JPH08156478A - 筆記具用部材の圧入構造 - Google Patents

筆記具用部材の圧入構造

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JPH08156478A
JPH08156478A JP6191793A JP19179394A JPH08156478A JP H08156478 A JPH08156478 A JP H08156478A JP 6191793 A JP6191793 A JP 6191793A JP 19179394 A JP19179394 A JP 19179394A JP H08156478 A JPH08156478 A JP H08156478A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】筆記具用部材を軸筒の開口部へ損傷させること
なくスムーズに圧入させる。 【構成】軸筒1の開口部11の内周に環状突起4を設け
る。一方、筆記具用部材2の外周に環状ストレート面5
とテーパ面6を設ける。前記テーパ面6が、環状突起4
に当接した後、環状ストレート面5と環状突起4が圧接
保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筆記具用部材の圧入構
造に関する。さらに詳細には、軸筒の先端部または後端
部に開口部を設け、筆記具用部材(例えば、チップホル
ダー、インキ保留部材、尾栓等)を前記開口部に圧入固
着させる筆記具用部材の圧入構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、尾栓やチップホルダー等の筆記具
用部材の圧入構造において、軸筒の先端部または後端部
の開口部の内周に設けた環状ストレート面と、筆記具用
部材の外周に設けた環状突起とが、互いに圧接すること
によって固着される構造が広く知られている。
【0003】ところが、筆記具用部材の圧入過程におい
て、図8に示すように、環状突起は、環状ストレート面
と圧接する以前に、環状ストレート面端部のエッジ部に
当接するため、過大な圧入力を要して、スムーズな取付
作業ができない。とりわけ、エッジ部が環状突起の材質
より硬質の場合、前記エッジ部は環状突起に食いつい
て、該環状突起を損傷させることがある。これは、筆記
具用部材の固着後において、軸筒内のインキを漏出させ
たり軸筒内の気密を不十分とさせる原因となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題点を解決するものであって、筆記具用部材を軸筒開
口部にスムーズに圧入することができ、しかも圧接箇所
の損傷を防止し、軸筒内のインキを漏出させたり軸筒内
の気密保持を不十分にさせることがない筆記具用部材の
圧入構造を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸筒1の先端
部または後端部に開口部11を設け、筆記具用部材2を
前記開口部11に圧入固着させる筆記具用部材の圧入構
造であって、軸筒1の開口部11内周に環状突起4を設
け、一方、筆記具用部材2の外周に前記環状突起4が圧
接する環状ストレート面5を設け、さらに、前記環状突
起4と前記環状ストレート面5とが圧接するより以前に
前記環状突起4と当接するテーパ面6を、筆記具用部材
2の外周の前記環状ストレート面5に連接する位置に設
けたことを要件とする。
【0006】また、本発明は、軸筒1の先端部または後
端部に開口部11を設け、筆記具用部材3を前記開口部
11に圧入固着させる筆記具用部材3の圧入構造であっ
て、筆記具用部材3の外周に環状突起4を設け、一方、
軸筒1の開口部11内周に前記環状突起4が圧接する環
状ストレート面5を設け、さらに、前記環状突起4と前
記環状ストレート面5とが圧接するより以前に前記環状
突起4と当接するテーパ面6を、開口部11内周の前記
環状ストレート面5に連接する位置に設けたことを要件
とする。
【0007】さらに、前記構成において、前記テーパ面
6の傾斜角度Aは、45度より小である構成が好まし
い。
【0008】また、前記筆記具用部材は、具体的には、
軸筒1の先端部の開口部11に圧入固着されてペン体2
1を保持するチップホルダー2や、軸筒1の後端部の開
口部11に圧入固着されて軸筒1内の気密を保持する尾
栓3等が挙げられる。
【0009】また、環状突起4を有する前記軸筒1の先
