JP2022502568A - 中強度と高延性を備えたチタン合金 - Google Patents

中強度と高延性を備えたチタン合金 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はチタン合金組成物を提供する。【解決手段】合金は、重量パーセント(wt%)で、5.7〜8.0%のバナジウム、0.5〜1.75%のアルミニウム、0.25〜1.5%の鉄、0.1〜0.2%の酸素、0.15%以下のシリコン、0.1%以下の炭素、0.03%未満の窒素を含む。一形態では、チタン合金の0.2%降伏強度は600〜850MPa、極限引張強さは700〜950MPa、破断までの伸び率は20〜30%、断面減少率は40〜80%、シャルピUノッチ衝撃エネルギが30〜70J、および/またはシャルピVノッチ衝撃エネルギが40〜150Jである。【選択図】 図1

Description

関連出願のクロスリファレンス
[0001]
この出願は、2018年9月25日に提出された仮出願番号62/736,229の優先権および利益を主張する。上記出願の開示は、参照により本明細書に包含される。
[0002]
本開示は、チタン合金、より具体的には、高められた強度および市販の合金に匹敵する延性を有するチタン合金に関する。
[0003]
本欄で述べることは、本開示に関連する背景情報を単に提供するだけでのものであり、先行技術を構成しない場合がある。
[0004]
チタン基合金(本明細書中では単に「チタン合金」という)、最も一般的には、Ti-6Al-4V(6重量%のアルミニウムおよび4重量%のバナジウムを成分として含む)として記載されるチタン合金は、航空機構造および鋼および他のエンジニアリング合金によって提供されるより高い強度対重量比を必要とする他の製品に一般的に使用されている。米国特許第3,802,877号(「877特許」)によれば、(業界基準のTi-6Al-4Vと比べて)高強度のチタン合金を製造するために、成分としてバナジウム、アルミニウム、および鉄を含み、任意に他の元素を含むチタン合金を使用することができる。しかしながら、877特許は、降伏強度(YS)が1038MPaを超える準安定ベータチタン合金を製造するために、合金元素の含有量が比較的高いものを開示しているため、コストが高くなる。
[0005]
本開示は、高強度チタン合金に関連する他の問題の中でも、これらのより高いコストに対処するものである。
[0006]
本開示の一実施形態では、(重量%で)5.7〜8.0%のバナジウム、0.5〜1.75%のアルミニウム、0.25〜1.5%の鉄、0.1〜0.2%の酸素、0.15%以下のシリコン、0.1%の炭素および0.03%未満の窒素を含むチタン合金が提供される。本開示のいくつかの変形例では、バナジウムは5.9〜8%の間、例えば、6.1〜8%の間である。他の実施形態では、バナジウムは6.8〜7.8%、アルミニウムは0.9〜1.5%、鉄は0.5〜1.1%、酸素は0.12〜0.19%、シリコンは0.12%以下である。一変形例では、バナジウムは7.3%、アルミニウムは1.2%、鉄は0.8%、シリコンは0.05%、および酸素は0.16%である。さらに他の変形例では、チタン合金は、7.2%のバナジウム、1.2%のアルミニウム、0.8%の鉄、0.15%の酸素、0.05%のシリコンを含有し、炭素および窒素は不純物程度まで低減される。
[0007]
一実施形態では、チタン合金は、600〜850MPaの0.2%塑性変形(すなわち、0.2%YS)での降伏強度(YS)、700〜950MPaの極限引張強さ、20〜30%の破断伸び率(破断までのパーセント伸び)、40〜80%の断面減少率、30〜70J JのシャルピUノッチ衝撃エネルギ、および/または40〜150JのシャルピVノッチ衝撃エネルギを有する。例えば、チタン合金は、650〜850MPaの0.2%降伏強度、750〜950MPaの極限引張強さ、22〜30%の破断伸び率、55〜75%の断面減少率、40〜60JのシャルピUノッチ衝撃エネルギ、および/または60〜100JのシャルピVノッチ衝撃エネルギを有する。
[0008]
本開示の他の形態では、チタン合金を製造するための方法が提供される。この方法は、(重量%で)5.7〜8%のバナジウム、0.5〜1.75%のアルミニウム、0.25〜1.5%の鉄、0.1〜0.2%の酸素、0.15%以下のシリコン、0.1%以下の炭素、および0.03%未満の窒素を含有する本開示範囲内の化学組成のインゴットを溶融し、形成することを含む。この方法の変形例では、インゴットをベータ鍛造および圧延して中間生産物(例えば、プレートまたはスラブ)を形成すること、プレートまたはスラブをアルファベータ圧延して製品を形成すること、前記製品をアルファベータ溶体化熱処理(SHT)すること、およびSHT処理した製品を応力緩和すること、を含む。本開示のいくつかの形態において、応力緩和された製品は、600〜850MPaの0.2%降伏強度、700〜950MPaの極限引張強さ、20〜30%の破断伸び率、40〜80%の断面減少率、30〜70JのシャルピUノッチ衝撃エネルギ、および/または40〜150JのシャルピVノッチ衝撃エネルギを有し得る。例えば、応力緩和した製品は、650〜850MPaの0.2%降伏強度、750〜950MPaの極限引張強さ、22〜30%の破断伸び率、55〜75%の断面減少率、40〜60JのシャルピUノッチ衝撃エネルギ、および/または60〜100JのシャルピVノッチ衝撃エネルギを有することができる。
