JPH0816173B2 - 可撓性回路基盤及びそのベースフイルム - Google Patents

可撓性回路基盤及びそのベースフイルム

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JPH0816173B2
JPH0816173B2 JP63311860A JP31186088A JPH0816173B2 JP H0816173 B2 JPH0816173 B2 JP H0816173B2 JP 63311860 A JP63311860 A JP 63311860A JP 31186088 A JP31186088 A JP 31186088A JP H0816173 B2 JPH0816173 B2 JP H0816173B2
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玉樹 金井
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は可撓性回路基盤及びそのベースフイルムに関
し、更に詳しくは難燃性,耐熱性,耐ハンダ性,透明性
等に優れた可撓性回路基盤用ベースフイルム及び該ベー
スフイルムを用いた回路基盤に関する。
<従来技術> 二軸延伸ポリエステルフイルムは強伸度,寸法安定
性,平面性,熱的性質,耐薬品性及び電気的性質にすぐ
れ、且つ量産が可能で、保存性もよく、原料供給安定性
が確立していることから経済性即ち価格面からも手頃
で、種々の工業用途に多用されている。そして、その一
つに可撓性回路基盤がある。
しかしながら、二軸延伸ポリエステルフイルムをベー
スとした可撓性回路基盤、或はこの上に絶縁のための市
販絶縁塗料を塗設し、完全に電子部品パーツに仕上げた
ものは燃焼試験では低位の難燃性を示し、UL(Under Wr
iter′s Laboratory)94:VTM規格の何れの等級をも満足
し得ない。このため、ポリエステルフイルムの難燃化即
ち難燃ポリエステルフイルムの開発が種々の面から検討
され、その1つとしてポリエステルに難燃剤を練り込ん
だり、難燃性付与化合物を共重合したりして難燃性の向
上をはかることが提案されている(例えば特開昭52−71
571号,特開昭54−12678号等)。しかし、難燃剤や難燃
性付与化合物はポリエステルの物性を悪化させることか
らその割合を少なくすると難燃化効果が十分に得られ
ず、逆に多くするとポリマーの溶融粘度が急激に低下し
て製膜が出来なかったり、或は溶融押出時に分解ガスを
生じ、衛生面から環境の汚染をひき起こすることとな
り、ポリマー物性と難燃性の両特性を同時に満足させう
ることは至難の状況である。
これに代る方法として、ポリエステルフイルムに難燃
剤を含む塗料を塗設し、難燃化をはかる方法も多く提案
されている(例えば特開昭49−59155号,特開昭50−340
64号,特開昭52−150474号,特開昭53−82887号,特開
昭54−11979号,特開昭54−48873号,特開昭60−158273
号,特公昭52−71571号,特開昭54−126278号等)。
一般のポリエステルフイルムの片面に難燃剤を含む塗
料を塗設したフイルムは、難燃性が低位のポリエステル
フイルムが一つの表層を形成するため、UL94:VTM規格に
合格しないか、または合格しても低グレードの難燃性を
示すにとどまり、高位即ちVTM−0グレードの難燃性を
発現せしめることは困難である。さらに、かかる二層構
造のフイルムは塗膜塗設後または印刷回路を印刷後の熱
処理工程後、フイルムがカールし、作業性を著しく低下
せしめるという問題を有している。
