JPH08169518A - 練り製品の搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】搬送途中において練り製品を落下する恐れがな
く、しかも隣設するバケット同士の間隔を出来るだけ短
くして一定長さのチェーンに多くのバケットが配設で
き、練り製品の搬送密度の高い搬送装置を提供する。 【構成】練り製品Ａを載置するバケット１１を備え、該
バケット１１はチェーン１に複数個取り付けられ、該チ
ェーン１はガイドスプロケット２を介して少なくとも搬
入部３から搬出部４まで架設された練り製品の搬送装置
において、前記バケット１１は底板１１ａと該底板の左
右側部に設けられる一対の側板１１ｂにより形成され、
前記一対の側板１１ｂ，１１ｂの間には練り製品Ａを出
し入れする通過開口Ｋが形成され、該バケット１１が９
０度を超えて反転したときに内部の練り製品Ａが排出す
るように構成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はナルト巻き蒲鉾等の練り
製品を連続的に移送する練り製品の搬送装置に関し、詳
細には該練り製品を高密度に積載できると共に、搬送途
中で練り製品を脱落することのない練り製品の搬送装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ナルト巻き蒲鉾等の練り製品は高温処理
装置（加熱装置や蒸し装置を含む）によって高温処理さ
れ、高温となった練り製品は冷却装置によって冷風を吹
きかけて冷却した後、包装して製品として出荷される。
この高温処理装置（蒸し装置）や冷却装置に使用される
移送装置としては、例えば実開昭５８−１７６８０８号
や実開昭５８−１７６８０９号に示されるものがある。

【０００３】上記公開公報の技術を利用した冷却装置の
概略を、図５（全体説明図）および図６（一部斜視説明
図）によって説明する。すなわち複数個のガイドスプロ
ケット２、２…にチェーン１を架設し、該チェーン１に
複数のバケット１０、１０…を吊設する。該チェーン１
の通過軌跡には搬入部３を設け、高温処理された練り製
品Ａをバケット１０に列をなして載せ替えると共に、冷
却処理された練り製品Ａをこの冷却装置から取り出す搬
出部４を設ける。また練り製品の移動軌跡の上部には冷
風を下方に向けて噴出させる冷風供給装置Ｃ，Ｃが配設
される。

【０００４】前記バケット１０は図６に示すように底板
１０ａと前後板１０ｄ，１０ｄから構成され、該前後板
１０ｄ，１０ｄには揺動桿１０ｅを貫通して設け、該揺
動桿１０ｅの端部をブラケット１ａを介してチェーン１
に揺動自在に取付ける。また前記底板１０ａには通気孔
１０ｃを多数形成して冷風の流通を確保し、該底板１０
ａの上部に載置された練り製品Ａを効率的に冷却する。
すなわち上記バケット１０はチェーン１に対して揺動自
在に配設することにより、自重によってバケット１０の
姿勢は底板１０ａが常に下位置となるように構成し、底
板１０ａ上に載せた練り製品Ａを落下しないようにす
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】搬入部３から搬出部４
に至るチェーン１の軌跡は、図５に示す如く水平方向に
複数段となるように形成することにより、冷風に長時間
曝されるように構成しているが、バケット１０はその間
に常時冷風または熱風に曝されることになり、風の力と
チェーン１の移動力によってバケット１０は予期しない
揺動を引き起こすことが多々ある。この結果、バケット
１０上の練り製品Ａは不容易な揺れによって簡単に脱落
してしまうという不具合が発生する。

【０００６】また図５に示すようにチェーン１はガイド
スプロケット２によって１８０度向きを変換することも
あり、その際、隣設するバケット１０、１０同士の衝突
や噛合が起こり易い。この様な不都合をを防止するため
には、バケット１０、１０同士の配設間隔を充分に大き
く設定しなければならず、バケット１０の配設数は限定
されてしまい、練り製品の積載密度は低いものとなって
しまう。多くのバケットを設ける装置にあっては、チェ
ーンの移動軌跡を長くしなければならず、装置自体が大
がかりなものとなってしまう。