[0009]
本開示の一形態では、チタン合金製造方法は、サイジング、ストレート矯正または平坦化矯正のためにプレートを再加熱し、500℃〜650℃範囲の温度で製品を応力緩和することを含む。また、少なくとも50%断面積に断面減少させるためにプレートまたはスラブをアルファベータ圧延することによって、その後にサイジング、ストレート矯正、平坦化矯正、および応力緩和するために500℃〜600℃範囲の温度で製品を再加熱することによって、製品のシャルピ衝撃エネルギが増加する。また、代替え的または付加的な他の製造方法では、断面積を最小50%まで減少させるためにプレートまたはスラブをアルファベータ加工し、サイジングするためにプレートをベータトランザスより50℃〜150℃低い温度に再加熱し、ストレート矯正または平坦化矯正するために製品を前記ベータトランザスより30℃〜100℃低い温度に溶体化熱処理し、改善された強度が得られる(強度が向上する)ように所望の速度で冷却し、500℃〜650℃範囲の温度で応力緩和することによって、製品の引張延性が向上する。
[0010]
チタン合金の一形態中のバナジウム含有量は、重量%で、5.7〜8.0%の範囲、例えば5.9〜8.0%範囲である。また、一形態のチタン合金では、バナジウムは6.8〜7.8%、アルミニウムは0.9〜1.5%、鉄は0.5〜1.1%、酸素は0.12〜0.19%、およびシリコンは0.12%以下の含有量(重量%)である。本開示の1つの変形例では、バナジウムは7.3%、アルミニウムは1.2%、鉄は0.8%、シリコンは0.05%、および酸素は0.16%の含有量(重量%)である。本開示の他の形態では、チタン合金は、重量%で、7.2%のバナジウム、1.2%のアルミニウム、0.8%の鉄、0.15%の酸素、0.05%のシリコンを含有し、炭素および窒素は不純物程度に低減される。
[0011]
本発明のさらなる適用性の領域は、本明細書で提供される記述説明から明らかにされるものである。本明細書の説明および特定の例は、例示することのみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことが理解される。
[0012]
開示が十分に理解され得るようにするために、添付の図面を参照して、ここで、例として与えられる様々な実施の形態を説明する。
[0013]
図1は、本開示の教示によるアルファベータチタン合金の後方散乱電子画像を示す図である。
[0014]
以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、適用、または使用を制限することを意図するものではない。図面全体を通して、対応する参照番号は、同様のまたは対応する部品および特徴を示していることが理解される。当業者に開示の範囲を完全に伝えるために例が提供される。本開示の変形の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、デバイス、および方法のタイプなど、多数の特定の詳細が示されている。特定の詳細を使用する必要がなく、本明細書で提供される例が代替の実施形態を含み得、本開示の範囲を限定することを意図しないことは当業者には明らかであろう。いくつかの例では、よく知られた周知のプロセス、周知のデバイス構造、周知の技術は詳細に説明されていない。
[0015]
本開示は、一般に、所望の性能が、衝撃、爆発性爆風、または他の形態の衝撃荷重を含む、部品の変形中に吸収されるエネルギに関連する用途で使用するためのチタン(Ti)合金に関する。本明細書に含まれる教示に従って製造および使用されるチタン合金は、そのような過酷な用途で使用される場合、性能向上および/またはコスト節減を提供する。チタン合金は、本開示の教示をより完全に説明するために、航空機エンジン封止ケーシングでの使用と併せて本開示全体を通して説明される。航空機(ジェットなど)のエンジン封止ケーシングで使用される場合、チタン合金は通常、ファンブレードを囲み、そのコンポーネントの適用に失敗した場合にブレードの封じ込めを維持するリングの形状を採る。合金が衝撃、爆発性爆風、または他の形態の衝撃荷重にさらされる可能性がある他のタイプの用途と組み合わせたチタン合金の組み込みおよび使用は、本開示の範囲内である。
[0016]
本開示の教示に従って調製されたチタン合金は、エンジン封じ込めに一般的に使用される従来のチタン合金に比べて全体的な改善を提供するいくつかの特性または特性のバランスを有する。すべての特性は、製造シミュレーション処理技術を用いて、種々の熱処理条件下で調整準備されたサンプルから取得される。本開示のチタン合金によって示される特性および関連する範囲には、(a)600〜850MPaの降伏強度(YS)、(b)700〜900MPaの極限引張強さ(UTS)、(c)20〜30%の破断までの伸び率、および(d)40〜80%の破断面の断面減少率、が含まれる。本発明のチタン合金は、これらの特性の多くが相互に影響を受けるため、上記範囲内の諸特性を示す。例えば、本発明のチタン合金が示す機械的特性とテクスチャー特性は、合金の弾道衝撃抵抗に影響を与える。
[0017]
