JPH08162588A - リードフレームの加工方法及びリードフレーム並びに半導体装置 - Google Patents

リードフレームの加工方法及びリードフレーム並びに半導体装置

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JPH08162588A
JPH08162588A JP6306486A JP30648694A JPH08162588A JP H08162588 A JPH08162588 A JP H08162588A JP 6306486 A JP6306486 A JP 6306486A JP 30648694 A JP30648694 A JP 30648694A JP H08162588 A JPH08162588 A JP H08162588A
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lead frame
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Nobuhiko Tada
信彦 多田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】多ピンかつ狭ピッチのリードフレームの加工に
際し、レーザ切断時に生じるドロスの悪影響を受けず、
またレーザ光照射時の熱影響を受けることなく、チップ
の端子との接合性を良好にすることができるようにす
る。 【構成】インナーリード202の内方先端部分を切り残
してダイパッド201で相隣り合うリードを連結してお
き、支持板215をインナーリード202の内方部分に
固着する。そして、支持板215の貫通溝215Aの位
置でレーザ切断し、インナーリード202を個々に分離
する。また、支持板215の板厚をドロス10の高さよ
りも厚くし、貫通溝215A内にドロス10を完全に収
容する。さらに、分離後のインナーリード202の内方
先端から少なくとも熱影響部分200aの幅以上離れた
位置よりも外側に端子接合部202Aの内端を配置す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小型かつ高性能な半導
体装置(LSI)に使用されるリードフレームの加工方
法に係わり、特に、多ピンかつ狭ピッチの微細な加工パ
ターンを有するインナーリードを加工するのに好適なリ
ードフレームの加工方法、及びそのリードフレームの加
工方法により加工されたリードフレーム、並びにそのリ
ードフレームを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体チップの高密度実装化、高
集積化がより一層厳しく要求されてきており、これに対
応するために半導体チップを搭載するリードフレームも
狭ピッチ化、多ピン化することが要求されている。この
ようなリードフレームを得るためには、微細かつ高精度
な加工、例えば板厚が0.3mm以下の金属板に、リー
ドピッチの最小値、即ちインナーリードの内方先端部分
におけるピッチが板厚の2倍以下でリード間隙の幅の最
小値が板厚以下となるような加工を施すことが要求さ
れ、そのための加工は大変困難になりつつある。
【0003】薄い金属板に多ピンかつ狭ピッチの微細な
パターンの切断を施していくと、金属板素材の剛性が著
しく低下し、小さな外力によっても変形してしまう可能
性が大きくなり、リードフレーム加工中にリードが変形
してリードピッチやリード幅の精度が低下したり、たと
え高精度に加工を終えたとしてもその後の工程における
リードの変形やリード配列の乱れによって高精度な寸法
や形状を維持することができなくなる。
【0004】また、多ピンかつ狭ピッチのリードフレー
ムでは、半導体チップ搭載後に行われる半導体チップの
各端子とインナーリードの端子接合部との電気的接合時
にも次のような困難を伴う。即ち、インナーリード部分
ではリード間の隙間が極めて狭くなっており、上記のよ
うにリード間隙の幅が板厚以下にまで狭くなることもあ
るため、接合作業中にわずかなリードの変形などによっ
て端子接合部が動いて位置ずれしたり、隣のリード同士
が接触して製品たる半導体装置が欠陥品となる可能性が
高い。特に、確実かつ安価な接合方法であるワイヤボン
ディング法のうち、最近、狭ピッチのリードフレームに
対して行われているウェッジボンディング法は、従来の
ネイルボンディング法に比較してリードフレームに大き
な振動力(超音波振動)を付与するため、上記のような
端子接合部の位置ずれやリード同士の接触が非常に問題
となる。
【0005】これに対し、特開平5−251624号公
報に記載の従来技術(以下、第1の従来技術という)
は、電源層を有する多層リードフレームを開示してい
る。この技術では、電源層の形状を、半導体チップを搭
載する中央部分とその外側に連結部を介して設けられた
リング状の部分とで構成すること、リードフレームのイ
ンナーリード内方先端部分にインナーリード相互間を連
結固定する連結部を設けること、そのインナーリードを
上記電源層のリング状の部分に貼り付けること、その
後、電源層のリング状の部分と中央部分の間に形成され
た貫通する空間(貫通溝)の部分で上記連結部を打ち抜
き加工により切断すること、などにより、電源層のリン
グ状の部分によってインナーリード内方先端がしっかり
と固定され、リードの変形やリード配列の乱れが防止さ
れる。
【0006】また、特開昭58−123747号公報に
記載の従来技術(以下、第2の従来技術という)では、
インナーリードの内方先端部分を連結部にて連結するこ
とによって剛性を確保しておき、セラミック材等の固定
部材(ベース)の所定位置にしっかりと固定した後に、
連結部をレーザ光によって切断(以下、レーザ切断とい
う)している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来技術によれ
ば、インナーリード内方先端がしっかりと固定され、リ
ードの変形やリード配列の乱れが防止される。また、結
果として、ワイヤボンディング等による半導体チップの
各端子とインナーリードとの電気的接合時にも、インナ
ーリード先端部分が位置ずれしたりリード同士が接触す
ることが防止される。
【0008】さらに、連結部を切断する際に、打ち抜き
加工によらずに第2の従来技術に開示されているレーザ
切断を利用することは容易であるが、このレーザ切断を
利用することにより、打ち抜きのための切断用治具など
でインナーリード先端部分を拘束する必要がなく、切断
位置や切断形状を自由に選択して精度よく切断すること
ができる。特に、剛性の小さいインナーリードの先端部
分を切断するためには、非接触加工であって、被加工物
に不必要な変形をほとんど与えることのないレーザ切断
が有効である。
【0009】ところが、上記のようにレーザ切断を利用
する場合には、半導体チップの各端子とインナーリード
内方先端との接合性の悪化という点で、さらに問題が生
じる。以下、この問題点について述べる。
【0010】(1)レーザ切断時に生じるドロスによる
悪影響 レーザ切断は、レーザ光を切断すべき部分(連結部)に
照射し、その部分を瞬時に加熱して溶融させ、生じた溶
融金属を排除する熱加工法である。この溶融金属を排除
するためには、一般にアシストガスを噴射してその溶融
金属を吹き飛ばす方法が用いられるが、完全に排除する
ことはほとんど不可能であり、排除しきれず残留した溶
融金属は切断された側壁裏面の縁部付近に付着したまま
冷え固まりドロスとなる。このドロスは容易に除去でき
る場合もあるが、被加工物表面に強固に付着し簡単に除
去できない場合が多い。また、その量はわずかであり、
その寸法も微細ではあるが、リードフレーム表面からド
ロスが突出していると、その後の半導体チップの各端子
との接合作業において加工治具や拘束治具や固定治具な
どと接触し、リードの変形を招き、加工誤差や寸法誤差
が発生することとなる。さらに、このドロスがその後の
工程中に不規則に剥落してリード間隙に入った場合には
リード間での電気的短絡の原因ともなってしまう。
【0011】(2)レーザ光照射時の入熱に起因する熱
影響 レーザ切断は、切断すべき部分以外には比較的悪影響を
与えることが少ない切断方法であるが、上述したような
多ピンかつ狭ピッチのリードフレームのインナーリード
部分をレーザ切断する際にはその熱影響が無視できなく
なる。即ち、レーザ光が照射された部分の近傍がレーザ
光に曝されてその表面が劣化したり、酸化膜が形成され
たりするなどして、元の金属板素材に比較して半導体チ
ップの各端子との接合性が悪化してしまう。
【0012】本発明の第1の目的は、多ピンかつ狭ピッ
チのリードフレームを加工する際に、レーザ切断時に生
じるドロスによる悪影響を受けることなく半導体チップ
の端子との接合性を良好にすることができるリードフレ
ームの加工方法、及びそのリードフレームの加工方法に
より加工されたリードフレーム、及びそのリードフレー
ムを用いた半導体装置を提供することである。
【0013】本発明の第2の目的は、多ピンかつ狭ピッ
チのリードフレームを加工する際に、レーザ光照射時の
入熱に起因する熱影響を受けることなく半導体チップの
端子との接合性を良好にすることができるリードフレー
ムの加工方法、及びそのリードフレームの加工方法によ
り加工されたリードフレーム、及びそのリードフレーム
を用いた半導体装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明によれば、内方先端部分で半導体チップ
の各端子と接合される多数のインナーリード及びそのイ
ンナーリードの外側に連続して延びるアウターリードを
有し、板厚が0.3mm以下で、リードピッチの最小値
が板厚の2倍以下で、リード間隙の幅の最小値が板厚以
