JPH08169527A - ワーク搬送装置における円柱状ワークの分配装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 順次搬送されてきた多数のワークを、１個ず
つ定位置に確実に分配する。 【構成】 ワーク５を搬送するベルトコンベヤ１の直上
に設けた支持板２１に、案内板４の出口端から定位置１
１までの間を間欠的に往復移動する押出板７のワーク受
け８に流入したワーク５の側方への脱出を防止する押え
ばね２２と、定位置１１に押し出されたワーク５の引き
戻しを防止する停止ばね２４を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ベルトコンベヤ等のワ
ーク搬送装置より搬送されてきた円柱状ワークを、ベル
トコンベヤ上の側方１列に並ぶ複数の定位置に正確に順
次分配する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図２は、たとえば内燃機関のバルブアジ
ャスタ(以下ワークという)のような円柱状のワークを、
箱詰するための従来の分配装置を示すものである。

【０００３】ベルトコンベヤ(１)の側枠(２)に支持され
て矢印方向に回走する無端のベルト(３)の図面左側部
(以下左右方向は図面についていう)の若干上方には、前
後方向を向いて平行をなす左右１対の案内板(４)が固設
され、ワーク(５)は、両案内板(４)の間を小径部(5a)が
案内されて１列になって順次搬送される。

【０００４】両案内板(４)の直前(図面の直上、以下図
面の上方を前方という)には、エアシリンダ(６)により
間欠的に側方へ往復移動する横長の押出板(７)が設けら
れ、押出板(７)の先端(右端)は円弧状に切欠されて、ワ
ーク受け(８)が形成され、常時は案内板(４)の出口端と
対向している。

【０００５】両側枠(２)の前端におけるベルト(３)の前
端上方には、側方を向く停止板(９)が架設され、その後
縁の中央部と右部には、Ｕ字形をなして後方が開口し、
ワーク(５)の小径部(5a)が嵌入しうる３個の停止溝(10)
が等間隔をもって切設され、各停止溝(10)の後方、かつ
ワーク受け(８)の往復移動線上には、想像線で示す３個
所の定位置(11)が設定されている。

【０００６】上述の装置は、両案内板(４)の間を搬送さ
れてきた第１番目のワーク(５)が、ワーク受け(８)によ
り停止されると、押出板(７)はワーク(５)の小径部(5a)
を押圧して、ワーク(５)を右端の定位置(11)に押し出し
て後退し、残されたワーク(５)はベルト(３)により停止
板(９)の右端の停止溝(10)まで搬送される。

【０００７】後退した押出板(７)は、ワーク受け(８)
が、第２番目のワーク(５)を受け取り、ワーク(５)を中
央の定位置(11)まで押し出して後退し、残されたワーク
(５)はベルト(３)により中央の停止溝(10)まで搬送され
る。上記と同様にして、第３番目のワーク(５)は、左端
の停止溝(10)まで搬送される。

【０００８】停止板(９)の３個の停止溝(10)がすべてワ
ーク(５)を受け取ると、図示を省略したが箱詰機が準備
した容器に箱詰めする。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の分配装置は、ベルト(３)は常時回走しているため、ワ
ーク受け(８)に停止されて待機しているワーク(５)が、
ベルトコンベヤ(１)の振動や後続するワーク(５)の衝接
により右側方に脱出し、停止板(９)の後方に滞留するこ
とがある。

【００１０】また、ワーク受け(８)により正常に定位置
(11)まで押し出されたワーク(５)が、それに付着してい
る潤滑油によりワーク受け(８)に密着して、押出板(７)
が後退する時、ともに若干引き戻されて、定位置よりず
れ、箱詰作業に混乱を起こすことがある。

【００１１】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、順次搬送されてきた多数のワークを、定
位置に確実に分配しうるようにした分配装置を提供する
ことを目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、円柱状ワークを垂直に載置して搬送する前後方向
を向くベルトコンベヤの一側端に、ワークを前後１列に
整列させて搬送する左右１対の案内板を固設し、案内板
のワーク出口端に、側方に間欠的に往復移動し、かつ先
端にワーク受けを形成した押出板を設け、案内板より排
出されるワークをワーク受けに１個ずつ支承して、ベル
トコンベヤの側方１列に並ぶ複数の定位置に順次分配す
るようにしたワーク搬送装置における円柱状ワークの分
配装置において、前記定位置の後上方に固設した支持板
に、前記ワーク受けに流入したワークの側方への脱出を
防止する弾性撓曲可能な押えばねと、定位置に押し出さ
れたワークの引き戻しを防止する弾性撓曲可能な停止ば
ねとを設けることにより解決される。

