JPH08174652A - 高発泡熱成形品の製造法 - Google Patents

高発泡熱成形品の製造法

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JPH08174652A
JPH08174652A JP33456694A JP33456694A JPH08174652A JP H08174652 A JPH08174652 A JP H08174652A JP 33456694 A JP33456694 A JP 33456694A JP 33456694 A JP33456694 A JP 33456694A JP H08174652 A JPH08174652 A JP H08174652A
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resin layer
foamed resin
mold
sheet
multilayer sheet
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JP33456694A
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English (en)
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Tetsuo Yasuike
徹郎 安池
Ikuya Ishii
伊久哉 石井
Takatsugu Moriwaki
隆次 森脇
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡樹脂層を有する多層シートから、安全且
つ簡便な手段により、熱成形時において高発泡の熱成形
品を製造する方法を提供することを目的とする。 【構成】 中間層となる発泡樹脂層の両外層に、非通気
性の非発泡樹脂層を設けた少なくとも3層以上の多層シ
ートの両面を2つの金型を用いて真空成形して、高発泡
熱成形品を製造するにあたり、前記多層シートを加熱し
た後、複数の中空針を設けた金型上に載置し、前記金型
側から真空吸引し、前記中空針を前記多層シートの一方
の側の非通気性の非発泡樹脂層を貫通させたのち、前記
発泡樹脂層へ至らしめ、次に他方の金型側から真空吸引
し、前記中空針を通して前記発泡樹脂層にガスを送り込
むことを特徴とする高発泡熱成形品の製造法を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡樹脂層を有する多
層シートから、安全且つ簡便な手段により、熱成形時に
おいて高発泡の熱成形品を製造する方法に関する。本発
明の方法により得られる高発泡の熱成形品は、自動車,
家電製品,包装資材,雑貨等の分野における断熱材、緩
衝材などとして好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】高発泡の成形品は、自動車,電気冷蔵庫
などの断熱材・緩衝材として有用であるが、シート原反
が嵩張るため、輸送コスト並びにシートの在庫スペース
上の問題が有った。そこで、ブタンガス等を発泡シート
内に残留させておき、熱成形時にブタンガスの体積拡大
により2次発泡させる方法や、これらの加熱シートを両
面から真空に引き、2次発泡を促進する方法(特開平4
−332623号公報)が提案されている。
【0003】しかしながら、上記のような方法は、2次
発泡倍率がブタンガスの残存量により制限を受けるた
め、2次発泡倍率は2倍程度が限界であった。そこで発
泡倍率をさらに高めるために、ブタン量を多くすること
が考えられるが、ブタン量を多くすることは、保存時に
ブタンガスと言う可燃性ガスの散逸を招くおそれがあ
り、消防上の問題を常に抱えることとなり、制約があ
る。また、2倍程度の2次発泡を起こさせるブタンガス
の量であっても、消防上の問題を抱えていることに変わ
りはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のこの
ような問題を解消し、発泡樹脂層を有する多層シートか
ら、安全且つ簡便な手段により、熱成形時において高発
泡の熱成形品を製造する方法を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の問題点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、両面真
空成形において、真空開始時間をずらし、最初の片側の
真空吸引操作により、多層シートの一方に針孔を開け、
次に他方の真空吸引操作と同時に針孔より空気を注入す
ることにより、シート残圧がなくとも高発泡化しうるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
【0006】すなわち本発明は、中間層となる発泡樹脂
層の両外層に、非通気性の非発泡樹脂層を設けた少なく
とも3層以上の多層シートの両面を2つの金型を用いて
真空成形して、高発泡熱成形品を製造するにあたり、前
記多層シートを加熱した後、複数の中空針を設けた金型
上に載置し、前記金型側から真空吸引し、前記中空針を
前記多層シートの一方の側の非通気性の非発泡樹脂層を
貫通させたのち、前記発泡樹脂層へ至らしめ、次に他方
の金型側から真空吸引し、前記中空針を通して前記発泡
樹脂層にガスを送り込むことを特徴とする高発泡熱成形
品の製造法を提供するものである。
【0007】以下、本発明の高発泡熱成形品の製造法に
ついて説明する。本発明の高発泡熱成形品の製造法にお
いては、原反シートとして、中間層(コア層)となる発
泡樹脂層の両外層に、非通気性の非発泡樹脂層を設けた
