JPH08157311A - 工業用殺菌組成物 - Google Patents

工業用殺菌組成物

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JPH08157311A
JPH08157311A JP30113894A JP30113894A JPH08157311A JP H08157311 A JPH08157311 A JP H08157311A JP 30113894 A JP30113894 A JP 30113894A JP 30113894 A JP30113894 A JP 30113894A JP H08157311 A JPH08157311 A JP H08157311A
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JP
Japan
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dithiol
phenyl
dimethyl
weight
industrial
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JP30113894A
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English (en)
Inventor
Shinichi Matsumoto
進一 松本
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Katayama Chemical Inc
Welfide Corp
Original Assignee
Katayama Chemical Inc
Welfide Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の組成物は、殺菌効果が持続し、ス
ライム形成を長期間阻止する。 【構成】 a)一般式(I) 【化1】 及び一般式(II): 【化2】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2〜R6は同一
又は異なって、炭素数1〜4の低級アルキル基を示
す。)で表される化合物から選ばれる1種以上の芳香族
炭化水素溶媒と親水性有機溶媒との混合溶媒並びに b)スライム障害防止用殺菌有効成分として4,5−ジ
クロロ−1,2−ジチオール−3−オンとを含有するこ
とを特徴とする溶液状の工業用殺菌組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、殺菌有効成分として
4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンを有
効成分として含有するスライム障害を防止するための工
業用殺菌組成物に関する。さらに詳しくは、紙・パルプ
工場における抄紙工程水やパルプスラリー、各種工業用
の冷却水や洗浄水、コーティングカラー、切削油、ラテ
ックス類、、合成樹脂エマルション、澱粉スラリー、炭
酸カルシウムスラリー、泥水ポリマー、繊維油剤等のス
ライム構成菌の殺菌用として有用であり、その効力が持
続する工業用殺菌組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
微生物汚染に起因して各種用水のスライムによる障害が
多発し、種々の弊害をもたらしている。ここでスライム
とは、主として微生物の繁殖によって生じる粘性塊状泥
状物質のことをいい、たとえば、化学工場などの冷却水
系統の熱交換器や配管などにスライムが発生すると、冷
却効率を低下させ、ときには配管を閉塞させたり、ある
いは、紙・パルプ工場の抄紙工程水やパルプスラリーに
スライムが発生すると、これが剥離して紙料やパルプに
混入したとき、紙切れの原因となり、工程の運転を中断
したり、又は紙やパルプに斑点や着色が発生し製品の品
質に損傷を与えるといったトラブルが発生していた。
