JPH08151368A - 新規なナフチリドンまたはキノロン化合物もしくはそれらの塩、それらからなる抗ウイルス剤 - Google Patents

新規なナフチリドンまたはキノロン化合物もしくはそれらの塩、それらからなる抗ウイルス剤

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JPH08151368A
JPH08151368A JP6305692A JP30569294A JPH08151368A JP H08151368 A JPH08151368 A JP H08151368A JP 6305692 A JP6305692 A JP 6305692A JP 30569294 A JP30569294 A JP 30569294A JP H08151368 A JPH08151368 A JP H08151368A
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秀嘉 長木
Yosuke Furuta
要介 古田
Kazumi Takahashi
和美 高橋
Masatoshi Hirose
正俊 廣瀬
Nobuyuki Matsubara
信之 松原
Kimiyasu Shiraki
公康 白木
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規なナフチリドンまたはキノロン化合物も
しくはそれらの塩並びにそれらからなる抗ウイルス剤に
関するものである。 【構成】 【化1】 [式中、R1は、置換されていてもよいアルケニル、シ
クロアルキル、アリールまたは複素環式基を;R2は、
置換されていてもよいアリールまたは複素環式基を;X
は、水素原子またはハロゲン原子を;Aは、NまたはC
Hを示す。]で表わされるナフチリドンまたはキノロン
化合物もしくはそれらの塩、それらからなる抗ウイルス
剤 【効果】本発明化合物のナフチリドンまたはキノロン化
合物もしくはそれらの塩は、優れた抗ウイルス活性を有
し、医薬品として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般式[1]
【化5】 [式中、R1は、置換されていてもよいアルケニル、シ
クロアルキル、アリールまたは複素環式基を;R2は、
置換されていてもよいアリールまたは複素環式基を;X
は、水素原子またはハロゲン原子を;Aは、NまたはC
Hを示す。]で表わされる抗ウイルス作用を発揮する新
規なナフチリドンまたはキノロン化合物もしくはそれら
の塩、それらからなる抗ウイルス剤を提供するものであ
る。なお、ここでいう抗ウイルス剤とは、ヘルペスウイ
ルス[単純ヘルペスウイルス、水痘一体状疱疹ウイル
ス、サイトメガロウイルス、突発性発疹(HHV−6)
ウイルスおよびエプスタイン・バ−(EB)ウイル
ス]、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、ポリ
オウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルスやエ
イズウイルスなどによる感染症に対して、有効な薬剤を
意味する。
【0002】
【従来の技術】特公昭53−18600号は、8−エチル−2
−(1−ピペラジノ)ピリド[2,3−d]ピリミジン
−5−オン塩酸塩に抗炎症活性のあることを開示してい
る。また、特開昭59−95287号は、ピリド[2,3−d]
ピリミジン誘導体に心臓の収縮性を増加する作用のある
ことを開示している。さらに、最近、アンチバイラルケ
ミストリーアンドケモセラピー(Antiviral Chemistry
& Chemotherapy)、第5巻、第3号、第169−175頁(199
4年)において、8−アルキル−2−(ピリジン−4−イ
ル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−5(8H)−オ
ンがエイズウイルスに対して有効であるとの報告がされ
ている。一方、現在、抗ウイルス剤として、核酸誘導体
が広く使用されている。単純ヘルペスウイルスや帯状庖
疹ウイルスによる感染症に対しては、アシクロビルに優
れた臨床効果が認められているが、長期投与した場合に
おいて耐性ウイルスの出現が問題になっている。また同
じヘルペスウイルス属のサイトメガロウイルスによる感
染症に対しては、ガンシクロビルが使用されているが、
好中球減少および血小板減少などの重篤な副作用が問題
となっている。さらに、エイズウイルスに対してはAZ
Tが使用されているが、その治療効果は充分とは言え
ず、また耐性ウイルスの出現が問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、核酸系以
外の新しい抗ウイルス剤の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下におい
て、本発明者らは鋭意検討を行った結果、一般式[1]
【化6】 [式中、R1は、置換されていてもよいアルケニル、シ
クロアルキル、アリールまたは複素環式基を;R2は、
置換されていてもよいアリールまたは複素環式基を;X
は、水素原子またはハロゲン原子を;Aは、NまたはC
Hを示す。]で表わされるナフチリドンまたはキノロン
化合物もしくはそれらの塩が優れた抗ウイルス活性を有
することを見出し、本発明を完成するに至った。以下、
本発明化合物について詳述する。
【0005】本明細書において特にことわらないかぎ
り、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子およびヨウ素原子を;低級アルキル基とは、好ましく
は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルおよ
びペンチルなどのC1-5アルキル基を;低級アルコキシ
基とは、好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポ
キシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s
ec−ブトキシ、tert−ブトキシおよびペンチルオキシな
どのC1-5アルコキシ基を;低級アルキルチオ基とは、
好ましくは、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチ
オ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチ
オ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオおよびペンチ
ルなどのC1-5アルキルチオ基を;アシル基とは、好ま
しくは、ホルミル基、アセチルおよびエチルカルボニル
などのC2-5アルカノイル基並びにベンゾイルおよびナ
フチルカルボニルなどのアロイル基を;低級アルコキシ
カルボニル基とは、好ましくは、メトキシカルボニル、
エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソ
プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソ
ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert
−ブトキシカルボニルおよびペンチルオキシカルボニル
などのC1-5アルコキシカルボニル基を;ヒドロキシ−
低級アルキル基とは、好ましくは、ヒドロキシメチル、
ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルなどのヒド
ロキシ−C1-5アルキル基を;低級アルキルアミノ基と
は、好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピ
ルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびメチ
ルエチルアミノなどのモノまたはジ−C1-5アルキルア
ミノ基を;アミノ−低級アルキル基とは、好ましくは、
アミノメチル、アミノエチルおよびアミノプロピルなど
のアミノ−C1-5アルキル基を;低級アルキルアミノ−
低級アルキル基とは、好ましくは、メチルアミノメチ
ル、メチルアミノエチル、エチルアミノメチル、メチル
アミノプロピル、プロピルアミノエチル、ジメチルアミ
ノメチル、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチ
ルおよびジメチルアミノプロピルなどのモノまたはジ−
1-5アルキルアミノ−C1-5アルキル基を;ハロゲノ−
低級アルキル基とは、好ましくは、フルオロメチル、ク
ロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリフル
オロメチル、トリクロロメチル、クロロエチル、ジクロ
ロエチル、トリクロロエチルおよびクロロプロピルなど
のハロゲノ−C1-5アルキル基を;アルケニル基とは、
好ましくは、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニ
ル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニルおよびオクテ
ニルなどのC2-10アルケニル基を;低級アルケニル基と
は、好ましくは、ビニルおよびアリルなどのC2-5アル
ケニル基を;シクロアルキル基とは、好ましくは、シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシク
ロヘキシルなどのC3- 6シクロアルキル基を;低級アル
キルスルホニル基とは、好ましくは、メチルスルホニ
ル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソ
プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチ
ルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチル
スルホニルおよびペンチルスルホニルなどのC1-5アル
キルスルホニル基を;低級アルキルスルファモイル基と
は、好ましくは、メチルスルファモイル、エチルスルフ
ァモイル、n−プロピルスルファモイル、イソプロピル
スルファモイル、n−ブチルスルファモイル、イソブチ
ルスルファモイル、sec−ブチルスルファモイル、tert
−ブチルスルファモイル、ペンチルスルファモイル、ジ
メチルスルファモイル、ジエチルスルファモイルおよび
エチルメチルスルファモイルなどのモノまたはジ−C
1-5アルキルスルファモイル基を;アリール基とは、好
ましくは、フェニルおよびナフチルなどの基を;複素環
式基とは、好ましくは、アゼチジニル、チエニル、フリ
ル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリ
ル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリ
ル、フラザニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾ
リジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリ
ニル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−チ
アジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,
4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,
2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリ
ル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニ
ル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、モルホリ
