JPH08174651A - 高発泡シート状熱成形品の製造方法 - Google Patents

高発泡シート状熱成形品の製造方法

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JPH08174651A
JPH08174651A JP33456594A JP33456594A JPH08174651A JP H08174651 A JPH08174651 A JP H08174651A JP 33456594 A JP33456594 A JP 33456594A JP 33456594 A JP33456594 A JP 33456594A JP H08174651 A JPH08174651 A JP H08174651A
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Japan
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resin layer
foamed resin
sheet
air
foamed
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JP33456594A
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English (en)
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Tetsuo Yasuike
徹郎 安池
Ikuya Ishii
伊久哉 石井
Takatsugu Moriwaki
隆次 森脇
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡樹脂層を有する多層シートから、安全且
つ簡便な手段により、熱成形時において高発泡のシート
状熱成形品を製造する方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 中間層となる発泡樹脂層1Aの両外層に、非
通気性の非発泡樹脂層1Bを設けた少なくとも3層以上
の多層シート1を、雌金型5を用い真空成形して高発泡
シート状熱成形品を製造するにあたり、一方の側の非通
気性の非発泡樹脂層1Bに多層シート1の外部から発泡
樹脂層1Aに至る貫通孔2を複数設ける操作と、貫通孔
2を設ける側の非通気性の非発泡樹脂層1Bの表面温度
を、貫通孔2を設けない側の非通気性の非発泡樹脂層1
Bの表面温度より低い温度に加熱する操作とを、任意の
順序で行なった後、貫通孔2を設けない側の非通気性の
非発泡樹脂層1Bを雌金型5側に位置させ、次いで雌金
型5側より真空吸引することを特徴とする高発泡シート
状熱成形品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡樹脂層を有する多
層シートから、安全且つ簡便な手段により、熱成形時に
おいて高発泡のシート状熱成形品を製造する方法に関す
る。本発明の方法により得られる高発泡のシート状熱成
形品は、自動車,家電製品,包装資材等の分野における
断熱材、緩衝材などとして好適に利用することができ
る。
【0002】
【従来の技術】高発泡の成形品は、自動車,電気冷蔵庫
などの断熱材・緩衝材として有用であるが、シート原反
が嵩張るため、輸送コスト並びにシートの在庫スペース
上の問題が有った。そこで、ブタンガス等を発泡シート
内に残留させておき、熱成形時にブタンガスの体積拡大
により2次発泡させる方法や、これらの加熱シートを両
面から真空に引き、2次発泡を促進する方法(特開平4
−332623号公報)が提案されている。
【0003】しかしながら、上記のような方法は、2次
発泡倍率がブタンガスの残存量により制限を受けるた
め、2次発泡倍率は2倍程度が限界であった。そこで発
泡倍率をさらに高めるために、ブタン量を多くすること
が考えられるが、ブタン量を多くすることは、保存時に
ブタンガスと言う可燃性ガスの散逸を招くおそれがあ
り、消防上の問題を常に抱えることとなり、制約があ
る。また、2倍程度の2次発泡を起こさせるブタンガス
の量であっても、消防上の問題を抱えていることに変わ
りはなかった。
【0004】また、熱可塑性樹脂シートと穿孔した熱可
