JPH08189392A - 筒内直噴エンジンの燃料噴射時期制御方法及び吸気系噴射エンジンの燃料噴射時期制御方法 - Google Patents

筒内直噴エンジンの燃料噴射時期制御方法及び吸気系噴射エンジンの燃料噴射時期制御方法

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JPH08189392A
JPH08189392A JP7003592A JP359295A JPH08189392A JP H08189392 A JPH08189392 A JP H08189392A JP 7003592 A JP7003592 A JP 7003592A JP 359295 A JP359295 A JP 359295A JP H08189392 A JPH08189392 A JP H08189392A
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JP
Japan
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injection
timing
fuel injection
nox concentration
nox
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Pending
Application number
JP7003592A
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English (en)
Inventor
Koji Morikawa
弘二 森川
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication of JPH08189392A publication Critical patent/JPH08189392A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B2275/00Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
    • F02B2275/14Direct injection into combustion chamber
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B23/00Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation
    • F02B23/08Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition
    • F02B23/10Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition with separate admission of air and fuel into cylinder
    • F02B23/101Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition with separate admission of air and fuel into cylinder the injector being placed on or close to the cylinder centre axis, e.g. with mixture formation using spray guided concepts
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 希薄燃焼時のNOx触媒によるNOx還元浄化
作用の促進を図る。 【構成】 NOx触媒の下流にNOx濃度センサを配設
し、このNOx濃度センサで検出した実NOx濃度CONpr
と、エンジン運転状態に応じて設定した許容NOx濃度C
ONsとを比較し(S34)、実NOx濃度CONprが許容N
Ox濃度CONsよりも高い場合には、現運転時の燃焼方式
が成層燃焼であれば、燃料噴射時期を所定進角補正時間
分だけ早めて燃料噴射し、一方、均一燃焼が選択されて
いれば、上記燃料噴射時期を所定遅角補正時間分だけ遅
らせて燃料噴射する。その結果、成層燃焼では、燃料が
正規の噴射時期よりも早めに噴射されるため噴霧の拡散
が促進され、局所的に空燃比リーンの部分が形成され、
また均一燃焼では、正規の噴射時期よりも遅れて燃料噴
射されるため、混合気中に空燃比リーンの不均質部分が
形成され、この空燃比リーン部分での未燃焼ガスにより
HC量が増加し、NOx触媒によるNOx還元浄化作用が
促進される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、NOx触媒によるNOx
還元浄化作用の促進を図る筒内直噴エンジンの燃料噴射
時期制御方法及び吸気系噴射エンジンの燃料噴射時期制
御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、燃費の向上、及び排ガス対策を目
的として空燃比リーンで燃焼させる希薄燃焼(リーンバ
ーン)が注目されており、筒内直噴エンジン、或は成層
燃焼を採用する吸気系噴射エンジン等で採用されてい
る。
【0003】ところで、これらの、いわゆるリーンバー
ンエンジンでは、理論空燃比による燃焼に比し、NOX
(窒素酸化物)排出量は少ないが、排ガス中の残留酸素
が多いので、三元触媒では、NOx排出量を充分に低減
することはできない。
【0004】そのため、リーンバーンエンジンでは、例
えば、特開平5−288044号公報に開示されている
ような、空気余剰雰囲気中でNOx、HC等を選択的に
取込んで還元作用を行わせる、いわゆるNOx触媒が多
く採用されている。
【0005】このNOx触媒によれば、希薄燃焼により
発生した排ガス中のNOxがO2 -と反応してNO2とな
り、さらに、このNO2がHC(炭化水素)と反応して
還元浄化されると解されている。従って、排ガス中のH
C濃度が増加すれば、上記NOx触媒によるNOx浄化率
が上昇することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、HCは未燃成
分であるため、このHC量を増加させれば、それだけ燃
費、及びエンジン出力が低下し、ドライバビリティの悪
化を招く。そのため、一般的には、例えば、特開平3−
37355号公報に開示されているように、空燃比がリ
ーンな領域では、燃料噴射時期を遅らせ、点火プラグの
周囲に濃い混合気が形成されるようにして、着火性の向
上を図ると共に、HC量を最小限に抑制するような噴射
時期制御を行っている。
【0007】このように、NOxの大気中への放出量の
低減と、ドライバビリティの向上とは相反しており、こ
の双方の要求を満足する燃料噴射時期を、運転領域毎に
予め実験などから求めて特定することは可能ではある
が、温度、湿度、気圧等の大気条件の変化や、個体差等
の変動因子が加味され難く、全ての運転領域で、NOx
触媒によるNOx浄化率を安定的に向上させることは難
しく、運転条件によっては、NOx浄化率の変動によ
り、逆に排気エミッションの悪化を招く場合もでてく
る。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、燃料噴射時期の修正を必要最小限の範囲で行うこと
で、燃費、出力等を犠牲にすることなく、ドライバビリ
ティの向上と、大気へのNOx放出量の抑制との双方を
両立させ、全ての運転領域でNOx量を安定的に低減さ
せることのできる筒内直噴エンジンの燃料噴射時期制御
方法及び吸気系噴射エンジンの燃料噴射時期制御方法を
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による筒内直噴エンジンの燃料噴射時期制御方法
は、エンジン運転状態に応じ、燃料噴射量、噴射時期、
及び点火時期を設定し、低負荷域では成層燃焼方式を選
択し、高負荷域では均一燃焼方式を選択し、且つ排気系
にNOx触媒を備えると共に、このNOx触媒の下流にN
Ox濃度センサを配設した筒内直噴エンジンにおいて、
エンジン運転状態に基づいて許容NOx濃度を設定し、
この許容NOx濃度と上記NOx濃度センサにより検出し
た実NOx濃度とを比較し、この実NOx濃度が上記許容
NOx濃度よりも高いとき、成層燃焼選択時には燃料噴
射時期を正規の噴射時期よりも早めに設定し、また均一
燃焼選択時には燃料噴射時期を正規の噴射時期より遅ら
せて設定することを特徴とする。
【0010】本発明による吸気系噴射エンジンの燃料噴
射時期制御方法は、吸気系にインジェクタを備え、排気
系にNOx触媒を備えると共に、このNOx触媒の下流に
NOx濃度センサを配設する希薄燃焼可能な吸気系噴射
エンジンにおいて、エンジン運転状態が希薄燃焼領域に
あるとき、このエンジン運転状態に基づいて許容NOx
濃度を設定し、この許容NOx濃度と上記NOx濃度セ
ンサにより検出した実NOx濃度とを比較し、この実N
Ox濃度が上記許容NOx濃度よりも高いとき、噴射終了
時期を吸入行程後半にかかるように燃料噴射時期を設定
し、一方上記実NOx濃度が上記許容NOx濃度以下のと
きは上記エンジン運転状態に応じた正規の燃料噴射時期
を設定することを特徴とする。
【0011】
【作 用】本発明による筒内直噴エンジンの燃料噴射時
期制御方法では、NOx触媒下流に配設したNOx濃度セ
ンサで検出した実NOx濃度が、エンジン運転状態に基
づいて設定した許容NOx濃度よりも高い場合、現在の
燃焼方式が成層燃焼の場合には、燃料噴射時期を正規の
噴射時期よりも早めに設定して、点火までの噴霧拡散を
進め、エンドガスからのHC量を増加させて、NOX触
媒でのNOxの還元浄化作用を促進する。また、上記実
NOx濃度が上記許容NOx濃度よりも高く、しかも現在
の燃焼方式が均一燃焼の場合には、燃料噴射時期を正規
の噴射時期よりも遅らせて設定し、点火の際に混合気の
一部に不均質部が形成されるようにして、この不均質部
の不完全燃焼によりHCを生成し、NOX触媒でのNOx
の還元浄化作用を促進する。
【0012】本発明による吸気系噴射エンジンの燃料噴
射時期制御方法では、NOx触媒の下流に配設したNOx
濃度センサで検出した実NOx濃度が、エンジン運転状
態に基づいて設定した許容NOx濃度よりも高いとき、
噴射終了時期を吸入行程後半にかかるように燃料噴射時
期を設定し、点火の際、混合気の一部に不均質部が形成
されるようにして、この不均質部の不完全燃焼によりH
Cを生成し、NOX触媒でのNOxの還元浄化作用を促進
する。一方上記実NOx濃度が上記許容NOx濃度以下の
ときは上記エンジン運転状態に応じた正規の噴射時期で
燃料を噴射させる。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1〜図37には、本発明の第一実施例が示され
ている。
【0014】まず、図19に基づいて、筒内直噴エンジ
ンの燃料供給系を含む全体的な概略について説明する。
【0015】本実施例に示すエンジン1Aは、筒内直噴
式2サイクル4気筒ガソリンエンジンで、このエンジン
1Aのシリンダヘッド2とシリンダブロック3とピスト
ン4とで形成される燃焼室5に、点火コイル6aの二次
側に接続された点火プラグ7と、高圧用インジェクタ8
とが臨まされ、上記点火コイル6aの一次側に、イグナ
イタ6bが接続されている。
【0016】また、上記シリンダブロック3に、掃気ポ
ート3aと排気ポート3bとが形成され、上記シリンダ
ブロック3に形成した冷却水通路3cに、水温センサ9
が臨まされている。上記掃気ポート3aには給気管10
が連通され、この給気管10には、上流側にエアクリー
