプ28の下流側と上
記高圧用電磁式プレッシャレギュレータ33との間が上
記低圧デリバリライン23aからの燃料を昇圧して高圧
用インジェクタ8に供給する高圧ライン23bを構成
し、さらに、この高圧用電磁式プレッシャレギュレータ
33から下流側が低圧リターンライン23cを構成して
いる。
【0023】上記高圧用電磁式プレッシャレギュレータ
33は常開式であり、デューティ制御あるいは、電流制
御により弁開度を制御し、デューティ制御では、デュー
ティ比を0〜100%の間で制御し、例えば、デューテ
ィ比≧80%で全閉となる。また電流制御では、制御電
流が高くなるに従って、次第に閉弁される。上記高圧用
電磁式プレッシャレギュレータ33では、上記高圧ライ
ン23bの燃料リリーフ量を制御することで、この高圧
ライン23bの燃料圧力を保持制御し、燃焼室5へ供給
する燃料量を高圧用インジェクタ8の開弁時間により正
確に計量できるようにしたものである。
【0024】また、上記低圧デリバリライン23aと上
記低圧リターンライン23cとが燃料バイパス通路23
dを介して連通され、この燃料バイパス通路23dに、
上記低圧デリバリライン23aの燃料圧力を調圧する低
圧用ダイヤフラム式プレッシャレギュレータ27が介装
されている。
【0025】上記低圧デリバリライン23aでは、上記
燃料タンク24内の燃料を、フィードポンプ25により
送出し、燃料フィルタ26を経て上記低圧用ダイヤフラ
ム式プレッシャレギュレータ27により調圧された状態
で上記高圧用燃料ポンプ28へ供給する。
【0026】上記燃料ライン23は、いわゆるライン圧
力保持型高圧噴射システムを構成しており、上記高圧ラ
イン23bでは上記低圧デリバリライン23aから供給
される燃料を上記高圧用燃料ポンプ28によって加圧
し、上記高圧用電磁式プレッシャレギュレータ33で調
圧した所定の高圧燃料を、高圧燃料フィルタ30、脈動
圧を緩衝するアキュムレータ31、燃料圧力を検出する
燃料圧力センサ32を併設する燃料供給路を経て各気筒
の高圧用インジェクタ8に供給する。
【0027】上記高圧用燃料ポンプ28はエンジン駆動
式のプランジャポンプであり、吸入口及び吐出口に、そ
れぞれ逆止弁が設けられ、エンジン停止時には、低圧デ
リバリライン23aからの燃料が通過可能になる。
【0028】一方、図18には制御装置(ECU)40
が示されている。この制御装置40は、CPU41、R
OM42、RAM43、バックアップRAM44、及び
I/Oインターフェース45がバスライン46を介して
互いに接続されるマイクロコンピュータ等で構成されて
いる。
【0029】また、上記制御装置40には定電圧回路4
7が内蔵されており、この定電圧回路47は、ECUリ
レー48のリレー接点を介してバッテリ49に接続され
ており、ECUリレー48のリレーコイルがイグニッシ
ョンスイッチ50を介してバッテリ49に接続され、さ
らに、このイグニッションスイッチ50と上記ECUリ
レー48のリレーコイルとの間に、ダイオード51がア
ノード側を上記イグニッションスイッチ50側に接続し
た状態で介装されている。
【0030】上記定電圧回路47は、上記イグニッショ
ンスイッチ50がONされ、上記ECUリレー48の接
点が閉となったとき、上記バッテリ49の電圧を安定化
して制御装置40の各部に供給する。また、上記バック
アップRAM44には、バッテリ49が上記定電圧回路
47を介して直接接続されており、上記イグニッション
スイッチ50のON,OFFに拘わらずバックアップ用
電源が供給される。
【0031】さらに、上記バッテリ49にはフィードポ
ンプ25がフィードポンプリレー54のリレー接点を介
して接続されている。
【0032】また、上記I/Oインターフェース45の
入力ポートには、バッテリ49が接続されて、バッテリ
電圧がモニタされると共に、クランク角センサ22a、
気筒判別センサ22b、アクセル開度センサ16、水温
センサ9、燃料圧力センサ32が接続されているととも
に、上記イグニッションスイッチ50、及びスタータス
イッチ53が接続されて、この両スイッチ50,53の
ON/OFFがモニタされる。
【0033】一方、上記I/Oインターフェース45の
出力ポートには、点火コイル6aを駆動するイグナイタ
6bが接続され、さらに、駆動回路55を介して、上記
バッテリ49から電源が供給されるフィードポンプリレ
ー54のリレーコイル、高圧用インジェクタ8の励磁コ
イル、高圧用電磁式プレッシャレギュレータ33の励磁
コイルが接続されていると共に、上記ECUリレー48
のリレーコイルがセルフシャット信号線を介して接続さ
れている。
【0034】次に、上記制御装置40による燃料噴射制
御及び点火時期制御を、図1〜図13のフローチャート
に従って説明する。なお、各フローチャートはイグニッ
ションスイッチ50をON後、所定タイミング毎に実行
されるもので、イグニッションスイッチ50をONする
と、システムがイニシャライズ(フローチャート中の各
フラグ及びカウント値が全てクリア)される。
【0035】図2のフローチャートは、クランクパルス
入力毎に割込み起動される気筒判別・エンジン回転数算
出ルーチンである。
【0036】イグニッションスイッチ50をON後、エ
ンジン回転に伴いクランク角センサ22aから出力され
るクランクパルスが入力されると、ステップS1で、今
回入力したクランクパルスがθ1 〜θ3 の何れであるの
かを、気筒判別センサ22bからの気筒判別パルスの割
込みパターンに基づき識別し、ステップS2で、上記気
筒判別パルスの割込みパターンから、次の上死点TDC
を迎える気筒#iを判別する。
【0037】すなわち、図23〜図25のタイミングチ
ャートに示すように、本実施例では、燃料噴射及び点火
順序を#1→#4→#3→#2とし、θ4パルスが#1
気筒の上死点前を示す上記θ1パルスとθ2パルスとの間
に割込まれ、続いて、θ2パルスとθ3パルスとの間にθ
5パルスが割込まれるように設定されており、さらに#
3気筒の上死点前を示すθ1パルスとθ2パルスとの間に
θ6パルスが割込まれるように設定されている。
【0038】従って、少なくとも前々回のクランクパル
スと前回のクランクパルスとの間に気筒判別パルスの割
込みがなく、しかも前回のクランクパルスと今回のクラ
ンクパルスとの間に気筒判別パルスが割込まれたときに
は、今回のクランクパルスは、θ2パルスであることが
識別できる。また、気筒判別は、前回と前々回のクラン
クパルスの間に気筒判別パルスの割込みがあり、しか
も、前回と今回のクランクパルスの間にも気筒判別パル
スが割込まれた場合には、今回のクランクパルスは#1
気筒のBTDCθ3 パルスであることが識別できる。一
方、前回と前々回のクランクパルスの間に気筒判別パル
スの割込みがあり、前回と今回のクランクパルスの間に
は気筒判別パルスの割込みがない場合には、今回のクラ
ンクパルスは#3気筒のBTDCθ3 パルスであること
が識別できる。その結果、このθ3パルスの入力によ
り、次の上死点TDCを迎える気筒#iを判別すること
ができる。
【0039】その後、ステップS3で、前回のクランク
パルスが入力されてから今回のクランクパルスが入力さ
れた間のパルス入力間隔時間Tθ(図24参照)を検出
する。なお、図16に示すように、クランクロータ21
aの周囲に突起21cが等間隔で形成されている場合に
は、パルス入力間隔時間Tθは実時間で設定することが
できる。
【0040】次いで、ステップS4で、上記パルス入力
間隔時間Tθからエンジン回転数Nを算出し、RAM4
3の所定アドレスに回転数データとしてストアしてルー
チンを抜ける。この回転数データは、後述する始動判定
・停止時制御ルーチン(図1参照)や、燃料噴射パルス
幅・噴射開始タイミング設定ルーチン(図3参照)や、
点火時期・通電開始時間設定ルーチン(図6参照)で読
込まれる。
【0041】次に、始動判定・停止時制御ルーチンにつ
いて、図1のフローチャートに従って説明する。このル
ーチンは、イグニッションスイッチ50がONされて、
ECU電源に対して通電が開始されたときから、10ms
ec毎のタイマ割込みにより起動され、ステップS11で
イグニッションスイッチ50がONかを判断し、ONの
場合、ステップS12,S13で始動判定を行う。ま
た、ON→OFF後は、ステップS18へ分岐して、停
止時制御を行う。
【0042】従って、イグニッションスイッチ50をO