【０００７】そこで本発明の目的は、搬送途中において
練り製品を落下する恐れがなく、しかも隣設するバケッ
ト同士の間隔を出来るだけ短くして一定長さのチェーン
に多くのバケットが配設でき、練り製品の搬送密度の高
い搬送装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明は、バケットを底板と該底板の左右側部に設けられ
る一対の側板により形成し、前記一対の側板の間には練
り製品を出し入れする通過開口を形成し、さらに該バケ
ットが９０度を超えて反転したときに内部の練り製品が
排出されるように形成することを特徴とする。

【０００９】また好ましくは、バケットを形成する底板
と側板には、複数の通気孔を形成するか、或いはバケッ
トを形成する底板と側板をメッシュ材で形成する。

【００１０】さらにチェーンを形成するリンク側板に
は、ブラケットを介してバケットの前後部を直接取付け
固定する構造とすることが好ましい。

【００１１】上記特徴を有する搬送装置は、該搬送装置
の上部に冷風供給装置を配設し冷却装置として使用する
か、あるいは上記搬送装置の下部には加熱装置を配設し
高温処理装置として使用することが推奨される。

【００１２】

【作用】本発明においては、バケットを底板と該底板の
左右側部に設けられる一対の側板により形成し、前記一
対の側板の間には練り製品を出し入れする通過開口を底
板の上方に形成し、さらに該バケットが９０度を超えて
反転したとき（上記通過開口が上方にある基本姿勢を基
準とする）に、バケット内部の練り製品が排出されるよ
うに構成しているので、上記通過開口を介して内部に収
納された練り製品は、バケットが９０度以下の姿勢変更
をしても練り製品はバケットより落下することなく搬送
される。また搬出部に至って該バケットが９０度を超え
て反転されたとき（上記基本姿勢を基準とする）のみ、
練り製品はバケットから排出されて次工程などに移送す
ることができる。

【００１３】またバケットを形成する底板および側板に
は、任意形状の通気孔を複数設けるか、或いはこれらを
メッシュ材で形成する。そしてこれらの通気孔やメッシ
ュ孔に熱風（蒸気を含む）または冷風を通過させてバケ
ット内部へ導入し、収納された練り製品を効率的に熱処
理する。

【００１４】またバケットの前後部とチェーンはブラケ
ットを介して直接固定し、バケットは移動力や風の力な
どの外力によって不容易に姿勢変更するのを防止し、設
定された搬出部以外で練り製品が不用意に落下するのを
防止する。さらにこれによってチェーンとバケットの取
付け姿勢は変わることがないので、隣設するバケット同
士は僅かな隙間をのこして接近した位置に配設でき、チ
ェーンの単位長さ当たり多くのバケットを配設でき、練
り製品を高密度に運搬することができる。従って装置が
大がかりなることもなくコンパクトに形成できる。

【００１５】この搬送装置は、練り製品を蒸気などで熱
処理する高温処理装置、或いは冷風によって練り製品を
冷却する冷却装置のいずれにも適用できる。

【００１６】

【実施例】図１は本発明の搬送装置を適用した冷却装置
Ｓの実施例を示す全体説明図である。チェーン１はガイ
ドスプロケット２、２…に架設され、搬入部３から搬出
部４にまで至り（この間にはバケット１１内には練り製
品Ａが収納される）、搬出部４から搬入部３まではバケ
ット１１が空状態で移動し、チェーン１は循環移動する
ように構成される。前記チェーン１には多数のバケット
１１、１１…が図２において後述するように取付けられ
る。

【００１７】前記搬入部３においては、搬入コンベア３
１の下部に、練り製品Ａの姿勢を整える開閉装置３２が
設けられ、該開閉装置３２の真下に空のバケット１１が
位置するのを見計らって開動作される。すなわちここで
内部に練り製品Ａを収納したバケット１１は白抜き矢印
方向に沿って移動される。冷却装置Ｓの上部には予備送
風装置Ｂおよび冷風供給装置Ｃ，Ｃが配設され、上記バ
ケット１１内に複数個（１個以上の任意数で良い）列を
なして収納された練り製品Ａに冷風を当ててこれらを冷
却する。

