JP4305601B2 - ボールペン先端部 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペン先端部に関する。詳細には、ペン先乾燥防止用の被覆樹脂を先端に固着させたボールペン先端部に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開2001−225584号公報には、ペン先の乾燥防止のために被覆樹脂を設けたボールペン先端部に関し、被覆樹脂の固着を確実にするために、チップ本体外周面の被覆樹脂の固着部位に変形部(例えば、環状突出部、環状溝、または急傾斜部と円筒部の組合せ等)を設けた構造が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来のものは、環状の変形部により被覆樹脂とチップ本体との固着力を増加させる構造であるため、被覆樹脂とチップ本体との固着力が過剰に増加し、使用開始時にユーザーが被覆樹脂を容易に剥がすことができないおそれがある。
【0005】
また、前記従来のものは、変形部を設けるために新たな製造工程が必要となり、製造コストが増加する。
【0006】
本発明は前記従来の問題点を解決するものであって、使用開始前までは、被覆樹脂とペン先との十分な固着状態が維持されると共に、使用開始時には、被覆樹脂を容易に取り除くことができ、さらには、製造コストの増加を抑えることができるボールペン先端部を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔1〕請求項1のボールペン先端部1は、「直円筒状の金属製チップ本体2の先端部外面に円錐面状のテーパ部25を設け、前記テーパ部25の先端に径方向内方への押圧変形により先端縁部21を設け、チップ本体2の先端部近傍且つテーパ部25後方の直円筒状の外面26に周状に分散配置された内面が円錐面状の複数の凹部24を径方向内方への押圧変形により形成すると共に、前記チップ本体2の先端近傍の内面に前記凹部24に対応した複数の凸部よりなるボール受け座22を形成し、前記先端縁部21と前記ボール受け座22との間にボール23を回転可能に抱持し、ペン先乾燥防止用の被覆樹脂3を、前記ボール23、前記先端縁部21、前記テーパ部25、前記凹部24及び前記凹部24周囲の直円筒状の外面26を覆うようにチップ本体2の先端部に固着したこと」を特徴とする。
【0008】
被覆樹脂3を、従来のような環状の変形部に固着させるのではなく、周状に分散配置させた複数の凹部24に固着させることにより、被覆樹脂3の固着力を過剰に増加させず、適度な固着力を得ることができ、その結果、使用開始前までは、被覆樹脂3とペン先との十分な固着状態が維持され、且つ、使用開始時には、被覆樹脂3を容易に取り除くことが可能となる。尚、前記被覆樹脂3は、複数の凹部24の少なくとも一つに固着されていればよい。
【0009】
【0010】
被覆樹脂3が、チップ本体2の先端近傍の直円筒状の外面26と、該直円筒状の外面26に形成される凹部24とに確実に固着される。特に、被覆樹脂3の固着部分が直円筒状の外面26であるため、傾斜面よりも固着力がより一層増加する。また、使用開始時、被覆樹脂3をチップ本体2に対して回転させることにより、容易に凹部24と被覆樹脂3との係合を外すことができる。尚、前記直円筒状の外面26は、チップ本体2の先端近傍のみに設ける構成であってもよいし、或いはチップ本体2の全体に設けてもよい。
【0011】
【0012】
押圧変形により、チップ本体2の外面に凹部24を形成すると同時に、チップ本体2内面に凸部よりなるボール受け座22を形成することにより、被覆樹脂3との固着強度を増加させるために新たに変形部等を設ける必要がなく、製造工程が増加せず、製造コストを抑えることができる。尚、前記複数の凹部24(凸部)は、安定したボール受け座22を構成するには、製造上、3個又は4個が好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0014】
図1乃至図3に本発明の一実施例を示す。本実施例のボールペン先端部1のチップ本体2は、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS305、SUS321等のオーステナイト系ステンレス鋼)よりなる直円筒状のパイプである。前記チップ本体2の先端部外面には、円錐面状のテーパ部25が設けられ、前記テーパ部25の先端を径方向内方へ押圧変形(かしめ加工)することにより、先端縁部21が形成される。
【0015】
前記チップ本体2のテーパ部25後方の直円筒状の外面26には、内方への押圧変形により、3個の凹部24が周状に等間隔に形成される。それと同時に、前記3個の凹部24が、チップ本体2内面において、内方に突出する3個の凸部を構成し、前記3個の凸部がボール受け座22となる。前記先端縁部21と前記ボール受け座22との間でボール23(外径0.5mm)が回転可能に抱持される。また、前記凹部24の内面は、円錐面状となっている。そのため、被覆樹脂3をチップ本体2から引き抜いたり回転した際、凹部24と被覆樹脂3との係合を容易に解除することができる。尚、前記凹部24は、4個であってもよい。
【0016】
