JPH08175904A - 農薬粒剤 - Google Patents

農薬粒剤

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JPH08175904A
JPH08175904A JP31536294A JP31536294A JPH08175904A JP H08175904 A JPH08175904 A JP H08175904A JP 31536294 A JP31536294 A JP 31536294A JP 31536294 A JP31536294 A JP 31536294A JP H08175904 A JPH08175904 A JP H08175904A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】茎葉吸収指向性農薬活性成分と根部吸収指向性
農薬活性成分との水田水面への浮上率に差を生ぜせしめ
てなる農薬粒剤の提供。 【構成】茎葉吸収指向性農薬活性成分(a)を比重1未満
で水不溶性の高沸点有機溶媒(b)に溶解状態とした溶
液、根部吸収指向性農薬活性成分(c)、および比重1以
上で水不溶性の固体担体(d)からなり、(a)と(c)との水
田水面への浮上率に差を生ぜせしめてなる農薬粒剤。 【効果】本発明により提供される農薬粒剤は、茎葉吸収
指向性農薬活性成分(a)と根部吸収指向性農薬活性成分
(c)とを同一の製剤中に含有し、水田水面への(a)の浮上
率を(c)の浮上率より高くすることにより、(a)および
(c)それぞれの農薬活性を効率よく発揮させることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、茎葉吸収指向性農薬活
性成分と根部吸収指向性農薬活性成分との水田水面への
浮上率に差を生ぜせしめてなる農薬粒剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より農薬粒剤に関し、多くの改良技
術が報告されている。例えばハロアセトニトリル系除草
剤,スルホニルウレア系除草剤を含有する農薬粒剤に、
フェニルトリアジンを添加することにより、該除草剤の
水稲などに対する薬害が軽減できること(特開昭60-260
502号,同60-260503号参照)、ハロアセトニトリル系除
草剤を含有する農薬粒剤にフェニルピリジンを添加する
ことにより、該除草剤の種々の作物に対する薬害を軽減
できること(特開昭63-303903号参照)。また、農薬の
水中への溶出速度を調節することにより、不必要に多量
に溶出せず農薬の効果を維持しつつ、薬害を軽減する方
法も多数報告されている(特開平1-316302号,特開昭60
-226801号,特開昭56-65802号等参照)。さらに、茎葉
吸収型除草活性化合物と比重が0.80ないし1未満で
粘度が300cps以下であり、水に実質的に不溶性の
エステル系油性液体とを粒剤中に保持させ、茎葉吸収型
除草活性化合物をエステル系油性液体と共に水面に浮上
させる技術が報告されている(特開平5-65201号参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、茎また
は葉より吸収させることが好ましい茎葉吸収指向性農薬
活性成分と根部より吸収させることが好ましい根部吸収
指向性農薬活性成分とを含有する農薬粒剤を水中に投与
した場合、茎葉吸収指向性農薬活性成分の水面への浮上
率と根部吸収指向性農薬活性成分の水面への浮上率との
間に差を生ぜしめ、さらに前者を高く後者を低くせしめ
る農薬粒剤は未だかって知られおらず、このような農薬
粒剤の開発が望まれていた。本発明は、茎葉吸収指向性
農薬活性成分と根部吸収指向性農薬活性成分との水田水
面への浮上率に差を生ぜせしめてなる農薬粒剤の提供を
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の状況を考慮し、本
願発明者らは鋭意研究検討した結果、比重1以上で水不
溶性の固体担体(d)と根部吸収指向性農薬活性成分(c)と
を均一混合し、次いで該混合物を造粒して得られる粒状
基材に茎葉吸収指向性農薬活性成分(a)を比重1未満で
水不溶性の高沸点有機溶媒(b)に溶解状態とした溶液を
含浸させることにより製造した農薬粒剤が、茎葉吸収指
向性農薬活性成分の水面への浮上率を高く、根部吸収指
向性農薬活性成分の水面への浮上率を低くし得ることを
見いだした。そしてこの知見に基づいてさらに研究を重
ね、本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、(1)茎葉吸収指向性農薬
活性成分(a)を比重1未満で水不溶性の高沸点有機溶媒