この二層構造の問題点を解決するために、即ち難燃性
を向上せしめかつカール性を改良するために、一般のポ
リエステルフイルムの両面に難燃性塗膜を塗設して、三
層構造のフイルムとした場合、カール性は大幅に改良さ
れかつ難燃性も向上し、UL94VTM法でVTM−0グレードの
難燃性が得られる。しかしながら、かかる三層構造のフ
イルムにおいても、フイルム断面において、難燃性の低
いポリエステルフイルムが露出しているため、この部分
が優先的に燃焼し、VTM−0グレードにおいては低位
に、即ち1ランク低位のVTM−1グレードに難燃性レベ
ルに留っている場合が多い。かかる現象は中間層のポリ
エステルフイルムの厚みが厚くなるにつれて顕著にな
る。
カール性のよい(カールのない)難燃性ポリエステル
フイルムとして、難燃性塗膜層を中間層とし、その両面
に一般のポリエステルフイルムを積層した三層構造のフ
イルムも提案されている。かかるフイルムは、カール性
がよくかつポリエステルフイルム層が表層を形成してい
るため、非難燃性の一般のポリエステルフイルムで技術
が確立している印刷回路加工技術が殆んどそのまま適用
できるなどの特徴を有する。しかしながら、かかる三層
構造のフイルムは上記の二層構造のフイルムの場合と同
様に、難燃性が低位のポリエステルフイルムが両表層に
あるため、UL94:VTM規格の高位の難燃性を発現せしめる
ことは困難である。かかる三層構造のフイルムにおい
て、敢えて難燃性を向上せしめるため、中間の難熱性塗
膜層に、例えば臭素系難燃剤を高濃度に含有せしめ、燃
焼時に発生する不燃性ガスにより、表層のポリエステル
フイルムの燃焼性を抑制し、UL94:VTM−0グレードの難
燃性を発現させることは可能である。しかし、かかる方
法においても、難燃性塗膜層に難燃剤を高濃度に含有せ
しめる結果、該塗膜層が不透明になったり、ポリエステ
ルフイルムとの密着性が低下する等の問題を残してい
る。
<発明の目的> 本発明の目的は、ハロゲン元素含有率が低くかつ燃焼
性に優れ、耐カール性,耐熱性,耐ハンダ性,透明性等
にも優れた可撓性回路基盤用ベースフイルム及び該ベー
スフイルムを用いた回路基盤を提供することにある。
<発明の構成> 本発明者らは上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、臭
素系難燃剤含有率を極力低く抑えたポリエステルフイル
ムの両面に、耐熱材料区分でH種を満足できるポリアミ
ドイミド系,ポリイミド系等の塗膜を設けた積層構造の
フイルムが優れた特性を有していることを見出し、本発
明に到達した。
すなわち、本発明は、 1.ポリエステル中に臭素元素として2〜10重量%の臭素
系難燃剤及びリン元素として0.1〜2重量%のリン化合
物からなる難燃性向上剤を含有せしめた二軸延伸ポリエ
ステルフイルムの両面にポリアミドイミドおよび/また
はポリイミドの塗膜を設けた積層構造をとり、該両表面
の塗膜厚みの和が8μm以上30μm以下であることを特
徴とする可撓性回路基盤用ベースフイルム、 2.上記フイルム上に導電回路を形成してなる可撓性回路
基盤 である。
本発明においてポリエステルとは芳香族二塩基酸又は
そのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル
形成性誘導体とから合成された線状飽和ポリエステルで
あり、なかんづくポリエチレンテレフタレート及びその
共重合体またはそれと小割合の他の樹脂とのブレンド体
などが好ましい。上記線状飽和ポリエステルには例えば
ポリエチレン2,6−ナフタレート,ポリブチレンテレフ
タレートなど、更にはこれらの共重合体、これらと小割