ナ11が取付けられており、また中途に掃気ポンプ12
が介装されている。この掃気ポンプ12はクランクシャ
フト1aに連動するエンジン駆動式であり、この掃気ポ
ンプ12の動作により燃焼室5へ新気が強制的に供給さ
れるとともに、この燃焼室5内を掃気する。
【0017】また、上記給気管10には、上記掃気ポン
プ12をバイパスするバイパス通路13が接続されてお
り、さらに、このバイパス通路13の流入ポート上流の
上記給気管10にスロットル弁15aが介装されてお
り、このスロットル弁15aを操作するアクセルペダル
14にアクセル開度(=スロットル開度)αを検出する
アクセル開度センサ16が連設されている。一方、上記
バイパス通路13には、上記掃気ポンプ12の掃気圧を
制御するバイパス制御弁15bが介装されている。
【0018】また、上記排気ポート3bには、上記クラ
ンクシャフト1aの回転に同期して開閉することで、排
気タイミングを制御する排気ロータリ弁17が設けら
れ、この排気ロータリ弁17を介して排気管18が連通
されている。さらに、この排気管18にNOx触媒19
が介装されているとともに、このNOx触媒19の下流
にNOx濃度センサ56が臨まされ、また上記排気管1
8の下流端にはマフラ20が接続されている。
【0019】上記NOx触媒19の特性を図35に示
す。同図(a)に示すように、このNOx触媒19は、一定
の運転条件下では触媒活性化温度(ライトオフ温度TEX
SE)以上で、NOx浄化率が安定する。そして、同図(b)
に示すように、上記ライトオフ温度TEXSE以上において
は、HC濃度が高くなるに従って、NOx浄化率が高く
なる。
【0020】また、図20に示すように、上記クランク
シャフト1aにはクランク角検出用クランクロータ21
aと気筒判別用クランクロータ21bとが、所定間隔を
開けて軸着されており、この両クランクロータ21a,
21bの外周上に所定の間隙Sを有して電磁ピックアッ
プ等からなるクランク角センサ22aと気筒判別センサ
22bとが対設されている。
【0021】図21に示すように、上記クランク角検出
用クランクロータ21aには、複数のクランク角検出用
突起21cが形成されている。本実施例に示すエンジン
1Aは2サイクル4気筒エンジンで、しかも等間隔燃焼
であれば、各気筒の上死点TDCは90゜CA毎に設定
され、点火順序を#1→#4→#3→#2とすれば、こ
の各気筒の上死点TDCから進角方向(図の反時計回り
方向)へクランク角θ1〜θ3の位置に上記クランク角検
出用突起21cがそれぞれ形成されている。上記各クラ
ンク角検出用突起の位置は、例えばθ1=BTDC75゜
CA、θ2=BTDC45゜CA、θ3=BTDC15゜C
Aであり、すなわち、各クランク角検出用突起21cは
BTDC15゜CAの位置から円周上に30゜CAの等ピ
ッチで形成されている。
【0022】また、図22に示すように、上記気筒判別
用クランクロータ21bの外周には気筒判別用突起21
dが形成されている。本実施例では、3個の気筒判別用
突起21dが形成されており、そのうちの2個の気筒判
別用突起21dが、#1気筒の上死点TDCを基準とし
て、進角方向へθ4,θ5の位置に形成されている。ま
た、他の気筒判別用突起21dが#3気筒の上死点TD
Cを基準として進角方向へθ6の位置に形成されてい
る。本実施例では、各気筒判別用突起21dのクランク
位置は、例えばθ4=BTDC60゜CA、θ5=BTD
C30゜CA、θ6=BTDC60゜CAである。
【0023】そして、上記クランク角検出用クランクロ
ータ21aの上死点TDCを示す位置に上記クランク角
センサ22aが対設され、一方、上記気筒判別用クラン
クロータ21bの上死点TDCを示す位置に上記気筒判
別センサ22bが対設されてており、クランクシャフト
1aの回転により上記クランク角検出用クランクロータ
21aのクランク角検出用突起21cが上記クランク角
センサ22aに対向位置し、あるいは、上記気筒判別用
クランクロータ21bの気筒判別用突起21dが上記気
筒判別センサ22bに対向位置したとき、図20に示す
ように、この各センサ22a、22bと上記各クランク
ロータ21a,21bの突起21c,21dの頂部との
間隙Sは、例えば、0.8±0.4(mm)に設定される。
【0024】なお、図19に示すように、上記両センサ
22a,22bは所定の挟み角を有して配設されている
が、図20〜図22では、説明を容易にするために両ク
ランクロータ21a,21bの互いの上死点を対応させ
た状態で示す。
【0025】また、上記各センサ22a,22bでは、
クランクシャフト1aの回転に同期して上記各クランク
ロータ21a,21bの突起21c,21dの検出タイ
ミング、すなわち、上記各センサ22a,22bで検出
するクランクパルス及び気筒判別パルスの検出タイミン
グは、図31、図32のタイミングチャートに示す通り
で、#1気筒のBTDCθ4の気筒判別パルス(以下、
「θ4パルス」と略称)は#1気筒のBTDCθ1のクラ
ンクパルス(以下、「θ1パルス」と略称)とBTDC
θ2のクランクパルス(以下、「θ2パルス」と略称)と
の間に割込まれ、またBTDCθ5の気筒判別パルス
(以下、「θ5パルス」と略称)は#1気筒のθ2パルス
とθ3パルスとの間に割込まれる。さらに、#3気筒の
BTDCθ6の気筒判別パルス(以下、「θ6パルス」と
略称)は#3気筒のθ1パルスとθ2パルスとの間に割込
まれる。従って、上記気筒判別センサ22bで上記θ4
パルスとθ5パルスとを検出した後のクランクパルス
は、#1気筒のθ3パルスであることが判別でき、また
上記気筒判別センサ22bでθ6パルスを検出し、その
後、上記クランク角センサ22aで検出するθ2パルス
とθ3パルスとの間に気筒判別パルスが割込まれなけれ
ば、上記θ3パルスは#3気筒のBTDCθ3を示すもの
であることが判別できる。
【0026】なお、図31のタイミングチャートは始動
時の燃料噴射及び点火を示し、図32のタイミングチャ
ートは始動後の燃料噴射及び点火を示す。上記θ1パル
スは、始動時のドエル開始タイミングタイマスタートの
基準クランク角となり、始動後は噴射開始タイミングタ
イマスタートの基準クランク角となる。またθ2パルス
が始動後の点火時期タイマスタートの基準クランク角と
なる。さらに、θ3パルスが、始動時は噴射開始の基準
クランク角、及び点火時期タイマスタートの基準クラン
ク角になり、また始動後はドエル開始タイミングタイマ
スタートの基準クランク角になる。
【0027】なお、4サイクル4気筒エンジンでは、上
記気筒判別用クランクロータ21bをカムシャフトに軸
着したカムロータとし、上記気筒判別センサ22bを、
このカムロータに対設させるようにしても良い。
【0028】次に、燃料系の構成について説明する。
【0029】図19の符号23は燃料ラインで、この燃
料ライン23の中途に高圧用燃料ポンプ28が介装さ
れ、さらに、この高圧用燃料ポンプ28の下流側に高圧
用電磁式プレッシャレギュレータ33が介装されてい
る。また、この燃料ライン23の上記高圧用燃料ポンプ
28の上流側が、燃料タンク24から燃料を送出する低
圧デリバリライン23aを構成し、この高圧用燃料ポン
プ28の下流側と上記高圧用電磁式プレッシャレギュレ
ータ33との間が上記低圧デリバリライン23aからの
燃料を昇圧して高圧用インジェクタ8に供給する高圧ラ
イン23bを構成し、さらに、この高圧用電磁式プレッ
シャレギュレータ33から下流側が低圧リターンライン
23cを構成している。
【0030】上記高圧用電磁式プレッシャレギュレータ
33は常開式であり、デューティ制御あるいは、電流制
御により弁開度を制御し、デューティ制御では、デュー
ティ比を0〜100%の間で制御し、例えば、デューテ
ィ比≧80%で全閉となる。また電流制御では、制御電
流が高くなるに従って、次第に閉弁される。上記高圧用
電磁式プレッシャレギュレータ33では、上記高圧ライ
ン23bの燃料リリーフ量を制御することで、この高圧
ライン23bの燃料圧力を保持制御し、燃焼室5へ供給
する燃料量を高圧用インジェクタ8の開弁時間により正
確に計量できるようにしたものである。
【0031】また、上記低圧デリバリライン23aと上
記低圧リターンライン23cとが燃料バイパス通路23
dを介して連通され、この燃料バイパス通路23dに、
上記低圧デリバリライン23aの燃料圧力を調圧する低
圧用ダイヤフラム式プレッシャレギュレータ27が介装
されている。
【0032】上記低圧デリバリライン23aでは、上記
燃料タンク24内の燃料を、フィードポンプ25により
送出し、燃料フィルタ26を経て上記低圧用ダイヤフラ
ム式プレッシャレギュレータ27により調圧された状態
で上記高圧用燃料ポンプ28へ供給する。
【0033】上記高圧ライン23bは、いわゆるライン
圧力保持型高圧噴射システムを構成し、上記低圧デリバ
リライン23aから供給される燃料を上記高圧用燃料ポ
ンプ28によって加圧し、上記高圧用電磁式プレッシャ
レギュレータ33で調圧した所定の高圧燃料を、高圧燃
料フィルタ30、脈動圧を緩衝するアキュムレータ3
1、燃料圧力を検出する燃料圧力センサ32を併設する
燃料供給路を経て各気筒の高圧用インジェクタ8に供給
する。
【0034】上記高圧用燃料ポンプ28はエンジン駆動
式のプランジャポンプであり、吸入口及び吐出口に、そ
れぞれ逆止弁が設けられ、エンジン停止時には、低圧デ
リバリライン23aからの燃料が通過可能になる。
【0035】また、図18に、燃料圧力制御、燃料噴射
制御、及び点火制御などを行う制御装置40を示す。
【0036】この制御装置40は、CPU41、ROM
42、RAM43、バックアップRAM44、及びI/
Oインターフェース45等がバスライン46を介して互
いに接続されるマイクロコンピュータを中核として構成
されている。
【0037】また、上記制御装置40には定電圧回路4
7が内蔵されており、この定電圧回路47に電源リレー
48のリレー接点を介してバッテリ49が接続され、
又、この電源リレー48のリレーコイルがイグニッショ
ンスイッチ50を介してバッテリ49に接続されてい
る。上記定電圧回路47は、上記イグニッションスイッ
チ50がONされ、上記電源リレー48の接点が閉とな
ったとき、上記バッテリ49の電圧を安定化して制御装
置40の各部に供給する。また、上記バックアップRA
M44には、バッテリ49が上記定電圧回路47を介し
て直接接続されており、上記イグニッションスイッチ5
0のON,OFFに拘らず常時、バックアップ用電源が
供給される。一方、上記バッテリ49にはフィードポン
プ25がフィードポンプリレー54のリレー接点を介し
て接続されている。
【0038】また、上記I/Oインターフェース45の
入力ポートには、バッテリ49が接続されて、バッテリ
電圧がモニタされるとともに、クランク角センサ22
a、気筒判別センサ22b、アクセル開度センサ16、
水温センサ9、NOx濃度センサ56、燃料圧力センサ
32、及びスタータスイッチ53が接続されている。
【0039】一方、上記I/Oインターフェース45の
出力ポートには、気筒毎に配設された点火コイル6aを
駆動するイグナイタ6bが接続され、さらに、駆動回路
55を介して上記バッテリ49から電源が供給されるフ
ィードポンプリレー54のリレーコイル、高圧用電磁式
プレッシャレギュレータ33、及び高圧用インジェクタ
8がそれぞれ接続されている。
【0040】次に、上記制御装置40による燃料噴射制
御及び点火制御を、図1〜図15のフローチャートに従
って説明する。なお、各フローチャートに示されたルー
チンはイグニッションスイッチ50をON後、所定タイ
ミング毎に実行されるもので、イグニッションスイッチ
50をONすると、システムがイニシャライズ(フロー
チャート中の各フラグ及びカウント値が全てクリア)さ
れる。