下のリードフレームを薄い金属板から形成するリードフ
レームの加工方法において、前記金属板を適宜に切欠い
て、少なくともインナーリード部分に連結部をもつ相隣
り合うリードを形成する第1の工程と、前記第1の工程
でリードが形成された金属板に、厚さが0.05mm以
上で、前記連結部の少なくとも一部に対応する位置に貫
通部を設けた支持板を固着する第2の工程と、前記連結
部の少なくとも一部に前記支持板の反対側からレーザ光
を照射して各々のインナーリードを個別に分離する第3
の工程とを有することを特徴とするリードフレームの加
工方法が提供される。
【0015】上記第1及び第2の目的を達成するため、
本発明によれば、上記のようなリードフレームの加工方
法において、前記第3の工程のレーザ光照射位置を、イ
ンナーリードの先端部分における半導体チップの各端子
と接合される端子接合部内端よりも、前記レーザ光の照
射による熱影響部分の寸法以上リード長手方向内側に離
した位置とすることを特徴とするリードフレームの加工
方法が提供される。
【0016】または、上記第1及び第2の目的を達成す
るため、上記第3の工程のレーザ光照射位置を、インナ
ーリード先端部分における半導体チップの各端子と接合
される端子接合部外端よりも、前記レーザ光の照射によ
る熱影響部分の寸法以上リード長手方向外側に離す。
【0017】ここで好ましくは、支持板として良熱伝導
性の金属を接着する。
【0018】上記の場合、支持板の少なくともインナー
リード部分に当接する面に絶縁性材料を配置することが
好ましい。
【0019】或いは、支持板として絶縁性材料を接着す
ることが好ましい。
【0020】また、以上のようなリードフレームの加工
方法において、好ましくは、支持板を絶縁性及び耐熱性
を有する有機樹脂系または無機質系の接着材料によって
接着する。
【0021】また、支持板として熱膨脹係数がリードフ
レームの素材の熱膨脹係数とほぼ同じ材質を用いてもよ
い。
【0022】さらに、支持板の金属板が固着された面と
は反対側の面に、さらに放熱用部材を取り付けてもよ
い。
【0023】また、上記リードフレームの加工方法にお
いて、好ましくは、少なくとも前記第2の工程で支持板
が固着されたインナーリードのリード間隙に、さらに耐
熱性及び絶縁性を有する充填材料を充填する。
【0024】さらに、好ましくは、少なくともインナー
リード先端における半導体チップの各端子と接合される
端子接合部表面に、接合性を改善するための金属膜を被
覆する。
【0025】さらに、少なくともインナーリードにおけ
る半導体チップの各端子と接合される端子接合部を除く
部分に、耐熱性の絶縁膜を被覆するのが好ましい。
【0026】また、前述の第1の工程のリード形成の際
に好ましくは、多数のインナーリードの内方先端部分
に、第1グループの端子接合部と、この第1グループの
端子接合部よりもリード長手方向外側にずれて位置する
第2グループの端子接合部とを含む端子接合部を形成す
る。
【0027】さらに、前述の第2の工程で固着される支
持板の上に直接半導体チップが搭載されるように、前記
第1の工程のリード形成の際にインナーリードよりも内
側部分に貫通穴を設けるのもよい。
【0028】また、本発明によれば、上記のようなリー
ドフレームの加工方法により加工されたリードフレーム
が提供される。
【0029】さらに、本発明によれば、上記リードフレ
ームに半導体チップが搭載され、その半導体チップの各
端子とインナーリードの端子接合部とが接合され、樹脂
モールドにて半導体チップ及びインナーリードを含む部
分が一体封止されていることを特徴とする樹脂モールド
型の半導体装置が提供される。
【0030】
【作用】上記のように構成した本発明においては、金属
板をリードフレーム形状に基づいて適宜に切欠く際に、
少なくともインナーリード部分に連結部を形成して隣り
合うリードを形成する。連結部を形成することにより、
相隣り合うインナーリード間での剛性が維持され、リー
ドの変形やリード配列の乱れが防止される。従って、イ
ンナーリードのリードピッチの精度が維持されると共
に、例えばリードフレームとなる金属板素材の洗浄や乾
燥、メッキ処理、固定治具等への装填、寸法検査などの
その後の工程中の金属板素材に変形を与えることなくの
取り扱いが容易となる。
【0031】上記リードの形成の後に、上記のようにリ
ードが形成された金属板に支持板を固着する。これによ
り、インナーリードが拘束されてその剛性が一層強化さ
れ、またリードの変形やリード配列の乱れが防止され
る。従って、その寸法や形状の精度の維持が一層確実に
なると共に、工程中の金属板素材の取り扱いが一層容易
となる。また、後述するように連結部で連結された各々
のインナーリードをレーザ切断して個別に分離した後で
も、この支持板により引き続きインナーリードが拘束さ
れるため、その剛性が維持され、リードの変形やリード
配列の乱れが防止される。
【0032】さらに、この支持板で端子接合部が拘束さ
れるため、半導体チップの搭載後に行われるワイヤボン
ディングやインナーリードボンディング(バンプ等によ
る接合方法で、以下、単にバンプ等を用いた方法とい
う)を用いた半導体チップの各端子と端子接合部との接
合時においても、端子接合部の変形や移動によって位置
ずれすること、及び隣のリード同士が接触することが避
けられ、良好な接合性を実現できる。特に、接合方法と
して、ワイヤボンディング法のうちの超音波振動を付与
するウェッジボンディング法を利用する場合において
も、端子接合部が動くことがないように支持板によって
しっかりと固定される。
【0033】上記支持板固着の後、レーザ光を上記連結
部の少なくとも一部に照射することにより、連結部で連
結された各々のインナーリードが個別に切断分離され
る。レーザ切断を利用することにより、切断位置や切断
形状を自由に選択して精度よく切断することができ、し
かも剛性の小さいインナーリードの先端部分に不必要な
変形をほとんど与えることがない。また、前述の第1の
従来技術のように打ち抜きのための切断用治具などにイ
ンナーリード先端部分を精度よく位置決めして拘束する
必要もない。
【0034】また、支持板において、上述の連結部の少
なくとも一部に対応する位置、即ちレーザ光の照射部分
に対応する位置に貫通部を設けることにより、上述の連
結部を支持板の反対側からレーザ光を照射して切断する
時に生じる溶融金属の粒子、即ちドロスやスパッタ等の
付着の原因となる溶融金属、及びゴミやホコリが貫通部
を通過しながら排除される。このように、支持板に設け
た貫通部の位置にある連結部をレーザ切断することによ
り、支持板がレーザ切断されないためそのレーザ切断に
より除去する金属部分が最小となってドロスやスパッタ
等の量が減少する。また、貫通部を設ける範囲はレーザ
光の照射部分に対応する位置のごく近傍に限られるか
ら、インナーリードが支持板によって確実に拘束される
ことに変わりはない。
【0035】さらに、レーザ切断時には前述のようにド
ロスが生じて付着するが、本発明者の実験によると、板
厚が0.15mmの42アロイ材料及び銅合金をYAG
レーザを用いて切欠き部の幅が0.03〜0.05mm
となるように切断した場合、切欠き部の側壁裏面の縁部
に付着するドロスの寸法は、高さが0.01〜0.05
mmで幅が0.03〜0.05程度mmとなることがわ
かった。さらに、ステンレス、銅及び銅合金、鉄、ハス
テロイ等の金属板を切断する実験も行ったが、ほとんど
の場合、上記寸法以下のドロスの寸法になることを確認
している。つまり、ドロスの寸法は板厚やレーザ切断条
件によって多少変動するものと考えられるが、本発明の
ように板厚が0.3mm以下の金属板を加工する場合は
ほぼ上記寸法以下になると考えられる。
【0036】そこで、本発明においては、支持板の厚さ
を0.05mm以上とすることにより、支持板の厚さが
常にレーザ切断時に生じるドロスの高さよりも厚くなっ
て、ドロスは貫通部の中に完全に収容されることにな
る。貫通部内に収容されたドロスは、後ほど機械的処理
または化学的表面処理等によって完全には除去すること
が不可能であるが、この場合にはそのようにしてドロス
をことさらに除去する必要はない。そして、ドロスが支
持板表面から突出することがないため、その後の接合作
業等において、加工治具や拘束治具や固定治具などと突
出したドロスが接触することがなく、変形や加工誤差や
寸法誤差の発生が避けられ、さらにドロス等の不規則な
剥落などに起因する電気的短絡が生じることが避けられ
る。
【0037】また、各々のインナーリードを個別に切断
分離する際のレーザ光の照射位置を、インナーリード先
端部分の半導体チップの各端子と接合される端子接合部
(以下、単に端子接合部ともいう)の端部(内端または
外端)よりもレーザ光照射による熱影響部分の寸法以上
の距離だけリード長手方向(内側または外側)に離した
位置とすることにより、端子接合部がレーザ切断によっ
て熱影響を受けることがなくなり、端子接合部の表面が
劣化したり酸化膜が形成されることが防止され、従って
半導体チップの各端子との接合性が良好となる。
【0038】このように本発明では、上記のような特殊
な加工を行うことにより、板厚が0.3mm以下で、リ
ードピッチの最小値が板厚の2倍以下で、リード間隙の
幅の最小値が板厚以下であるような多ピンかつ狭ピッチ
のリードフレームを加工する場合であっても、半導体チ
ップの端子との接合性を良好にすることができる。
【0039】また、上記支持板を良熱伝導性の金属とす
ることにより、半導体装置が実装された電子機器の動作
中に半導体チップで発生した熱が速やかかつ確実に支持
板を通過して半導体装置外部へ放散されるため、半導体
装置が放熱性の良好なものとなり、誤動作や破損が回避
される。
