JPH08165404A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH08165404A
JPH08165404A JP11331795A JP11331795A JPH08165404A JP H08165404 A JPH08165404 A JP H08165404A JP 11331795 A JP11331795 A JP 11331795A JP 11331795 A JP11331795 A JP 11331795A JP H08165404 A JPH08165404 A JP H08165404A
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JP
Japan
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resin composition
ethylene
xylene
component
propylene
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Withdrawn
Application number
JP11331795A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichiro Washiyama
潤一郎 鷲山
Hiroshi Takenouchi
浩 竹之内
Kazuhiko Sakai
和彦 坂井
Yasutoshi Hebikawa
育稔 蛇川
Takao Nomura
孝夫 野村
Takesumi Nishio
武純 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Showa Denko KK, Toyota Motor Corp filed Critical Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐衝撃性を有し、物性バランスに優れ
たポリプロピレン系樹脂組成物。 【構成】 成分中に少なくともプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体を有したポリプロピレン系重合体と、エ
チレン−プロピレン系ゴムと、エチレン−ブテン系ゴム
とを含有した重合体成分を有して構成され、キシレンに
よる分別において、70℃キシレンに可溶な成分の割合
が25〜60重量部であり、プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体の40℃キシレンに可溶な成分(A)と、
110℃キシレンに不溶な成分(B)との間の平らな界
面の界面強度が、非対称ダブルカンティレバービーム法
で位相角を−2°から−12°の範囲で測定した場合
に、20(J/m2)以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐衝撃性、剛性に優れる
と共に高い耐熱性を有する樹脂組成物に関するもので、
例えば自動車バンパーや自動車内外装部品などの素材と
して好適な樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のバンパーや内外装部品用材料と
しては、従来からプロピレン単独重合体、プロピレンブ
ロック共重合体、プロピレンランダム共重合体などのポ
リプロピレンとエチレン−プロピレンゴムとのブレンド
(特公昭60−3420号)や、ポリプロピレンとエチ
レン−プロピレンゴムとエチレン−ブテンゴムとのブレ
ンドポリマー(特開平4−372637号)などが用い
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの技術
には材料の力学的性質発現に非常に重要なエラストマー
/PP界面の強度が特定されておらず、ポリプロピレン
とエチレン−プロピレンゴムとのブレンドポリマーや、
ポリプロピレンとエチレン−プロピレンゴムとエチレン
−ブテンゴムとのブレンドポリマーからなる材料では、
必ずしも十分な耐衝撃性が発現しないといった欠点を有
している。
【0004】本発明は、こうした不具合を解決するため
になされたもので、優れた耐衝撃性と耐熱性を兼ね備
え、物性バランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂組成物は、
成分中に少なくともプロピレン−エチレンブロック共重
合体を有したポリプロピレン系重合体と、エチレン−プ
ロピレン系ゴムと、エチレン−ブテン系ゴムとを含有し
た重合体成分を有して構成され、キシレンによる分別に
おいて、70℃キシレンに可溶な成分の割合が25〜6
0重量部であり、前記プロピレン−エチレンブロック共
重合体の40℃キシレンに可溶な成分(A)と、110
℃キシレンに不溶な成分(B)との間の平らな界面の界
面強度が、非対称ダブルカンティレバービーム法で位相
角を−2°から−12°の範囲で測定した場合に、20
(J/m2)以上であることを特徴とするものである。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の樹
脂組成物において、さらにタルクを含有し、前記重合体
成分とタルクの合計量100重量部あたり、タルクの含
有量が7〜50重量部であることを特徴とするものであ
る。
【0007】請求項3記載の発明は、前記成分(B)
と、前記エチレン−プロピレン系ゴムの間の平らな界面
の界面強度が、非対称ダブルカンティレバービーム法で
位相角が−2°から−12°の範囲で測定した場合に、
100(J/m2)以上であることを特徴とする請求項
1または2記載の樹脂組成物である。
【0008】請求項4記載の発明は、前記成分(B)
と、前記エチレン−ブテン系ゴムの間の平らな界面の界