【0041】図8に示すフローチャートは、クランクパ
ルス入力毎に割込み起動される気筒判別・エンジン回転
数算出ルーチンである。
【0042】イグニッションスイッチ50をON後、エ
ンジン回転に伴いクランク角センサ22aから出力され
るクランクパルスが入力されると、ステップS1で、今
回入力したクランクパルスがθ1 〜θ3 の何れであるの
かを、気筒判別センサ22bからの気筒判別パルスの割
込みパターンに基づき識別し、ステップS2で、上記気
筒判別パルスの割込みパターンから、次の上死点TDC
を迎える気筒を判別する。
【0043】すなわち、図31、図32のタイミングチ
ャートに示すように、本実施例では、燃料噴射及び点火
順序を#1→#4→#3→#2とし、θ4パルスが#1
気筒の上死点前を示す上記θ1パルスとθ2パルスとの間
に割込まれ、続いて、θ2パルスとθ3パルスとの間にθ
5パルスが割込まれるように設定されており、さらに#
3気筒の上死点前を示すθ1パルスとθ2パルスとの間に
θ6パルスが割込まれるように設定されている。
【0044】従って、少なくとも前々回のクランクパル
スと前回のクランクパルスとの間に気筒判別パルスの割
込みがなく、しかも前回のクランクパルスと今回のクラ
ンクパルスとの間に気筒判別パルスが割込まれたときに
は、今回のクランクパルスは、θ2パルスであることが
識別できる。また、気筒判別は、前回と前々回のクラン
クパルスの間に気筒判別パルスの割込みがあり、しか
も、前回と今回のクランクパルスの間にも気筒判別パル
スが割込まれた場合には、今回のクランクパルスは#1
気筒のBTDCθ3 パルスであることが識別できる。一
方、前回と前々回のクランクパルスの間に気筒判別パル
スの割込みがあり、前回と今回のクランクパルスの間に
は気筒判別パルスの割込みがない場合には、今回のクラ
ンクパルスは#3気筒のBTDCθ3 パルスであること
が識別できる。その結果、このθ3パルスの入力によ
り、次の上死点TDCを迎える気筒#iを判別すること
ができる。
【0045】その後、ステップS3で、前回のクランク
パルスが入力されてから今回のクランクパルスが入力さ
れた間のパルス入力間隔時間Tθ(図32参照)を検出
する。なお、図21に示すように、クランクロータ21
aの周囲に突起21cが等間隔で形成されている場合に
は、パルス入力間隔時間Tθは実時間で設定することが
できる。
【0046】次いで、ステップS4で、上記パルス入力
間隔時間Tθからエンジン回転数Nを算出し、RAM4
3の所定アドレスに回転数データとしてストアしてルー
チンを抜ける。この回転数データは、後述する始動判定
ルーチン(図9参照)や、燃料噴射パルス幅・噴射開始
タイミング設定サブルーチン(図1〜4参照)や、点火
時期・通電開始時間設定ルーチン(図6〜7参照)で読
込まれる。
【0047】次に、始動判定ルーチンについて、図9の
フローチャートに従って説明する。
【0048】このルーチンは、イグニッションスイッチ
50がONされて、制御装置40に通電が開始されたと
きから、10msec毎のタイマ割込みにより起動され、ま
ず、ステップS11,S12で始動判定を行う。本実施
例では、ステップS11でスタータスイッチ53がON
と判断され、且つステップS12で、エンジン回転数N
が始動判定回転数NST(本実施例ではNST=450rp
m)以下と判断された場合、始動時と判断し、ステップ
S13で、始動判別フラグFSTをセットしてルーチンを
抜ける。
【0049】一方、上記ステップS11でスタータスイ
ッチ53がOFF、或はステップS12で、N>NSTと
判断された場合には、始動準備中、或は始動後と判断し
てステップS14へ分岐して上記始動判別フラグFSTを
クリアしてルーチンを抜ける。なお、上記始動判定回転
数NSTは搭載するエンジンの特性等に基づいて適宜設定
する。
【0050】また、図5、図1〜図4のフローチャート
には、燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定ルー
チンが示され、さらに、図6、図7のフローチャートに
は、点火時期・通電開始時間設定ルーチンが示されてい
る。この両ルーチンは、θ2パルスの入力により演算が
開始され、エンジン始動時は、燃料噴射パルス幅・噴射
開始タイミング設定ルーチンが、点火時期・通電開始時
間設定ルーチンに優先して実行され、エンジン始動後は
逆の優先順位で実行される。
【0051】この両ルーチンでは、気筒判別により得ら
れた、これから上死点TDCを迎える気筒の2つ後の気
筒を、今回の噴射・点火対象気筒#iとし、この気筒#i
に対する燃料噴射パルス幅、噴射開始タイミング、及び
点火時期、通電開始時間を気筒毎に設定するもので、図
31、或は図32のタイミングチャートに示すように、
噴射・点火順序を#1→#4→#3→#2とした場合、
例えば、これから上死点TDCを迎える気筒が#3気筒
であれば、#3気筒の上死点前BTDCθ2パルスの割
込みで起動され、演算結果は、#1気筒に対する燃料噴
射及び点火に対して適用される。
【0052】まず、燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミ
ング設定ルーチンについて説明する。
【0053】図5に示すように、このルーチンのステッ
プS21では、現在のエンジン運転状態が始動時か始動
後かを、始動判別フラグFSTの値を参照して判断する。
この始動判別フラグFSTは、前記始動判定ルーチン(図
9参照)で設定されており、この始動判別フラグFST
が、FST=1の場合には始動時であるため、ステップS
22へ進み始動時制御を実行し、一方、FST=0の場合
には始動後であるため、ステップS26へ分岐して始動
後制御を実行する。なお、上記始動判定ルーチンのステ
ップS14によれば、始動準備中(スタータスイッチO
FF)の状態でも、始動判別フラグFSTはクリアされる
が、始動準備中はエンジンが停止状態であるため、クラ
ンクパルスが入力されず、従って、この燃料噴射パルス
幅・噴射開始タイミング設定ルーチンは実行されない。
【0054】まず、始動時制御について説明する。上記
ステップS21で始動時と判断されてステップS22へ
進むと、水温センサ9で検出した冷却水温TWに基づい
て始動時噴射量GFST[g]をテーブルを補間計算付で参
照して設定する。このテーブルはROM42の一連のア
ドレスで構成され、各領域には主に冷態時の始動性能を
確保するための噴射量が予め実験等から求めて格納され
ており、ステップ内に示すように、冷却水温TWが低い
ほど上記始動時噴射量GFSTは高い値に設定されてい
る。
【0055】次いで、ステップS23で燃料圧力センサ
32で検出した高圧ライン23b中の燃料圧力PS[kpa]
に基づいて燃料圧力係数KSと、無効噴射時間TS[msec]
とをROM42にデータとして格納されているテーブル
を補間計算付で参照して設定する。このステップ内に示
すように、上記テーブルには上記燃料圧力PSを格子と
して上記燃料圧力係数KSと無効噴射時間TSとが予め実
験或は設計等により求めて設定されている。燃料圧力係
数KSは上記燃料圧力PSによって変化する高圧用インジ
ェクタ8の噴射特性であり、上記始動時噴射量GFSTを
燃料圧力PSに応じて補正すると共に、この始動時噴射
量GFST[g]を時間換算する。また上記無効噴射時間TS
は上記燃料圧力PSによって変化する高圧用インジェク
タ8の作動遅れを補償する。
【0056】次いで、ステップS24へ進むと、上記始
動時噴射量GFST[g]に上記燃料圧力係数KSを乗算して
時間換算し、その値に上記無効噴射時間TSを加算し
て、始動時の燃料噴射時間を定める燃料噴射パルス幅T
iを算出し、ステップS25へ進んで、上記燃料噴射パ
ルス幅Tiを、今回の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴射
タイマにセットしてルーチンを抜ける。そして、このス
テップS25でセットされた始動時の燃料噴射タイマ
は、図12のフローチャートに示すθ3パルス毎に実行
されるルーチンでスタートされる(詳細については後述
する)。
【0057】一方、エンジンの始動が完了すると、図9
のフローチャートに示す始動判定ルーチンのステップS
14で、上記始動判別フラグFSTがクリアされる。する
と、上述の燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定
ルーチンでは、上記ステップS21からステップS26
へ分岐し、始動後制御へ移行する。なお、上述したよう
に、エンジンが始動状態から始動後へ移行すると、ルー
チンの優先順位が反転し、この燃料噴射パルス幅・噴射
開始タイミング設定ルーチンの前に、後述する点火時期
・通電開始時間設定ルーチンが実行される。
【0058】上記ステップS26では、通常制御時の燃
料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定サブルーチン
が実行される。
【0059】この燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミン
グ設定サブルーチンは、図1〜図4に示すフローチャー
トに従って実行される。
【0060】まず、ステップS31で、アクセル開度セ
ンサ16で検出したアクセル開度(=スロットル開度)
αとエンジン回転数Nとに基づいて、ステップ内に示す
テーブルを補間計算付で参照して、吸入空気量に相当す
る基本給気比L0を設定する。なお、このテーブルの各
領域には、アクセル開度αとエンジン回転数Nとに応じ
て最適な基本給気比L0が予め実験等から求めて格納さ
れている。
【0061】次いで、ステップS32へ進み、エンジン
負荷を表す上記基本給気比L0とエンジン回転数Nとに
基づいてマップ参照により、現エンジン運転状態におけ
る許容NOx濃度CONsを設定する。なお、本実施例で
は、エンジン負荷として基本給気比L0を採用している
が、エンジン負荷を表すものであれば、他のパラメータ
を用いても良い。
【0062】この許容NOx濃度CONsは、図16に示す
ように、基本給気比L0とエンジン回転数Nで特定する
運転領域において予め実験等から求めてゾーン毎に設定
されており、低負荷低回転へ移行するに従って、上記許
容NOx濃度CONsは低い値に設定されている。
【0063】なお、後述するが本実施例では、エンジン
1Aの燃焼形態をエンジン負荷に応じて成層燃焼方式と
均一燃焼方式に切換えるようにしており、本実施例の2
サイクル筒内直噴エンジンでは、図17に示すように、
高負荷時に選択される均一燃焼方式のパワー域以外は全
て、リーンバーン(希薄燃焼)域となる。なお、4サイ
クル筒内直噴エンジンの場合には、成層燃焼のときが全
てリーンバーン域となり、均一燃焼のときには、パワー
域でリッチ、パワー域以外でストイキオとする。次い
で、ステップS33で、排気系のNOx触媒19の下流
に配設されているNOx濃度センサ56の出力を読込
み、現運転時の実NOx濃度CONprを検出し、ステップS
34で、この実NOx濃度CONprと上記許容NOx濃度CON
sとを比較し、CONpr>CONsの場合には、HC不足のため
NOx触媒19によるNOxの還元浄化作用が不充分と判
断して、ステップS36で、噴射時期修正フラグFLEAN
をセットした後、ステップS37へ進む。一方、CONpr
≦CONsの場合には、NOx触媒19によるNOxの還元浄
化が充分であると判断し、ステップS35で、上記噴射
時期修正フラグFLEANをクリアした後、ステップS37
へ進む。
【0064】本実施例では、NOx触媒19から排出さ
れる実NOx濃度CONprを把握し、必要な場合のみ、燃料
噴射時期を修正するようにしているので、大気圧、湿
度、温度等の外気条件はもとより、エンジン個体差をも
