JPH08151929A - 多段式ターボ装置および制御方法 - Google Patents

多段式ターボ装置および制御方法

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JPH08151929A
JPH08151929A JP6321313A JP32131394A JPH08151929A JP H08151929 A JPH08151929 A JP H08151929A JP 6321313 A JP6321313 A JP 6321313A JP 32131394 A JP32131394 A JP 32131394A JP H08151929 A JPH08151929 A JP H08151929A
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turbocharger
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air
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンに2個のターボチャージャを装備し
た多段式ターボ装置において、発進加速時に小ターボか
ら大ターボに切り換える際、ブースト圧の大幅低下を防
止してスモーク発生を防止すること。 【構成】 車両を発進加速する際、小ターボ10から大
ターボ16に切り換えるに先立って、大ターボ16を予
め加速しておく構成とした。タービン16Tへの入口側
排気管8−5と、タービン10Tの出口側排気管8−4
と、タービン16Tの出口側排気管8との間に、三方弁
26を設け、ブースト圧が第1の設定値になった時に、
弁体26−1を点線位置とする。小ターボの排気は大タ
ーボに供給され、大ターボは予備加速される。ブースト
圧が第2の設定値になった時、電磁バルブ22を閉じ電
磁バルブ23を開いて、ウェストゲート弁9を強制的に
開放する。バイパスされた排気も大ターボに供給され、
予備加速が促進される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンに2個のター
ボチャージャを装備した多段式ターボ装置および制御方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発進加速性等の向上のために、エンジン
に2個のターボチャージャを装備した多段式ターボ装置
がある。図6に、そのような従来の従来の多段式ターボ
装置を示す。図6において、1はエンジン、1−1は吸
気マニホールド、1−2はシリンダ部、1−3は排気マ
ニホールド、2は吸気管、2−1,2−2は吸気取入
口、2−3は吸気分岐管、3はインタークーラー、4は
ファン、5はエンジン回転数センサ、6はアクチュエー
タ、7はエギゾーストブレーキバルブ、8は排気管、8
−1〜8−5は排気管、9はウェストゲート弁、10は
第1のターボチャージャ(以下、「小ターボ」とも言
う)、10Cはコンプレッサ、10Tはタービン、11
はブースト圧センサ、12は小ターボ給気バルブ、13
はアクチュエータ、14はエギゾーストブレーキバル
ブ、15はアクチュエータ、16は第2のターボチャー
ジャ(以下、「大ターボ」とも言う)、16Cはコンプ
レッサ、16Tはタービン、17はブースト圧センサ、
18は大ターボ給気バルブ、19はアクチュエータ、2
0はコントローラ、21はアクセルセンサである。
【0003】小ターボ10および大ターボ16の2つの
ターボチャージャが、エンジン1に装備されている。小
ターボ10を運転する時は、エギゾーストブレーキバル
ブ7を開き、小ターボ給気バルブ12を開く。大ターボ
16を運転する時は、エギゾーストブレーキバルブ14
を開き、大ターボ給気バルブ18を開く。それらのバル
ブの開閉は、アクチュエータ6,13,15および19
によって行われるが、その開閉信号は、コントローラ2
0から送られる。コントローラ20は、アクセルセンサ