面強度が、非対称ダブルカンティレバービーム法で位相
角が−2°から−12°の範囲で測定した場合に、10
0(J/m2)以上であることを特徴とする請求項1,
2,3のいずれかに記載の樹脂組成物である。
【0009】請求項5記載の発明は、タルクの平均粒径
が4μm以下であることを特徴とする請求項2記載の樹
脂組成物である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】〔ポリプロピレン系重合体〕本発明におけ
るポリプロピレン系重合体には、その成分中に少なくと
もプロピレン−エチレンブロック共重合体が含まれてい
ることが必要である。すなわち、本発明でのポリプロピ
レン系重合体は、このプロピレン−エチレンブロック共
重合体単独であっても良いが、さらにこのプロピレン−
エチレンブロック共重合体に加えて、ランダム共重合体
またはプロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)
を組み合わせて使用することもできる。
【0012】ランダム共重合体のコモノマーとしては、
エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等
のプロピレン以外のα−オレフィン類が用いられるが、
なかでもエチレンが特に好ましい。α−オレフィンとし
てエチレンを用いたブロック共重合体にあっては、分子
内のエチレン−プロピレンブロックがホモポリプロピレ
ンブロックに分散してゴム弾性を示し、ゴム成分として
機能する。本発明において使用されるポリプロピレンと
しては、ブロック共重合体単独或いはブロック共重合体
にランダム共重合体またはプロピレンの単独重合体(ホ
モポリプロピレン)を組み合わせて使用することができ
る。
【0013】該ポリプロピレンのメルトフローレート
(JIS K6758に準ずる。以下、MFRと称す
る。)は、5〜100g/10分が好ましい。MFRが5
g/10分未満では、得られる樹脂組成物の流動性が劣
り、成形性が悪化する。MFRが100g/10分を超え
ると樹脂組成物の耐衝撃性が劣るからである。これらの
ポリプロピレン系重合体は、MFRが低いものを有機過
酸化物とともに混練してビスブレイクし、MFRを上記
範囲内としたものであってもよい。
【0014】この少なくともプロピレン−エチレンブロ
ック共重合体を有したPP重合体の40℃キシレンに可
溶な成分(A)と110℃キシレンに不溶な成分(B)
との間の平らな界面の界面強度(以下、Gcと称する:
臨界歪エネルギー解放率で定義される)を非対称ダブル
カンティレバービーム法で位相角が−2°から−12°
の範囲で測定した場合、20(J/m2)以上であるこ
とが必須とされる。さらには、この値が50(J/
2)以上であればより好ましい。これは、Gcが20
(J/m2)より小さいと、得られる樹脂組成物の耐衝
撃性が低下するからである。また、この界面強度は65
0以下であることが望ましい。650よりも大きいと、
耐衝撃性が低下するからである。
【0015】〔エチレン−プロピレン系ゴム〕本発明に
おいて使用されるエチレン−プロピレンゴムと上述した
成分(B)との間の平らな界面のGcは、非対称ダブル
カンティレバービーム法で位相角が−2°から−12°
の範囲で測定した場合、100(J/m2)以上である
ことが好ましい。このGcが100(J/m2)未満で
は、得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低下するからであ
る。また、この界面強度は650以下であることが望ま
しい。650よりも大きいと、耐衝撃性が低下するから
である。
【0016】〔エチレン−ブテン系ゴム〕本発明におい
て使用されるエチレン−ブテンゴムと上述した成分
(B)との間の平らな界面のGcは、非対称ダブルカン
ティレバービーム法で位相角が−2°から−12°の範
囲で測定した場合、100(J/m2)以上であること
が好ましい。このGcが100(J/m2)未満である
と、得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低下するからであ
る。また、この界面強度は650以下であることが望ま
しい。650よりも大きいと、耐衝撃性が低下するから
である。
【0017】〔タルク〕本発明において使用されるタル
クは、その平均粒径が4μm以下であることが好まし
い。平均粒径が4μmよりも大きいと、弾性率、衝撃強
度、引張性が低下する傾向にあるからである。
【0018】〔組成割合〕本発明の重合体成分において
は、キシレンによる分別における70℃キシレンに可溶
な成分の合計の割合が重合体成分に対し、25〜60重
量部である。25重量部未満では得られる樹脂組成物の
耐衝撃性が低下し、60重量部を越えるならば剛性が低
下するからである。
【0019】また本発明の樹脂組成物にはタルクを含有
させることができるが、このタルクの含有量は、タルク
と樹脂成分を合わせた樹脂組成物全体の100重量部当
たり7〜50重量部であることが好ましい。タルクの含
有量が7重量部未満ならば、得られる樹脂組成物の剛
性,耐熱変形性が低下し、また50重量部を越えるなら
ば、耐衝撃性が低下するからである。このタルクの含有
量は、8〜45重量部であればより好ましく、さらに1
0〜40重量部であればより好ましい。
【0020】〔界面強度測定法〕本発明において、界面
強度(Gc)は界面に存在するクラックの臨界歪エネル
ギー解放率で定義される。界面のGcを測定するために
は非対称ダブルカンティレバービーム法(以下ADCB
とする。)を用いる。これはクラックを界面に沿って走
らせるためである。従来より使用されているピールテス
トではクラックを界面に沿って成長させる事は出来ず、
界面のGcを正確に測定する事はできない。クラックの
