JPH08172905A - リオフィラム ウルマリウム子実体の栽培方法 - Google Patents

リオフィラム ウルマリウム子実体の栽培方法

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JPH08172905A
JPH08172905A JP6335102A JP33510294A JPH08172905A JP H08172905 A JPH08172905 A JP H08172905A JP 6335102 A JP6335102 A JP 6335102A JP 33510294 A JP33510294 A JP 33510294A JP H08172905 A JPH08172905 A JP H08172905A
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JP
Japan
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ulmarium
culturing
hyphae
riofilum
culture
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JP6335102A
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Yukihiro Kouno
由己太 河野
Susumu Matsui
侑 松井
Sadasuke Kainuma
禎介 貝沼
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Takara Shuzo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リオフィラム ウルマリウム子実体の低温に
おける菌床人工栽培方法を提供する。 【構成】 (A)リオフィラム ウルマリウムの種菌を
菌床人工栽培用の培養基で20℃未満で培養する菌まわ
し工程、(B)得られる菌糸を13〜30℃で培養する
熟成工程、(C)得られる子実体発生基を10〜20
℃、照度50ルクス未満で培養する工程、及び(D)得
られる子実体原基を10〜20℃、照度50〜1300
ルクスで培養する工程、の各工程を包含するリオフィラ
ム ウルマリウム子実体の栽培方法。栽培に好適な菌の
例にはFERM P−14710がある。 【効果】 低温栽培で、しかも良品質の子実体が工業的
に提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリオフィラム ウルマリ
ウム(Lyophyllum ulmarium)の栽培方法に関し、更に詳
細には低温下でのリオフィラム ウルマリウム子実体の
栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のきのこ栽培はコナラ、クヌギ、ブ
ナ等の原木を利用したほだ木栽培がほとんどであり、そ
のため気象条件により収穫が左右されることが多く、ま
た最近ではほだ木に使用する原木の不足や原木切り出し
のための労働力が不足している等の理由により、原木の
入手は困難であった。更にほだ木栽培は培養期間が長
く、例えば種菌の接種から収穫までに1年半〜2年も要
すること等により、生産コストが相当高額になることが
避けられなかった。このため、近年になりエノキタケ、
ヒラタケ、ナメコ等の栽培において、オガクズにコメヌ
カを配合した培養基を用いてビン又は箱で栽培を行う菌
床人工栽培法が確立され、1年を通じて安定してきのこ
を収穫できるようになってきた。リオフィラム ウルマ
リウムを栽培する場合も、オガクズにコメヌカを配合し
た培養基を用いてポリプロピレン製の広口ビンで栽培を
行う菌床人工栽培法が、作業性が良く栽培室の管理が容
易で、1年を通じて安定してきのこを収穫できるため、
主流となってきている。従来より行われてきたリオフィ
ラム ウルマリウム人工栽培は下記の(A)(B)
(C)及び(D)工程: (A)リオフィラム ウルマリウムの種菌を人工栽培用
の培養基に接種後20〜30℃好ましくは23〜25
℃、暗所、湿度約50%で約25日間培養して培養菌糸
を得る菌まわし工程、(B)該培養菌糸を20〜30℃
好ましくは25℃、暗所、湿度約50%で約60日間培
養して子実体発生基を得る熟成工程、(C)該子実体発
生基を約15℃、照度50ルクス未満、高湿度で10〜
15日間培養する子実体原基形成工程、(D)該子実体
を約15℃、照度900〜1300ルクス、高湿度で1
0〜15日間培養する子実体形成工程、より成る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在行われているリオ