吸収され、必要最小限の補正でNOx排出量の適正化を
図ることができる。
【0065】そして、ステップS37では、燃料圧力セ
ンサ32で検出した高圧ライン23b中の燃料圧力PS
に基づいて、始動後の燃料圧力係数KS、及び無効噴射
時間TSを設定する。この燃料圧力係数KS、及び無効噴
射時間TSは、前述のステップS23(図5参照)中に
示したテーブルを補間計算付で参照して設定する。
【0066】その後、ステップS38へ進むと、上記エ
ンジン回転数Nに基づいて、均一・成層燃焼切換判定値
LS2を設定する。この燃焼切換判定値LS2は、このステ
ップ内に示す特性に基づいてテーブル化されており、こ
のテーブルを補間計算付で参照して設定する。
【0067】この均一・成層燃焼切換判定値LS2は、エ
ンジン負荷に応じて燃焼形態を切換える際の基準となる
判定値で、本実施例ではエンジン負荷として上記基本給
気比L0を取入れているため、この基本給気比L0に対
応した値に設定されている。
【0068】また、燃焼形態は均一燃焼方式と、成層燃
焼方式とに切換え設定される。すなわち、エンジンが高
負荷運転のときは(L0>LS2)、均一燃焼方式を採用
し、中,低負荷運転のときは(L0≦LS2)、成層燃焼
方式を採用している。なお、この各燃焼方式は燃料噴射
タイミング、及び点火時期を変更することで切換える。
【0069】ここで、本実施例が採用する各燃焼方式に
ついて簡単に説明する。
【0070】均一燃焼は、燃料を早い時期に噴射し、筒
内で均一に混合した後に点火する燃焼方式で、空気利用
率が高いので高負荷運転時に適している。この均一燃焼
の混合気形成及び燃焼過程を、図23の燃料噴射・点火
タイミング線図に基づき、図24の均一燃焼行程図に従
って説明する。
【0071】まず、図23に示す噴射開始タイミングI
JSTを排気ロータリ弁17の閉弁後の早い時期に設定す
る(図24(a))。ここで噴射開始タイミングは早い程
良いが、排気ロータリ弁17による排気ポート3bの閉
弁時期よりも早く噴射を開始すると、上記排気ポート3
bを介して排気通路へ燃料が吹抜ける不都合を生じるた
め、噴射開始タイミングは上記排気ポート3bの閉弁後
に設定する。そして、噴射終了した後(同図(b))、ピ
ストン4の上昇による圧縮混合で均一混合気とし(同図
(c))、所定点火進角度で点火させる(同図(d))。する
と、火炎が燃焼室5内を伝播して燃焼する(同図
(e))。
【0072】一方、成層燃焼は、燃料噴射を点火直前に
終了し、燃料噴霧の後端部に火花点火させる燃焼方式
で、燃料周辺の空気しか利用しないので、充填空気量に
比べて極めて少ない燃料量で安定した燃焼を得ることが
できるため低,中負荷運転に適している。この成層燃焼
による燃焼過程を、図25の燃料噴射・点火タイミング
線図に基づき、図26の成層燃焼行程図に従って説明す
る。まず、図25に示す噴射開始タイミングIJSTを、
点火のやや直前で燃料噴射が終了するように設定し(図
26(a))、噴射中は燃料が空気を取込みながら点火プ
ラグ7近傍に濃混合気を形成すると共に、その周囲に希
薄混合気を層状に形成する(同図(b))。そして、噴射
終了後の上記濃混合気に点火すると(同図(c))、この
濃混合気に着火した火炎が周囲の希薄混合気に伝播し
て、この希薄混合気を燃焼させる(同図(d))。
【0073】なお、本実施例では、上記ステップS36
で、噴射時期修正フラグFLEANがセットされると、後述
するステップS49或はS58で、NOx触媒19へ至
る排気中のHC濃度を高めてNOx触媒19によるNOx
還元浄化作用を促進させるため、噴射開始タイミングを
正規タイミングに対し、進角或は遅角方向へ燃焼方式に
応じて修正する。
【0074】ここで、本実施例が採用するHC量を増加
させるメカニズムについて説明する。
【0075】均一燃焼時に噴射時期修正フラグFLEANが
セットされていると、図27に示すように、噴射開始タ
イミングIJSTを正規の噴射タイミングに対して、設定
遅角補正時間IJREt分だけ遅らせる。すると、図28
(d)に示すように、点火の際の混合気の一部が不均質と
なり、局所的にリーンな領域Aが生成される。そして、
同図(e)に示すように、燃焼の際に、上記リーンな領域
Aからは未燃焼ガスによりHCが生成される。
【0076】一方、成層燃焼時に噴射時期修正フラグF
LEANがセットされていると、図29に示すように、噴射
開始タイミングIJSTを正規の噴射タイミングに対し
て、着火性を損わない範囲で設定進角補正時間IJADt
分だけ早める。すると、図30(c)に示すように、点火
時には正規の噴射タイミング(図26(c)参照)に比べ
て、噴霧の拡散が促進され、その結果、局所的に空燃比
のリーンな領域が生成され、同図(d)に示すように、燃
焼はエンドガスが燃え残る、いわゆるパーシャル燃焼と
なり、HC量が上昇する。なお、成層燃焼では、燃料噴
射時期を遅らせてもHC量は上昇するが、噴霧が充分に
拡散されず、スモーク、及び点火プラグ7のくすぶり等
の発生が伴うため好ましくない。
【0077】そして、上記ステップS38で、今回の運
転状態に適応する燃焼方式を決定するために、均一・成
層燃焼切換判定値LS2を設定した後、ステップS39へ
進むと、上記基本給気比L0(=エンジン負荷)と、上
記均一・成層燃焼切換判定値LS2とを比較する。例え
ば、アイドル等の低負荷運転、定常走行等の中負荷運転
時には、このステップS39で、L0≦LS2と判断され
て、ステップS41へ進む。一方、L0>LS2の高負荷
運転と判断された場合には、ステップS51へ分岐す
る。
【0078】まず、低,中負荷運転時の制御ルーチンに
ついて説明する。低,中負荷運転と判断されてステップ
S39からステップS41へ進むと、燃焼方式判別フラ
グF1を01にセットする。この燃焼方式判別フラグF1
は、2ビットデータで表され、F1=01が成層燃焼方
式を表し、またF1=10が均一燃焼方式を表す。
【0079】次いで、ステップS42へ進み、上記基本
給気比L0とエンジン回転数Nとに基づいて、テーブル
を補間計算付で参照して、燃料噴射量GF[g]を設定す
る。その後、ステップS43で、上記基本給気比L0と
エンジン回転数Nとに基づいてテーブルを補間計算付で
参照して点火前何 ゜CAで燃料噴射を終了させるのかを定
める噴射エンドタイミングIJET(図32(b)参照)を
設定する。成層燃焼で最適な燃焼を得るためには、点火
時に点火プラグ7の周囲に濃混合気を形成させなければ
ならないため(図26(b),(c)参照)、噴射終了と点火
との時間間隔を管理する必要がある。本実施例では、こ
の成層燃焼時の噴射エンドタイミングIJETを予め実験
的に求めて基本給気比L0とエンジン回転数Nとをパラ
メータとするテーブルとして格納されている。なお、こ
の噴射エンドタイミングIJETの単位は、点火前[msec]
である。
【0080】また、上記燃料噴射量GF、噴射エンドタ
イミングIJETを得るためのテーブルには、図17に示
すように、リーンバーン領域が予め実験などから求めて
設定されており、上記各テーブルのリーンバーン領域に
は、予め実験などから求めた成層燃焼時の適正値が格納
されている。なお、後述する均一燃焼選択時に設定する
燃料噴射量GF、噴射開始角度IJsaを得るためのテー
ブル(ステップS52,S54参照)の各領域にも同様
に、均一燃焼時に適応する適正値が格納されている。
【0081】次いで、ステップS44で、噴射時期修正
フラグFLEANの値を参照し、現在のエンジン運転状態が
FLEAN=1の実NOx濃度CONprが許容NOx濃度CONsよ
りも高い場合には、ステップS45で、基本給気比L0
とエンジン回転数Nとをパラメータとしてテーブルを補
間計算付で参照し、成層燃焼に対応して燃料噴射時期を
早めるための進角補正時間IJADtを設定し、ステップ
S46へ進む。
【0082】成層燃焼時におけるHC濃度の特性は、図
36(a)に示す通りで、燃料噴射終了から点火までの時
間を長くすることでHC濃度を高めることができる。上
記進角補正時間IJADtは、上記図36(a)に示す特性に
基づいて燃焼の安定性とHC濃度の上昇とを両立させ得
る範囲を、基本給気比L0とエンジン回転数Nとをパラ
メータとし予め実験等により求め、テーブルとしてRO
M42の一連のアドレスに格納されている。
【0083】一方、上記ステップS44で、FLEAN=0
の現在の実NOx濃度CONprが、許容NOx濃度CONs以下
であると判断した場合には、上記進角補正時間IJADt
を設定することなく、すなわち、正規の噴射時期で燃料
噴射を開始すべく、ステップS46へジャンプする。
【0084】そして、ステップS46へ進むと、上記ス
テップS42で設定した燃料噴射量GF[g]に、上記燃
料圧力係数KSを乗算して時間換算し、その値に上記無
効噴射時間TSを加算して、燃料噴射パルス幅Tiを算出
する(Ti←KS×GF+Ts)。
【0085】その後、ステップS47で、成層燃焼時の
噴射開始タイミングIJSTを次式から算出する。
【0086】IJST←TθM1−(TADV+IJET+Ti) ここで、TθM1は、噴射開始タイミングを設定する際の
基準となるクランクパルス入力から該当噴射・点火対象
気筒#iの上死点TDCに到達するまでの時間で、本実
施例では、図32(b)の始動後における成層燃焼時タ
イミングチャートに示すようにθ1パルス入力を基準ク
ランク角として設定される。なお、このθ1パルス入力
を基準クランク角とした場合の上記TθM1は、 TθM1=2.5×Tθ により算出される。また、TADVは点火進角時間換算値
で、図6〜7の点火時期・通電開始時間設定ルーチンで
算出される。なお、Tθは最新のクランクパルス入力間
隔時間である。
【0087】次いで、ステップS48で、上記噴射時期
修正フラグFLEANの値を再び参照し、FLEAN=1の場合
には、ステップS49へ進み、上記噴射開始タイミング
IJSTを上記進角補正時間IJADt分だけ早める修正を
して(IJST←IJST−IJADt)、ステップS50へ
進む。一方、FLEAN=0の場合には、ステップS50へ
ジャンプする。
【0088】そして、ステップS50で、上記ステップ
S47或はS49で算出した上記噴射開始タイミングI
JSTを今回の噴射・点火対象気筒#iの噴射開始タイミ
ングタイマにセットした後、上記ステップS25(図5
参照)へ戻り、今回の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴
射タイマに、上記ステップS46で設定した燃料噴射パ
ルス幅Tiをセットしてルーチンを抜ける。
【0089】一方、加速運転などの過渡時、或は高速運
転時などで、上記ステップS39で、上記ステップS3
1で設定した基本給気比L0と上記ステップS38で設
定した均一・成層燃焼切換判定値LS2とを比較した結
果、L0>LS2の高負荷運転と判断されて、ステップS
51へ分岐すると、上記燃焼方式判別フラグF1を均一
燃焼方式を示すF1=10にセットし、ステップS52
で、上記基本給気比L0とエンジン回転数Nとに基づい
て、テーブルを補間計算付で参照して均一燃焼時の燃料
噴射量GF[g]を設定し、ステップS53で、上記燃料
噴射量GFにステップS37で設定した燃料圧力係数K
Sを乗算して時間換算し、その値に上記無効噴射時間TS
を加算して、均一燃焼時の燃料噴射パルス幅Tiを算出
する(Ti←KS×GF+Ts)。
【0090】次いで、ステップS54で上記基本給気比
L0とエンジン回転数Nとに基づいて、テーブルを補間
計算付で参照して均一燃焼時における今回の噴射・点火
対象気筒#iに対する噴射開始タイミングを定める上死
点前の噴射開始角度IJsa[ ゜CA]を設定する。本実施例
では、この噴射開始角度IJsaは、今回の噴射・点火対