【0040】また、インナーリード(リードフレーム)
と支持板の間には電気的導通があってはならないが、支
持板の少なくともインナーリード部分に当接する面に絶
縁性材料を配置することにより、インナーリードと支持
板の間が確実に電気絶縁される。その絶縁性材料の配置
方法としては、例えば、リードフレームと支持板のうち
いずれか、または両方の表面に予め絶縁性皮膜等を被覆
しておいてから固着する方法がある。
【0041】さらに、支持板自体を絶縁性材料とすれ
ば、上記のような電気絶縁性を考慮する必要がなくな
る。
【0042】また、支持板をリードフレームのインナー
リードに固着する際には、絶縁性及び耐熱性を有する接
着剤によって接着することにより、接着された時のイン
ナーリードの形状と寸法精度を保つことができると共
に、支持板とインナーリード間の電気絶縁性が確保され
る。さらに、耐熱性の接着剤を用いることにより、樹脂
モールドによる一体封止時の温度上昇によってもその機
能が劣化することがない。この接着剤としては有機樹脂
系のものでも無機質系のものでもよい。
【0043】また、支持板として熱膨脹係数がリードフ
レームの素材の熱膨脹係数とほぼ同じ材質を用いること
により、樹脂モールドによる一体封止工程、製品となっ
た半導体装置等を使用する際の半導体チップの発熱、或
いは使用環境の温度変化等に伴う熱履歴を受けた場合
に、両者が同様に熱膨脹または熱収縮して両者間に大き
な熱応力が発生することがなくなる。これにより、イン
ナーリードと支持板の間で剥離が生じにくくなり、さら
にリードフレームが破断する可能性もなくなり、製品と
しての半導体装置の信頼性向上に有効となる。
【0044】また、支持板の金属板が固着された面とは
反対側の面に、さらに放熱用部材を取り付けることによ
り、半導体装置が実装された電子機器の動作中に半導体
チップで発生した熱が速やかかつ確実にこの放熱用部材
より半導体装置外部へ放散される。従って、この場合に
も半導体装置が放熱性の良好なものとなり、誤動作や破
損が回避される。しかも、放熱用部材は簡単に取付ける
ことができるから、容易かつ確実に放熱性を改良するこ
とができる。
【0045】また、支持板が接着されたインナーリード
のリード間隙に、さらに耐熱性及び絶縁性を有する充填
材料を充填することにより、リード間隙の寸法が維持さ
れ、ワイヤボンディング時などにおいてリードが倒れた
り変形しようとしてもそのことが避けられ、リード同士
が接触することがない。従って、位置ずれせずに良好な
接合性を実現できる。しかも、この充填材料を耐熱性及
び絶縁性の材料とすることにより、樹脂モールドによる
一体封止時の温度上昇によってもその機能が劣化するこ
とがなく、リード間の電気絶縁性が確保される。
【0046】また、少なくともインナーリードにおける
半導体チップの各端子と接合される端子接合部表面に接
合性を改善するための金属膜を被覆することにより、接
合性が一層向上する。
【0047】また、少なくとも上記インナーリードの半
導体チップの各端子と接合される端子接合部を除く部分
に耐熱性の絶縁膜を被覆することにより、製造工程中に
リード同士が接触したとしても電気的短絡はおこらない
し、ゴミ等の付着による電気的短絡の可能性も回避でき
る。また、耐熱性の材質を用いることにより、樹脂モー
ルドによる一体封止時にもその絶縁膜が劣化することが
なく、確実に絶縁を行うことが可能となる。この耐熱性
の絶縁膜を被覆するのは、上記半導体チップの各端子と
接合される端子接合部を除く部分であるが、アウターリ
ード外方の電子回路基板との端子接合部も除いておくの
が望ましい。
【0048】ところで、インナーリードの内方先端と半
導体チップの各端子とをワイヤボンディングやバンプ等
によって接合する際にはインナーリード側にある程度の
幅(広さ)が必要であるが、多ピンかつ狭ピッチのリー
ドフレームでは板厚よりもインナーリード先端の幅が狭
くなることがあり、そのため多ピンで狭ピッチになれば
なるほどその接合が難しくなる。その上、ワイヤボンデ
ィングの場合には、インナーリードにおける端子接合部
のピッチが狭すぎると、隣接するワイヤ同士が接触した
り、キャピラリーと呼ばれる接合治具の先端が隣接する
ワイヤや隣接する端子接合部と干渉して良好な接合が行
えなくなる。
【0049】これに対し、本発明においては、多数のイ
ンナーリード(以下、適宜リードともいう)の内方先端
部分に形成される端子接合部を、互いにリード長手方向
にずれた第1グループの端子接合部及び第2グループの
端子接合部を含むように形成し、第2グループの端子接
合部を第1グループの端子接合部よりもリード長手方向
外側にずらせて位置させる。これにより、半導体チップ
の各端子との接合に必要な最小の幅を確保しながら、一
定の寸法の中に多数の端子接合部を並べることができ、
良好な接合性を損なうことなく多ピン化及び狭ピッチ化
が可能となる。特に、ワイヤボンディングの場合に、隣
接するワイヤ同士が接触したり、接合治具の先端が隣接
するワイヤや端子接合部と干渉することがなくなる。
【0050】また、最初に行うリード形成の際に、イン
ナーリードよりも内側部分に貫通穴を設けておき、支持
板が固着された時にその支持板上に直接半導体チップが
搭載されるようにしてもよい。この場合には、半導体装
置が実装された電子機器の動作中に半導体チップで発生
した熱をより有効に放散される。
【0051】
【実施例】本発明の第1の実施例によるリードフレーム
の加工方法及びリードフレーム並びに半導体装置につい
て、図1から図7を参照しながら説明する。
【0052】但し、本実施例では、QFP型半導体装置
用のリードフレームであって、板厚が0.3mm以下、
リードピッチの最小値が板厚の2倍以下、リード間隙の
幅の最小値が板厚以下であるような多ピンかつ狭ピッチ
のリードフレームを加工する場合について説明する。
【0053】図1は本実施例によって加工されるリード
フレームの一例を示す図である。図1において、リード
フレーム200の中央部分には半導体チップを搭載する
ダイパッド201が存在し、多数のインナーリード20
2と、これらインナーリード202に連続するアウター
リード203が配設されている。また、上記インナーリ
ード202の内方先端部分は、半導体チップ210(図
7参照)の各端子と接合される端子接合部202Aとな
っている。さらに、隣合うインナーリード202とアウ
ターリード203とはダムバー204により互いに連結
状に支持され、腕205もダムバー204によって支持
されている。ダイパッド201の周辺は切欠き部206
によってインナーリード202と分離されており、かつ
隣合うインナーリード202もこの切欠き部206によ
りそれぞれ分離されている。また、リードフレーム20
0の中央には貫通溝215Aを備えた支持板215(図
4参照)が固着されている。この支持板215は、イン
ナーリード202の内方部分及びダイパッド201に接
着膜215a(図4参照)によって固着されており、結
果として支持板215を介してインナーリード202の
内方部分とダイパッド201の相対位置が固定されてい
る。
【0054】インナーリード202は、リードフレーム
200中央へ収束するように延びており、半導体チップ
210と接合されるインナーリード202の内側におけ
る相隣合うリード間隙208は特に狭く、極めて微細な
構造となっている。しかもこの部分の加工はリードフレ
ームの加工において最も寸法精度や清浄度が厳しい部分
である。さらに、リードフレーム200の外周部分には
半導体チップの端子とインナーリード202との接続時
の位置決め用に位置決め穴207が設けられている。
尚、ダムバー204は、半導体チップのモールド時にレ
ジンを堰止める役割とインナーリード202及びアウタ
ーリード203を補強する役割を有し、モールド後に除
去される。
【0055】次に、本実施例のリードフレームの加工方
法、及びそのリードフレームを用いた半導体装置の製造
工程を図2により説明する。まず、図2のステップS1
00において、例えば鋼、銅合金,42アロイ、コバー
ル等の薄い金属板をレベラーにかけて平に矯正した後、
実際の加工に移る。次に、ステップS110で上記金属
板にアウターリード203を形成し、金属板の洗浄及び
乾燥を行う(ステップS111)。このステップS11
0での加工はレーザ光を用いたものであっても、従来か
らのエッチング加工やプレス加工等の加工であってもよ
いが、エッチング加工やプレス加工等を用いた方が能率
よく加工できる。
【0056】その後、ステップS120で金属板にイン
ナーリード202となる部分を加工し、金属板の洗浄及
び乾燥を行う(ステップS121)。このステップS1
20での加工もレーザ光を用いたものであっても、従来
からのエッチング加工やプレス加工等の加工であっても
よいが、いずれの加工を行う場合でも、金属板素材に変
形や残留ひずみをあまり与えないように加工するのが望
ましい。
【0057】上記のうち通常のエッチング加工では、例
えば板厚0.15mmの42アロイ材を用いる場合に
は、0.1〜0.15mmの幅のリード間隙しか加工で
きないが、レーザ切断を利用した場合は微細な加工が高
精度にできる。発明者の試験結果によれば、板厚0.1
5mmの42アロイ材を用いた場合、レーザ切断によっ
て加工できるリード間隙の幅は0.03〜0.07mm
程度となる。但し、その場合はレーザ光照射時の入熱に
よる熱影響部、即ち後述するドロス、及びスパッタや表
面の酸化膜等を化学研磨処理等の表面処理により除去し
ておく必要がある。
【0058】また、レーザ切断の代わりにワイヤカット
法によっても微細な加工が可能であり、例えば、板厚
0.15mmの42アロイ材を用いた発明者の試験結果
によれば、加工可能なリード間隙の幅は0.04〜0.