フィラム ウルマリウムの人工栽培においては、菌まわ
し工程及び熟成工程における培養温度は23〜25℃が
好ましいとされている。日本において気温が周年このよ
うな温度帯にある地域は少なく、好ましい培養温度を得
るためには、冷房若しくは暖房の空調装置を必要とす
る。しかし大型の培養室は空調による均一な温度管理が
難しく、局所的に高温の場所が生じて菌糸の生育障害や
子実体の発生障害が発生したり、雑菌汚染の可能性が増
加するといった問題点があり、低温での栽培方法の確立
が要望されている。本発明の目的は、上記の要望を満た
す、リオフィラム ウルマリウム子実体の栽培方法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明はリオフィラム ウルマリウム子実体の栽培方法に
関し、下記(A)、(B)、(C)及び(D)工程: (A)リオフィラム ウルマリウムの種菌を菌床人工栽
培用の培養基に接種後20℃未満で培養して培養菌糸を
得る菌まわし工程、(B)該培養菌糸を13〜30℃で
培養して子実体発生基を得る熟成工程、(C)該子実体
発生基を10〜20℃、照度50ルクス未満で培養する
子実体原基形成工程、(D)該子実体原基を10〜20
℃、照度50〜1300ルクスで培養する子実体形成工
程、の各工程を包含することを特徴とする。
【0005】前記の問題点を解決するために鋭意検討を
重ねた結果、本発明者らは菌まわし工程における培養温
度を20℃未満にすることにより、菌糸の生育障害や子
実体の発生障害、雑菌汚染が減少することを見出し、本
発明を完成した。
【0006】本発明を更に詳しく説明すると、菌まわし
工程とは菌床人工栽培用の培養基に担子菌菌糸が充満す
るまで培養し、培養菌糸を得る工程であり、20℃未満
で、以下好ましくは暗所、湿度約50%下に行う。本工
程は通常20〜40日で完了する。次いで熟成工程と
は、菌まわし工程で得た培養菌糸を更に培養することに
より、菌糸を培養基の細部にわたり充満させ、菌体内貯
蔵栄養を増加させることで子実体形成の準備段階とし
て、子実体発生基を得る工程である。本工程は13℃〜
30℃で、以下好ましくは暗所、湿度約50%下に通常
30日〜60日間で完了する。
【0007】子実体原基形成工程及び子実体形成工程は
次のように行うことができる。すなわち、熟成工程で得
た子実体発生基の上部1cmの菌糸層を、中央部を残し
て除去して水道水を加えて、十分に吸水させた後、残っ
た水を取除いて照度50ルクス未満、湿度10〜20
℃、以下好ましくは15℃付近、湿度85〜95%の条
件下で8〜10日間培養すると、子実体原基が得られ
る。次いで、照度を50〜1300ルクスにして、10
〜20℃で8〜20日間培養すると、成熟子実体が得ら
れる。上部の菌糸層を取除く操作は、菌糸層の貯蔵栄養
分の分解活性を高めることが知られている。また分解物
は、原基形成に利用される。
【0008】本発明に使用するリオフィラム ウルマリ
ウムの菌株は、本発明の方法において、正常な子実体を
発生する菌株であればどのような菌株でも良いが、特に
本発明者等が交配育種したリオフィラム ウルマリウム
M−8173(FERMP−14710)は、本発明
に使用するのに好ましい菌株である。以下に本発明の新
菌株リオフィラム ウルマリウム M−8173の育種
について述べる。
【0009】本発明の新菌株リオフィラム ウルマリウ
ム M−8173はリオフィラムウルマリウム Lu1
−8(FERM BP−1416)とリオフィラム ウ
ルマリウム Lu1−17(FERM BP−141
7)の交配により得た。親株であるリオフィラム ウル
マリウム Lu1−8及びリオフィラム ウルマリウム
Lu1−17は、特開昭63−273467号公報に
記載のように、収量、生育速度、子実体形態に優れたリ
オフィラム ウルマリウム新菌株の交配育種の親株とし
て優れた性状を有している。
【0010】以下に、リオフィラム ウルマリウム L
u1−8とリオフィラム ウルマリウム Lu1−17
の交配方法を詳しく述べる。スギオガクズとコメヌカを
乾燥物重量比9:7になるように混合して、水道水を水
分含有率63%になるように加えた培養基を形成し、1
20℃、90分間高圧蒸気滅菌した。この培養基を冷却
した後、リオフィラム ウルマリウム Lu1−8の固
体種菌10gを接種し、暗所にて温度25℃、湿度50
〜60%の条件下で95日間培養を続けた後、常法に従
って子実体を発生させた。同子実体の傘部より得た胞子
を、PGY寒天平板培地(グルコース2%、ペプトン
0.2%、酵母エキス0.2%、リン酸1カリウム0.