象気筒#iの上死点TDCを基準に設定されている(図
32(c)参照)。均一燃焼では、燃料噴射をなるべく早
い時期に終了させて新気と充分に混合させることが望ま
しいが、燃料噴射を排気ポート3bが閉弁する時期より
も早く開始すると、燃料の吹抜けが生じるため、この燃
料噴射時期をクランク角で管理し、排気ポート3bが閉
弁した後の早い時期に燃料噴射を開始させる。
【0091】次いで、ステップS55へ進むと、上記噴
射開始角度IJsa[ ゜CA]に対応する噴射開始タイミング
IJSTを、次式から算出する。
【0092】IJST←TθM2−(Tθ/θs)×IJsa 上記TθM2は噴射開始タイミングを設定する際の基準と
なるクランクパルス入力から今回の噴射・点火対象気筒
#iの上死点TDCに到達するまでの時間で、図32の
タイミングチャートに示すように、本実施例では1気筒
前のθ1パルス入力を基準クランク角として設定されて
おり、 TθM2=5.5×Tθ により算出される。また、θsはクランクパルス間角度
で、本実施例では30 ゜CAである。従って、 (Tθ/θs)×IJsa により、1 ゜CA回転当りの時間から噴射開始角度を時間
換算し、この値を上記TθM2から減算することで、1気
筒前のθ1パルス入力を基準クランク角とする噴射開始
タイミングIJSTが算出される(図32(c)参照)。
【0093】その後、ステップS56で、噴射時期修正
フラグFLEANの値を再び参照し、FLEAN=1の場合に
は、均一燃焼時における実NOx濃度CONprが許容NOx
濃度CONsよりも高いので、ステップS57へ進み、均一
燃焼に対応した噴射時期を遅らせるための遅角補正時間
IJREtを、基本給気比L0とエンジン回転数Nとに基
づいてテーブルを参照して設定し、ステップS58へ進
む。
【0094】均一燃焼時におけるHC濃度の特性は、図
36(b)に示す通りであり、噴射開始タイミングを遅角
化し燃料噴射開始から点火までのクランク角度[ ゜CA]を
狭くするに従って、HC濃度が高くなる。上記遅角補正
時間IJREtは、上記図36(b)に示す特性に基づいて燃
焼が極端に悪化せずにHC濃度を上昇させ得る範囲を、
基本給気比L0とエンジン回転数Nとをパラメータとし
予め実験等により求め、テーブルとしてROM42の一
連のアドレスに格納されている。なお、成層燃焼及び均
一燃焼において、点火時期は上記噴射時期修正フラグF
LEANの値に関係なく、正規の点火タイミングで制御され
る(図33、図34参照)。
【0095】そして、上記ステップS58では、上記ス
テップS55で算出した噴射開始タイミングIJSTを、
上記遅角補正時間IJREt分だけ遅らせる修正をして
(IJST←IJST+IJREt)、ステップS50へ進
む。
【0096】一方、上記ステップS56で、FLEAN=0
と判断した場合には、現在の実NOx濃度CONprが許容N
Ox濃度CONs以下にあるので、噴射時期の進角補正時間
IJADtを設定することなくステップS50へジャンプ
する。
【0097】ステップS50では、上記ステップS55
或はS58で算出した噴射開始タイミングIJSTを今回
の噴射・点火対象気筒#iの噴射開始タイミングタイマ
にセットする。そして、上記ステップS25(図5参
照)へ戻り、今回の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴射
タイマに、上記ステップS53で算出した燃料噴射パル
ス幅Tiをセットしてルーチンを抜ける。
【0098】上記ステップS50でセットした始動後の
噴射開始タイミングタイマは、θ1パルスの割込みで計
時が開始され(図10参照)、この噴射開始タイミング
タイマの計時が終了したときに、燃料噴射が開始される
(詳細については後述する)。
【0099】成層燃焼時に噴射時期修正フラグFLEANが
セットされていると、上記噴射開始タイミングIJSTが
進角補正時間IJADt分だけ早められるため、図33(b)
に示すように点火時期を基準として設定される燃料噴射
終了時期が、同図(a)に示すFLEAN=0の正規の燃料
噴射終了時期に比し、進角補正時間IJADt分だけ早め
られる。その結果、前述のように、点火時期までに噴霧
の拡散が促進され、混合気中に局部的にリーンな部分が
形成され、このリーンな部分によりエンドガスが僅かに
燃え残り、NOx触媒19へ至る酸化雰囲気(空燃比リ
ーンの燃焼の排気)中のHC量が増加する。成層燃焼時
のNOx触媒19では、HC量が増加されることでNOx
還元浄化作用が促進される。
【0100】一方、均一燃焼時に上記噴射時期修正フラ
グFLEANがセットされていると、噴射開始タイミングI
JSTが遅角補正時間IJREt分だけ遅れるため、図34
(b)に示すように、燃料噴射時期が、同図(a)のFLE
AN=0の正規の燃料噴射時期に比し、遅角補正時間IJ
REt分だけ遅れ、その結果、混合気中に局所的に不均一
領域ができ、この不均一領域での燃焼が不完全となって
NOx触媒19へ至る酸化雰囲気中のHC量が増加し、
NOx触媒19では、HC量の増加によりNOx還元浄化
作用が促進される。なお、この増加されたHCは、NO
x触媒19でのNOx還元浄化作用で使用されるため、大
気へ排出される排気成分中のHC濃度は、従来に比し増
加することはない。
【0101】次に、図6、図7に示すフローチャートに
基づき、点火時期・通電開始時間設定ルーチンについて
説明する。上述のように、このルーチンは、エンジン始
動時は上述の燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設
定ルーチンの後に実行され、エンジン始動後は、この燃
料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定ルーチンに優
先して実行される。
【0102】まず、ステップS81では、現在の運転状
態が始動時か始動後かを、始動判別フラグFSTの値を参
照して判断する。この始動判別フラグFSTは、前述した
図9のフローチャートに示す始動判定ルーチンで設定さ
れるもので、この始動判別フラグFSTが、FST=1の場
合には始動時であるため、ステップS82へ進み始動時
制御を実行し、一方、FST=0の場合には始動後である
ため、ステップS91へ分岐して始動後制御を行う。
【0103】まず、始動時制御について説明し、続いて
始動後制御について説明する。
【0104】上記ステップS81で、FST=1の始動時
と判断されてステップS82へ進むと、バッテリ電圧V
Bに基づいて通電時間DWL[msec]を、テーブルから補間
計算付で参照して設定する。この通電時間DWLは、バッ
テリ電圧VBに基づいて予め実験等から求めたもので、
ステップ中に示すようにバッテリ電圧VBが高い程、短
く設定されて、ROM42の一連のアドレスにテーブル
化して格納されている。
【0105】次いで、ステップS83へ進み、点火時期
IGtを次式から求める。
【0106】IGt←Ti+IGST IGST:噴
射終了より点火までの予め設定された時間[msec](RO
Mデータとして格納されている) この点火時期IGtは、特定の基準クランクパルス入力
後、何msec後に点火するのかを定めるもので本実施例で
は、図31(b)に示すように、始動時の燃料噴射パルス
幅Tiをθ3パルスを基準クランク角として噴射開始する
ように設定し、この燃料噴射パルス幅Tiの終了後、上
記設定時間IGSTが経過後に点火するように設定されて
いる。
【0107】その後、ステップS84でドエル開始タイ
ミングDWLSTを次式から算出する。
【0108】DWLST←(TθM3+IGt)−DWL 上記TθM3は、ドエル開始タイミングを設定する際の基
準となるクランクパルス入力から点火時期設定基準とな
るクランクパルス入力までの時間で、図31(b)のタイ
ミングチャートに示すように、本実施例では、始動時の
ドエル開始の基準クランク角をθ1パルスとし、点火時
期設定の際の基準クランク角をθ3パルスとしている。
従って、上記TθM3の間隔時間は、 TθM3=2×Tθ により算出することができる。
【0109】その後、ステップS85で、今回の噴射・
点火対象気筒#iの点火時期タイマに上記点火時期IGt
をセットし、ステップS86でドエル開始タイミングD
WLSTをドエル開始タイミングタイマにセットしてルーチ
ンを抜ける。
【0110】始動時において上記ステップS86でセッ
トされた当該噴射・点火対象気筒#iのドエル開始タイ
ミングタイマは、上死点前BTDCθ1パルスを基準ク
ランク角としてスタートされ、一方、上記ステップS8
5でセットされた点火時期タイマは、上死点前BTDC
θ3パルスを基準クランク角としてスタートされる(詳
細については後述する)。
【0111】一方、エンジンの始動が完了すると、前述
した図9のフローチャートに示す始動判定ルーチンのス
テップS14で、上記始動判別フラグFSTがクリアされ
るため、この点火時期・通電開始時間設定ルーチンで
は、上記ステップS81から、図7に示すステップS9
1へ分岐されて、始動後制御を行う。なお、上述したよ
うに、エンジンが始動状態から始動後へ移行すると、ル
ーチンの優先順位が反転し、この点火時期・通電開始時
間設定ルーチンは、前述の燃料噴射パルス幅・噴射開始
タイミング設定ルーチンの前に実行される。
【0112】そして、上記ステップS91で、最新の基
本給気比L0及びエンジン回転数Nを読出す。次いで、
ステップS92で、本実施例が採用する各燃焼方式に応
じた点火時期を定める進角値ADV[ ゜CA]を設定するた
め、まず、燃焼方式判別フラグF1の値を参照して現在
の燃焼方式を判別する。この燃焼方式判別フラグF1
は、前述の燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定
ルーチンで、エンジン負荷に応じて設定されており、F
1=01が成層燃焼方式を表し、またF1=10が均一燃
焼方式を表す。
【0113】上記ステップS92で、現在の燃焼方式が
F1=01の成層燃焼と判断されると、ステップS93
へ進み、成層燃焼時の進角値ADV[ ゜CA]を、上記ステ
ップS91で読出した基本給気比L0とエンジン回転数
Nとに基づいてテーブルを補間計算付で参照して設定す
る。ROM42の一連のアドレスには、成層燃焼時の進
角値ADVを格納するテーブル以外に、後述する均一燃
焼時の各進角値ADVが予め実験などから求めて格納さ
れている。
【0114】その後、ステップS94で、バッテリ電圧
VBに基づいて通電時間DWLを、前記ステップS82中
に示すテーブルを補間計算付で参照して設定し、ステッ
プS95で、1[ ゜CA]回転当りの時間から、上記ステッ
プS93で設定した成層燃焼時の点火進角値ADV[ ゜
CA]を時間に換算する点火進角時間換算値TADVを次式
に基づいて算出する。
【0115】 TADV←(Tθ/θs)×ADV Tθ:最新のク
ランクパルス入力間隔時間 θs:クランクパルス間角度(本実施例では、30 ゜C
A) その後、ステップS96で、上記点火進角時間換算値T
ADVに基づいて点火時期IGtを次式から算出する。
【0116】IGt←TθM4−TADV 上記TθM4は、点火時期[msec]を設定する際の基準とな
るクランクパルス入力から今回の噴射・点火対象気筒#
iの上死点TDCに到達するまでの時間で、本実施例で
は、噴射・点火対象気筒#iの上死点前BTDCθ2パル
スを基準クランクパルスとしており、図32のタイミン
グチャートに示すように、 TθM4=1.5×Tθ により算出される。
【0117】次いで、ステップS97で、点火時期に対
応するドエル開始タイミングDWLSTを次式に基づいて算
出する。
【0118】DWLST←TθM5−(DWL+TADV) ここで、TθM5はドエル開始タイミングを設定する際の
