JPH08173036A - 安定化トコフェロール含有油脂組成物 - Google Patents
安定化トコフェロール含有油脂組成物Info
- Publication number
- JPH08173036A JPH08173036A JP6336452A JP33645294A JPH08173036A JP H08173036 A JPH08173036 A JP H08173036A JP 6336452 A JP6336452 A JP 6336452A JP 33645294 A JP33645294 A JP 33645294A JP H08173036 A JPH08173036 A JP H08173036A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tocopherol
- fatty acid
- oil
- weight
- vitamin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Edible Oils And Fats (AREA)
Abstract
理によっても、ビタミンE、特に生理活性の高いα−及
びβ−トコフェロールの分解消失が少なくなるように安
定化されたトコフェロール含有油脂組成物を提供する。 【構成】 食用油脂中に、全油脂組成物量に対して合計
で0.005〜2重量%のα−及びβ−トコフェロー
ル、0.01〜10重量%のショ糖脂肪酸エステル、及
び5〜60重量%のジグリセリドが含有されてなる安定
化トコフェロール含有油脂組成物。
Description
含有油脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、生
理活性が高いα−,β−トコフェロールを高い含有量で
含み、かつ含まれているα−,β−トコフェロールが加
熱調理による分解消失に対して高い抵抗性を示す安定化
トコフェロール含有油脂組成物に関する。
ー、マーガリンなどの油脂を始め、これらの加工食品
(例えば、揚げ物、即席麺、魚肉練り製品などの水産加
工品、ハム・ソーセージなどの畜産加工品)などに酸化
防止剤として良く利用されている。またビタミンEは、
生体内の生理活性を高めるために不可欠な栄養素として
だけでなく、近年では加齢による脂質の代謝異常の改
善、血栓症の防止、あるいは体内での過酸化脂質の生成
の抑制による成人病の予防や治療に対してもその有効性
が見出されている。ビタミンEには、トコフェロール類
とトコトリエノール類が含まれるが、このうち酸化防止
にはγ−、及びδ−トコフェロールが、また生理活性に
ついてα−及びβ−トコフェロールが特に有効であると
されている。
脂、あるいは天ぷらなどの揚げ物や野菜炒めなどの炒め
物などを行う際の調理用の油脂などの食用油脂には、ビ
タミンEが天然成分として含まれている。しかし通常こ
れらの油脂においては、原油から精製する工程でかなり
の量のビタミンEは消失し、例えば、トコフェロール類
では通常原料中のビタミンEの20〜50%の量が消失
するといわれている。従って、上記のように生理活性に
必要な栄養素としてのビタミンE、すなわち、α−及び
β−トコフェロールをより多く、かつ有効に体内に摂取
するには、上記のような食用油脂にビタミンEを添加し
て用いることが、上記の精製工程での消失分を補う意味
からも、また脂溶性のビタミンEを効率良く体内に摂取
するためにも好ましい。
ンEを添加して用いた場合には、加熱(通常150℃〜
350℃で加熱調理)により、油脂の劣化と共にビタミ
ンEの相当量が分解消失する(特に生理活性が高いα−
トコフェロールの消失が大きい)。このため、予め添加
した量のビタミンE、特にα−,β−トコフェロールが
充分に摂取できないとの問題がある。なお、加熱調理に
よる消失分を考慮して多量のビタミンEの添加をするこ
とも考えられる、このようにすると調理用油脂としては
コスト高となり、実用上好ましくない。従って、加熱調
理によるビタミンEの分解消失、特にα−,β−トコフ
ェロールの分解消失に対して有効な対策が必要である
が、これまでにはα−,β−トコフェロールの分解消失