ニル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチエニル、ナ
フトチエニル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、クロ
メニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリ
ル、インダゾリル、プリニル、キノリル、イソキノリ
ル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、
キナゾリニル、シノリニル、フテリジニル、イソクロマ
ニル、クロマニル、インドリニル、イソインドリニル、
ベンゾオキサゾリル、トリアゾロピリジル、テトラゾロ
ピリダジニル、テトラゾロピリミジニル、チアゾロピリ
ダジニル、チアジアゾロピリダジニル、トリアゾロピリ
ダジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、
1,2,3,4−テトラヒドロキノリル、イミダゾ
「1,2−b][1,2,4]トリアジニルおよびキヌ
クリジニルなどのような酸素原子、窒素原子および硫黄
原子から選ばれる少なくとも1つの異項原子を含有する
4〜6員または縮合複素環式基をそれぞれ意味する。
【0006】R1における置換されていてもよい低級ア
ルケニル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまた
は複素環式基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ
基、保護されていてもよいカルボキシル基、保護されて
いてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいアミ
ノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコ
キシカルボニル基、アリール基、シクロアルキル基、低
級アルケニル基、ハロゲノ−低級アルキル基、保護され
ていてもよい低級アルキルアミノ基およびジ−低級アル
キルアミノ基が挙げられ、これら一種または二種以上の
置換基で置換されていてもよい。
【0007】R2における置換されていてもよいアリー
ルまたは複素環式基の置換基としては、ハロゲン原子、
低級アルキル基、低級アルケニル基、シクロアルキル
基、アリール基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ
基、ニトロ基、シアノ基、アシル基、保護されていても
よいヒドロキシル基、保護されていてもよいヒドロキシ
低級アルキル基、保護されていてもよいアミノ基、保護
されていてもよい低級アルキルアミノ基、保護されてい
てもよいアミノ低級アルキル基、保護されていてもよい
低級アルキルアミノ−低級アルキル基、低級アルキルス
ルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基および
低級アルキルスルファモイル基が挙げられ、これら一種
または二種以上の置換基で置換されていてもよい。
【0008】カルボキシル基の保護基としては、通常の
カルボキシル基の保護基として使用し得るすべての基を
含み、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−
プロピル、1,1−ジメチルプロピル、n−ブチルおよび
tert−ブチルなどの低級アルキル基;フェニルおよびナ
フチルなどのアリール基;ベンジル、ジフェニルメチ
ル、トリチル、p-ニトロベンジル、p-メトキシベンジル
およびビス(p-メトキシフェニル)メチルなどのアル−
低級アルキル基;アセチルメチル、ベンゾイルメチル、
p-ニトロベンゾイルメチル、p-ブロモベンゾイルメチル
およびp-メタンスルホニルベンゾイルメチルなどのアシ
ル−低級アルキル基;2−テトラヒドロピラニルおよび
2−テトラヒドロフラニルなどの含酸素複素環式基;
2,2,2−トリクロロエチルなどのハロゲノ−低級アル
キル基;2−(トリメチルシリル)エチルなどの低級ア
ルキルシリルアルキル基;アセトキシメチル、プロピオ
ニルオキシメチルおよびピバロイルオキシメチルなどの
アシルオキシアルキル基;フタルイミドメチルおよびス
クシンイミドメチルなどの含窒素複素環式−低級アルキ
ル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;メトキ
シメチル、メトキシエトキシメチルおよび2−(トリメ
チルシリル)エトキシメチルなどの低級アルコキシ−低
級アルキル基;ベンジルオキシメチルなどのアル−低級
アルコキシ−低級アルキル基;メチルチオメチルおよび
2−メチルチオエチルなどの低級アルキルチオ−低級ア
ルキル基;フェニルチオメチルなどのアリールチオ−低
級アルキル基;1,1−ジメチル−2−プロペニル、3
−メチル−3−ブチニルおよびアリールなどの低級アル
ケニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリ
ル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシ
リル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフ
ェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert−ブ
チルメトキシフェニルシリルなどの低級アルキル置換シ
リルなどが挙げられる。
【0009】また、アミノ、低級アルキルアミノ、アミ
ノ低級アルキル基および低級アルキルアミノ−低級アル
キル基の保護基としては、通常のアミノ保護基として使
用し得るすべての基を含み、たとえば、トリクロロエト
キシカルボニル、トリブロモエトキシカルボニル、ベン
ジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボ
ニル、o-ブロモベンジルオキシカルボニル、(モノ−、
ジ−、トリ−)クロロアセチル、トリフルオロアセチ
ル、フェニルアセチル、ホルミル、アセチル、ベンゾイ
ル、tert−アミルオキシカルボニル、tert−ブトキシカ
ルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、3,
4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−(フェ
ニルアゾ)ベンジルオキシカルボニル、2−フルフリル
オキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、
1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキ
シカルボニル、フタロイル、スクシニル、アラニル、ロ
イシル、1−アダマンチルオキシカルボニルおよび8−
キノリルオキシカルボニルなどのアシル基;ベンジル、
ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアル−低級アル
キル基;2−ニトロフェニルチオおよび2,4−ジニト
ロフェニルチオなどのアリールチオ基;メタンスルホニ
ルおよびp-トルエンスルホニルなどのアルカン−もしく
はアレーン−スルホニル基;N,N−ジメチルアミノメ
チレンなどのジ−低級アルキルアミノ−低級アルキリデ
ン基;ベンジリデン、2−ヒドロキシベンジリデン、2
−ヒドロキシ−5−クロロベンジリデンおよび2−ヒド
ロキシ−1−ナフチルメチレンなどのアル−低級アルキ
リデン基;3−ヒドロキシ−4−ピリジルメチレンなど
の含窒素複素環式アルキリデン基;シクロヘキシリデ
ン、2−エトキシカルボニルシクロヘキシリデン、2−
エトキシカルボニルシクロペンチリデン、2−アセチル
シクロヘキシリデンおよび3,3−ジメチル−5−オキ
シシクロヘキシリデンなどシクロアルキリデン基;ジフ
ェニルホスホリルおよびジベンジルホスホリルなどのジ
アリール−もしくはジアル−低級アルキルホスホリル
基;5−メチル−2−オキソ−2H−1,3−ジオキソ
ール−4−イル−メチルなどの含酸素複素環式アルキル
基;並びにトリメチルシリルなどの低級アルキル置換シ
リル基などが挙げられる。
【0010】さらに、ヒドロキシルおよびヒドロキシ低
級アルキル基の保護基としては、通常のヒドロキシル保
護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、ベ
ンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−
メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキ
シベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、1,1
−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカル
ボニル,イソブチルオキシカルボニル、ジフェニルメト
キシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボ
ニル、2,2,2−トリブロモエトキシカルボニル、2−
(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、2−(フェ
ニルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェ
ニルホスホニオ)エトキシカルボニル、2−フルフリル
オキシカルボニル、1−アダマンチルオキシカルボニ
ル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニ
ル、S−ベンジルチオカルボニル、4−エトキシ−1−
ナフチルオキシカルボニル、8−キノリルオキシカルボ
ニル、アセチル、ホルミル、クロロアセチル、ジクロロ
アセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチ
ル、メトキシアセチル、フェノキシアセチル、ピバロイ
ルおよびベンゾイルなどのアシル基;メチル、tert−ブ
チル、2,2,2−トリクロロエチルおよび2−トリメチ
ルシリルエチルなどの低級アルキル基;アリルなどの低
級アルケニル基;ベンジル、p-メトキシベンジル、3,
4−ジメトキシベンジル、ジフェニルメチルおよびトリ
チルなどのアル−低級アルキル基;テトラヒドロフリ
ル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロチオピラ
ニルなどの含酸素および含硫黄複素環式基;メトキシメ
チル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2−
メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキ
シメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルお
よび1−エトキシエチルなどの低級アルコキシ−および
低級アルキルチオ−低級アルキル基;メタンスルホニル
およびp-トルエンスルホニルなどのアルキル−およびア
リール−スルホニル基;並びにトリメチルシリル、トリ
エチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソ
プロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−
ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよ
びtert−ブチルメトキシフェニルシリルなどの低級アル
キル置換シリル基などが挙げられる。
【0011】一般式[1]の化合物の塩としては、通常
知られているアミノ基などの塩基性基またはヒドロキシ
ルもしくはカルボキシル基などの酸性基における塩を挙
げることができる。塩基性基における塩としては、たと