合の他の樹脂とのブレンド体などが当然に包含される。
本発明における二軸延伸ポリエステルフイルムは、か
かる線状飽和ポリエステルから成るが、この製法として
は従来から当業界に知られ或は蓄積された方法を用いる
ことができる。
本発明においてはかかるポリエステルフイルムの難燃
性を向上するためにポリエステルに臭素元素を有する難
燃剤及びリン化合物からなる難燃性向上剤を混合せしめ
るか、共重合せしめる。前者の非反応型難燃性向上剤と
しては、ポリエステルへの分散性がよく、フイルムの透
明性を阻害しにくく、熱安定性のよいものを選べばよ
い。
また、反応型難燃性向上剤を共重合させる方法は、フ
イルムの透明性,表面平坦性を損なわないという利点が
ある。かかる改質ポリエステルは、例えば上記線状飽和
芳香族ポリエステルの製造時に式(I) で表わされる臭素化ジオールと式(II) で表わされるリン化合物とを共重合させることで得るこ
とができる。ここで、式(I)におけるR1は低級アルキ
レン基(例えばエチレン,プロピレン,トリメチレン,i
so−ブチレン,テトラメチレン,ペンタメチレン,ヘキ
サメチレン等)であり、R2は低級アルキレン基(例えば
メチレン,−C(CH3−,−C(CH3)(C2H5)−,
エチレン,テトラメチレン等),−O−,−SO2−また
は直接結合であり、n,mはそれ1〜4の数である。ま
た、式(II)におけるR2は低級アルキレン基(例えばエ
チレン,プロピレン,トリメチレン,iso−ブチレン,テ
トラメチレン,ヘキサメチレン等)である。R3は低級ア
ルキル基(例えばメチル,エチル,プロピル,n−プロピ
ル,isc−ブチル,n−ブチル等)であり、Y,Zはそれぞれ
−COOHまたは−OHである。
上記臭素化ジオールの好ましい具体例として、 等を挙げることができる。また、上記リン化合物の好ま
しい具体例として 等を挙げることができる。
共重合成分としての上記リン化合物は必ずしも必要で
はないが、難燃性向上効果を有するため本発明の目的の
一つである臭素元素量を極力少なくするという観点か
ら、臭素化ジオールと共用することが望ましい。
改質ポリエステル中の臭素ジオールの量は、改質ポリ
エステルの重量に対し、臭素元素の量が好ましくは2〜
10重量%、更に好ましくは4〜8重量%となる割合であ
る。また、上記リン化合物の量は、改質ポリエスエルの
重量に対し、リン元素の量が好ましくは0.1〜2重量
%,更に好ましくは0.2〜1重量%となる割合である。
臭素化ジオールやリン化合物の共重合割合が少なすぎる
と、目的とする難燃性が十分でなく、一方臭素化ジオー
ルの共重合割合が大きすぎると機械的特性特に強度が低
下するばかりでなく、臭素元素の量を極力少なくすると
いう、本発明の目的に反するので、またリン化合物の共
重合割合が大きすぎると機械的特性特に強度が低下する
ので、好ましくない。
なお、ポリエステルフィルム中の臭素元素量,リン元
素量の調製法としては、予め、高濃度のマスターポリマ
ーを得、臭素元素及びリン元素を含有していないポリエ
ステルで希釈する方法を用いることができる。
本発明において積層塗膜を形成するポリアミドイミ
ド,ポリイミドは、それぞれ下記式 を主たる繰返し単位とする線状ポリマーであり、IECの
耐熱区分でH種以上の特性を有する。
こらポリアミドイミド,ポリイミドは、N−メチルピ
ロリトンを主剤とした溶媒に溶解したものを例えば含浸
又はコーティングによってポリエステルフイルムの片面
または両面に塗布して塗膜とするが、良好な仕上り表面
を得、ポリエステルフイルムの溶融落下を防ぎ且つ確実
に自己消化性へ導くためには、固有粘度[η](濃度0.