21からのアクセル踏込み量,エンジン回転数センサ5
からのエンジン回転数,ブースト圧センサ11,17で
検出したブースト圧P10,P16等の車輛情報を基に、開
閉信号を生成する。
【0004】小ターボ10は、コンプレッサ10Cとタ
ービン10Tとから構成され、排気管8−1を通って出
てくる排気によりタービン10Tが回され、そのタービ
ン10Tによりコンプレッサ10Cが駆動される。コン
プレッサ10Cは、吸気取入口2−1からの吸気を圧縮
して、そのブースト圧を高める。ブースト圧センサ11
は、該ブースト圧(P10)を検出する。圧縮された吸気
は、小ターボ給気バルブ12が開かれていると、吸気管
2およびその途中に設けられているインタークーラー3
を通って、吸気マニホールド1−1に送り込まれる。
【0005】排気管8−1を通って出てくる排気のエネ
ルギーが大であると、タービン10Tがオーバーランし
たり、ブースト圧が過大となったりして、機械的に危険
な状態となる。ウェストゲート弁9は、それを避けるた
めのものであり、排気をタービン10Tの出口側にある
排気管8−4にバイパスし、タービン10Tに送られる
エネルギー量を少なくする。どの時点でバイパスを開始
するかは、吸気分岐管2−3を通って送られて来る吸気
の圧力によって決められる。
【0006】図7は、ウェストゲート弁を示す図であ
る。符号は図6のものに対応し、9−1は弁体、9−2
は弁座、9−3は支持板、9−4はスプリング、9−5
はダイヤフラム、9−6はエア室である。スプリング9
−4の左端は支持板9−3に固定され、ダイヤフラム9
−5を右方に弾発している。吸気分岐管2−3からの吸
気は、エア室9−6に導入され、ダイヤフラム9−5を
左方に押圧する。吸気の圧力が所定圧力(例えば、80
0mmHg≒1.08Kg/cm2 )に達すると、スプ
リング9−4の弾発力に抗してダイヤフラム9−5を左
方に押して行き、弁体9−1を図示の如く弁座9−2よ
り離脱させる。これにより、排気管8−2からの排気は
排気管8−3へ抜け、排気のバイパスが行われる。バイ
パスを行わせる圧力の設定は、スプリング9−4の強さ
を調節することによって設定される。
【0007】大ターボ16は、コンプレッサ16Cとタ
ービン16Tとから構成され、排気管8−5を通って出
てくる排気によりタービン16Tが回され、そのタービ
ン16Tによりコンプレッサ16Cが駆動される。コン
プレッサ16Cは、吸気取入口2−2からの吸気を圧縮
して、そのブースト圧を高める。ブースト圧センサ17
は、該ブースト圧(P16)を検出する。圧縮された吸気
は、大ターボ給気バルブ18が開かれていると、吸気管
2およびその途中に設けられているインタークーラー3
を通って、吸気マニホールド1−1に送り込まれる。
【0008】小ターボ10は、排気ガスのエネルギーが
小さくとも高速回転して、急速にブースト圧を高めれる
ものが用いられる。大ターボ16は、排気ガスのエネル
ギーが大となっても危険な程に回転数が上がらないよ
う、エンジン1の大きさ等を考慮して(マッチングをと
って)選定される。それゆえ、小ターボ10のウェスト
ゲート弁9に相当するような、排気ガスのバイパス経路
は設けられていない。小ターボ10は低速回転で使用さ
れ、大ターボ16は中高速回転で使用される。このよう
な多段式ターボ装置では、単一のターボチャージャを具
えている場合に比し、エンジン回転数が小の領域でも大
きなブースト圧が得られるので、発進加速性がよい。
【0009】図5は、従来の多段式ターボ装置における
発進加速時のブースト圧の変化を示す図であり、横軸は
エンジン回転数(N)、縦軸はブースト圧である。曲線
イは小ターボ運転によるブースト圧の変化を示す曲線、
曲線ロは大ターボ運転によるブースト圧の変化を示す曲
線、曲線ハはターボチャージャが1つであった場合のブ
ースト圧の変化を示す曲線である。
【0010】発進当初、エンジンは低速回転域であるの