を効果的に防止するような手段は、見出されていない。
は、炒める、揚げるなどの通常行なわれる加熱調理によ
っても、ビタミンE、特に生理活性の高いα−及びβ−
トコフェロールの分解消失が少なくなるように安定化さ
れたトコフェロール含有油脂組成物を提供することであ
る。
に対して、食用油脂中に特定量のショ糖脂肪酸エステル
とジグリセリドを存在させることで、高温加熱に対して
もα−,β−トコフェロールの消失が抑制され、安定化
させることができることを見出し、本発明に到達したも
のである。
に対して合計で0.005〜2重量%のα−及びβ−ト
コフェロール、0.01〜10重量%のショ糖脂肪酸エ
ステル、及び5〜60重量%のジグリセリドが含有され
てなる安定化トコフェロール含有油脂組成物にある。
い。 (1)α−及びβ−トコフェロールが合計量で、食用油
脂中に、全油脂組成物量に対して0.01〜1.0重量
%(更に好ましくは0.01〜0.5重量%)含有され
ている。 (2)α−及びβ−トコフェロールがビタミンEとして
添加されている。
を示すショ糖脂肪酸エステル混合物である。 [SME]<20重量% [STE]≧15重量% ([SDE]+[STE]+[STeE])/[SE]
>0.5 (ここで、[SME]、[SDE]、[STE]、そし
て[STeE]はそれぞれショ糖脂肪酸エステル混合物
中のショ糖脂肪酸モノ、ジ、トリ、そしてテトラエステ
ルの含有量を表し、[SE]はショ糖脂肪酸エステル混
合物を構成する各エステルの全量を表す。)
酸残基を、構成脂肪酸残基中に60重量%以上(更に好
ましくは70重量%以上、特に80重量%以上)含むも
のである。
中に、全油脂組成物量に対して0.05〜5重量%含有
されている。 (6)用いるジグリセリドが、ジグリセリドを30重量
%以上(更に好ましくは50重量%以上)含むグリセリ
ド混合物である。 (7)ジグリセリドが、食用油脂中に、全油脂組成物量
に対して、5〜40重量%(更に好ましくは5〜30重
量%)含有されている。 (8)ジグリセリドが、上記ショ糖脂肪酸エステルに対
して重量で1〜100倍量(更に好ましくは2〜30倍
量)で含有されている。
する。本発明の油脂組成物に含有されるα−及びβ−ト
コフェロールとしては、天然の抽出ビタミンE、化学合
成により得られたdl体を含むビタミンE、あるいは半
合成のビタミンE(天然の抽出ビタミンEを原料にメチ
レーションを行いトコフェロールの成分組成を調整した
ビタミンE)などα−及びβ−トコフェロールを含むも
のであればいずれのビタミンEを使用することもでき
る。本発明においては、α−及びβ−トコフェロールの
含量の高いビタミンEを使用することが有利であり、具
体的には、α−及びβ−トコフェノロールが、ビタミン
E中に5重量%以上(更に好ましくは、10重量%以
上、特に、40重量%以上)含まれるものであることが
好ましい。なお、本発明では、各トコフェロールの含有
量が調整された市販のビタミンEを使用することができ
る。
加量は、特に制限はないが、ビタミンEの種類、量、そ
してコストなどを考慮に入れて決定される。実用的な観
点から、本発明では上記ビタミンEは、α−及びβ−ト
コフェノロールの油脂組成物中での含有量が、0.00
5〜2重量%(好ましくは0.01〜1.0重量%、更
に好ましくは、0.01〜0.5重量%)となるように
添加される。なお、前述したように食用油脂中には天然
にビタミンEを含むものであるが、本発明においては、
上記α−及びβ−トコフェノロールの含有量は、天然の
ビタミンEと後に添加したビタミンEとに含まれる合計
量のα−及びβ−トコフェノロールである。
糖脂肪酸エステル(以下単に、ショ糖エステル(又はS
E)と称する場合がある)について説明する。一般にシ
ョ糖脂肪酸エステル(SE)は、エステル化度(エステ
ル置換度)が1のショ糖脂肪酸モノエステル(SM
E)、エステル化度が2のショ糖脂肪酸ジエステル(S
DE)、エステル化度が3のショ糖脂肪酸トリエステル
(STE)、エステル化度が4のショ糖脂肪酸テトラエ
ステル(STeE)、そしてエステル化度が5〜8のシ
ョ糖脂肪酸ポリエステル(SPE)のショ糖脂肪酸エス