少なくとも3層以上の多層シート用いる。
【0008】本発明において用いる多層シートを構成す
る中間層(コア層)は、発泡樹脂層である。この発泡樹
脂層は、熱可塑性樹脂と発泡剤からなるものであって、
さらには必要に応じて充填剤を加えたものであってもよ
い。熱可塑性樹脂としては特に制限はなく、ポリエチレ
ン樹脂,ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹
脂、スチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなど
のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、酢酸ビ
ニル系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
等、或いはこれらのブレンド物が挙げられるが、特に好
ましいのはポリオレフィン系樹脂、特にエチレンやプロ
ピレンの単独重合体、又はエチレン或いはプロピレンと
他のα−オレフィンとの共重合体などである。具体的に
は例えば、高密度,中密度又は低密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体や、アタク
チック,シンジオタクチック又はアイソタクチックポリ
プロピレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体又
はランダム共重合体、ポリブテン,ポリメチルペンテン
などが挙げられ、これらを単独で、或いは2種以上を混
合して用いることができる。
【0009】これら熱可塑性樹脂のメルトインデックス
(MI)は、熱成形品の用途等を考慮して適宜選定すれ
ばよく、特に限定はないが、通常、0.3〜5g/10
分程度のものが用いられる。また、本発明の方法により
得られる熱成形品を食品や医薬品関連分野などに用いる
場合には、これら熱可塑性樹脂としては,衛生上支障の
ないものを選択して使用する必要がある。
【0010】次に、発泡剤としては、炭酸アンモニウ
ム,重炭酸ナトリウム(重曹),アゾ化合物,ニトロソ
化合物などの化学発泡剤、ペンタン,ヘキサン,ヘプタ
ン,ブタンなどの有機ガス、窒素,酸素,二酸化炭素,
空気などの無機ガス、水又はこれらの混合物を用いるこ
とができる。発泡剤の使用量は特に制限はないが、通常
は、この発泡樹脂層の発泡倍率(一次発泡倍率)が5倍
以下、特に3倍以下となるように用いる。発泡剤の添加
量は、成形温度,樹脂の種類や発泡剤の種類等により異
なるが、通常、熱可塑性樹脂と後述する無機充填剤との
合計量100重量部に対して、0.5〜2重量部であ
る。
【0011】さらに、この発泡樹脂層に必要に応じて加
えられる充填剤としては、無機充填剤と有機充填剤のい
ずれも使用することができる。無機充填剤としては、例
えばタルク,炭酸カルシウム,水酸化マグネシウム,二
酸化珪素又はこれらの混合物等を用いることができる。
有機充填剤としては、例えばパルプ,熱硬化性樹脂,液
晶樹脂又はこれらの混合物等を用いることができる。
【0012】上記中間層である発泡樹脂層において、充
填剤の添加量は特に制限はないが、熱可塑性樹脂100
重量部に対して、通常、1〜50重量部、好ましくは2
〜30重量部である。
【0013】本発明の高発泡熱成形品の製造法における
原反シートとしては、上記した如き中間層(コア層)と
なる発泡樹脂層の両外層に、非通気性の非発泡樹脂層を
設けた少なくとも3層以上の多層シートが用いられる。
【0014】ここで前記中間層(コア層)の両外層を構
成する非通気性の非発泡樹脂層は、熱可塑性樹脂からな
る非通気性の非発泡層である。ここで非通気性とは、実
質上において瞬間的には通気しないものをいう。この層
には、充填剤は基本的に含まれない。このような両外層
における熱可塑性樹脂としては、前記中間層(コア
層)、すなわち発泡樹脂層で用いるものと同じ熱可塑性
樹脂(好ましくはポリオレフィン系樹脂)が用いられる
が、これとは異なる熱可塑性樹脂(好ましくはポリオレ
フィン系樹脂)を用いてもよい。特に好ましいのは、ポ
リプロピレン,ポリエチレン,ポリスチレンである。
【0015】本発明の高発泡熱成形品の製造法における
原反シートは、上記した如き中間層(コア層)となる発
泡樹脂層と、その両外層を構成する非通気性の非発泡樹
脂層の少なくとも3層からなる多層シートであって、必
要に応じて上記両外層の外側に任意の層を任意の数だけ
設けたものであってもよい。
【0016】このようなシート原反(多層シート)は、
共押出し法,ドライラミネート法,熱ラミネート法等に
より得ることができ、特に共押出し法が好ましい。すな
わち、各層の構成成分を予め公知のバンバリーミキサ
ー、単軸・二軸混練機等を用いて溶融混練し、得られた
ペレットを、各層それぞれの押出機を用い、共通のダイ
を用いて共押出する方法が好ましい。なお、多層シート
を構成する各層(発泡樹脂層や非通気性の非発泡樹脂層
など)には、必要に応じて、通常用いられる滑剤,着色
剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,界面活性剤,難燃剤,
可塑剤,帯電防止剤等の添加剤を加えてもよい。
【0017】シート原反(多層シート)の各層の層比
は、熱成形品の用途に応じて異なるが、通常、中間層
(コア層)となる発泡樹脂層が、シート全厚みの50〜
95%、好ましくは70〜90%であり、両外層を構成
する非通気性の非発泡樹脂層がそれぞれシート全厚みの
5〜50%、好ましくは10〜30%である。なお、シ
ート原反(多層シート)の厚みは、通常、0.5〜5.
