JPH08175947A - 口腔用組成物 - Google Patents
口腔用組成物Info
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- JPH08175947A JPH08175947A JP6322544A JP32254494A JPH08175947A JP H08175947 A JPH08175947 A JP H08175947A JP 6322544 A JP6322544 A JP 6322544A JP 32254494 A JP32254494 A JP 32254494A JP H08175947 A JPH08175947 A JP H08175947A
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Abstract
ク酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、乳酸及びこれらの塩
から選ばれる1種又は2種以上、(C)クローブ、セー
ジ、ローズマリー、タイム及びオレガノから選ばれる香
辛料又はその抽出物を含有する口腔用組成物。 【効果】 口腔用組成物中の有効成分が乳酸を生成する
う餌原性細菌であるストレプトコッカス・ミュータンス
(Streptococcus mutans)菌を減
少させ、乳酸分解細菌であるベイヨネラ(Veillo
nella)属細菌を増殖させる効果を有する。従っ
て、う蝕原性の低い細菌叢に変える効果があり、う餌予
防に有用である。
Description
抗菌力を有する口腔用組成物に関し、更に詳しくはう蝕
原性細菌を減少させ、乳酸分解細菌を増加させる効果を
有する口腔用組成物に関するものである。
ミュータンス(Streptococcus muta
ns)菌に代表されるう蝕原性細菌がショ糖等の醗酵性
糖類を代謝し、酸を生成するために歯垢のpHが低下
し、歯牙の脱灰が起こることによって発生する。従っ
て、ショ糖の存在下でも歯垢のpH低下を抑制し、う蝕
原性細菌数を減少させる効果を有する口腔用組成物はう
蝕予防に有用であるといえる。
キシジン類やトリクロサン等の殺菌剤、抗生物質、フッ
化物等の歯質強化剤などを配合した口腔用組成物が提案
されている。しかし、これらの添加剤には安全上の懸念
があることから、薬用歯磨類には低濃度の使用しか認め
られておらず、また、食品等には全く添加できないた
め、十分なう蝕予防効果が得られていないという問題が
ある。
H低下を抑制し、口腔内全体の細菌数を減少させる効果
があるが、これらは長期連用には適さない。なぜなら有
効濃度の殺菌剤や抗生物質は口腔内常在菌を無差別に死
滅させて有用な細菌をも減少させたり、常在菌叢のバラ
ンスを崩して菌交代症等を引き起こす危険性もあり、と
きには腸内細菌にも影響を及ぼし、人体に対して好まし
からぬ状況をもたらすこともあるからである。
菌のように善玉菌と悪玉菌とに明確に分けることは困難
であるが、歯垢のpH低下の原因である乳酸を生成する
ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptoc
occus mutans)菌等のう蝕原性細菌は明ら
かに悪玉菌であり、これと拮抗するストレプトコッカス
・サンギス(Streptococcus sangu
is)菌や、糖類を代謝することはできないが、乳酸を
乳酸より弱い酸である酢酸とプロピオン酸に分解し、歯
垢のpHを上昇させる働きをするベイヨネラ(Veil
lonella)属細菌は善玉菌と考えられている(A
rchs oral Biol.25,6,55,19
80.)。ここで、ベイヨネラ(Veillonell
a)属細菌としてはベイヨネラ・アルカレセンス(Ve
illonella alcalescens)菌やベ
イヨネラ・ディスパー(Veillonella di
spar)菌が代表的である。
薬や特定の香料の中から、う蝕原性細菌に対して抗菌力
のある成分を探索する研究も行われている。このような
成分を配合した口腔用組成物として、例えば特開昭57
−85319号公報では厚朴、黄蓮、五倍子、ゲンノシ
ョウコ、銀杏葉、白キュウ、黄柏、良姜、白頭翁、十
薬、夏枯草、丹参、大黄、乳香、知母、防己、黄岑、ク
マザサ、大風子、紫根、威霊山、白芍、細辛、冬虫夏
草、南天葉、苦ヨク、陳皮、淡竹葉、辛夷、金銀花、広
木香、胡黄蓮、丁香、桂皮、牡丹皮、当帰、馬歯ケン、
艾葉、ウワウルシ、茵チン嵩、猪苓、茯苓、呉茱ユの有
効成分より成るう蝕用剤やマグノロール又はホノキオー
ルを有効成分とするう餌用剤が提案されており、特公平