成長方向を決定するパラメータは次式で定義される位相
角ψである。 ψ=tan-1(KII/KI) ここでKI,KIIは、モードI及びモードIIに対する
応力拡大係数である。位相角ψはADCBのジオメトリ
ー,各材料の弾性率,ポアソン比,クラック長に依存す
るが、数値的には境界要素法(BEM),有限要素法
(FEM)により評価される。本発明ではGcを位相角
が−2゜〜−12°の範囲で測定することが必要であ
る。尚、クラックが薄いビームの方へ進行するとき、ψ
が負であると定義する。位相角が−12°より小さいと
界面のクラックは薄い方の材料中に進入し、正確にGc
を評価することができない。一方、位相角が−2°より
大きいと、界面でのクラックの成長は不安定であり、同
様に正確にGcを評価することができない。
【0021】また、本発明の樹脂組成物では、重合体成
分の50℃キシレン可溶成分が、140℃のo−ジクロ
ロベンゼン中でのGPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ)による分子量測定法において、PP換算分
子量で2000以下の成分の合計量が5重量%以下であ
ることが好ましい。より好ましくは4重量%以下、さら
に好ましくは3重量%以下とすることが好ましい。この
値が本発明の範囲内であると、接着強度と耐熱性を向上
させることができるからである。
【0022】本発明のプロピレン系樹脂組成物を製造す
るにあたり、合成樹脂および合成ゴムの分野において広
く利用されている熱、酸素および光に対する安定剤、難
燃剤、充填剤、着色剤、滑剤、可塑剤ならびに帯電防止
剤のごとき添加剤、あるいは種々の高分子化合物を使用
目的に応じて本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の特
性を本質的に損なわない範囲で添加してもよい。
【0023】例えば、酸化防止剤としては、以下のもの
が挙げられる。ジブチルヒドロキシトルエン、アルキル
化フェノール、4,4'-チオビス-(6-t-ブチル-3-メ
チルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス-(6-t-ブチ
ル-3-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス-(4-
メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビ
ス-(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチ
レンビス-(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,6
-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、1,1,3-トリス
(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタ
ン、n-オクタデシル・3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-
ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレ
ン-3-(3,5-ジーt-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕メタン、ジラウリルチオジプロピオネ
ート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチ
ルチオプロピオネート。また、ヒンダードフェノール系
のものとしては、トリエチレングリコール-ビス〔3-
(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕、1,6-ヘキサンジオール-ビス〔3-(3,
5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキ
シ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジ
ン、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-t
-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-
4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシ
ル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、N,N'-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-
t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、3,5
-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジルフォスフォネー
ト-ジエチルエステル、1,3,5-トリメチル-2,4,6-
トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン、トリス-(3,5,-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ
ベンジル)-イソシアヌレイト、オクチル化ジフエニルア
ミン、2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-O-クレゾ
ールがある。また、ヒドラジン系としては、N,N'-ビ
ス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)
プロピオニル〕ヒドラジンなどがある。また他にも、フ