基準となるクランクパルス入力から今回の噴射・点火対
象気筒#iの上死点TDCに達するまでの時間で、本実
施例では、1気筒前の気筒の上死点前BTDCθ3パル
スを基準クランクパルスとしており、図32のタイミン
グチャートに示すように、 TθM5=3.5×Tθ により算出される。
【0119】そして、上記ステップS85へ戻り、今回
の噴射・点火対象気筒#iの点火時期タイマに上記点火
時期IGtをセットし、ステップS86で上記ドエル開
始タイミングDWLSTをドエル開始タイミングタイマにセ
ットしてルーチンを抜ける。
【0120】一方、上記ステップS92で、今回の燃焼
方式が、F1=10の均一燃焼と判断されると、ステッ
プS98へ分岐して、均一燃焼時の点火進角値ADV[
゜CA]を、前記ステップS91で読出した基本給気比L0
とエンジン回転数Nとに基づいてテーブルを補間計算付
で参照して設定する。次いで、ステップS94へ戻り、
バッテリ電圧VBに基づいて通電時間DWLを、前記ステ
ップS82中に示すテーブルを補間計算付で参照して設
定し、ステップS95で、上記ステップS98で算出し
た均一燃焼時の進角値ADV[ ゜CA]を時間に換算する
点火進角時間換算値TADVを算出し(TADV←(Tθ/θ
s)×ADV)、ステップS96で、上記点火進角時間
換算値TADVに基づいて点火時期IGtを算出し(IGt
←TθM4−TADV)、ステップS97で、ドエル開始タ
イミングDWLSTを算出する(DWLST←TθM5−(DWL+
TADV))。そして、上記ステップS85へ戻り、今回の
噴射・点火対象気筒#iの点火時期タイマに、均一燃焼
時の点火時期IGtをセットし、ステップS86で上記
ドエル開始タイミングDWLSTをドエル開始タイミングタ
イマにセットしてルーチンを抜ける。
【0121】次に、上記各ルーチンでセットされた各タ
イマを起動させるルーチンについて、図10〜図15の
フローチャートに基づいて各々説明する。
【0122】まず、始動時において、θ1パルスが入力
されると、図10のフローチャートに示す始動時ドエル
開始タイミングタイマ・始動後噴射開始タイミングタイ
マスタートルーチンが起動される。
【0123】そして、ステップS111で、始動判別フ
ラグFSTの値を参照して、現在の運転状態が始動時か否
かを判断する。エンジン始動時は、FST=1であるた
め、ステップS112へ進み、ドエル開始タイミングD
WLSTがセットされた今回の噴射・点火対象気筒#iのド
エル開始タイミングタイマをスタートさせてルーチンを
抜ける。その結果、上記ドエル開始タイミングタイマに
セットされたドエル開始タイミングDWLST[msec]の計時
が開始され(図31(b)参照)、計時が終了したとき、
図13のフローチャートに示すドエル開始タイミングル
ーチンが割込み起動され、そのステップS141で、今
回の噴射・点火対象気筒#iのドエルをセットしてルー
チンを抜ける。
【0124】次いで、θ2パルスが入力されると、図1
1のフローチャートに示す始動後点火時期タイマスター
トルーチンが起動され、そのステップS121で、上記
始動判別フラグFSTの値を参照して、現在の運転状態が
FST=1の始動時と判断した場合には、そのままルーチ
ンを抜ける。
【0125】続いて、θ3パルスが入力されると、図1
2のフローチャートに示す始動時燃料噴射タイマ及び点
火時期タイマ・始動後ドエル開始タイミングタイマスタ
ートルーチンが起動され、そのステップS131で、上
記始動判別フラグFSTの値を参照して、現在の運転状態
がFST=1の始動時と判断した場合、ステップS132
へ進み、始動時における今回の噴射・点火対象気筒#i
の燃料噴射タイマをスタートさせる。すると、この燃料
噴射タイマにセットされた燃料噴射パルス幅Tiの計時
が開始され(図31(b)参照)、その間、該当気筒#iの
高圧用インジェクタ8に噴射信号が出力され、このイン
ジェクタ8で所定に計量された燃料が筒内に直接噴射さ
れる。
【0126】次いで、ステップS133へ進むと、当該
気筒#iの点火時期タイマをスタートさせて、ルーチン
を抜ける。すると、この点火時期タイマにセットされた
点火時期IGt[msec]の計時が開始され(図31(b)参
照)、この計時が終了したとき、図14のフローチャー
トに示す点火時期ルーチンが割込み起動される。
【0127】そして、この点火時期ルーチンのステップ
S151で噴射・点火対象気筒#iのドエルをカットし
てルーチンを抜ける。その結果、火花点火により燃焼が
開始され、エンジンが始動する。
【0128】そして、エンジン始動後に、θ1パルスが
入力されて、図10のフローチャートに示すルーチンが
起動されると、ステップS111で、FST=0の始動後
と判断されてステップS113へ分岐し、現在の燃焼方
式が、均一燃焼か否かを、燃焼方式判別フラグF1の値
を参照して判断する。
【0129】本実施例では、図32(a)のタイミング
チャートに示すように、成層燃焼では噴射開始タイミン
グタイマを噴射・点火対象気筒#iの上死点前BTDC
のθ1パルス入力でスタートさせるように設定されてお
り、一方、同図(c)に示すように、均一燃焼では、噴
射開始タイミングタイマを今回の噴射・点火対象気筒#
iの1つ前の気筒の上死点前BTDCのθ1パルス入力で
スタートするように設定されている。
【0130】上記ステップS113では、噴射開始タイ
ミングタイマをスタートさせる噴射・点火対象気筒#i
を判別するために、現在設定されている燃焼方式を判断
する。
【0131】上記ステップS113で、F1=01の成
層燃焼と判断した場合、ステップS114へ進み、これ
から上死点TDCを迎える気筒、すなわち現在の気筒を
今回の噴射・点火対象気筒#iとして設定し、ステップ
S115で、当該噴射・点火対象気筒#iの噴射開始タ
イミングタイマをスタートさせてルーチンを抜ける。
【0132】図32(b)のタイミングチャートに示す
ように、例えば、成層燃焼時の噴射・点火対象気筒#i
を#1気筒とした場合、上記噴射開始タイミングタイマ
は、当該#1気筒の上死点前BTDCθ1パルス入力で
スタートされる。
【0133】そして、この噴射開始タイミングタイマに
セットした噴射開始タイミングIJST[msec]の計時が終
了したとき、図15のフローチャートに示す噴射開始タ
イミングルーチンが割込み起動され、そのステップS1
61で、当該気筒#iの燃料噴射タイマをスタートさせ
てルーチンを抜ける。すると、この燃料噴射タイマにセ
ットされた燃料噴射パルス幅Tiの計時が行われている
間、該当気筒#iの高圧用インジェクタ8に噴射信号が
出力されて燃料噴射される。
【0134】一方、上記図10に示すθ1パルスで割込
み起動するルーチンのステップS113で、現在の燃焼
方式がF1=10の均一燃焼と判断されてステップS1
16へ進むと、1つ後の気筒を今回の噴射・点火対象気
筒#iとし、ステップS117で、今回の噴射・点火対
象気筒#iの噴射開始タイミングタイマをスタートさせ
て、ルーチンを抜ける。
【0135】すると、今回の噴射・点火対象気筒#iの
噴射開始タイミングタイマにセットした噴射開始タイミ
ングIJSTが計時され、この計時が終了したとき、上記
図15のフローチャートに示す噴射開始タイミングルー
チンが、前述と同様に割込み起動される。なお、この噴
射開始タイミングルーチンは、前述と同じであるため、
説明を省略する。
【0136】また、エンジン始動後の点火時期は、図3
2のタイミングチャートに示すように、今回の噴射・点
火対象気筒#iの1つ前の気筒の上死点前BTDCθ3パ
ルス入力で、ドエル開始タイミングDWLSTが計時される
ように設定されるため、まず、図12のフローチャート
に示すθ3パルス入力により割込み起動されるルーチン
から説明する。
【0137】θ3パルスが入力されて、図12のフロー
チャートに示すルーチンが起動されると、まず、ステッ
プS131で、現在の運転状態がFST=0の始動後と判
断されて、ステップS134へ分岐し、今回の噴射・点
火対象気筒#iのドエル開始タイミングタイマをスター
トさせる。
【0138】すると、このドエル開始タイミングタイマ
にセットしたドエル開始タイミングDWLSTの計時が開始
され、この計時が終了したとき、図13のフローチャー
トに示すドエル開始タイミングルーチンが割込み起動さ
れる。そして、このドエル開始タイミングルーチンのス
テップS141で、今回の噴射・点火対象気筒#iのド
エルをセットしてルーチンを抜ける。このドエル開始タ
イミングルーチンでセットされた当該噴射・点火対象気
筒#iのドエルは、図14のフローチャートに示す点火
時期ルーチンが起動されたときにカットされる(詳細に
ついては後述する)。
【0139】その後、θ2パルスが入力されて、図11
に示す点火時期タイマスタートルーチンが割込み起動さ
れると、そのステップS121で、始動判別フラグFST
の値を参照し、現在の運転状態がFST=0の始動後であ
るため、ステップS122へ分岐し、今回の噴射・点火
対象気筒#iの点火時期タイマをスタートさせてルーチ
ンを抜ける。すると、この点火時期タイマにセットされ
た点火時期IGt[msec]が計時され、計時終了時に、図
14のフローチャートに示す点火時期ルーチンが割込み
起動され、そのステップS151で点火対象気筒のドエ
ルをカットしてルーチンを抜ける。その結果、図32の
タイミングチャートに示すように、始動後の点火時期I
Gt[msec]は、当該噴射・点火対象気筒#iの上死点前B
TDCθ2パルスを基準クランク角として計時され、こ
の点火時期IGtが経過したときに点火される。
【0140】このように、本実施例によれば、NOx触
媒19から排出された排気ガスのNOx濃度をNOx濃度
センサ56で直接検出し、この検出したNOx濃度(実
NOx濃度CONpr)と、エンジン運転領域毎に設定される
許容NOx濃度CONsとを比較して、上記実NOx濃度CONp
rが上記許容NOx濃度CONs以下に常に収るように、燃料
噴射時期を進角、或は遅角補正するので、刻々と変化す
る大気圧、湿度、温度等の外気条件、及びエンジン個体
差等に影響されることなく、常に大気へのNOx放出量
を安定した状態で抑制させることができる。
【0141】従って、図37に示すように、実NOx濃
度CONprが許容NOx濃度CONsよりも高いときにのみ、燃
料噴射時期を正規の噴射時期に対して、進角或は遅角方
向へ修正するように設定することで(FLEAN=1)、上
記NOx触媒19によるNOx還元浄化作用が促進され、
やがて実NOx濃度CONprが許容NOx濃度CONs以下に収
れば、上記噴射時期修正フラグFLEANがクリアされ、リ
ーンバーン時の噴射噴射は正規の噴射タイミングで行わ
れるため、燃料噴射時期の修正が必要最小限となり、N
Oxの大気中への放出量の抑制と、ドライバビリティの
向上との相反する要求を充分満足させることができる。
【0142】なお、HCはNOx触媒19中の余剰空気
と反応して酸化されるが、このNOx触媒19の下流に
酸化触媒を介装すれば、一層効果的に酸化させることが
できる。
【0143】また、NOx濃度センサ56で検出した実
NOx濃度CONprと、許容NOx濃度CONsとの比較結果に
基づいて、燃料噴射時期を修正することでNOxの大気
への放出を抑制するようにしたので、この燃料噴射時期
を修正することでNOxの低減が得られる限界付近ま
で、空燃比をリーン側へ設定することができ、燃費を相
対的に向上させることができる。
【0144】図38以下に、本発明の第二実施例を示
す。
【0145】本実施例では、吸気系噴射エンジンに、本
発明の燃料噴射時期制御を適用した例を示す。図38に
示す吸気系噴射エンジン1Bは、通常の理論空燃比によ
る燃焼と希薄燃焼(リーンバーン)とを噴射時期制御に
より設定する4サイクル4気筒ガソリンエンジンで、エ