塑性シートとの間に、穿孔した熱可塑性シートより融点
が10℃以上低い熱可塑性フィルムで接着した積層体
を、穿孔したシートが容器内側となるようにプラグアシ
スト真空成形し、2重壁容器を得る技術が開示されてい
る(特開平2−32829号公報)。しかしながら、こ
の技術の場合、穿孔シートと接着層間が剥離しやすいた
め、内壁が弱く、また圧縮強度が出ないと共に、2重壁
の厚みを薄くすると、剥離していた両層シートが圧力に
より再接触して断熱性が得られない、などという問題が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のこの
ような問題を解消し、発泡樹脂層を有する多層シートか
ら、安全且つ簡便な手段により、熱成形時において高発
泡のシート状熱成形品を製造する方法を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、中間
層となる発泡樹脂層の両外層に、非通気性の非発泡樹脂
層を設けた少なくとも3層以上の多層シートを、雌金型
を用い真空成形して高発泡シート状熱成形品を製造する
にあたり、一方の側の非通気性の非発泡樹脂層に多層シ
ートの外部から発泡樹脂層に至る貫通孔を複数設ける操
作と、貫通孔を設ける側の非通気性の非発泡樹脂層の表
面温度を、貫通孔を設けない側の非通気性の非発泡樹脂
層の表面温度より低い温度に加熱する操作とを、任意の
順序で行なった後、貫通孔を設けない側の非通気性の非
発泡樹脂層を雌金型側に位置させ、次いで雌金型側より
真空吸引することを特徴とする高発泡シート状熱成形品
の製造方法を提供するものである。
【0007】以下、本発明の高発泡シート状熱成形品の
製造方法について説明する。本発明の高発泡シート状熱
成形品の製造方法においては、原反シートとして、中間
層(コア層)となる発泡樹脂層の両外層に、非通気性の
非発泡樹脂層を設けた少なくとも3層以上の多層シート
を用いる。
【0008】本発明において用いる多層シートを構成す
る中間層(コア層)は、発泡樹脂層である。この発泡樹
脂層は、熱可塑性樹脂と発泡剤からなるものであって、
さらには必要に応じて充填剤を加えたものであってもよ
い。熱可塑性樹脂としては特に制限はなく、ポリエチレ
ン樹脂,ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹
脂、スチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなど
のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、酢酸ビ
ニル系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
等、或いはこれらのブレンド物が挙げられるが、特に好
ましいのはポリオレフィン系樹脂、特にエチレンやプロ
ピレンの単独重合体、又はエチレン或いはプロピレンと
他のα−オレフィンとの共重合体などである。具体的に
は例えば、高密度,中密度又は低密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体や、アタク
チック,シンジオタクチック又はアイソタクチックポリ
プロピレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体又
はランダム共重合体、ポリブテン,ポリメチルペンテン
などが挙げられ、これらを単独で、或いは2種以上を混
合して用いることができる。
【0009】これら熱可塑性樹脂のメルトインデックス
(MI)は、熱成形品の用途等を考慮して適宜選定すれ
ばよく、特に限定はないが、通常、0.3〜4g/10
分程度のものが用いられる。また、本発明の方法により
得られる熱成形品を食品や医薬品関連分野などに用いる
場合には、これら熱可塑性樹脂としては,衛生上支障の
ないものを選択して使用する必要がある。
【0010】次に、発泡剤としては、炭酸アンモニウ
ム,重炭酸ナトリウム(重曹),アゾ化合物,ニトロソ
化合物などの化学発泡剤、ペンタン,ヘキサン,ヘプタ
ン,ブタンなどの有機ガス、窒素,酸素,二酸化炭素,
空気などの無機ガス、水又はこれらの混合物を用いるこ
とができる。発泡剤の使用量は特に制限はないが、通常