(b)に溶解状態とした溶液、根部吸収指向性農薬活性成
分(c)、および比重1以上で水不溶性の固体担体(d)から
なり、(a)と(c)との水田水面への浮上率に差を生ぜせし
めてなる農薬粒剤、(2)根部吸収指向性農薬活性成分
(c)と比重1以上で水不溶性の固体担体(d)との均一混合
物の表層に、茎葉吸収指向性農薬活性成分(a)を比重1
未満で水不溶性の高沸点有機溶媒(b)に溶解状態とした
溶液を含浸せしめてなる上記(1)記載の農薬粒剤、
(3)茎葉吸収指向性農薬活性成分(a)を比重1未満で
水不溶性の高沸点有機溶媒(b)に溶解状態とした溶液、
(b)に不溶性または難溶性の根部吸収指向性農薬活性成
分(c')、および比重1以上で水不溶性の固体担体(d)の
均一混合物の表層に、(c')とは異なり(b)に易溶性の根
部吸収指向性農薬活性成分(c'')を含浸せしめてなる上
記(1)記載の農薬粒剤、(4)茎葉吸収指向性農薬活
性成分が茎葉吸収指向性除草活性成分である上記(1)
記載の農薬粒剤、(5)根部吸収指向性農薬活性成分が
根部吸収指向性除草活性成分である上記(1)記載の農
薬粒剤、(6)根部吸収指向性農薬活性成分がアニリド
系除草剤,トリアジン系除草剤またはスルホニルウレア
系除草剤である上記(1)記載の農薬粒剤、(7)比重
1未満で水不溶性の高沸点有機溶媒(b)に不溶性または
難溶性の根部吸収指向性農薬活性成分(c')がスルホニル
ウレア系除草剤である上記(3)記載の農薬粒剤、
(8)比重1未満で水不溶性の高沸点有機溶媒(b)に易
溶性の根部吸収指向性農薬活性成分(c'')がアニリド系
除草剤またはトリアジン系除草剤である上記(3)記載
の農薬粒剤、および(9)スルホニルウレア系除草剤が
1-(2-クロロイミダゾ〔1,2-a〕ピリジン-3-イルスルホ
ニル)-3-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)尿素であ
る上記(6)または(7)記載の農薬粒剤に関する。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。上記茎葉
吸収指向性農薬活性成分としては、通常対象植物の茎ま
たは葉より吸収させることが望ましい除草活性成分また
は殺虫活性成分が、好ましくは通常対象植物の茎または
葉より吸収させることが望ましい除草活性成分が挙げら
れる。該茎葉吸収指向性除草活性成分の好ましい具体例
としては、例えばフェノキシ有機酸エステル系除草剤、
チオカーバメート系除草剤、好ましくはフェノキシ-C
2-6脂肪族カルボン酸-C1-8アルキルエステル系除草
剤、ベンジルチオカーバメート系除草剤、特に好ましく
はフェノキシプロピオン酸エステル-C1-8アルキルエス
テル系除草剤である。該茎葉吸収指向性殺虫活性成分の
好ましい具体例としては、例えば合成ピレスロイド系殺
虫剤、チアジアジン系殺虫剤、好ましくは合成ピレスロ
イド系殺虫剤である。上記茎葉吸収指向性農薬活性成分
は単独でも、2種類以上を適宜の割合に混合して用いて
もよい。本発明の農薬粒剤は、上記茎葉吸収指向性農薬
活性成分を約0.5〜30重量%、好ましくは約1〜2
0重量%含有する。
【0007】上記根部吸収指向性農薬活性成分として
は、通常対象植物の根部より吸収させることが望ましい
除草活性成分または殺虫成分が、好ましくは通常対象植
物の根部より吸収させることが望ましい除草活性成分が
挙げられる。該根部吸収指向性除草活性成分の好ましい
具体例としては、例えばスルホニルウレア系除草剤,ト
リアジン系除草剤,アニリド系除草剤、尿素系除草剤、
カーバメート系除草剤、特に好ましくはスルホニルウレ
ア系除草剤,トリアジン系除草剤,アニリド系除草剤で
ある。該根部吸収指向性殺虫活性成分の好ましい具体例
としては、例えばカーバメート系殺虫剤、ネライストキ
シン系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、特に好ましくはネラ
イストキシン系殺虫剤である。上記根部吸収指向性農薬
活性成分は単独でも、2種類以上を適宜の割合に混合し
て用いてもよい。本発明の農薬粒剤は、上記根部吸収指
向性農薬活性成分を約1〜30重量%、好ましくは約2
〜20重量%含有する。
【0008】上記比重1未満で水不溶性の高沸点有機溶
媒としては、比重約0.7から1未満で水100mlに対
する溶解度が約0.1mg以下の沸点約150℃以上の有
機溶媒、好ましくは比重約0.8から1未満で水100
mlに対する溶解度が約0.05mg以下の沸点約200〜
450℃の有機溶媒が挙げられる。該有機溶媒の好まし
い具体例としては、例えばアルキルフェノール類(例、
オルトセカンダリーブチルフェノール等のC4-6アルキ
ル−フェノールなど)、アルキルアリール類(例、ドデ