ンジン本体61の吸気ポート61aに連通する吸気管6
2の下流端にはインジェクタ63が臨まされており、ま
た、この吸気管62に介装したエアーチャンバ64には
吸気温センサ77が臨まされている。さらに、このエア
ーチャンバ64上流のスロットル弁65と空気取入れ口
に設けたエアークリーナ66との間に吸入空気量センサ
76が配設されている。
【0146】一方、上記エンジン本体61の排気ポート
61bに連通する排気管67に上流側からNOx触媒6
8と三元触媒69とが配列され、このNOx触媒68の
直上流にリニアO2センサ78が臨まされ、さらにこの
NOx触媒68の直下流にNOx濃度センサ79が臨まさ
れている。また、上記エンジン本体61の冷却水通路7
4に水温センサ75が臨まされている。
【0147】さらに、燃焼室に臨まされた点火プラグ7
0に接続するディストリビュータ71のディストリビュ
ータシャフト71aにクランク角及び気筒判別用ロータ
72が連設され、このロータ72の外周にクランク角セ
ンサ73が対設されている。図39に示すように、上記
ロータ72は、その外周に各気筒の圧縮上死点前BTD
Cθ1(本実施例では、θ1=10 ゜CA)の位置に基準ク
ランク角検出用突起72aが形成されていると共に、特
定気筒の圧縮上死点後ATDCθ2(例えば、θ2=20
゜CA)の位置に気筒判別用突起72bが形成されてお
り、上記クランク角センサ73で検出した上記基準クラ
ンク角検出用突起72aのパルス(以下「クランクパル
ス」)の間隔時間からエンジン回転数Nが算出され、ま
た、上記気筒判別用突起72bを検出したパルス(以下
「気筒判別パルス」)の割込みから気筒判別を行う。
【0148】また、符号40は、燃料噴射制御、及び点
火制御などを行う制御装置で、物理的構成は、前記第一
実施例と同一であるため、共通の符号を付して説明を省
略する。
【0149】次に、上記制御装置40によって実行され
る燃料噴射制御手順について、図40〜図45のフロー
チャートに従って説明する。
【0150】エンジンが回転して、クランク角センサ7
3でクランクパルスθ1が検出される毎に、図40に示
す気筒判別・エンジン回転数算出ルーチンが割込み起動
される。そして、そのステップS201で、入力された
クランクパルスθ1が、何れの気筒の圧縮上死点前BT
DCθ1のものであるかを識別する。この識別は、各パ
ルスの入力間隔時間に基づいて判断する。すなわち、ク
ランクパルスθ1は等クランク角毎に入力されるため、
隣接するクランクパルスθ1同士の間隔時間はほぼ等し
くなる。一方、気筒判別パルスθ2が入力されると、上
記クランクパルスθ1と気筒判別パルスθ2との間の間隔
時間が、上記クランクパルスθ1同士の間隔時間に比べ
て短いため、各パルス間の間隔時間から、例えば、点火
順序を#1→#3→#4→#2とした場合、クランクパ
ルスθ1が入力された直後に気筒判別パルスθ2が入力さ
れた場合には、次に入力されるクランクパルスθ1は、
#3気筒の圧縮上死点前BTDCθ1のものである判別
でき、さらに次に入力されるクランクパルスθ1が#4
気筒の圧縮上死点前BTDCθ1のものであることが識
別できる。
【0151】次に、ステップS202で、上記ステップ
S201で識別したクランクパルスθ1に基づいて、今
回の燃料噴射対象気筒#iを判別する。すなわち、図4
9に示すように、例えば、今回のクランクパルスθ1が
#3気筒の圧縮上死点前BTDCθ1を示す場合、この
クランクパルスθ1は、同時に#1気筒の燃焼・排気上
死点前θ1をも示している。本実施例では、この燃焼・
排気上死点前のθ1パルスを基準クランク角として、当
該気筒の燃料噴射開始タイミングを計時するように設定
されているため、ここでは、今回の燃料噴射対象気筒#
iは、#1気筒ということになる。
【0152】その後、ステップS203へ進むと、入力
されたクランクパルスθ1の入力間隔時間(周期)Tθ1
を検出し、ステップS204で、この間隔時間Tθ1に
基づいてエンジン回転数Nを算出し、RAM43の所定
アドレスに格納してルーチンを抜ける。
【0153】また、図41のフローチャートは燃料噴射
パルス幅・噴射開始タイミング設定毎に起動されるルー
チンで、本実施例では、燃料噴射パルス幅・噴射開始タ
イミングがクランクパルスθ1入力毎に演算されるた
め、このルーチンは上記気筒判別・エンジン回転数算出
ルーチンに続いて実行される。
【0154】まず、ステップS211では、エンジン回
転数Nと吸入空気量センサ76で検出した吸入空気量Q
を読込み、ステップS212で、上記エンジン回転数N
と吸入空気量Qとに基づいて基本燃料噴射パルス幅TP
を、次式から算出する TP=K×Q/N K:インジェクタ特性補正定数 次いで、ステップS213で、上記基本燃料噴射パルス
幅TPとエンジン回転数Nとに基づきマップを参照し
て、現運転領域がリーンバーン領域にあるかを判断す
る。図46にリーンバーン領域を判断するマップを示
す。本実施例では、上記基本燃料噴射パルス幅TPをエ
ンジン負荷として代用しているが、他のパラメータを代
用しても良い。このリーンバーン領域は実験などから求
めてROM42の一連のアドレスに格納されている。
【0155】そして、現運転状態がリーンバーン領域で
あると判断した場合には、ステップS214へ進み、リ
ーンバーン制御を行い、また、リーンバーン領域から外
れている場合には、ステップS218へ分岐し、通常燃
焼制御を行う。例えば、加速時等、出力が要求される運
転域(高負荷運転域)では、上記マップ検索により通常
燃焼制御へ移行することになる。
【0156】以下の説明では、まずリーンバーン制御に
ついて説明し、続いて通常燃焼制御について説明する。
【0157】上記ステップS213で、リーンバーン領
域と判断されてステップS214へ進むと、基本燃料噴
射パルス幅TPとエンジン回転数Nとに基づいてテーブ
ルを補間計算付で参照して、理論空燃比(A/F=14.7)を
リーン補正(A/F>14.7)するための空燃比リーン補正係
数KLEAN(KLEAN<1.0)を設定する。
【0158】次いで、ステップS215で、リニアO2
センサ78の出力信号に基づいて、空燃比フィードバッ
ク補正係数αを設定する。この空燃比フィードバック補
正係数αはフィードバック条件が成立しているとき、リ
ーンバーン時の目標空燃比(A/F>14.7)を設定し、この
目標空燃比に対応するスライスレベルと上記リニアO2
センサ78の出力とを比較してPI(比例積分)制御に
より設定する。なお、フィードバック条件不成立のとき
は、α=1.0に設定する。その後、ステップS216へ
進み、燃焼方式判別フラグFLBをセットしてステップS
217へ進む。この燃焼方式判別フラグFLBは、現運転
領域がリーンバーン領域にある場合にセットされ、通常
燃焼領域にある場合にクリアされる。
【0159】そして、ステップS217へ進むと、各種
増量係数COEFを設定すると共に、バッテリ電圧VBに基
づいて無効パルス幅Tsを設定し、ステップS221
で、燃料噴射パルス幅Ti[msec]を次式から算出する。
【0160】Ti=TP×KLEAN×α×COEF+Ts なお、リーンバーン制御時には上記空燃比リーン補正係
数KLEANは、KLEAN<1.0に設定されており、また、空
燃比フィードバック補正係数αはリーンバーン時の目標
空燃比に対応して設定されている。
【0161】その後、ステップS222で、今回の噴射
・点火対象気筒の燃料噴射タイマに上記燃料噴射パルス
幅Tiをセットする。
【0162】そして、ステップS223で、燃焼方式判
別フラグFLBの値を参照する。今回の燃焼方式は、FLB
=1のリーンバーンで有るため、ステップS224へ進
み、基本燃料噴射パルス幅TPとエンジン回転数Nとに
基づいてテーブルを補間計算付で参照して、燃料噴射を
排気・吸入上死点を基準として何msec後に終了させるの
かを定める噴射エンドタイミングIJET[msec]を設定す
る。図49(c)に示すように、リーンバーン時の燃料噴
射の終了を吸入行程まで遅角させることで、燃料を吸気
渦流に沿って成層状態のまま搬送し、点火時の点火プラ
グ70の周辺に濃混合気を形成させる。
【0163】その後、ステップS225でリーンバーン
時の噴射開始タイミングIJST[msec](図49(c)参
照)を次式から算出する。
【0164】 IJST←(Tθ/θs)×(θs+θM)+IJET−Ti Tθ:最新のクランクパルス入力間隔時間 θs:クランクパルス間角度(本実施例では、180 ゜C
A) θM:クランクパルス入力からTDCまでの角度(本実
施例では、10 ゜CA) 次いで、ステップS226で、基本燃料噴射パルス幅T
Pとエンジン回転数Nとに基づいて、マップ参照によ
り、現エンジン運転状態における許容NOx濃度CONsを
設定する。この許容NOx濃度CONsは、図47に示すよ
うに、上記基本燃料噴射パルス幅TPとエンジン回転数
Nとで特定する運転領域において予め実験等から求めて
ゾーン毎に設定されており、低負荷低回転へ移行するに
従って低い値に設定されている。なお、本実施例では、
エンジン負荷として基本燃料噴射パルス幅TPを採用し
ているが、エンジン負荷を表すものであれば、他のパラ
メータを用いても良い。
【0165】そして、ステップS227で、NOx触媒
68の下流に配設したNOx濃度センサ79の出力を読
込み、現運転時の実NOx濃度CONprを検出し、ステップ
S228で、この実NOx濃度CONprと上記許容NOx濃
度CONsとを比較する。
【0166】そして、CONpr>CONsの場合には、HC不
足のためNOx触媒68によるNOxの還元浄化作用が不
充分と判断し、ステップS229で、リーンバーン時の
燃料噴射終了時期を吸入行程後半まで遅らせるための遅
角補正時間IJREtを、基本燃料噴射パルス幅TPとエン
ジン回転数Nとに基づいてテーブルを参照して設定し、
ステップS230で、上記噴射開始タイミングIJSTに
上記遅角補正時間IJREtを加算して、新たな噴射開始
タイミングIJSTを算出して遅角補正する(IJST←I
JST+IJREt)。
【0167】ここで、リーンバーン時におけるHC濃度
の特性を、図48に示す。図に示すように、噴射終了時
期を遅角補正時間IJREt分、吸入行程後半まで遅らせ
ることで、NOx触媒68へ至る酸化雰囲気(空燃比リ
ーンの燃焼の排気)中のHC量を増加させることができ
る。上記ステップS229中に示すテーブルの各領域に
は、燃焼が極端に悪化せずにHC濃度を上昇させ得る範
囲の遅角補正時間IJREtを予め実験等により求めて格
納されている。
【0168】次いで、ステップS231で、上記ステッ
プS230で算出した噴射開始タイミングIJSTを今回
の噴射・点火対象気筒#iの噴射開始タイミングタイマ
にセットして、ルーチンを抜ける。
【0169】一方、上記ステップS228で、CONpr≦C
ONsと判断した場合には、NOx触媒68によるNOxの
還元浄化が充分であるので、燃料噴射時期を遅角補正す
ることなく、ステップS231へジャンプし、上記ステ
ップS225で算出した噴射開始タイミングIJSTを今
回の噴射・点火対象気筒#iの噴射開始タイミングタイ
マにセットして、ルーチンを抜ける。その結果、リーン
バーン時の正規の噴射タイミングで燃料噴射が開始され
ることになる。
【0170】このように本実施例では、NOx触媒68
から排出される実NOx濃度CONprと許容NOx濃度CONs
とを比較して噴射時期を制御しているので、大気圧、湿
度、温度等の外気条件はもとより、エンジン個体差に拘
らず、NOxの大気への放出量を必要最小限の補正で適
正に抑制することができる。
【0171】一方、上記ステップS213で、現運転状
態がリーンバーン領域から外れていると判断した場合に
は、ステップS218へ分岐し、理論空燃比(A/F=14.