【0003】また、表面サイズ剤やコーテングカラー等
に利用される澱粉スラリーは、スラリー溶解タンクで調
製され、その後貯蔵タンク等に一時的又は所定期間貯溜
される。この貯溜期間が長くなったり、又は貯溜温度の
変動や、さらに、他の経路からの微生物の混入等によっ
て、該液状物が腐敗、変質し、これが原因して、腐敗臭
の発生、pHの低下等性状の悪変が起こって、使用に耐え
なくなるばかりか、器壁にスライムが発生し、これが剥
離することによってストレーナーや経路を閉塞する等作
業上の障害をもたらす。
【0004】また、炭酸カルシウムスラリー、泥水ポリ
マー、繊維油剤、切削油、ラテックス類、、合成樹脂エ
マルション、金属加工油剤等の工業用途に供される多く
の水性液状物も上記澱粉スラリーと同様、微生物によっ
て品質の低下や作業障害が起こりやすい。これらの微生
物に起因する障害を防止するために多数の工業用殺菌
剤、いわゆるスライムコントロール剤が開発されてい
る。
【0005】これらの工業用殺菌剤は、水中の微生物の
菌数を低下させスライムの発生や腐敗を防止するもので
あり、この目的を達成するため、殺菌剤自体を水中に均
一に分散させるべく製剤化されている。これらの工業用
殺菌剤を水中に添加すると、殺菌有効成分が水中に均一
に分散し、水中に存在する微生物をある一定レベル以下
の菌数まで殺菌することにより、スライムの形成を防止
するものであるが、一旦スライムが形成されると微生物
の代謝産物である粘性ゼラチン室の多糖類から生成され
た粘膜(Slime layer)が微生物の表面を覆い、殺菌剤と
微生物との接触を妨害する。従って、形成されたスライ
ムを消失させたり、又はスライム構成菌を殺菌すること
は困難であった。
【0006】この発明の殺菌有効成分である4,5−ジ
クロロ−1,2−ジチオール−3−オン(以下、ジチオ
ールと略す)は、下式:
【0007】
【化3】
【0008】で表される融点64℃の黄色結晶状粉末であ
り、特開昭50−125025号公報により、工業用殺菌剤とし
て公知である。かかるジチオールは、他の工業用殺菌剤
に比較して低濃度で顕著な殺菌力を有する反面、水に対
する溶解度が1%未満という水難溶性であると共に水の
みでは短時間で加水分解されて殺菌効力を消失する不安
定な化合物である。
【0009】また、ジチオールのグリコール系やグリコ
ールモノアルキルエーテル系溶媒に対する溶解度も低く
(室温で5〜20%程度)、冬季の低温期での使用、保
存中における結晶の析出を防止するためにジメチルホル
ムアミドを併用する必要があった(特公昭62−237
21号公報参照)。この液状製剤は製剤時に安定性を有
するが、そのまま水を含む対象系中に添加するとジチオ
ールの結晶が直ちに析出し殺菌効果が低下するという問
題点があった。
【0010】この発明の出願人等は、このジチオールを
有効成分として含有し、製剤安定性及び水中への分散性
が良好で、かつ、発泡性が抑制されたジチオールの液状
製剤として、ジチオールを特定の界面活性剤を少量含有
する親水性有機溶媒に溶解した製剤を開発し特許出願を
行った(特許第 1184184号及び第 1184185号参照)。か
かるジチオールを含有する工業用殺菌剤は、他の殺菌剤
に比較して顕著な殺菌力を有し、紙・パルプ工場の抄紙
工程水や各種工業用の冷却水や洗浄水のスライムコント
ロール剤として、多用されている。
【0011】しかしながら、ジチオールの顕著な殺菌力
はジチオールの水に対する迅速な加水分解によって生じ
るものであり、その顕著な殺菌力の持続性はなく、従っ
て、殺菌効力の持続性が求められる澱粉スラリー、コー
ティングカラー、切削油、ラテックス類等の防腐対象系
の殺菌剤としては、必ずしも有効ではなかった。この発
明は、工業用殺菌剤としてのジチオールの殺菌効率及び
殺菌効力の持続性の向上を目的として研究開発されたも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる状況下、この発明