07mm程度である(尚、ワイヤ径によって多少変わ
る)。
【0059】さらに、ハーフエッチングを利用して金属
板の両面に凹部を設けておき、その凹部の中央をレーザ
切断またはプレス打抜きまたはワイヤカットなどによっ
て切断する方法、或いは、予めレーザ切断、放電加工、
電子ビーム加工等によって貫通穴列を設けておき、この
貫通穴列をエッチング加工によって連結して所定の形状
を形成する方法などによってもよい。これらの方法によ
れば、0.05〜0.1mmのリード間隙幅で加工する
ことができ、多ピンかつ狭ピッチのインナーリード部分
を微細かつ高精度に加工することができる。
【0060】上記ステップS120が完了後におけるリ
ードフレーム200の中間製品(以下、単にリードフレ
ーム200ともいう)の形状を図3に示す。図3に示す
ように、全てのインナーリード202の内方先端部分は
ダイパッド201と連結されている。即ち、ダイパッド
201及びそれにつながるインナーリード202の内方
先端部分はインナーリード202同士を連結するための
連結部となっている。これにより、相隣り合うリード間
での剛性が維持され、リードの変形やリード配列の乱れ
が防止される。従って、インナーリード202のリード
ピッチの精度が維持されると共に、例えばリードフレー
ムとなる金属板素材の洗浄や乾燥、メッキ処理、固定治
具等への装填、寸法検査などのその後の工程中の金属板
素材に変形を与えることなくの取り扱いが容易となる。
【0061】次に、ステップS130でインナーリード
202の内方先端部分の端子接合部202Aに銀メッキ
を施す。このように、メッキ領域を限定することにより
メッキ用の金属である銀が節約できる。また、銀メッキ
を施すことにより、端子接合部202Aの接合性が一層
向上する。尚、メッキする金属としては銀の他、金や錫
などでもよい。上記ステップS130の後、洗浄及び乾
燥を行う(ステップS131)。
【0062】次に、ステップS140で支持板215上
に接着膜215aを搭載し、ステップS150及びステ
ップS151で接着膜215a上にリードフレーム20
0を搭載し接着(固着)する。この時、支持板215が
リードフレーム200のインナーリード202内方部分
及びダイパッド201に固着されるようにする。このよ
うに支持板215でインナーリード202の内方部分を
拘束することにより、その剛性が一層強化され、またリ
ードの変形やリード配列の乱れが防止され、従ってその
寸法や形状の精度の維持が一層確実となり、工程中の金
属板素材の取り扱いがさらに容易となる。
【0063】図4は上記支持板215の形状を示す図で
あり、(a)は上面図、(b)は(a)のB−B方向の
断面図である。但し、(b)では接着膜215aを搭載
した状態を示す。接着膜215aによって支持板215
とリードフレーム200が簡単に接着され、接着された
時のインナーリード202の形状と寸法精度を保つこと
ができる。また、支持板215には図4のように予め細
長い切欠き状の貫通溝215Aがあけられている。この
貫通溝215Aの位置については後述するが、少なくと
も端子接合部202Aが支持板215の貫通溝215A
を避けて位置するようにしておく。即ち、インナーリー
ド202のうちの端子接合部202Aには必ず支持板2
15が固着しているようにする。
【0064】支持板215の素材として、良熱伝導性の
金属を用いることにより、本実施例のリードフレームを
用いた半導体装置を電子機器に実装した後の、その電子
機器の動作中において、半導体チップ210(図7参
照)で発生した熱が速やかかつ確実にダイパッド201
及び支持板215を通過して半導体装置外部へ放散され
る。これにより、半導体装置が放熱性の良好なものとな
り、誤動作や破損が回避される。また、支持板215
を、熱膨脹係数がリードフレーム200の熱膨脹係数と
ほぼ同じ材質とすることにより、樹脂モールド230に
よる一体封止工程(ステップS190及び図7参照)、
上述した半導体装置等を使用する際の半導体チップの発
熱、或いは使用環境における温度変化等に伴う熱履歴を
受けた場合に、支持板215とリードフレーム200が
同様に熱膨脹または熱収縮して両者間に大きな熱応力が
発生することがなくなる。これにより、インナーリード
202及びダイパッド201と支持板215の間で剥離
が生じにくくなり、さらにリードフレーム200が破断
する可能性もなくなり、製品としての半導体装置の信頼
性向上に有効となる。
【0065】また、支持板215が金属である場合、イ
ンナーリード202(リードフレーム200)と支持板
215の間の電気的導通を防止するため、接着膜215
aの材質を絶縁性及び耐熱性を有する接着剤とする。こ
れにより、支持板215とインナーリード202間の電
気絶縁性が確保されると共に、樹脂モールド230によ
る一体封止時の温度上昇によってもその機能が劣化する
ことがない。
【0066】上記接着膜215aとしては有機樹脂系の
ものでも無機質系のものでもよい。有機樹脂系の接着剤
としては、例えば、耐熱性があり、安価で取り扱いも容
易な熱硬化性のエポキシ系接着剤がある。但し、このエ
ポキシ系接着剤を使用する際には熱硬化処理が必要であ
り、そのために熱膨脹変形や熱履歴がインナーリード2
02に加わる可能性があるが、インナーリード202の
内方先端部分がダイパッド201で連結されているた
め、インナーリード202が動くことは防止される。こ
の他にも、耐熱性に優れたポリイミド系の接着剤やポリ
アミド系の接着剤なども使用に適する。一方、無機質系
の接着剤としては低融点ガラスやホウロウなどが適して
いる。さらに、絶縁性及び耐熱性を有するものであれば
これ以外のものでもよい。
【0067】上記においては、接着膜215aを支持板
215の上に配置しておいた後にリードフレーム200
に接着したが、接着膜をリードフレーム200側に配置
しておいたり、或いは支持板215とリードフレーム2
00の両方の表面に配置しておいてもよい。また、上記
接着膜215aに加え、支持板215の少なくともイン
ナーリード202部分に当接する面に別の絶縁性材料を
配置してもよい。さらに、支持板215自体を、上記の
接着剤と類似の材質、或いは絶縁性のセラミックス等の
絶縁性材料としてもよい。この支持板215自体を絶縁
材料とした場合には、上記のような電気絶縁性を考慮す
る必要がなくなる。
【0068】また、ステップS130で行う銀メッキ処
理を、上記ステップS140〜S151の後で行っても
よい。この場合、少なくとも端子接合部202Aのみを
メッキ処理すれば、リードが変形せずメッキ処理がやり
やすい。
【0069】次に、ステップS160において、インナ
ーリード202の内方先端部分にレーザ光を照射して切
断し、インナーリード202、従って端子接合部202
Aを個々に分離する。この結果、図1に示すようなリー
ドフレーム200の形状となる。インナーリード202
をレーザ切断で個々に分離することにより、ダイパッド
201でインナーリード202が連結されることによる
剛性の維持、及びリードの変形や配列の乱れ防止の効果
がなくなるが、その代わり上記支持板215により引き
続きインナーリード202が拘束されるため、その剛性
はさらに維持強化され、リードの変形やリード配列の乱
れが防止され、従って寸法や形状の精度が維持されるこ
と、及び工程中の金属板素材の取り扱いの容易性は損な
われない。
【0070】図5は、レーザ切断の状況を示した断面図
である。レーザ光は金属板素材の支持板215を固着し
た面とは反対側の面より照射し、インナーリード202
の内方先端部分とダイパッド201とを分離する切欠き
部206を形成する。ここで使用するレーザ光としては
YAGレーザがふさわしく、微細かつ高精度な加工が可
能である。図5において、レーザ光113Aは充分な熱
エネルギ密度を供給できるように集光レンズ116で集
光され、加工ノズル113先端部よりアシストガス11
7Aと共に金属板表面に照射される。するとその部分が
溶融し、これが熱源となってこの溶融が表面から順次深
さ方向に向って進行し、やがて切断される。レーザ光1
13Aは極めて小さく集光できるので微細な寸法の加工
に好適であり、高いエネルギー密度のレーザ光をごく短
時間照射するだけで所望の部分を溶断することができ
る。また、打ち抜きの加工のように切断用治具などにイ
ンナーリード202先端部分を精度よく位置決めして拘
束する必要もなく、切断位置や切断形状を自由に選択し
て精度よく切断することができ、しかも剛性の小さいイ
ンナーリード202の先端部分に不必要な変形をほとん
ど与えることがない。
【0071】このレーザ切断によって、連結部として機
能していたダイパッド201による剛性の維持、及びリ
ードの変形や配列の乱れ防止の効果がなくなるが、その
代わり支持板215により引き続きインナーリード20
2が拘束されるため、その剛性はさらに維持強化され、
リードの変形やリード配列の乱れが防止され、従って寸
法や形状の精度が維持されること、及び工程中の金属板
素材の取り扱いの容易性は損なわれない。
【0072】また、上記のレーザ切断を行う際には、支
持板215の貫通溝215Aの位置にレーザ光を照射す
るようにする。このため、支持板215において予め設
けておく貫通溝215Aの位置は、インナーリード20
2の内方先端部分のレーザ切断位置に対応する位置とす
る。このように、支持板215の貫通溝215Aの位置
をレーザ切断するため、レーザ切断時に生じたスパッタ
やドロス等の付着の原因となる溶融金属粒子13のほと
んど、及びゴミやホコリが、アシストガス供給口117
から供給されるアシストガス117Aによって貫通溝2
15Aを通過しながら吹き飛ばされ排除される。つま
り、貫通溝215Aは溶融金属粒子13の逃げ部として
機能する。また、支持板215がレーザ切断されないた
めそのレーザ切断により除去する金属部分が最小となっ
てスパッタやドロス等の量が減少することになる。
【0073】溶融金属が少なくなるといっても完全にな
くすことは不可能であり、やはり一部分の溶融金属は残
留してしまい、インナーリード202裏面の切り口付近
に付着し凝固してドロス10となる。ところが、支持板
215の板厚を、このドロス10の高さよりも十分厚く
しておけば、ドロス10は支持板215の貫通溝215
A内に完全に収容されることになる。
【0074】このドロスの高さと支持板の板厚の関係
を、図6により説明する。本発明者の実験によると、板
厚t1が0.15mmの42アロイ材料の金属板素材を
YAGレーザを用いて切欠き部206の幅W1が0.0
3〜0.05mmとなるように切断した場合、切欠き部
206の側壁裏面の縁部に付着するドロス10の寸法
は、高さhが0.01〜0.03mmで幅wが0.03
〜0.05程度mmとなることがわかった。また、その
他の材料、例えば銅や銅合金ではドロス10の高さhが
0.03〜0.05mmともう少し大きくなる。このド
ロス10の寸法は板厚やレーザ切断条件によって多少変
動するものと考えられるが、本実施例のように板厚が
0.3mm以下の金属板を加工する場合はほぼ上記寸法
になると考えられる。本発明者は、上記42アロイや銅
系の材料の他、ステンレス、鉄、ハステロイ等の金属板
を切断する実験も行ったが、ほとんどの場合、上記寸法
以下のドロスの寸法になることを確認している。
【0075】そこで、支持板215の板厚t2を0.0
5mm以上とすることにより、支持板215の板厚が常