Nした後の最初のルーチンでは、ステップS12、ステ
ップS13へ進み、始動判定を行う。本実施例では、ス
テップS12でスタータスイッチ53がONと判断さ
れ、且つ、ステップS13でエンジン回転数Nが始動判
定回転数NST(本実施例ではNST=450rpm)以下と
判断したとき、始動と判断する。なお、上記始動判定
は、スタータスイッチ53がON、或はエンジン回転数
Nが始動判定回転数NST以下の何れか一方が満足された
ときに始動と判断してもよく、さらに、始動判定回転数
NSTもエンジン特性等から適宜設定することができる。
【0043】そして、上記ステップS12、S13で始
動と判断されてステップS14へ進むと、始動判別フラ
グFSTをセットし、ステップS16へ進む。また、上記
ステップS12でスタータスイッチ53がOFF、或は
ステップS13でエンジン回転数Nが始動判定回転数N
ST以上(N>NST)と判断されたときは、始動後と判断
してステップS15で、上記始動判別フラグFSTをクリ
アして上記ステップS16へ戻る。
【0044】このステップS16では、セルフシャット
信号線に対する出力ポート値GSEを1として、ステップ
S17へ進み、演算禁止フラグFKをクリアしてルーチ
ンを抜ける。
【0045】上記ステップS16で、上記出力ポート値
GSEを1にすると、制御装置40の駆動回路55からE
CUリレー48のリレーコイルに対して通電が開始さ
れ、後述するステップS23で出力ポート値GSEを0に
設定するまで継続される。その結果、上記イグニッショ
ンスイッチ50がOFFされても、GSE=0になるまで
ECU電源は通電状態を保持する。
【0046】また、上記演算禁止フラグFKは、後述の
ステップS18でセットされるもので、この演算禁止フ
ラグFKがセットされると、その後、燃料噴射及び点火
に関する演算が禁止される。
【0047】そして、エンジンが始動し、所定運転後に
上記イグニッションスイッチ50をOFFすると、上記
ステップS11からステップS18へ分岐して停止時制
御を実行する。まず、ステップS18で上記演算禁止フ
ラグFKをセットし、続いてステップS19〜S22
で、各気筒#i(i=1,4,3,2)の点火未終了フラ
グF#iの値を参照する。この点火未終了フラグF#iは、
燃料噴射開始時にセットされ(図10、図12参照)、
点火時にクリアされる(図13参照)。従って、F#i=
1のときは、当該噴射・点火対象気筒#iに対して燃料
噴射が既に開始され、しかも点火未終了の状態であり、
また、F#i=0のときは、点火終了後に噴射は開始され
ていない状態を示す。
【0048】上記各ステップS19〜S22の何れか
で、上記点火未終了フラグF#iがF#i=1のときは、ル
ーチンを抜ける。その結果、上記セルフシャット信号線
に対する出力ポート値GSEが、GSE=1の状態を維持し
ているため、ECUリレー48はON状態を保持し、E
CU電源をON状態に保持する。従って、この間、イグ
ニッションスイッチ50がOFFであってもエンジンは
停止しない。
【0049】一方、上記各ステップS19〜S22の全
ての点火未終了フラグF#iがF#i=0になったときに
は、ステップS23へ進み、上記セルフシャット信号線
に対する出力ポート値GSEをGSE=0に設定しルーチン
を終了する。その結果、上記ECUリレー48がOFF
し、ECU電源に対する通電が遮断されてエンジンが停
止する。
【0050】上述の停止時制御について、図25のタイ
ミングチャートを用いて詳述する。
【0051】各気筒#iの点火未終了フラグF#i(i=
1,4,3,2)は、燃料噴射が開始されるときにセッ
トされ、点火時にクリアされる。運転者が、図の矢印で
示すクランク角でイグニッションスイッチ50をOFF
すると演算禁止フラグFKがセットされ、点火未終了フ
ラグF#iがF#i=0の気筒、すなわち、#1気筒、#3
気筒、#2気筒では、イグニッションスイッチ50をO
FFしたときに、燃料噴射及び点火が終了する。一方、
#4気筒では、イグニッションスイッチ50をOFFし
たときには、まだ燃料噴射途中で、点火未終了であるた
め、この#4気筒の点火未終了フラグF#4はセットされ
た状態にあり、その後、当該#4気筒が点火されたとき
に上記点火未終了フラグF#4がクリアされ、ECU電源
がOFFされてエンジンが停止する。その結果、イグニ
ッションスイッチ50をOFFしたときに燃料噴射途中
の気筒がある場合、この燃料噴射が完了し、しかも点火
終了後にエンジンが停止されるため、気筒内に液化燃料
が残留せず、オイルダイリューションが防止でき、ま
た、再始動時には点火プラグのくすぶり及び未燃ガスの
排出等が防止される。
【0052】また、図3〜図5のフローチャートには、
燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定ルーチンが
示され、さらに、図6、図7のフローチャートには、点
火時期・通電開始時間設定ルーチンが示されている。こ
の両ルーチンは、θ2パルスの入力により割込み起動さ
れ、エンジン始動時は、燃料噴射パルス幅・噴射開始タ
イミング設定ルーチンが、点火時期・通電開始時間設定
ルーチンに優先して実行され、エンジン始動後は逆の優
先順位で実行される。
【0053】この両ルーチンでは、気筒判別により得ら
れた、これから上死点TDCを迎える気筒#iの2つ後
の気筒#(i+2)に対する燃料噴射パルス幅、噴射開始タ
イミング、及び点火時期、通電開始時間を気筒毎に設定
するもので、図23或は図24のタイミングチャートに
示すように、噴射・点火順序を#1→#4→#3→#2
とした場合、例えば、これから上死点TDCを迎える気
筒が#3気筒であれば、#3気筒の上死点前BTDCθ
2パルスの割込みで起動され、演算結果は、#1気筒の
噴射及び点火に対して適用される。
【0054】まず、燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミ
ング設定ルーチンについて説明する。
【0055】このルーチンのステップS31では、イグ
ニッションスイッチ50がOFFされたか否かを演算禁
止フラグFKの値を参照して判断する。この演算禁止フ
ラグFKは、イグニッションスイッチ50がONのとき
にはクリアされ、イグニッションスイッチ50がON→
OFF後にセットされる(図1のS17,S18参
照)。
【0056】エンジン始動時、或はエンジン始動後は、
FK=0であるため、ステップS32以下で、始動時或
は始動後の燃料噴射パルス幅等を演算する。また、イグ
ニッションスイッチ50がON→OFF後には、FK=
1となるため、何等演算することなく、そのままルーチ
ンを抜ける。その結果、FK=1の場合には、燃料噴射
タイマ、噴射開始タイミングタイマが新たにセットされ
ることなく、新たな燃料噴射が禁止される。
【0057】そして、上記ステップS31でFK=0と
判断されて、ステップS32へ進むと、現在のエンジン
運転状態が始動時か始動後かを、始動判別フラグFSTの
値を参照して判断する。この始動判別フラグFSTは、前
記始動判定・停止時制御ルーチン(図1参照)で設定さ
れており、この始動判別フラグFSTが、FST=1の場合
には始動時であるため、ステップS33へ進み始動時制
御を実行し、一方、FST=0の場合には始動後であるた
め、ステップS36へ分岐して通常時制御を実行する。
【0058】まず、始動時制御について説明する。上記
ステップS32で始動時と判断されてステップS33へ
進むと、水温センサ9で検出した冷却水温TWに基づい
て始動時噴射量GFST[g]をテーブルを補間計算付で参
照して設定する。このテーブルはROM42の一連のア
ドレスで構成され、各領域には主に冷態時の始動性能を
確保するための噴射量が予め実験等から求めて格納され
ており、ステップ内に示すように、冷却水温TWが低い
ほど上記始動時噴射量GFSTは高い値に設定されてい
る。
【0059】そして、上記ステップS33で始動時燃料
噴射量GFSTが設定されると、次のステップS34で燃
料圧力センサ32で検出した高圧ライン23b中の燃料
圧力PS[kpa]に基づいて燃料圧力係数KSと、無効噴射
時間TS[msec]とをROM42にデータとして格納され
ているテーブルを補間計算付で参照して設定する。この
ステップ内に示すように、上記テーブルには上記燃料圧
力PSを格子として上記燃料圧力係数KSと無効噴射時間