7)による通常燃焼制御を行う。
【0172】まず、このステップS218では、空燃比
リーン補正係数KLEANをKLEAN=1.0に設定し、またス
テップS219では空燃比フィードバック補正係数αを
設定する。この空燃比フィードバック補正係数αは、フ
ィードバック条件が成立しているときには理論空燃比
(A/F=14.7)を目標空燃比とし、これに対応するスラ
イスレベルとリニアO2センサ78出力とを比較してP
I制御により設定する。一方、フィードバック条件が不
成立時には、α=1.0に設定する。
【0173】そして、ステップS220で燃焼方式判別
フラグFLBをクリアした後、ステップS217へ戻る。
【0174】ステップS217では、各種増量係数COE
F、及び無効パルス幅Tsを前述と同様に設定し、ステッ
プS221で、通常燃焼時の燃料噴射パルス幅Ti[mse
c]を算出し(Ti←TP×KLEAN×α×COEF+Ts)、ス
テップS222で今回の噴射・点火対象気筒の燃料噴射
タイマに上記燃料噴射パルス幅Tiをセットする。
【0175】その後、ステップS223で、燃焼方式判
別フラグFLBの値を参照する。今回の運転状態は、FLB
=0の通常燃焼制御であるため、ステップS232へ分
岐して、燃料噴射エンドタイミングIJET[msec]を次式
から算出する。
【0176】 IJET←(Tθ/θs)×(θs+θM−θSET) ここで、θSETは、吸気弁が開弁するタイミング(本実
施例では、BTDC 5゜CA)よりも早く燃料噴射を終了させ
るため、予め設定された各気筒排気・吸入上死点前の角
度(本実施例では、BTDC 20゜CA)である。
【0177】次いで、ステップS233で、上記噴射エ
ンドタイミングIJETから上記ステップS221で算出
した燃料噴射パルス幅Tiを減算して、当該気筒の燃焼
・排気上死点前BTDCθ1パルスを基準とする噴射開始タ
イミングIJSTを算出し(図49(b)参照)、ステップ
S231へ戻り、上記ステップS233で算出した噴射
開始タイミングIJSTを今回の噴射・点火対象気筒#i
の噴射開始タイミングタイマにセットして、ルーチンを
抜ける。
【0178】上記噴射開始タイミングタイマは、θ1パ
ルス入力ごとに割込み起動される図44のフローチャー
トに示すルーチンで計時が開始される。このルーチン
は、前述の図40に示す気筒判別・エンジン回転数算出
ルーチンに続いて実行される。そして、そのステップS
241で、上記ステップS202で判別した燃料噴射対
象気筒#iの噴射開始タイミングタイマをスタートさせ
て、ルーチンを抜ける。
【0179】この噴射開始タイミングIJSTは、現エン
ジン運転状態が通常燃焼制御領域であれば、図49(b)
に示すように、吸気弁が開弁する前に燃料噴射が終了す
るように、通常どおりに設定される。一方、現エンジン
運転状態がリーンバーン制御領域にある場合で、同図
(c)に示すように、NOx触媒68から排出される実NO
x濃度CONprが許容NOx濃度CONs以下の場合には、リー
ンバーン制御時の正規の噴射タイミングで燃料噴射が開
始される。
【0180】また、リーンバーン時の実NOx濃度CONpr
が許容NOx濃度CONsよりも高い場合には、同図(d)に示
すように、噴射開始タイミングを、同図(c)に示す正規
の噴射タイミングよりも、遅角補正時間IJREtだけ遅
らせて、吸入行程後半に燃料噴射が終了するように設定
される。その結果、点火プラグ70の周囲に濃混合気が
充分に生成されず、図48に示すように、一部の未燃焼
ガスによりHC量が増加し、上記NOx触媒68による
NOx還元浄化作用が促進されて、NOx触媒68から放
出されるNOx量が低減され、上記実NOx濃度CONprが
上記許容NOx濃度CONs以下に収れば、再び、燃料噴射
時期は正規の噴射時期に戻され(図43のステップS2
28)、噴射時期の修正は必要最小限になる。
【0181】なお、理論空燃比により空燃比制御される
通常燃焼では、主に、上記NOx触媒68の下流に配設
した三元触媒69により排気ガスが浄化される。
【0182】そして、噴射開始タイミングタイマにセッ
トした噴射開始タイミングIJSTの計時が終了したと
き、図45のフローチャートに示す噴射開始タイミング
ルーチンが割込み起動され、ステップS251で、当該
気筒#iの燃料噴射タイマをスタートさせてルーチンを
抜ける。すると、この燃料噴射タイマにセットされた燃
料噴射パルス幅Tiの計時が行われている間、該当気筒
のインジェクタ63に噴射信号が出力されて燃料噴射さ
れる。
【0183】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
NOx触媒から大気に放出される実NOx濃度をNOx濃
度センサにより直接検出し、この実NOx濃度とエンジ
ン運転状態に応じて設定した許容NOx濃度とを比較
し、この実NOx濃度が上記許容NOx濃度よりも高いと
きにのみ、燃料噴射時期を正規の噴射時期に対して、進
角側或は遅角側へ燃焼方式に応じて修正し、意図的に未
燃焼ガスによるHC量を増加させて、上記NOx触媒の
NOx還元浄化作用を促進させるようにしたので、上記
実NOx濃度が許容NOx濃度以下に収っている場合に
は、正規の燃料噴射時期で燃料が噴射されるため、燃料
噴射時期の修正が必要最小限となり、燃費、出力等を犠
牲にすることなく、ドライバビリティの向上と、NOx
の大気放出量の抑制との双方の要求を両立させ、全ての
運転領域でNOx量を安定的に低減させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例による燃料噴射パルス幅・噴射開始
タイミング設定サブルーチンを示すフローチャート
【図2】第一実施例による燃料噴射パルス幅・噴射開始
タイミング設定サブルーチンを示すフローチャート(続
き)
【図3】第一実施例による燃料噴射パルス幅・噴射開始
タイミング設定サブルーチンを示すフローチャート(続
き)
【図4】第一実施例による燃料噴射パルス幅・噴射開始
タイミング設定サブルーチンを示すフローチャート(続
き)
【図5】第一実施例による燃料噴射パルス幅・噴射開始
タイミング設定ルーチンを示すフローチャート
【図6】第一実施例による点火時期・通電開始時間設定
ルーチンを示すフローチャート
【図7】第一実施例による点火時期・通電開始時間設定
ルーチンを示すフローチャート(続き)
【図8】第一実施例による気筒判別・エンジン回転数算
出ルーチンを示すフローチャート
【図9】第一実施例による始動判定ルーチンを示すフロ
ーチャート
【図10】第一実施例による始動時ドエル開始タイミン
グタイマ・始動後噴射開始タイミングタイマスタートル
ーチンを示すフローチャート
【図11】第一実施例による始動後点火時期タイマスタ
ートルーチンを示すフローチャート
【図12】第一実施例による始動時燃料噴射タイマ及び
点火時期タイマ・始動後ドエル開始タイミングタイマス
タートルーチンを示すフローチャート
【図13】第一実施例によるドエル開始タイミングルー
チンを示すフローチャート
【図14】第一実施例による点火時期ルーチンを示すフ
ローチャート
【図15】第一実施例による噴射開始タイミングルーチ
ンを示すフローチャート
【図16】第一実施例による基本給気比とエンジン回転
数とにより特定する運転領域ごとの許容NOx濃度を示
すマップの説明図
【図17】第一実施例による基本給気比とエンジン回転
数とにより特定されるリーンバーン領域の説明図
【図18】第一実施例による制御装置の回路図
【図19】第一実施例による筒内直噴エンジンの全体概
略図
【図20】第一実施例によるクランクシャフトに軸着し
たクランク角検出用クランクロータと気筒判別用クラン
クロータ、及びこれらに対設するセンサの側面図
【図21】第一実施例によるクランク角検出用クランク
ロータと、このクランクロータに対設するクランク角セ
ンサの正面図
【図22】第一実施例による気筒判別用クランクロータ
と、このクランクロータに対設する気筒判別センサの正
面図
【図23】第一実施例による均一燃焼時の燃料噴射、及
び点火タイミング線図
【図24】第一実施例による均一燃焼時の行程図
【図25】第一実施例による成層燃焼時の燃料噴射、及
び点火タイミング線図
【図26】第一実施例による成層燃焼時の行程図
【図27】第一実施例による噴射時期修正後の均一燃焼
時の燃料噴射、及び点火タイミング線図
【図28】第一実施例による噴射時期修正後の均一燃焼
時の要部行程図
【図29】第一実施例による噴射時期修正後の成層燃焼
時の燃料噴射、及び点火タイミング線図
【図30】第一実施例による噴射時期修正後の成層燃焼
時の要部行程図
【図31】第一実施例による始動時の燃料噴射、及び点
火を示すタイミングチャート
【図32】第一実施例による始動後の燃料噴射、及び点
火を示すタイミングチャート
【図33】第一実施例による成層燃焼時の正規の噴射時
期と修正後の噴射時期とを示す説明図
【図34】第一実施例による均一燃焼時の正規の噴射時
期と修正後の噴射時期とを示す説明図
【図35】第一実施例によるNOx触媒の特性図
【図36】第一実施例による成層燃焼時と均一燃焼時に
おける燃料噴射時期に対するHC濃度特性図
【図37】第一実施例による実NOx濃度と許容NOx濃
度との関係による噴射時期の制御内容を示す説明図
【図38】第二実施例による吸気系噴射エンジンの概略
図及び制御装置の回路図
【図39】クランク角及び気筒判別用ロータとクランク
角センサの正面図
【図40】第二実施例による気筒判別・エンジン回転数
算出ルーチンを示すフローチャート
【図41】第二実施例による燃料噴射パルス幅・噴射開
始タイミング設定ルーチンを示すフローチャート
【図42】第二実施例による燃料噴射パルス幅・噴射開
始タイミング設定ルーチンを示すフローチャート(続
き)
【図43】第二実施例による燃料噴射パルス幅・噴射開
始タイミング設定ルーチンを示すフローチャート(続
き)
【図44】第二実施例による噴射開始タイミングタイマ
スタートルーチンを示すフローチャート
【図45】第二実施例による噴射開始タイミングルーチ
ンを示すフローチャート
【図46】第二実施例による基本燃料噴射パルス幅とエ
ンジン回転数とにより特定されるリーンバーン領域の説
明図
【図47】第二実施例による基本燃料噴射パルス幅とエ
ンジン回転数とにより特定する運転領域ごとの許容NO
x濃度を示すマップの説明図
【図48】燃料噴射時期とHC濃度との関係を示す特性
【図49】第二実施例による燃料噴射時期を示すタイミ
ングチャート
【符号の説明】
1A 筒内直噴エンジン 1B 吸気系噴射エンジン 8,63 インジェクタ 19,68 NOx触媒 56,79 NOx濃度センサ GF 燃料噴射量 IJET 噴射エンドタイミング IGt 点火時期 IJADt 進角補正時間 IJREt 遅角補正時間 IJST 噴射開始タイミング Ti 燃料噴射パルス幅 CONpr 実NOx濃度 CONs 許容NOx濃度
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02B 17/00 ZAB F F02D 45/00 ZAB 376 C F02M 69/04 ZAB A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン運転状態に応じ、燃料噴射量、
    噴射時期、及び点火時期を設定し、低負荷域では成層燃
    焼方式を選択し、高負荷域では均一燃焼方式を選択し、
    且つ排気系にNOx触媒を備えると共に、このNOx触媒
    の下流にNOx濃度センサを配設した筒内直噴エンジン
    において、 エンジン運転状態に基づいて許容NOx濃度を設定し、
    この許容NOx濃度と上記NOx濃度センサにより検出し
    た実NOx濃度とを比較し、この実NOx濃度が上記許容
    NOx濃度よりも高いとき、成層燃焼選択時には燃料噴
    射時期を正規の噴射時期よりも早めに設定し、また均一
    燃焼選択時には燃料噴射時期を正規の噴射時期より遅ら
    せて設定することを特徴とする筒内直噴エンジンの燃料
    噴射時期制御方法。
  2. 【請求項2】 吸気系にインジェクタを備え、排気系に
    NOx触媒を備えると共に、このNOx触媒の下流にNO
    x濃度センサを配設する希薄燃焼可能な吸気系噴射エン
    ジンにおいて、 エンジン運転状態が希薄燃焼領域にあるとき、このエン
    ジン運転状態に基づいて許容NOx濃度を設定し、この
    許容NOx濃度と上記NOx濃度センサにより検出した
    実NOx濃度とを比較し、この実NOx濃度が上記許容N
    Ox濃度よりも高いとき、噴射終了時期を吸入行程後半
    にかかるように燃料噴射時期を設定し、一方上記実NO
    x濃度が上記許容NOx濃度以下のときは上記エンジン運
    転状態に応じた正規の燃料噴射時期を設定することを特
    徴とする吸気系噴射エンジンの燃料噴射時期制御方法。
JP7003592A 1995-01-12 1995-01-12 筒内直噴エンジンの燃料噴射時期制御方法及び吸気系噴射エンジンの燃料噴射時期制御方法 Pending JPH08189392A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1182097A (ja) * 1997-09-04 1999-03-26 Mazda Motor Corp エンジンの制御装置
US6371078B1 (en) 1999-08-23 2002-04-16 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Method of controlling a direct fuel injection engine and storage medium storing the same
JP2003511600A (ja) * 1999-10-06 2003-03-25 フオルクスワーゲン・アクチエンゲゼルシヤフト NOx放出を低減した直接噴射式内燃機関
KR100589803B1 (ko) * 1997-11-26 2006-08-30 마츠다 가부시키가이샤 불꽃 점화 방식의 직접 분사식 엔진의 제어장치
JP2007309151A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Mazda Motor Corp エンジンの燃料噴射装置

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