JPH08162269A - 薄膜白色el素子及びこれを用いたフルカラーディスプレイ - Google Patents

薄膜白色el素子及びこれを用いたフルカラーディスプレイ

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JPH08162269A
JPH08162269A JP6319400A JP31940094A JPH08162269A JP H08162269 A JPH08162269 A JP H08162269A JP 6319400 A JP6319400 A JP 6319400A JP 31940094 A JP31940094 A JP 31940094A JP H08162269 A JPH08162269 A JP H08162269A
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JP
Japan
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thin film
white
insulating layer
color filter
light emitting
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JP6319400A
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Makoto Takahashi
真 高橋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高輝度,高信頼性に優れ,更に広い面積にわ
たり均一な特性を有するシンプルな構造の薄膜白色EL
素子を提供することを課題とする。 【構成】 交流電界の印加によりEL発光させる薄膜E
L素子であって,層構成は,ガラス基板2,透明電極
3,絶縁層4a(SiO2 ),絶縁層4b(Ta
25 ),発光層5(SrS:Ce),絶縁層4c(S
iO2 ),絶縁層4d(Ta2 5 ),絶縁層4e(A
2 3 ),背面電極6を設け,更に,ガラス基板2側
に赤色カラーフィルター1を組み合わせた薄膜白色EL
素子。及びこれを用いてカラーフィルターを配設したフ
ルカラーディスプレイ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,薄膜白色EL素子に関
するもので,高輝度,高信頼性に優れ,更に広い面積に
わたり均一な特性を有するシンプルな構造の薄膜白色E
L素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,コンピュータ端末などに用いるフ
ラットディスプレイ装置として,薄膜ELディスプレイ
装置が研究されている。一般的に使われ,実用化されて
いるものに黄橙色のZnS:Mn蛍光体薄膜を用いたモ
ノクロディスプレイ装置がある。そのディスプレイの構
造を,図10に側面図(a)及び斜視図(b)として示
す。
【0003】このようなモノクロ表示の場合,白黒表示
が最も見やすいといわれ,なかでも,ペーパーホワイト
の領域が見やすいといわれている。この白色を得る方法
として,下記の方法が知られている。 1)複数の電子遷移を行なわせるために,白色発光をす
る単一の発光中心を,単一の母材中心に添加する方法。 2)複数の発光中心を単一母材中に添加して,各発光色
を加色することにより白色発光が得られるように,発光
中心を選んで母材中に添加する方法。 3)単一の発光中心と,単一母材とからなる発光層を複
数積層し,各層の発光色を加色することにより白色発光
が得られるように,各発光層を選ぶ方法。 これらの方法に対して,具体的に白色発光の蛍光体薄膜
としては,ZnS:Pr,F蛍光体薄膜,SrS:Ce
とCaS:Euとの積層蛍光体薄膜,SrS:Ce,
K,Eu蛍光体薄膜等が開発されている。(電子情報通
信学会技術報告,EID86−38,P9〜12,19
86)
【0004】上記,従来技術のうち,1)に関するもの
においては,ZnSにPrを添加したものがあるが,色
調は白色に近づいているが,輝度が低く,実用的でな
い。 2)に関するものとしては,SrS:Ce,Euの系が
ある。添加物Euを加えることにより白色発光が得られ
るが,この系はCeの発光帯とEuの吸収帯が接近して
いるために,CeからEuへのエネルギー伝達が起こ
り,Ceの発光が弱くなる。すなわち,SrS:Ceで
は高輝度の青緑色が得られるが,Euを添加すると,C