5g/100ml,溶媒N−メチル−2−ピロリドン,温度30℃
で測定)が0.5以上であり、蒸発乾固状態のポリマーの
加熱減量割合が300℃で0.2%以下であることが好まし
い。ポリマーの固有粘度[η]が0.5を下まわり、かつ
加熱減量が300℃で0.2%以上であると、塗膜(被膜)の
特性が脆弱で、ポリエステルフイルムに対する密着性が
乏しくなり且つ難燃性が不充分となるので好ましくな
い。さらに加熱減量が大きくなると、これをフレキシブ
ル可撓性基盤に加工した際に耐ハンダ性能が著しく低下
を来たす。
本発明におけるポリアミドイミド,ポリイミドは、固
有粘度が0.58以上でかつ加熱減量が0.2%(300℃)を下
まわらない範囲であれば、他の性能の改善のために、第
三成分例えばメチロール化メラミン樹脂,メチロール化
ベンゾグアナミン樹脂,メチロール化尿素樹脂或はメタ
ンジフェニルジイソシアネートのクレゾールブロック
体、ヘキサメチレンジエチレンウレア等を配合しても差
支えないし、またトリメリット酸,無水ピロメリット酸
以外の芳香族多塩基酸無水物(含ハライド)、並びにジ
アミノジフェニルエーテル,ジアミノジフェニルメタン
以外の芳香族ジアミン類を共重合させることもできる。
勿論これら配合,共重合によって形成被膜の透明性が阻
害される場合は、本目的の難燃性が例え達成されても、
本発明の狙いがポリエステルフイルムの少くとも一面に
ポリイミド,ポリアミドイミド系の透明な膜を形成し、
その状態を損わずして自己消化性を得るものであるの
で、本発明の範囲には包含されない。その他の添加剤、
即ち着色剤(染料),安定剤,滑剤,界面活性剤,触
媒,レベリング剤などは前述の特性を阻害しない範囲で
使用することは何ら差支えない。
ポリエステルフイルム面に、ポリイミド,ポリアミド
イミドの塗膜(被膜)を形成する方法は、これらポリマ
ーをN−メチル−2−ピロリドンに溶解した状態の塗液
を用いるがよく、これを通常のロールコート法で所望す
る膜厚に仕上げるか、或はフイルムを塗液中にくぐらせ
余分の塗液を除去し、次いで乾燥硬化させるなど何れか
の手段を選べばよい。
ポリエステルフイルムは通常12μmから250μmのも
のが対象となるが、その両面に設ける難燃性塗膜の厚み
は表裏面でほぼ均等にする必要がある。該塗膜の厚みが
表裏で異なると、フイルムにカールが発生し、即ちフイ
ルムの平面性が悪くなり、加工時の作業性が阻害され
る。該塗膜の厚みは表裏両層の和として8μm以上,30
μm以下である。該膜厚の和が8μm未満の場合、目的
とするレベルの難燃性が発現しない。また30μmを超え
ると、塗膜の乾燥硬化工程で、例えば塗液が流動し、硬
化後のフイルム表面が不均一となるの注意を要する。
本発明においてポリアミドイミド,ポリイミドの塗膜
はより一層の難燃性を付与する目的で、難燃性向上剤を
含有させることができる。この難燃性向上剤としては、
塗膜の透明性を阻害しないことが必要であるが、ハロゲ
ン原子含有率が高いものが好ましく且つ、上記ワニス中
に溶解しても形成塗膜上にブリードアウトして来ないも
のが良い。このポリアミドイミド,ポリイミドに最も好
適に配合し得て、塗膜の性能を低下させないものとして
はテトラブロモビスフェノールAが特に好ましく、該テ
トラブロモビスフェノールAは卓越際立った効果を発現
する。テトラブロモビスフェノールAのポリアミドイミ
ド,ポリイミドに添加する割合は、可撓性回路基盤例え
ば電子部品パーツとして所望される難燃性、即ちUL−94
HB,VTM−0,−1&−2によって適宜決められればよい。
然しポリマー重量対比52%以上混合すると塗膜が若干脆
く、且つ濁りが生じ易いのでこの見地からは44%以下に
抑えることが好ましい。
被膜形成に適用するポリアミドイミド,ポリイミドは
通常高い溶解能力をもつN−メチル−2−ピロリドン,
もしくはN,N−ジメチルアセトアミド,N,N−ジメチルホ
ルムアミド又はこれらの混合系溶媒中で重縮合反応させ