シルベンゼン等のC10-15アルキル−C6-10アリールな
ど)、脂肪族モノカルボン酸エステル類(例、オレイン
酸オクチル等のC16-20飽和若しくは不飽和カルボン酸
6-12アルキルエステルなど)、脂肪族ジカルボン酸ジ
エステル類(例、アジピン酸ジオクチル等のC3-5ジカ
ルボン酸ジC7-10アルキルエステルなど)、リン酸トリ
エステル類(例、トリブチルフォスフェート等のトリC
4-10アルキルフォスフェートなど)、芳香族カルボン酸
エステル類(例、安息香酸ブチル等の安息香酸C1-6
ルキルエステル、フタル酸ジトリデシル等のフタル酸ジ
10-18アルキルエステルなど)等が挙げられる。これ
らの中で、アルキルフェノール類(例、オルトセカンダ
リーブチルフェノール等のC4-6アルキル−フェノール
など)、脂肪族モノカルボン酸エステル類(例、オレイ
ン酸オクチル等のC16-20飽和若しくは不飽和カルボン
酸C6-12アルキルエステルなど)、脂肪族ジカルボン酸
ジエステル類(例、アジピン酸ジオクチル等のC3-5
カルボン酸ジC7-10アルキルエステルなど)、リン酸ト
リエステル類(例、トリブチルフォスフェート等のトリ
4-10アルキルフォスフェートなど)、芳香族カルボン
酸エステル類(例、安息香酸ブチル等の安息香酸C1-6
アルキルエステル、フタル酸ジトリデシル等のフタル酸
ジC10-18アルキルエステルなど)が好ましい。さら
に、脂肪族モノカルボン酸エステル類(例、オレイン酸
オクチル等のC16-20飽和若しくは不飽和カルボン酸C
6-12アルキルエステルなど)、脂肪族ジカルボン酸ジエ
ステル類(例、アジピン酸ジオクチル等のC3-5ジカル
ボン酸ジC7-10アルキルエステルなど)、芳香族カルボ
ン酸エステル類(例、安息香酸ブチル等の安息香酸C
1-6アルキルエステル、フタル酸ジトリデシル等のフタ
ル酸ジC10-18アルキルエステルなど)が特に好まし
い。上記有機溶媒は、単独でも、2種類以上を適宜の割
合に混合して用いてもよい。本発明の農薬粒剤は、上記
比重1未満で水不溶性の高沸点有機溶媒を約1〜20重
量%、好ましくは約1.5〜15重量%含有する。
【0009】上記比重1以上で水不溶性の固体担体とし
ては、農薬粒剤の製造に通常使用される固体担体で比重
が1〜約20で水100gに対する溶解度が約0.01m
g以下の固体担体が挙げられる。該固体担体の好ましい
具体例として、例えば無機質固体粉末(例、珪藻土,燐
灰石,石膏,タルク,ベントナイト,クレー,カオリ
ン,炭酸カルシウム,酸性白土,モンモリロナイト,長
石,石英,ホワトカーボン,アルミナ等)、植物性粉末
(例、大豆粉,小麦粉,タバコ粉,クルミ粉,木粉等)
が挙げられる。これらのうち、ベントナイト、クレー、
タルク、炭酸カルシウムが特に好ましい。上記固体担体
は最終的に担体の比重が1以上となれば、比重が1未満
の固体担体と組み合わせて使用することもできる。ま
た、上記固体担体は単独でも、2種類以上を適宜の割合
で組み合わせて用いることができる。本発明の農薬粒剤
は、上記比重1以上で水不溶性の固体担体を約30〜9
9重量%、好ましくは約40〜99重量%含有する。
【0010】上記比重1未満で水不溶性の高沸点有機溶
媒(d)に不溶性または難溶性の根部吸収指向性農薬活性
成分(c')としては、(d)に対する溶解度が約0.01mg/
ml以下の前述の根部吸収指向性農薬活性成分、好ましく
は(d)に対する溶解度が約0.005mg/ml以下の前述の
根部吸収指向性農薬活性成分が挙げられる。具体的に
は、例えばスルホニルウレア系除草剤、ネライストキシ
ン系殺虫剤が、好ましくはスルホニルウレア系除草剤挙
げられる。特にイマゾスルフロンが好ましい。これらの
比重1未満で水不溶性の高沸点有機溶媒(d)に不溶性ま
たは難溶性の根部吸収指向性農薬活性成分(c')は単独で
も、2種類以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
本発明の農薬粒剤は、上記比重1未満で水不溶性の高沸
点有機溶媒(d)に不溶性または難溶性の根部吸収指向性
農薬活性成分(c')を約0.05〜30重量%、好ましく
は約0.1〜20重量%含有する。
【0011】上記比重1未満で水不溶性の高沸点有機溶
媒(d)に易溶性の根部吸収指向性農薬活性成分(c'')とし
ては、(d)に対する溶解度が約0.1mg/ml以上の前述の
根部吸収指向性農薬活性成分、好ましくは(d)に対する
溶解度が約0.5mg/ml以上の前述の根部吸収指向性農
薬活性成分が挙げられる。具体的には、例えばトリアジ
ン系除草剤,アニリド系除草剤、有機リン系殺虫剤が、
好ましくはトリアジン系除草剤,アニリド系除草剤が挙
げられる。これらの比重1未満で水不溶性の高沸点有機