05%、硫酸マグネシウム0.05%、寒天2%)で発
芽させ、単胞子分離して一核菌糸20株を得た。同様に
して、リオフィラム ウルマリウムLu1−17の一核
菌糸20株も得た。次に、リオフィラム ウルマリウム
Lu1−8の一核菌糸とリオフィラム ウルマリウム
Lu1−17の一核菌糸を、1株ずつPGY寒天平板培
地上に対峙させて接種して25℃にて14日間培養して
交配を行い交配株400株を得た。次に、該交配株をP
GY寒天平板培地に接種し25℃にて14日間培養し種
菌とし、再びPGY寒天平板培地に接種し、暗所、5℃
〜35℃の各温度にて培養して菌糸生長速度を調べ、最
適生育温度が通常よりも低温である菌株4株を選抜し
た。次に本発明の方法で栽培試験を行い、最も栽培特性
の良い新菌株リオフィラム ウルマリウム M−817
3を選抜して育種を完了した。
【0011】栽培試験条件は以下のとおりである。オガ
クズ(スギ、ブナ等容混合)とコメヌカを乾燥物重量比
9:7になるように混合して、水道水を水分含有率63
%になるように加えて十分にかくはんした混合物を、ポ
リプロピレン製850ml容広口ビンに全自動詰め込み
機(協栄鉄工株式会社製EI8615D型)にて圧詰め
して培養基を形成した。このときのビンを含めた重量は
580gであった。更に、ビン口中央部より下方に向か
って直径1cmの穴を底付近まであけ、キャップで打栓
したものを120℃、90分間高圧蒸気滅菌した。この
培養基を冷却した後、各選抜したリオフィラム ウルマ
リウムの固体種菌10gを接種し、暗所にて19℃、湿
度50〜60%の条件下で30日間培養を行い、培養菌
糸体を作った。この培養菌糸体を更に同条件下で40日
間培養を続けて熟成した後、キャップを取り除いて培養
基の上から1cmの深さまで菌糸層をかき取り、水道水
20mlを加えて吸水させた。4時間放置後に余剰の水
を傾斜させて廃棄し、温度15℃、湿度95%、照度4
0ルクスの条件下で10日間培養して子実体原基を発生
させ、更に照度を900ルクスに上げて14日間培養し
て成熟子実体を得た。各試験区80ビンとして、発生子
実体の形状、収量等を検討した。交配株のリオフィラム
ウルマリウム M−8173は Lyophyllum ulmarium
M−8173と表示され、工業技術院生命工学工業技術
研究所にFERM P−14710として寄託されてい
る。
【0012】次に、リオフィラム ウルマリウム M−
8173(FERM P−14710)の菌学的性質を
以下に示す。 (1)麦芽エキス寒天培地(23℃) 7日目で旺盛な生育で、コロニー径は45mm、白色で
密な菌糸、気中菌糸を多量に生じる。10日目でシャー
レ全体に菌糸が生育する。17日目で表面全体に密な気
中菌糸を生じる。菌糸は白色である。 (2)バレイショ・ブドウ糖寒天培地(23℃) 7日目で旺盛な生育で、コロニー径は40mm、白色で
密な菌糸、気中菌糸を大量に生じる。10日目でシャー
レ全体に菌糸が生育する。17日目には表面全体を白色
の菌糸が覆う。 (3)ツァペック・ドックス寒天培地(23℃) 7日目で小程度の生育、コロニー径は20mm、菌糸は
樹状に伸長し極めて希薄、気中菌糸は少ない。17日目
でシャーレ全体に菌糸が生育。菌糸は樹状で白色、希薄
である。 (4)サブロー寒天培地(23℃) 7日目で旺盛な生育、コロニー径は38mm、白色で綿
状の密な菌糸、気中菌糸はやや多い。10日目でシャー
レ全体に菌糸が生育し、気中菌糸は極めて多く、綿状で
白色である。 (5)オートミール寒天培地(23℃) 7日目で旺盛な生育、コロニー径は41mm。菌糸はよ
く分岐して伸び、気中菌糸は少ない。10日目でシャー
レ全体に菌糸が生育、綿状の気中菌糸を大量に生じる。
白色である。 (6)合成ムコール寒天培地(23℃) 7日目で小程度の生育、コロニー径は28mm、菌糸は
白色で放射状に伸びる。17日目で菌糸はシャーレ全体
に生育し、気中菌糸を大量に生じる。菌糸は白色であ