て、ワニス状態で市販されているものを適用することが
可能であるが、流動特性の改善,乾燥性の向上並びに他
樹脂と相溶せしめるために、ポリマーが沈降を起こさな
い範囲で、他の溶媒,例えば塩化エチレン,メチレン,
テトラヒドロフラン,ジメチルスルホキシド,フェノー
ル,m−クレゾール,2−ニトロプロパンなどを混合して使
用することは差支えない。塗膜形成にあたっては高沸点
溶媒を主剤として使うため、気泡,ユズ肌等の生成は起
こりにくいが、溶剤残量即ち膜から完全に溶媒を抜き去
ることは意外にはん雑となる。このような場合、別途乾
燥キュアーのプロセスを設けるか、低沸点溶媒中をくぐ
らせ抽出して除去する方法が有効である。
二軸延伸ポリエステルフイルムはポリイミド,ポリア
ミドイミドとは必ずしも接着性が充分とは云えないの
で、予めポリエステルフイルムにプライマー処理,コロ
ナ処理,プラズマ処理,及び、又はサンドブラスト処理
などを施し、層間の接着力の強化をはかることは当然な
されてよい。
上記被膜の接着力向上に効果の高いプライマーとして
はポリウレタン系樹脂,メトキシメチロール化ナイロン
樹脂,共重合ポリエステル−アヂリンヂン変性樹脂,ポ
リエステル変性アクリル樹脂,熱硬化型アクリル樹脂,
エポキシ樹脂などが好適な例としてあげられる。これら
プライマーは、二軸延伸結晶配合ポリエステルフルイム
上に塗設し、乾燥キュアーでプライマー層を形成しても
よいが、結晶配向が完了する前の一軸延伸ポリエステル
フイルム段階で塗設し、逐次横延伸(或は縦延伸)を加
えながら乾燥キュアーを行う、所謂インラインコーティ
ング技術でプライマーコートしたものは本発明の実施に
極めて好適で、性能面でとりわけ優れた品質を約束する
ものである。
本発明は、更に、上述したベースフイルムの上に導電
回路を形成してになる可撓性回路基盤を包含する。この
導電回路は公知の方法で形成でき、例えば導電ペイント
の印刷によって形成して良く、ま銅箔を貼合せたのちエ
ッチングすることで形成しても良い。本発明の可撓性回
路基盤(すなわち電子部分パーツ)は、ベースフイルム
が優れた難燃性殊にVTM−0を有することから、優れた
難燃性を有する。
<実施例> 本発明をより的確に且つ更に詳細に説明するために以
下実施例を示すが、本例はあく迄も本発明の一例を説明
するものであり、本発明はこの範囲に限定されるもので
ない。なお、実施例、比較例中の部は重量部を意味す
る。また、各特性価の測定方法、評価方法は下記の通り
である。
1)固有粘度 オルソクロロフェノールにポリマーを溶解し、35℃に
て測定した溶液粘度から求める。
2)燃焼時間 UL94VTMの燃焼性テストの方法に従って、n=5のサ
ンプルにつき、3秒間,各2回(合計10回)接炎し、炎
除去後の燃焼時間の合計を求める。
3)熱収縮率 150℃に設定された熱風循環層中に、試料フイルムを
無緊張状態で、30分保持した後の収縮率を求める。
4)全光線透過率 積分球式光線透過率測定装置を用いて、JIS K7105に
従って求める。
実施例1〜3 ジメチルテレフタレート100部,エチレングリコール5
8部,酢酸マンガン0.038部及びテトラーn−ブトキシチ
タン0.018部を夫々反応器に仕込み、攪拌下内温を240℃
になるまで上昇させながらかつメタノールを留去せしめ
ながらエステル交換反応を行い、該エステル交換反応が
終了したのち下記式(I) で表わされるリン化合物3.2部を添加し、次いで下記式
(2) で表わされる臭素化合物40部を添加した。
引き続いて、反応生成物を昇温し、最終的に高真空下
275℃の条件下で重縮合を行って固有粘度([η])0.6
2の共重合ポリエステル(A)を得た。この共重合ポリ
エステル(A)中の臭素元素の濃度は16.0重量%で、リ
ン元素の濃度は0.4重量%である。
次に、ポリエステル(A)の製造において、リン化合
物及び臭素化合物を添加しない以外は全く同様に行なっ