溶媒(d)に易溶性の根部吸収指向性農薬活性成分(c'')は
単独でも、2種類以上を適宜の割合で混合して用いても
よい。本発明の農薬粒剤は、上記比重1未満で水不溶性
の高沸点有機溶媒(d)に易溶性の根部吸収指向性農薬活
性成分(c'')を約1〜30重量%、好ましくは約2〜2
0重量%含有する。
【0012】本発明の農薬粒剤には、必要に応じ界面活
性剤を適宜の割合で配合することも有効である。該界面
活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、ノニオン
界面活性剤、水溶性高分子物質が挙げられる。アニオン
界面活性剤の好ましい具体例としては、例えばC12-18
アルキル硫酸塩(ナトリウム塩,カリウム塩,アンモニ
ウム塩,有機アミン塩など)、ポリオキシエチレンC
4-12アルキルフェニルエーテル硫酸塩(ナトリウム塩,
アンモニウム塩,有機アミン塩など)、ポリオキシエチ
レンC12-18アルキルエーテル硫酸塩(ナトリム塩,ア
ンモニウ塩,有機アミン塩など)、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンブロックポリマー硫酸塩(ナトリ
ウム塩,アンモニウム塩,有機アミン塩など)等のサル
フェート系アニオン界面活性剤;ドデシルベンゼンスル
ホン酸塩(ナトリウム塩,アンモニウム塩,有機アミン
塩など)、モノ−もしくはジ−C9-12アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩(ナトリウム塩,アンモニウム塩な
ど)、ナフタレンスルホン酸の塩(ナトリウム塩など)
−ホルマリン縮合物、ジ−C6-8アルキルスルホサクシ
ネート(ナトリウム塩など)、リグニンスルホン酸塩
(ナトリウム塩,カルシウム塩など)等のスルホネート
系アニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテルリン酸エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテルリン酸エステルナトリウム
塩等のポリオキシエチレネーテル型リン酸エステル系ア
ニオン界面活性剤等が挙げられる。ノニオン界面活性剤
の好ましい具体例としては、例えばポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンベンジルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンC12-18脂肪酸エステ
ル等のポリオキシエチレン型ノニオン界面活性剤;サー
フィノール104,104E,104H,TG,TG−
E,PC,61,82,440,465,485等の商
品名(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製,米
国)で知られるアセチレングリコール系界面活性剤が挙
げられる。水溶性高分子物質の好ましい具体例として
は、例えばカルボキシメチルセルロース、ポリビニルア
ルコール、アルギン酸塩、ポリアクリル酸塩、もしくは
イソバン1−1,1−2,1−3,2−1,2−2,2
−3,3−1,3−2,3−3,SF−837,SF−
842,SF−635(商品名,クラレ・イソプレン・
ケミカル社製,日本)等のマレイン酸イソブチル・コポ
リマー塩(ナトリウム塩,カリウム塩,カルシウム塩,
アンモニウム塩,有機アミン塩など)等が挙げられる。
さらにまた、所望によりカチオン界面活性剤や両性イオ
ン界面活性剤を配合することも有効である。上記界面活
性剤は単独でも、2種類以上を適宜の割合で混合して用
いてもよい。本発明の農薬粒剤への配合量は、農薬粒剤
1重量部に対し、約0.001〜0.2重量部、好まし
くは約0.005〜0.1重量部、特に好ましくは約
0.01〜0.07重量部である。
【0013】さらに、農薬粒剤に通常使用される他の補
助剤(例、展着剤、防腐剤、乳化剤、分解防止剤、固化
防止剤、大豆レシチン等の活性増強剤など)、他の農薬
活性成分(例、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、抗ウイル
ス剤、誘引剤、植物生長調節剤)、肥料等を所望により
本発明の農薬粒剤に含有させるか若しくは、本発明の農
薬粒剤と併用することも有効である。
【0014】本発明の農薬粒剤において、茎葉吸収指向
性農薬活性成分(a)と根部吸収指向性農薬活性成分(c)の
水田水面への浮上率の差は、(a)の水田水面への浮上率
が(c)の水田水面への浮上率より高ければ特に限定はさ
れない。具体的には、(a)の水田水面への浮上率/(c)の
水田水面への浮上率が約1.6以上、好ましくは約1.