TSとが予め実験或は設計等により求めて設定されてい
る。燃料圧力係数KSは上記燃料圧力PSによって変化す
るインジェクタの噴射特性であり、上記始動時噴射量G
FSTを燃料圧力PSに応じて補正すると共に、この始動
時噴射量GFST[g]を時間換算する。また上記無効噴射
時間TSは上記燃料圧力PSによって変化する高圧用イン
ジェクタ8の作動遅れを補償するものである。
【0060】次いで、ステップS35へ進み、上記始動
時噴射量GFST[g]に上記燃料圧力係数KSを乗算して時
間換算し、その値に上記無効噴射時間TSを加算して、
始動時の燃料噴射時間を定める燃料噴射パルス幅Tiを
算出し、ステップS37へ進んで、上記燃料噴射パルス
幅Tiを、今回の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴射タイ
マにセットしてルーチンを抜ける。そして、このステッ
プS37でセットされた始動時の燃料噴射タイマは、図
10のフローチャートに示すθ3パルス毎に実行される
ルーチンでスタートされる(詳細については後述す
る)。
【0061】一方、エンジンの始動が完了すると、図1
のフローチャートに示す始動判定・停止時制御ルーチン
のステップS15で、上記始動判別フラグFSTがクリア
される。すると、上述の燃料噴射パルス幅・噴射開始タ
イミング設定ルーチンでは、上記ステップS32からス
テップS36へ分岐されて、通常時制御へ移行する。な
お、上述したように、エンジンが始動状態から始動後へ
移行すると、ルーチンの優先順位が反転し、この燃料噴
射パルス幅・噴射開始タイミング設定ルーチンの前に、
後述する点火時期・通電開始時間設定ルーチンが実行さ
れる。
【0062】上記ステップS36では、通常制御時の燃
料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定サブルーチン
が実行される。
【0063】この燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミン
グ設定サブルーチンは、図4、図5に示すフローチャー
トに従って実行される。
【0064】まず、ステップS41で、アクセル開度セ
ンサ16で検出したアクセル開度(=スロットル開度)
αとエンジン回転数Nとに基づいて、ステップ内に示す
テーブルを補間計算付で参照して燃料噴射量GFを設定
する。なお、このテーブルには、アクセル開度αとエン
ジン回転数Nとに応じて最適な燃料噴射量GFが予め実
験などから求めて格納されている。
【0065】次いで、ステップS42へ進み、燃料圧力
センサ32で検出した高圧ライン23b中の燃料圧力P
Sに基づいて燃料圧力係数KS、及び無効噴射時間TSを
設定する。この燃料圧力係数KS、及び無効噴射時間TS
は、前述のステップS34(図3参照)中に示したテー
ブルを補間計算付で参照して設定する。そして、ステッ
プS43で上記燃料噴射量GFに上記燃料圧力係数KS
を乗算して時間換算し、その値に上記無効噴射時間TS
を加算して、始動後の燃料噴射パルス幅Tiを算出す
る。
【0066】その後、ステップS44で上記エンジン回
転数Nに基づいて、成層・間引燃焼切換判定値GFS1
と、均一混合・成層燃焼切換判定値GFS2を設定する。
この両燃焼切換判定値GFS1,GFS2は、このステップ
S44内に示すテーブルを補間計算付で参照して設定す
るもので、このテーブルには、上記エンジン回転数N[r
pm]を格子として予め実験等から求めて設定した上記両
燃焼切換判定値GFS1,GFS2が格納されている。
【0067】この成層・間引燃焼切換判定値GFS1、及
び均一混合・成層燃焼切換判定値GFS2は、エンジンの
負荷に応じて燃焼形態を切換える際の基準となる判定値
で、本実施例ではエンジン負荷として上記燃料噴射量G
Fを取入れ、また、燃焼形態は均一混合燃焼方式と、成
層燃焼方式と、成層燃焼で且つ間引燃焼方式とに切換え
設定する。すなわち、エンジンが高負荷運転のときは
(GF>GFS2)、均一混合燃焼方式を採用し、中低負
荷運転のときは(GFS1<GF≦GFS2)、成層燃焼方
式を採用し、さらに極低負荷運転のときは(GF≦GF
S1)、間引燃焼方式を採用している。
【0068】ここで、本実施例が採用する各燃焼方式に
ついて説明する。
【0069】均一混合燃焼は、燃料を早い時期に噴射
し、筒内で均一に混合した後に点火する燃焼方式で、空
気利用率が高いので高負荷運転時に適している。この均
一混合燃焼の混合気形成及び燃焼過程を、図19の燃料
噴射・点火タイミング線図に基づき、図20の均一混合
燃焼行程図に従って説明する。
【0070】まず、図19に示す噴射開始タイミングI
JSTを排気ロータリ弁17の閉弁後の早い時期に設定す
る(図20(a))。ここで噴射開始タイミングは早い程
良いが、排気ロータリ弁17による排気ポート3bの閉
弁時期よりも早く噴射を開始すると、上記排気ポート3
bから燃料が吹抜けてしまうため、噴射開始タイミング
は上記排気ポート3bの閉弁後に設定する。そして、噴
射終了した後(同図(b))、ピストン4上昇による圧縮
混合で均一混合気とし(同図(c))、所定点火進角度で
点火させる(同図(d))。すると、火炎が燃焼室5内を
伝播して燃焼する(同図(e))。
【0071】一方、成層燃焼は、燃料噴射を点火直前に
終了し、燃料噴霧の後端部に火花点火させる燃焼方式
で、燃料周辺の空気しか利用しないので、充填空気量に
比べて極めて少ない燃料量で安定した燃焼を得ることが
できるため低中負荷運転に適している。この成層燃焼に
よる燃焼過程を、図21の燃料噴射・点火タイミング線
図に基づき、図22の成層燃焼行程図に従って説明す
る。まず、図21に示す噴射開始タイミングIJSTを、
点火のやや直前で燃料噴射が終了するように設定し(図
22(a))、噴射中は燃料が空気を取込みながら点火プ
ラグ7近傍に濃混合気を形成すると共に、その周囲に希
薄混合気を層状に形成する(同図(b))。そして、噴射
終了後の上記濃混合気に点火すると(同図(c))、この
濃混合気に着火した火炎が周囲の希薄混合気に伝播し
て、この希薄混合気を燃焼させる(同図(d))。
【0072】また、間引燃焼方式は、本実施例では4気
筒エンジンにおいて、上記成層燃焼を3回に1回行い、
残りの2回は燃料噴射及び点火をカットして気筒停止
(休筒)させるように設定されており、間引燃焼により
アイドル時などの極低負荷時の燃料消費を抑制する。
【0073】今回の運転状態に適応する燃焼方式を決定
するために、上記ステップS44で、成層・間引燃焼切
換判定値GFS1、均一混合・成層燃焼切換判定値GFS2
を設定した後、ステップS45へ進むと、上記燃料噴射
量GF(=エンジン負荷)と、上記成層・間引燃焼切換
判定値GFS1とを比較する。例えば、エンジン始動後、
最初のルーチンでは、アイドルへ移行する極低負荷運転
であるため、このステップS45では、GF≦GFS1と
判断されて、ステップS46へ進み、燃焼方式判別フラ
グF1を00にセットする。
【0074】この燃焼方式判別フラグF1は、2ビット
データで表され、F1=00が間引燃焼方式を表し、F1
=01が成層燃焼方式を表し、またF1=10が均一混
合燃焼方式を表す。
【0075】そして、エンジン始動後の燃焼方式が、上
記ステップS46でF1=00の間引燃焼方式にセット
されると、ステップS47へ進み、上記燃料噴射量GF
とエンジン回転数Nとに基づいて、テーブルを補間計算
付で参照して点火前何℃Aで燃料噴射を終了させるのか
を定める噴射エンドタイミングIJET[msec](図24
(b)参照)を設定する。成層燃焼で最適な燃焼を得るた
めには、点火時に点火プラグ7の周囲に濃混合気を形成
させなければならないため(図22(b),(c)参照)、噴
射終了と点火との時間間隔を管理する必要がある。この
成層燃焼時の噴射エンドタイミングIJETは予め実験的
に求めて燃料噴射量GFとエンジン回転数Nとをパラメ
ータとするテーブルとして格納されている。
【0076】次いで、ステップS48へ進むと、噴射開
始タイミングIJSTが次式から算出される。
【0077】IJST←TθM1−(TADV+IJET+Ti) TθM1は、噴射開始タイミングを設定する際の基準とな
るクランクパルス入力から該当噴射・点火対象気筒#i
の上死点TDCに到達するまでの時間で、本実施例で
