JPH08157988A - 高強度および高剛性を有するＴｉ合金熱間鍛造部材 - Google Patents
高強度および高剛性を有するＴｉ合金熱間鍛造部材Info
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- JPH08157988A JPH08157988A JP32137194A JP32137194A JPH08157988A JP H08157988 A JPH08157988 A JP H08157988A JP 32137194 A JP32137194 A JP 32137194A JP 32137194 A JP32137194 A JP 32137194A JP H08157988 A JPH08157988 A JP H08157988A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高強度および高剛性を有するＴｉ合金熱間鍛
造部材を提供する。 【構成】 Ｔｉ合金熱間鍛造部材が、重量％で、Ａｌ：
７．５〜１１％，Ｍｏ：０．５〜３％，Ｚｒ：０．５〜
２％，Ｓｉ：０．０１〜０．５％を含有し、残りがＴｉ
と不可避不純物からなる組成、並びにβ相の素地に等軸
α相が７０〜９０面積％の割合で分布した組織を有す
る。
造部材を提供する。 【構成】 Ｔｉ合金熱間鍛造部材が、重量％で、Ａｌ：
７．５〜１１％，Ｍｏ：０．５〜３％，Ｚｒ：０．５〜
２％，Ｓｉ：０．０１〜０．５％を含有し、残りがＴｉ
と不可避不純物からなる組成、並びにβ相の素地に等軸
α相が７０〜９０面積％の割合で分布した組織を有す
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、高強度を有し、かつ
高剛性をも具備したＴｉ合金熱間鍛造部材に関するもの
である。
高剛性をも具備したＴｉ合金熱間鍛造部材に関するもの
である。
【０００２】
【従来の技術】従来、一般に、強度と剛性が要求される
自動車部品や自転車部品、さらにゴルフクラブのヘッド
やシャフトなどとしてＴｉ合金熱間鍛造部材が適用され
ている。また、上記のＴｉ合金熱間鍛造部材として、例
えばＡＳＴＭ・ＡＭＳ４９１５１３に記載されるよう
に、重量％で（以下、％は重量％を示す）、Ａｌ：７．
５〜８．５％、 Ｍｏ：０．７５〜１．２５％、
Ｖ：０．７５〜１．２５％、を含有し、残りがＴｉと不
可避不純物からなる組成、並びにβ相の素地に等軸α相
が６５〜８５面積％の割合で分布した組織を有するもの
が知られてるいる。
自動車部品や自転車部品、さらにゴルフクラブのヘッド
やシャフトなどとしてＴｉ合金熱間鍛造部材が適用され
ている。また、上記のＴｉ合金熱間鍛造部材として、例
えばＡＳＴＭ・ＡＭＳ４９１５１３に記載されるよう
に、重量％で（以下、％は重量％を示す）、Ａｌ：７．
５〜８．５％、 Ｍｏ：０．７５〜１．２５％、
Ｖ：０．７５〜１．２５％、を含有し、残りがＴｉと不
可避不純物からなる組成、並びにβ相の素地に等軸α相
が６５〜８５面積％の割合で分布した組織を有するもの
が知られてるいる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の上記部品
や製品の軽量化に対する要求は強く、これに伴ない、こ
れら部品および製品の薄肉化は避けられない状況にある
が、上記の従来熱間鍛造部材においては、強度および剛
性が未だ不十分であるために、所望の薄肉化をはかるこ
とができないのが現状である。
や製品の軽量化に対する要求は強く、これに伴ない、こ
れら部品および製品の薄肉化は避けられない状況にある
が、上記の従来熱間鍛造部材においては、強度および剛
性が未だ不十分であるために、所望の薄肉化をはかるこ
とができないのが現状である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述の観点から、高強度と高剛性を有するＴｉ合金熱間
鍛造部材を開発すべく研究を行なった結果、Ａｌ：７．
５〜１１％、 Ｍｏ：０．５〜３％、Ｚｒ：０．
５〜２％、 Ｓｉ：０．０１〜０．５％、を含
有し、残りがＴｉと不可避不純物からなる組成、並びに
β相の素地に等軸α相が７０〜９０面積％の割合で分布
した組織を有するＴｉ合金熱間鍛造部材は、上記の従来
Ｔｉ合金熱間鍛造部材に比して、一段と高い強度と剛性
を有するという研究結果を得たのである。
上述の観点から、高強度と高剛性を有するＴｉ合金熱間
鍛造部材を開発すべく研究を行なった結果、Ａｌ：７．
５〜１１％、 Ｍｏ：０．５〜３％、Ｚｒ：０．
５〜２％、 Ｓｉ：０．０１〜０．５％、を含
有し、残りがＴｉと不可避不純物からなる組成、並びに
β相の素地に等軸α相が７０〜９０面積％の割合で分布
した組織を有するＴｉ合金熱間鍛造部材は、上記の従来