7以上である。また、茎葉吸収指向性農薬活性成分(a)
の水面への浮上率は活性成分の種類、薬効発現上の制約
等により異なるが、具体的には、例えば約8%以上、好
ましく約8〜35%である。
【0015】本発明の農薬粒剤の製造は、農薬製剤の製
造に一般に用いられている造粒法(例、押し出し造粒法
など)により製造される粒状基材に液状成分を自体公知
の方法により含浸させることにより行なうことができ
る。具体的には、例えば次のA法またはB法が挙げられ
る。 A法 比重1以上で水不溶性の固体担体(d)、茎葉吸収指向性
農薬活性成分(a)を比重1未満で水不溶性の高沸点有機
溶媒(b)に溶解状態とした溶液、(b)に不溶性または難溶
性の根部吸収指向性農薬活性成分(c')を、前述した最終
含量となるように用い、さらに所望により前述の界面活
性剤、補助剤、他の農薬活性成分を加え、この混合物に
水を加え、均一に練合した後、押し出し造粒機(例、R
G−5M,菊水製作所製)を用い造粒して粒状基材を製
造する。この粒状基材に、(b)に易溶性の根部吸収指向
性農薬活性成分(c'')を、前述した最終含量となるよう
に含浸させることにより本発明の農薬粒剤を製造する。
ここで、(c'')を粒状基材に含浸させる方法としては、
例えば(c'')が液状である場合、あるいは2種類以上混
合し所望により加温(例、約30〜60℃)することによ
り液状となる場合そのまま含浸させることができる。ま
た例えば(c'')を溶解する低沸点有機溶媒(例、ジクロ
ルメタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、メタノー
ル,エタノール等のアルコール類など)に溶解した後含
浸させ、該低沸点有機溶媒を除去することによっても行
なうことができる。各成分の使用量は次の通りである。
(d)1重量部に対し、(a)を約0.05〜1重量部、好ま
しくは約0.01〜0.5重量部用いる。(d)1重量部
に対し、(b)を約0.01〜0.6重量部、好ましくは
約0.015〜0.38重量部用いる。(d)1重量部に
対し、(c')を約0.0005〜1重量部、好ましくは約
0.01〜0.5重量部用いる。(d)1重量部に対し、
(c'')を約0.01〜1重量部、好ましくは約0.02
〜0.5重量部用いる。 B法 比重1以上で水不溶性の固体担体(d)および根部吸収指
向性農薬活性成分(c)を前述した最終含量となるように
用い、さらに所望により前述の界面活性剤、補助剤、他
の農薬活性成分を加え、この混合物に水を加え、均一に
練合した後、押し出し造粒機(例、RG−5M,菊水製
作所製)を用い造粒して粒状基材を製造する。この粒状
基材に、茎葉吸収指向性農薬活性成分(a)を比重1未満
の水不溶性の高沸点有機溶媒(b)に溶解状態とした溶液
を含浸させることにより本発明の農薬粒剤を製造する。
各成分の使用量は次の通りである。(d)1重量部に対
し、(a)を約0.05〜1重量部、好ましくは約0.0
1〜0.5重量部用いる。(d)1重量部に対し、(b)を約
0.01〜0.6重量部、好ましくは約0.015〜
0.38重量部用いる。(d)1重量部に対し、(c)を約
0.01〜1重量部、好ましくは約0.02〜0.5重
量部用いる。上記A法またはB法における茎葉吸収指向
性農薬活性成分(a)を比重1未満で水不溶性の高沸点有
機溶媒(b)に溶解状態とした溶液の製造は、(a)を(b)に
加え溶解する方法、(b)を(a)に加え溶解する方法により
行なうことができる。本発明により提供される農薬粒剤
は、水田用農薬粒剤として、湛水状態の水田に、自体公
知の方法(例、手撒き,動力散布等)により散布され
る。散布量は、農薬活性成分、使用目的(例、除草,殺
虫)などにより異なるが、例えば稲作時の有害雑草の防
除を目的とし、本発明の農薬粒剤を10アール当たり約
0.5〜5kg、好ましくは約1〜4kgを散布する。
本発明により提供される農薬粒剤は、茎葉吸収指向性農
薬活性成分(a)と根部吸収指向性農薬活性成分(c)とを同
一の製剤中に含有し、水田水面への(a)の浮上率を(c)の
浮上率より高くすることにより、(a)および(c)それぞれ
の農薬活性を効率よく発揮させることができる。
【0016】
【実施例】以下に実施例、実験例を記載し、本発明を更
に詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるもの
ではない。尚、ここにおいて用いられるパーセント(%)
および部は、特に断りのないかぎり重量%および重量部
である。 実施例1 カルタップ塩酸塩 4.0部 〔1,3-ビス(カルバモイルチオ)-2-(N,N-ジメチルアミノ)プロパン塩酸塩〕 エトフェンプロックス 1.0部 〔2-(4-エトキシフェニル)-2-メチルプロピル=3- フェノキシベンジル=エーテル〕 NDデキストリンS 6.0部 (TM:登録商標であることを示す、以下同様,日澱化学社製,デキストリン) リン酸 1.5部 ノニポール85 0.5部 (TM, 三洋化成工業社製,ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル) ソルポール5073 3.0部 (TM, 東邦化学工業社製,ホ゜リオキシエチレンアルキルアリルエーテルサルフエート,ホ゜リオキシエチレンアルキル エーテル,無機炭酸塩, ホワイトカーホ゛ン) アルケン56N 8.0部 (商品名, 日本石油洗剤社製,モノアルキルベゼン) クレー 76.0部 全量 100 部 小型ニーダーにクレー(76.0部),カルタップ塩酸塩
(4.0部),NDデキストリンS(6.0部),リン酸(1.