端部または後端部を形成する材質が、環状ストレート面
5及びテーパ面6を有する前記筆記具用部材2を形成す
る材質より軟質である構成、あるいは、環状突起4を有
する前記筆記具用部材3の材質が、環状ストレート面5
及びテーパ面6を有する前記軸筒1の先端部または後端
部を形成する材質より軟質である構成が有効である。具
体的には、前記環状突起4を有する側の軟質の材質は、
ポリプロピレン,ポリエチレン等の合成樹脂が好まし
く、これに対し、環状ストレート面5及びテーパ面6を
有する側の硬質の材質は、金属(例えば、真鍮、ステン
レススチール等)や合成樹脂(例えば、ポリアセター
ル、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト等)が挙げられる。
【0010】前記軸筒1は、その内部に、インキ吸蔵体
を収容させるタイプ、生インキを直接に貯留させるタイ
プ、あるいは、筆記具レフィールを収容させるタイプ等
適宜である。
【0011】前記筆記具用部材2、3を圧入させる軸筒
1の開口部11は、軸筒1の先端部または後端部に取り
付けた別部材(例えば、接続部材86やインキ保留部材
8等)によって構成することもできる。
【0012】また、前記環状突起4の縦断面形状は、例
えば、曲面状、あるいは前後にテーパ面6を備えた三角
形状や台形状等が挙げられる。また、前記環状突起4
は、前後位置に複数配設させることもできる。また、前
記テーパ面6は、ストレートな環状の傾斜面(円錐面)
の他にも、環状ストレート面5に連続するゆるやかな凸
曲面状とし、エッジ部7を存在させない構成も有効であ
る。
【0013】
【作用】筆記具用部材2、3を軸筒1の開口部11に圧
入固着させる過程で、環状突起4が環状ストレート面5
に圧接する以前にテーパ面6と当接する構成によって、
環状ストレート面5の端部のエッジ部7が環状突起4に
食いついて過大な圧入抵抗を受けることがなく、スムー
ズな挿入が可能となる。それにより、環状突起4が、環
状ストレート面5と圧接する以前に損傷を受けることが
防止され、インキ漏出や気密不完全等の不具合を生じさ
せない。
【0014】テーパ面6の傾斜角度Aは、45度より小
であることによって、環状突起4からテーパ面6が受け
る軸方向の抵抗力が、環状突起4からテーパ面6が受け
る径方向の抵抗力より小さくなり、より一層のスムーズ
な挿入が可能となる。また、それに伴い環状突起4の損
傷が防止される。
【0015】前記筆記具用部材が、軸筒1の先端部に圧
入固着されてペン体21を保持するチップホルダー2で
あることにより、スムーズな圧入作業が可能であるとと
もに、環状突起4を損傷させず、インキ漏出や気密不完
全等の不具合を生じさせないチップホルダー2の圧入固
着構造を提供できる。
【0016】前記筆記具用部材が、軸筒1の後端部に圧
入固着されて軸筒1内の気密を保持する尾栓3であるこ
とにより、前記チップホルダー2同様、スムーズな圧入
作業が可能であり、且つ環状突起4を損傷させず、イン
キ漏出や気密不完全等の不具合を生じさせない尾栓3の
圧入固着構造を提供できる。
【0017】環状突起4を有する側の材質が、環状スト
レート面5及びテーパ面6を有する側の材質より軟質で
あることにより、環状突起4が、僅かに径方向に変形し
環状ストレート面5に確実に圧接保持され、圧入作業が
スムーズとなるとともに、固着力が強固になる。即ち、
両者が硬質である場合のような過大な圧入力を要するこ
とがなく、また、両者が軟質である場合の緩い固着力で
抜け落ちやすいこともない。
【0018】
【実施例】図1乃至図4に第1実施例を示す。
【0019】有底円筒状の軸筒1の先端には、インキ保
留部材8が挿着される。前記インキ保留部材8の後方に
は、インキ貯留部13が形成される。前記インキ保留部
材8は、インキ貯留部13内の圧力変化に応じた溢出イ
ンキを一時的に保持する部材であり、ABS樹脂等の合
成樹脂で形成される。また、前記インキ保留部材8は、
その周面に多数の櫛歯81によって形成されるインキ保
留溝82と、該インキ保留溝82に連通する軸方向のイ
ンキ誘導スリット83と、前記櫛歯81に縦設される空
気交替凹溝84とを備えてなる。また、前記インキ保留
部材8の軸心には、軸方向に中心孔85が貫設され、該
中心孔85にインキ誘導部材を兼ねたペン体21が挿着
されている。前記ペン体21は、ポリエステル繊維の棒
状加工体であり、先端及び後端が先細状に研削されてい