テルの混合物で構成されている。本明細書において、
[SME]、[SDE]、[STE]、[STeE]及
び[SPE]は、それぞれショ糖脂肪酸エステル混合物
中の上記成分含有量(重量%)を示し、[SE]は、こ
れらの全量(100重量%)を示す。
下記の組成を示すショ糖脂肪酸エステル混合物であるこ
とが好ましい。 [SME]<20重量% [STE]≧15重量% ([SDE]+[STE]+[STeE])/[SE]
>0.5 本発明において、[SME]は1〜15重量%であるこ
とが好ましく、更に好ましくは、1〜10重量%であ
る。また[STE]は、20〜70重量%であることが
好ましく、更に好ましくは、20〜50重量%である。
更に、[SDE]+[STE]+[STeE]の総量
は、[SE]中に50〜99重量%、更に好ましくは、
70〜99重量%である。
[SE]中での[SDE]と[STE]との総量は、多
いことが好ましい。このため[SDE]は[STE]と
の関係で決まるが、好ましくは、[SDE]は15〜9
0重量%、更に好ましくは20〜85重量%、特に30
〜80重量%である。また[SPE]は少ないことが好
ましい。具体的には、[SPE]は、0〜40重量%で
あることが好ましく、更に好ましくは、0〜30重量%
以下、特に0〜20重量%である。
その平均エステル化度が、1.8〜4.5(更に好まし
くは、2.0〜3.0)となるように調整されているこ
とが好ましい。ここで平均エステル化度とは、以下の式
により規定される値を意味する。但し、エステル化度
が、iのショ糖エステル中における構成重量%をWi と
する。
は、炭素数14〜22(好ましくは、炭素数16〜2
2)の脂肪酸残基が50重量%以上(好ましくは、60
重量%以上)を占めているものであることが好ましい。
炭素数14〜22の脂肪酸残基は、飽和でも不飽和でも
良いが、飽和脂肪酸残基が5重量%以上、50重量%以
下(好ましくは、5〜30重量%の範囲)を占めている
ものであることが好ましい。また本発明においては、飽
和脂肪酸残基は、炭素数18のステアリン酸、炭素数1
6のパルミチン酸、又はこれらの混合物を主成分とする
ものであることが好ましく、不飽和脂肪酸残基は、炭素
数18のオレイン酸、リノール酸、リノレン酸又はこれ
らの混合物を主成分とするものであることが好ましい。
を利用して調製することができる。一般に行われる方法
は、ショ糖と脂肪酸メチルとのエステル化反応により生
成する方法であるが、ショ糖と脂肪酸メチルの相溶性溶
媒(通常、ジメチルホルムアミド)を用い、炭酸カリウ
ムを触媒とし、減圧下加熱反応させる方法や、ショ糖と
脂肪酸メチルを水と多量の乳化剤とを用いて、加熱し、
ミクロエマルジョンとした後、これを減圧脱水し、触媒
として炭酸カリウムを加えて反応させる方法が代表的で
ある。また炭酸カリウムを触媒として、ショ糖と油脂を
直接加熱反応させる方法も利用できる。得られた反応生
成物から過剰のショ糖や溶媒を除去後、クロロホルム−
メタノールを展開溶媒としたシリカゲルカラムにかけて
分画し、得られた各分画物を目的とする配合に再配合す
ることにより、本発明のショ糖エステルを調製すること
ができる。なお、市販品のショ糖エステルから上記の方
法にて分画し、得れらた各分画物を本発明に適合するよ
うに再配合することによっても得ることができる。更に
市販品のショ糖エステルをヘキサンに溶解後、エタノー
ルと水を添加し、エタノールと水の量比を調節すること
によって得られたものも利用することができる。
に、全油脂組成物量に対して、0.01〜10重量%
(好ましくは0.05〜5重量%)含有されている。ま
た、上記ショ糖脂肪酸エステルは、ビタミンE中のα−
及びβ−トコフェロール1重量部に対して0.1〜10
00重量倍量(更に好ましくは、2〜500重量倍量)
を添加することが好ましい。
リドを含むグリセリド混合物であるが、好ましくはジグ
リセリドを30重量%以上、更に好ましくは50重量%
以上含むグリセリド混合物である。グリセリド混合物中
のジグリセリド以外の成分はモノグリセリド及びトリグ
リセリドであるが、モノグリセリドはジグリセリドの2
0重量%以下であることが好ましい。