で、小ターボ10が運転される。ブースト圧は曲線イに
示すように上昇されるが、これは曲線ハと比べれば分か
るように、ターボチャージャが1つの場合より急速に上
昇される。従って、大きなトルクが得られ、発進加速性
がよい。エンジン回転数が或る程度上昇し(その回転数
をNC とする。NC は、例えば1100rpm)、中高
速回転域になると小ターボ10は停止され、大ターボ1
6に切り換えられる。ブースト圧は、曲線イで上昇した
C の値からいったん下がり、曲線ロに示すように上昇
する。
【0011】なお、多段式ターボ装置および制御方法に
関する従来の文献としては、例えば、特開昭61−277818
号公報がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
(問題点)しかしながら、前記した従来の技術では、発
進加速時に小ターボから大ターボに切り換える際、ブー
スト圧が大きく低下し、大量のスモークが発生するとい
う問題点があった。
【0013】(問題点の説明)図5に示したように、小
ターボから大ターボに切り換えられた時(Ncの時)、
大ターボは初めて回転されるので、ブースト圧は大きく
低下する。そのため、ブースト圧不足に陥り、大量のス
モークが発生する。本発明は、このような問題点を解決
することを課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の多段式ターボ装置では、エンジンの低速回
転領域で作動させられ、ウェストゲート弁が付設された
第1のターボチャージャと、エンジンの中高速回転領域
で作動させられる第2のターボチャージャと、車両のエ
アタンクのエア圧を利用して前記ウェストゲート弁を任
意の時に開くことが出来るウェストゲート弁強制開放手
段と、第1の接続口が第1のターボチャージャの出口側
に接続され、第2の接続口が第2のターボチャージャの
タービンの入口側に接続され、第3の接続口が該タービ
ンの出口側に接続され、第1のターボチャージャからの
排気の流れを前記入口側または出口側に制御し得る弁体
を有する三方弁とを具えることとした。
【0015】また、本発明の多段式ターボ制御方法で
は、前記の多段式ターボ装置を、車両が発進加速モード
にあると判定された場合、エンジン低速回転領域では第
1のターボチャージャのみを運転して該第1のターボチ
ャージャによる過給吸気を吸気管に供給し、ブースト圧
が第1の設定値に達した時は、第1のターボチャージャ
からの排気を第2のターボチャージャの入口側に流すよ
う三方弁を制御して、該第2のターボチャージャによる
過給吸気を吸気管に供給することなく第2のターボチャ
ージャを加速し、ブースト圧が第2の設定値に達した時
は、第1のターボチャージャのウェストゲート弁を強制
的に開放し、第1,第2のターボチャージャのブースト
圧が略等しくなった時、第2のターボチャージャのみの
運転に切り換え、該第2のターボチャージャによる過給
吸気を吸気管に供給することとした。
【0016】
【作 用】車両を発進加速する際、第1のターボチャ
ージャから第2のターボチャージャに切り換えるに先立
って、第2のターボチャージャを予め加速しておくの
で、切り換えた時にブースト圧が大きく低下することは
ない。そのため、スモークが大量に発生することはな
い。
【0017】
【実施例】本発明は、小ターボから大ターボに切り換え
る際に、スモークが大量に発生するのを防止するため、
小ターボを停止する前に大ターボを予め加速しておき、
小ターボを停止する時に、ブースト圧の大幅低下が生じ
ないようにすることを目的とするものである。
【0018】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明の多段式ターボ装置を示
す図である。符号は図6のものに対応し、22,23は
電磁バルブ、24はエア圧レギュレータ、25はエアパ
イプ、26は三方弁、26−1は弁体、27は三方電磁
バルブ、8−6,8−7は排気管である。構成上、従来
