JPH0959451A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物

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JPH0959451A
JPH0959451A JP21637495A JP21637495A JPH0959451A JP H0959451 A JPH0959451 A JP H0959451A JP 21637495 A JP21637495 A JP 21637495A JP 21637495 A JP21637495 A JP 21637495A JP H0959451 A JPH0959451 A JP H0959451A
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JP
Japan
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polystyrene
weight
ethylene
resin composition
triblock copolymer
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Withdrawn
Application number
JP21637495A
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English (en)
Inventor
Junichiro Washiyama
潤一郎 鷲山
Hiroshi Takenouchi
浩 竹之内
Hiroyuki Maeda
宏之 前田
Takayuki Beppu
隆幸 別府
Yoshihiro Mogi
義博 茂木
Kazuhiko Sakai
和彦 坂井
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い剛性を有し、かつ優れた耐衝撃性と伸び
を有する、物性バランスに優れたポリプロピレン系樹脂
組成物。 【解決手段】 ポリプロピレンを70〜90重量%と、
スチレン含有量が15〜40重量%のポリスチレン−エ
チレン/プロピレン−ポリスチレントリブロック共重合
体を5〜20重量%と、スチレン含有量が15〜40重
量%のポリスチレン−エチレン/ブテン−ポリスチレン
トリブロック共重合体を5〜20重量%とからなり、前
記ポリスチレン−エチレン/プロピレン−ポリスチレン
トリブロック共重合体成分と前記ポリスチレン−エチレ
ン/ブテン−ポリスチレントリブロック共重合体成分の
合計量に対するポリスチレン−エチレン/プロピレン−
ポリスチレントリブロック共重合体成分の割合が20〜
80重量%であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐衝撃性、剛性に優
れ、家電部品などの素材として好適なポリプロピレン系
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】耐衝撃性、剛性に優れたポリプロピレン
系樹脂組成物としては、従来から、ポリプロピレン単独
重合体、プロピレンブロック共重合体、プロピレンラン
ダム共重合体などのポリプロピレンとエチレン−プロピ
レンゴムとのブレンドや、ポリプロピレンとエチレン−
プロピレンゴムとエチレン−ブテンゴムとのブレンドポ
リマーなどがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリプロピレ
ンとエチレン−プロピレンゴムとのブレンドポリマーか
らなる材料では、耐衝撃性は十分なものの伸びや剛性が
十分ではなく、一方、ポリプロピレンとエチレン−プロ
ピレンゴムとエチレン−ブテンゴムとのブレンドポリマ
ーから成る材料では、伸び及び剛性に関しては改良され
ているものの、低温時の耐衝撃性が低いという欠点を有
していた。
【0004】本発明は、こうした不具合を解決するため
になされたもので、高い剛性を有し、かつ優れた耐衝撃
性と伸びを有する、物性バランスに優れたポリプロピレ
ン系樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、(A)ポリ
プロピレンを70〜90重量%と、(B)スチレン含有
量が15〜40重量%のポリスチレン−エチレン/プロ
ピレン−ポリスチレントリブロック共重合体を5〜20
重量%と、(C)スチレン含有量が15〜40重量%の
ポリスチレン−エチレン/ブテン−ポリスチレントリブ
ロック共重合体を5〜20重量%とからなり、前記ポリ
スチレン−エチレン/プロピレン−ポリスチレントリブ
ロック共重合体成分(B)と前記ポリスチレン−エチレ
ン/ブテン−ポリスチレントリブロック共重合体成分
(C)の合計量に対するポリスチレン−エチレン/プロ
ピレン−ポリスチレントリブロック共重合体成分(B)
の割合が20〜80重量%であるポリプロピレン系樹脂
組成物によって解決することができる。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。 (A)ポリプロピレン 本発明において使用されるポリプロピレンとしては、プ
ロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)、ブロッ
ク共重合体、ランダム共重合体のいずれか、あるいはこ
れらの2種以上を組み合わせて使用することができる。
ブロック共重合体またはランダム共重合体のコモノマー
としては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキ
セン−1等のプロピレン以外のα−オレフィン類が用い
られるが、なかでもエチレンが特に好ましい。これらの
共重合体中のプロピレン含量は60〜100モル%が好
ましく、80〜99モル%が特に好ましい。α−オレフ
ィンとしてエチレンを用いたブロック共重合体にあって
は、分子内のエチレン−プロピレンブロックがホモポリ
プロピレンブロックに分散してゴム弾性を示し、ゴム成
分として機能する。このゴム成分の含量としては、ブロ
ック共重合体の10〜25重量%が好ましい。
【0007】ポリプロピレンのメルトフローレート(J
IS K6758により測定され、以下、MFRという
こともある)は、5〜500g/10分が好ましい。MFR
が5g/10分未満では、得られる樹脂組成物の流動性が劣
り、成形性が悪化する。MFRが500g/10分を超える
と樹脂組成物の耐衝撃性が劣る。これらのポリプロピレ
ンは、MFRが低いものを有機過酸化物とともに混練し
てビスブレイクし、MFRを上記範囲内としたものであ
ってもよい。また、流動性の異なる2種類以上のポリプ
ロピレンを混合し、MFRを上記範囲内としたものであ