5部),ソルポール5073(3.0部)を順次投入し、20
分間混合した。その後、水道水を加えて練合し、押し出
し式造粒機(RG-5M,菊水製作所社製)により造粒し、
流動層乾燥機(MDB-400,不二パウダル社製)で60
℃,20分間乾燥した。得られた粒状基材(91部)に
対し、エトフェンプロックス(1.0部)をアルケン56N
(8.0部)に溶解した溶液を含浸し、16〜48メッシ
ュで篩過し、農薬粒剤を製造した。
【0017】実施例2 カルタップ塩酸塩 4.0部 ブプロフェジン 2.0部 (2-ターシャリーフ゛チルイミノ-3-イソフ゜ロヒ゜ル-5-フェニル-3,4,5,6-テトラヒト゛ロ-2H-1,3,5-チアシ゛アシ ゛ン-4-オン) トキサノンGR30 2.0部 (TM,三洋化成工業社製,ポリアクリル酸塩) サンモリンOT 0.5部 (TM,三洋化成工業社製,ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム) リン酸 1.5部 リグニンスルホン酸カルシウム 5.0部 アルケン56N 8.0部 粒剤用クレー 77.0部 全量 100 部 小型ニーダーに粒剤用クレー(77.0部),リグニンス
ルホン酸カルシウム(5.0部),カルタップ塩酸塩
(4.0部),トキサノンGR30(2.0部),サンモリンOT
(0.5部),リン酸(85%,1.5部)を順次投入し、2
0分間混合した。その後、水道水を加えて練合し、実施
例1と同様にして造粒し、乾燥した。得られた粒状基材
(90.0部)に対し、ブプロフェジン(2.0部)をア
ルケン56N(8.0部)に溶解した溶液を含浸し、16〜
48メッシュで篩過し、農薬粒剤を製造した。
【0018】実施例3 イマゾスルフロン 0.9部 ジメタメトリン 0.6部 〔2-メチルチオ-4-エチルアミノ-6-(1,2-シ゛メチルフ゜ロヒ゜ルアミノ)-S-トリアシ゛ン〕 プレチラクロール 4.5部 〔2-クロロ-2',6'-シ゛エチル-N-(2-フ゜ロホ゜キシエチル)アセトアニリト゛〕 アグリゾールG200 1.0部 (TM,花王社製,ポリアクリル酸塩) イソバンSF-635 3.0部 (TM,クラレ社製,マレイン酸イソブチル・コポリマー塩) ハイテノールNF13 2.0部 (TM,第一工業製薬社製,ホ゜リオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェート) NDデキストリンS 3.0部 ベントナイト 50.0部 ホワイトカーボン 6.0部 ジークライトクレー 15.2部 シハロホップブチル 1.8部 〔フ゛チル=(R)-2-〔4(4-シアノ-2-フルオロフェノキシ)フェノキシ〕フ゜ロヒ゜オナート〕 ビニサイザー20 12.0部 (TM,花王社製,フタル酸ジトリデシル) 全量 100 部 ニーダーにイマゾスルフロン(0.9部),ジメタメトリ
ン(0.6部)を予め加温溶解したプレチラクロール(4.
5部),アグリゾールG200(1.0部),イソバンSF-6
35(3.0部),ハイテノールNF13(2.0部),NDデ
キストリンS(3.0部),ベントナイト(50部),ホワ
イトカーボン(6部),ジークライトクレー(15.2部)
を投入し、均一に混合し、水(15部)を加えて実施例1
と同様にして練合し、造粒乾燥して粒基剤を得た。この
粒基剤に予めシハロホップブチル(1.8部)をビニサイ
ザー20(12部)に加温溶解させた溶液を含浸させた。
【0019】実施例4 ニーダーにイマゾスルフロン(0.9部),シハロホップ
ブチル(1.8部)をビニサイザー20(12.0部)に溶解
した溶液,アグリゾールG200(1.0部),イソバンS
F-635(3.0部),ハイテノールNF13(2.0部),N
DデキストリンS(3.0部),ベントナイト(50部),
ホワイトカーボン(6.0部),ジークライトクレー(1
5.2部)を投入し、均一に混合し、水(12部)を加えて
実施例1と同様にして練合し、造粒乾燥して粒基剤を得
た。この粒基剤に予めジメタメトリン(0.6部)をプ
レチラクロール(4.5部)に加温溶解した溶液を含浸さ
せた。
【0020】実施例5 ニーダーにイマゾスルフロン(0.9部),予めシハロホ
ップブチル(1.8部)をビニサイザー20(12.0部)に
溶解した溶液,NDデキストリンS(3.0部),トリポ
リリン酸ナトリウム塩(2.0部),ハイテノールNF1
3(1.0部),サンモリンOT(0.4部),イソバンSF-635
(3.0部),アグリゾールG200(1.0部),ベントナ
イト(35.0部),ホワイトカーボン(7.0部),炭酸カ
ルシウム(27.8部)を投入し、均一に混合し、水(20
部)を加えて練合し、実施例1と同様にして造粒乾燥し
て粒基剤を得た。この粒基剤に予めジメタメトリン(0.