成する脂肪酸残基は、炭素数は8〜24である脂肪酸残
基であることが好ましく、全構成脂肪酸残基中の不飽和
脂肪酸残基の含量は60重量%以上、好ましくは70重
量%以上、特に80重量%以上であることが好ましい。
ジグリセリドはジ不飽和グリセリドであることが好まし
い。
不飽和脂肪酸残基のレベルの高い油脂、例えば、サフラ
ワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、菜種油、大豆
油、パーム油、ひまわり油、ごま油、更にラード、牛
脂、魚油、乳脂、あるいはそれらの分別油、ランダム化
油、硬化油、エステル交換油から選ばれた一種または二
種以上の油脂と、グリセリンとの混合物を、アルカリ金
属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物の存在下でエ
ステル交換反応させるか、またはこれらの油脂由来の不
飽和脂肪酸レベルの高い脂肪酸とグリセリンとをエステ
ル化反応して得られるジグリセリド含量の高い油脂を、
単独でもしくは上述した原料油脂とを混合することによ
り得ることができる。反応で生成した過剰のモノグリセ
リドは分子蒸留法またはクロマトグラフィー法により除
去することができる。これらの反応はアルカリ触媒等を
用いた化学反応でも行なうことが可能であるが、1,3
位選択的リパーゼ等を用いて酵素的に穏和な条件で反応
を行なうのが風味等の点で優れており好ましい。グリセ
リド混合物中のジグリセリド含有量を高くする別の方法
として、例えば、天然食用油脂の分別油の利用が挙げら
れる。
脂組成物量に対して、5〜60重量%(好ましくは5〜
40重量%、更に好ましくは5〜30重量%)の含有量
となるように添加される。また上記ジグリセリドは、ビ
タミンE中のα−及びβ−トコフェロール1重量部に対
して1〜5000重量倍量(更に好ましくは、10〜2
000重量倍量)を添加することが好ましい。更に、上
記ジグリセリドは、上記ショ糖脂肪酸エステル1重量部
に対して0.5〜500重量倍量(更に好ましくは1〜
300重量倍量)を添加することが好ましい。
限はなく、通常の加熱調理用として使用できるものでよ
い。これらの例としては、サフラワー油、オリーブ油、
綿実油、菜種油、コーン油、大豆油、ごま油及びパーム
油等の植物油脂、ラード、牛脂、魚油、及びバター脂等
の動物油脂、あるいはこれらの硬化油、分別油、ランダ
ムエステル交換油を挙げることができる。これらは二種
以上を混合して使用できる。なお、上記油脂には天然の
成分としてジグリセリドを含むものもある。この含量は
油脂の種類によっても異なるが、通常は少量であり、大
部分のものは5重量%未満である。
用の油脂として用いる際のこげつき防止や油ハネ防止、
あるいはドレッシング、マヨネーズ用等の油脂として用
いる際の乳化力を増大させる目的で乳化剤が含まれてい
てもよい。これらの乳化剤の例としては、ソルビタン脂
肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、及びボリグリセ
リン脂肪酸エステルを挙げることができる。また所望に
より、本発明の油脂組成物には、抗酸化剤、風味付与剤
(フレーバー)、トコフェロール以外の栄養強化剤、減
粘剤等の各種の添加剤を含有させることもできる。
を更に具体的に説明する。なお、下記の「%」は、「重
量%」を、「部」は、「重量部」をそれぞれ表わす。
エステルは、市販ショ糖エステル(原料脂肪酸としてオ
レイン酸が70重量%)をクロロホルム−メタノールを
展開溶媒としたシリカゲルカラムにて分画し、得られた
各分画物と、脂肪酸メチル及びショ糖より合成すること
によって得たショ糖エステルを必要に応じて再調合する
ことにより調製した。以上のようにして得た各ショ糖エ
ステル(SE)中のエステル組成等を下記の表1に示
す。なお、各ショ糖エステル(SE)中のエステル組成
は、ショ糖エステル物語(第一工業製薬(株)発行、
P.63)に記載のゲル濾過クロマトグラフィー(GP
C)法に準じた分析法に従って調べた。
化1,3−位選択的リパーセである市販リパーゼ製剤
(商品名:Lipozyme3A 、ノボインダストリーA.S.