にドロス10の高さよりも厚くなり、ドロス10は貫通
部215Aの中に完全に収容されることになる。貫通部
215内に収容されたドロス10は、後ほど機械的処理
または化学的表面処理等によって完全には除去すること
が不可能であるが、この場合にはそのようにしてドロス
10をことさらに除去する必要はない。そして、ドロス
10が支持板215表面から突出することがないため、
その後の接合作業等において、加工治具や拘束治具や固
定治具などと突出したドロス10が接触することがな
く、変形や加工誤差や寸法誤差の発生が避けられ、さら
にドロス10等の不規則な剥落などに起因する電気的短
絡が生じることが避けられる。
【0076】尚、図6において、接着膜215aの厚さ
をt3で表した。また、支持板215の剛性を十分確保
することも考慮すれば、実際には支持板215の板厚t
2を0.3〜0.5mm程度とすることが望ましい。
【0077】ここで、貫通溝215Aの幅W2はレーザ
切断によって形成される切欠き部206よりも広くして
おくことは言うまでもないが、貫通溝215Aの幅W2
が広すぎると、インナーリード202の内方先端部分が
貫通溝215Aに長く突出することになり、その先端部
分が変形したり、リード同士が接触する恐れがあるた
め、貫通溝215Aの幅W2は必要最少限であることが
望ましい。本実施例では、貫通溝215Aを設ける範囲
がレーザ光の照射部分に対応する位置のごく近傍に限ら
れ、その幅W2を最小限にできるから、インナーリード
202が支持板215によって確実に拘束されることに
変わりはなく、インナーリード202先端に変形を与え
ることがない。さらに、前述の第1の従来技術のような
打ち抜きを利用する場合よりも、貫通溝の幅を狭くでき
る。
【0078】ところで、レーザ切断を行うことにより、
金属板素材の表面付近は熱影響を受け、その表面が劣化
したり、酸化膜が形成されたりするなどして、その熱影
響部分における半導体チップ210(図7参照)の各端
子との接合性が悪化してしまう。このレーザ切断による
熱影響部分200a(図6のリードフレーム200表面
付近に斜線で示す)の寸法(幅)Lは、例えば前述の本
発明者が行った実験の場合、切欠き部206の端面から
0.1〜0.2mm程度となる。従って、上記熱影響部
分200aの幅Lを考慮して、レーザ切断による分離後
のインナーリード202の内方先端から少なくとも約
0.2mm以上離れた位置よりもリード長手方向外側に
端子接合部202Aの内端が存在すればよいことにな
る。
【0079】半導体チップ210の各端子とインナーリ
ード202の端子接合部202Aをワイヤボンディング
によって接合する場合を考えると、その接合に必要な寸
法(長さ)は一般に0.5〜1.5mm程度とされてい
るが、この長さの端子接合部202Aを、インナーリー
ド202の内方先端から0.2mm以上外側に存在する
ように位置させればよい。
【0080】ステップS160の後、ステップS170
でスパッタ、及びゴミやホコリを除去し、ステップS1
71で洗浄及び乾燥を行い、リードフレームの加工が完
了する。また、この時点で、端子接合部202Aにメッ
キ処理を施してもよい。
【0081】引き続き半導体装置の製造を行う。即ち、
ステップS180及びステップS181で、支持板21
5上に半導体チップ210を搭載、接着した後、半導体
チップ210の各端子と端子接合部202Aとをワイヤ
ボンディングによって接合する(ステップS182)。
【0082】この時、端子接合部202Aが貫通溝21
5Aを避けて位置するように支持板215でしっかりと
拘束されているため、このワイヤボンディングによる接
合時においても、端子接合部202Aが変形したり動い
たりすることによって位置ずれすることが避けられ、ま
た隣のリード同士が接触することが避けられ、良好な接
合性を容易に実現できる。特に、ワイヤボンディング法
のうち、超音波振動を付与するウェッジボンディング法
を利用する場合においても、端子接合部202Aが動く
ことがないように支持板215によってしっかりと固定
され、従ってボンディングワイヤを引き回してもワイヤ
同士が接触することもない。
【0083】上記ステップS182の後、ステップS1
90で、上記のように接合したインナーリード202、
半導体チップ210、ダイパッド201、及び支持板2
15を樹脂モールド230で一体的に封止する。そし
て、ステップS200でアウターリード203にハンダ
メッキを施す。このハンダメッキは電子回路基板に半導
体装置を実装する際のハンダ付け性を向上するために行
う。次に、ステップS201でアウターリード203間
に設けておいたダムバー204をレーザ切断し、ステッ
プS202で洗浄及び乾燥を行う。
【0084】次に、ステップS210でアウターリード
203の外側の枠材及びリードフレーム200のコーナ
ー部分を切断してアウターリード203を個々に切り離
し、ステップS211でアウターリード203をガルウ
ィング状に折り曲げ成形し、ステップS212で半導体
チップ210の種々の電気的特性の確認を行う。
【0085】さらに、製品番号や製造番号等をマーキン
グし(ステップS220)、外観検査等を行って半導体
装置が完成する。そして包装後に出荷される(ステップ
S221)。
【0086】図7は、本実施例によるリードフレームを
用いた半導体装置の断面図である。図7(a)及び
(b)に示すように、リードフレーム200のインナー
リード202の下面には接着膜215aを介して支持板
215が固着されており、支持板215には半導体チッ
プ210が搭載され、インナーリード202内方先端部
分の端子接合部202Aが半導体チップ210の各端子
(以下、接合用パッドともいう)212Aとワイヤ21
1を用いたワイヤボンディングにより電気的に接合され
ている。図7では接着膜215aが支持板215の側面
にも存在するが、インナーリード202及びダイパッド
201の下面と接する面にのみあれば十分である。さら
に、支持板215及び半導体チップ210を含むインナ
ーリード202より内側の部分が樹脂モールド230に
よって一体封止されており、樹脂モールド230より外
側のアウターリード203がガルウィング状に折り曲げ
成形されている。
【0087】以上のような本実施例によれば、レーザ切
断を利用してインナーリード202を分離するので、切
断位置や切断形状を自由に選択して精度よく切断するこ
とができ、しかも剛性の小さいインナーリード202の
先端部分に不必要な変形をほとんど与えることがない。
この時、支持板215の貫通溝215Aの位置をレーザ
切断するので、貫通溝215Aを溶融金属粒子13の逃
げ部とすることができ、また支持板215がレーザ切断
されないためドロス等の量を減少することができる。
【0088】また、支持板215の板厚を0.05mm
以上、つまりドロス10の高さよりも厚くし、貫通溝2
15A内にそのドロス10を完全に収容するので、ドロ
ス10をわざわざ除去する必要がなくなり、加工治具や
拘束治具や固定治具などの治具類と突出したドロス10
との接触に起因する変形や誤差の発生が避けられ、さら
にドロス10等の不規則な剥落に起因する電気的短絡が
回避される。
【0089】また、熱影響部分200aの幅を考慮し
て、レーザ切断による分離後のインナーリード202の
内方先端から少なくとも熱影響部分200aの幅(約
0.2mm)以上離れた位置よりもリード長手方向外側
に端子接合部202Aの内端を配置するので、レーザ切
断によって端子接合部202Aが熱影響を受けず、端子
接合部202Aの表面の劣化や酸化膜形成が防止され、
半導体チップ210の各端子212Aとの接合性が良好
となる。
【0090】従って、本実施例によれば、板厚が0.3
mm以下、リードピッチの最小値が板厚の2倍以下、リ
ード間隙の幅の最小値が板厚以下であるような多ピンか
つ狭ピッチのリードフレームを加工する場合であって
も、半導体チップの端子との接合性を良好にすることが
でき、その端子接合部の信頼性を向上することができ
る。
【0091】また、インナーリード202の内方先端部
分を切り残し、ダイパッド201及びそれにつながるイ
ンナーリード202の内方先端部分によって相隣り合う
リードを連結するので、相隣り合うリード間での剛性が
維持され、リードの変形やリード配列の乱れが防止され
る。従って、インナーリード202のリードピッチの精
度が維持されると共に、工程中の金属板素材に変形を与
えることなくの取り扱いが容易となる。
【0092】また、支持板215をインナーリード20
2の内方部分に固着してその部分を拘束するので、その
剛性が一層強化され、またリードの変形やリード配列の
乱れが防止され、従ってその寸法や形状の精度の維持が
一層確実となり、工程中の金属板素材の取り扱いがさら
に容易となる。その上、インナーリード202をレーザ
切断によって分離した後も引き続きインナーリード20
2を拘束してその効果を発揮することができ、また半導
体チップ210と端子接合部202Aの接合時において
もその端子接合部202Aの位置ずれを防止して良好な
接合性を実現できる。しかも、半導体装置が最終的に製
造された時にその強度及び信頼性の向上に役立つ。
【0093】また、支持板215を良熱伝導性の金属と
し、熱膨脹係数がリードフレーム200のそれとほぼ同
じ材質とするので、半導体装置を放熱性の良好なものと
することができ、誤動作や破損が回避され、製品として
の半導体装置の信頼性が向上する。
【0094】また、支持板215をインナーリード20
2に接着するための接着膜215aを絶縁性及び耐熱性
を有する有機樹脂系或いは無機質系の接着剤とするの
で、両者間の電気絶縁性が確保されると共に、樹脂モー
ルド230による一体封止時の温度上昇によってもその
機能が劣化することがない。さらに、両者間に別の絶縁
性材料を配置したり、支持板215自体を絶縁性材料と
するので、電気絶縁性を確保することができる。
【0095】さらに、端子接合部202a及び202b
の表面に銀メッキを施すので、その部分の接合性が一層
向上する。
【0096】次に、本発明の第2の実施例によるリード
フレームの加工方法及びリードフレーム並びに半導体装
置を、図8により説明する。
【0097】本実施例では、第1の実施例におけるイン
ナーリード202の内方部分のリード間隙208に図8
(a)及び(b)に示すように充填材料250を充填す
る。この充填材料250としてはグリース状のものを用
い、スキージ法によって充填したり、インナーリード2
02部分の上に載せて両面から圧する方法等により、容
易に充填することができる。また、この充填材料250
は少なくとも端子接合部202A及びその付近に充填す
ることが必要であるが、できるだけリード先端まで充填
することが望ましい。これ以外の構成及び各工程は第1
の実施例と同様である。但し、図8(a)はインナーリ
ード202内方先端部分を示す図、図8(b)は図8
(a)のB−B方向の断面図であり、図8において図1
と同等の部材には同一の符号を付した。
【0098】インナーリード202の内方先端部分は、
前述したように非常に微細に加工される部分であって、
多ピンかつ狭ピッチのものではリード幅が板厚よりも狭
くなることもある。そのため、支持板215とインナー
リード202とを接着膜215aによって接着していた
としても何らかの外力によって端子接合部202Aは変
形しやすく、その変形によって図8(c)のように倒れ
ることがあり、隣接する端子接合部202A同士が接触