被覆樹脂3は、従来より公知の、熱可塑性樹脂と、粘着性樹脂と、ワックスとの混合物よりなる。前記混合物を加熱溶融し、チップ本体2の先端に付着、固化させることにより、被覆樹脂3をチップ本体2の先端に固着させることができる。前記被覆樹脂3は、ボール23、先端縁部21、テーパ部25、凹部24及び凹部24周囲の直円筒状の外面26を覆うようにチップ本体2の先端部に固着され、それにより、ペン先からインキ中の溶剤分が揮発することを防止する。
【0017】
尚、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリビニルエーテル等が挙げられる。前記粘着性樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、エステルガム、ガムロジンが挙げられる。前記ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス、天然ワックス、脂肪酸ワックス等が挙げられる。
【0018】
図3に図1のボールペン先端部1を適用したボールペン4(ボールペンレフィル)の例を示す。前記ボールペン4は、先端にボール23が回転可能に抱持され且つ先端に被覆樹脂3が固着された前記チップ本体2と、該チップ本体2の後部が前部に圧入固着されたチップ保持筒5と、該チップ保持筒5の後部が先端開口部に圧入固着されたインキ収容管6と、前記チップ本体2の内部及びチップ保持筒5の内部に収容配置されたスプリング8とからなる。本実施例のボールペン4は、ボールペンレフィルであって、キャップレスボールペン(例えば、ノック操作や回転操作によりペン先が出没する出没式ボールペン)の交換可能なレフィルとして使用される。
【0019】
前記インキ収容管6は、両端が開口された円筒体であり、合成樹脂の押出成形により得られる。前記インキ収容管6の先端開口部には、チップ本体2を有するチップ保持筒5の後部が圧入固着され、一方、前記インキ収容管6の後端開口部には、通気孔を有する尾栓7が圧入固着される。
【0020】
前記インキ収容管6の内部には、インキ61(例えば、剪断減粘性が付与された水性ゲルインキ)と、該インキ61の後端に配置され且つ該インキ61の消費に伴って前進するグリス状の追従体62とが充填される。
【0021】
前記チップ保持筒5は、合成樹脂の射出成形により得られる。前記チップ保持筒5は、チップ本体2が取り付けられる前部と、インキ収容管6の先端面と当接する鍔部と、インキ収容管6の先端開口部に圧入される後部とからなる。前記チップ保持筒5の内面には、突起51が一体に形成される。
【0022】
スプリング8は、ストレート部81とコイル部82とからなり、前記ストレート部81がボール23後面に当接し、前記コイル部82の後端部(膨出部)が前記チップ保持筒5内面の突起51に係止される。前記スプリング8により、ボール23が前方に押圧され、ボール23と先端縁部21とが密接される。それにより、ペン先下向き状態で保管したとしても、ペン先からのインキ漏出が防止され、また、ペン先上向き状態で保管したとしても、ペン先からの空気混入が防止される。また、筆記時には、スプリング8の前方付勢に抗して、筆記面によりボール23が後方に押圧され、ボール23と先端縁部21との隙間よりインキが吐出される。
【0023】
【発明の効果】
請求項1の発明により、使用開始前までは、被覆樹脂とペン先との十分な固着状態が維持されると共に、使用開始時には、被覆樹脂を容易に取り除くことができる。被覆樹脂の固着部分が直円筒状の外面であるため、固着力がより一層増加する。また、使用開始時、被覆樹脂をチップ本体に対して回転させることにより、被覆樹脂を容易に除去できる。被覆樹脂との固着強度を増加させるために新たに変形部等を設ける必要がなく、製造工程が増加せず、製造コストを抑えることができる。
【0024】
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の要部縦断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のボールペン先端部の適用例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ボールペン先端部
2 チップ本体
21 先端縁部
22 ボール受け座(凸部)
23 ボール
24 凹部
25 テーパ部
26 直円筒状の外面
3 被覆樹脂
4 ボールペン
5 チップ保持筒
51 突起
6 インキ収容管
61 インキ
62 追従体
7 尾栓
8 スプリング
81 ストレート部
82 コイル部
Claims (1)
- 直円筒状の金属製チップ本体の先端部外面に円錐面状のテーパ部を設け、前記テーパ部の先端に径方向内方への押圧変形により先端縁部を設け、チップ本体の先端部近傍且つテーパ部後方の直円筒状の外面に周状に分散配置された内面が円錐面状の複数の凹部を径方向内方への押圧変形により形成すると共に、前記チップ本体の先端近傍の内面に前記凹部に対応した複数の凸部よりなるボール受け座を形成し、前記先端縁部と前記ボール受け座との間にボールを回転可能に抱持し、ペン先乾燥防止用の被覆樹脂を、前記ボール、前記先端縁部、前記テーパ部、前記凹部及び前記凹部周囲の直円筒状の外面を覆うようにチップ本体の先端部に固着したことを特徴とするボールペン先端部。
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