ェノール系抗酸化剤、ホスファイト系抗酸化剤、チオエ
ーテル系抗酸化剤、重金属不活性化剤などが適用でき
る。
【0024】紫外線吸収剤としては、例えば、2(2'-
ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2(2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチル-5'-メチルフェニー
ル)5クロロベンゾトリアゾール、2(2'-ヒドロキシ-
3',5-ジ-t-ブチルフェニル)5クロロベンゾトリアゾ
ール、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノ
ン、サリチル酸フェニル、2-(5-メチル-2-ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-
3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル〕-2H-
ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒド
ロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチ
ル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベン
ゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキ
シフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5
-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾトリア
ゾール誘導体などがある。または、コハク酸ジメチル・
1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6
-テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔{6-(1,
1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリア
ジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-
ヒペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テ
トラメチル-4-ピペリジル)イミノ}〕、N,N'-ビス
(3-アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4-ビス
〔N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4ピペ
リジル)アミノ〕-6-クロロ-1,3,5-トリアジン縮合
物、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セ
バケート、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベン
ジル)-2-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペン
タメチル-4-ピペリジル)、2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートな
どがある。
【0025】また、難燃剤としては、例えば以下のもの
が適用できる。ポリブロモジフェニルオキサイド、テト
ラブロモビスフェノールA、臭素化エポキシヘキサブロ
モシクロドデカン、エチレンビステトラブリモフタルイ
ミド、臭素化ポリスチレンデクロラン、臭素化ポリカー
ボネート、ポリホスホナート化合物、ハロゲン化ポリホ
スホナート、トリアジン、赤りん、トリクレジルホスフ
ェート、トリフェニルホスフェートクレジルジフェニル
ホスフェート、トリアリルホスフェート、トリキシリル
ホスフェート、トリアルキルホスフェート、トリスクロ
ロエチルホスフェート、トリスクロロプロピルホスフェ
ート、トリス(ジクロロプロピルホスフェート)、三酸化
アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム。または、シリコーンオイル、ステアリン酸、ステア
リン酸カルシウム、カーボンブラック、二酸化チタン、
シリカ、マイカ、モンモリロナイト等。
【0026】例えば、高分子化合物としては、ポリエチ
レン系重合体、ポリ4メチル1ペンテン重合体、ポリス
チレン、ポリブタジエンあるいはポリイソプレンのスチ
レングラフト重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン
ブロック共重合体あるいはスチレン・イソプレン・スチ
レンブロック共重合体あるいはスチレン・イソプレン・
スチレンブロック共重合体およびそれらの水添物、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリカーボネート等が挙げられ
る。
【0027】〔樹脂組成物の製造方法〕本発明のプロピ
レン系樹脂組成物は前記の各成分および添加剤を均一に
配合させることによって製造される。その配合方法(混
合方法)については特に制限はなく、合成樹脂の分野に
おいて一般に行われている方法を適用すれば良い。混合
方法としては、一般に行われているヘンシェルミキサ
ー、タンブラーおよびリボンミキサーのごとき混合機を
使用してドライブレンドする方法ならびにオープンロー
ル、押出混合機、ニーダーおよびバンバリーのごとき混
合機を用いて溶融させながら混合させる方法が挙げられ
る。これらの方法のうち、いっそう均一な樹脂組成物を