してしまう可能性がある。
【0099】これに対し、本実施例では、図8(a),
(b)に示すように充填材料250をインナーリード2
02のリード間隙208に充填するので、リード間隙2
08の寸法が維持され、ワイヤボンディング時などにお
いて端子接合部202Aが変形しようとしても変形でき
ず、隣接する端子接合部202A同士が接触することが
ない。従って、端子接合部202Aが位置ずれせずに良
好な接合性を実現できる。
【0100】以上のような本実施例によれば、第1の実
施例と同様の効果が得られるだけでなく、充填材料25
0をインナーリード202の内方部分のリード間隙20
8に充填するので、端子接合部202Aが倒れることが
避けられ、隣接する端子接合部202A同士が接触する
ことが避けられる。従って、良好な接合性を実現でき、
信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
【0101】次に、本発明の第3及び第4の実施例によ
るリードフレームの加工方法及びリードフレーム並びに
半導体装置を、それぞれ図9及び図10により説明す
る。
【0102】ワイヤボンディングによって半導体チップ
の各端子と端子接合部とを接合する際に、端子接合部の
ピッチが狭すぎると、隣接するワイヤ同士が接触した
り、接合治具であるキャピラリーの先端が隣接するワイ
ヤや隣接する端子接合部と干渉して良好な接合が行えな
くなることがある。
【0103】これに対し、本発明の第3の実施例では、
図9(a),(b)に示すように、相隣り合う端子接合
部202aと202bとがそれぞれ第1グループと第2
グループとに属し、第1グループに属する端子接合部2
02aよりも第2グループに属する端子接合部202b
がリード長手方向外側にずれて位置するように配置す
る。即ち、端子接合部202a及び202bがリード長
手方向に2段かつ交互にずらせた配置となる(以下、こ
のような配置を千鳥配置という)。但し、図9は、半導
体チップの各端子と端子接合部のワイヤボンディングが
完了した時点の図であって、(a)はインナーリード内
方先端部分を示す図、(b)は(a)のB−B方向の断
面図である。
【0104】また、半導体チップ210の各端子(接合
用パッド)212a及び212bも千鳥配置となってお
り、半導体チップ210の外側寄りの接合用パッド21
2bとインナーリード202の内側寄りの端子接合部2
02aとがワイヤ211により、また半導体チップ21
0の内側寄りの接合用パッド212aとインナーリード
202の外側寄りの端子接合部202bとがワイヤ21
1により、それぞれ接続されている。上記以外の構成及
び各工程は第1の実施例と同様であって、図9では、図
1及び図7と同等の部材に同じ符号を付してある。
【0105】これにより、ワイヤボンディングによる半
導体チップ201の各端子との接合を行う場合に、隣接
するワイヤ211同士が接触したり、接合治具の先端が
隣接するワイヤ211や端子接合部202aまたは20
2bと干渉することがなくなる。
【0106】また、ワイヤボンディングによってインナ
ーリードの端子接合部と半導体チップの各端子とを接合
する際には、端子接合部にある程度の幅(広さ)が必要
であるが、多ピンかつ狭ピッチのリードフレームでは板
厚よりもインナーリード先端の幅が狭くなることがあ
り、そのため多ピンで狭ピッチになればなるほどその接
合が難しくなる。このことは、ワイヤボンディングに限
ったことではなく、バンプ等によって半導体チップの各
端子とインナーリードの端子接合部を直接接合する場合
も同様である。
【0107】これに対し、本発明の第4の実施例では、
図10に示すように、インナーリード202の端子接合
部202c,202dを千鳥配列とすると共に、端子接
合部202c及び202dを幅広にする。これ以外の構
成及び各工程は第3の実施例と同様である。
【0108】これにより、半導体チップ210の各端子
との接合に必要な最小の幅を確保しながら、一定の寸法
の中に多数の端子接合部202c,202dを並べるこ
とができ、良好な接合性を損なうことなく多ピン化及び
狭ピッチ化が可能となる。しかも、端子接合部202
c,202dの広さ確保のために制約されていた多ピン
化や狭ピッチ化が、従来の限界を超えて実現することが
可能となる。
【0109】以上の第3の実施例によれば、ワイヤボン
ディングを行う場合に、隣接するワイヤ211同士の接
触や、接合治具の先端と隣接するワイヤ211または端
子接合部202a,202bとの干渉が防止される。
【0110】また、第4の実施例によれば、良好な接合
性を損なうことなく、従来の限界を超えて多ピン化及び
狭ピッチ化が可能となる。
【0111】次に、本発明の第5の実施例によるリード
フレームの加工方法及びリードフレーム並びに半導体装
置について、図11から図13を参照しながら説明す
る。
【0112】図11は本実施例によって加工されるリー
ドフレーム中間製品の一例を示す図である。但し、この
図11は支持板415(図13参照)を接着する前の状
態を示す図であって、図3に相当する図である。図11
に示すリードフレームの中間製品(以下、単にリードフ
レームという)400は、図1及び図3と同様に多数の
インナーリード402、アウターリード403、ダムバ
ー404、位置決め穴407を有するが、リードフレー
ム400の中央部分にはダイパッドがなく、図3のダイ
パッドに相当する部分がわずかな外周部分を残して打ち
抜かれ、中央部貫通穴401Aとなっている。また、中
央部貫通穴401Aの外周部分はインナーリード402
の内方先端部分を連結する連結枠55となっている。
【0113】次に、本実施例のリードフレームの加工方
法、及びそのリードフレームを用いた半導体装置の製造
工程を図12により説明する。図12のステップS30
0からステップS311までは、図2のステップS10
0からステップS111までと同様に、金属板にレベラ
ーをかけ、アウターリード403を形成し、洗浄及び乾
燥を行う。
【0114】次に、ステップS320で金属板にインナ
ーリード302となる部分を図2と同様な適宜の方法に
よって加工し、金属板の洗浄及び乾燥を行う(ステップ
S321)。この時のリードフレーム400(中間製
品)の状態が前述の図11のようになる。この状態にお
いて、全てのインナーリード402の内方先端部分は連
結枠55と連結されている。即ち、連結枠55及びそれ
につながるインナーリード402の内方先端部分は、図
3のダイパッド201のようにインナーリード202同
士を連結するための連結部となっている。
【0115】次に、ステップS330で端子接合部40
2Aを除く部分に耐熱性の絶縁膜421(図13参照)
を被覆する。これにより、製造工程中にリード同士が接
触したとしても電気的短絡はおこらないし、ゴミ等の付
着による電気的短絡の危険性も回避できる。また、耐熱
性の材質を用いることにより、樹脂モールド430(図
13参照)による一体封止時にもその絶縁膜が劣化する
ことがなく、確実に絶縁を行うことができる。また、ア
ウターリード403外方の部分は後に電子回路基板との
端子接合部となるため、少なくともその部分も耐熱性の
絶縁膜421を被覆する領域から除外するのが望まし
い。
【0116】次に、ステップS340でインナーリード
402内方先端部分の端子接合部402Aに銀メッキを
施し、洗浄及び乾燥を行う(ステップS341)。
【0117】次に、図2のステップS140からステッ
プS151と同様に、ステップS350で支持板415
上に接着膜415aを搭載し、ステップS360及びス
テップS361で接着膜415a上にリードフレーム4
00を固着する。これにより、リードフレーム400の
インナーリード401内方部分及び連結枠55が支持板
415に固着することになる。また、支持板415にも
図4と同様の細長い切欠き状の貫通溝415Aをあけて
おく(以上、図13参照)。さらに、支持板415及び
接着膜415aの材質も図4のものと同様の材質を用い
る。
【0118】次に、ステップS370において、図2の
ステップS160と同様にインナーリード402の内方
先端部分に支持板415の反対側からレーザ光を照射し
て切断し、インナーリード402、従って端子接合部4
02Aを個々に分離する。このレーザ切断の時も第1の
実施例と同様に支持板415の貫通溝415Aの位置に
レーザ光を照射するようにする。上記ステップS370
の後、ステップS380でスパッタ、及びゴミやホコリ
を除去し、ステップS381で洗浄及び乾燥を行う。
【0119】次に、ステップS390及びステップS3
91で、支持板415上に半導体チップ410(図13
参照)を搭載、接着した後、図2のステップS182と
同様に半導体チップ410の各端子と端子接合部402
Aとをワイヤボンディングによって接合する(ステップ
S392)。
【0120】次に、ステップS400及びステップS4
01で、支持板415のインナーリード402が固着さ
れた面とは反対側の面、即ち半導体チップ410が接着
されている面とは反対側の面に放熱フィン460(図1
3参照)を搭載、接合する。このように放熱フィン46
0を取り付けることにより、半導体装置が実装された電
子機器の動作中に半導体チップ410で発生した熱が速
やかかつ確実にこの放熱フィン460より半導体装置外
部へ放散される。従って、半導体装置が放熱性の良好な
ものとなり、誤動作や破損が回避される。しかも、この
放熱フィン460は簡単に取付けることができるから、
容易かつ確実に放熱性を改良することができる。
【0121】本実施例の場合、厳密に言えば、上記ステ
ップS401が終了した時点でリードフレーム400の
加工が完了することになる。但し、このステップS40
0〜ステップS401における放熱フィンの取り付け
を、ステップS390の前、即ち半導体チップ410の
搭載前に行ってもよい。
【0122】上記ステップS401の後、ステップS4
10で、インナーリード402、連結枠55、半導体チ
ップ410及び支持板415を樹脂モールド430(図
13参照)で一体的に封止する。その後のステップS4
20におけるアウターリード403へのハンダメッキか
らステップS432における半導体チップ410の電気
的特性の確認、及びステップS440の製品番号や製造
番号等のマーキングは、図2のステップS200からス
テップS220と同様であり、最後に包装後に出荷され
る(ステップS441)。
【0123】図13は、本実施例によるリードフレーム
を用いた半導体装置の断面図である。図13に示すよう
に、リードフレーム400の片面には接着膜415aを
介して支持板415が固着されており、支持板415に
は半導体チップ410が直接搭載され、インナーリード
402内方先端部分の端子接合部402Aがそれぞれ半
導体チップ410の各接合用パッド412Aとワイヤ4
11を用いたワイヤボンディングにより接合されてい
る。また、支持板415の半導体チップ410が接着さ
れている面とは反対側の面に放熱フィン460が取り付
けられており、連結枠55、支持板415、及び半導体
チップ410を含むインナーリード402より内側の部
分が樹脂モールド430によって一体封止されている。
但し、図13においては、支持板415の放熱フィン4
60側の面は樹脂モールド430の外側にあり、放熱性
を一層高めている。さらに、樹脂モールド430より外
側のアウターリード403がガルウィング状に折り曲げ
成形されている。