Ｔｉ合金熱間鍛造部材に比して、一段と高い強度と剛性
を有するという研究結果を得たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、以下にＴｉ合金熱間鍛造部材の
成分組成および等軸α相の割合を上記の通りに限定した
理由を説明する。 （ａ） Ａｌ Ａｌ成分には、β相の素地に分布する等軸α相を多量に
形成し、もって強度と剛性を向上させる作用があるが、
その含有量が７．５％未満では形成される等軸α相の割
合が７０面積％未満になってしまい、所望の強度および
剛性を確保することができず、一方その含有量が１１％
を越えると、等軸α相の割合が９０面積％を越えて多く
なりすぎ、靭性が低下するようになって、熱間鍛造時に
割れが発生し易くなることから、その含有量を７．５〜
１１％、望ましくは８〜１０％と定めた。
なされたものであって、以下にＴｉ合金熱間鍛造部材の
成分組成および等軸α相の割合を上記の通りに限定した
理由を説明する。 （ａ） Ａｌ Ａｌ成分には、β相の素地に分布する等軸α相を多量に
形成し、もって強度と剛性を向上させる作用があるが、
その含有量が７．５％未満では形成される等軸α相の割
合が７０面積％未満になってしまい、所望の強度および
剛性を確保することができず、一方その含有量が１１％
を越えると、等軸α相の割合が９０面積％を越えて多く
なりすぎ、靭性が低下するようになって、熱間鍛造時に
割れが発生し易くなることから、その含有量を７．５〜
１１％、望ましくは８〜１０％と定めた。
【０００６】（ｂ） Ｍｏ Ｍｏ成分には、熱間鍛造性を向上させる作用があるので
不可欠な成分であるが、その含有量が０．５％未満では
所望の熱間鍛造性を確保することができず、一方その含
有量が３％を越えると剛性が低下するようになることか
ら、その含有量を０．５〜３％、望ましくは０．５〜
１．５％と定めた。
不可欠な成分であるが、その含有量が０．５％未満では
所望の熱間鍛造性を確保することができず、一方その含
有量が３％を越えると剛性が低下するようになることか
ら、その含有量を０．５〜３％、望ましくは０．５〜
１．５％と定めた。
【０００７】（ｃ） Ｚｒ Ｚｒ成分には、素地を形成するβ相を安定化し、もって
剛性を一段と向上させる作用があるが、その含有量が
０．５％未満では所望の剛性向上効果が得られず、一方
その含有量が２％を越えると強度が低下するようになる
ことから、その含有量を０．５〜２％、望ましくは０．
５〜１．５％と定めた。
剛性を一段と向上させる作用があるが、その含有量が
０．５％未満では所望の剛性向上効果が得られず、一方
その含有量が２％を越えると強度が低下するようになる
ことから、その含有量を０．５〜２％、望ましくは０．
５〜１．５％と定めた。
【０００８】（ｄ） Ｓｉ Ｓｉ成分には、強度を一段と向上させる作用があるが、
その含有量が０．０１％未満では所望の強度向上効果が
得られず、一方その含有量が０．５％を越えると熱間鍛
造割れが発生し易くなることから、その含有量を０．０
１〜０．５％、望ましくは０．０５〜０．２％と定め
た。
その含有量が０．０１％未満では所望の強度向上効果が
得られず、一方その含有量が０．５％を越えると熱間鍛
造割れが発生し易くなることから、その含有量を０．０
１〜０．５％、望ましくは０．０５〜０．２％と定め
た。
【０００９】（ｅ） 等軸α相 等軸α相の割合が、β相素地との合量に占める割合で７
０面積％未満では、上記の通り所望の強度および剛性の
確保は困難であり、一方その割合が９０面積％を越える
と熱間鍛造割れが発生し易くなることから、その割合を
７０〜９０面積％、望ましくは７５〜８５面積％と定め
た。
０面積％未満では、上記の通り所望の強度および剛性の
確保は困難であり、一方その割合が９０面積％を越える
と熱間鍛造割れが発生し易くなることから、その割合を
７０〜９０面積％、望ましくは７５〜８５面積％と定め
た。
【００１０】
【実施例】つぎに、この発明のＴｉ合金熱間鍛造部材を
実施例により具体的に説明する。水冷銅るつぼ使用の真
空高周波誘導炉を用い、それぞれ表１に示される成分組
成をもったＴｉ合金溶湯を調製し、鋳造して直径：１３
０mmφのインゴットとし、このインゴットに、大気中、
８５０〜１２００℃の範囲内の所定温度で熱間鍛造を施
すことにより直径：２０mmφの寸法を有する本発明Ｔｉ
合金熱間鍛造部材（以下、本発明鍛造部材という）１〜
９、比較Ｔｉ合金熱間鍛造部材（以下、比較鍛造部材と
いう）１〜５、および従来Ｔｉ合金熱間鍛造部材（以
下、従来鍛造部材という）をそれぞれ製造した。なお、
前記従来鍛造部材には、熱間鍛造後、温度：９２６℃に
３０分間保持後空冷と温度：７６５℃に２時間保持後空
冷の２重焼鈍を施した。上記の比較鍛造部材１〜５は、
いずれも合金成分のうちのいずれかの成分含有量（表１