は、図24のタイミングチャートに示すようにθ1パル
ス入力を基準クランク角として設定される。なお、この
θ1パルス入力を基準クランク角とした場合の上記TθM
1は、 TθM1=2.5×Tθ Tθ :最新のクランクパルス入
力間隔時間 TADV:点火進角時間換算値(図6、図7の点火時期・
通電開始時間設定ルーチンで算出される) により算出する。
【0078】その後、ステップS49へ進むと、上記燃
焼方式判別フラグF1の値を参照し、今回の燃料噴射が
間引燃焼か全気筒燃焼かを判断する。今回の燃焼方式は
上記ステップS46で間引燃焼方式(F1=00)に設
定されているため、ステップS50へ進み、噴射回数カ
ウント値Cを参照する。この噴射回数カウント値Cは、
燃焼時の間引き気筒数を計数するもので、採用するエン
ジンの気筒数及び間引き間隔により任意に設定すること
ができる。本実施例では、間引燃焼時の成層燃焼を3回
に1回行ない、残りの2回は燃料カットするように設定
されているため、上記ステップS50では噴射回数カウ
ント値CがC=2か否かで、今回の噴射・点火対象気筒
#iが燃焼気筒か、停止気筒かを判断する。
【0079】上記噴射回数カウント値Cのイニシャル値
は0であるため、エンジン始動後、最初のルーチン実行
時には、ステップS51へ分岐し、燃料噴射パルス幅T
iを0とし、ステップS42で上記噴射回数カウント値
Cをカウントアップし、ステップS54へ戻り、上記ス
テップS48で算出した噴射開始タイミングIJSTを噴
射・点火対象気筒#iの噴射開始タイミングタイマにセ
ットして、前記ステップS37(図3参照)へ戻り、該
当噴射・点火対象気筒#iの燃料噴射タイマに、上記ス
テップS51で設定した燃料噴射パルス幅Tiをセット
してルーチンを抜ける。今回の該当気筒のインジェクタ
8に対する燃料噴射パルス幅TiはTi=0であるため、
噴射開始タイミングタイマがタイムアップしても実質的
に燃料は噴射されない。
【0080】そして、アイドル運転など極低負荷運転が
継続されていれば、次回のルーチン実行時に、上記燃料
噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定サブルーチンが
繰返し実行され、前回の噴射回数カウント値CがC=1
であるため、上記ステップS50からステップS51へ
至り、燃料噴射パルス幅TiがTi=0に設定され、ステ
ップS52で上記噴射回数カウント値Cをカウントアッ
プして、ステップS54へ進む。従って、今回の噴射・
点火対象気筒#iに対する燃料噴射も停止される。
【0081】一方、その後、上記燃料噴射パルス幅・噴
射開始タイミング設定サブルーチンが繰返し実行された
ときは、上記噴射回数カウント値CがC=2であるた
め、上記ステップS50からステップS53へ進み、こ
の噴射回数カウント値Cをクリアし、ステップS54で
上記ステップS48で算出した噴射開始タイミングIJ
STを噴射・点火対象気筒#iの噴射開始タイミングタイ
マにセットして、再び、上記ステップS37(図3参
照)へ戻り、該当気筒の燃料噴射タイマに、上記ステッ
プS43で設定した燃料噴射パルス幅Tiをセットして
ルーチンを抜ける。
【0082】その結果、エンジン始動後の極低負荷運転
時には、最初の停止気筒が、#1気筒であれば、燃焼気
筒は#3気筒、#4気筒、#1気筒…と、3回に1回の
割合で設定されることになる。これを表に示せば以下の
通りである。
【0083】 ○:燃焼気筒 ×:停止気筒 このように、本実施例では間引燃焼時においては、特定
気筒を停止させるのではなく、間引き間隔を特定するよ
うにしたので、燃焼気筒が順に移動し、従って、極低負
荷運転時に間引燃焼させてもエンジン振動が抑制され、
滑らかな運転特性を得ることができる。
【0084】そして、エンジン始動後の通常制御時に、
エンジン負荷が上昇し、上記ステップS45において、
上記ステップS41で設定した燃料噴射量GFを上記ス
テップS44で設定した成層・間引燃焼切換判定値GF
S1と比較した結果、GF>GFS1と判断された場合に
は、ステップS55へ分岐し、ここで、上記燃料噴射量
GFと上記ステップS44で設定した均一混合・成層燃
焼切換判定値GFS2とを比較する。例えば、通常走行等
でエンジン負荷があまり高くなく、GF≦GFS2の低、
中負荷運転では、ステップS56へ進み、燃焼方式判別
フラグF1をF1=01の成層燃焼方式にセットし、ステ
ップS57で、上記燃料噴射量GFとエンジン回転数N
とに基づいて、上記ステップS47と同様、テーブルを
補間計算付で参照して噴射エンドタイミングIJET[mse
c](図24(b)参照)を設定する。このテーブルは上記
ステップS47で参照するテーブルと同一であっても、
或は特性を変えた別のテーブルであっても良い。
【0085】次いで、ステップS48へ戻り、成層燃焼
時の噴射開始タイミングIJSTが算出され(IJST←T
θM1−(TADV+IJET+Ti))、ステップS49で、燃
焼方式判別フラグF1の値を参照する。この燃焼方式判
別フラグF1は上記ステップS56で成層燃焼を示すF1
=01にセットされているため、ステップS53へジャ
ンプし、噴射回数カウント値Cをクリアした後、ステッ
プS54で上記ステップS48で算出した成層燃焼時の
噴射開始タイミングIJSTを噴射・点火対象気筒#iの
噴射開始タイミングタイマにセットして、再び、図3に
示すステップS37へ戻り、該当気筒の燃料噴射タイマ
に、上記ステップS43で設定した燃料噴射パルス幅T
iをセットしてルーチンを抜ける。
【0086】一方、加速運転などの過渡時、或は高速運
転時などで、上記ステップS55で、上記ステップS4
1で設定した燃料噴射量GFと上記ステップS44で設
定した均一混合・成層燃焼切換判定値GFS2とを比較し
た結果、GF>GFS2の高負荷運転と判断されて、ステ
ップS58へ分岐すると、上記燃焼方式判別フラグF1
を均一混合燃焼方式を示すF1=10にセットし、ステ
ップS59で、ステップS41で設定した燃料噴射量G
Fとエンジン回転数Nとに基づいてテーブルを補間計算
付で参照して噴射開始タイミングを定める上死点前の噴
射開始角度IJsa[°CA]を設定する。本実施例では、こ
の噴射開始角度IJsaを噴射・点火対象気筒#iの上死
点TDCを基準に設定されている(図24(c)参照)。
均一混合燃焼では、燃料噴射をなるべく早い時期に終了
させて新気と充分に混合させることが望ましいが、燃料
噴射を排気ポート3bが閉弁する時期よりも早く開始す
ると、燃料の吹抜けが生じるため、この燃料噴射開始時
期をクランク角で管理し、排気ポート3bが閉弁した後
の早い時期に燃料噴射を開始させる。
【0087】次いで、ステップS60へ進むと、上記噴
射開始角度IJsa[°CA]に対応する噴射開始タイミング
IJSTを、次式から算出する。
【0088】IJST←TθM2−(Tθ/θs)×IJsa 上記TθM2は噴射開始タイミングを設定する際の基準と
なるクランクパルス入力から噴射・点火対象気筒#iの
上死点TDCに到達するまでの時間で、図24のタイミ
ングチャートに示すように、本実施例では1気筒前のθ
1パルス入力を基準クランク角として設定されており、 TθM2=5.5×Tθ により算出される。また、θsはクランクパルス間角度
で、本実施例では30°CAである。従って、 (Tθ/θs)×IJsa により、1°CA回転当りの時間から噴射開始角度を時間
換算し、この値を上記TθM2から減算することで、1気
筒前のθ1パルス入力を基準クランク角とする噴射開始
タイミングIJSTが設定される(図24(c)参照)。
【0089】そして、ステップS53へ戻り、噴射回数
カウント値Cをクリアした後、ステップS54で上記ス
テップS60で算出した均一混合燃焼時の噴射開始タイ
ミングIJSTを噴射・点火対象気筒#iの噴射開始タイ
ミングタイマにセットして、再び、図3に示すステップ
S37へ戻り、今回の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴
射タイマに、上記ステップS43で設定した燃料噴射パ
ルス幅Tiをセットしてルーチンを抜ける。
【0090】上記ステップS54でセットされた噴射開
始タイミングタイマは、図8に示すθ1パルス入力毎に
実行されるルーチンでスタートされる(詳細については
後述する)。
【0091】次に、図6、図7に示すフローチャートに