0mm、好ましくは1.0〜3.0mmである。
【0018】本発明においては、このようにして得られ
る少なくとも3層以上の多層シートの両面を2つの金型
を用いて真空成形して、高発泡熱成形品を製造するにあ
たり、前記多層シートを加熱した後、複数の中空針を設
けた金型上に載置し、前記金型側から真空吸引し、前記
中空針を前記多層シートの一方の側の非通気性の非発泡
樹脂層を貫通させたのち、前記発泡樹脂層へ至らしめ、
次に他方の金型側から真空吸引し、前記中空針を通して
前記発泡樹脂層にガスを送り込むことを特徴とするもの
である。
【0019】このような本発明の方法における操作を図
面により詳細に説明する。第1図は、本発明の方法の各
操作を、本発明の方法の実施に好適に用いられる金型の
1態様と共に示した説明図である。第1図中、符号1が
多層シート(3層構造のものを示している。)であり、
符号1Aは発泡樹脂層であり、符号1Bは非通気性の非
発泡樹脂層である。
【0020】本発明の方法においては、まず多層シート
1を加熱する。多層シートの加熱は通常、ヒーターなど
により両面から行なえばよい。加熱温度としては、通常
の真空成形時の加熱温度範囲で差支えない。多層シート
1を加熱した後、複数の中空針2を設けた金型3A上に
載置し、前記金型3A側から真空吸引し、前記中空針2
を前記多層シート1の一方の側の非通気性の非発泡樹脂
層1Bを貫通させたのち、前記発泡樹脂層1Aへ至らし
める。すなわち、多層シート1を加熱した後、複数の中
空針2を設けた金型3A上に載置する。このとき第1図
に示したように、他方の金型3Bにより、多層シート1
を挟んでもよいし、或いは単に金型3A上に載置しただ
けでもよい。
【0021】ここで金型3Aと金型3Bの構造について
述べると、キャビティーの形状は特に制限はなく、水平
板状の他、容器形状や所望の成形品形状でよい。また、
金型3Aと金型3Bとしては、多数の一般的真空孔を設
けたものか、又は3〜7μm平均孔径を有する多孔質金
属を用いる。なお、一方の金型3Aには、複数の中空針
2が設けられている。すなわち、金型3Aの内面には、
複数の中空針2がキャビティー空間に向かって埋設され
ており、その針先が、この金型3A上に載置する多層シ
ートにおける一方の側の非通気性の非発泡樹脂層1Bの
厚みよりも長く突き出ている。中空針2の設置数は特に
制限はないが、通常、0.2〜1個/cm2 位が適当であ
る。また、中空針2としては、断面形状が丸形,角形,
スリット状など、各種形状のものとすることができる。
また、中空針2の大きさは、通常、直径0.5〜2mm
程度が適当である。このような中空針2の針先とは反対
側(末端)は、大気に開放されていてもよいし、或いは
圧空設備に連結していてもよい。
【0022】次いで、前記複数の中空針2を設けた金型
3A側から、真空吸引孔4Aにより真空吸引する。真空
吸引することにより、前記多層シート1が中空針2を設
けた金型3Aに密着する。この結果、前記中空針2は前
記多層シート1の一方の側(第1図では下側)の非通気
性の非発泡樹脂層1Bを貫通し、前記発泡樹脂層1Aへ
至ることになり、結果的に中間層である前記発泡樹脂層
1Aから前記多層シート1の一方の側(第1図では下
側)の非通気性の非発泡樹脂層1Bに至る貫通孔が形成
されることになる。
【0023】次に、上記操作において、単に多層シート
1を金型3A上に載置しただけの場合には、他方(第1
図では上側)の金型3Bとで挟む(キャビティーを閉じ
る)操作が必要であるが、既に挟んだ状態となっている
場合には、特別な操作は必要ない。その後、他方の金型
3B側から、真空吸引孔4Bにより真空吸引し、同時に
前記中空針2を通して前記発泡樹脂層1Aにガスを注入
する。この吸引操作により、大気開放されている中空針
2の末端から外気を前記発泡樹脂層1Aに自然に流れ込
ませてもよいが、通常は、吸引操作と同時に前記中空針
2を通して前記発泡樹脂層1Aに強制的にガス(例えば
空気,窒素,二酸化炭素などのガス)を注入する。この
反対に、前記中空針2を通して前記発泡樹脂層1Aに強
制的にガスを注入しながら、他方の金型3B側から、真
空吸引孔4Bにより真空吸引してもよい。ガスの注入に
際しての圧力については特に制限はないが、通常は0.