製)を触媒として、下記の表2に記載の植物油由来の脂
肪酸860g及びグリセリン140gを40℃で反応さ
せた。リパーゼ製剤を濾別した後、最終生成物を分子蒸
留にかけ、常法により生成を行って、表2に示すような
ジグリセリドを得た。なおグリセリド組成(%)は、ガ
スクロマトグラフィーによる分析値である。
ステル、ジグリセリド、及び下記のビタミンEを食用油
脂に添加して下記の表3に示すような本発明に従う油脂
組成物(実施例1〜3)を調製した。 ビタミンE:(商品名)Eオイル805、理研ビタミン
(株)製 80%以上のビタミンEを含み、そのうちのα−トコフ
ェロールとβ−トコフェロールの合計の含有量[(α+
β)トコフェロールの含有量]:43% なお、上記ビタミンE中の(α+β)トコフェロールの
含有量は、基準油脂分析試験法(日本油化学協会編)の
蛍光検出器−高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)
に準じた分析による分析値である。
て、ショ糖脂肪酸エステル、ジグリセリド、及びビタミ
ンEの添加量を下記の表3に示すように変えた以外は、
同様にして比較用の油脂組成物(比較例1〜4)を調製
した。なお、比較例2において、抗酸化剤とし茶抽出物
(サンカトールNo.1、太陽化学(株)製)を添加し
た。
〜3及び比較例1〜4で得た油脂組成物を用いて下記の
調理方法で野菜炒めを行い、調理後の油脂組成物中のビ
タミンEの残存率を算出した。 (調理方法)直径25cmの鉄製のフライパンに油脂組
成物を15gを敷き、キャベツ200g、ピーンマン5
0g、及びモヤシ50gを市販のプロパンガスコンロに
よる加熱で約4分間炒めた。仕上げに食塩1.5gを加
え、野菜炒めを作った。なお、検出用のサンプルとして
の油脂は、でき上がった野菜炒めの表面に付着している
油脂を溶剤を用いて回収することで得た。またトコフェ
ロールの含有量の分析は、前記と同様な方法で行った。
結果を表3に示す。
ド、及びショ糖脂肪酸エステルを添加してなる本発明に
従う油脂組成物(実施例1〜3)では、野菜炒めを行っ
た後であっても油脂中の(α+β)トコフェロール(α
−トコフェロールとβ−トコフェロールの合計量)の残
存率が高く、(α+β)トコフェロールの消失がわずか
であることがわかる。一方、ジグリセリド、ショ糖脂肪
酸エステルのいずれも添加しない場合(比較例1〜
2)、あるいはいずれか一方のみを添加した場合(比較
例3、4)では、(α+β)トコフェロールの残存率が
低く、(α+β)トコフェロールの消失が大きいことが
わかる。また比較例2の結果に示されているように、茶
抽出物を添加した場合でも加熱調理による(α+β)ト
コフェロールの消失を防止できない。
下記の表4に示すような本発明に従う油脂組成物(実施
例4〜6)を調製した。なお、ショ糖脂肪酸エステル、
ジグリセリド、及びビタミンEは前記実施例と同じもの
を使用した。またビタミンE中の(α+β)トコフェロ
ールも上記と同様な方法で測定した。
て、ショ糖脂肪酸エステル、ジグリセリド、及びビタミ
ンEの添加量を下記の表4に示すように変えた以外は、
同様にして比較用の油脂組成物(比較例5〜8)を調製
した。なお、比較例6において、抗酸化剤とし茶抽出物
(サンカトールNo.1、太陽化学(株)製)を添加し
た。
〜6及び比較例5〜8で得た油脂組成物を用いて下記の
調理方法で天ぷらを揚げ、調理後の油脂組成物中のビタ
ミンEの残存率を前記と同様な方法で算出した。 (調理方法)直径30cmの中華鍋に油脂組成物を60
0g入れ、天ぷら(エビ10尾、かぼちゃ10枚、ピー
マン10切れ、レンコン10枚)を180℃で揚げた。
そして天ぷらを揚げた後の油脂を検出用のサンプルとし
た。またトコフェロールの含有量の分析は、前記と同様
な方法で行った。結果を表4に示す。
ド、及びショ糖脂肪酸エステルを添加してなる本発明に
従う油脂組成物(実施例4〜6)では、天ぷらを揚げた
後においても油脂中の(α+β)トコフェロールの残存
率が高く、(α+β)トコフェロールの消失がわずかで
あることがわかる。一方、ジグリセリド、ショ糖脂肪酸
エステルのいずれも添加しない場合(比較例5、6)、
あるいはいずれか一方のみを添加した場合(比較例7、
8)では、(α+β)トコフェロールの残存率が低く、
(α+β)トコフェロールの消失が大きいことがわか
る。また比較例6の結果に示されているように、茶抽出
物を添加した場合でも(α+β)トコフェロールの消失
を充分に防止できない。
コフェロールと共にショ糖脂肪酸エステル、及びジグリ
セリドが含有されており、加熱調理後においても、α−
及びβ−トコフェロールの消失が少なく、安定化されて
いる。従って生理活性が高いα−,β−トコフェロール
を日常の食事で容易に摂取することができるという利点
がある。
Claims (4)
- 【請求項1】 食用油脂中に、全油脂組成物量に対して