に※印を付す）がこの発明の範囲から外れた組成をもつ
ものである。
実施例により具体的に説明する。水冷銅るつぼ使用の真
空高周波誘導炉を用い、それぞれ表１に示される成分組
成をもったＴｉ合金溶湯を調製し、鋳造して直径：１３
０mmφのインゴットとし、このインゴットに、大気中、
８５０〜１２００℃の範囲内の所定温度で熱間鍛造を施
すことにより直径：２０mmφの寸法を有する本発明Ｔｉ
合金熱間鍛造部材（以下、本発明鍛造部材という）１〜
９、比較Ｔｉ合金熱間鍛造部材（以下、比較鍛造部材と
いう）１〜５、および従来Ｔｉ合金熱間鍛造部材（以
下、従来鍛造部材という）をそれぞれ製造した。なお、
前記従来鍛造部材には、熱間鍛造後、温度：９２６℃に
３０分間保持後空冷と温度：７６５℃に２時間保持後空
冷の２重焼鈍を施した。上記の比較鍛造部材１〜５は、
いずれも合金成分のうちのいずれかの成分含有量（表１
に※印を付す）がこの発明の範囲から外れた組成をもつ
ものである。
【００１１】ついで、これらの鍛造部材から試験片を切
り出し、強度を評価する目的で引張強さを測定し、また
剛性を評価する目的で、横振動法によりヤング率を測定
した。これらの測定結果を表２に示した。また、表２に
は等軸α相の割合（３個所の平均値）も示した。
り出し、強度を評価する目的で引張強さを測定し、また
剛性を評価する目的で、横振動法によりヤング率を測定
した。これらの測定結果を表２に示した。また、表２に
は等軸α相の割合（３個所の平均値）も示した。
【００１２】
【表１】
【００１３】
【表２】
【００１４】
【発明の効果】表１，２に示される結果から、本発明鍛
造部材１〜９は、いずれも従来鍛造部材に比して一段と
高い強度を有し、かつ剛性も高い値を示すのに対して、
比較鍛造部材１〜５に見られるように合金成分のうちの
いずれかの成分含有量がこの発明の範囲から外れると、
強度または剛性の劣ったものになることが明らかであ
る。上述のように、この発明のＴｉ合金熱間鍛造部材
は、一段と高い強度と剛性を有するので、各種部品や製
品の薄肉化を可能とし、軽量化に寄与するばかりでな
く、高い反応力が求められるゴルフヘッドなどの機能を
向上させ、また複雑な形状への対応も可能となり、かつ
経済性の向上もはかれるなど工業上有用な効果をもたら
すものである。
造部材１〜９は、いずれも従来鍛造部材に比して一段と
高い強度を有し、かつ剛性も高い値を示すのに対して、
比較鍛造部材１〜５に見られるように合金成分のうちの
いずれかの成分含有量がこの発明の範囲から外れると、
強度または剛性の劣ったものになることが明らかであ
る。上述のように、この発明のＴｉ合金熱間鍛造部材
は、一段と高い強度と剛性を有するので、各種部品や製
品の薄肉化を可能とし、軽量化に寄与するばかりでな
く、高い反応力が求められるゴルフヘッドなどの機能を
向上させ、また複雑な形状への対応も可能となり、かつ
経済性の向上もはかれるなど工業上有用な効果をもたら
すものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成７年３月６日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００２
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００２】
【従来の技術】従来、一般に、強度と剛性が要求される
自動車部品や自転車部品、さらにゴルフクラブのヘッド
やシャフトなどとしてＴｉ合金熱間鍛造部材が適用され
ている。また、上記のＴｉ合金熱間鍛造部材として、例
えばＡＳＭ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ ４９１５Ｂ
に記載されるように、重量％で（以下、％は重量％を示
す）、Ａｌ：７．５〜８．５％、 Ｍｏ：０．７５
〜１．２５％、Ｖ：０．７５〜１．２５％、を含有し、
残りがＴｉと不可避不純物からなる組成、並びにβ相の
素地に等軸α相が６５〜８５面積％の割合で分布した組
織を有するものが知られてるいる。 ─────────────────────────────────────────────────────
自動車部品や自転車部品、さらにゴルフクラブのヘッド
やシャフトなどとしてＴｉ合金熱間鍛造部材が適用され
ている。また、上記のＴｉ合金熱間鍛造部材として、例
えばＡＳＭ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ ４９１５Ｂ
に記載されるように、重量％で（以下、％は重量％を示
す）、Ａｌ：７．５〜８．５％、 Ｍｏ：０．７５
〜１．２５％、Ｖ：０．７５〜１．２５％、を含有し、
残りがＴｉと不可避不純物からなる組成、並びにβ相の
素地に等軸α相が６５〜８５面積％の割合で分布した組