合金を衝撃、爆発性爆風、または他の形態の衝撃荷重にさらされる用途に使用されるTi-6Al-4V合金などの従来のチタン合金と比較して、本開示のチタン合金は、パフォーマンスの向上および製造コストの節減の両方を提供する。本開示のチタン合金配合物は、機械加工において優れた作業性と被削性を示すばかりでなく、高ひずみ速度条件下で優れたエネルギ吸収をも示す。性能と製造能力のこの組み合わせにより、これらのチタン合金から形成された封止システムと機能部品の設計が可能になり、高速または弾道衝撃の封じ込めが最も低い実用コストで重要になる。また、Ti-6Al-4V合金などのような多くのチタン合金は、アルミニウム当量が高く、主要な変形メカニズムとして<a>すべりを促進する。比較してみると、本開示のアルミニウム当量は従来品よりもはるかに低く、それにより、双晶および<c+a>すべり等の代替の変形メカニズムを促進し、機械加工性の改善および迅速なエネルギ吸収を促進する(例えば、二元アルファチタン双晶に対するアルミニウムの影響、フィッツナー等、バイオマテリアル雑誌103:341-351、2016年1月、およびアルファチタンの双晶による変形に対するアルミニウムの影響、フィッツナー等)。
[0018]
本開示によるチタン合金は、その強度および/または耐食性が、爆風、衝撃荷重、または弾道衝撃を受ける場合でさえ重要な設計基準ではなく、用途に適切である部品製造におけるそれらの利点のために、経済的理由で使用するためにも選択され得る。
[0019]
本開示は、Ti-6Al-4V合金と比較して延性が向上し、他の市販のチタン合金と比較して強度が向上したチタン合金について説明している。特に、本開示には、Ti-6Al-4V合金および他の市販のチタン合金と比べて、より低いレベルのアルミニウムおよびより高いレベルのVを有するチタン合金を記載している。本明細書に記載のチタン合金は、焼きなましおよび空冷(AC)状態で、より高い延性およびより低い強度、例えば、22%〜30%の延性と700 MPa〜830MPaの降伏強度とを示し、一般にTi-6Al-4V合金より高い延性およびより低い強度を示す。また、本明細書に記載のチタン合金は、他の市販のチタン合金とほぼ同じ延性およびより大きな強度を示す。本開示で説明される合金は、所望の構成要素が爆風および衝撃損傷などの高ひずみ速度イベントによって決定され、比強度が延性およびシャルピ衝撃エネルギなどの材料パラメータとバランスをとられる「故障までの単一荷重」用途において利点を有する。
[0020]
市販の利用可能なチタン合金に関して、本開示に一般的に割り当てられ、参照により本明細書に包含される米国特許第10,000,838号は、公称組成が(重量%で)Ti,0.85Al,3.9V,0.25Si,0.25Fe,0.15Oであり、低コストでパフォーマンスの向上を実現するために製造される「故障に対する単一負荷」用途向けの部品を可能とするTi-407合金として商業的に知られており、商標TIMETAL407合金(登録商標)で販売されているチタン合金を開示している。本開示は、Ti-407合金とTi-6Al-4V合金との中間の降伏強度を有し、一般にTi-407合金と同等であり、Ti-6Al-4V合金よりも大きい延性を有するチタン合金を含む。
[0021]
本開示の一形態では、チタン合金の組成は、(重量%で)5.7〜8.0%のV,0.5〜1.75%のAl,0.25〜1.5%のFe,0.1〜0.2%のO、および0.15%以下のSiを含有し、残部がチタンおよび不可避不純物である。例えば、本開示で開示されるチタン合金の組成は、(重量%で)6.8〜7.8%のV、0.9〜1.5%のAl、0.5〜1.1%のFe、0.12〜0.19%のO、および0.12%以下のSiを含むことができ、残部がチタンおよび不可避不純物である。本開示の一形態では、チタン合金は、Ti,7.3%V,1.2%Al,0.8%Fe,0.05%Si,0.16%O、および不可避不純物の公称組成(重量%)をもつことができる。
[0022]
本開示の他の形態では、チタン合金の組成は、(重量%で)5.7〜8.0%のV,0.5〜1.75%のAl,0.25〜1.5%のFe,0.1〜0.2%のO,0.15%以下のSi,0.5%以下のSn,0.25%以下のMo,および0.25%以下のCrを含み、残部がチタンおよび不可避不純物である。
[0023]
本明細書に開示されるチタン合金は、アルファベータチタン合金として処方することができる。すなわち、本明細書に開示されるチタン合金は、チタン合金の従来の工業的に確立された溶融方法のいずれかによって溶融され、次いでベータ鍛造および/または圧延され、引き続きアルファ+ベータ相温度域で鍛造および/または圧延され、そしてアルファベータ相温度域での熱処理が施される。合金の延性は、鍛造および/または圧延によって改善され、アルファ+ベータ相の温度域で断面積が少なくとも50%減少し、引き続き応力緩和熱処理が行われ、必要に応じて溶体化熱処理が行われる。得られた微細構造は、変態したベータ相(二次アルファ相)のマトリックス中の一次アルファ相の微細なバイモーダル微細構造を含み、いくらかの残留ベータ相が図1中に示されている。
[0024]
本開示の一形態では、チタン合金は、Ti-407合金に対してほぼ同等の延性とシャルピ衝撃エネルギを維持しながら、Ti-407合金(550MPa以上の0.2%降伏強度)と比較して強化された強度(例えば、600MPa以上の0.2%降伏強度)を提供する。チタン合金では、一般的には強度の増加は延性およびシャルピ衝撃エネルギの減少を伴うので、延性を低下させることなくそのような強度の増加は驚くべき結果であることが理解される。