の発明者らは、ジチオールの製剤化によるスライム防止
メカニズムについて更なる研究の結果、特定の炭化水素
系溶媒と親水性有機溶媒との混合溶媒をジチオールと混
合した組成物が、製剤安定性良好であると共に、水系に
添加した場合該組成物が油滴微粒子として水中に分散さ
れると共に、微粒子中のジチオールが徐々に溶出される
ことにより、ジチオールの結晶化、経時的な殺菌効力の
低下、及びスライム形成が抑制される事実を見出した。
【0013】かくして、この発明によると、 a)一般式(I)
【0014】
【化4】
【0015】及び一般式(II):
【0016】
【化5】
【0017】(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2
〜R6は同一又は異なって、炭素数1〜4の低級アルキ
ル基を示す。)で表される化合物から選ばれる1種以上
の芳香族炭化水素溶媒と親水性有機溶媒との混合溶媒並
びに b)スライム障害防止用殺菌有効成分として4,5−ジ
クロロ−1,2−ジチオール−3−オンとを含有するこ
とを特徴とする溶液状の工業用殺菌組成物が提供され
る。
【0018】この発明の組成物は、水中に添加した場
合、油滴微粒子となって分散され、その分散された油滴
微粒子から除々に溶出されたジチオールが系内を殺菌す
ると共に、一旦形成されたスライム表面の粘膜槽(Slim
e layer)に油滴微粒子が選択的に接触吸着し、かつ、
この粘膜層を浸透し、層内のスライム構成菌を顕著に殺
菌する。
【0019】この発明に用いられる一般式(I)で表さ
れる化合物の具体的な例としては、1−フェニル−1−
ジメチルフェニルメタン、1−フェニル−1−ジエチル
フェニルメタン、1−フェニル−1−ジプロピルフェニ
ルメタン、1−フェニル−1−ジブチルフェニルメタ
ン、1−フェニル−1−ジメチルフェニルエタン、1−
フェニル−1−ジエチルフェニルエタン、1−フェニル
−1−ジプロピルフェニルエタン及び1−フェニル−1
−ジブチルフェニルエタンが挙げられる。これらの化合
物中のフェニル核に置換したジアルキル基はオルト、メ
タもしくはパラ位のもの又はそれらの混合物でもよい。
【0020】これらの中で好ましい化合物としては、1
−フェニル−1−(2,3−ジメチルフェニル)エタ
ン、1−フェニル−1−(2,4−ジメチルフェニル)
エタン、1−フェニル−1−(2,5−ジメチルフェニ
ル)エタン、1−フェニル−1−(2,6−ジメチルフ
ェニル)エタン、1−フェニル−1−(3,4−ジメチ
ルフェニル)エタン、1−フェニル−1−(3,5−ジ
メチルフェニル)エタンが挙げられる。
【0021】一般式(II)で表される化合物の具体的な
例としては、1,3,7−トリメチルナフタレン、1,
7−ジメチル−3−エチルナフタレン、1,7−ジメチ
ル−3−プロピルナフタレン、1,7−ジメチル−3−
ブチルナフタレン、2,7−ジメチル−4−エチルナフ
タレン、2,7−ジメチル−4−プロピルナフタレン、
2,7−ジメチル−4−ブチルナフタレン、1,6−ジ
メチル−2−エチルナフタレン、1,6−ジメチル−3
−エチルナフタレン、1,6−ジメチル−4−エチルナ
フタレン、1,6−ジメチル−2−プロピルナフタレ
ン、1,6−ジメチル−3−プロピルナフタレン、1,
6−ジメチル−4−プロピルナフタレン、1,6−ジメ
チル−2−ブチルナフタレン、1,6−ジメチル−3−
ブチルナフタレン、1,6−ジメチル−4−ブチルナフ
タレンが挙げられる。
【0022】これらの中で好ましい化合物としては、
1,7−ジメチル−3−プロピルナフタレン、2,7−
ジメチル−4−プロピルナフタレン、1,6−ジメチル
−2−プロピルナフタレン、1,6−ジメチル−3−プ
ロピルナフタレン、1,6−ジメチル−4−プロピルナ
フタレンが挙げられる。また、この発明に用いられるジ
チオールは、上記特開昭50-125025に記載に準じて合成
するか、または市販品(20%濃度、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル溶液)を用いてもよい。