る。
【0020】また、前記インキ保留部材8の先端には、
円環状の接続部材86が、乗り越え嵌合によって嵌着さ
れている。前記、接続部材86は、ポリプロピレン等の
合成樹脂からなり、先端の開口部11内周には、環状突
起4が設けられている。前記環状突起4は、断面円弧状
(曲率半径R:2.0mm)に形成されている。
【0021】チップホルダー2は、真鍮等の金属製であ
り、表面にニッケルメッキ層が設けられている。また、
前記チップホルダー2は、筒状であり、軸心に貫設され
た孔には前記ペン体21が挿着されている。前記ペン体
21は、チップホルダー2の先端薄肉部22の内方への
押圧変形によって挟持固定されている。
【0022】また、前記チップホルダー2後部には、環
状ストレート面5と、その後方に連接の環状のテーパ面
6(円錐面)が形成されている。前記テーパ面6の傾斜
角度Aは、45度より小であることがよく、食いつき等
による環状突起4の損傷を防止するために、本実施例で
は、20度より小であることが有効であり、実際には1
0度〜20度の範囲に設定されている。また、それと同
時に、テーパ面6と環状ストレート面5の境界であるエ
ッジ部7は、その角度(180度−A)が135度以
上、好ましくは160度以上が有効であり、実際には1
60度〜170度の範囲が好ましい。
【0023】本実施例では、テーパ面6の後端部の外径
は、環状突起4頂部の内径より小であるため、前記テー
パ面6は、圧入時、前記環状突起4と最初に当接する
(図4参照)。これにより、チップホルダー2を接続部
材86の開口部11にスムーズに圧入固着させることが
できる。また、組立工程中、本圧入する以前に、僅かな
圧入力によって、筆記具用部材2を軸筒1開口部に仮取
付ができ、組立性が向上する。
【0024】前記環状突起4の頂部内径は、環状ストレ
ート面5の外径より僅かに小に設定されているため、環
状突起4が、径方向に変形して環状ストレート面5に確
実に圧接される。また、前記環状突起4の曲率半径R
は、大きい方が有利であり、具体的には、1.0mm以
上が好ましい。なぜなら、射出成形において金型から抜
き易く、その上、環状突起4と環状ストレート面5との
接触量が増加し、より強固な固定が可能となるからであ
る。
【0025】図5乃至図7に第2実施例を示す。軸筒1
内には、インキ収容筒91内に中粘度の水性インキ92
及びグリース状の逆流防止剤93を充填したボールペン
レフィール9が収納されるとともに、そのペン先を口金
12先端から突出させている。前記軸筒1は、AS樹脂
製(アクリルニトリル・スチレン共重合樹脂製)であ
り、後端部の開口部11には、ポリエチレン製の尾栓3
が圧入固着されている。
【0026】前記尾栓3は、円筒部31と鍔部32とか
らなる。前記円筒部31は、外周に環状突起4が、先端
にインキ収容筒91後端と当接する凸部33が設けられ
ている。また、前記鍔部32は軸筒1後端に衝止されて
いる。
【0027】前記環状突起4は、縦断面円弧状でその曲
率半径Rが1.0mmである。一方、軸筒1の後端部の
開口部11には、環状ストレート面5と、それに連接の
テーパ面6(傾斜角度A:10度)が設けられている
(図6)。前記テーパ面6後方の開口部11の後端縁
は、その内径が環状突起4頂部の外径より小に設定され
ているため、圧入時、環状突起4と非接触である。その
ため、テーパ面6に環状突起4が最初に当接させること
ができ、第1実施例同様、スムーズな圧入固着が可能と
なり、圧接箇所の損傷が防止される(図7)。
【0028】
【発明の効果】本発明、筆記具用部材の圧入構造は、前
記構成にしたことにより、筆記具用部材を軸筒開口部に
スムーズに圧入することができ、しかも圧接箇所の損傷
を防止し、軸筒内のインキを漏出させたり軸筒内の気密
保持を不十分にさせることがない。
【0029】さらに、テーパ面の傾斜角度を45度より
小であることによって、より一層のスムーズな圧入が可
能となる。
【0030】また、前記筆記具用部材が、軸筒の先端部
に圧入固着されてペン体を保持するチップホルダーであ
ることにより、スムーズな圧入作業が可能であるととも
に、環状突起を損傷させず、インキ漏出や気密不完全等
の不具合を生じさせないチップホルダーの圧入固着構造
を得ることができる。
【0031】前記筆記具用部材が、軸筒の後端部に圧入
固着されて軸筒内の気密を保持する尾栓であることによ
り、前記チップホルダー同様、スムーズな圧入作業が可