の図6の多段式ターボ装置と相違する第1の点は、ウェ
ストゲート弁9を強制的に開くことが出来る手段(ウェ
ストゲート弁強制開放手段…電磁バルブ22,23、エ
ア圧レギュレータ24,エアパイプ25)を設けたとい
う点である。第2の点は、タービン16Tへの入口側排
気管8−5と、タービン10Tの出口側排気管8−4
と、タービン16Tの出口側排気管8との間に、三方弁
26を含むターボ間排気通流手段を設けたという点であ
る。
【0019】(ウェストゲート弁強制開放手段)図8
は、本発明におけるウェストゲート弁9周辺の構成を示
す図である。符号は図7,図1のものに対応する。電磁
バルブ22,23への開閉制御信号は、図1のコントロ
ーラ20から送られてくる。エアパイプ25は、車両の
エアタンクからエアを導くパイプである。エア圧レギュ
レータ24は、エア圧を低下させるためのレギュレータ
である。エアタンクからのエア圧は、約4〜8Kg/c
2 程度あり、そのままウェストゲート弁9に印加した
のでは、故障させたり破壊したりする恐れがある。そこ
で、ウェストゲート弁9を開き得るが、印加してもウェ
ストゲート弁9に故障や破壊を生じさせない適切な圧力
(例えば、1.5Kg/cm2 )に低下させる。
【0020】ウェストゲート弁9に、従来通りの作用を
させるため、エア室9−6へ吸気分岐管2−3からの吸
気を供給(ブースト圧印加)する場合は、電磁バルブ2
2を開とし、電磁バルブ23を閉とする。弁体9−1を
開くブースト圧は、例えば、800mmHg(≒1.0
8Kg/cm2 )と設定されているから、この圧力に達
すると開かれる。
【0021】ウェストゲート弁9を強制的に開く場合
は、電磁バルブ22を閉とし、電磁バルブ23を開とす
る。すると、エア圧レギュレータ24で適切な圧力にさ
れたエア圧がエア室9−6に導入され、弁体9−1を弁
座9−2から離脱させる。強制的に開放するのは、図4
で詳しく説明するが、車両が発進加速モードにあって、
所定条件が満たされた時である。なお、発進加速モード
か否かの判定であるが、ここでは、 エンジン回転数がアイドル回転数であり、且つ アクセル踏込み量が0%となっている状態が、発進
直前にはあり勝ちと判断される所定時間(例、5秒間)
以上継続している場合に、発進加速モードにあると判定
する。この判定は、エンジン回転数センサ5,アクセル
センサ21からの検出信号を基に、コントローラ20で
行う。
【0022】(ターボ間排気通流手段)図2は三方弁2
6を示す図であり、図3は三方弁の動作を説明する図で
ある。三方弁26は、ターボ間排気通流手段の要部を成
している。符号は図1のものに対応し、26−2はエア
室、26−3はピストン、26−4はスプリング、26
−5は支持板である。
【0023】三方電磁バルブ27が閉じられ、エア室2
6−2にエアタンクからのエアが供給されない時(OF
F時)は、ピストン26−3は図示の如くスプリング2
6−4に弾発された位置にあり、弁体26−1は排気管
8−6を塞ぐ実線の位置(OFF位置)にある。排気管
8−4を通って流れて来た排気は、排気管8−7の方へ
流れてゆく(図3(イ)参照)。
【0024】三方電磁バルブ27が開かれ、エア室26
−2にエアタンクからのエアが供給される時(ON時)
は、ピストン26−3はスプリング26−4の弾発力に
打ち勝ちながら下方に移動し、弁体26−1は排気管8
−7を塞ぐ点線の位置(ON位置)に来る。排気管8−
4を通って流れて来た排気は、排気管8−6の方へ流れ
てゆく(図3(ロ)参照)。ON位置を解除し、OFF
位置に戻すには、三方電磁バルブ27を大気開放とし
て、エア室26−2のエアを大気に放出する。すると、
スプリング26−4の弾発力により、ピストン26−3
は元の位置に戻り、弁体26−1も実線の位置に復帰す
る。
【0025】図3(ハ)は、三方弁26を、大ターボ1
6に対するウェストゲート弁として動作させた場合の状
態を示している。小ターボ10を停止し(従って、排気