は、この発泡樹脂層の発泡倍率(一次発泡倍率)が5倍
以下、特に3倍以下となるように用いる。発泡剤の添加
量は、成形温度,樹脂の種類や発泡剤の種類等により異
なるが、通常、熱可塑性樹脂と後述する無機充填剤との
合計量100重量部に対して、0.5〜2重量部であ
る。
【0011】さらに、この発泡樹脂層に必要に応じて加
えられる充填剤としては、無機充填剤と有機充填剤のい
ずれも使用することができる。無機充填剤としては、例
えばタルク,炭酸カルシウム,水酸化マグネシウム,二
酸化珪素又はこれらの混合物等を用いることができる。
有機充填剤としては、例えばパルプ,熱硬化性樹脂,液
晶樹脂又はこれらの混合物等を用いることができる。
【0012】上記中間層である発泡樹脂層において、充
填剤の添加量は特に制限はないが、熱可塑性樹脂100
重量部に対して、通常、1〜50重量部、好ましくは2
〜30重量部である。
【0013】本発明の高発泡シート状熱成形品の製造方
法における原反シートとしては、上記した如き中間層
(コア層)となる発泡樹脂層の両外層に、非通気性の非
発泡樹脂層を設けた少なくとも3層以上の多層シートが
用いられる。
【0014】ここで前記中間層(コア層)の両外層を構
成する非通気性の非発泡樹脂層は、熱可塑性樹脂からな
る非通気性の非発泡層である。ここで非通気性とは、実
質上において瞬間的には通気しないものをいう。この層
には、充填剤は基本的に含まれない。このような両外層
における熱可塑性樹脂としては、前記中間層(コア
層)、すなわち発泡樹脂層で用いるものと同じ熱可塑性
樹脂(好ましくはポリオレフィン系樹脂)が用いられる
が、これとは異なる熱可塑性樹脂(好ましくはポリオレ
フィン系樹脂)を用いてもよい。特に好ましいのは、ポ
リプロピレン,ポリエチレン,ポリスチレンである。
【0015】本発明の高発泡シート状熱成形品の製造方
法における原反シートは、上記した如き中間層(コア
層)となる発泡樹脂層と、その両外層を構成する非通気
性の非発泡樹脂層の少なくとも3層からなる多層シート
であって、必要に応じて上記両外層の外側に任意の層を
任意の数だけ設けたものであってもよい。
【0016】このようなシート原反(多層シート)は、
共押出し法,ドライラミネート法,熱ラミネート法等に
より得ることができ、特に共押出し法が好ましい。すな
わち、各層の構成成分を予め公知のバンバリーミキサ
ー、単軸・二軸混練機等を用いて溶融混練し、得られた
ペレットを、各層それぞれの押出機を用い、共通のダイ
を用いて共押出する方法が好ましい。なお、多層シート
を構成する各層(発泡樹脂層や非通気性の非発泡樹脂層
など)には、必要に応じて、通常用いられる滑剤,着色
剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,界面活性剤,難燃剤,
可塑剤,帯電防止剤等の添加剤を加えてもよい。
【0017】シート原反(多層シート)の各層の層比
は、熱成形品の用途に応じて異なるが、通常、中間層
(コア層)となる発泡樹脂層が、シート全厚みの50〜
95%、好ましくは70〜90%であり、両外層を構成
する非通気性の非発泡樹脂層が、それぞれシート全厚み
の5〜50%、好ましくは10〜30%である。なお、
シート原反(多層シート)の厚みは、通常、0.5〜5
mm、好ましくは1.0〜3.0mmである。
【0018】本発明においては、このようにして得られ
る少なくとも3層以上の多層シートを、雌金型を用い真
空成形して高発泡シート状熱成形品を製造するにあた
り、一方の側の非通気性の非発泡樹脂層に多層シートの
外部から発泡樹脂層に至る貫通孔を複数設ける操作と、
貫通孔を設ける側の非通気性の非発泡樹脂層の表面温度
を、貫通孔を設けない側の非通気性の非発泡樹脂層の表
面温度より低い温度に加熱する操作とを、任意の順序で
行なった後、貫通孔を設けない側の非通気性の非発泡樹
脂層を雌金型側に位置させ、次いで雌金型側より真空吸
引することを特徴とするものである。
【0019】このような本発明の方法における操作を図
面により詳細に説明する。第1図は、本発明の方法の各
操作を順に示した説明図である。第1図中、符号1が多
層シート(3層構造のものを示している。)であり、符
号1Aは発泡樹脂層であり、符号1Bは非通気性の非発
泡樹脂層である。本発明の方法においては、一方の側