【0124】以上のような本実施例によれば、第1の実
施例と同様の効果が得られるだけでなく、端子接合部4
02Aを除く部分に耐熱性の絶縁膜421を被覆するの
で、リード同士の接触や異物の付着によっても電気的短
絡がおこらず、樹脂モールド430による一体封止時に
も劣化することなく確実に絶縁を行うことができる。
【0125】また、支持板415の半導体チップ410
が接着されている面とは反対側の面に放熱フィン460
を取り付けるので、半導体装置が放熱性の良好なものと
なり、誤動作や破損が回避される。しかも、この放熱フ
ィン460は簡単に取付けることができるから、容易か
つ確実に放熱性を改良することができる。
【0126】次に、本発明の第6及び第7の実施例によ
るリードフレームの加工方法及びリードフレーム並びに
半導体装置を、それぞれ図14及び図15により説明す
る。
【0127】第6の実施例では、図14(a)に示すよ
うに、インナーリード602の内方先端部分における端
子接合部602a及び602bが、図9や図10と類似
の千鳥配置となっている。また、千鳥配置とした端子接
合部602a及び602bのうちリード長手方向外側の
端子接合部602bよりも外側寄り(アウターリード寄
り)の近接位置をわずかに切り残し、相隣り合うリード
を連結する連結部65を形成する。この連結部65は、
第1の実施例におけるダイパッド201や、第5の実施
例における連結枠55と同様に、相隣り合うリード間で
の剛性を維持する機能を有し、リードの変形やリード配
列の乱れが防止され、同様の効果が得られる。
【0128】また、前述の第1から第5の実施例と同様
に、インナーリード602よりも内方部分に支持板61
5が固着される。その後に図14(b)に示すように連
結部65がレーザ切断される。本実施例では連結部65
を直接レーザ切断する点が第1から第5の実施例と異な
る。
【0129】さらに、支持板615にも予め細長い切欠
き状の貫通溝615Aがあけられており、支持板615
をインナーリード602の内方部分に固着する際に、そ
の貫通溝615Aの位置に連結部65が丁度位置決めさ
れるようにする。
【0130】連結部65をレーザ切断する際に用いるレ
ーザ光としては、その断面を予めシリンドリカルレンズ
等で細長い楕円形に変換し、図14(b)のようにその
被加工物上のスポット113Bが細長い楕円形断面とな
るようにすれば、1回のレーザ光照射でリード間隙に沿
った切断後の形状が得られ、能率よくレーザ切断を行う
ことができる。
【0131】さらに、本実施例では、連結部65の位置
を、リード長手方向外側の端子接合部602bよりも外
側寄りの近接位置とするので、連結部65のレーザ切断
時の入熱に起因した熱影響部分が端子接合部602aに
も端子接合部602bにも達することがなく、酸化膜や
熱応力や熱歪み影響のない良好な端子接合部を得ること
ができる。
【0132】一方、第7の実施例では、図15(a)に
示すように、インナーリード802の内方先端部分にお
ける端子接合部802a及び802bが、図9や図10
と類似の千鳥配置となっている。また、千鳥配置とした
リード長手方向内側の端子接合部802aの後端部分と
外側の端子接合部802bの先端部分とを連結するよう
に連結部75を設ける。即ち、端子接合部802bの先
端部分と端子接合部802aの後端部分とがT字状の連
結部分75で連結されることになる。さらに、本実施例
では、ダイパッド801が存在する点も第6の実施例と
異なっているが、このダイパッド801はなくてもよ
い。
【0133】また、第6の実施例と同様に、インナーリ
ード802よりも内方部分に支持板815が固着され、
その後に図15(b)に示すように連結部75がレーザ
切断される。さらに、支持板815にも予め細長い切欠
き状の貫通溝815Aがあけられており、支持板815
をインナーリード802の内方部分に固着する際に、そ
の貫通溝815Aの位置にT字状の連結部75が丁度位
置決めされるようにする。
【0134】T字状の連結部75をレーザ切断する際に
用いるレーザ光としては、第6の実施例のような細長い
楕円形断面のものを用いてもよいが、連結部75の形状
がT字状であることを考慮すると、図15(b)に示す
被加工物上のスポット113Dとなるように、円形の断
面のままのレーザ光を用いてもよい。
【0135】さらに、本実施例では、連結部75を、リ
ード長手方向内側の端子接合部802aの後端部分と外
側の端子接合部802bの先端部分とを連結するように
設けるので、連結部75のレーザ切断時の入熱に起因し
た熱影響の及ぶ範囲が端子接合部802aの後端部分と
端子接合部602bの先端部分のごく狭い範囲に限ら
れ、いずれの端子接合部にも熱影響を与えることがほと
んどなく、酸化膜や熱応力や熱歪み影響のない良好な端
子接合部を得ることができる。
【0136】但し、第6及び第7の実施例において上記
以外の構成及び各工程は第1の実施例と同様である。
【0137】以上のような第6及び第7の実施例によれ
ば、第1の実施例と同様の効果が得られる。さらに、連
結部65や連結部75のレーザ切断時の入熱に起因した
熱影響が端子接合部に及ぶことがほとんどなく、酸化膜
や熱応力や熱歪み影響のない良好な端子接合部を得るこ
とができる。
【0138】尚、予め金属板の少なくともインナーリー
ドとなる部分の板厚を元の板厚よりも減肉しておけばイ
ンナーリードを形成するに当たって次のような作用効果
が得られる。まず、レーザ切断を行う場合には、板厚が
薄いことにより溶融金属の量が減少してドロスやスパッ
タ等の量が減る。また、プレス加工を行う場合には、板
厚が薄いことにより刃物に加わる力が軽減され、刃物の
破損等による不具合が回避される。さらに、エッチング
加工を行う場合には、サイドエッチの進行に起因して腐
食穴が完全に貫通しないような事態が避けられ、微細な
貫通溝を楽にあけることができる。特に、プレス加工や
エッチング加工などの従来から一般的によく利用されて
いる加工方法の場合、従来の加工限界を超えて極めて微
細な加工を行うことができる。さらに、この場合、イン
ナーリードの内方先端部分を連結しておくことにより、
金属板の板厚が薄くなることに起因する剛性の低下が回
避される。
【0139】また、第3、第4、第6、第7の各実施例
では、端子接合部を第1グループと第2グループとで構
成してリード長手方向に2段かつ交互にずらせた千鳥配
置としたが、3段以上の多段階にずらせてもよい。
【0140】さらに、半導体チップの接合用パッドと端
子接合部の接合方法としては、上述のようにワイヤボン
ディングが一般的であるが、端子接合部を半導体チップ
の端子直上まで伸延させておき、金バンプ等によって接
合する方法を用いてもよい。
【0141】
【発明の効果】本発明によれば、支持板の貫通部の位置
をその支持板の反対側からレーザ切断するので、貫通部
を溶融金属粒子の逃げ部とすることができ、ドロス等の
量を減少することができる。また、支持板の厚さを0.
05mm以上としてドロスを貫通部の中に完全に収容す
るので、ドロスを除去する必要がなくなり、加工治具や
拘束治具や固定治具などの治具類と突出したドロスとの
接触に起因する変形や誤差の発生が避けられ、さらにド
ロス等の不規則な剥落に起因する電気的短絡が回避され
る。また、レーザ切断を利用するので、切断位置や切断
形状を自由に選択して精度よく切断することができ、不
必要な変形をほとんど与えることがない。
【0142】さらに、レーザ光の照射位置を、端子接合
部の端部よりもレーザ光照射による熱影響部分の寸法以
上の距離だけリード長手方向に離した位置とするので、
端子接合部がレーザ切断によって熱影響を受けることが
なくなって、半導体チップの各端子との接合性が良好と
なる。
【0143】従って、本発明によれば、板厚が0.3m
m以下、リードピッチの最小値が板厚の2倍以下、リー
ド間隙の幅の最小値が板厚以下であるような多ピンかつ
狭ピッチのリードフレームを加工する場合であっても、
半導体チップの端子との接合性を良好にすることがで
き、その端子接合部の信頼性を向上することができる。
【0144】また、少なくともインナーリード部分に連
結部を形成するので、相隣り合うインナーリード間での
剛性が維持され、またリードの変形や配列の乱れが防止
され、リードピッチの精度維持及び金属板素材の取り扱
いの容易化が図れる。
【0145】また、リードを形成した金属板に支持板を
固着するので、その部分の剛性が一層強化されて変形や
リード配列の乱れが防止され、その寸法や形状の精度の
維持が一層確実になると共に、工程中の金属板素材の取
り扱いが一層容易となる。さらに、連結部のレーザ切断
後もその剛性維持及びリードの変形や配列の乱れの防止
の効果があり、半導体チップの各端子と端子接合部との
接合時にも端子接合部の位置ずれを防止して良好な接合
性を実現できる。
【0146】また、支持板を良熱伝導性の金属とした
り、熱膨脹係数がリードフレームのそれとほぼ同じ材質
とするので、半導体装置を放熱性の良好なものとするこ
とができ、誤動作や破損が回避され、製品としての半導
体装置の信頼性が向上する。
【0147】また、支持板を接着するための接着剤を絶
縁性及び耐熱性を有する有機樹脂系或いは無機質系とす
るので、両者間の電気絶縁性が確保されると共に、温度
上昇によってもその機能が劣化しない。さらに、両者間
に別の絶縁性材料を配置したり、支持板自体を絶縁性材
料とするので、電気絶縁性を確保することができる。
【0148】また、放熱用部材を取り付けるので、半導
体装置が放熱性の良好なものとなり、誤動作や破損が回
避される。しかも、この放熱性の改良は容易かつ確実に
できる。
【0149】また、充填材料をインナーリードの内方部
分のリード間隙に充填するので、隣接する端子接合部同
士が接触することが避けられる。
【0150】さらに、少なくともインナーリードにおけ
る半導体チップの各端子と接合される端子接合部表面に
接合性を改善する金属膜を被覆するので、接合性が一層
向上する。
【0151】また、少なくともインナーリードの半導体
チップの各端子と接合される端子接合部を除く部分に耐
熱性の絶縁膜を被覆するので、リード同士の接触や異物
の付着によっても電気的短絡がおこらず、樹脂モールド
による一体封止時にも劣化することなく確実に絶縁を行
うことができる。
【0152】また、本発明によれば、第1グループの端
子接合部よりも第2グループの端子接合部をリード長手
方向外側にずらせて位置させるので、良好な接合性を損
なうことなく極限にまで多ピン化及び狭ピッチ化がで
き、しかも接合作業が容易になる。
【0153】従って、本発明によれば、小形かつ高性能
でしかも信頼性の高い半導体装置を容易かつ安価に大量
生産することが可能となり、しかもその製品歩留りの向
上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるリードフレームの
一例を示す図である。
【図2】図1のリードフレームの加工方法を含む半導体
装置の製造工程を示すフローチャートである。
【図3】インナーリードとなる部分の加工完了後におけ
る状態を示す図であり、リードフレームの中間製品の形
状を示す図である。
【図4】支持板の形状を示す図であり、(a)はその上
面図、(b)は接着膜を搭載した状態を示す(a)のB
−B方向の断面図である。
【図5】インナーリードをレーザ切断で個々に分離する
状況を説明する断面図である。
【図6】ドロスの高さと支持板の板厚の関係、及び熱影