【0023】この発明の工業用殺菌組成物中、ジチオー
ルの配合量は、該組成物中、0.1〜20重量%であり、好
ましくは1〜15重量%である。この配合量が多すぎると
製剤時に結晶が析出したり、また貯蔵時や使用時に結晶
が析出するので好ましくなく、一方少なすぎると製剤自
体の経済上好ましくない。
【0024】この発明の工業用殺菌組成物中、一般式
(I)及び一般式(II)で表される化合物は、下記す
る親水性溶媒と相溶性を有し、ジチオールの溶媒及び分
解防止剤並びにスライム粘膜層への吸着及び浸透剤とし
て作用する。この化合物は、該組成物中、1〜80重量%
配合することが好ましく、5〜50重量%配合することが
ジチオールの水中への溶出量及び溶出速度の低下防止の
点でより好ましい。
【0025】この配合量が多すぎるとジチオールの水中
への溶出量及び溶出速度が著しく低下するため好ましく
なく、一方少なすぎると該工業用殺菌組成物を水を含む
対象系中に添加した場合、ジチオールの結晶がその場で
析出し殺菌効果が低下するため好ましくない。また、こ
の発明で用いる親水性溶媒としては、上記の一般式
(I)、一般式(II)で表される化合物及びジチオー
ルに対して溶解能を有し、かつ水との相溶性を有し、ス
ライム表面の粘膜層に浸透性を有するような溶媒である
ことを要する。このような親水性有機溶媒の例として
は、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、メチルセロソルブ、フェニルセロソル
ブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、炭素数8までのアルコ
ール類もしくはメチルアセテート、エチルアセテート、
3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシメチルア
セテート、2−エトキシエチルアセテート、プロピレン
カーボネート及びグルタル酸ジメチルが挙げられる。
【0026】親水性有機溶媒の配合量は、ジチオールの
配合量と同量又は同量以上であるのが、ジチオールの水
中への溶出量及び溶出速度の低下防止の点でより好まし
い。この発明に係る組成物を製造するには通常の溶解混
合法が適用され、例えば、有効成分であるジチオールを
親水性有機溶媒に撹拌溶解した後、一般式(I)又は一
般式(II)で表される化合物を加えて撹拌し均一な組
成物とする。溶解混合の際に、必要ならば加温(30〜60
℃)してもよい。勿論溶解もしくは混合の順序を変えて
行ってもよい。
【0027】このようにして調製されたこの発明の工業
用殺菌組成物は、比重が0.9〜1.1の均一な液状の
組成物であり、長期保存時における製剤安定性は良好で
ある。また、この発明の組成物を水中に添加した場合、
該組成物が油滴微粒子として水中に分散し、特定の炭化
水素溶媒のジチオールと水との接触を制御する作用と、
親水性有機溶媒が水に溶出する作用とが相まって、ジチ
オールが水中に徐々に溶出されることにより、ジチオー
ルの結晶化が抑制される効果と経時的な殺菌効力低下が
抑制される効果を有する。
【0028】また、分散された油滴微粒子から徐々に溶
出されたジチオールが系内を殺菌すると共に、該油滴微
粒子の比重が水に近似していることとスライム表面の粘
膜層が疎水性であるため、該油滴微粒子が水面近傍位置
に一旦形成されたスライム表面の粘膜層(Slime layer
)に選択的に接触吸着し、かつ、該油滴微粒子が該粘
膜層を浸透し、層内のスライム構成菌を顕著に殺菌する
という効果を有する。
【0029】この発明の組成物の添加量は、殺菌対象水
系の種類、スライムの付着状態、スライム構成菌の種類
等により差異があるもののコーティングカラー、切削
油、ラテックス類、合成樹脂エマルション、澱粉スラリ
ー、炭酸カルシウムスラリー、泥水ポリマー、繊維油剤
等の防腐対象系については、殺菌有効成分濃度として0.