[0025]
本明細書に開示されるチタン合金の強度は、他の多くのチタン合金と同様に、アルファベータ相の温度域での最後の熱操作、およびその操作からの冷却速度に実質的に依存してもよい。特に、アルファベータ相の温度域での最後の熱操作からの急冷は、より高い強度を提供できる微細なマルテンサイト二次アルファを生成し得る。一例では、28ミリメートル(mm)の正方形ブロックを溶体化処理し、油焼入れし、次いで応力緩和したところ、そのブロックは940MPaの0.2%降伏強度を示した。また、アルファベータ相の温度域での最後の熱操作からの冷却が十分に遅いと、一次アルファ相と保持ベータ相のバイモーダル微細構造が生じて、その結果、より低い強度で、より高い延性とシャルピ衝撃エネルギとなり、より低い弾性率となった。アルファベータ相温度域での最後の熱操作からの十分に遅い冷却のための冷却速度の非限定的な例には、空冷を含むことができる200℃/分以下の冷却速度が含まれる。
[0026]
バナジウム(V)および鉄(Fe)がチタン合金に添加されるとき、それらはベータ相安定剤として作用することが理解される。特に、Vはアルファ相チタンにある程度溶解する同形ベータ安定剤であり、Feはアルファ相チタンに高い拡散速度と低い溶解度を示す共晶形成ベータ安定剤である。したがって、本明細書に開示されるチタン合金がアルファプラスベータ相の温度域で熱処理される場合、Feは実質的にベータ相に分配される。VとFeは両方とも(独立してまたは組み合わせて)固溶体強化を介して本明細書に開示されるチタン合金の強度に寄与するが、VとFeは、所定の冷却速度でベータ相領域からアルファ相領域に冷却する際に、変態生成物を精製するのに役立つ可能性があり、本明細書に開示されるチタン合金中のより少ない量のVとFeは、合金の所望のより低い強度レベルを引き出すことができる。また、VとFeは、ベータ体心立方相が、アルファ六方相に比べて、高いひずみ速度でさえ大きなひずみに対応するため、微細構造における保持されたベータ相を促進することによって、本明細書に開示されるチタン合金の延性を高める。したがって、本明細書に開示されるチタン合金中のより低いレベルのV含有量は、(重量%で)5.5%、5.7%、6.0%、6.4%または6.8%である。また、本明細書に開示されるチタン合金中のより低いレベル(重量%)のFeは、0.25%、0.3%、0.4%、または0.5%である。
[0027]
代わりに、チタン合金のVおよびFeの含有量が高すぎると、合金の延性およびシャルピ衝撃エネルギが低下するおそれがあり、特定の条件下では、熱処理による冷却が遅いと、ベータ相と弾性率が望ましくないほど低い合金が高い割合で保持されるおそれがある。また、その後の時効熱処理は、特にアルミニウム含有量が範囲の下限にある場合、オメガ相形成による脆化の仮想的な危険性が現われる。さらに、チタン合金中の高Fe含有量は、製造上の課題、特にインゴット凝固中の化学的偏析、およびコールドハース溶解法によるインゴット鋳造からのドローダウン中のインゴット表面に引き裂きが現われる。これらの考慮事項により、本明細書に開示されるチタン合金は、そのような問題を回避することを試みるために最大のVおよびFe含有量を有する。したがって、本明細書に開示されるチタン合金中のVの最大含有量(重量%)は、8.0%、7.8%、7.5%または7.3%である。また、本明細書に開示されるチタン合金中のFeの最大含有量は、(重量%で)1.5%、1.25%、1.1%、または0.8%である。
[0028]
アルミニウム(Al)および酸素(O)は、当該技術分野ではチタン合金のアルファ相安定剤として知られていることも理解しておくべきである。また、Alは置換合金元素であり、Oは格子間合金元素である。本明細書に開示されるチタン合金において、AlおよびOは、特にアルファ相を強化する際の強化元素であり、これらの元素の最小含有量は、合金の所望の最小強度レベルから導き出され得る。したがって、本明細書に開示されるチタン合金中のAlの最小含有量(重量%)は、0.5%、0.7%、0.9%、1.1%または1.2%である。また、本明細書に開示されるチタン合金中のOの最小含有量(重量%)は、0.1%、0.12%、0.14%、または0.16%である。
[0029]
代わりに、チタン合金のAlおよびO含有量が高すぎる場合、合金の延性およびシャルピ衝撃エネルギが低下する可能性がある。シャルピ衝撃エネルギは、酸素含有量にとくに敏感であり、本開示に開示されるいくつかの実験組成物は、標準ひずみ速度での室温引張試験において良好な延性を示すが、シャルピ衝撃エネルギは低い。このような結果は、格子間合金元素とチタン合金の転位との間のひずみ速度に依存する相互作用の結果であると理解され、最大のAlとOの含有量はこれらの考慮事項に基づいて設定され得る。したがって、本明細書に開示されるチタン合金中のAlの最大含有量(重量%)は、1.75%、1.6%、1.5%、1.4%または1.2%である。また、本明細書に開示されるチタン合金中のOの最大含有量(重量%)は、0.2%、0.19%、0.18%、または0.16%である。
[0030]