2−32255号公報ではクミン、セレリーシード、タ
ラゴン、ロベージ、バレリアン、オリガナム、ホップ、
アンブレットシード、ペニーローヤル、ブチューリー
フ、タンジー、ワインリーズ、山椒、麦門冬及び五加皮
より成る群から選ばれる有機溶剤抽出物もしくは水蒸気
蒸留物を含有する虫歯予防剤が提案されており、特開平
4−13630号公報ではローズマリー又はセージ抽出
物を含有するう蝕防止剤が提案されている。
研究においてはストレプトコッカス・ミュータンス(S
treptococcus mutans)菌とベイヨ
ネラ(Veillonella)属細菌に対する抗菌力
の比較は行われておらず、有効性と選択性の両方を満足
する口腔用組成物用成分も見出されていない。また、ベ
イヨネラ(Veillonella)属細菌を積極的に
増加させる効果を有する口腔用組成物も提案されていな
い。
せ、かつ乳酸分解細菌を増加させる効果を有する口腔用
組成物を提供することを目的とする。
記課題を解決すべく鋭意検討した結果、キシリトールと
特定の有機酸又はその誘導体と特定の香辛料又はその抽
出物とを組み合わせることにより、う蝕原性細菌である
ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptoc
occus mutans)菌を減少させ、歯垢のpH
が強酸性になることを抑制するためう蝕予防に有用な乳
酸分解細菌であるベイヨネラ(Veillonell
a)属細菌を増加させる効果を有することを見出し、本
発明を完成するに至った。
(B)及び(C): (A)キシリトール、(B)リンゴ酸、フマル酸、コハ
ク酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、乳酸及びこれらの塩
から選ばれる1種又は2種以上、(C)クローブ、セー
ジ、ローズマリー、タイム及びオレガノから選ばれる香
辛料又はその抽出物を含有することを特徴とする口腔用
組成物を提供するものである。
は安全性の高い糖アルコールの1種であり、市販品とし
て入手できるものである。キシリトールの配合量は、成
分(B)及び(C)との相乗効果を考慮すると本発明口
腔用組成物中に好ましくは1〜99重量%(以下単に%
で示す)であるが、より好ましくは2〜99%、特に好
ましくは10〜90%である。
ゴ酸、フマル酸、コハク酸、オキサロ酢酸、ピルビン
酸、乳酸であり、これらの塩としてはナトリウム塩やカ
リウム塩が挙げられる。これらはいずれも市販品として
入手できるものであり、いずれもベイヨネラ(Veil
lonella)属細菌の増殖促進効果がある。これら
は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いること
ができ、本発明においてはリンゴ酸、フマル酸、コハク
酸及びこれらのナトリウム塩やカリウム塩が安価で、し
かもベイヨネラ(Veillonella)属細菌の乳
酸分解速度への影響が少ないことから特に好ましい。
(C)との相乗効果及び味を考慮すると本発明口腔用組
成物中に好ましくは0.05〜50%であるが、より好
ましくは0.1〜10%、特に好ましくは0.5〜5%
である。
それらの全草又はそれらの葉、茎、根、果実、種子及び
花のちの1又は2以上の箇所(以下「原体」と称する)
又はこれを乾燥して粉砕したものであり、香辛料抽出物
とは、原体を乾燥し又は乾燥することなく粉砕した後、
常温又は加温下に溶剤により抽出するか又はソックスレ
ー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得ら
れる各種溶媒抽出液、その希釈液、その濃縮液、あるい
はその乾燥末を意味するものである。本発明で用いるク
ローブ(生薬名:チョウジ)はフトモモ科チョウジノキ
の花蕾、セージは全草、ローズマリーは全草、タイムは
全草、オレガノは全草の乾燥物又はその抽出物を用いる
ことが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を
組み合わせて用いることができる。
ではほとんど抽出することができないため、単に市販さ
れている精油を用いても本発明の効果は得られない。香
辛料抽出物は、水、有機溶剤又はこれらの混合物を用い
て適当な方法で抽出することにより得られるものであ
る。有機溶剤は特に制限されるものではなく、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のア
ルコール類やアセトン、酢酸エチル、エチルエーテル等
を挙げることができ、これらは1種を単独で用いても2