基づき、点火時期・通電開始時間設定ルーチンについて
説明する。上述のように、このルーチンはエンジン始動
時は上述の燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定
ルーチンの後に実行され、エンジン始動後は、この燃料
噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定ルーチンに優先
して実行される。
【0092】まず、ステップS61では、演算禁止フラ
グFKの値を参照する。この演算禁止フラグFKは、始動
判定・停止時制御ルーチン(図1参照)で設定されるも
ので、イグニッションスイッチ50がONでクリアさ
れ、このイグニッションスイッチ50をON→OFF後
にセットされる。
【0093】イグニッションスイッチ50をONした後
の始動時或は始動後の通常運転では、上記演算禁止フラ
グFKは、FK=0であるため、上記ステップS61から
ステップS63へジャンプして、現在のエンジン運転状
態が始動時か始動後かを、始動判別フラグFSTの値を参
照して判断する。この始動判別フラグFSTは、始動判定
・停止時制御ルーチンで設定されるもので、この始動判
別フラグFSTが、FST=1の場合には始動時であるた
め、ステップS64へ進み始動時制御を実行し、一方、
FST=0の場合には始動後であるため、ステップS71
へ分岐して通常時制御へ移行する。
【0094】まず、始動時制御について説明し、続いて
通常時制御について説明する。
【0095】上記ステップS63で始動時と判断されて
ステップS64へ進むと、バッテリ電圧VBに基づいて
通電時間DWL[msec]を、テーブルから補間計算付で参照
して設定する。このテーブルはステップ中に示すように
バッテリ電圧VBが高い程、通電時間DWL[msec]が短く
設定されている。
【0096】次いで、ステップS65へ進み、点火時期
IGtを次式から求める。
【0097】IGt←Ti+IGST IGST:噴
射終了より点火までの予め設定された時間[msec](RO
Mデータとして格納されている) この点火時期IGtは、θ3パルスを基準クランク角と
し、噴射終了後、何msec後に点火するのかを定めるもの
で、図23(b)に示すように、始動時の燃料噴射パルス
幅Tiはθ3パルスを基準クランク角として噴射開始され
るため、この燃料噴射パルス幅Tiに上記設定時間IGS
Tを加算することで求める。
【0098】その後、ステップS66でドエル開始タイ
ミングDWLSTを次式から算出する。
【0099】DWLST←(TθM3+IGt)−DWL TθM3:ドエル開始タイミングを設定する際の基準とな
るクランクパルス入力から点火時期設定基準となるクラ
ンクパルス入力までの時間 図23(b)のタイミングチャートに示すように、本実施
例では、始動時のドエル開始の基準クランク角をθ1パ
ルスとし、点火時期設定の際の基準クランク角をθ3パ
ルスとしている。従って、上記TθM3の間隔時間は、 TθM3=2×Tθ により算出することができる。
【0100】その後、ステップS67で、今回の噴射・
点火対象気筒#iの点火時期タイマに上記点火時期IGt
をセットし、ステップS68で噴射・点火対象気筒#i
のドエル開始タイミングタイマにドエル開始タイミング
DWLSTをセットしてルーチンを抜ける。
【0101】始動時において、上記ステップS68でセ
ットされた当該気筒燃焼気筒のドエル開始タイミングタ
イマは、上死点前BTDCθ1パルスを基準クランク角
としてスタートされ、一方、上記ステップS67でセッ
トされた点火時期タイマは、上死点前BTDCθ3パル
スを基準クランク角としてスタートされる(詳細につい
ては後述する)。
【0102】一方、エンジンの始動が完了すると、図1
の始動判定・停止時制御ルーチンのステップS15で、
上記始動判別フラグFSTがクリアされるため、上記点火
時期・通電開始時間設定ルーチンでは、上記ステップS
63からステップS71へ分岐されて、通常時制御へ移
行する。なお、上述したように、エンジンが始動状態か
ら始動後へ移行すると、ルーチンの優先順位が反転し、
この点火時期・通電開始時間設定ルーチンは、前述の燃
料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定ルーチンの前
に実行される。
【0103】そして、上記ステップS71では、各燃焼
方式に応じた点火時期を定める進角値ADV[°CA]を設
定するため、まず、燃焼方式判別フラグF1の値を参照
して現在の燃焼方式を判別する。この燃焼方式判別フラ
グF1は、前述の燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミン
グ設定ルーチンで、エンジン負荷に応じて設定されてお
り、F1=00が間引燃焼方式を表し、F1=01が成層
燃焼方式を表し、またF1=10が均一混合燃焼方式を
表す。
【0104】上記ステップS71で、現在の燃焼方式が
F1=00の間引燃焼と判断されてステップS72へ分
岐すると、噴射回数カウント値Cの値を参照する。この
噴射回数カウント値Cは、前述の燃料噴射パルス幅・噴
射開始タイミング設定サブルーチンで設定されるもの
で、C=0、或いはC=1のときは、点火時期、ドエル
開始タイミングを演算することなく、そのままルーチン
を抜ける。従って、このときには該当気筒の点火時期タ
イマ、及びドエル開始タイミングタイマがセットされな
いので、点火が中止される。なお、始動後は、前述の燃
料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定ルーチンに優
先して、点火時期・通電開始時間設定ルーチンが起動さ
れるため、上記噴射回数カウント値Cは前回のカウント
値であり、従って、上記噴射回数カウント値CがC=
0、或いはC=1のときは今回のルーチン実行時の噴射
・点火対象気筒#iが気筒停止気筒になる。
【0105】また、上記ステップS72で、C=2の気
筒燃焼気筒と判断されたときは、ステップS73へ進
み、上記進角値ADV[°CA]を、燃料噴射量GFとエン
ジン回転数Nとに基づいてテーブルを補間計算付で参照
して設定する。ROM42の一連のアドレスには、間引
燃焼時の進角値ADVを格納するテーブル以外に、後述
する成層燃焼時、及び均一混合燃焼時の進角値ADVを
予め実験などから求めて格納されている。
【0106】そして、上記ステップS73で間引燃焼時
の進角値ADVを、テーブルから補間計算付で参照して
設定した後、ステップS74へ進むと、バッテリ電圧V
Bに基づいて通電時間DWLを、前記ステップS64中に
示すテーブルを補間計算付で参照して設定し、ステップ
S75で、1°CA当りの時間から進角値ADV[°CA]
を時間に換算する点火進角時間換算値TADVを次式に基
づいて算出する。
【0107】 TADV←(Tθ/θs)×ADV Tθ :最新のク
ランクパルス入力間隔時間 θs:クランクパルス間角度(本実施例では、30°C
A) その後、ステップS76で、上記点火進角時間換算値T
ADVに基づいて点火時期IGtを次式から算出する。
【0108】IGt←TθM4−TADV 上記TθM4は、点火時期[msec]を設定する際の基準とな
るクランクパルス(本実施例では、噴射・点火対象気筒
#iの上死点前BTDCθ2パルス)入力から噴射・点火
対象気筒#iの上死点TDCに到達するまでの時間で、
本実施例では、図24のタイミングチャートに示すよう
に、 TθM4=1.5×Tθ により算出される。
【0109】次いで、ステップS77で、ドエル開始タ
イミングDWLSTを次式に基づいて算出する。
【0110】DWLST←TθM5−(DWL+TADV) ここで、TθM5はドエル開始タイミングを設定する際の
基準となるクランクパルス(本実施例では、1気筒前の
気筒の上死点前BTDCθ3パルス)入力から噴射・点
火対象気筒#iの上死点TDCに達するまでの時間で、
本実施例では、図24のタイミングチャートに示すよう
に、 TθM5=3.5×Tθ により算出される。
【0111】そして、上記ステップS67へ戻り、今回
の噴射・点火対象気筒#iの点火時期タイマに上記点火
時期IGtをセットし、ステップS68でドエル開始タ
イミングDWLSTをドエル開始タイミングタイマにセット
してルーチンを抜ける。
【0112】一方、上記ステップS71で、今回の燃焼