シリコン(Si)は、溶液強化とケイ化チタンの析出物の形成との組み合わせによってチタン合金に強度を加えることが知られている。但し、Siはシャルピ衝撃エネルギに対して重大な悪影響を与える可能性がある。したがって、本明細書に開示されるチタン合金中のSiの最大含有量(重量%)は、Ti-407合金のSi含有量と比べて減少している0.25重量%の公称Si含有量であり、0.12%、0.10%、0.075%、または0.05%である。本開示の一形態では、名目上のSi含有量は、いくつかの原材料中のSiの発生およびこの不純物を調整したいという願望の認識に含まれる。
[0031]
炭素(C)および窒素(N)もまた、酸素およびシリコンのように、チタン合金のシャルピ衝撃エネルギに敏感な影響を与える侵入型不純物である。標準ひずみ速度での室温引張試験で測定した場合、CとNがチタン合金の延性に大きな影響を与えないレベルでも、CとNはシャルピ衝撃エネルギの低下をもたらす可能性がある。したがって、本明細書に開示されるチタン合金中のCの最大含有量(重量%)は、0.1%、0.08%、0.06%、0.04%、または0.02%である。また、本明細書に開示されるチタン合金中のNの最大含有量(重量%)は、0.03%(300重量%)、0.02%、または0.01%である。また、総含有量C+O+Siの総含有量は、チタン合金のシャルピ衝撃エネルギに影響を及ぼす。例えば、本開示のいくつかの変形例では、0.4%以下のC+ O+Siの総含有量を有するチタン合金は、少なくとも25JのUノッチシャルピ衝撃エネルギを有する。
[0032]
少量の他の元素(例えば、1%未満、0.5%未満、または0.25%以下)がチタン合金中に存在する可能性があり、本開示のチタン合金の範囲外にはならないと理解すべきである。例えば、モリブデン(Mo)やクロム(Cr)などのベータ安定剤は、0.5Moおよび0.5%Crまでの合金に存在する可能性がある。少なくとも1つの変形例では、チタン合金は、最大0.25%のMoおよび/または最大0.25%のCrを含む。また、スズ(Sn)は、本明細書に開示されるチタン合金中に1.0%まで存在し得る。他の変形例では、チタン合金は最大0.5%のSnを含む。
[0033]
以下の特定の例は、本開示の教示に従って調製されたチタン合金の組成、特性、および使用を説明するために与えられており、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本開示に照らして当業者は、本明細書に開示される特定の実施例において多くの変更を行うことができ、それでも開示の精神または範囲から逸脱することなく、またはそれを超えることなく同様または同様の結果を得ることができることを理解するであろう。
[0034]
例1
[0035]
非消費型アルゴンアーク溶解によって比較チタン合金0.4ポンド(lbs.)(0.18kg)の「ボタン」インゴットのシリーズを製造し、次いでベータ鍛造と圧延の組み合わせによって、次いでアルファベータ圧延し、引き続きベータトランザス温度より25℃低い温度で1時間(hr.)のアルファベータ溶体化処理し、800℃で8時間の応力緩和することによって、前記ボタンインゴットを0.5インチ(12.7mm)の正方形角棒に形状変換した。インゴットの化学組成(すなわち、目標化学組成)および0.5インチ(12.7mm)の正方形角棒での機械試験結果を以下の表1に示す。ここで「Elong‘n5.65√A」とは、ゲージ長がゲージ面積の平方根の5.65倍であるサンプルまたは試験片の伸びの百分率をいう。また、「Elong‘n4D」とは、ゲージ長がゲージ面積の4倍であるサンプルまたは試験片の伸びの百分率をいう。
Figure 2022502568
[0036]
表1の機械的試験結果の分析は、BS EN ISO 148-1:2016年基準に従って実施した全てのシャルピ衝撃エネルギ試験で5mmUノッチサンプルについて試験されたシャルピ衝撃エネルギに最も強い負の影響を与える合金元素を示す。例えば、Si,C,および/またはOの含有量が高い0.5インチ(12.7mm)の正方形角棒(MT6850、MT6852)は、10J未満のシャルピ衝撃エネルギを示した。これらの結果は、改善されたシャルピ衝撃エネルギと組み合わせて、所望の強度および延性を与えることを目的とした追加のサンプルの配合を可能にした。
[0037]
例2
[0038]
本開示によるチタン合金0.4ポンド(0.18kg)のボタンインゴットのシリーズを製造し、500℃で8時間の時効を除いて、例1で使用した方法によって0.5インチ(12.7mm)の正方形角棒に形状変換した。インゴットの化学組成と0.5インチ(12.7mm)正方形角棒での機械的試験結果を表2に示す。
Figure 2022502568
[0039]
表2に示すように、本開示の合金は、例1の比較合金(表1)と比べて強度、延性、およびシャルピ衝撃エネルギの優れた組み合わせを示している。例えば、表1の合金の平均シャルピ衝撃エネルギが19.1Jであったのに比べて、表2の合金の平均シャルピ衝撃エネルギは42.7Jであった。さらに、表3に示す米国特許第10,000,838号の空冷+500℃×8時間の時効処理を施したTi-407合金のA-1〜A-8、A-10〜A-17、およびA-24が622.5MPaの平均0.2%降伏強度(0.2%YS)、703MPaの平均極限引張強度(UTS)、破断までに25.3%の平均4D伸び率であるのに比べて、同じ空冷+500℃×8時間の時効処理を施した本発明の合金(すなわち、サンプル3181、3183〜3186)は、789.7MPaの平均0.2%降伏強度(0.2%YS)、895.3MPaの平均極限引張強度(UTS)、破断までに26.4%の平均4D伸び(%)を示している。
