JPH0816844A - 自動改札機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動改札機の本体と非接触式カード（定期
券）との間で非接触でデータの授受を行って自動改札を
行う自動改札機において、有効なカードを所持している
利用者が無札者と誤って判定されたときに、改札通路内
で再交信できるようにする。 【構成】 無札者を検知したときに自動改札機の本体の
データ授受のための通信を停止する停止手段と、その自
動改札機の本体の改札通路側の利用者を検知する検知手
段と、前記停止手段が作動中に、前記検知手段が前記改
札通路側の利用者を一人と判定したときに、前記停止手
段の作動を中止して前記自動改札機の本体のデータの授
受のための通信を再開する再開手段とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動改札機に係り、特
に、非接触式の自動改札機に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、多用されている自動改札機は、自
動改札機の本体（以下、本体という）に乗車券や定期券
を挿入して自動改札が行なわれるように構成されてい
る。しかし、この挿入型の自動改札機は、定期券利用者
が改札口を通過するたびに定期券入れから定期券を出し
入れしなければならないという問題点を含んでいる。

【０００３】このため、このような問題点を解決するた
めに、本体と定期券（カード）との間で非接触的にデー
タの授受を行って、本体に定期券を挿入することなく自
動改札を行うことのできる非接触式の自動改札機が提案
されている（例えば、特開平１−２４６６８７号公
報）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、非接触式の
自動改札機が採用された場合、現在の挿入型の自動改札
機のように、挿入口にシャッタ機構を有していないため
に、先行に無改札の利用者が（以下、無札者という）が
立ち止っている状態で、後続の利用者が有効なカードを
本体の通信エリアに差出したときは、無札者が通過で
き、反面、有効なカード所持者が通過できなくなるとい
う不都合が生じる。

【０００５】このような不都合を解消するために、無札
者が検知されたときは、本体の通信機能を停止して後続
の利用者のカードとのデータ授受を禁示するようにして
いる。

【０００６】ところで、本体が無札者を一旦検知したと
きは、その無札者が改札通路から退出したことを検知し
て本体の改札機能のリセットを行い、本体の通信機能を
再開する必要がある。このため有効なカードを所持して
いるにもかかわらず、通信エリアとカードとの距離がゆ
らいで交信が不調となるなどして、無札者として検知さ
れたときは、その利用者は改札通路外に退出し、再び改
札通路へ進入しなければならないという不便が生じてし
まう。

【０００７】そこで、本発明は、有効なカードを所有し
ている利用者が無札者と判定された際は、改札通路から
退出しなくとも自動改札可能な自動改札機を提供するこ
とを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係る自動改札機
は、上記目的を達成するために、本体とカードとの間で
非接触式にデータの授受を行って自動改札を行う自動改
札機において、無札者を検知したときに前記本体のデー
タ授受のための通信を停止する停止手段と、前記本体の
改札通路側の利用者を検知する検知手段と、前記停止手
段が作動中に、前記検知手段が前記改札通路側の利用者
を一人と判定したときに、前記停止手段の作動を中止し
て前記本体のデータの授受のための通信を再開する再開
手段と、を有することを特徴としている。

【０００９】

【作用】上記構成において、無札者が検知されて停止手
段により通信機能が停止されているとき、検知手段が利
用者を１人であると判定すると、再開手段により通信が
再開される。したがって、上記１人の利用者は、本体と
カードとの間のデータの授受を行って自動改札を行うこ
とができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本体Ｇの斜視図であって、その筐体Ｈの
正面と背面には、通過可能方向を利用者に表示するため
の表示部２が設けられている。

【００１１】筐体Ｈの前部及び後部の上部には、利用者
が所持するカードとの間で無線通信によりデータの授受
を行うための通信エリア３が設けられている。これらの
通信エリア３には、後記通信制御部に接続されたアンテ
ナ４が臨ませてある。

【００１２】Ｓ1 〜Ｓ12は、隣接する本体（図示せず）
との間に形成される改札通路への利用者の進入又は改札
通路からの退出、あるいは通過を検知するためのフォト
センサからなる周知の人間検知器であり、筐体Ｈの側面
及びアーム５に、改札通路方向に沿って所定の間隔を保
って取付けられている。これらの人間検知器のうちＳ2
及びＳ5 を除く人間検知器は周知の本体に取付けられて
いるものと同じであるが、人間検知器Ｓ2 ，Ｓ5 は改札
通路の入口側前半を細かく検知できるように構成されて
いる。すなわち人間検知器Ｓ2 は人間検知器Ｓ１，Ｓ3
の中間に、また人間検知器Ｓ5 は人間検知器Ｓ4 ，Ｓ6
（Ｓ7 ）の中間に設けられている。

【００１３】上記人間検知器Ｓ1 〜Ｓ12のうち、人間検
知器Ｓ1 〜Ｓ9 で二人の人間を同時に検知できるように
各検知器の配置関係が保たれている。すなわち人間検知
器Ｓ1 〜Ｓ4 のうち、いずれか一つの人間検知器が検知
すれば、その人間検知器Ｓ1〜Ｓ4 の範囲に一人の利用
者が存在しており、また、人間検知器Ｓ5 〜Ｓ9 のうち
いずれか一つの人間検知器が検知すれば、その人間検知
器Ｓ5 〜Ｓ9 の範囲に一人の利用者が存在していること
を検知できるように構成されている。