方式が、F1=01の成層燃焼と判断されて、ステップ
S78へ進むと、燃料噴射量GFとエンジン回転数Nと
に基づいて点火時期の進角値ADVを成層燃焼に対応す
るテーブルを補間計算付で参照して設定し、ステップS
74へ戻る。
【0113】そして、このステップS74以下で、点火
時期IGt、及びドエル開始タイミングDWLSTを上述し
た間引燃焼時の演算と同様の手順で算出し、ステップS
67へ戻り、今回の噴射・点火対象気筒#iの点火時期
タイマに上記点火時期IGtをセットし、ステップS6
8でドエル開始タイミングDWLSTをドエル開始タイミン
グタイマにセットしてルーチンを抜ける。
【0114】また、上記ステップS71で、今回の燃焼
方式が、F1=10の均一混合燃焼と判断されて、ステ
ップS79へ進むと、燃料噴射量GFとエンジン回転数
Nとに基づいて点火時期の進角値ADVを均一混合燃焼
に対応するテーブルを補間計算付で参照して設定し、上
記ステップS74へ戻る。
【0115】そして、このステップS74以下で、点火
時期IGt、及びドエル開始タイミングDWLSTを算出
し、ステップS67へ戻り、今回の噴射・点火対象気筒
#iの点火時期タイマに上記点火時期IGtをセットし、
ステップS68でドエル開始タイミングDWLSTをドエル
開始タイミングタイマにセットしてルーチンを抜ける。
【0116】このように、本実施例では、図24のタイ
ミングチャートに示すように、始動後のドエル開始タイ
ミングは、全て、今回の噴射・点火対象気筒#iの1気
筒前の気筒の上死点前BTDCθ3パルス入力を基準ク
ランク角としてタイマスタートされ、また、点火時期I
Gtは、当該噴射・点火対象気筒#iの上死点前BTDC
θ2を基準クランク角としてタイマスタートされる。
【0117】一方、エンジンを停止させるべくイグニッ
ションスイッチ50をOFFにすると、前記図1の始動
判定・停止時制御ルーチンでのステップS18で、演算
禁止フラグFKがセットされるため、イグニッションス
イッチ50をON→OFF後のルーチン実行時には、上
記ステップS61からステップS62へ進み、当該噴射
・点火対象気筒#i(i=1,4,3,2)に対応する
#i気筒点火未終了フラグF#iの値を参照し、この#i気
筒点火未終了フラグF#iがセットされているときは点火
未終了であるため、ステップS63へ進み、このステッ
プS63以下で点火時期、及びドエル開始タイミングを
前述の手順に従って設定し、一方、上記#i気筒点火未
終了フラグF#iがクリアされているときは、当該噴射・
点火対象気筒#iにおいて、燃料噴射後の点火が終了し
ているため、ルーチンを抜ける。従って、このときに
は、点火時期タイマ、及びドエル開始タイミングタイマ
が新たにセットされることなく、点火が禁止される。
【0118】例えば、図25のタイミングチャートに示
すように、イグニッションスイッチ50が#1気筒の上
死点TDC付近でOFFされたとき、本実施例では、次
のθ2パルスで割込み起動される最初の点火時期・通電
開始時間設定ルーチンが#3気筒に対するもので、この
#3気筒に対する点火は、同図(d)に示すように、既
に終了しているため、少なくとも、この#3気筒以降の
気筒の点火は、全て禁止される。
【0119】次に、各クランクパルス入力により各タイ
マが起動される各ルーチンについて、図8〜図13のフ
ローチャートに基づいて、始動時の燃料噴射制御と点火
制御、次いで始動後の燃料噴射制御と点火制御について
各々説明する。
【0120】まず、始動時において、θ1パルスが入力
されると、図8のフローチャートに示す始動時ドエル開
始タイミングタイマ・始動後噴射開始タイミングタイマ
スタートルーチンが起動される。
【0121】そして、ステップS81で、始動判別フラ
グFSTの値を参照して、現在の運転状態が始動時か否か
を判断する。エンジン始動時は、FST=1であるため、
ステップS82へ進み、イグニッションスイッチ50が
ONか、或は始動時においてドエル開始タイミングをド
エル開始タイミングタイマにセット後、タイマスタート
させる基準パルス入力(本実施例では、θ1パルス)ま
での間に、イグニッションスイッチ50がOFFされた
かを、演算禁止フラグFKの値を参照して判断し、FK=
0のイグニッションスイッチ50がONのときは、ステ
ップS84へ分岐し、ドエル開始タイミングDWLSTがセ
ットされた噴射・点火対象気筒#iのドエル開始タイミ
ングタイマをスタートさせてルーチンを抜ける。その結
果、上記ドエル開始タイミングタイマにセットされたド
エル開始タイミングDWLST[msec]の計時が開始され(図
23(b)参照)、計時が終了したとき、図11のフロー
チャートに示すドエル開始タイミングルーチンが割込み
起動され、ステップS111で、演算禁止フラグFKの
値を参照して、FK=0のイグニッションスイッチ50
がONのときは、ステップS113へ分岐し、今回の噴
射・点火対象気筒#iのドエルをセットしてルーチンを
抜ける。
【0122】一方、上記ステップS111で、FK=
1、すなわち、上記ドエル開始タイミングタイマスター
ト後、ドエル開始タイミングDWLSTに達する前に、イグ
ニッションスイッチ50がOFFされた場合には、ステ
ップS112へ進み、今回の噴射・点火対象気筒#iの
点火未終了フラグF#iの値を参照し、F#i=1のときに
は、燃料噴射開始後、点火未終了であるため、上記ステ
ップS113へ進み、今回の噴射・点火対象気筒#iの
ドエルをセットしてルーチンを抜ける。また、F#i=0
のときには、燃料噴射後、点火終了しているためドエル
をセットすることなく、ルーチンを抜ける。従って、こ
のときにも、点火が禁止される。
【0123】また、上記図8のステップS82で、上記
演算禁止フラグFKの値が、FK=1の、始動時において
ドエル開始タイミングタイマセット後、タイマスタート
までの間に、イグニッションスイッチ50がOFFされ
たときには、ステップS83へ進み、今回の噴射・点火
対象気筒#iに対応する#i気筒点火未終了フラグF#iの
値を参照し、F#i=1のときには、噴射開始後、点火未
終了であるため、ステップS84へ分岐して、ドエル開
始タイミングタイマをスタートさせて、ルーチンを抜け
る。すると、ドエル開始タイミングDWLST[msec]の計時
が開始され、計時終了時に、図11のフローチャートに
示すドエル開始タイミングルーチンが割込み起動され、
ステップS111で、演算禁止フラグFKの値を参照す
る。このとき、イグニッションスイッチ50はOFFで
あるため、FK=1であり、ステップS112へ進み、
今回の噴射・点火対象気筒の#i気筒点火未終了フラグ
F#iの値を参照し、F#i=0のときには、当該気筒にお
いて燃料噴射開始後、点火終了しているため、ドエルセ
ットすることなくルーチンを抜ける。一方、F#i=1の
ときは、噴射開始後、まだ点火終了してないので、ステ
ップS113へ分岐して、当該噴射・点火対象気筒#i
に対してドエルセットしてルーチンを抜ける。
【0124】次いで、θ2パルスが入力されると、図9
のフローチャートに示す始動後点火時期タイマスタート
ルーチンが起動され、まず、ステップS91で、上記始
動判別フラグFSTの値を参照して、現在の運転状態がF
ST=1の始動時と判断した場合には、そのままルーチン
を抜ける。
【0125】続いて、θ3パルスが入力されると、図1
0のフローチャートに示す始動時噴射開始タイマ・点火
時期タイマ・始動後ドエル開始タイミングタイマスター
トルーチンが起動され、まず、ステップS101で、上
記始動判別フラグFSTの値を参照して、現在の運転状態
がFST=1の始動時と判断した場合、ステップS102
へ進み、演算禁止フラグFKの値を参照する。FK=0の
イグニッションスイッチ50がONのときは、ステップ
S103で今回の噴射・点火対象気筒#iに対応する#i
気筒点火未終了フラグF#iをセットし、ステップS10
4で、始動時の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴射タイ
マをスタートさせる。すると、この燃料噴射タイマにセ
ットされた燃料噴射パルス幅Tiの計時が開始され(図
23(b)参照)、その間、噴射・点火対象気筒#iのイン
ジェクタ8に噴射信号が出力され、このインジェクタ8
で所定に計量された燃料が筒内に直接噴射される。
【0126】次いで、ステップS105へ進むと、当該