Figure 2022502568
[0040]
例2からのデータは、同じ組成を有してはいるが、異なる冷却速度にさらされて著しく異なる機械的特性をもつ試料も示す。特に、試料3181と3182は、Ti、1.25Al、0.8Fe、7.0V、0.03C、0.8Si、および0.16Oの同じ合金組成(重量%)を有している。試料3181は、溶体化熱処理(SHT)、80℃/分の冷却速度の空冷(AC)、500℃の時効/応力緩和処理が施され、790.5MPaの平均0.2%降伏強度(0.2%YS)、897MPaの平均極限引張強さ(UTS)、25.0%の破断までの平均4D伸び率、66.5%の平均断面減少率、42.0Jの平均シャルピUノッチ衝撃エネルギをそれぞれ示した。試料3182VCは、溶体化熱処理(SHT)し、30℃/分の冷却速度でバーミキュライト冷却(VC)、500℃で時効/応力緩和処理が施され、707MPaの平均0.2%降伏強度、817.5MPaの平均極限引張強さ、27.5%の平均4D伸び率、および67.2%の平均断面減少率をそれぞれ示した。試料3182OQは、溶体化熱処理し(SHT)、500℃/分の冷却速度で油焼入れ(QC)、500℃で時効/応力緩和処理が施され、932MPaの0.2%降伏強度、1039MPaの極限引張強さ、21.5%の破断までの4D伸び率、および63.5%の断面減少率をそれぞれ示した。このように、バーミキュライト冷却サンプル(試料3182VC)と比べて空冷サンプル(試料3181)の冷却速度が速いと、空冷サンプルの強度が高くなり、延性が低くなる。同様に、空冷サンプル(試料3181)と比べて油焼入れサンプル(試料3182OQ)の冷却速度が速いと、油焼入れサンプルの強度が高くなり延性が低くなる。
[0041]
例3
[0042]
Ti、0.95Al、7.0V、0.8Fe、0.08Si、0.03C、0.16Oの組成(重量%)を有する本開示による複数のチタン合金0.4ポンド(0.18kg)ボタンインゴットは、例1で用いた方法で製造され、0.5インチ(12.7mm)の正方形角棒に形状変換された。0.5インチ(12.7mm)の正方形角棒を溶体化熱処理(SHT)し、バーミキュライト冷却(VC)し、空冷(AC)または油焼入れ(OQ)冷却した後に、機械試験を実施した。以下の表4に、VC、AC、およびOQで冷却されたサンプルの機械的テスト結果を示す。示されているように、これらのサンプルは、例1の合金と比べて強度、延性、およびシャルピ衝撃エネルギの優れた組み合わせを示しており、合金の機械的特性に対する溶体化熱処理(SHT)からの冷却速度の影響が認められる。
Figure 2022502568
[0043]
特に、VC冷却試料(MT7380、MT7381)は、678MPaの平均0.2%YS、790MPaの平均UTS、28.8%の破断までの平均4D伸び率、68.3%の平均断面減少率であった。空冷(AC)冷却試料(MT7382、MT7283)は、751.5MPaの平均0.2%YS、862.5MPaの平均UTS、26.5%の破断までの平均4D伸び率、71%の断面減少率であった。OQ冷却試料(MT7284、MT7285)は、902MPaの平均0.2%YS、1010.5MPaの平均UTS、22%の平均4D伸び率、および67.5%の平均断面減少率であった。このように、冷却速度が速くなると、0.2%降伏強度および極限引張強さが増加し、破断するまでの4D伸び率が減少する。驚くべきことに、この合金の空冷(AC)は、断面減少率によって測定されたように、強度の増加および延性の増加をともにもたらす結果となった。
[0044]
例4
[0045]
本開示の範囲内の組成(すなわち、Ti,1.0Al,7.5V,0.7Fe,0.02Si,0.02C,0.15O)(重量%)を有する本開示の一連のチタン合金0.4ポンド(0.18kg)のボタンインゴットのシリーズを製造し、例1で使用した方法によって0.5インチ(12.7mm)の正方形角棒に形状変換し、これらを種々の処理条件にさらした後に、機械試験を行なった。特に、以下の表5に示すように、圧延されたままの0.5インチ(12.7mm)の正方形角棒、種々の温度で応力緩和された0.5インチ(12.7mm)の正方形角棒、溶体化熱処理され、かつ空冷(AC)とバーミキュライト冷却(VC)で冷却され、かつ500℃で8時間の時効処理された0.5インチ(12.7mm)の正方形角棒を、それぞれ機械試験した。
Figure 2022502568
[0046]
表5に示すように、2時間525℃、575℃および625℃で応力緩和された0.5インチ(12.7mm)の角棒は、SHT、ACまたはVC冷却し、かつ500℃で8時間時効処理した試料と比較して、機械的特性が改善されること、とくにシャルピ衝撃エネルギが改善されることが判明した。このように、500℃〜650℃範囲の温度で応力緩和した0.5インチ(12.7mm)の正方形角棒は、溶体化熱処理(SHC)し、空冷(AC)し、500℃で8時間時効処理した0.5インチ(12.7mm)の正方形角棒と比べて、合金のシャルピ衝撃エネルギが77%も向上した。
[0047]
例5
[0048]