eの発光が減少し,高輝度の発光が得られない。 3)に関するものとしては,赤色,緑色,青色の三原色
発光層を積層したものがあるが,この場合,三層の発光
しきい値電圧(電圧を加えたとき,1cd/m 2 の明る
さになる電圧)が大きくかけ離れている。特に,青色発
光(ZnS:TmF3 )については,発光輝度が二桁以
上も低いので実用的でない。また,これらの発光層を複
数積層して各々の発光色を加色する方法についても,素
子の製造方法が複雑になって,上記同様に実用的でな
い。すなわち,複数の積層発光層を用いた場合は,発光
しきい値電圧が各層で違うので,各層独立の駆動条件を
設定し,発光層の加色効果を最適化する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記のよう
な薄膜白色EL素子の問題点を解決し,高輝度,高信頼
性に優れ,更に広い面積にわたり均一な特性を有するシ
ンプルな構造の薄膜白色EL素子を提供することを課題
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
手段は,交流電界の印加によりEL発光させる薄膜EL
素子において,透明電極/絶縁層/発光層/絶縁層/背
面電極で構成する薄膜EL素子の透明電極側に,赤色カ
ラーフィルターを組み合わせたことを特徴とする薄膜白
色EL素子である。本発明の請求項2記載の手段は,薄
膜EL素子は,透明電極/SiO2 /Ta2 5 /発光
層/SiO2 /Ta2 5 /背面電極の層構成としたこ
とを特徴とする請求項1記載の薄膜白色EL素子であ
る。本発明の請求項3記載の手段は,薄膜EL素子は,
透明電極/SiO2 /Ta2 5 /発光層/SiO2
Ta2 5 /Al2 3 /背面電極の層構成としたこと
を特徴とする請求項1記載の薄膜白色EL素子である。
本発明の請求項4記載の手段は,発光層は,母材がSr
Sであり,発光中心としてCeを0.1〜0.3atm
%含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か1項に記載の薄膜白色EL素子である。本発明の請求
項5記載の手段は,赤色カラーフィルターの透過率が7
0〜90%であことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の薄膜白色EL素子である。本発明の請求
項6記載の手段は,赤色カラーフィルターの上に,更
に,三原色のカラーフィルターを配設したことを特徴と
する請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜白色EL
素子を用いたフルカラーディスプレイである。
【0007】以下,図面を用いて本発明の各構成要素の
詳細を説明する。図1は,本発明の薄膜白色EL素子実
施例の完成素子の模式的な側面図である。本実施例の薄
膜白色EL素子は,図1に示すように,二重絶縁構造の
薄膜EL素子の前面に赤色カラーフィルターを組み込ん
だものである。なお,図1では,透明電極と背面電極と
をX−Yに直交させて表示素子として用いているが,各
電極形状を面状として,面光源素子として用いることも
できる。
【0008】ここで使われている絶縁層のTa2
5 は,素子化後,エージング処理によって,発光しきい
値電圧のドリフトが少ない材料として使われる。比較の
ためにY2 3 ,BaTiO3 等は,エージング処理が
70〜80時間必要であるが,Ta2 5 は10〜20
時間で安定する。また,絶縁層のSiO2 ,Al2 3
は界面の密着性及び化学反応性を制御し,素子の信頼性
(破壊モード改善)を向上するために使われる。ここ
で,絶縁層のAl2 3 は,Ta2 5 と背面電極との
界面の密着性を向上するために用いられる。
【0009】次に,発光層としては,SrS:Ceが用
いられる。図2に,SrS:Ceの発光スペクトルを示
す。450〜500nmに発光ピークを示し,600n
mまで広がったスペクトルである。発光色は,青緑色で
ある。
【0010】図3は,SrS:Ceの駆動電圧と輝度と
の関係を示す図であり,SrS:Ce(0.15atm
%)系は,薄膜EL素子を正弦波(駆動波形),5KH
z(駆動周波数),200Vrms(駆動電圧)で30
00cd/m2 の高輝度を示している。
【0011】図4はCe濃度と輝度の関係を示す図であ
り,添加物であるCeの濃度により,最適な輝度が求め
られる。すなわち,Ce濃度0.03〜0.30atm
%の領域で,十分な高輝度が得られている。縦軸の単位
〔輝度L60(cd/m2 )〕は,発光しきい値電圧+
60V(日本学術振興会・光電相互変換第125委員会