噴射・点火対象気筒#iの点火時期タイマをスタートさ
せて、ルーチンを抜ける。すると、この点火時期タイマ
にセットされた点火時期IGt[msec]の計時が開始さ
れ(図23(b)参照)、この計時が終了したとき、図1
3のフローチャートに示す点火時期ルーチンが割込み起
動される。
【0127】そして、この点火時期ルーチンのステップ
S131で、今回の噴射・点火対象気筒#iに対してド
エルカットして点火し、ステップS132で、当該気筒
#iの#i気筒点火未終了フラグF#iをクリアしてルーチ
ンを抜ける。この点火時期ルーチンでは、点火時期タイ
マスタート後、点火時期IGtに到達したときには、無
条件にドエルカットする。すなわち、ドエル開始後、イ
グニッションスイッチ50がOFFになってもドエルが
継続するのを防止するためであり、またドエルが開始さ
れていなければドエルカットしても点火プラグ7などに
は何等影響を及ぼすことがないためである。
【0128】また、上記ステップS102で、演算禁止
フラグFKがFK=1、すなわち、燃料噴射タイマに燃料
噴射パルス幅Tiをセットした後、この燃料噴射タイマ
をスタートさせる基準クランクパルス(本実施例ではθ
3パルス)入力迄の間に、イグニッションスイッチ50
がOFFされた場合には、燃料噴射することなくルーチ
ンを抜ける。その結果、当該噴射・点火対象気筒#i、
及びその後の気筒の燃料噴射、及び点火は停止される。
【0129】一方、始動後に、θ1パルスが入力され
て、図8のフローチャートに示すルーチンが起動される
と、ステップS81で、FST=0の始動後と判断されて
ステップS85へ分岐し、演算禁止フラグFKの値を参
照する。FK=0のイグニッションスイッチ50がON
と判断されると、ステップS86へ進み、現在の燃焼方
式が、均一混合燃焼か否かを、燃焼方式判別フラグF1
の値を参照して判断する。本実施例では、図24のタイ
ミングチャートに示すように、成層燃焼では、噴射開始
タイミングタイマを噴射・点火対象気筒#iの上死点前
BTDCのθ1パルス入力でスタートさせるように設定
されており、一方、均一混合燃焼では、上記噴射開始タ
イミングタイマを噴射・点火対象気筒#iの1つ前の気
筒の上死点前BTDCのθ1パルス入力でスタートする
ように設定されている。
【0130】上記ステップS86では、現在設定されて
いる燃焼方式を判断し、噴射開始タイミングタイマをス
タートさせる噴射・点火対象気筒#iを判別する。上記
ステップS86で、F1=01或はF1=00の成層燃焼
(間引燃焼を含む)と判断した場合、ステップS87へ
進み、これから上死点TDCを迎える気筒を今回の噴射
・点火対象気筒#iとして設定し、ステップS88で、
当該噴射・点火対象気筒#iである現在気筒の噴射開始
タイミングタイマをスタートさせる。図24に示すよう
に、例えば、成層燃焼時の噴射・点火対象気筒#iを#
1気筒とした場合、上記噴射開始タイミングタイマは、
当該#1気筒の上死点前BTDCθ1パルス入力でスタ
ートされる。
【0131】そして、この噴射開始タイミングタイマに
セットした噴射開始タイミングIJST[msec]の計時が終
了したとき、図12のフローチャートに示す噴射開始タ
イミング設定ルーチンが割込み起動され、まず、ステッ
プS121で、演算禁止フラグFKの値を参照して、上
記燃料開始タイミングタイマスタートから計時終了迄の
間にイグニッションスイッチ50がOFFされたかを判
断し、FK=0のイグニッションスイッチ50がON状
態のままのときは、ステップS122へ進み、噴射・点
火対象気筒#iに対応する#i気筒点火未終了フラグF#i
をセットした後、ステップS123で、燃料噴射タイマ
をスタートさせてルーチンを抜ける。この燃料噴射タイ
マにセットされた燃料噴射パルス幅Tiの計時が行われ
ている間、該当気筒#iのインジェクタ8に噴射信号が
出力されて燃料噴射される。なお、噴射・点火対象気筒
#iに対する燃料噴射タイマ計時中に、イグニッション
スイッチ50がOFFされても、タイマの計時は続行さ
れるので燃料噴射は継続される。これに対し、イグニッ
ションスイッチ50をOFFした後の燃料噴射途中で、
この燃料噴射を中断すると、規定の燃料噴射量が得られ
ずオーバリーンとなり、点火プラグ7を点火させても失
火してしまい、未燃ガスが排出されてしまう。そのた
め、継続的に噴射させることで未燃ガスの排出を防止す
る。
【0132】また、上記ステップS121でFK=1、
すなわち噴射開始タイミングタイマがスタートしてから
計時終了迄の間にイグニッションスイッチ50がOFF
された場合には、燃料噴射タイマをスタートさせること
なく、ルーチンを抜ける。従って、この場合にも確実に
燃料噴射が停止される。
【0133】一方、上記ステップS86で、現在の燃焼
方式がF1=10の均一混合燃焼と判断されてステップ
S89へ進むと、1つ後の気筒を今回の噴射・点火対象
気筒#iとし、ステップS90で、当該気筒#iの噴射
開始タイミングタイマをスタートさせて、ルーチンを抜
ける。すると、当該気筒#iの噴射開始タイミングタイ
マにセットした噴射開始タイミングIJSTが計時され、
この計時が終了したとき、図12のフローチャートに示
す噴射開始タイミング設定ルーチンが、前述と同様に割
込み起動される。なお、今回の噴射開始タイミング設定
ルーチンは、前述と同じであるため、説明を省略する。
【0134】図24のタイミングチャートに示すよう
に、均一混合燃焼において、例えば#2気筒をこれから
上死点TDCを迎える現在気筒とした場合、今回のθ1
パルス入力で起動されるルーチンは、その1つ後の#1
気筒を噴射・点火対象気筒#iとする。
【0135】一方、上記ステップS85で、演算禁止フ
ラグFKがFK=1と判断された場合、すなわち、噴射開
始タイミングタイマをセットした後、タイマスタートさ
せる基準パルス(本実施例では、θ1パルス)入力迄の
間に、イグニッションスイッチ50がOFFされた場合
には、噴射開始タイミングタイマをスタートすることな
くルーチンを抜ける。よって、図25(d)に示すよう
に、その後の燃料噴射は停止される。
【0136】また、始動後の点火制御は、図24のタイ
ミングチャートに示すように、噴射・点火対象気筒#i
の1つ前の気筒の上死点前BTDCθ3パルス入力で、
ドエル開始タイミングDWLSTが計時されるように設定さ
れているため、まず、図10のフローチャートに示すθ
3パルス入力により割込み起動されるルーチンから説明
する。
【0137】θ3パルスが入力されると、図10のフロ
ーチャートに示すルーチンが起動され、まず、ステップ
S101で、現在の運転状態がFST=0の始動後と判断
されて、ステップS106へ分岐すると、演算禁止フラ
グFKの値を参照し、FK=0のイグニッションスイッチ
50のON状態が継続しているときは、ステップS10
8へ分岐して、今回の噴射・点火対象気筒#iのドエル
開始タイミングタイマをスタートさせて、ルーチンを抜
ける。
【0138】また、上記ステップS106で、FK=
1、すなわちドエル開始タイミングをドエル開始タイマ
にセット後、タイマスタートさせる基準パルス(本実施
例では、θ3パルス)入力までの間に、イグニッション
スイッチ50がOFFされた場合には、ステップS10
7へ進み、当該噴射・点火対象気筒#iの点火未終了フ
ラグF#iの値を参照し、F#i=1のときは、燃料噴射
後、点火未終了であるため、ステップS108へ分岐し
て、当該噴射・点火対象気筒#iのドエル開始タイミン
グタイマをスタートさせる。
【0139】すると、このドエル開始タイミングタイマ
にセットしたドエル開始タイミングDWLSTの計時が開始
され、この計時が終了したとき、図11のフローチャー
トに示すドエル開始タイミングルーチンが割込み起動さ
れる。なお、このドエル開始タイミングルーチンについ
ては、始動時制御において既に述べた手順と同じである
ため、ここでは説明を省略する。
【0140】一方、上記ステップS107で、点火未終
了フラグF#iがクリアされていると判断した場合は、当
該噴射・点火対象気筒#iにおいて、燃料噴射後、点火
終了しているため、ドエル開始タイミングタイマをスタ
ートさせることなく、ルーチンを抜ける。
【0141】その後、θ2パルスが入力されて、図9に
示す点火時期タイマスタートルーチンが割込み起動され
ると、ステップS91で、始動判別フラグFSTの値を参