えば、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの鉱酸との塩;
酒石酸、ギ酸、クエン酸、トリクロロ酢酸およびトリフ
ルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;並びにメタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン
酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸
などのスルホン酸との塩を、また、酸性基における塩と
しては、たとえば、ナトリウムおよびカリウムなどのア
ルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウムなど
のアルカリ土類金属塩との塩;アンモニウム塩;並びに
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチル
ピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、
ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミ
ン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェ
ナミンおよびN,N'−ジベンジルエチレンジアミンなど
の含窒素有機塩基との塩などを挙げることができる。ま
た、一般式[1]の化合物またはその塩において、異性
体(たとえば、光学異性体、幾何異性体および互変異性
体など)が存在する場合、本発明は、それらの異性体を
包含し、また、溶媒和物、水和物および種々の形状の結
晶を包含するものである。
【0012】本発明化合物中、R1が置換されていても
よい低級アルケニル、シクロアルキル、アリールまたは
複素環式基であるナフチリドンまたはキノロン化合物も
しくはそれらの塩である化合物が好ましく、さらに、R
1が置換されていてもよいシクロアルキル、アリールま
たは複素環式基;R2が置換されていてもよい複素環式
基であるナフチリドンまたはキノロン化合物もしくはそ
れらの塩である化合物が特に好ましい。
【0013】本発明化合物中、代表的化合物としては、
以下の化合物が挙げられる。 ・1−(4−フルオロフェニル)−7−(ピリジン−4
−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン ・1−(2,4−ジフルオロフェニル)−7−(ピリジ
ン−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリ
ン ・1−シクロペンチル−7−(ピリジン−4−イル)−
1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン ・1−ピペリジノ−7−(ピリジン−4−イル)−1,
4−ジヒドロ−4−オキソキノリン ・1−(4−フルオロフェニル)−7−(3−ニトロピ
リジン−6−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキ
ノリン ・1−(4−フルオロフェニル)−7−(3−ニトロフ
ェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン ・1−(4−フルオロフェニル)−7−(チアゾール−
2−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン ・1−(4−フルオロフェニル)−7−(1H−イミダ
ゾール−1−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキ
ノリン ・1−(2,4−ジフルオロフェニル)−7−(チアゾ
ール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノ
リン ・1−(2,4−ジフルオロフェニル)−7−(1H−
イミダゾール−1−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソ−1,8−ナフチリジン
【0014】・1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)−7−(1H−イミダゾール−1−イル)−
1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン ・1−(2,4−ジフルオロフェニル)−7−(1H−
イミダゾール−1−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソキノリン ・7−(1H−イミダゾール−1−イル)−1−ピペリ
ジノ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン ・1−ピペリジノ−7−(チアゾール−2−イル)−
1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン ・6−フルオロ−1−(4−フルオロフェニル)−7−
(1H−イミダゾール−1−イル)−1,4−ジヒドロ
−4−オキソキノリン ・6−フルオロ−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシ
フェニル)−7−(1H−イミダゾール−1−イル)−
1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン ・1−(4−フルオロフェニル)−7−(チアゾール−
2−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナ
フチリジン ・7−(1H−イミダゾール−1−イル)−1−ピペリ
ジノ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリ
ジン ・1−ピペリジノ−7−(チアゾール−2−イル)−