の表現基準による)のときの照度を意味している。すな
わち,発光しきい値電圧は,図3より,140Vrms
であるので,200Vrmsのときの輝度を示してい
る。
【0012】図5は,本発明の白色を得るための概念を
説明するCIE色度図であり,白色発光を得るために,
SrS:Ceで欠けている赤色成分を赤色カラーフィル
ターで加色して,白色を得ることができることを示す。
SrS:Ceを発光層とした薄膜EL素子は,CIE色
度座標で表現すると,x=0.20〜0.23,y=
0.37〜0.40である。これに赤の成分としてピラ
ゾロンレッドを主成分とする赤色カラーフィルターを重
ね合わせることにより薄膜白色EL素子が得られる。赤
色カラーフィルターのCIE色度座標は,x=0.60
〜0.66,y=0.30〜0.34である。その時の
透過率は,60〜70%であった。
【0013】このCIE色度座標でSrS:Ceと赤色
カラーフィルターを結んだ線上を移動することにより,
白色(ペーパーホワイト)が得られる。この領域には,
SrS:Ceの方から,または,赤色カラーフィルター
の方からのどちらから白色領域に近づけてもよいが,簡
単な方法は,赤色カラーフィルターのピラゾロンレッド
の濃度を小さくしてフィルターの透過率を上げることで
ある。図6は,その赤色カラーフィルターのピラゾロン
レッドの塗布液状態での濃度(重量%)と透過率との関
係が示されるが,図5で上記のSrS:Ceと赤色カラ
ーフィルターとを結ぶ線上で,ペーパーホワイトと称す
る周辺領域のx=0.35,y=0.37に移動させる
には,赤色カラーフィルターの透過率が,70〜90%
必要である。
【0014】すなわち,青緑色光源として,SrS:C
e(0.1〜0.3atm%),赤色成分として,赤色
カラーフィルターのピラゾロンレッド1.0〜5.5重
量%で透過率70〜90%の構成で,薄膜EL素子を正
弦波(駆動波形),5KHz(駆動周波数),200V
rms(駆動電圧)で発光させるとペーパーホワイトの
白色発光が得られる。その時のSrS:Ceの青緑色光
輝度は,3000cd/m2 であり,これを100%と
して,赤色カラーフィルターの透過率から,白色発光の
輝度としては,2100〜2700cd/m2 が求めら
れる。この輝度であれば,十分実用に供せられる輝度で
ある。また,本発明の薄膜白色EL素子はペーパーホワ
イトの発光が得られるので,更に,本発明の薄膜白色E
L素子に,通常の三原色のRGBカラーフィルターを重
ねることにより,フルカラー表示が可能となる。例え
ば,図10の斜視図に示すような,モノクロ型のディス
プレイの電極配置を単純マトリックスカラー液晶パネル
と同様に配置して,図1に示すような層構成の薄膜白色
EL素子を形成する。すなわち,発光層としてSrS:
Ceを用いた青緑色のモノクロディスプレイに,ペーパ
ーホワイト化するための赤色カラーフィルターを重ね,
ペーパーホワイトをベースとしたモノクロディスプレイ
とし,更に,上記の電極配置の画素寸法に対応する通常
のRGBカラーフィルターを重ね,この薄膜白色EL素
子を駆動することにより,フルカラー表示を行うことが
できる。この際,ガラス基板及び赤色カラーフィルター
の厚みによる,斜めからみたときの視差による色ずれを
防止するには,図9のように,ガラス基板上の透明電極
形成前に,RGBカラーフィルターを形成しておくこと
で達成される。
【0015】
【作用】本発明は,交流電界の印加によりEL発光さ
せる薄膜EL素子において,透明電極/絶縁層/発光層
/絶縁層/背面電極で構成する構造の薄膜EL素子の透
明電極側に,赤色カラーフィルターを組み合わせること
により,素子構造が簡単な薄膜白色EL素子を得ること
ができる。 絶縁層として大きく寄与する層は,透明電極/SiO
2 /Ta2 5 /発光層/SiO2 /Ta2 5 /Al
2 3 /背面電極の層構成において,Ta2 5 であ
る。しかし,これだけでは,お互いの界面において,密
着性及び化学安定性の面で相互に影響しあい,パネルの
破壊を招く。従って,この作用を防止するために,他の
層が破壊モードの改善を行い,パネルの信頼性をあげて
る。まず,最初に,透明電極/SiO2 /Ta2 5
SiO2 は,透明電極とTa2 5 との界面の酸素によ
る相互作用を抑制する働きがある。また,発光層/Si
2 /Ta2 5 /Al2 3 /背面電極のSiO
2 は,発光層とTa2 5 との間にあって,界面の密着
性を向上させ,Ta2 5 の絶縁破壊を抑制し,破壊モ
ード改善につながっている。同様に,Al2 3 につい