【００１８】上記バケット１１は図２に示すように、底
板１１ａと該底板１１ａの左右側部に設けられる一対の
側板１１ｂ，１１ｂによって形成され、側板１１ｂ，１
１ｂ上部の間には、通過開口Ｋが底板１１ａの長さ方向
に沿って形成される。これら底板１１ａと側板１１ｂに
は多数の通気孔１１ｃが形成される（通気孔１１ｃの形
状は丸形、楕円形、矩形など任意形状で良い）。前記側
板１１ｂは内部に向けて凹形に形成され、該バケット１
１が上部に通過開口Ｋを配置した基本姿勢、または該基
本姿勢から左右に９０度以下に変位した垂直移動姿勢の
いずれにおいても、バケット１１の内部に収納した練り
製品Ａがバケット外へ落下または排出されない構造とし
ている。

【００１９】また前記バケット１１の前後部（図２にお
いては後部のみ示す）には前後板１１ｄが取付けられ、
該前後板１１ｄはブラケット１９およびビス１８を介し
て、チェーン１のリンク側板１３に固定される。該リン
ク側板１３は他のリンク側板１２と対をなし、さらにロ
ーラ１５およびリンク側板１４、１４を挟持してピン１
６によって軸支される。バケット１１の前後部は平行に
張設されたチェーン１、１のリンク側板１３、１３の間
に固定され、チェーン１の移動と共に移動する。したが
って隣接するバケット１１、１１同士の間隔は接触しな
い最小間隙を残して配設すれば良く、一定長さのチェー
ンに多くのバケット１１を取り付けることができる。

【００２０】この結果、図１に示す搬入部３から搬出部
４に至るまでの間においては、バケット１１は上記基本
姿勢または垂直移動姿勢（基本姿勢から９０度以下に変
位した姿勢）で移動する。従ってこの間においてはバケ
ット１１内に収納された練り製品Ａはバケット１１の外
部へ落下することはない。なお図１の符号２２は駆動ス
プロケットを示し、これは電動モータＭに連結される。
また符号２１はテンションスプロケットを示し、該スプ
ロケットは上下移動機構７に軸支され、チェーン１の張
り状態を調節できる。

【００２１】前記搬出部４には反転スプロケット２３が
設けられ、該スプロケット２３をバケット１１が通過す
るとき、バケット１１は前記基本姿勢を基準として９０
度を超えて変位され、通過開口Ｋが下部に向けられてバ
ケット１１内の練り製品Ａがバケットから排出される。
このバケット１１の反転位置の下部には、練り製品Ａの
姿勢を整えるための開閉装置４１が設けられ、該開閉装
置４１が開放されたとき、この上に載置された練り製品
Ａは搬出コンベア４２上に落下して次工程へ搬出され
る。

【００２２】すなわち上記搬入部３から搬出部４の間に
おいて、バケット１１は上記基本姿勢と上記垂直移動姿
勢のいずれかで移動するように、チェーン１が架設され
ており、この間でバケット１１内に収納した練り製品Ａ
は落下しないように設計されている。言い換えればバケ
ット１１は上部に通過開口Ｋを位置する基本姿勢から９
０度を超えた変位姿勢にならないようにチェーン１が架
設されており、搬出部４の反転スプロケット２３で初め
て（搬入部３から見て）９０度を超える変位姿勢となる
ように設定される。

【００２３】なお搬出部４の後方部に設けられた符号６
は蒸気洗浄装置を示し、練り製品Ａを排出したバケット
１１をこの装置６から発生される蒸気によって洗浄し、
再び搬入部３の反転スプロケット２０で基本姿勢に戻し
て使用される。