響部分を説明する断面図である。
【図7】図1のリードフレームを用いた半導体装置の断
面図である。
【図8】インナーリードの内方部分のリード間隙に充填
材料を充填する本発明の第2の実施例を示す図であり、
(a)はインナーリード内方先端部分を示す図、(b)
は(a)のB−B方向の断面図である。また、(c)は
充填材料を充填しない場合に変形によって端子接合部が
倒れた状態を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例によるリードフレームの
加工方法を説明する図であって、(a)は半導体チップ
の各端子と端子接合部のワイヤボンディングが完了した
時点のインナーリード内方先端部分を示す図、(b)は
(a)のB−B方向の断面図である。
【図10】本発明の第4の実施例によるリードフレーム
の加工方法を説明する図であって、支持板を固着後のイ
ンナーリード内方先端部分を示す図である。
【図11】本発明の第5の実施例によるリードフレーム
の一例を示す図であり、インナーリードとなる部分が加
工完了後の中間製品の形状を示す図である。
【図12】図11のリードフレームの加工方法を含む半
導体装置の製造工程を示すフローチャートである。
【図13】図1のリードフレームを用いた半導体装置の
断面図である。
【図14】本発明の第6の実施例を説明する図であっ
て、(a)は支持板固着後のインナーリードの内方先端
部分の拡大図であり、(b)は(a)の連結部をレーザ
切断している状況を示す図である。
【図15】本発明の第7の実施例を説明する図であっ
て、(a)は支持板固着後のインナーリードの内方先端
部分の拡大図であり、(b)は(a)の連結部をレーザ
切断している状況を示す図である。
【符号の説明】
10 ドロス 13 溶融金属粒子 55 連結枠 65 連結部 75 連結部 113 加工ノズル 113A レーザ光 113B スポット 113D スポット 116 集光レンズ 117 アシストガス供給口 117A アシストガス 200 リードフレーム 200a (レーザ切断に伴う)熱影響部分 201 ダイパッド 202 インナーリード 202A 端子接合部 202a 端子接合部 202b 端子接合部 202c 端子接合部 202d 端子接合部 203 アウターリード 206 切欠き部 208 (相隣合うリード間の)間隙 210 半導体チップ 211 ワイヤ(金線等) 212a,212b (半導体チップの)端子(または
接合用パッド) 215 支持板 215A (支持板の)貫通溝 215a 接着膜 230 樹脂モールド 250 充填材料 400 リードフレーム 401A 中央部貫通穴 402 インナーリード 402A 端子接合部 403 アウターリード 410 半導体チップ 411 ワイヤ(金線等) 415 支持板 415A (支持板の)貫通溝 415a 接着膜 421 耐熱性の絶縁膜 430 樹脂モールド 460 放熱フィン 602 インナーリード 602a 端子接合部 602b 端子接合部 615 支持板 615A (支持板の)貫通溝 801 ダイパッド 802 インナーリード 802a 端子接合部 802b 端子接合部 806 切欠き部 815 支持板 815A (支持板の)貫通溝 t1 金属板素材の板厚 t2 支持板215の板厚 t3 接着膜215Aの厚さ h ドロス10の高さ w ドロス10の幅 W1 切欠き部206の幅 W2 貫通溝215Aの幅
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内方先端部分で半導体チップの各端子と
    接合される多数のインナーリード及びそのインナーリー
    ドの外側に連続して延びるアウターリードを有し、板厚
    が0.3mm以下で、リードピッチの最小値が板厚の2
    倍以下で、リード間隙の幅の最小値が板厚以下のリード
    フレームを薄い金属板から形成するリードフレームの加
    工方法において、 前記金属板を適宜に切欠いて、少なくともインナーリー
    ド部分に連結部をもつ相隣り合うリードを形成する第1
    の工程と、 前記第1の工程でリードが形成された金属板に、厚さが
    0.05mm以上で、前記連結部の少なくとも一部に対
    応する位置に貫通部を設けた支持板を固着する第2の工
    程と、 前記連結部の少なくとも一部に前記支持板の反対側から
    レーザ光を照射して各々のインナーリードを個別に分離
    する第3の工程とを有することを特徴とするリードフレ
    ームの加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリードフレームの加工方
    法において、前記第3の工程のレーザ光照射位置を、前
    記インナーリードの先端部分における前記半導体チップ
    の各端子と接合される端子接合部内端よりも、前記レー
    ザ光の照射による熱影響部分の寸法以上リード長手方向
    内側に離した位置とすることを特徴とするリードフレー
    ムの加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のリードフレームの加工方
    法において、前記第3の工程のレーザ光照射位置を、前
    記インナーリード先端部分における前記半導体チップの
    各端子と接合される端子接合部外端よりも、前記レーザ
    光の照射による熱影響部分の寸法以上リード長手方向外
    側に離した位置とすることを特徴とするリードフレーム
    の加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のリードフレームの加工方
    法において、前記支持板として良熱伝導性の金属を接着
    することを特徴とするリードフレームの加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のリードフレームの加工方
    法において、前記支持板の少なくとも前記インナーリー
    ド部分に当接する面に絶縁性材料を配置することを特徴
    とするリードフレームの加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のリードフレームの加工方
    法において、前記支持板として絶縁性材料を接着するこ
    とを特徴とするリードフレームの加工方法。
  7. 【請求項7】 請求項4から6のうちいずれか1項記載
    のリードフレームの加工方法において、前記支持板を絶
    縁性及び耐熱性を有する有機樹脂系の接着材料によって
    接着することを特徴とするリードフレームの加工方法。
  8. 【請求項8】 請求項4から6のうちいずれか1項記載
    のリードフレームの加工方法において、前記支持板を絶
    縁性及び耐熱性を有する無機質系の接着材料によって接
    着することを特徴とするリードフレームの加工方法。
  9. 【請求項9】 請求項4から6のうちいずれか1項記載
    のリードフレームの加工方法において、前記支持板とし
    て熱膨脹係数が前記リードフレームの素材の熱膨脹係数
    とほぼ同じ材質を用いることを特徴とするリードフレー
    ムの加工方法。
  10. 【請求項10】 請求項4から6のうちいずれか1項記
    載のリードフレームの加工方法において、前記支持板の
    前記金属板が固着された面とは反対側の面に、さらに放
    熱用部材を取り付けることを特徴とするリードフレーム
    の加工方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のリードフレームの加工
    方法において、少なくとも前記第2の工程で前記支持板
    が固着された前記インナーリードのリード間隙に、さら
    に耐熱性及び絶縁性を有する充填材料を充填することを
    特徴とするリードフレームの加工方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のリードフレームの加工
    方法において、少なくともインナーリード先端における
    半導体チップの各端子と接合される端子接合部表面に、
    接合性を改善するための金属膜を被覆することを特徴と
    するリードフレームの加工方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のリードフレームの加工
    方法において、少なくとも前記インナーリードにおける
    前記半導体チップの各端子と接合される端子接合部を除
    く部分に、耐熱性の絶縁膜を被覆することを特徴とする
    リードフレームの加工方法。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のリードフレームの加工
    方法において、前記第1の工程のリード形成の際に、前
    記多数のインナーリードの内方先端部分に、第1グルー
    プの端子接合部と、この第1グループの端子接合部より
    もリード長手方向外側にずれて位置する第2グループの
    端子接合部とを含む端子接合部を形成することを特徴と
    するリードフレームの加工方法。
  15. 【請求項15】 請求項1記載のリードフレームの加工
    方法において、前記第2の工程で固着される前記支持板
    の上に直接前記半導体チップが搭載されるように、前記
    第1の工程のリード形成の際に前記インナーリードより
    も内側部分に貫通穴を設けることを特徴とするリードフ
    レームの加工方法。
  16. 【請求項16】 請求項1から15のうちいずれか1項
    記載のリードフレームの加工方法により加工されたリー
    ドフレーム。
  17. 【請求項17】 請求項16記載のリードフレームに半
    導体チップが搭載され、その半導体チップの各端子と前
    記インナーリードの端子接合部とが接合され、樹脂モー
    ルドにて前記半導体チップ及び前記インナーリードを含
    む部分が一体封止されていることを特徴とする樹脂モー
    ルド型の半導体装置。
JP6306486A 1994-12-09 1994-12-09 リードフレームの加工方法及びリードフレーム並びに半導体装置 Pending JPH08162588A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7732258B2 (en) * 2003-11-06 2010-06-08 Samsung Electronics Co., Ltd. Lead frame and method for fabricating semiconductor package employing the same
JP2013027897A (ja) * 2011-07-28 2013-02-07 Tokai Rika Co Ltd 導体部の短絡防止構造
US20190259675A1 (en) * 2018-02-19 2019-08-22 Didrew Technology (Bvi) Limited Glass frame fan out packaging and method of manufacturing thereof

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