ても背面電極との界面の密着性を向上させ,背面電極の
破壊を防止している。次に,Ta2 5 のもう一つの働
きは,素子化後,エージング処理によって,発光しきい
値電圧のドリフトの少ない絶縁材料として使われる。比
較のために示すと,Y2 3 ,BaTiO3 等はエージ
ング処理が70〜80時間必要である。しかし,Ta2
5 は10〜20時間で安定する。次に,発光層とし
て,母材がSrSであり,発光中心としてCeを0.1
〜0.3atm%含有SrS:Ceを用いることにより
高輝度が得られる。また,赤色カラーフィルターの透
過率を70〜90%と上げる(赤色カラーフィルター中
の赤色顔料の添加量を落とす)ことにより,簡単に,C
IE色度座標上で示されるペーパーホワイトを現出でき
る。更に,前記の薄膜白色EL素子の上に,通常の三
原色のカラーフィルターを配設することにより,上記の
特徴を備えたフルカラーディスプレイを得ることができ
る。
【0016】前述のように,従来の薄膜白色EL素子
が,赤色,緑色,青色の加色効果及びこれに準ずる効果
全てを,発光層に頼って白色を得ようとしているのに対
し,本発明では,発光層として母材(SrS)に発光中
心としてCeを添加したものとを用いて,これに赤色カ
ラーフィルターを組み合わせて素子を構成することによ
り,従来の問題点が解決される。すなわち,このSr
S:Ceの発光層は,発光色に青成分と緑成分とをも
ち,更に,赤色カラーフィルターにて,赤色成分を加え
ることにより,求める白色が得られる。また,構造が単
純であるので,三原色のRGB加工で用いられるリフト
オフ技術を用いることなく,単純なホトリソグラフィ技
術で製造工程をまとめることができる。すなわち,製造
工程が簡略化できる。
【0017】
【実施例】以下,本発明の実施例を図7の薄膜白色EL
素子組立工程図を用いて説明する。 A工程:ガラス基板(ITO付) 所定寸法のガラス基板(OA−2 日本電気硝子(株)
製)の片面を研磨し,その表面に,透明電極3として,
ITO(10Ω/□)をスパッタリング装置で成膜した
基板を準備した。
【0018】B工程:洗浄 洗浄工程は,以下に示す手順(1)〜(8)で洗浄を行
った。溶剤乾燥は,N2 を吹きつけて行った。 薬品 処理 時間 (1)トリクロールエチレン 超音波洗浄 5min (2)トリクロールエチレン 煮沸 5min (3)アセトン 超音波洗浄 5min (4)アセトン 超音波洗浄 5min (5)純水 リンス 5min (6)純水 超音波洗浄 5min (7)純水 超音波洗浄 5min (8)純水 超音波洗浄 5min 乾燥は,スピンドライヤー(4000rpm,60se
c)で乾燥した。
【0019】C工程:パターン形成 パターン形成は,以下の手順(9)〜(18)で行っ
た。 (9)レジスト塗布 レジスト:マイクロポジット(シプレイ社)S1400-27 1st 2000rpm 10sec 2nd 4000rpm 30sec (10)プリベーク 90℃ 40min (11)露光 30mJ/cm2 照射 (12)現像 現像液,MF312(シプレイ社):H2 O=1:1 (重量部) 1min dipping (13)水洗 3min(リンス) N2 ブロー (14)ポストベーク 140℃ 20min (15)エッチング エッチング液,HCl:FeCl3 :H2 O =23:4:20(重量部) 43℃ 4.5min 揺動浸漬 (16)水洗 5min(リンス) (17)レジスト剥離 アセトン 室温 10min dipping (18)水洗 5min(リンス)
【0020】 D工程:乾燥 乾燥 スピンナー 4000rpm 60sec
【0021】E工程:絶縁層4a成膜 高周波スパッタリング装置を用いて,下記条件で成膜し
た。 ターゲット SiO2 〔真空冶金(株)製 4N〕 基板温度 室温 スパッターガス種 Ar:18sccm,He:12sccm スパッターパワー 1kw(3.1w/cm2 ) スパッターガス圧 5×10-3Torr 膜厚 50nm
【0022】F工程:絶縁層4b成膜 高周波スパッタリング装置を用いて,下記条件で成膜し
た。 ターゲット Ta2 5 〔真空冶金(株)製 4N〕 ガス出し 170℃ 30min 基板温度 室温 プレスパッター 30min スパッターガス種 Ar:24sccm,O2 :6sccm スパッターパワー 1kw(2.1w/cm2 ) スパッターガス圧 5×10-3Torr 膜厚 300nm
【0023】G工程:発光層5成膜 電子ビーム蒸着装置を用いて,下記条件で成膜した。S
rS粉末に,CeCl3 粉末を原子比で0.05〜0.