織を有するものが知られてるいる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成７年６月８日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００２
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００２】
【従来の技術】従来、一般に、強度と剛性が要求される
自動車部品や自転車部品、さらにゴルフクラブのヘッド
やシャフトなどとしてＴｉ合金熱間鍛造部材が適用され
ている。また、上記のＴｉ合金熱間鍛造部材として、例
えばＡＭＳ（ＡＥＲＯＳＰＡＣＥ ＭＡＴＥＲＩＡＬ
ＳＰＥＣＩＦＩＣＡＴＩＯＮ）４９１５Ｂに記載される
ように、重量％で（以下、％は重量％を示す）、Ａｌ：
７．５〜８．５％、 Ｍｏ：０．７５〜１．２５
％、Ｖ：０．７５〜１．２５％、を含有し、残りがＴｉ
と不可避不純物からなる組成、並びにβ相の素地に等軸
α相が６５〜８５面積％の割合で分布した組織を有する
ものが知られてるいる。
自動車部品や自転車部品、さらにゴルフクラブのヘッド
やシャフトなどとしてＴｉ合金熱間鍛造部材が適用され
ている。また、上記のＴｉ合金熱間鍛造部材として、例
えばＡＭＳ（ＡＥＲＯＳＰＡＣＥ ＭＡＴＥＲＩＡＬ
ＳＰＥＣＩＦＩＣＡＴＩＯＮ）４９１５Ｂに記載される
ように、重量％で（以下、％は重量％を示す）、Ａｌ：
７．５〜８．５％、 Ｍｏ：０．７５〜１．２５
％、Ｖ：０．７５〜１．２５％、を含有し、残りがＴｉ
と不可避不純物からなる組成、並びにβ相の素地に等軸
α相が６５〜８５面積％の割合で分布した組織を有する
ものが知られてるいる。
Claims (1)
- 【請求項１】 重量％で、 Ａｌ：７．５〜１１％、 Ｍｏ：０．５〜３％、 Ｚｒ：０．５〜２％、 Ｓｉ：０．０１〜０．
５％、 を含有し、残りがＴｉと不可避不純物からなる組成、並
びにβ相の素地に等軸α相が７０〜９０面積％の割合で
分布した組織を有することを特徴とする高強度および高
剛性を有するＴｉ合金熱間鍛造部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32137194A JPH08157988A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 高強度および高剛性を有するＴｉ合金熱間鍛造部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32137194A JPH08157988A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 高強度および高剛性を有するＴｉ合金熱間鍛造部材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08157988A true JPH08157988A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=18131824
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32137194A Pending JPH08157988A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 高強度および高剛性を有するＴｉ合金熱間鍛造部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08157988A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106636749A (zh) * | 2017-02-16 | 2017-05-10 | 燕山大学 | 一种获得钛合金马氏体组织的方法 |
| JP2021066925A (ja) * | 2019-10-21 | 2021-04-30 | 日本製鉄株式会社 | チタン合金丸棒およびコネクティングロッド |
-
1994
- 1994-11-30 JP JP32137194A patent/JPH08157988A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106636749A (zh) * | 2017-02-16 | 2017-05-10 | 燕山大学 | 一种获得钛合金马氏体组织的方法 |
| JP2021066925A (ja) * | 2019-10-21 | 2021-04-30 | 日本製鉄株式会社 | チタン合金丸棒およびコネクティングロッド |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030304 |