て、固有粘度0.64のポリエステル(B)を得た。
さらに、ポリエステル(B)の製造において、エステ
ル交換反応終了後に平均粒径0.9μmのカオリンのエチ
レングリコールスラリーをポリマー中のカオリン濃度が
1重量%になるように添加する以外は全く同様に行なっ
て、カオリンを含有する固有粘度が0.64のポリエステル
(C)を得た。
ポリエステル中の臭素元素の濃度が表1に示す濃度に
なるようにまたカオリン濃度が0.01重量%になるよう
に、ポリエステル(A),(B),(C)の3種のポリ
マーをブレンドし、予め120℃で結晶化し、次いで160℃
で乾燥したのち、280℃で溶融押出し40℃に保持したキ
ャスティングドラム上に急冷固化せしめ未延伸フイルム
を得た。該未延伸フイルムを85℃で縦方向に3.5倍に延
伸し、次いで105℃で横方向に3.8倍に延伸したのち、23
0℃で熱処理し、75μの厚みの二軸延伸フイルムを得
た。
これらの二軸延伸フイルムの両面にコロナ処理(17wa
tt・min/m2)を施し、純水で接触角が42゜(1分値),
表面張力54yne/cm2の活性化処理フイルムを得た。
一方表2の溶液特性を有するポリアミドイミドとし
て、日立化成(株)製の“H1−400”を、N−メチル
−2−ピロリドン:ジメチルホルムアミド:トルエン:
塩化メチレン=2:1:1.5:0.5(ウエイト比)からなる混
合溶媒で固形分濃度を11.5%に稀釈し、ポリエステルフ
イルムの両面に塗膜形成せしめるための塗液を調製し
た。これを含浸コーターを用い、上記ポリエステルフイ
ルム両面に溶液を乗せ、これをワイヤーバーでスクイズ
しながら熱風が循環する5つの乾燥炉[第1ゾーン74
℃,第2ゾーン119℃,第3ゾーン148℃,第4ゾーン18
0℃,第5ゾーン117℃に設定された乾燥炉]を通過させ
片面7.5μづつの塗膜を形成した。
得られたフイルムの特性を表1に示す。
比較実施例1 実施例1〜3において得られたポリエステル(B)と
(C)を用いてポリマー中の臭素元素の濃度が零となる
ようにした以外は、実施例1〜3と全く同様に行なっ
た。
得られたフイルムの特性を表1に示す。
比較実施例2 実施例1において、ポリアミドイミドの塗布厚みが片
面2.5μにした以外は実施例1と全く同様に行なった。
得られたフイルムの特性を表1に示す。
実施例4〜6 実施例1〜3と同様に行なって、厚さ50μの3種の二
軸延伸フイルムを得た。
次いで、該二軸延伸フイルムの両面をサンドブラスト
し、表面粗さ(中心線平均粗さ:Ra)が0.8μのマットフ
イルムを得た。
次に、12%固形分のポリイミドワニスとして、市販さ
れているDupon′t社製のpyre MLをN−メチル−2−
ピロリドン:ジメチルアセトアマイド:トルエン=4/3/
4(重量比)からなる稀釈溶媒でうすめ12%溶液を調製
した。一方、液状の熱硬化型フェノール樹脂,スミライ
トレジンPR−9181(固形分55%)をテトラヒドロフラ
ン:トルエン:ジメチルホルムアミド=4/3/4(重量
比)をシンナーとし、究極的に12%溶液を準備した。こ
れら溶液を夫々75:25の割合で高速攪拌しながら合体混
和して、固形分濃度12%の塗布液を得た。
次に、両面サンドマットした二軸延伸ポリエステルフ
イルムの片面に5μの塗面を形成せしめた。コーティン
グはバーコーターで行ない、乾燥キュアーを100℃,120
℃,130℃,145℃で小刻みに行い、塗面の非塗付面側に
も、同様にして、5μの塗面を形成せしめ、両面にポリ
イミド塗膜を形成した、厚み60μの3種のフイルムを得
た。
得られたフイルムの特性を表1に示す。
比較実施例3 実施例4〜6において得られたポリエステル(B)と
(C)を用いてポリマー中の臭素濃度が零となるように
した以外は、実施例4〜6と全く同様に行なった。
得られたフイルムの特性を表1に示す。
実施例7 実施例5で得た、両面にポリイミド塗膜を形成した、
厚さ60μのフイルムの片面に、フェノール変性共重合ポ