40atm%の範囲で添加混合し,加圧成形した。この
ペレットをH2 S雰囲気で800℃,10hの焼成を行
い,電子ビーム蒸着を行った。蒸着の方法は,Sとの共
蒸着を行った。その理由は,SrSが分解し易いため,
発光層中で生じたSの欠乏を補うことを目的としてい
る。基板の温度は,350℃とし,膜厚は,400〜5
00nmとした。
【0024】H工程:絶縁層4c成膜 この工程の成膜は,工程Eと同じ材料,方法をとった。
【0025】I工程:絶縁層4d成膜 この工程の成膜は,工程Fと同じ材料,方法をとった。
【0026】J工程:絶縁層4e成膜 高周波スパッタリング装置を用いて,下記条件で成膜し
た。 ターゲット Al2 3 〔真空冶金(株)製 4N〕 ガス出し 170℃ 30min 基板温度 100℃ スパッターガス種 Ar:30sccm スパッターパワー 1kw スパッターガス圧 5×10-3Torr 膜厚 50nm
【0027】K工程:背面電極6形成 Al電極成膜を,DCスパッタリング装置を用いて,下
記条件で成膜した。 ターゲット Al〔フルウチ化学(株)製 6N〕 ガス出し 150℃ 30min 基板温度 室温 スパッターガス圧 3×10-3Torr スパッターガス種 Ar:33sccm 電流 1A(2.1×10-3A/cm2 ,約360V) 膜厚 200nm Alエッチングは,以下の手順(19)〜(29)で行
った。 (19)レジスト塗布 レジスト:マイクロポジット(シプレイ社)S1400-27 1st 2000rpm 10sec 2nd 4000rpm 30sec (20)プリベーク 100℃ 2min (21)露光 30mJ/cm2 照射 (22)現像 現像液:MF312(シプレイ社):H2 O=1:1 (重量部) 1min dipping (23)水洗 3min(リンス) N2 ブロー (24)ポストベーク 120℃ 20min (25)エッチング エッチング液: H3 PO4 :CH3 COOH:HNO3 :H2 O =48:25:1:9(重量部) 室温 2min 揺動浸漬 (26)水洗 10min(リンス) (27)レジスト剥離 アセトン 室温 10min dipping (28)水洗 10min(リンス) (29)乾燥 スピンナー 4000rpm 60sec
【0028】L工程:封止 湿気防止対策として,背面電極6側にガラス枠を接着剤
で取り付け,その空間部に真空注入法を用いて,シリコ
ンオイルとゼオライト粉末の混じったオイルを注入し,
後で注入口を塞いだ。以下は,その処理条件である。 ガラス切断 所定寸法にガラスを切断した。 接着 接着剤 LCB−200(EHC製) LCB−600(EHC製) 乾燥 120〜130℃ 30min 真空注入 真空度 1×10-3Torr 脱泡時間 1h 加熱温度 80℃ シリコンオイル KF−96〔信越化学工業(株)製〕 モレキュラーシーブス 3A〔日化精工(株)製〕
【0029】M工程:エージング 画素をいくつかのブロックに分けて,透明電極3と背面
電極6の各々に一括して,電流制限保護抵抗(1〜10
KΩ)を両極に入れて,印加電圧を発光しきい値電圧ま
でゆっくりあげて,5〜10時間通電しておく。
【0030】次に,以下のように,前記と平行して赤色
カラーフィルター1を準備した。 N工程:ガラス基板2(金属クロム付) 所定のガラス基板〔A1材 旭ガラス(株)製〕上に,
金属クロムをスパッタ装置で100nmの厚みに成膜し
た。
【0031】O工程:洗浄 Bの洗浄工程に準じた方法により洗浄を行った。
【0032】P工程:ブラックマトリックス形成 ガラス基板2上に開口率50〜60%の各画素に対応し
たブラックマトリックスを形成した。その時の工程は,
C工程と大略同じである。相違する部分は,下記のエッ
チング液及び条件である。 Cerium Ammonium Nitrate Ce(NH4 2 (NO3 6 165gr Perchlolic Acid HClO4 (70%) 42ml Di−Water 蒸留水合計で Total 1000ml 温度 22℃ エッチング時間 50sec
【0033】Q工程:赤色感光性樹脂塗布 下記の組成の樹脂を基板上に,塗布膜厚が1.2μmと
なるように塗布した。塗布した。 ピラゾロンレッド(赤色顔料) 5%(重量部) 95%ポリビニルアルコール/ 5%スチルバゾリウムキノリウム(感光性樹脂) 3%(重量部) 水 92%(重量部)
【0034】R工程:プレキュア 70℃で,30min間,オーブン中で乾燥した。
【0035】S工程:露光 水銀ランプ(1Kw)を用いて,50sec照射した。
【0036】T工程:現像 水によるスプレイ現像を,1min間行った。
【0037】U工程:キュア 150℃,30min間,オーブン中で加熱硬化を行っ
た。
【0038】次に,M工程でエージング処理の完了した