1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン ・1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7
−(1H−イミダゾール−1−イル)−1,4−ジヒド
ロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン ・1−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ
−7−(1H−イミダゾール−1−イル)−1,4−ジ
ヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン
【0015】つぎに、本発明化合物の製造法について説
明する。本発明化合物は、たとえば、つぎに示すルート
にしたがって合成することができる。
【化7】
【化8】
【0016】[式中、R1、R2、AおよびXは、前記し
たと同様の意味を有し;R2aは、イミダゾール、ピラゾ
ール、トリアゾール、ピロリジン、ピペリジンなどのN
−を介する置換が可能な複素環式基を;X1は、塩素、
臭素またはヨウ素原子を;Alkは、炭素数1−6のアル
キル基を示す。] 一般式[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、
[7]および[1a]の化合物の塩としては、一般式[1]
の化合物の塩で説明したと同様の塩が挙げられる。
【0017】(製造法1)一般式[1]の化合物または
その塩は、酸化銀の存在下または不存在下、パラジウム
触媒の存在下、一般式[5]の化合物またはその塩と一
般式[2]の有機スズ化合物またはその塩あるいは一般
式[6]の有機スズ化合物またはその塩と一般式[3]
の化合物またはその塩をカップリング反応に付すことに
よって得ることができる。この反応で使用される溶媒と
しては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限
定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキ
シレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル
類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチ
ルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドな
どのアミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスル
ホキシド類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または
二種以上混合して使用してもよい。この反応で用いられ
るパラジウム触媒としては、たとえば、PdCl2(PPh3)2
Pd(PPh3)4、PdCl2[P(O-トリル)3]2、PdCl2+2P(OEt)3
よびPdCl2(PhCN)2[ただし、Etはエチル基を、Phはフェ
ニル基を示す。]などが挙げられる。一般式[2]の有
機スズ化合物またはその塩の使用量は、一般式[5]の
化合物またはその塩に対して、等モル以上、好ましく
は、1.0−2.0倍モルであればよく、一般式[3]の化合
物またはその塩の使用量は、一般式[6]の有機スズ化
合物またはその塩に対して、等モル以上、好ましくは、
1.0−5.0倍モルであればよい。このカップリング反応
は、通常、不活性ガス(たとえば、アルゴンおよび窒素
などが挙げられる。)雰囲気下、50−170℃で、1分−2
4時間実施すればよい。
【0018】一般式[1a]の化合物またはその塩は、一
般式[5]の化合物またはその塩に、一般式[4]の化
合物またはその塩を銅触媒の存在下または不存在下、塩
基を脱酸剤として用いて、反応させることにより得るこ
とができる。この反応で使用される溶媒としては、反応
に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されない
が、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなど
の芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセト
ニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムア
ミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド
類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類
などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混
合して使用してもよい。この反応で使用される塩基とし
ては、トリエチルアミン、カリウム−tert−ブトキシ
ド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび水素化ナトリ
ウムなどの、無機または有機塩基が挙げられる。また、
この反応で用いられる銅触媒としては、銅粉、塩化第一
銅、臭化第一銅およびヨウ化第一銅などが挙げられる。
一般式[4]の化合物またはその塩の使用量は、一般式
[5]の化合物またはその塩に対して等モル以上、好ま
しくは、1.0−3.0 倍モル使用すればよい。この反応
は、通常、50−250℃、好ましくは、100−200℃で、5
分−24時間、好ましくは、30分−10時間実施すればよ
い。
【0019】(製造法2)一般式[1]の化合物または
その塩は、一般式[7]の化合物またはその塩を銅触媒
およびキノリンの存在下、加熱することにより得ること
もできる。この反応に使用される銅触媒としては、たと
えば、銅粉、CuO、CuCO3などが挙げられる。銅触媒の使
用量は、一般式[7]の化合物またはその塩に対して0.