照し、現在の運転状態がFST=0の始動後と判断した場
合、ステップS92へ進み、演算禁止フラグFKの値を
参照する。そして、FK=0のイグニッションスイッチ
50がON状態を維持している場合には、ステップS9
4へ分岐して、今回の噴射・点火対象気筒#iの点火時
期タイマをスタートさせてルーチンを抜ける。
【0142】また、上記ステップS92で、FK=1、
すなわち、点火時期を点火時期タイマにセットした後、
タイマスタートさせる基準パルス(本実施例では、θ2
パルス)入力迄の間に、イグニッションスイッチ50が
OFFされた場合には、ステップS93へ進み、当該噴
射・点火対象気筒#iに対応する#i気筒点火未終了フラ
グF#iの値を参照して、F#i=1のときには、当該噴射
・点火対象気筒#iの点火が未終了であるため(図25
(c)参照)、ステップS94へ分岐して、この噴射・点
火対象気筒#iの点火時期タイマをスタートさせてルー
チンを抜ける。
【0143】すると、この点火時期タイマにセットされ
た点火時期IGt[msec]の計時が開始され(図25(c)
参照)、この計時が終了したとき、図13のフローチャ
ートに示す点火時期ルーチンが割込み起動される。
【0144】そして、この点火時期ルーチンのステップ
S131で、今回の噴射・点火対象気筒#iのドエルを
カットして点火し、ステップS132で、当該気筒#i
の#i気筒点火未終了フラグF#iをクリアしてルーチン
を抜ける。
【0145】図25(c)のタイミングチャートに示す
ように、上記#4気筒が今回の噴射・点火対象気筒#i
で、しかも、他の気筒#3,#2,#1の燃料噴射、点
火が終了している場合、今回の噴射・点火対象気筒#4
の点火未終了フラグF#iがクリアされたことで、前記図
1の始動判定・停止時制御ルーチンのステップS20か
らステップS21,S22を経てステップS23へ進
み、ここで、セルフシャット信号線に対する出力ポート
値GSEがGSE←0に設定されるため、ECUリレー48
が#4気筒に対する点火と同時にOFFし、ECU電源
がOFFしてエンジンが停止する。その結果、筒内に液
化燃料が残留されず、再始動時の未燃ガスの排出、及び
点火プラグ7のくすぶりが防止され、良好な再始動性能
が得られるばかりでなく、オイルダイリューションを防
止することができる。
【0146】一方、上記ステップS93で、F#i=0の
点火終了と判断したときは、今回の噴射・点火対象気筒
#iでは燃料噴射後、点火終了しているため、そのまま
ルーチンを抜ける。従って、このときには、点火時期タ
イマがスタートされることなく、点火が禁止される。
【0147】このように、本実施例では、イグニッショ
ンスイッチ50をOFFしたときに、既に燃料噴射が開
始されている気筒があるときは、当該気筒の燃料噴射及
び点火が終了するまでECU電源をOFFせず、当該気
筒の点火終了時にECU電源をOFFしてエンジンを停
止させるようにしたので、エンジン停止時には、気筒内
に液化燃料が残留せず、オイルダイリューションが防止
され、しかも、再始動時の点火プラグのくすぶり、及び
未燃ガスの排出が防止される。
【0148】なお、本発明は上記実施例に限るものでは
なく、例えば、対象とするエンジンは、4サイクル筒内
直噴式エンジンであっても良い。
【0149】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
イグニッションスイッチをオフしたとき、既に燃料噴射
が開始され且つ点火未終了の気筒がある場合には、この
点火未終了気筒に対する点火が終了した後に制御装置電
源をオフするようにしたので、エンジン停止時に気筒内
に液化燃料が残留されず、従って、オイルダイリューシ
ョンが防止され、また、再始動時の点火プラグのくすぶ
り、及び未燃ガスの排出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】始動判定・停止時制御ルーチンを示すフローチ
ャート
【図2】気筒判別・エンジン回転数算出ルーチンを示す
フローチャート
【図3】燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定ル
ーチンを示すフローチャート
【図4】燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定サ
ブルーチンを示すフローチャート
【図5】燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定サ
ブルーチンを示すフローチャート(続き)
【図6】点火時期・通電開始時間設定ルーチンを示すフ
ローチャート
【図7】点火時期・通電開始時間設定ルーチンを示すフ
ローチャート(続き)
【図8】始動時ドエル開始タイミングタイマ・始動後噴
射開始タイミングタイマスタートルーチンを示すフロー
チャート
【図9】始動後点火時期タイマスタートルーチンを示す
フローチャート
【図10】始動時噴射開始タイマ・点火時期タイマ・始
動後ドエル開始タイミングタイマスタートルーチンを示
すフローチャート
【図11】ドエル開始タイミングルーチンを示すフロー
チャート
【図12】噴射開始タイミング設定ルーチンを示すフロ
ーチャート
【図13】点火時期ルーチンを示すフローチャート
【図14】火花点火式筒内直噴エンジンの全体概略図
【図15】クランクシャフトに軸着したクランク角検出
用クランクロータと気筒判別用クランクロータ、及びこ
れらに対設するセンサの側面図
【図16】クランク角検出用クランクロータと、このク
ランクロータに対設するクランク角センサの正面図
【図17】気筒判別用クランクロータと、このクランク
ロータに対設する気筒判別センサの正面図
【図18】制御装置の回路構成図
【図19】均一混合燃焼時の燃料噴射、及び点火タイミ
ング線図
【図20】均一混合燃焼時の行程図
【図21】成層燃焼時の燃料噴射、及び点火タイミング
線図
【図22】成層燃焼時の行程図
【図23】始動時の燃料噴射、及び点火を示すタイミン
グチャート
【図24】始動後の燃料噴射、及び点火を示すタイミン
グチャート
【図25】イグニッションスイッチOFF時の燃料噴
射、及び点火を示すタイミングチャート
【符号の説明】
1 火花点火式筒内直噴射エンジン 5 燃焼室 40 制御装置 48 ECUリレー 50 イグニッションスイッチ GSE セルフシャット信号線に対する出力ポート値

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒内に直接噴射した燃料を火花点火によ
    り燃焼させる火花点火式筒内直噴エンジンの制御方法に
    おいて、 イグニッションスイッチをオフしたとき、既に燃料噴射
    が開始され且つ点火未終了の気筒がある場合には、 この点火未終了気筒に対する燃料噴射及び点火が終了し
    た後に制御装置電源をオフすることを特徴とする火花点
    火式筒内噴射エンジンの制御方法。
JP32589494A 1994-12-27 1994-12-27 火花点火式筒内直噴エンジンの制御方法 Pending JPH08177699A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0900927A2 (en) 1997-09-03 1999-03-10 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha System for diagnosing and controlling high-pressure fuel system for in-cylinder fuel injection engine
US6340016B1 (en) 1999-03-18 2002-01-22 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Starting device and control method thereof for direct-injection internal combustion engine
JP2008202605A (ja) * 2008-06-02 2008-09-04 Hitachi Ltd シリンダ内直接噴射式内燃機関

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