6部)をプレチラクロール(4.5部)に加温溶解した溶液
を含浸させた。
【0021】実施例6 ベンスルタップ 4.0部 〔S,S'-2-シ゛メチルアミノトリメチレン=シ゛(ヘ゛ンセ゛ンスルホナート)〕 シラフルオフェン 1.0部 {〔3-(4-フルオロ-3-フェノキシフェニル)フ゜ロヒ゜ル〕(シ゛メチル)シラン} アジピン酸ジオクチル 6.0部 トキサノンGR31A 2.0部 (TM,三洋化成工業社製,ポリアクリル酸塩) サンモリンOT 0.5部 NDデキストリンS 3.0部 ホワイトカーボン 2.0部 炭酸カルシウム 81.5部 全量 100 部 小型ニーダーに炭酸カルシウム(81.5部),ホワイト
カーボン(2.0部),NDデキストリンS(3.0部),
ベンスルタップ(4.0部),トキサノンGR31A(2.0
部),サモリンOT(0.5部)を順次投入し、20分間混
合した。その後、水道水を加えて練合し、実施例1と同
様にして造粒し、乾燥した。得られた粒状基材(82.
8部)に対し、シラフルオフェン(1.0部)をアジピン
酸ジオクチル(6.0部)に溶解した溶液を含浸し、16
〜48メッシュで篩過し、農薬粒剤を製造した。
【0022】実施例7 イマゾスルフロン 0.3部 プレチラクロール 1.5部 ジメタメトリン 0.2部 エスプロカルブ 7.0部 〔S-ヘ゛ンシ゛ル=1,2-シ゛メチルフ゜ロヒ゜ル(エチル)チオカーハ゛メート〕 フタル酸ジトリデシル 12.0部 NDデキストリンS 3.0部 ホワイトカーボン 6.0部 トキサノンGR31A 2.0部 サンモリンOT 0.5部 ベントナイト 35.0部 炭酸カルシウム 32.5部 全量 100 部 小型ニーダーに炭酸カルシウム(32.5部),ホワイト
カーボン(6.0部),ベントナイト(35.0部),NDデ
キストリンS(3.0部),イマゾスルフロン(0.3
部),プレチラクロール(1.5部),ジメタメトリン
(0.2部),トキサノンGR31A(2.0部),サモリンOT
(0.5部)を順次投入し、20分間混合した。その後、
水道水を加えて練合し、実施例1と同様にして造粒し、
乾燥した。得られた粒状基材(81.0部)に対し、エ
スプロカルブ(7.0部)をフタル酸ジトリデシル(1
2.0部)に溶解した溶液を含浸し、16〜48メッシ
ュで篩過し、農薬粒剤を製造した。
【0023】実施例8 小型ニーダーに炭酸カルシウム(30.2部),ホワイト
カーボン(5.0部),ベントナイト(35.0部),NDデ
キストリンS(3.0部),イマゾスルフロン(0.3
部),ダイムロン(5.0部),トキサノンGR31A(2.0
部),サモリンOT(0.5部)を順次投入し、20分間混
合した。その後、水道水を加えて練合し、実施例1と同
様にして造粒し、乾燥した。得られた粒状基材(81.
0部)に対し、エスプロカルブ(7.0部)をSAS-296(1
2.0部)に溶解した溶液を含浸し、16〜48メッシ
ュで篩過し、農薬粒剤を製造した。
【0024】比較例1 ニーダーにイマゾスルフロン(0.9部),予めジメタメ
トリン(0.6部)をプレチラクロール(4.5部)に溶解
した溶液,シハロホップブチル(1.8部)を予めビニサ
イザー20(12.0部)に加温溶解した溶液,アグリゾ
ールG200(1.0部),イソバンSF-635(3.0部),ハ
イテノールNF13(1.0部),NDデキストリンS
(3.0部),ベントナイト(50.0部),ジークライトク
レー(22.2部)を投入し、均一に混合し、水(15部)
を加えて練合し、実施例1と同様にして造粒乾燥して農
薬粒剤を得た。
【0025】比較例2 ニーダーにイマゾスルフロン(0.9部),ジメタメトリ
ン(0.6部)を予めプレチラクロール(4.5部)に加温溶
解した溶液,シハロホップブチル(1.8部)を予めビニ
サイザー20(6.0部)に加温溶解した溶液,トキサノ
ンGR31A(2.0部),サンモリンOT(0.5部),N
DデキストリンS(3.0部),ベントナイト(30.0
部),炭酸カルシウム(50.7部)を投入し、均一に混合
し、水(20部)を加えて練合し、実施例1と同様にして
造粒乾燥して農薬粒剤を得た。
【0026】実験例1 水面への浮上率測定法 225cc容のマヨネーズ瓶に蒸留水200ccを入れ、農
薬粒剤1gを投入し、25℃で16.5時間静置する。
その後、水面にヘキサン-塩化メチレン容量1:1の混
合溶媒20ccを加え、軽く撹拌してから、上層から混合
溶媒5ccをホールピペットで採取し、その混合溶媒中に
溶けている主薬濃度をHPLCにより測定する。浮上率
は以下の計算式より算出される。
【数1】 測定結果を〔表1〕に示す。
【表1】
【0027】実験例2 除草効果、薬害の評価法 除草効果試験 1/5000aワグネルポットに水田土壌を充填し、入
水代掻後タイヌビエの種子を土壌表層に播種した。タイ
ヌビエの2.6葉期に実施例3および比較例1の各農薬