能であるとともに、環状突起を損傷させず、インキ漏出
や気密不完全等の不具合を生じさせない尾栓の圧入固着
構造を得ることができる。
【0032】環状突起を有する側の材質が、環状ストレ
ート面及びテーパ面を有する側の材質より軟質であるこ
とにより、スムーズな圧入作業及び強固な固着が確実と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大縦断面図である。
【図3】図2のS部拡大図である。
【図4】図3の圧入過程を説明する拡大図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す一部縦断面図であ
る。
【図6】図5のT部拡大図である。
【図7】図6の圧入過程を説明する拡大図である。
【図8】従来の圧入構造を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 軸筒 11 開口部 12 口金 13 インキ貯留部 2 チップホルダー(筆記具用部材) 21 ペン体 22 先端薄肉部 3 尾栓(筆記具用部材) 31 円筒部 32 鍔部 33 凸部 4 環状突起 5 環状ストレート面 6 テーパ面 7 エッジ部 8 インキ保溜部材 81 櫛歯 82 インキ保留溝 83 インキ誘導スリット 84 空気交替凹溝 85 中心孔 86 接続部材 9 ボールペンレフィール 91 インキ収容筒 92 水性インキ 93 逆流防止剤 A 傾斜角度 R 曲率半径

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸筒(1)の先端部または後端部に開口部
    (11)を設け、筆記具用部材(2)を前記開口部(1
    1)に圧入固着させる筆記具用部材の圧入構造であっ
    て、軸筒(1)の開口部(11)内周に環状突起(4)
    を設け、一方、筆記具用部材(2)の外周に前記環状突
    起(4)が圧接する環状ストレート面(5)を設け、さ
    らに、前記環状突起(4)と前記環状ストレート面
    (5)が圧接するより以前に前記環状突起(4)と当接
    するテーパ面(6)を、筆記具用部材(2)の外周の前
    記環状ストレート面(5)に連接する位置に設けたこと
    を特徴とする筆記具用部材の圧入構造。
  2. 【請求項2】軸筒(1)の先端部または後端部に開口部
    (11)を設け、筆記具用部材(3)を前記開口部(1
    1)に圧入固着させる筆記具用部材の圧入構造であっ
    て、筆記具用部材(3)の外周に環状突起(4)を設
    け、一方、軸筒(1)の開口部(11)内周に前記環状
    突起(4)が圧接する環状ストレート面(5)を設け、
    さらに、前記環状突起(4)と前記環状ストレート面
    (5)が圧接するより以前に前記環状突起(4)と当接
    するテーパ面(6)を、開口部(11)内周の前記環状
    ストレート面(5)に連接する位置に設けたことを特徴
    とする筆記具用部材の圧入構造。
  3. 【請求項3】前記テーパ面(6)の傾斜角度(A)は、
    45度より小である請求項1または2記載の筆記具用部
    材の圧入構造。
  4. 【請求項4】前記筆記具用部材は、軸筒(1)の先端部
    に圧入固着されてペン体(21)を保持するチップホル
    ダー(2)である請求項1、2または3記載の筆記具用
    部材の圧入構造。
  5. 【請求項5】前記筆記具用部材は、軸筒(1)の後端部
    に圧入固着されて軸筒(1)内の気密を保持する尾栓
    (3)である請求項1、2または3記載の筆記具用部材
    の圧入構造。
  6. 【請求項6】環状突起(4)を有する前記軸筒(1)の
    先端部または後端部を形成する材質が、環状ストレート
    面(5)及びテーパ面(6)を有する前記筆記具用部材
    (2)を形成する材質より軟質である請求項1、2、
    3、4または5記載の筆記具用部材の圧入構造。
  7. 【請求項7】環状突起(4)を有する前記筆記具用部材
    (3)の材質が、環状ストレート面(5)及びテーパ面
    (6)を有する前記軸筒(1)の先端部または後端部を
    形成する材質より軟質である請求項1、2、3、4また
    は5記載の筆記具用部材の圧入構造。
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