5〜5kg/cm2 程度である。この注入操作により、
当初の多層シート1より高発泡倍率の熱成形品(目的と
する高発泡熱成形品)が得られる。
【0024】本発明は、このようにして得られた高発泡
熱成形品をも提供するものである。この高発泡熱成形品
のもととなる多層シートの層比は、熱成形品の用途に応
じて異なるが、通常、中間層(コア層)となる発泡樹脂
層が、全厚みの80〜98%、好ましくは90〜95%
であり、両外層を構成する非通気性の非発泡樹脂層がそ
れぞれ全厚みの2〜20%、好ましくは5〜10%であ
る。なお、高発泡シート状熱成形品の厚みは、通常、2
〜10mm、好ましくは3〜6mmである。このような
高発泡熱成形品は、例えば多層シート1(原反シート)
における発泡樹脂層の平均発泡倍率をnとし、真空成形
後の熱成形品における発泡樹脂層の平均発泡倍率をNと
したときに、N>n、好ましくNがnの2〜4倍のもの
である。
【0025】
【実施例】次に本発明を、実施例により詳しく説明する
が、本発明の範囲はこれによって制限されるものではな
い。 実施例1 (1)シート原反の製造 両外層(非通気性の非発泡樹脂層)用原料として、ポリ
プロピレン系樹脂(ポリプロピレンホモポリマー、出光
石油化学製、商品名:出光ポリプロF−205S、MI
=2.5g/10分)を用いた。一方、中間層である発
泡樹脂層用原料として、ポリプロピレン系樹脂(ポリプ
ロピレンホモポリマー、出光石油化学製、商品名:出光
ポリプロE−100G、MI=0.6g/10分)80
重量%に、エチレン−プロピレンラバー(EPR)(日
本合成ゴム製、商品名:EP−07P、MI=0.7g
/10分)を20重量%を配合したも100重量部に、
発泡剤として重曹系化学発泡剤(大日精化製、商品名:
PE−220C)を8重量部配合し、さらに充填剤とし
て炭酸カルシウム(竹原化学製、商品名:ネオライトS
P−T)を2重量部配合したものを用いた。上記各原料
をペレット化したものを、それぞれの押出機(直径60
mm、L/D=38の仕様)を用い、フィードブロック
方式の共押出しシート成形法により層比が外層:中間
層:外層=15%:70%:15%の2種3層多層シー
ト(厚み2mmの原反シート)を得た。なお、中間層で
ある発泡樹脂層の平均発泡倍率は3.1倍であった。
【0026】(2)熱成形 第2図に示す如き金型を用いて熱成形を行なった。第2
図は、本実施例1で用いた金型の形状、詳しくは金型の
略中央部を横に一部切り欠いた状態を示す説明図であ
る。金型のうち雌金型(中空針2を設けた金型3A)に
ついて説明すると、この雌金型は口径が直径300m
m、深さ30mmであり、中空針2が口部周囲に4ケ所
と底部に4ケ所設けられている。また、真空孔4Aは、
口部周囲であって中空針の外周部に8ケ所と底部コーナ
ー円周上に8ケ所設けられている。真空孔4Aの大きさ
は直径0.3mmであり、中空針2の大きさは直径1.