得るにはこれらの混合方法を二種以上併用させるとよ
い。例えば、あらかじめドライブレンドさせた後、その
混合物を溶融混合させる。ドライブレンドを併用する場
合でも、溶融混合させる方法を一種または二種以上併用
する場合でも、後述する成形方法によって成形物を製造
するにあたり、ペレタイザーを使用してペレットに製造
して用いることが特に好ましい。
【0028】以上の混合方法のうち、溶融混合させる場
合でも、後述する成形方法によって成形する場合でも、
使用される樹脂が溶融する温度で実施しなければならな
い。しかし、高い温度で実施すると樹脂が熱分解や劣化
を起こすため、一般には180〜350℃(好ましく
は、190〜260℃)で実施される。
【0029】本発明の樹脂組成物は合成樹脂の分野で一
般に実施されている射出成形法、押出成形法、圧縮成形
法および中空成形法のごとき成形方法を適用して所望の
形状に成形させてもよい。また、押出成形機を用いてシ
ート状に成形した後、このシートを真空成形法、圧空成
形法などの二次加工方法によって所望の形状に成形させ
てもよい。
【0030】
【実施例】表1に示す各種の耐衝撃性ポリプロピレン(H
IPP:High Impact polypropylene)のポリプロピレン系重
合体(HIPP)とタルクと、それぞれ3種のエチレン
−プロピレン系ゴム(EPR)及び、エチレン−ブテン
系ゴム(EBR)を表2に示す割合で配合し、ヘンシェ
ルミキサーにより5分間ドライブレンドを行った。得ら
れた混合物を210℃に設定された同方向二軸押出機
(径30mm)を用いて混練し、実施例1〜8、比較例
1〜6の組成の樹脂組成物からなるペレットを製造し
た。
【0031】例えば、表2で示されている実施例1の樹
脂組成物は、表1で示されているポリプロピレン系重合
体(PP−1)とタルク(タルク1)と、エチレン−プ
ロピレン系ゴム(EPR−1)と、エチレン−ブテン系
ゴム(EBR−1)とを、70:10:10:10 の
配合比で混合したものである。得られた各樹脂組成物の
ペレットを230℃に設定された射出成形機を用いて射
出成形を行い、測定用の試験片を作成し、70℃キシレ
ンに可溶な成分の割合、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強
度、熱変形温度を測定した。測定結果を表2に示す。
【0032】尚、表中、成分(A)と成分(B)との平
面状の界面の強度をGc(A/B)、EPRと成分
(B)との平面状の界面の強度をGc(EPR/B)、
EBRと成分(B)との平面状の界面の強度をGc(E
BR/B)とする。タルクの粒度は光散乱沈降法を用
い、その中心粒度を求め、タルクの粒度とした。また、
表2における諸物性は次のようにして測定した。曲げ弾
性率(kgf/cm2)はASTM D790に従い、
23℃の温度において測定した。アイゾット衝撃強度
(IZOD:kgf・cm/cm)はASTM D265に準じ
て行い、実施例1〜6と比較例1〜5については−30
℃の温度において、実施例7,8と比較例6については
23℃の温度において、ノッチ付きで測定した。熱変形
温度(HDT)はASTM D648に従い、66ps
iの荷重の下で測定した。
【0033】界面強度Gcは、「クローズドループ(Cl
osed Loop)」,1990年23巻第3929頁に記載さ
れている手法で行った。即ち、まず、成分(B)からな
る厚さの異なる2枚の平板をプレス成形し、用意する。
また、試験に供する成分(A)又はEPR又はEBRか
らなる厚さ10μmのフィルムを製造する。そして、図
1に示すように、成分(A)又はEPR又はEBRのフ
ィルムを挟むようにして成分(B)の平板を重ね合わ
せ、180℃、3kgの荷重で10分間保持し、接着さ
せ、Gc測定用の試験片とする。そして、その界面間に
楔を差し込み、室温で24時間の放置後に、楔の先端に
生じるクラック長を測定し、界面強度Gcを算出した。
尚、位相角が−7℃になるように、平板の厚みの比を制
御した。また位相角は、BEM法(境界要素法)にて算
出した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表2に示す結果から、実施例1〜8の樹脂
組成物であれば、いずれも曲げ弾性率とアイゾット衝撃
強度が高く、しかも耐熱性が高いことが明らかである。
しかしながら、界面強度Gc(EPR/B)が50と小
さいEPRを用いている比較例1のものでは、耐衝撃性
が小さくなってしまっている。また、界面強度Gc(E
BR/B)が30と小さいEBRを用いている比較例2
のものも、耐衝撃性が小さくなってしまっている。さら
に、界面強度Gc(A/B)が15と小さいHIPPを
用いている比較例3のものは、耐衝撃性が小さくなって
しまっている。粒径が5.6μmと大きいタルクを用いて
いる比較例4のものは、耐衝撃性が小さくなってしまっ
ている。キシレン溶解が68重量部と大きい比較例5の
ものは、曲げ弾性率が小さく、かつ耐熱性が低い。
【0037】また、表3に示す処方で実施例9〜14、
比較例7〜10の組成物を検討し、性能を評価した。こ
れらの70℃キシレン溶解分は全て26重量%であっ
た。
【0038】
【表3】
【0039】表3に示す結果から実施例9〜14の組成
物であればいずれも曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度が
高く、しかも耐熱性も高いことが明らかである。しかし
ながら、界面強度Gc(EPR/B)が50と小さいE
PRを用いている比較例7のものでは、耐衝撃性が小さ
くなってしまっている。また、界面強度Gc(EBR/
B)が30と小さいEBRを用いている比較例8のもの
も、耐衝撃性が小さくなってしまっている。さらに、界
面強度Gc(A/B)が15と小さいHIPPを用いて
いる比較例9のものは、耐衝撃性が小さくなってしまっ