管8−4を通って小ターボ10から排気が流れて来るこ
とはない)大ターボ16だけの運転を行っている際に、
排気エネルギーが大となってオーバーランしそうになっ
た時には、三方弁26の弁体26−1を、OFF位置と
ON位置の中間位の位置(「中間位置」と言うことにす
る)に留める。これは、エア室26−2へのエア圧を調
節することによって行うことが出来る。
【0026】すると、排気管8−6を流れて来た排気
は、弁体26−1の脇をすり抜けて排気管8−7へと流
れて行く。この排気は、大ターボ16をバイパスして排
気管8へ流れ去るから、この時の三方弁26は、丁度ウ
ェストゲート弁の役割を果たしている。従来の多段式タ
ーボ装置では、大ターボ16にはウェストゲート弁に相
当する構成は設けていないので、大ターボ16としてど
のような規格のものを用いるかのマッチングを、オーバ
ーラン等を生ずることがないよう考慮して、慎重に行う
必要があった。しかし、本発明の多段式ターボ装置で
は、三方弁26が大ターボ16のウェストゲート弁の役
割を果たすので、それでオーバーラン等に対処すること
が出来、前記マッチングをそれほど厳密にやる必要がな
く、マッチングが楽になる。
【0027】(多段式ターボ装置の制御方法)図4は、
本発明の多段式ターボ装置における発進加速モード時の
制御動作を説明する図である。上半分のグラフは、エン
ジン回転数N(横軸)とブースト圧(縦軸)との関係を
示すグラフであり、下半分の表は、各エンジン回転領域
(A〜D)における各構成要素の動作状態を示す表であ
る。なお、各構成要素の制御は、コントローラ20から
の制御信号によりなされる。制御の概要は、該表の最下
欄に記載されている。即ち、まず発進当初の低回転領域
では小ターボからの給気を行い、回転が上がりブースト
圧が上がって来たら、大ターボ給気の準備をするための
加速を並行して行う。そして、その後、小ターボを停止
し、大ターボに切り換えて給気を行う。
【0028】(1)エンジン回転領域Aでの制御動作 領域Aは、発進当初より始まる低回転領域であり、小タ
ーボ10のみを運転する領域である。図1の多段式ター
ボ装置において、エギゾーストブレーキバルブ7を開い
てタービン10Tに排気を供給すると共に、小ターボ給
気バルブ12を開いて、コンプレッサ10Cから過給さ
れた吸気を吸気管2に送り込む。コンプレッサ10Cに
よるブースト圧(P10)は、ブースト圧センサ11によ
って検出される。
【0029】三方弁26はOFFとし、小ターボ10か
らの排気は、排気管8−4,8−7を通って排気管8に
出るようにする。領域Aでは、まだ排気エネルギーはそ
れほど大でないので、小ターボ10がオーバーランする
恐れはなく、ウェストゲート弁9は閉じられている。一
方、エギゾーストブレーキバルブ14および大ターボ給
気バルブ18を閉じて、大ターボ16は停止させてお
く。
【0030】電磁バルブ22は開、電磁バルブ23は閉
として、ウェストゲート弁9のエア室9−6には、吸気
分岐管2−3からのブースト圧が印加されている。しか
し、領域Aは低回転領域であるので、ウェストゲート弁
9が開かれる程(約800mmHg)にブースト圧が上
昇することはなく、ウェストゲート弁9は閉となってい
る。車両が発進加速モードにあると判定されると、以下
に述べるような制御がなされる。まず、アクセルを踏み
込みエンジン回転数を上げると、ブースト圧は曲線イに
沿って上昇する。
【0031】(2)エンジン回転領域Bでの制御動作 領域Bは、大ターボ16の準備加速の前半領域である。
この準備加速は、小ターボ10からの排気を、次の経路
を通って大ターボ16のタービン16Tに供給すること
によって行う。 タービン10T→排気管8−4→三方弁26→排気管8
−6→排気管8−5→タービン16T。
【0032】ブースト圧センサ11で検出するブースト
圧が、予め定めておいた値P1 に達すると(図4の曲線
イの点S1 。エンジン回転数=N1 )、三方電磁バルブ
27を開いて三方弁26をONとする。すると、排気管