る。 (7)YpSs寒天培地(23℃) 7日目で旺盛な生育、コロニー径は43mm、菌糸は白
色、密で気中菌糸を大量に生じる。マット状に生育。1
0日目で菌糸はシャーレ全体に生育し、気中菌糸も大量
に生じる。菌糸は白色である。 (8)フェノールオキシダーゼ検定用培地(23℃) 7日目で小程度の生育。コロニー径は23mm。菌糸は
白色で短くマット状、気中菌糸は少ない。培地は褐変
し、褐変半径は35mm。17日目で中程度の生育、コ
ロニー径は40mm、褐変半径は40mm。 (9)最適発育温度 PGY寒天培地に直径5mmの種菌を接種し、5℃〜3
5℃でそれぞれ培養して、12日後に各コロニー径を測
定したところ、最適発育温度は23℃付近であり、低温
性であった。また、5℃、35℃では生育しなかった。 (10)最適発育pH PGY液体培地(PGY寒天培地から寒天を除いたも
の)60mlずつを殺菌後、各pHに調整し、直径5m
mの種菌を接種して、25℃にて15日間静置培養後、
菌体の乾燥重量を測定したところ、最適発育pHは7〜
8であった。また、本菌株の生育限界はpH3.5〜1
0の範囲であった。
【0013】次に本発明で得られたリオフィラム ウル
マリウム交配株と、他のリオフィラム ウルマリウム菌
株との異同判定として、両菌糸がもっている性因子が異
なれば、その菌糸は互いに異なる菌糸であるという菌類
分類学的事実に基づき、性因子の異同を寒天培地上にお
ける対峙培養によって調べた。供試したリオフィラムウ
ルマリウム菌株としては、リオフィラム ウルマリウム
IFO 9637、リオフィラム ウルマリウム I
FO 30525、リオフィラム ウルマリウム IF
O 30775、リオフィラム ウルマリウム Lu1
−8、リオフィラム ウルマリウム Lu1−17、リ
オフィラム ウルマリウム Lu1−2(FERM P
−12584)、リオフィラム ウルマリウム M−8
171(FERM BP−1415)、及び種菌業者か
ら購入したリオフィラム ウルマリウム1菌株である。
【0014】ここでリオフィラム ウルマリウム Lu
1−8は鳥取県大山で、リオフィラム ウルマリウム
Lu1−17は三重県奥志摩で、リオフィラム ウルマ
リウム Lu1−2は群馬県霧積でそれぞれ採集され本
発明者等によって純粋分離された後、それぞれ選抜育種
された株であり、リオフィラム ウルマリウム M−8
171はリオフィラム ウルマリウム Lu1−8とリ
オフィラム ウルマリウム Lu1−17の交配により
創製された菌株である。種菌業者から購入したリオフィ
ラム ウルマリウム1菌株とは、日本農林種菌株式会社
より購入したリオフィラム ウルマリウム菌株である。
これらの各菌株の二核菌糸を保存スラント(PGY寒天
斜面培地)より菌糸断片(3mm×3mm×3mm)と
して切り出し、それぞれをPGY寒天平板培地の中央部
に、リオフィラム ウルマリウムM−8173の菌糸断
片(3mm×3mm×3mm)と対峙するように2cm
の間隔をあけて植菌し、25℃、20日間培養後、両コ
ロニーの境界部に帯線が生じるか否かを判定した。結果
を表1に示す(帯線を生じた場合+、生じなかった場合
−)。
【0015】
【表1】 表 1 M−8173 リオフィラム ウルマリウム IFO 9637 + リオフィラム ウルマリウム IFO 30525 + リオフィラム ウルマリウム IFO 30775 + リオフィラム ウルマリウム Lu1−8 + リオフィラム ウルマリウム Lu1−17 + リオフィラム ウルマリウム Lu1−2 + リオフィラム ウルマリウム M−8171 + リオフィラム ウルマリウム(日農種菌1)) +
【0016】1)日農種菌→日本農林種菌株式会社製リオ
フィラム ウルマリウム種菌 表1に示したようにリオフィラム ウルマリウム M−
8173は、供試したすべてのリオフィラム ウルマリ
ウム株と帯線を生じた。上述したリオフィラム ウルマ
リウム新菌株を栽培する場合は、現在使用されている人
工栽培用基材のいずれも使用することができ、また、現