合計で0.005〜2重量%のα−及びβ−トコフェロ
ール、0.01〜10重量%のショ糖脂肪酸エステル、
及び5〜60重量%のジグリセリドが含有されてなる安
定化トコフェロール含有油脂組成物。 - 【請求項2】 α−及びβ−トコフェロールがビタミン
Eとして添加されている請求項1に記載の安定化トコフ
ェロール含有油脂組成物。 - 【請求項3】 ショ糖脂肪酸エステルが、 [SME]<20重量% [STE]≧15重量% ([SDE]+[STE]+[STeE])/[SE]
>0.5 (ここで、[SME]、[SDE]、[STE]、そし
て[STeE]はそれぞれショ糖脂肪酸エステル混合物
中のショ糖脂肪酸モノ、ジ、トリ、そしてテトラエステ
ルの含有量を表し、[SE]はショ糖脂肪酸エステル混
合物を構成する各エステルの全量を表す。)の組成を示
すショ糖脂肪酸エステル混合物である請求項1に記載の
安定化トコフェロール含有油脂組成物。 - 【請求項4】 ジグリセリドが、不飽和脂肪酸残基を、
構成脂肪酸残基中に60重量%以上含むものである請求
項1に記載の安定化トコフェロール含有油脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33645294A JP3390556B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 安定化トコフェロール含有油脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33645294A JP3390556B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 安定化トコフェロール含有油脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08173036A true JPH08173036A (ja) | 1996-07-09 |
JP3390556B2 JP3390556B2 (ja) | 2003-03-24 |
Family
ID=18299289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33645294A Expired - Fee Related JP3390556B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 安定化トコフェロール含有油脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3390556B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08173035A (ja) * | 1994-12-22 | 1996-07-09 | Kao Corp | 安定化トコフェロール含有油脂組成物 |
JPH10127230A (ja) * | 1996-10-30 | 1998-05-19 | Kao Corp | 揚げ菓子類 |
WO1999059424A1 (en) * | 1998-03-03 | 1999-11-25 | Kao Corporation | Fried food and shortening |
JP2010063420A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Kao Corp | 油脂組成物 |
JP2010106044A (ja) * | 2010-02-04 | 2010-05-13 | Mitsubishi Chemicals Corp | 乳化組成物 |
CN111040875A (zh) * | 2020-01-06 | 2020-04-21 | 武汉轻工大学 | 一种抗氧化剂及其制备方法和应用 |
-
1994
- 1994-12-22 JP JP33645294A patent/JP3390556B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08173035A (ja) * | 1994-12-22 | 1996-07-09 | Kao Corp | 安定化トコフェロール含有油脂組成物 |
JPH10127230A (ja) * | 1996-10-30 | 1998-05-19 | Kao Corp | 揚げ菓子類 |
WO1999059424A1 (en) * | 1998-03-03 | 1999-11-25 | Kao Corporation | Fried food and shortening |
US6106879A (en) * | 1998-03-03 | 2000-08-22 | Kao Corporation | Fried food and shortening |
JP2010063420A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Kao Corp | 油脂組成物 |