リエステル/イソシアネート系接着剤(厚さ約24μ)を
介して電解銅箔35μをラミネーション温度120℃,線圧7
8kg/cmでラミネーションし、このあと貼合せ品を40℃で
3日間エージングしたあと、再度115℃で線圧100kg/cm
でラミネーションを完結した。さらにこの積層フイルム
の銀箔側にドライフイルムレジストSunfortsp(旭化
成(株)製)を適用してフォトレジスト膜を形成し、こ
れに幅5mm、間隔1cmのテストパターンネガを密着させ、
UV線を照射(露光量80mJ/cm2)し、このあと未硬化部分
を1,1,1−トリクロロエタンで洗い出し、さらに塩化第
2鉄7%溶液で余分の銅をエッチングして、テストパタ
ーンの回路を形成した。
さらに、該回路形成面の上に、実施例5で得た、両面
にポリイミド塗膜を形成した厚さ60μのフイルムをフェ
ノール変性共重合ポリエステル/イソシアネート系接着
剤(厚さ約20μ)を介してカバーして、可撓性回路基盤
を得た。
この可撓性回路基盤の燃焼時間は39秒であった。
実施例8 実施例2で得た、ポリアミドイミドを両面に塗布した
フイルムの片面に、導電インキを用いてスクリーン印刷
を施し、幅1mmの導電回路をB4サイズシート状に1mm間隔
で形成せしめた。
第1層目の印刷は日本アチソン社製の銀ペイント:Ele
ctroday471SSを第2層目にカーボンペイント:Electroda
y423SSを重ね印刷し、75℃×30分の焼付後の膜厚が約20
μになるよう導電回路のモデルパターンを形成した。
次いで、該回路形成面の上に、実施例2で得た、ポリ
アミドイミド両面塗布フイルムを、フェノール変性共重
合ポリエステル/イソシアネート系接着剤を介してカバ
ーし、可撓性回路基盤を得た。
この可撓性回路基盤の燃焼時間は47秒であった。
本発明の可撓性回路基用ベースフイルムは、表1の結
果から、ポリエステルフイルムを主体に構成したフイル
ムとして、臭素含有率が少なく、優れた難燃性を示し、
かつフイルムのカールが殆んどなく、耐熱性,透明性が
良好であり、可撓性回路基盤としても充分な難燃性を発
現することが確認できる。
<発明の効果> 本発明によれば難燃性に優れ、かつカールが殆んどな
く、かつ良好な耐熱性を有する可撓性回路基盤用ベース
フイルム、及びこのフイルム上に導電回路を形成した可
撓性回路基盤を提供できる。更にこの回路基盤は回路の
接着性にすぐれているという利点を有する。
フロントページの続き (72)発明者 実延 一之 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山工場内 (72)発明者 小野 正義 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社プラスチック研究所内 (56)参考文献 特開 昭48−51079(JP,A) 特開 昭58−140252(JP,A) 特開 昭61−66744(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル中に臭素元素として2〜10重
    量%の臭素系難燃剤及びリン元素として0.1〜2重量%
    のリン化合物からなる難燃性向上剤を含有せしめた二軸
    延伸ポリエステルフイルムの両面にポリアミドイミドお
    よび/またはポリイミドの塗膜を設けた積層構造をと
    り、該両表面の塗膜厚みの和が8μm以上30μm以下で
    あることを特徴とする可撓性回路基盤用ベースフイル
    ム。
  2. 【請求項2】請求項1記載のベースフイルムの上に導電
    回路を形成してなる可撓性回路基盤。
  3. 【請求項3】導電回路が導電ペイントの印刷、または貼
    合せた銅箔のエッチングで形成されている請求項2記載
    の可撓性回路基盤。
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