種以上を併用することもできる。
水溶液で浸漬抽出することが好ましく、特に精油採取後
の残渣から抽出したオレオレジンは臭いも少なく、特に
好ましい。
抗菌作用及び香味の観点から本発明口腔用組成物中に好
ましくは0.0005〜50%であるが、より好ましく
は0.001〜25%である。成分(C)の香辛料を粉
末として用いる場合の配合量は0.05〜25%、抽出
物として用いる場合は0.001〜10%が特に好まし
い。この配合量があまり多いと特有の香味が強くなり過
ぎるため好ましくない。
性でなければ口腔内に適用可能であるが、10倍量の水
に溶解したときにpH5〜11の範囲になるように調整
するのが好ましく、pH6〜9の範囲になるように調整
するのが特に好ましい。pH5.5程度から酸性側で歯
牙の主成分であるハイドロキシアパタイトが溶解し始め
るため、pH5未満では歯牙を脱灰する危険性があり、
pH11を超えると苦みが強くなる。pH調整剤として
具体的にはリン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナ
トリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ケイ酸
マグネシウム、ピロリン酸四ナトリウム、L−アルギニ
ンなどが挙げられる。
外に、口中清涼剤、薬用歯磨、薬用洗口液等の口腔用組
成物に通常添加される薬用成分から選ばれる1種又は2
種以上を薬学上許容できる範囲内の量で目的に応じて添
加することができる。薬用成分として具体的には、アス
コルビン酸、トコフェロール、リボフラビン等のビタミ
ン類;デキストラナーゼ、プロテアーゼ、リゾチーム等
の酵素類;グリチルリチン酸類、クロロフィル類等の植
物成分;アセンヤク、ショウキョウ等の生薬類;フッ化
ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ素
剤などが挙げられる。また、塩酸クロルヘキシジン、塩
化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、イソプロ
ピルメチルフェノール、トリクロサン等の殺菌剤も少量
添加することができるが、多量に配合すると本発明の効
果が妨げられる。
ることができ、一般にサッカリン、サッカリンナトリウ
ム、アスパルテーム、ステビアエキス等が用いられる。
また、甘味剤と湿潤剤の両方の目的で糖や糖アルコール
類も用いられる。甘味剤としてはショ糖、グルコース、
フラクトースを用いることもできるが、う蝕原性がある
ことから好ましくない。本発明で用いるキシリトール以
外にはパラチノース、パノース、マンニトール、マルチ
トール、ソルビトール、ラクトース、ラクチトール、フ
ラクトオリゴ糖等が好ましい。
製剤化に用いられる粘結剤(例えば、デンプン、デキス
トラン、デキストリン、還元澱粉分解物、結晶セルロー
ス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアゴム、
カラギーナン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、コン
ドロイチン硫酸ナトリウム、カゼインナトリウム等)、
溶剤(例えばエタノール、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール等)、界面活性剤(例えばラウリル
硫酸ナトリウム、アルキルリン酸エステル、ポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル等)、研磨剤(例えばリン酸水素カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸、炭酸カル
シウム等)、矯味剤(例えば塩化亜鉛、粉末茶、ショウ
キョウチンキ等)、防腐剤(例えばパラオキシ安息香酸
エステル、サリチル酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム
等)、香料などを適宜配合することができる。
て常法に従って製造でき、口中清涼剤、洗口剤、粉歯磨
剤、練り歯磨剤、菓子、飲料などとして適用することが
できる。本発明の口腔用組成物は随時使用することが可
能であるが、ショ糖を含有する食品を摂取する前中後に
用いるのが好ましく、また口腔内に残留しやすい剤型と
することが好ましいため、例えば口中清涼剤として食事
やおやつの前後に用いることが最も好適である。
るう蝕原性細菌であるストレプトコッカス・ミュータン
ス(Streptococcus mutans)菌を
減少させ、乳酸分解細菌であるベイヨネラ(Veill