ている。粒径が5.6μmと大きいタルクを用いている比
較例10のものは、耐衝撃性が小さくなってしまってい
る。
【0040】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物
は、成分中に少なくともプロピレン−エチレンブロック
共重合体を有したポリプロピレン系重合体と、エチレン
−プロピレン系ゴムと、エチレン−ブテン系ゴムとを含
有した重合体成分を有して構成され、キシレンによる分
別において、70℃キシレンに可溶な成分の割合が25
〜60重量部であり、プロピレン−エチレンブロック共
重合体の40℃キシレンに可溶な成分(A)と、110
℃キシレンに不溶な成分(B)との間の平らな界面の界
面強度が、非対称ダブルカンティレバービーム法で位相
角を−2°から−12°の範囲で測定した場合に、20
(J/m2)以上であることを特徴とするものである。
【0041】この際、さらにタルクを含有することが好
ましく、その場合は、重合体成分とタルクの合計量10
0重量部あたり、タルクの含有量が7〜50重量部であ
ることがより好ましい。
【0042】また、前記成分(B)と、前記エチレン−
プロピレン系ゴムの間の平らな界面の界面強度が、非対
称ダブルカンティレバービーム法で位相角が−2°から
−12°の範囲で測定した場合に、100(J/m2
以上であることが好ましい。
【0043】また、前記成分(B)と、前記エチレン−
ブテン系ゴムの間の平らな界面の界面強度が、非対称ダ
ブルカンティレバービーム法で位相角が−2°から−1
2°の範囲で測定した場合に、100(J/m2)以上
であることが好ましい。
【0044】また、タルクが含有されている場合には、
そのタルクの平均粒径が4μm以下であることが好まし
い。
【0045】また、ポリプロピレン系重合体のメルトフ
ローレートが、5〜100g/10分であることが好まし
い。
【0046】本発明の樹脂組成物は、上記構成を有する
ことにより、耐衝撃性に優れ、剛性が高いことに加え
て、耐熱性に優れているものである。したがって、特に
自動車内外装部品などの材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】界面強度Gcの測定方法を説明するための側面
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 和彦 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2 昭和 電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 蛇川 育稔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 野村 孝夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西尾 武純 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分中に少なくともプロピレン−エチレ
    ンブロック共重合体を有したポリプロピレン系重合体
    と、エチレン−プロピレン系ゴムと、エチレン−ブテン
    系ゴムとを含有した重合体成分を有して構成され、 キシレンによる分別において、70℃キシレンに可溶な
    成分の割合が25〜60重量部であり、 前記プロピレン−エチレンブロック共重合体の40℃キ
    シレンに可溶な成分(A)と、110℃キシレンに不溶
    な成分(B)との間の平らな界面の界面強度が、非対称
    ダブルカンティレバービーム法で位相角を−2°から−
    12°の範囲で測定した場合に、20(J/m2)以上
    であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物において、さ
    らにタルクを含有し、前記重合体成分とタルクの合計量
    100重量部あたり、タルクの含有量が7〜50重量部
    であることを特徴とする樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記成分(B)と、前記エチレン−プロ
    ピレン系ゴムの間の平らな界面の界面強度が、非対称ダ
    ブルカンティレバービーム法で位相角が−2°から−1
    2°の範囲で測定した場合に、100(J/m2)以上
    であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 前記成分(B)と、前記エチレン−ブテ
    ン系ゴムの間の平らな界面の界面強度が、非対称ダブル
    カンティレバービーム法で位相角が−2°から−12°
    の範囲で測定した場合に、100(J/m2)以上であ
    ることを特徴とする請求項1,2,3のいずれかに記載
    の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 タルクの平均粒径が4μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09227759A (ja) * 1996-02-22 1997-09-02 Mitsubishi Chem Corp 金型汚染性の改良された熱可塑性樹脂組成物
WO2000058398A1 (fr) * 1999-03-26 2000-10-05 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Composition de resine propylene et processus de production

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