粒剤の所定量(10a当たり粒剤0.5kg,1kg散布相
当)を秤り取り、各3連制で処理した。なお薬剤処理は
屋外で行い、4時間後に温室内に搬入した。調査は薬剤
処理28日後に、観察評価〔0(作用なし)〜100
(完全枯殺)〕を行った後に、生存個体数、地上部乾燥
重を測定した結果を〔表2〕に示す。表中、無処理区の
( )内は生存固体数(本)および地上乾燥重(g)の実測
値を示す。
【表2】 なお、枯殺率および乾燥重抑制率はそれぞれ以下の計算
式により算出される。
【数2】
【数3】
【0028】実験例3 薬害試験 屋外の屋根付ポット台において1/5000aワグネル
ポットに水田土壌を充填し、入水代掻後、水稲稚苗(2
葉期)をポット当たり2株、移植深度+2cmに移植し、
水深5cmに湛水した。移植20日後に実施例3および比
較例1の各農薬粒剤の所定量を秤り取り、各3連制で処
理した。薬剤処理28日後に、観察評価〔0(作用な
し)〜100(完全枯殺)〕を行った後、草丈、茎数、
地上部乾燥重を測定した。結果を〔表3〕に示す。表
中、無処理区の( )内は草丈(cm),茎数(本)および地
上部乾燥重(g)の実測値を示す。
【表3】 なお、対無処理区比率は以下の計算式により算出され
る。
【数4】 〔表2〕、〔表3〕より、実施例3の農薬粒剤は比較例
1の農薬粒剤と比較して、薬効はほぼ同じで薬害が大幅
に軽減されているのがわかる。
【0029】
【発名の効果】本発明により提供される農薬粒剤は、茎
葉吸収指向性農薬活性成分(a)と根部吸収指向性農薬活
性成分(c)とを同一の製剤中に含有し、水田水面への(a)
の浮上率を(c)の浮上率より高くすることにより、(a)お
よび(c)それぞれの農薬活性を効率よく発揮させること
ができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 43/66 47/10 A 47/28 A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】茎葉吸収指向性農薬活性成分(a)を比重1
    未満で水不溶性の高沸点有機溶媒(b)に溶解状態とした
    溶液、根部吸収指向性農薬活性成分(c)、および比重1
    以上で水不溶性の固体担体(d)からなり、(a)と(c)との
    水田水面への浮上率に差を生ぜせしめてなる農薬粒剤。
  2. 【請求項2】根部吸収指向性農薬活性成分(c)と比重1
    以上で水不溶性の固体担体(d)との均一混合物の表層
    に、茎葉吸収指向性農薬活性成分(a)を比重1未満で水
    不溶性の高沸点有機溶媒(b)に溶解状態とした溶液を含
    浸せしめてなる請求項1記載の農薬粒剤。
  3. 【請求項3】茎葉吸収指向性農薬活性成分(a)を比重1
    未満で水不溶性の高沸点有機溶媒(b)に溶解状態とした
    溶液、(b)に不溶性または難溶性の根部吸収指向性農薬
    活性成分(c')、および比重1以上で水不溶性の固体担体
    (d)の均一混合物の表層に、(c')とは異なり(b)に易溶性
    の根部吸収指向性農薬活性成分(c'')を含浸せしめてな
    る請求項1記載の農薬粒剤。
  4. 【請求項4】茎葉吸収指向性農薬活性成分が茎葉吸収指
    向性除草活性成分である請求項1記載の農薬粒剤。
  5. 【請求項5】根部吸収指向性農薬活性成分が根部吸収指
    向性除草活性成分である請求項1記載の農薬粒剤。
  6. 【請求項6】根部吸収指向性農薬活性成分がアニリド系
    除草剤,トリアジン系除草剤またはスルホニルウレア系
    除草剤である請求項1記載の農薬粒剤。
  7. 【請求項7】比重1未満で水不溶性の高沸点有機溶媒
    (b)に不溶性または難溶性の根部吸収指向性農薬活性成
    分(c')がスルホニルウレア系除草剤である請求項3記載
    の農薬粒剤。
  8. 【請求項8】比重1未満で水不溶性の高沸点有機溶媒
    (b)に易溶性の根部吸収指向性農薬活性成分(c'')がアニ
    リド系除草剤またはトリアジン系除草剤である請求項3
    記載の農薬粒剤。
  9. 【請求項9】スルホニルウレア系除草剤が1-(2-クロロ
    イミダゾ〔1,2-a〕ピリジン-3-イルスルホニル)-3-(4,6
    -ジメトキシピリミジン-2-イル)尿素である請求項6ま
    たは7記載の農薬粒剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003082008A1 (fr) * 2002-03-29 2003-10-09 Kumiai Chemical Industry Co., Ltd. Composition agrochimique granulaire
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