の非通気性の非発泡樹脂層1Bに多層シート1の外部か
ら発泡樹脂層1Aに至る貫通孔2を複数設ける操作と、
貫通孔2を設ける側の非通気性の非発泡樹脂層1Bの
表面温度を、貫通孔2を設けない側の非通気性の非発泡
樹脂層1Bの表面温度より低い温度に加熱する操作と
を、任意の順序で行なう。すなわち、上記との操作
は、いずれを先に行なってもよい。
【0020】まず貫通孔2を複数設ける操作は、如何な
る手段によって行なってもよく、通常はバッチプレス,
ロールプレス,中空針を取り付けた金型を用いるなどの
手段により行なうことができる。針孔形状としては、断
面形状が丸形,角形,線状等、各種形状のものとするこ
とができる。また、針孔数は成形品形状に適合するよう
に、任意の数を複数設ければよい。針孔の大きさは、通
常、0.5〜2mmが適当であり、針間距離は、通常、
2〜20mm四方の間隔とする。第1図中、符号3は貫
通孔2を設けるために用いられる中空針を示したもので
ある。このような貫通孔2を複数設ける操作により、中
間層を構成する発泡樹脂層1Aとシート外部との通気性
を付与する。
【0021】また、貫通孔2を設ける側の非通気性の非
発泡樹脂層1Bの表面温度を、貫通孔2を設けない側の
非通気性の非発泡樹脂層1Bの表面温度より低い温度に
加熱する操作は、第1図に示したように、例えば2台の
ヒーター4A,4Bにより行なうことができるが、加熱
手段等に特に制限はない。この加熱操作は、熱成形とし
てのものであるから、一般的には非通気性の非発泡樹脂
層1Bを構成する樹脂の通常の熱成形温度範囲というこ
とになるが、本発明の方法においては、貫通孔2を設け
る側の非通気性の非発泡樹脂層1Bの表面温度を、貫通
孔2を設けない側の非通気性の非発泡樹脂層1Bの表面
温度より低い温度、具体的には貫通孔2を設けない側の
非通気性の非発泡樹脂層1Bの表面温度より30〜10
0℃低い温度に加熱することが必要である。具体的に
は、例えば、貫通孔2を設ける側の非通気性の非発泡樹
脂層1Bの表面温度を110〜140℃程度とすると貫
通孔2を設けない側の非通気性の非発泡樹脂層1Bの表
面温度を160〜190℃程度とする。このような加熱
操作により、熱成形の際において、貫通孔2を設ける側
の非通気性の非発泡樹脂層1Bの溶融張力を、貫通孔2
を設けない側の非通気性の非発泡樹脂層1Bの溶融張力
より高くなるようにする。
【0022】前記したように、一方の側の非通気性の非
発泡樹脂層1Bに多層シート1の外部から発泡樹脂層1
Aに至る貫通孔2を複数設ける操作と、貫通孔2を設け
る側の非通気性の非発泡樹脂層1Bの表面温度を、貫通
孔2を設けない側の非通気性の非発泡樹脂層1Bの表面
温度より低い温度に加熱する操作とは、いずれを先に行
なってもよい。一般的には、貫通孔2を複数設ける操作
を先に行なった後、貫通孔2を設けた側の非通気性の非
発泡樹脂層1Bの表面温度を、貫通孔2を設けなかった
側の非通気性の非発泡樹脂層1Bの表面温度より低い温
度に加熱する操作を行なう。これにより、後述するよう
に、貫通孔を設けなかった側の非通気性の非発泡樹脂層
1Bを雌金型5側に位置させ、次いで雌金型5側より真
空吸引したときに、貫通孔を設けなかった側の非通気性
の非発泡樹脂層1Bは金型形状に賦形するが、貫通孔2
を設けた側の非通気性の非発泡樹脂層1Bは低温度なの
で伸びにくく、元の平面状態に近い状態で保持されるこ
ととなり、結果的に原反シートより高発泡倍率のシート
状熱成形品が得られる。
【0023】一方、貫通孔2を設けた側の非通気性の非
発泡樹脂層1Bの表面温度を、貫通孔2を設けなかった
側の非通気性の非発泡樹脂層1Bの表面温度より低い温
度に加熱する操作を行なってから、貫通孔2を複数設け
る操作を行なう場合には、例えば第2図に示す如き中空
針3を取り付けた金型を用いて行なうことができる。第
2図は、中空針3を取り付けた金型を用いて貫通孔を設
ける状態(断面の状態)を示す説明図である。第2図中
において、符号6は真空吸引孔である。この場合、予め
所定の加熱処理を行なった多層シート1を、より高温状
態にある非通気性の非発泡樹脂層1B側を金型5上に載
置し、中空針3を備えた板7でクランプする。そのと
き、中空針3が、より低温状態に加熱されている非通気
性の非発泡樹脂層1B側を破り、貫通孔2(外気導入