1 〜100mg/l程度の量になるような添加で十分である。
【0030】また紙・パルプ工場における抄紙工程水や
パルプスラリー、各種工業用の冷却水や洗浄水のスライ
ムコントロール剤として使用する場合は、殺菌有効成分
濃度として0.1 〜10mg/lの範囲で用いられ充分その目
的を達成することができる。また、この発明の組成物
は、この発明の効果を阻害しない限り、水や界面活性剤
を用いてエマルション製剤とすることもできるし、さら
に、公知の殺菌剤を含有することもできる。
【0031】公知の殺菌剤としては、メチレンビスチオ
シアナート、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−
オン、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、3,
5−ジメチルテトラヒドロ−1,3,5−2H−チアジ
アジン−2−チオン、2−(4−チオシアノメチルチ
オ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。
【0032】
【実施例】この発明の組成物の製剤例を次の実施例によ
り例示する。 実施例1 4,5−ジクロル−1,2−ジチオール−3−オン(以
下、実施例において「ジチオール」という。)5重量部
をジエチレングリコールモノメチルエーテル20重量部に
混合撹拌溶解した後、1−フェニル−1−ジメチルフェ
ニルエタン(日本石油化学株式会社製「日石ハイゾール
SAS−296」)75重量部を混合撹拌溶解して、ジチ
オールを5重量%含有する均一な液状組成物を得た。
【0033】実施例2 ジチオール5重量部をジエチレングリコールモノメチル
エーテル45重量部とに混合撹拌溶解した後、1−フェニ
ル−1−ジメチルフェニルエタン(日本石油化学株式会
社製「日石ハイゾールSAS−296」)50重量部を混
合撹拌溶解して、ジチオールを5重量%含有する均一な
液状組成物を得た。
【0034】実施例3 ジチオール5重量部をジエチレングリコールモノメチル
エーテル80重量部とジメチルホルムアミド5重量部とか
らなる混合溶媒に混合撹拌溶解した後、1−フェニル−
1−ジメチルフェニルエタン10重量部を混合撹拌溶解し
て、ジチオールを5重量%含有する均一な液状組成物を
得た。
【0035】実施例4 ジチオール5重量部をジエチレングリコールモノメチル
エーテル30重量部とグルタル酸ジメチル55重量部とから
なる混合溶媒に混合撹拌溶解した後、1−フェニル−1
−ジメチルフェニルエタン10重量部を混合撹拌溶解し
て、ジチオールを5重量%含有する均一な液状組成物を
得た。
【0036】実施例5 ジチオール10重量部をジエチレングリコールモノメチル
エーテル80重量部に混合撹拌溶解した後、ジメチルモノ
イソプロピルナフタレン(日鉱石油化学株式会社製「カ
クタスソルベントPAD−1」)10重量部を混合撹拌溶
解して、ジチオールを10重量%含有する均一な液状組成
物を得た。
【0037】実施例6 ジチオール10重量部をジエチレングリコールモノメチル
エーテル65重量部とジメチルホルムアミド5重量部とか
らなる混合溶媒に混合撹拌溶解した後、1−フェニル−
1−ジメチルフェニルエタン20重量部を混合撹拌溶解し
て、ジチオールを10重量%含有する均一な液状組成物を
得た。
【0038】実施例7 ジチオール3重量部をジエチレングリコールモノメチル
エーテル92重量部に混合撹拌溶解した後、1−フェニル
−1−ジメチルフェニルエタン5重量部を混合撹拌溶解
して、ジチオールを3重量%含有する均一な液状組成物
を得た。
【0039】実施例8 ジチオール3重量部をジエチレングリコールモノメチル
エーテル87重量部とジメチルホルムアミド5重量部とか
らなる混合溶媒に混合撹拌溶解した後、1−フェニル−
1−ジメチルフェニルエタン5重量部を混合撹拌溶解し
て、ジチオールを5重量%含有する均一な液状組成物を
得た。
【0040】比較例1 ジチオール10重量部とジエチレングリコールモノメチル
エーテル90重量部を混合撹拌溶解して均一な液状組成物
を得た。
【0041】試験例1〔各種溶媒によるジチオールの殺
菌効力持続試験〕 製紙会社の白水より採取したPseudomonas sp.菌をブイ
ヨン液体培地で24時間前培養し、それをブイヨン液体培
地に105個/mlとなるように接種する。そこに次の供試
薬剤をそれぞれ10ppm添加し、30℃で振とうする。その
試料の濁度を経日的に観察し、薬剤の効力を比較する。
供試薬剤としては、ジチオール10重量部のジエチレング
リコールモノメチルエーテル(80重量部)溶液に下記溶
剤を10重量部加えて調製する。 A:EG(エチレングリコール) B:DMF(ジメチルホルムアミド) C:グルタル酸ジメチル D:ジエチレングリコールモノブチルエーテル E:PXE(1−フェニル−1−ジメチルフェニルエタ