0mmであり、中空針2の針孔の直径は0.5mmであ
る。また、雄金型(金型3B)は雌金型(中空針2を設
けた金型3A)とのクランプ時に雌金型(中空針2を設
けた金型3A)との間隙が5mmで一定になる形状に加
工され、クランプ箇所を幅1cmで雌金型口部真空孔の
外側8mmのところでシートを挟むようにした。さら
に、通常の真空圧空成形機の真空配管を雌雄金型の所定
の箇所に継ぎ、圧空配管を雌金型の所定の箇所に接続し
た。
【0027】(3)成形手順 150℃の温度に加熱溶融した多層シート1を両金型間
に挟み、先に雌金型(中空針2を設けた金型3A)で多
層シート1を突き上げて、真空で引いた直後に、雄金型
(金型3B)を真空で引きながらクランプしたと同時に
圧空を吹き込んだ。圧空圧力は3kg/cm2 であっ
た。
【0028】(4)結果 この結果、2mm厚みの原反シートから、5mm厚みの
高発泡皿状熱成形品が得られた。また、中間層である発
泡樹脂層1Aの平均発泡倍率は12倍であり、煮沸した
熱湯を容器内に満たした簡易評価において、手で容器底
部を把握した際、全く熱くなかった。
【0029】比較例1 実施例1で使用した雌金型(中空針2を設けた金型3
A)の中空針2を除去して、加熱溶融した原反シート
(多層シート1)を、先に雌金型(中空針2を除去した
金型3A)で該シート1を突き上げて真空吸引後直ちに
雄金型(金型3B)をクランプして真空吸引した結果、
皿状の熱成形品の発泡倍率が上昇しなかったばかりか、
容器内側の表面状態に凹凸が生じた。熱湯による簡易評
価においても、熱くて把握不可能であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法によれば、複数の中空針2
を設けた金型3A側から、真空吸引孔4Aにより真空吸
引することにより、多層シート1が中空針2を設けた金
型3Aに密着する。この結果、前記中空針2は前記多層
シート1の一方の側(第1図では下側)の非通気性の非
発泡樹脂層1Bを貫通し、前記発泡樹脂層1Aへ至るこ
とになり、結果的に中間層である前記発泡樹脂層1Aか
ら前記多層シート1の一方の側(第1図では下側)の非
通気性の非発泡樹脂層1Bに至る貫通孔が形成されるこ
とになる。その後、他方の金型3B側から、真空吸引孔
4Bにより真空吸引し、同時に前記中空針2を通して前
記発泡樹脂層1Aにガスを注入することにより、当初の
多層シート1より高発泡倍率の熱成形品を得ることがで
きる。
【0031】従って、本発明の方法によれば、発泡樹脂
層を有する多層シートから、安全且つ簡便な手段によ
り、熱成形時において高発泡の熱成形品を得ることがで
きる。そのため、通常はシート原反のまま保管及び輸送
ができるので、保管費,輸送費を低減することができ
る。本発明の方法では、ブタンなどの揮発性可燃性ガス
を使用する必要が無いので安全であり、しかもブタンガ
スなどの揮発性可燃性ガスの替わりに空気が使えるので
安価である。さらに、本発明の方法によれば、化学発泡
剤では限界の発泡倍率以上の発泡倍率製品を得ることが
可能である。また、本発明の方法により得られる高発泡
の熱成形品は、発泡層の独立気泡率は低いが、発泡層内
セルがつながっているため、従来の二重壁容器より変形
しにくい。従って、本発明の方法により得られる高発泡
の熱成形品は、自動車,家電製品,包装資材雑貨等の分
野における断熱材、緩衝材などとして有効に利用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は、本発明の方法の各操作を、本発明
の方法の実施に好適に用いられる金型の1態様と共に示
した説明図である。
【図2】 第2図は、実施例1で用いた金型の形状を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 多層シート 1A 発泡樹脂層 1B 非通気性の非発泡樹脂層 2 中空針 3A 中空針を備えた金型 3B 他方の金型 4A 真空吸引孔 4B 真空吸引孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中間層となる発泡樹脂層の両外層に、非
    通気性の非発泡樹脂層を設けた少なくとも3層以上の多
    層シートの両面を2つの金型を用いて真空成形して、高
    発泡熱成形品を製造するにあたり、前記多層シートを加
    熱した後、複数の中空針を設けた金型上に載置し、前記
    金型側から真空吸引し、前記中空針を前記多層シートの
    一方の側の非通気性の非発泡樹脂層を貫通させたのち、
    前記発泡樹脂層へ至らしめ、次に他方の金型側から真空
    吸引し、前記中空針を通して前記発泡樹脂層にガスを送
    り込むことを特徴とする高発泡熱成形品の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により得られる高発
    泡熱成形品。
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