ってもよい。
【0008】(B)ポリスチレン−エチレン/プロピレ
ン−ポリスチレントリブロック共重合体(以下、「SE
PS」と称することもある) 本発明において使用されるポリスチレン−エチレン/プ
ロピレン−ポリスチレントリブロック共重合体は、分子
の中央部分にエチレン/プロピレンの交互共重合体のブ
ロックが位置し、その両側にポリスチレンブロックが位
置するものである。このSEPS中のポリスチレンブロ
ックの含有量は15〜40重量%であることが好まし
い。ポリスチレンブロックの含有量が15重量%未満で
あると、得られるプロピレン系樹脂組成物の剛性および
表面硬度が低下し、40重量%を超えるとプロピレン系
樹脂組成物の低温耐衝撃性が低下する。
【0009】SEPSの流動性は230℃66psiでの
MFRで0.5〜70g/10分のものが好ましい。MFR
が0.5g/10分未満では、分散不良を起こし低温耐衝撃
性の低下を招き、MFRが70g/10分を超えると弾性率
および伸びの低下が起こるからである。SEPSは、ス
チレンとイソプレンの共重合体を水添することによって
製造可能である。これには、逐次的にスチレン、イソプ
レン、スチレンを重合した後に水添する方法と、スチレ
ン−イソプレンのジブロック共重合体を始めに製造し、
カップリング剤を用いてトリブロック共重合体にした後
に水添する方法と、2官能性の開始剤を用いてトリブロ
ック共重合体を直接重合した後に水添する方法がある。
いずれの場合にも、ジブロック共重合体を生成すること
になるが、この割合は、全体の40重量%未満とするこ
とが好ましい。40重量%を越えると、剛性および表面
硬度が低下するからである。
【0010】(C)ポリスチレン−エチレン/ブテン−
ポリスチレントリブロック共重合体(以下、「SEB
S」と称することもある) 本発明において使用されるポリスチレン−エチレン/ブ
テン−ポリスチレントリブロック共重合体は、分子の中
央部分にエチレン/ブテンのブロックが位置し、その両
方側にポリスチレンブロックが位置するものである。S
EBS中のポリスチレンブロックの含有量は15〜40
重量%であることが好ましい。ポリスチレンブロックの
含有量が15重量%未満であると、得られるプロピレン
系樹脂組成物の剛性および表面硬度が低下し、40重量
%を超えるとプロピレン系樹脂組成物の低温耐衝撃性が
低下する。また、SEBS流動性は、230℃66psi
でのMFRで0.5〜70g/10分のものが好ましい。M
FRが0.5g/10分未満では、分散不良を起こし低温耐
衝撃性の低下を招き、MFRが70g/10分を超えると弾
性率および伸びの低下が起こるからである。SEBS
は、スチレンとブタジエンのトリブロック共重合体を水
添することによって製造可能である。これには、逐次的
にスチレン、ブタジエン、スチレンを重合した後に水添
する方法と、スチレン−ブタジエンのジブロック共重合
体を始めに製造し、カップリング剤を用いてトリブロッ
ク共重合体にした後に水添する方法と、2官能性の開始
剤を用いてトリブロック共重合体を直接重合した後に水
添する方法がある。いずれの場合にも、ジブロック共重
合体を生成することになるが、この割合は、全体の40
重量%未満とすることが好ましい。40重量%を越える
と、剛性および表面硬度が低下するからである。
【0011】(組成割合)本発明のポリプロピレン系樹
脂組成物中に占める上記(A)成分の割合は70〜90
重量%である。(A)成分の割合が70重量%未満では
耐熱性が低下し、90重量%を超えると耐衝撃性が低下
する。一方、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物中に
占める(B)成分の割合は5〜20重量%である。該樹
脂組成物中に占める(B)成分の組成割合が5重量%未
満では得られるポリプロピレン系樹脂組成物の低温耐衝
撃性および表面硬度が低下し、20重量%を超えると伸
びが低下する。同様に、本発明のポリプロピレン系樹脂
組成物中に占める(C)成分の割合は5〜20重量%で
ある。該樹脂組成物中に占める(C)成分の組成割合が
5重量%未満では得られるポリプロピレン系樹脂組成物
の伸びが低下し、20重量%を超えると低温耐衝撃性お
よび剛性が低下する。
【0012】さらに、(B)成分と(C)成分の合計量
に対する(B)成分の割合は20〜80重量%であるこ
とが必要である。より好ましくは、30〜70重量%で
ある。さらに好ましくは35〜65重量%である。
(B)成分の割合が20重量%未満であると、SEPS
とSEBSとの併用による相乗的な耐衝撃性の向上が発
現しない。
【0013】(プロピレン系樹脂組成物の製造方法)本
発明のプロピレン系樹脂組成物を製造するにあたり、合
成樹脂および合成ゴムの分野において広く利用されてい
る熱、酸素および光に対する安定剤、難燃剤、充填剤、
着色剤、滑剤、可塑剤ならびに帯電防止剤のごとき添加
剤を使用目的に応じて本発明のポリプロピレン系樹脂組
成物の特性を本質的に損なわない範囲で添加してもよ
い。
【0014】例えば、酸化防止剤としては、以下のもの
が挙げられる。ジブチルヒドロキシトルエン、アルキル
化フェノール、4,4'-チオビス-(6-t-ブチル-3-メ
チルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス-(6-t-ブチ
ル-3-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス-(4-
メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビ
ス-(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチ
レンビス-(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,6
-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、1,1,3-トリス
(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタ
ン、n-オクタデシル・3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-
ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレ
ン-3-(3,5-ジーt-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕メタン、ジラウリルチオジプロピオネ
ート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチ
ルチオプロピオネート。また、ヒンダードフェノール系
のものとしては、トリエチレングリコール-ビス〔3-
(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕、1,6-ヘキサンジオール-ビス〔3-(3,
5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキ
シ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジ
ン、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-t
-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-
4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシ
ル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、N,N'-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-
t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、3,5
-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジルフォスフォネー
ト-ジエチルエステル、1,3,5-トリメチル-2,4,6-
トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン、トリス-(3,5,-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ
ベンジル)-イソシアヌレイト、オクチル化ジフエニルア
ミン、2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-O-クレゾ
ールがある。また、ヒドラジン系としては、N,N'-ビ
ス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)
プロピオニル〕ヒドラジンなどがある。また他にも、フ
ェノール系抗酸化剤、ホスファイト系抗酸化剤、チオエ
ーテル系抗酸化剤、重金属不活性化剤などが適用でき
る。
【0015】紫外線吸収剤としては、例えば、2(2'-
ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2(2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチル-5'-メチルフェニー
ル)5クロロベンゾトリアゾール、2(2'-ヒドロキシ-
3',5-ジ-t-ブチルフェニル)5クロロベンゾトリアゾ
ール、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノ
ン、サリチル酸フェニル、2-(5-メチル-2-ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-
3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル〕-2H-
ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒド
ロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチ
ル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベン
ゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキ
シフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5
-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾトリア
ゾール誘導体などがある。または、コハク酸ジメチル・
1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6
-テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔{6-(1,
1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリア
ジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-
ヒペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テ
トラメチル-4-ピペリジル)イミノ}〕、N,N'-ビス
(3-アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4-ビス
〔N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4ピペ
リジル)アミノ〕-6-クロロ-1,3,5-トリアジン縮合
物、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セ
バケート、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベン
ジル)-2-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペン
タメチル-4-ピペリジル)、2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートな
どがある。
【0016】また、難燃剤としては、例えば以下のもの
が適用できる。ポリブロモジフェニルオキサイド、テト
ラブロモビスフェノールA、臭素化エポキシヘキサブロ
モシクロドデカン、エチレンビステトラブリモフタルイ
ミド、臭素化ポリスチレンデクロラン、臭素化ポリカー
ボネート、ポリホスホナート化合物、ハロゲン化ポリホ
スホナート、トリアジン、赤りん、トリクレジルホスフ
ェート、トリフェニルホスフェートクレジルジフェニル
ホスフェート、トリアリルホスフェート、トリキシリル
ホスフェート、トリアルキルホスフェート、トリスクロ
ロエチルホスフェート、トリスクロロプロピルホスフェ
ート、トリス(ジクロロプロピルホスフェート)、三酸化
アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム。または、シリコーンオイル、ステアリン酸、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、カーボ