KR20110056279A (ko) * | 2008-09-12 | 2011-05-26 | 카오카부시키가이샤 | 유지 조성물 |
JP2010106044A (ja) * | 2010-02-04 | 2010-05-13 | Mitsubishi Chemicals Corp | 乳化組成物 |
CN111040875A (zh) * | 2020-01-06 | 2020-04-21 | 武汉轻工大学 | 一种抗氧化剂及其制备方法和应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3390556B2 (ja) | 2003-03-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Wang | 2 Soybean oil | |
JP4905999B2 (ja) | 食感改良油脂組成物 | |
EP2721131B1 (en) | Method for manufacturing refined fats and oils | |
EP2548941B2 (en) | Production process for refined fat or oil | |
CZ186597A3 (cs) | Margarinová tuková směs | |
CA2789762A1 (en) | Oil compositions of stearidonic acid | |
US9409851B2 (en) | Long chain monounsaturated fatty acid composition and method for the production thereof | |
JP2006137923A (ja) | 油脂組成物 | |
JP6050037B2 (ja) | 油脂組成物、それを利用した食品、油脂組成物の製造方法及び食用油脂の光劣化抑制方法 | |
KR20150052836A (ko) | 유지 조성물 | |
JP3390556B2 (ja) | 安定化トコフェロール含有油脂組成物 | |
KR101667435B1 (ko) | 유지 조성물 | |
JP3390555B2 (ja) | 安定化トコフェロール含有油脂組成物 | |
JP6246883B2 (ja) | 食用油脂中での異風味の抑制方法 | |
JP3434725B2 (ja) | フライ用油脂およびフライ食品 | |
EP2641473A1 (en) | High oleic palm oil fractions | |
JP7034679B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP7034680B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP6746212B2 (ja) | 加熱調理用油脂組成物の製造方法、加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法、加熱調理用油脂組成物、及びトコフェロール高含有油脂組成物 | |
JP6804253B2 (ja) | 加熱調理用油脂組成物及びその製造方法、並びに加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法 | |
CN109418431B (zh) | 油脂组合物 | |
JP7368079B2 (ja) | 加熱用油脂組成物、加熱用油脂組成物の製造方法、油脂組成物の加熱による劣化を抑制する方法 | |
JP7359539B2 (ja) | 油脂組成物、加熱調理用油脂組成物、加熱調理用油脂組成物の製造方法、並びに、油脂組成物における酸価上昇及び色調上昇の抑制方法 | |
KR102143203B1 (ko) | 반응 혼합물의 과산화물가 조정에 의하여 효소적 에스테르화의 효율을 향상시키는 방법 | |
JP2018007572A (ja) | 油脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20021210 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090117 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090117 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100117 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120117 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |