JPH0815423B2 - お粥の缶詰 - Google Patents

お粥の缶詰

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JPH0815423B2
JPH0815423B2 JP62313874A JP31387487A JPH0815423B2 JP H0815423 B2 JPH0815423 B2 JP H0815423B2 JP 62313874 A JP62313874 A JP 62313874A JP 31387487 A JP31387487 A JP 31387487A JP H0815423 B2 JPH0815423 B2 JP H0815423B2
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一郎 土井
三喜郎 村上
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八幡町
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Cereal-Derived Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (発明の目的) この発明は、日本古来からの主食の一つであるお粥
を、何時でも最良の状態で即席に食すことができる缶詰
食品として実現した新規な構造からなるお粥の缶詰に関
するものである。
(従来技術) お粥は、米を僅かにし、水分を多くして煮た我が国独
特の主食であり、単に病人や離乳食としてだけではな
く、今でも関西地方で広く朝食として食されている外、
健康食として最近では新幹線の朝食メニューにも加えら
れ、大変な人気を呼んでいる主食である。
このお粥は、同じ米を使った食べ物である「ごはん」
と違ってインスタント食品には向かず、これまでのとこ
ろでは、その都度鍋に所定割合で米と水を合わせ、適宜
時間煮込んで作らない限り作れないものであると半ば諦
められてきた食品の一つである。その理由は、水分に対
して米の割合が極めて少なく、水分中にごはん粒が浮游
していて澱粉質が溶け出し易い状態で出来上がるもので
あることから、缶詰や袋缶詰にする過程でノリ状化して
しまい、所謂本来の粥の状態で提供することが難しかっ
たからであろうと推測される。
事実、インスタント食品として提供されている他の食
品と同じような製造工程、例えば缶詰の製造工程でいう
ならば、原料→洗浄→調理→肉詰め→注液→脱気→密封
→殺菌→冷却という工程でこの粥の缶詰を製造し、直ぐ
に開缶してみると、粥であるべき内容物は、ノリ状化し
てほとんどごはん粒の形を止どめていないゲル状の物に
なってしまっていることを確認することができる。
そこで、この発明では、上記のような事実を認識し、
長期に亘って保存されていてもノリ状化することが殆ど
ない、特別の構造からなるお粥の缶詰の開発、研究に取
り組み、遂にその実用化に成功したものである。
(発明の構成) この発明のお粥の缶詰は、缶詰用空き缶(以下、単に
缶という)4と中に、研いだだけで未調理の米1と該米
と量の約7〜7.5倍程度の水またはお湯2とを入れて缶
内温度を比較的高温に保持すると共に、缶4の上方に未
充填部分が確保されて所定の空気層3を保有する如くし
て密閉し、そのまま加温して調理と加熱殺菌とを同時に
進行させて形成してなる缶詰の構造を基本とするもので
ある。
原料となる米1は、「ササニシキ」、「コシヒカリ」
等といった銘柄米に代表される良質の米を採用するよう
にするのが美味しいお粥を作る上で重要な要件である。
そしてこの米1は、研いだだけで一切調理することなく
缶4内に水またはお湯2と共に充填されるものである。
缶4は、公知の缶詰用空き缶であればどのようなもの
でもよく、特に素材について限定されるものではな
い。。
缶詰内に確保されることとなる空気層3は、缶詰容量
の約1割程度となるよう予め米1と水またはお湯2の量
とが決定されていなければならない。
該空気層3を確保したまま密閉された後、缶4毎加温
することによって、全体の殺菌消毒を実施すると共に、
原料である米1がお粥に調理されるようにする。この構
成が、お粥の缶詰を実現する上で極めて重要な構成要件
である。
以上のような構成によって実現されるお粥の缶詰の簡
略化した断面構造が、第1図に示されている。図中、41
は上蓋、42は巻締め部を夫々示している。
次に、上記のような構造からなるこの発明のお粥の缶
詰の製造方法を、その代表的な製造工程に基づいて説示
する。
先ず、缶4に充填する前の米の処理工程は、通常の方
法により水で研ぐだけの処理をしたものを採用するよう
にし、缶4の充填する前に熱を加えてお粥にするための
調理をしてしまわないよう留意する。
このように研ぐだけの前処理された米は、水またはお
湯との割合において1:7〜7.5程度の比率(但し、その比
率は、作ろうとするお粥の状態、即ちやや米が多めとお
粥とするかどうか等で場合によって変更されることもあ
り得るが、ここに示した値は缶詰として製品化した際
に、最も理想的な状態のものを実現することが可能とな
る比率を示している)となるようにして所定容量(例え
ば、1人前の量であればお粥約470グラム前後を収容で
きる容量、約315立方糎)の缶に充填することになる。
缶4への充填処理工程は、上記したような米と水また
はお湯の比率が所定範囲に規制されて実施される外、缶
4内に充填される量についても規制をうける。
即ち、缶4の容量に対してお粥の原料(研いだだけの
米と水またはお湯、以下同じ)が、略9割程度になるよ
う規制され、缶4の上方に空気層(缶の上蓋41をした際
に内部に未充填部分として残る部分)3を実現できるよ
うにして充填されなければならない。
こうしてお粥の原料が所定の如く充填された缶4は、
シーマーを使って上蓋41を巻締める缶4の密閉工程に移
るが、この密閉工程に移る前に、その缶内温度が高温
(最適には70℃以上)に保たれるよう配慮してこの密閉
処理が実施されるようにするのが望ましい。
この比較的高温に確保する手段は、米1と共に水2を
入れ、缶4ごと適宜手段で加温するようにして実現する
外、処理工程上からは、缶4内に所定量の米1を入れた
後、高温が保てる温度のお湯2を注ぐようにして実現す
るようにする。
シーマーによって密閉されたお粥の原料入り缶は、圧
力釜等によって略118℃前後に加温され、約5〜10分程
度殺菌処理と調理の目的で熱処理される。この熱処理の
段階で缶詰自体をローリングさせるようにすると、缶4
内のお粥の原料全体に熱が伝わり易く、熱処理効果上有
利なものとなる。
熱処理によって調理されたお粥の入った缶詰、即ちお
粥の缶詰は、加温室から取り出されると直ぐに常温まで
急冷する冷却処理に移される。この冷却処理に入る段階
で、個々の缶詰は、上下を反転させてお粥に調理された
内容物が上手く撹拌されるようにすると、調理後に汁と
調理された米粒とがより分離しにいものとなり、好都合
のものとなる。
なお、この冷却処理を終えた缶詰は、その後通常の缶
詰製造と同様にマーカーによって製造月日の印字処理が
成され、缶4自体に外装用の印刷が成されていないもの
の場合には外装用ラベルが貼られた上、巻き締め計測機
等による検査が成され、適宜個数毎、例えば10個ずつ梱
包されて出荷されるものである。
(作用効果) 以上のような構成からなるこの発明のお粥の缶詰は、
先ず、お粥の缶詰として缶4内に充填されているもの
が、予め米1を調理してお粥にしてしまったものではな
く、始めはお粥の原料、即ち、研いだだけの米1の水ま
たはお湯2とし、缶4の密閉後において加温、熱処理し
て缶4の中で調理されたお粥としたことから、従前まで
の缶詰の一般的な形成手段を採用して、調理してお粥を
缶4に積めてから密閉するようにして形成したお粥の缶
詰のように、缶詰にされたお粥がノリ状化してしまっ
て、所謂お粥としての商品価値がなくしてしまうといっ
た致命的な欠陥を略完全に解消することができ、従っ
て、この密封された缶の中で調理するとした構造は、下
記する空気層3を設けた構造と相待って極めて重要な特
徴となっている。
この発明のお粥の缶詰は、更に、缶4内に空気層3を
有する未充填部分の確保された構造を採用しているた
め、一つには、缶4内で調理中にお粥の調理が理想的に
進行する上、調理後に缶4ごと上下を反転するだけで、
内部のお粥がこの空気層3の存在によって略理想的に撹
拌されることから、製造過程において均質なお粥を形成
する上で有利になるという利点を有し、他の一つには、
缶詰に形成後、商品として陳列されている間において
も、該空気層3の存在によって内容物が動きやすい状態
となっていることから、自然にお粥が水と米質分とに分
離、固化あるいは沈澱してしまうといったような、お粥
の缶詰として不都合な現象の発生を極力防止することが
できるという利点を有し、お粥の缶詰としての商品価値
を維持する上で、この空気層3を設けた構造は、極めて
大きな特徴となっている。
また、缶内に密閉した状態で調理する構造の採用は、
上記したとおり、お粥のノリ状化を防止するという極め
て重要な役割を果たすと共に、他方では商品であるお粥
そのものの味の点においても、調理中に必要な味が散逸
してしまうということがなく、お米のうま味と香りとを
保つことができ、お粥という食品に欠くことができない
味の点での商品価値を高める上で極めて有利になるとい
う副次的な特徴を引き出すことにも繋がっている。
なお、お粥の原料が充填された缶の缶内温度を比較的
高温(理想的には70度C以上の温度)に保持した儘で密
閉するとした構造を採用しているのは、缶詰の密閉度を
確保するために欠くことができない重要な要素の一つで
あって、缶の密閉後のお粥原料の安全な加温、熱処理を
保証する効果がある。
叙上のとおり、この発明のお粥の缶詰は、これまで実
現不可能とされていたお粥のインスタント食品化を確実
且つ効率的に可能にするという極めて秀れた効果を発揮
するものであり、米を主生産物とする稲作地域の産地産
品作りに大いに寄与することになる外、健康食品を指向
する社会的な傾向に極めてタイミング良く呼応すること
が出来るものであり、これらの秀れた作用効果を有する
この発明は、各方面で高く評価されるものと予想され
る。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明を代表する実施例に基づくものであ
り、第1図は、中央縦断面図である。 1……米、2……水またはお湯、3……空気層、4……
缶詰用空き缶、41……同上蓋、42……同巻締め部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】缶詰用空き缶の中に、研いだだけで未調理
    の米と該米の量の約7〜7.5倍程度の水またはお湯とを
    入れて缶内温度を比較的高温に保持すると共に、缶詰用
    空き缶の上方に未充填部分が確保されて所定の空気層を
    保有する如くして密閉し、そのまま加温して調理と加熱
    殺菌とを同時に進行させて形成したお粥の缶詰。
JP62313874A 1987-12-10 1987-12-10 お粥の缶詰 Expired - Fee Related JPH0815423B2 (ja)

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