ン) F:ジメチルモノイソプロピルナフタレン その結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】○:濁りなし ×:濁りあり考察 :試験結果より明らかなように、比較例に記載の従
来使用されている親水性有機溶媒を用いた工業用殺菌組
成物では、3日経過時より試料に濁りが生じ菌数が増加
していることがわかる。この比較例に比較して、この発
明の溶媒を用いた場合には、7日経過時においても試料
に濁りが生じず殺菌効果が顕著に持続していることがわ
かる。
【0044】試験例2〔澱粉スラリーにおけるジチオー
ルの殺菌効力持続性確認試験〕 酸化澱粉と工業用水を用いて調製したスラリー液(固形
分濃度20%)を供試試料とし、殺菌剤として実施例1の
製剤及び比較例1の製剤を夫々50ppm添加した。経日的
に生菌数を測定し、効力を比較した。その結果を表2に
示す。
【0045】
【表2】
【0046】考察:試験結果より明らかなように、比較
例1の親水性有機溶媒を用いた工業用殺菌組成物におい
ては、3日経過後の菌数は薬剤無添加の菌数とほぼ同様
に増加しており、殺菌効力の持続性がなく、澱粉スラリ
ー液の殺菌剤としては有効でないことがわかる。
【0047】この比較例に比較して、この発明により調
製された実施例1の工業用殺菌組成物においては、7日
経過後においても殺菌効力の持続性が認められ、有効な
澱粉スラリー液の殺菌剤であることがわかる。
【0048】試験例3〔工業用殺菌組成物を水中に添加
した場合のジチオールの結晶析出有無確認試験〕 実施例1に準拠して調製したジチオールを殺菌有効成分
とする工業用殺菌組成物を、水100gに対して0.1
gとなるように添加し、水中におけるジチオール結晶析
出の有無を確認した。供試した工業用殺菌組成物の組成
及び試験結果を併せて表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】試験例4〔工業用殺菌組成物を水中に添加
した場合の分散状態観察試験〕 ビーカーに水を入れ、水中に半浸漬するようにテストピ
ース(材質:SUS−304、30×40×1mm)を固定した
試験装置を用いて、スターラで緩く撹拌しつつ、実施例
1に準拠して調製したジチオールを殺菌有効成分とする
各種工業用殺菌組成物を水100gに対して0.1gと
なるように添加し、液温を30℃に調節して7日間撹拌
し、水中における該殺菌組成物の分散状態を観察した。
供試した工業用殺菌組成物の組成及び試験結果を併せて
表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】なお、表4中、分散状態の観察結果におい
て、○は、工業用殺菌組成物が油滴微粒子となって均一
に分散する割合が少なく水面近傍に集中し、また、テス
トピース表面の水面近傍付近にも付着している状態△
は、工業用殺菌組成物が油滴微粒子となって均一に分散
する割合が少なく水面近傍に集中し、また、テストピー
ス表面の水面近傍付近にも付着している状態×は、添加
直後に水面上に広がり、油滴微粒子となって水中に分散
しない状態を示す。
【0053】試験例5〔紙・パルプ工場の白水中におけ
るスライム生成抑制試験〕 某紙・パルプ工場の抄紙工程より入手した中性抄紙白水
1lを入れたビーカーに樹脂製の網を半浸漬し、各種工
業用殺菌剤組成物を10ppmとなるように添加し、液温を3
0℃に調節して7日間撹拌した。試験終了後の網を取り
出し、付着したスライム量を測定した。その結果を表5
に示す。
【0054】
【表5】
【0055】考察:試験例1、2、4及び5の試験結果
より、この発明の実施例である工業用殺菌組成物を水中
に添加した場合には、該殺菌組成物が油滴微粒子となっ
て均一に分散し、油滴微粒子中のジチオールが水中で徐
々に溶出され水中のスライム構成菌を殺菌するととも
に、一定時間経過後には水面近傍のステンレス性金属等
に付着し、スライムの発生を防止することがわかる。
【0056】
【発明の効果】特定の混合溶媒を用いることにより、
4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンの製
剤としての安定性が良好であり、またその殺菌効果を長
期間持続させ、かつスライムの内部への浸透を可能に