onella)属細菌を増殖させる効果を有する。従っ
て、う蝕原性の低い細菌叢に変える効果があり、う餌予
防に有用である。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
ーブの花蕾から精油を採取した後の残渣1kgを90%
エタノール水溶液10リットルに常温で1日間浸漬し、
90%エタノール水溶液可溶成分を抽出し、抽出液を得
た。この抽出液の溶媒を留去し、減圧乾固し、クローブ
オレオレジンを得た。
の全草から精油を採取した後の残渣を用い、製造例1と
同様にしてセージオレオレジンを得た。
ローズマリーの全草から精油を採取した後の残渣を用
い、製造例1と同様にしローズマリーオレオレジンを得
た。
の全草から精油を採取した後の残渣を用い、製造例1と
同様にしてタイムオレオレジンを得た。
ガノの全草から精油を採取した後の残渣を用い、製造例
1と同様にしてオレガノオレオレジンを得た。
を含有する1%エタノール水溶液を調製し、BHI液体
培地に添加した。嫌気グローブボックス(N2:H2:C
O2=80:10:10)内で試験菌株としてStre
ptococcus mutans JC2(Sm)と
Veillonella alcalescens(a
typicaと名称変更) ATTCC27215(V
a)を培養し、それぞれ約106CFU/mlをこの液
体培地に接種し、37℃で1日間培養し、発育が認めら
れなかったものを(−)、薬剤無添加のコントロールと
同等に発育が認められたものを(±)、薬剤無添加のコ
ントロールに比較してより発育が認められたものを
(+)とした。ここで、表1〜表13の各成分として
は、キシリトール(キシリトールCM170、ザイロフ
ィン社製)、オウレン乾燥エキス(アルプス薬品社
製)、ローズマリー抽出物(小川香料社製)、各オレオ
レジン(製造例1〜5で得られたもの)、ソルビトール
(ソルビットDP50、東和化成社製)を用いた。
プトコッカス・ミュータンス(Streptococc
us mutans)菌の発育を抑制し、ベイヨネラ・
アルカレセンス(Veillonella alcal
escens)菌の発育を促進することが明らかであ
る。これに対して、比較例の組成物では目的とする効果
が得られなかった。例えば強力な抗菌力を有するベルベ
リンを含有するオウレン乾燥エキスはストレプトコッカ
ス・ミュータンス(Streptococcusmut
ans)菌の発育を抑制することができず、逆にベイヨ
ネラ・アルカレセンス(Veillonella al
calescens)菌の発育を抑制することが判明し
た。これらのことから、抗菌力の強さに加えてう蝕原性
細菌への選択性が必要であり、キシリトールと特定の有
機酸又はその誘導体と特定の香辛料又はその抽出物を組
み合わせることが有用であることがわかる。
に圧縮成形し、1錠の直径が18mmで重量が1.5g
のトローチ剤(口中清涼剤)を得た。
下記表における吸着デキストリンはl−メントールをペ
パーミント油に溶解後、多孔質デキストリンと共にヘン
シェルミキサーで攪拌し、吸着させながら整粒調製した
ものを用いた。吸着デキストリン3.0%の内容は、多
孔質デキストリン2.2%、l−メントール0.4
%、、ペパーミント油0.4%である。
得た。
に引き延ばし、その後冷却乾燥固化させることによりチ
ューインガムを得た。
詰めた後、100℃以下に冷却し、その後下記の他の成
分を添加し、冷却固化させることによりキャンディーを
得た。
Claims (1)
- 【請求項1】 次の成分(A)、(B)及び(C): (A)キシリトール、(B)リンゴ酸、フマル酸、コハ
ク酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、乳酸及びこれらの塩
から選ばれる1種又は2種以上、(C)クローブ、セー
ジ、ローズマリー、タイム及びオレガノから選ばれる香
辛料又はその抽出物を含有することを特徴とする口腔用
組成物。
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JP32254494A JP3241955B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 口腔用組成物 |
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JP3241955B2 (ja) | 2001-12-25 |
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