8−4から排気管8−7を通って排気管8へ流れていた
排気は、排気管8−6を通ってタービン16Tに流れ始
める。小ターボ10にとってみれば、排気管8−4から
直接排気管8へ流れていた領域Aの時と比べて、背圧が
大になるから、ブースト圧の上昇度合いは緩やかにな
る。図4において、領域Bにおけるブースト圧の上昇カ
ーブが、領域Aにおけるそれより緩やかになっているの
は、そのことを表している。
【0033】大ターボ16に小ターボ10用の排気の一
部が供給され始めると、コンプレッサ16Cか駆動さ
れ、その中のブースト圧(そのブースト圧P16は、ブー
スト圧センサ17によって検出される)は上昇し始める
(図4の曲線ロ参照)。しかし、大ターボ給気バルブ1
8は閉じられているから、コンプレッサ16Cで過給さ
れた吸気は吸気管2には入れられず、エンジン1に送ら
れる吸気のブースト圧は、依然として小ターボ10によ
って得られたブースト圧である。
【0034】(3)エンジン回転領域Cでの制御動作 領域Cは、大ターボ16の準備加速の後半領域である。
この準備加速は、領域Bの場合と同じ経路で供給される
排気の他、ウェストゲート弁9を開いて得られる排気を
も、大ターボ16のタービン16Tに供給することによ
って行う。従って、三方弁26をONする他、ウェスト
ゲート弁9を開く。
【0035】ブースト圧センサ11で検出するブースト
圧が、予め定めておいた値P2 に達したところで(図4
の曲線イの点S2 。曲線ロの点L1 。エンジン回転数=
2)、ウェストゲート弁9を強制的に開く。しかし、
このブースト圧P2 は、まだウェストゲート弁9が開く
程の値(約800mmHg)ではないので、電磁バルブ
22を開いて吸気分岐管2−3の吸気を供給していたの
では、開くことが出来ない。そこで、電磁バルブ22を
閉とし、電磁バルブ23を開として、エア圧レギュレー
タ24からのエア圧を供給して強制的に開く。このよう
に、発進加速モードでウェストゲート弁9を強制的に開
くことは、本発明の特徴の1つである。
【0036】小ターボ10への排気が少なくなると共に
背圧が増すので、小ターボ10によるブースト圧は低下
する。ウェストゲート弁9を通る排気のエネルギーは、
小ターボ10を通ってくるものよりエネルギーが大であ
るので、大ターボ16は更に加速され、そのブースト圧
の上昇度合いは急になる。従って、やがて両者は一致す
る。図4のグラフの点L2 (その時のエンジン回転数を
3 とする)は、その一致点を示している。一致する時
に小ターボ10から大ターボ16への切り換えを行う
と、吸気管2に供給される吸気のブースト圧に変化は生
じない。正確に一致する時でなくとも、その近くの時点
で切り換えを行えば、ブースト圧が大きく変化すること
はない。従って、ブースト圧の大幅な低下によるスモー
クの大量発生というような事態は起こらない。
【0037】(4)エンジン回転領域Dでの制御動作 領域Dは、大ターボ16のみの運転に切り換えられた領
域であるが、大ターボ16への切り換えは次のようにし
て行う。 エギゾーストブレーキバルブ7および小ターボ給気バ
ルブ12を閉じて、小ターボ10の運転を停止させる。 エギゾーストブレーキバルブ14および大ターボ給気
バルブ18を開いて、大ターボ16を本格運転する。 用のなくなったウェストゲート弁9の強制開放を停止
し、三方弁26をOFFにする。
【0038】ブースト圧はエンジン回転数の上昇と共に
上昇するが、ブースト圧センサ17で検出するブースト
圧P16が過大になった時には、コントローラ20から三
方電磁バルブ27へ制御信号が出され、三方弁26の弁
体26−1を図3(ハ)に示すような中間位置にする。
すると、大ターボ16への排気が一部バイパスされ、ブ
ースト圧の上昇が防止できる。
【0039】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の多段式ターボ
装置および制御方法によれば、車両を発進加速する際、
第1のターボチャージャから第2のターボチャージャに
切り換えるに先立って、第2のターボチャージャを或る
程度加速しておくので、切り換えた時にブースト圧が大
きく低下することはない。そのため、スモークが大量に
発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多段式ターボ装置を示す図
【図2】 三方弁を示す図
【図3】 三方弁の動作を説明する図
【図4】 本発明における発進加速モード時の制御動作
を説明する図
【図5】 従来の多段式ターボ装置における発進加速時
のブースト圧の変化を示す図
【図6】 従来の多段式ターボ装置を示す図
【図7】 ウェストゲート弁を示す図
【図8】 本発明におけるウェストゲート弁周辺の構成
を示す図
【符号の説明】
1…エンジン、1−1…吸気マニホールド、1−2…シ
リンダ部、1−3…排気マニホールド、2…吸気管、2
−1,2−2…吸気取入口、2−3…吸気分岐管、3…
インタークーラー、4…ファン、5…エンジン回転数セ
ンサ、6…アクチュエータ、7…エギゾーストブレーキ
バルブ、8…排気管、8−1〜8−7…排気管、9…ウ
ェストゲート弁、9−1…弁体、9−2…弁座、9−3
…支持板、9−4…スプリング、9−5…ダイヤフラ
ム、9−6…エア室、10…小ターボ、10C…コンプ
レッサ、10T…タービン、11…ブースト圧センサ、
12…小ターボ給気バルブ、13…アクチュエータ、1
4…エギゾーストブレーキバルブ、15…アクチュエー
タ、16…大ターボ、16C…コンプレッサ、16T…
タービン、17…ブースト圧センサ、18…大ターボ給
気バルブ、19…アクチュエータ、20…コントロー
ラ、21…アクセルセンサ、22…電磁バルブ、23…
電磁バルブ、24…エア圧レギュレータ、25…エアパ
イプ、26…三方弁、26−1…弁体、26−2…エア
室、26−3…ピストン、26−4…スプリング、26
−5…支持板、27…三方電磁バルブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの低速回転領域で作動させら
    れ、ウェストゲート弁が付設された第1のターボチャー
    ジャと、エンジンの中高速回転領域で作動させられる第
    2のターボチャージャと、車両のエアタンクのエア圧を
    利用して前記ウェストゲート弁を任意の時に開くことが
    出来るウェストゲート弁強制開放手段と、第1の接続口
    が第1のターボチャージャの出口側に接続され、第2の
    接続口が第2のターボチャージャのタービンの入口側に
    接続され、第3の接続口が該タービンの出口側に接続さ
    れ、第1のターボチャージャからの排気の流れを前記入
    口側または出口側に制御し得る弁体を有する三方弁と、
    を具えたことを特徴とする多段式ターボ装置。
  2. 【請求項2】 車両が発進加速モードにあると判定され
    た場合、エンジン低速回転領域では第1のターボチャー
    ジャのみを運転して該第1のターボチャージャによる過
    給吸気を吸気管に供給し、ブースト圧が第1の設定値に
    達した時は、第1のターボチャージャからの排気を第2
    のターボチャージャの入口側に流すよう三方弁を制御し
    て、該第2のターボチャージャによる過給吸気を吸気管
    に供給することなく第2のターボチャージャを加速し、
    ブースト圧が第2の設定値に達した時は、第1のターボ
    チャージャのウェストゲート弁を強制的に開放し、第
    1,第2のターボチャージャのブースト圧が略等しくな
    った時、第2のターボチャージャのみの運転に切り換
    え、該第2のターボチャージャによる過給吸気を吸気管
    に供給することを特徴とする請求項1記載の多段式ター
    ボ装置の制御方法。
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