【００１３】

【作用】本発明の装置によると、案内板よりワーク受け
に流入したワークは、押えばねにより押し出し方向と反
対方向に弾性的に押圧されて待機するので、ベルトコン
ベヤの振動や後続するワークの衝接により側方に脱出す
ることはない。

【００１４】また、ワークを支持した押出板が停止ばね
を進行方向に弾性屈撓させて通過し、定位置に停止した
のち原位置に後退すると、停止ばねは、その弾性力によ
り原姿勢に復帰してワークと当接するので、ワークが引
き戻されるのが防止される。

【００１５】

【実施例】図１は、本発明の一実施例を示すもので、上
述した従来装置と同一の各部材には、同一の符号を付し
て説明を省略する。

【００１６】ベルトコンベヤ(１)の右方の側枠(２)上に
は、左方を向き、前端縁が案内板(４)の前端と平行に並
んで近接する支持板(21)が固設されている。

【００１７】支持板(21)の左前部には、常時は左前方を
向いて、先端がワーク受け(８)に嵌入した時のワーク
(５)の小径部(5a)の右後面に当接して、ワーク(５)の右
方への脱出を防止する押えばね(22)の基端が、固定ねじ
(23)により固定されている。

【００１８】支持板(21)の左前部と中央前部には、それ
ぞれ常時は右前方を向いて、先端が左方と中央の定位置
(11)に押し出された時のワーク(５)の小径部(5a)の左面
に当接して、ワーク(５)が押出板(７)により引き戻され
るのを防止する停止ばね(24)の基端が、固定ねじ(25)に
より固定されている。

【００１９】支持板(21)の右前部には、前部が右方の定
位置(11)に押し出された時のワーク(５)の小径部(5a)の
右後面に沿って湾曲し、先端が右面に当接して、ワーク
(５)のオーバーランを防止する、ピアノ線等のストッパ
(26)の中央部が、支点ねじ(27)により枢支され、ストッ
パ(26)の後方を向く基端は、固定ねじ(28)により固定さ
れている。

【００２０】

【発明の効果】本発明の装置によれば、押えばねが、押
出板のワーク受けに流入したワークの側方への脱出を防
止し、押出板により定位置に押し出されたワークは、停
止ばねが、押出板とともに後退しようとするワークの引
き戻しを防止するので、ワークは常時定位置に１個ずつ
確実に分配される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す平面図である。

【図２】従来例を示す平面図である。

【符号の説明】

(１)ベルトコンベヤ (２)側枠 (３)無端ベルト (４)案内板 (５)バルブアジャスタ(ワーク) (5a)小径部 (６)エアシリンダ (７)押出板 (８)ワーク受け (９)停止板 (10)停止溝 (11)定位置 (21)支持板 (22)押えばね (23)固定ねじ (24)停止ばね (25)固定ねじ (26)ストッパ (27)支点ねじ (28)固定ねじ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円柱状ワークを垂直に載置して搬送する
   前後方向を向くベルトコンベヤの一側端に、ワークを前
   後１列に整列させて搬送する左右１対の案内板を固設
   し、案内板のワーク出口端に、側方に間欠的に往復移動
   し、かつ先端にワーク受けを形成した押出板を設け、案
   内板より排出されるワークをワーク受けに１個ずつ支承
   して、ベルトコンベヤの側方１列に並ぶ複数の定位置に
   順次分配するようにしたワーク搬送装置における円柱状
   ワークの分配装置において、 前記定位置の後上方に固設した支持板に、前記ワーク受
   けに流入したワークの側方への脱出を防止する弾性撓曲
   可能な押えばねと、定位置に押し出されたワークの引き
   戻しを防止する弾性撓曲可能な停止ばねとを設けたこと
   を特徴とするワーク搬送装置における円柱状ワークの分
   配装置。