孔)を開く。この結果、発泡樹脂層1A内に外気が導入
される。その後、後述するように、雌金型5側を真空吸
引孔6より真空吸引することにより、原反シートより高
発泡倍率のシート状熱成形品が得られる。
【0024】上記操作を行なった後、貫通孔2を設けな
い側の非通気性の非発泡樹脂層1Bを雌金型5側に位置
させ、次いで雌金型5側より真空吸引孔6により真空吸
引する。真空吸引の条件は、常法により行なえばよい。
この結果、例えば多層シート1(原反シート)における
発泡樹脂層の平均発泡倍率をnとし、真空成形後のシー
ト状熱成形品における発泡樹脂層の平均発泡倍率をNと
したときに、N>n、好ましくはNがnの2〜4倍であ
る高発泡シート状熱成形品が得られる。
【0025】本発明は、このようにして得られた高発泡
シート状熱成形品をも提供するものである。この高発泡
シート状熱成形品における各層の層比は、熱成形品の用
途に応じて異なるが、通常、中間層(コア層)となる発
泡樹脂層が、全厚みの80〜98%、好ましくは90〜
95%であり、両外層を構成する非通気性の非発泡樹脂
層がそれぞれ全厚みの2〜20%、好ましくは5〜10
%である。なお、高発泡シート状熱成形品の厚みは、通
常、2〜10mm、好ましくは3〜6mmである。この
ような高発泡シート状熱成形品は、例えば多層シート1
(原反シート)における発泡樹脂層の平均発泡倍率をn
とし、真空成形後のシート状熱成形品における発泡樹脂
層の平均発泡倍率をNとしたときに、N>n、好ましく
Nがnの2〜4倍のものである。
【0026】
【実施例】次に本発明を、実施例により詳しく説明する
が、本発明の範囲はこれによって何ら制限されるもので
はない。 実施例1 (1)シート原反の製造 両外層(非通気性の非発泡樹脂層)用原料として、ポリ
プロピレン系樹脂(ポリプロピレンホモポリマー、出光
石油化学製、商品名:出光ポリプロF−200S、MI
=2.5g/10分)を用いた。一方、中間層である発
泡樹脂層用原料として、ポリプロピレン系樹脂(ポリプ
ロピレンホモポリマー、出光石油化学製、商品名:出光
ポリプロE−100G、MI=0.6g/10分)80
重量%に、エチレン−プロピレンラバー(EPR)(日
本合成ゴム製、商品名:EP−07P、MI=0.7g
/10分)20重量%を配合したもの100重量部に、
発泡剤として重曹系化学発泡剤(大日精化製、商品名:
PE−220C)を8重量部配合し、さらに充填剤とし
て炭酸カルシウム(竹原化学製、商品名:ネオライトS
P−T)を2重量部配合したものを用いた。上記各原料
をペレット化したものを、それぞれの押出機(直径60
mm、L/D=38の仕様)を用い、フィードブロック
方式の共押出しシート成形法により層比が外層:中間
層:外層=15%:70%:15%の2種3層多層シー
ト(厚み2mmの原反シート)1を得た。
【0027】(2)針孔処理 上記(1)で得られた多層シート(原反シート)1に、
最大径が2mmの中空針3を、一方の側の非通気性の非
発泡樹脂層1Bを貫通し、中間の発泡樹脂層1Aに到達
する迄、圧空プレスにより押し込んだ。なお、針間距離
は5mm四方の間隔で、多層シート(原反シート)1全
面に針孔処理した。
【0028】(3)熱成形 雌金型5は、水平方向に縦50mm×横50mm,深さ
4mmの凹みが幅5mmの仕切りにより複数連ねたもの
を用いた。多層シート(原反シート)1の加熱は、ヒー
ター4A,4Bを用い、針孔処理側(貫通孔2を設けた
側の非通気性の非発泡樹脂層1B)が120℃、非針孔
処理側(貫通孔2を設けない側の非通気性の非発泡樹脂
層1B)が160℃になったときに、雌金型5上に多層
シート(原反シート)1の非針孔処理側(貫通孔2を設
けない側の非通気性の非発泡樹脂層1B)を載せ、真空
吸引孔6より真空吸引して真空成形を行なった。
【0029】(4)結果 得られたシート状の熱成形品の非針孔処理側(貫通孔2
を設けない側の非通気性の非発泡樹脂層1B)は、雌金
型5のそれぞれのキャビティーに密着していたが、針孔
処理側(貫通孔2を設けた側の非通気性の非発泡樹脂層
1B)の変形は少なく、雌金型5仕切部におけるシート
状熱成形品の厚みは1.9mmであったが、キャビティ
ー部におけるシート状熱成形品の平均肉厚は約5.2m
mであり、明らかに多層シート(原反シート)1の平均