本開示の合金および比較チタン合金(比較合金)の一連の直径8インチ(203.2mm)、公称56ポンド(25.4kg)の真空アーク再溶解(VAR)インゴットのシリーズを作製し、ベータ鍛造とアルファベータ鍛造と圧延との組み合わせ加工を施し、続いてベータトランザス温度より25℃低い温度で1時間(hr.)のアルファベータ溶体化熱処理することによって、これらを0.5インチ(12.7mm)厚板にそれぞれ形状変換した。0.5インチ(12.7mm)のプレートを、溶体化熱処理(SHC)し、バーミキュライト冷却(VC)し、550℃で4時間応力緩和した。バーミキュライト冷却(VC)を介した徐冷は、工業規模で処理された材料を代表するために選択されたものであり、より厚い部分では実験室サンプルの空冷(AC)で経験される冷却速度よりも冷却速度が遅くなる。表6には、本開示範囲内および本開示範囲外の合金組成の範囲を、プレートからの機械的試験結果とともにそれぞれ示している。
Figure 2022502568
[0049]
示されるように、本開示範囲内の組成を有するチタン合金は、622〜787MPaの0.2%降伏強度、721〜885MPaの極限引張強さ、23.5〜28.0%の破断までの4D伸び率、49.3〜69.6%の断面減少率、36〜65JのUノッチシャルピ衝撃エネルギ、および42〜130JのVノッチシャルピ衝撃エネルギを示した。これに対して、本開示範囲外の比較チタン合金は、36J未満のシャルピUノッチ衝撃エネルギを示した。このように、V8778、V8782、およびV8787などの合金は、少なくとも700MPaの0.2%降伏強度、少なくとも800MPaの極限引張強さ、少なくとも100GPaの弾性率(ヤング率)、少なくとも20%の破断4D伸び率、少なくとも40JのUノッチシャルピ衝撃エネルギ、および少なくとも70JのVノッチシャルピ衝撃エネルギをそれぞれ示す。
[0050]
例6
[0051]
以下の表7に示されるチタン合金組成物に対して旋盤の被削性試験をそれぞれ実施した。とくに、15分以内に摩耗する切削工具の速度を指し示す目安となる被削性V15テストを実施した。C5-DCLNL-35060-12ホルダを持つCNMG 12 04 08-23 H13Aプログレッシブツールインサートを用いる可変速外径旋削加工により、送り速度を0.1mm/revとし、半径方向の切込み深さを2mmとした。変形メカニズムにおけるアルミニウム含有量の役割とその被削性への影響を下表に示し、本開示に従って調製されたチタン合金は、従来のTi-6Al-4V合金の被削性V15と比べて少なくとも150%の改善向上となる115m/分を超える被削性V15旋削ベンチマークを示す。このように、本開示のチタン合金は、従来のチタン合金よりも改善された加工性能を示す。
Figure 2022502568
[0052]
本開示は、Ti−6V−4Al合金と比べて延性が向上し、かつTi−407合金と比べて強度が向上したチタン合金を提供する。本開示のいくつかの形態では、チタン合金は、600〜850MPaの0.2%降伏強度、700〜950MPaの極限引張強さ、20〜30%の破損までの伸び率、40〜80%の断面減少率、30〜70JのシャルピUノッチ衝撃エネルギ、および/または40〜150JのシャルピVノッチ衝撃エネルギをそれぞれ有する。したがって、そのような本開示のチタン合金は、衝撃、爆発的爆風、または航空機エンジン格納ケーシングでの使用などの他の形態の衝撃荷重を含む、部品の変形中に高エネルギを吸収する必要がある用途に使用することができる。
[0053]
本明細書で使用される場合、A、B、およびCの少なくとも1つの句は、非排他的論理論理和を使用して、論理論理和(AまたはBまたはC)を意味するものと解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
[0054]
特に明記しない限り、機械的/熱的特性、組成の百分率、寸法および/または公差を示す全ての数値または他の特徴は、本開示の範囲を説明する際に「約」または「おおよそ」という言葉によって修正されたものとして理解されるべきである。この変更は、産業慣行、製造技術、テスト機能など、さまざまな理由で望まれています。
[0055]
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈で明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している場合がある。「含む」および「有する」という用語は包括的であり、したがって、述べられた特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を明示するものではあるが、1つまたは複数の他の機能、整数、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。本明細書に記載の方法のステップ、プロセス、および操作は、性能の順序として具体的に特定されない限り、説明または図示された特定の順序でそれらの性能を必ずしも必要とすると解釈されるべきではない。追加または代替のステップを使用できることも理解されたい。
[0056]
本開示の説明は、本質的に単なる例示であり、したがって、本開示の実体から逸脱しない例は、本開示の範囲内にあることが意図されている。そのような例は、開示の精神および範囲からの逸脱と見なされるべきではない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示には特定の例が含まれているが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の修正が明らかになるため、開示の真の範囲はそれほど限定されるべきではない。