【００１４】筐体Ｈの側面には、利用者に対して所定の
案内を放送するためのスピーカ６が取付けられている。

【００１５】７は、本体Ｇの動作を司どる制御器であ
り、マイクロコンピュータを中心に構成されており、そ
の電気的構成は図２に示されている。すなわち、制御器
７の中央処理部（ＣＰＵ）１１は、ＲＯＭ１２に格納さ
れているプログラムデータとＲＡＭ１３に格納されてい
るワーキングデータとを用いて演算制御処理を行う。こ
のＣＰＵ１１には、Ｉ／Ｏユニット１４を介して各ドア
１ａ，１ｂを駆動するドアドライバ１５と、人間検知器
Ｓ1 〜Ｓ12の検出信号を増幅して取り入れるアンプ１６
と、スピーカ６を駆動する音声ドライバ１７と、カード
Ｃとの間でのデータ送受信を行う通信制御部１８とが接
続されている。

【００１６】通信制御部１８は、制御器７と別のマイク
ロコンピュータで構成されており、周知の非接触型の自
動改札機と同じく、本体Ｇからアンテナ４を介してカー
ドＣに駅名及び当日日付等のデータを送信するととも
に、カードＣから送信されてくる電波を受信する機能を
有している。なお、本体ＧとカードＣとの間の通信方式
には、上述の電波方式に限らず、光通信方式、電磁結合
方式あるいは電磁気誘導方式等を採用することもでき
る。

【００１７】次に、カードＣの電気的構成を説明する。
このカードＣは、通信機能を有する通常のＩＣカードと
同様に、アンナテ２０と、本体Ｇの通信制御部１８と同
様の機能を有する通信制御部２１と、Ｉ／Ｏユニット２
２と、ＣＰＵ２３と、ＲＯＭ及びＲＡＭからなるメモリ
２４と、電源２５とを有している。なお、電源２５は、
カードＣの内部に持たずに、本体Ｇから供給される電力
波を受信して電源とするようにしてもよい。

【００１８】図３のフローチャートを用いて本実施例に
係る自動改札機の制御動作を説明する。今、本体Ｇは、
図１に示されるように両方向型に設定されていて、有効
なカードＣを所持した利用者が入場しようとしているも
のとする。そして、このカードＣが通信エリア３に接近
させられると、本体ＧとカードＣとの間で、データの授
受が開始されるとともに、本体ＧのＣＰＵ１１で改札の
ための演算が行われる（ステップ１００肯定、ステップ
１０２。以下、ステップをＳとする。）。

【００１９】演算処理の結果、改札を許可できる場合
は、ドア１ａは開かれ（本体Ｇがノーマオープン型の場
合はそのまま）、出口側の人間検知器Ｓ12の検知出力を
もって一連の改札処理は終了する（Ｓ１０４肯定）。

【００２０】ところがカードＣが有効券であっても、利
用者の手に所持されているカードＣが通信エリア３の通
信可能範囲境界近辺に位置すると、いわゆるゆらぎが生
じてデータ授受に不調をきたすことがある。この場合
は、無札者と判断され、ドア１ｂは閉じられるととも
に、本体Ｇの通信機能は停止される（Ｓ１０４否定、Ｓ
１０６）。したがって、無札者の後続の利用者のカード
との交信は阻止され、後続の利用者のカードにより無札
者が改札される不都合は防止される。

【００２１】有効なカードＣを所持しているにもかかわ
らず無札者と判定された利用者は、通常、再交信を試み
る行動に出ることが十分に予想される。

【００２２】この場合、従来のように、無札者が改札通
路から完全に退出して再交信しても良いが（Ｓ１０８肯
定、Ｓ１１０）、無札者はドア１ｂが閉止された時点で
立ち止まり、その立ち止まった場所か、または、少し後
退した場所で再交信を試みようとする。

【００２３】この再交信を試みたときに、改札通路内に
一人の人間は無改札者と見なして差支ないので、一人の
人間が改札通路の入口側に存在している場合（Ｓ１１２
肯定）、又は一人の人間が改札通路の中程に存在してい
る場合（Ｓ１１４肯定）は、本体Ｇの通信を再開させる
とともに（Ｓ１１０）、スピーカ６から再交信を促すア
ナウンスを行う。

【００２４】したがって、利用者（無札者）は、改札通
路から完全に退出することなく再交信して改札できるの
で極めて便利となる。まお、無札者以外に後続に利用者
が存在するときは（Ｓ１１４否定）、本体Ｇの通信は再
開されていないので、無札者が後続の利用者のカードＣ
で改札されることはない。

【００２５】

【発明の効果】本発明に係る自動改札機は、無札者を検
知したときに本体のデータ授受のための通信を停止する
停止手段と、前記本体の改札通路側の利用者を検知する
検知手段と、前記停止手段が作動中に、前記検知手段が
前記改札通路側の利用者を一人と判定したときに、前記
停止手段の作動を中止して前記本体のデータの授受のた
めの通信を再開する再開手段とからなるので、無札者
は、改札通路から完全に退出しなくとも再交信して改札
できる特長がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る本体の斜視図である。

【図２】本体及びカードの電気的構成を示すブロック図
である。

【図３】制御動作を示すフローチャートである。

【符号の説明】

４ 通信エリア ７ 制御器 Ｇ 本体（自動改札機の本体） Ｃ 非接触式カード（カード） Ｓ1 〜Ｓ12 人間検知器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動改札機の本体と非接触式カードとの
   間で非接触式にデータの授受を行って自動改札を行う自
   動改札機において、 無札者を検知したときに前記自動改札機の本体のデータ
   授受のための通信を停止する停止手段と、 前記自動改札機の本体の改札通路側の利用者を検知する
   検知手段と、 前記停止手段が作動中に、前記検知手段が前記改札通路
   側の利用者を一人と判定したときに、前記停止手段の作
   動を中止して前記自動改札機の本体のデータの授受のた
   めの通信を再開する再開手段と、 を有することを特徴とする自動改札機。