発泡倍率より高い、高発泡のシート状熱成形品が得られ
た。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法によれば、貫通孔を設けな
かった側の非通気性の非発泡樹脂層1Bを雌金型5側に
位置させ、次いで雌金型5側より真空吸引したときに、
貫通孔を設けなかった側の非通気性の非発泡樹脂層1B
は金型形状に賦形するが、貫通孔2を設けた側の非通気
性の非発泡樹脂層1Bは低温度なので伸びにくく、元の
平面状態に近い状態で保持されることとなり、結果的に
原反シートより高発泡倍率のシート状熱成形品が得られ
る。また、本発明の方法において、貫通孔2を設けた側
の非通気性の非発泡樹脂層1Bの表面温度を、貫通孔2
を設けなかった側の非通気性の非発泡樹脂層1Bの表面
温度より低い温度に加熱する操作を行なってから、貫通
孔2を複数設ける操作を行なう場合には、第2図に示す
如き中空針を取り付けた金型を用いて行なうことがで
き、この場合、予め所定の加熱処理を行なった多層シー
ト1を、より高温状態にある非通気性の非発泡樹脂層1
B側を金型5上に載置し、中空針3を備えた板7でクラ
ンプする。そのとき、中空針3が、より低温状態に加熱
されている非通気性の非発泡樹脂層1B側を破り、貫通
孔2(外気導入孔)を開く。この結果、発泡樹脂層1A
内に外気が導入され、その後、雌金型5側を真空吸引孔
6より真空吸引することにより、原反シートより高発泡
倍率のシート状熱成形品が得られる。
【0031】従って、本発明の方法によれば、発泡樹脂
層を有する多層シートから、安全且つ簡便な手段によ
り、熱成形時において高発泡のシート状熱成形品を製造
することができる。そのため、通常はシート原反のまま
保管及び輸送ができるので、保管費,輸送費を低減する
ことができる。また、本発明の方法ではブタンなどの可
燃性ガスを用いないため、防災上などにおける問題がな
い。さらに、本発明の方法により得られる高発泡のシー
ト状熱成形品は、発泡コア層のセル壁が細かくつながっ
ている為、従来の二重壁容器より変形しにくい。従っ
て、本発明の方法により得られる高発泡のシート状熱成
形品は、自動車,家電製品,包装資材等の分野における
断熱材、緩衝材などとして有効に利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は、本発明の方法の各操作を順に示し
た説明図である。
【図2】 第2図は、中空針を取り付けた金型を用いて
貫通孔を設ける状態(断面の状態)を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 多層シート 1A 発泡樹脂層 1B 非通気性の非発泡樹脂層 2 貫通孔 3 中空針 4A,4B ヒーター 5 雌金型 6 真空吸引孔 7 中空針を備えた板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中間層となる発泡樹脂層の両外層に、非
    通気性の非発泡樹脂層を設けた少なくとも3層以上の多
    層シートを、雌金型を用い真空成形して高発泡シート状
    熱成形品を製造するにあたり、一方の側の非通気性の非
    発泡樹脂層に多層シートの外部から発泡樹脂層に至る貫
    通孔を複数設ける操作と、貫通孔を設ける側の非通気性
    の非発泡樹脂層の表面温度を、貫通孔を設けない側の非
    通気性の非発泡樹脂層の表面温度より低い温度に加熱す
    る操作とを、任意の順序で行なった後、貫通孔を設けな
    い側の非通気性の非発泡樹脂層を雌金型側に位置させ、
    次いで雌金型側より真空吸引することを特徴とする高発
    泡シート状熱成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法により得られる
    高発泡シート状熱成形品。
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JP2002225122A (ja) * 2001-02-07 2002-08-14 Sumitomo Chem Co Ltd 発泡積層体の製造方法

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