Claims (20)

  1. 重量%で、5.7〜8%のバナジウム、0.5〜1.75%のアルミニウム、0.25〜1.5%の鉄、0.1〜0.2%の酸素、0.15%以下のシリコン、0.1%以下の炭素および0.03%未満の窒素を含有することを特徴とするチタン合金。
  2. バナジウムが5.9〜8%である、請求項1に記載のチタン合金。
  3. バナジウムが6.1〜8%である、請求項1に記載のチタン合金。
  4. バナジウムが6.8〜7.8%、アルミニウムが0.9〜1.5%、鉄が0.5〜1.1%、酸素が0.12〜0.19%、シリコンが0.12%以下である、請求項1に記載のチタン合金。
  5. バナジウムが7.3%、アルミニウムが1.2%、鉄が0.8%、シリコンが0.05%、酸素が0.16%である、請求項1に記載のチタン合金。
  6. 7.2%バナジウム、1.2%アルミニウム、0.8%鉄、0.15%酸素、および0.05%シリコンを含み、炭素および窒素は不純物まで低減される、請求項1に記載のチタン合金。
  7. 600〜850MPaの0.2%降伏強度、700〜950MPaの極限引張強さ、20〜30%の破断伸び、40〜80%の断面減少率、および、30〜70JのシャルピUノッチ衝撃エネルギおよび40〜150JのシャルピVノッチ衝撃エネルギのうちの少なくとも1つ、をさらに有する、請求項1に記載のチタン合金。
  8. 650〜850MPaの0.2%降伏強度、750〜950MPaの極限引張強さ、22〜30%の破断伸び、55〜75%の断面減少率、および、40〜60JのシャルピUノッチ衝撃エネルギおよび60〜100JのシャルピVノッチ衝撃エネルギのうちの少なくとも1つ、をさらに有する、請求項1に記載のチタン合金。
  9. 5.7〜8%のバナジウム、0.5〜1.75%のアルミニウム、0.25〜1.5%の鉄、0.1〜0.2%の酸素、0.15%以下のシリコン、0.1%以下の炭素および0.03%未満の窒素を含む化学組成を有するインゴットを溶融形成することを特徴とするチタン合金の製造方法。
  10. 前記インゴットをベータ鍛造および圧延してプレートまたはスラブを形成し、
    前記プレートまたはスラブを圧延して製品を形成し、
    前記製品をアルファベータ溶体化熱処理(SHT)し、
    前記SHT処理した製品を応力緩和する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記応力緩和した製品は、600〜850MPaの0.2%降伏強度、700〜950MPaの極限引張強さ、20〜30%の破断伸び、40〜80%の断面減少率、を備え、および、30〜70JのシャルピUノッチ衝撃エネルギおよび40〜150JのシャルピVノッチ衝撃エネルギのうちの少なくとも1つを備える、請求項10に記載の方法。
  12. 前記応力緩和した製品は、650〜850MPaの0.2%降伏強度、750〜950MPaの極限引張強さ、22〜30%の破断伸び、55〜75%の断面減少率、を備え、および、40〜60JのシャルピUノッチ衝撃エネルギおよび60〜100JのシャルピVノッチ衝撃エネルギのうちの少なくとも1つを備える、請求項10に記載の方法。
  13. アルファベータ圧延することで前記プレートまたはスラブの断面積を最小50%減少させる、請求項10に記載の方法。
  14. サイジング、矯正、または平坦化するために前記プレートを再加熱し、500℃〜600℃範囲の温度で前記製品を応力緩和することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 少なくとも50%の断面減少のために前記プレートまたはスラブをアルファベータ圧延することによって、次いでサイジング、矯正、平坦化するために前記製品を再加熱し、かつ500℃〜650℃範囲の温度で前記製品の応力を緩和することによって、前記製品のシャルピ衝撃エネルギが増加する、請求項9に記載の方法。
  16. 最小50%の断面減少のために前記プレートまたはスラブをアルファベータ加工し、サイジングのためにベータトランザスより50℃〜150℃の低い温度に前記プレートを再加熱し、前記製品を真っ直ぐにするかまたは平坦化し、前記ベータトランザスより30℃〜100℃低い温度で前記製品を溶体化熱処理し、所望の強度が得られるように所望の速度で冷却し、500℃〜650℃範囲の温度で応力緩和することによって、前記製品の引張延性が増加する、請求項9に記載の方法。
  17. バナジウムが5.9〜8.0%である、請求項9に記載の方法。
  18. バナジウムが6.1〜8.0%である、請求項9に記載の方法。
  19. バナジウムが6.8〜7.8%、アルミニウムが0.9〜1.5%、鉄が0.5〜1.1%、酸素が0.12〜0.19%、シリコンが0.12%以下である、請求項9に記載の方法。
  20. バナジウムが7.3%、アルミニウムが1.2%、鉄が0.8%、シリコンが0.05%、酸素が0.16%である、請求項9に記載の方法。
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