在使用されている増収剤のいずれも使用することができ
る。
【0017】以上、本発明により、低温下での菌まわし
工程を包含するリオフィラム ウルマリウム子実体の栽
培方法が提供され、菌糸の生育障害や子実体の発生障
害、雑菌汚染が減少するリオフィラム ウルマリウム子
実体の工業的栽培方法が確立された。なお、現在一般的
に使用されているリオフィラム ウルマリウムの菌株
は、本発明の方法にて使用した場合、低温下での菌まわ
し工程の影響で、発生させた子実体の品質が良くないと
いう欠点があるが、本発明者らが創製した新菌株リオフ
ィラム ウルマリウム K−8173は本発明の方法に
特に好適の菌株であり、低温下での菌まわし工程、熟成
工程においても良好な菌糸成長を示し、全工程20℃未
満の栽培においても発生する子実体は高品質であった。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではな
い。
【0019】実施例1 オガクズ(スギ、ブナ等容混合)とコメヌカ、フスマ、
オカラを乾燥物重量比11:6:3:1になるように混
合して、水道水を水分含有率63%になるように加えて
十分にかくはんした混合物を、ポリプロピレン製850
ml容広口ビン(信越農材株式会社製ブロービンS−8
50)に全自動詰め込み機(協栄鉄工株式会社製EI8
615D型)にて圧詰めして培養基を形成した。このと
きのビンを含めた重量は580gであった。更に、ビン
口中央部より下方に向かって直径1cmの穴を底付近ま
であけ、キャップで打栓したものを120℃、90分間
高圧蒸気滅菌した。この培養基を冷却した後、リオフィ
ラム ウルマリウム M−8173(FERM P−1
4710)の固体種菌10gを接種し、暗所にて温度1
9℃、湿度50〜60%の条件下で35日間培養を行
い、培養菌糸体を作った。この培養菌糸体を更に同条件
下で40日間培養を続けて熟成して子実体発生基を得
た。該子実体発生基の上部菌糸層1cmを中央部を残し
て除去し、水道水20mlを加えて吸水させた。4時間
放置後に余剰の水を傾斜させて廃棄し、温度15℃、湿
度95%、照度40ルクスの条件下で10日間培養して
子実体原基を発生させ、次いで照度900ルクスの光を
24時間/日となるように照射しながら14日間培養し
て成熟子実体を得た。成熟子実体の収量は148gで、
菌まわし工程19℃で培養したにもかかわらず良品質の
子実体が得られた。
【0020】
【発明の効果】本発明により、低温での栽培方法が確立
され、良品質のリオフィラム ウルマリウム子実体が工
業的に提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)、(B)、(C)及び(D)
    工程: (A)リオフィラム ウルマリウムの種菌を菌床人工栽
    培用の培養基に接種後20℃未満で培養して培養菌糸を
    得る菌まわし工程、(B)該培養菌糸を13〜30℃で
    培養して子実体発生基を得る熟成工程、(C)該子実体
    発生基を10〜20℃、照度50ルクス未満で培養する
    子実体原基形成工程、(D)該子実体原基を10〜20
    ℃、照度50〜1300ルクスで培養する子実体形成工
    程、の各工程を包含することを特徴とするリオフィラム
    ウルマリウム子実体の栽培方法。
JP6335102A 1994-12-21 1994-12-21 リオフィラム ウルマリウム子実体の栽培方法 Pending JPH08172905A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007195432A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Hokken Co Ltd ハタケシメジの栽培方法及びその子実体

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