ガラス基板2とU工程でキュアの完了した赤色カラーフ
ィルター1とを接着した。 V工程:フィルター接着アクリル系接着剤で,100
℃,30min間の接着処理を行った。
【0039】W工程:性能評価 輝度計〔BM−5:トプコン(株)製〕,駆動電源装置
〔CVFT1−1KH:東京精電(株)製〕を用いて,
パネルの輝度及びCIE色度座標を評価した。上記の赤
色カラーフィルター/ガラス(透明電極ITO付)/S
iO2 /Ta2 5 /SrS:Ce発光層/SiO2
Ta2 5 /Al2 3 /背面電極Alの構造の薄膜白
色EL素子に,正弦波,5KHzで印加電圧を徐々にあ
げていった時の輝度と,輝度が飽和したときのCIE色
度座標値を,図8に示す。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば,前述の作用に基づい
て,生産性にすぐれた高輝度,高信頼性の薄膜白色EL
素子が実現される。また,パネル駆動の手段も簡便で,
一般的な方法で駆動できる。そのため,トータルな製品
コストが下がり,利用範囲が拡大する。更に,この薄膜
白色EL素子はその上に三原色のカラーフィルターを配
設することにより,従来得られなかった良好なフルカラ
ーディスプレイが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の薄膜白色EL素子完成素子の模
式的な側面図である。
【図2】本発明実施例のSrS:Ceの発光スペクトル
である。
【図3】本発明実施例のSrS:Ceの駆動電圧と輝度
との関係を示す図である。
【図4】本発明実施例のCe濃度と輝度の関係を示す図
である。
【図5】本発明における白色を得るための概念を説明す
るCIE色度図である。
【図6】本発明実施例の赤色カラーフィルターの赤色顔
料の塗布液状態での濃度(重量%)と透過率との関係を
示す図である。
【図7】本発明実施例の薄膜白色EL素子組立工程図で
ある。
【図8】本発明実施例の薄膜白色EL素子の性能評価を
示す図である。
【図9】本発明実施例のフルカラーディスプレーの模式
的な部分展開斜視図である。
【図10】従来の黄橙色のZnS:Mn蛍光体薄膜を用
いたディスプレイの構造を示す側面図及び斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 赤色カラーフィルター 2 ガラス基板 3 透明電極 3a 走査線端子 4 絶縁層 4a 絶縁層(第1絶縁層) 4b 絶縁層(第2絶縁層) 4c 絶縁層(第3絶縁層) 4d 絶縁層(第4絶縁層) 4e 絶縁層(第5絶縁層) 5 発光層 6 背面電極 6a 信号電極端子 7 RGBカラーフィルター 7a ブラックマトリックス(BM) 102 ガラス基板 103 透明電極 104 絶縁層 104a 絶縁層 104b 絶縁層 105 発光層 106 背面電極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図7】
【図10】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電界の印加によりEL発光させる薄
    膜EL素子において,透明電極/絶縁層/発光層/絶縁
    層/背面電極で構成する薄膜EL素子の透明電極側に,
    赤色カラーフィルターを組み合わせたことを特徴とする
    薄膜白色EL素子。
  2. 【請求項2】 薄膜EL素子は,透明電極/SiO2
    Ta2 5 /発光層/SiO2 /Ta2 5 /背面電極
    の層構成としたことを特徴とする請求項1記載の薄膜白
    色EL素子。
  3. 【請求項3】 薄膜EL素子は,透明電極/SiO2
    Ta2 5 /発光層/SiO2 /Ta2 5 /Al2
    3 /背面電極の層構成としたことを特徴とする請求項1
    記載の薄膜白色EL素子。
  4. 【請求項4】 発光層は,母材がSrSであり,発光中
    心としてCeを0.1〜0.3atm%含有しているこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄
    膜白色EL素子。
  5. 【請求項5】 赤色カラーフィルターの透過率が70〜
    90%であことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の薄膜白色EL素子。
  6. 【請求項6】 赤色カラーフィルターの上に,更に,三
    原色のカラーフィルターを配設したことを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜白色EL素子を
    用いたフルカラーディスプレイ。
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