【００２４】図３は図１に示すガイドスプロケット２の
１つ（上方部位にあるもの）を示す説明図であり、実線
で示すバケット１１、１１…を破線で示すチェーン１に
よって連結し、該チェーン１を一点鎖線で示すガイドス
プロケット２の周縁歯２ａによって噛み合わせて白抜き
矢印方向に沿って方向変換する。このときバケット１１
は基本姿勢とこれより９０度以下に変位する垂直移動姿
勢に保たれるので、練り製品Ａは脱落することはない。
なお下部に設けられるガイドスプロケット２も同様にバ
ケット１１を変位するので、練り製品Ａの落下を引き起
こすことはない。

【００２５】上記バケット１１の横断面形状は図１から
図３に示したものに限定されることはなく、図４の
（Ａ）から（Ｄ）に示すようなものであっても良い。す
なわち（Ａ）は側板１１ｂ，１１ｂを内部に向けて凹形
の湾曲面で形成した例を示し、（Ｂ）においては側板１
１ｂ，１１ｂを垂直部と先端側屈曲部で形成した例であ
る。また（Ｃ）は側板１１ｂ，１１ｂを内部に向けて傾
斜した平板で形成した例であり、さらに（Ｄ）に示すも
のは底板１１ａを湾曲面で形成した例である（図例にお
いては内側に向けて凹形としているが、凸形であっても
良い）。またこれらを任意に組み合わせたものであって
も良い。

【００２６】上記搬送装置は図１の例の如く冷却装置に
適用されるものに限られず、チェーンの架設位置の下部
に蒸気発生装置や加熱装置を設けた高温処理装置にも適
用することができる。

【００２７】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、練り製品を搬送中に脱落させることがなくなり、不
良品をだすことなく冷却処理や高温処理などが行えるこ
ととなった。また一定長さのチェーンにバケットは最大
数を配設できることとなり、チェーンを長く設定するこ
となく、多くの練り製品を高密度で搬送しながら連続的
に冷却処理や高温処理ができることとなり、装置自体も
大がかりになることもなくなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した冷却装置の実施例を示す全体
説明図である。

【図２】図１におけるバケットの取付け状態を示す一部
破断斜視説明図である。

【図３】図１における上部ガイドスプロケット２の配設
状態を示す説明図である。

【図４】（Ａ）から（Ｄ）は本発明の他のバケット形状
を示す横断面説明図である。

【図５】従来の冷却装置の例を示す全体説明図である。

【図６】図５に示すバケットの形状を示す斜視説明図で
ある。

【符号の説明】

１ チェーン ２ ガイドスプロケット ３ 搬入部 ４ 搬出部 １１ バケット １１ａ 底板 １１ｂ 側板 １１ｄ 前後板 １２、１３ リンク側板 １８ ビス １９ ブラケット Ａ 練り製品 Ｂ 予備送風装置 Ｃ 冷風供給装置 Ｓ 冷却装置

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 練り製品を載置するバケットを備え、該
   バケットはチェーンに複数個取り付けられ、該チェーン
   はガイドスプロケットを介して少なくとも搬入部から搬
   出部まで架設された練り製品の搬送装置において、前記
   バケットは底板と該底板の左右側部に設けられる一対の
   側板により形成され、前記一対の側板の間には練り製品
   を出し入れする通過開口が形成され、該バケットが９０
   度を超えて反転したとき内部の練り製品が排出するよう
   に構成されていることを特徴とする練り製品の搬送装
   置。
2. 【請求項２】 バケットを形成する底板と側板には、複
   数の通気孔が形成されている請求項１に記載の練り製品
   の搬送装置。
3. 【請求項３】 バケットを形成する底板と側板は、メッ
   シュ材で形成されている請求項１に記載の練り製品の搬
   送装置。
4. 【請求項４】 チェーンを形成するリンク側板には、ブ
   ラケットを介してバケットの前後部が取付けられている
   請求項１〜３のいずれかに記載の練り製品の搬送装置。
5. 【請求項５】 搬送装置の上部には冷風供給装置が配設
   されている請求項１〜４のいずれかに記載の練り製品の
   搬送装置。
6. 【請求項６】 搬送装置の下部には加熱装置が配設され
   ている請求項１〜４のいずれかに記載の練り製品の搬送
   装置。