し、スライム構成菌を強力に殺菌しうる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月16日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 工業用殺菌組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 5/10 610 Z 9345−4D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)一般式(I) 【化1】 及び一般式(II): 【化2】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2〜R6は同一
    又は異なって、炭素数1〜4の低級アルキル基を示
    す。)で表される化合物から選ばれる1種以上の芳香族
    炭化水素溶媒と親水性有機溶媒との混合溶媒並びに b)スライム障害防止用殺菌有効成分として4,5−ジ
    クロロ−1,2−ジチオール−3−オンとを含有するこ
    とを特徴とする溶液状の工業用殺菌組成物。
  2. 【請求項2】 4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール
    −3−オンが0.1 〜20重量%と、一般式(I)又は一般
    式(II)で表される化合物1〜80重量%及び残部が4,
    5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンの配合量
    と同量又は同量以上の親水性有機溶媒とからなる請求項
    1記載の工業用殺菌組成物。
  3. 【請求項3】 4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール
    −3−オンが1〜15重量%と、一般式(I)又は一般式
    (II)で表される化合物5〜50重量%及び残部が4,5
    −ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンの配合量と
    同量又は同量以上の親水性有機溶媒とからなる請求項1
    又は2記載の工業用殺菌組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で表される化合物が、1−
    フェニル−1−(2,3−ジメチルフェニル)エタン、
    1−フェニル−1−(2,4−ジメチルフェニル)エタ
    ン、1−フェニル−1−(2,5−ジメチルフェニル)
    エタン、1−フェニル−1−(2,6−ジメチルフェニ
    ル)エタン、1−フェニル−1−(3,4−ジメチルフ
    ェニル)エタン又は1−フェニル−1−(3,5−ジメ
    チルフェニル)エタンである請求項1〜3のいずれかに
    記載の工業用殺菌組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(II)で表される化合物が、1,
    7−ジメチル−3−プロピルナフタレン、2,7−ジメ
    チル−4−プロピルナフタレン、1,6−ジメチル−2
    −プロピルナフタレン、1,6−ジメチル−3−プロピ
    ルナフタレン又は1,6−ジメチル−4−プロピルナフ
    タレンである請求項1〜3のいずれかに記載の工業用殺
    菌組成物。
  6. 【請求項6】 親水性有機溶媒がジメチルホルムアミ
    ド、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
    チレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルセ
    ロソルブ、フェニルセロソルブ、ジエチレングリコール
    モノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチ
    ルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエー
    テル、炭素数8までのアルコール類もしくはメチルアセ
    テート、エチルアセテート、3−メトキシブチルアセテ
    ート、2−エトキシメチルアセテート、2−エトキシエ
    チルアセテート、プロピレンカーボネート及びグルタル
    酸ジメチルから選ばれた化合物の一種以上の化合物であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の工業用殺菌組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002308702A (ja) * 2001-04-11 2002-10-23 Nippon Soda Co Ltd 乳剤組成物
JP4707129B2 (ja) * 2001-04-11 2011-06-22 日本曹達株式会社 乳剤組成物

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