ンブラック、二酸化チタン、シリカ、マイカ、モンモリ
ロナイト等。
【0017】本発明のプロピレン系樹脂組成物は前記の
(A),(B),(C)各成分および添加剤を均一に配
合させることによって製造され得る。その配合方法(混
合方法)については特に制限はなく、合成樹脂の分野に
おいて一般に行われている方法を適用すれば良い。混合
方法としては、一般に行われているヘンシェルミキサ
ー、タンブラーおよびリボンミキサーのごとき混合機を
使用してドライブレンドする方法ならびにオープンロー
ル、押出混合機、ニーダーおよびバンバリーのごとき混
合機を用いて溶融させながら混合させる方法があげられ
る。これらの方法のうち、一層均一な樹脂組成物を得る
にはこれらの混合方法を二種以上併用させるとよい(例
えば、あらかじめドライブレンドさせた後、その混合物
を溶融混合させる)。ドライブレンドを併用する場合で
も、溶融混合させる方法を一種または二種以上併用する
場合でも、後記の成形方法によって成形物を製造するに
あたり、ペレタイザーを使用してペレットに製造して用
いることが特に好ましい。
【0018】以上の混合方法のうち、溶融混合させる場
合でも、後記の成形方法によって成形する場合でも、使
用される樹脂が溶融する温度で実施しなければならな
い。しかし、高い温度で実施すると樹脂が熱分解や劣化
を起こすため、一般には170〜350℃、好ましく
は、180〜260℃で実施される。
【0019】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は合
成樹脂の分野で一般に実施されている射出成形法、押出
成形法、圧縮成形法および中空成形法のごとき成形方法
を適用して所望の形状に成形させてもよい。また、押出
成形機を用いてシート状に成形した後、このシートを真
空成形法、圧空成形法などの二次加工方法によって所望
の形状に成形させてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施例に基づいて
説明するが、それらの実施例が本発明を限定解釈するも
のでないことは勿論のことである。
【0021】
【実施例】なお、以下に示す実施例および比較例におい
て、各物性は次の方法により測定した。アイゾット衝撃
強度(単位kgf・cm/cm)はASTM D265に準じ、
室温および−30℃の温度においてノッチ付きで測定し
た。曲げ弾性率(単位kgf/cm2)はASTM D
790に従い、23℃の温度において測定した。引張り
伸び(%)は、ASTM D638に従い、23℃の温
度において測定した。
【0022】また、実施例および比較例において使用し
た(A),(B),(C)各成分の種類および物性は以
下の通りである。 (A)ポリプロピレン ポリプロピレンとしては、(PP−1)として、昭和電
工(株)製のMFRが30g/10分のホモタイプのポリプ
ロピレン「MA810B」、(PP−2)として、同社
製のMFRが40g/10分、ゴム含量15重量%のブロッ
クタイプのポリプロピレン「MK711H」を用いた。
【0023】(B)ポリスチレン−エチレン/プロピレ
ン−ポリスチレントリブロック共重合体(SEPS)は
表1に示す2種類を用いた。
【表1】
【0024】(C)ポリスチレン−エチレン/ブテン−
ポリスチレントリブロック共重合体(SEBS)は表2
に示す2種類を用いた。
【表2】 また、比較としてトリブロック共重合体(TBC)に代
えて、エチレン/プロピレンゴム(極限粘度[η]=
2.5dl/g、プロピレン含量25重量%、以下EP
Rという)、エチレン/ブテンゴム(極限粘度[η]=
3.5dl/g、ブテン含量15重量%、以下、EBR
という)を用いた。
【0025】これらの各成分を表3に示す割合で配合
し、ヘンシェルミキサーにより5分間ドライブレンドを
行った。得られた混合物を180℃に設定された同方向
二軸押出機(径30mm)を用いて混連してペレットを
製造した。このペレットを200℃に設定された射出成
形機を用いて射出成形を行い、測定用の試験片を作成し
た。各試験片のアイゾット衝撃試験、曲げ弾性率および
引張り伸びの結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】表3から、本発明に該当する実施例1〜5
はいずれも耐衝撃性、剛性、引張り伸びに優れ、特に耐
衝撃性が良好であることがわかる。
【0028】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は
下記の効果を発揮する。 (1)耐衝撃性が優れている。 (2)伸びが優れている。 (3)剛性が高い。 これらの効果から、本発明のポリプロピレン系樹脂組成
物は、特に家電部品などの材料として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 別府 隆幸 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2 昭和 電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 茂木 義博 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2 昭和 電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 坂井 和彦 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2 昭和 電工株式会社川崎樹脂研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレンを70〜90重量%と、
    スチレン含有量が15〜40重量%のポリスチレン−エ
    チレン/プロピレン−ポリスチレントリブロック共重合
    体を5〜20重量%と、スチレン含有量が15〜40重
    量%のポリスチレン−エチレン/ブテン−ポリスチレン
    トリブロック共重合体を5〜20重量%とからなり、前
    記ポリスチレン−エチレン/プロピレン−ポリスチレン
    トリブロック共重合体成分と前記ポリスチレン−エチレ
    ン/ブテン−ポリスチレントリブロック共重合体成分の
    合計量に対するポリスチレン−エチレン/プロピレン−
    ポリスチレントリブロック共重合体成分の割合が20〜
    80重量%であることを特徴とするポリプロピレン系樹
    脂組成物。
JP21637495A 1995-08-24 1995-08-24 ポリプロピレン系樹脂組成物 Withdrawn JPH0959451A (ja)

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