01−3.0倍モル、好ましくは0.1−2.0倍モルであればよ
い。キノリンの使用量は、一般式[7]の化合物または
その塩に対して1.0−20倍モル、好ましくは、3.0−10倍
モルであればよい。この脱炭酸反応は、通常、100−300
℃、好ましくは、150−250℃で、10分−10時間、好まし
くは、30分−5時間実施すればよい。
【0020】このようにして得られた一般式[1]また
は[1a]の化合物もしくはそれらの塩を、たとえば、酸
化、還元、転位、置換、付加、ハロゲン化、脱水もしく
は加水分解などの自体公知の反応に付すことによって、
またはそれらを適宜組み合わせることによって、他の一
般式[1]の化合物またはその塩に誘導することができ
る。
【0021】上で述べた製造法における一般式[2]、
[3]、[4]、[5]、[6]、[7]または[1a]
の化合物もしくはそれらの塩において、異性体(たとえ
ば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が
存在する場合、これらの異性体を使用することができ、
また、溶媒和物、水和物および種々の形状の結晶を使用
することができる。
【0022】一般式[2]、[3]、[4]、[5]、
[6]または[7]もしくはそれらの塩において、アミ
ノ基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する化
合物は、あらかじめこれらの基を通常の保護基で保護し
ておき、反応後、自体公知の方法でこれらの保護基を脱
離することもできる。
【0023】つぎに、本発明化合物を製造するための原
料である一般式[5]または[7]の化合物もしくはそ
れらの塩および新規化合物である一般式[6]の有機ス
ズ化合物もしくはそれらの塩の製造法について説明す
る。
【化9】
【化10】 [式中、R1、R2、X、X1およびAlkは、前記したと同
様の意味を有する。R3は、公知の方法で脱離が可能な
カルボキシル保護基である。] 一般式[8]、[9]、[10]、[11]、[12]、[1
3]、[14]および[15]の化合物の塩としては、一般
式[1]の化合物の塩で説明したと同様の塩が挙げられ
る。
【0024】(製造法A) (1) 一般式[9]の化合物またはその塩は、一般式
[8]の化合物またはその塩を通常、当該分野で知られ
ているケトエステル化反応に付すことによって得ること
ができる。たとえば、アンゲバンテ・ヘミ・インターナ
ショナル・エディション・イン・イングリッシュ(Ange
w.Chem.Int.Ed.Engl.)第18巻、第72頁(1979年)に記
載の方法に準じて、一般式[8]の化合物またはその塩
のカルボキシル基を、たとえば、N,N'−カルボニルジ
イミダゾールで活性酸アミドに誘導した後、マロン酸モ
ノエステルのマグネシウム塩と反応させ、それぞれ、一
般式[9]の化合物またはその塩を得ることができる。
この反応に使用される溶媒としては、反応に悪影響を及
ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、
ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水
素類;ジオキサン、テトラヒドロフランおよびジエチル
エーテルなどのエーテル類;塩化メチレン、クロロホル
ムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;
並びにN,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメ
チルアセトアミドなどのアミド類が挙げられ、これらの
溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
N,N'−カルボニルジイミダゾールおよびマロン酸モノ
エステルのマグネシウム塩の使用量は、一般式[8]の
化合物またはその塩に対して、それぞれ、等モル以上で
あればよく、好ましくは、1−2倍モルであればよい。
この反応は、通常、0−100℃、好ましくは、10−80℃
で、5分−30時間実施すればよい。
【0025】(2)(a) 一般式[11]の化合物また
はその塩は、一般式[9]の化合物またはその塩に、オ
ルトエステル類を無水酢酸存在下、反応させた後、一般
式[10]の化合物またはその塩を反応させることによっ
て得ることができる。この反応で使用される溶媒として
は、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定さ
れないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレ
ンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエ
ーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;メ
タノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコ
ール類;塩化メチレン、クロロホルムおよびジクロロエ
タンなどのハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホ
ルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどの
アミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキ
シド類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種
以上混合して使用してもよい。オルトエステル類として
は、たとえば、オルトギ酸メチルまたはオルトギ酸エチ
ルなどが挙げられ、その使用量は、一般式[9]の化合
物またはその塩に対して、それぞれ、等モル以上であれ
ばよく、好ましくは、1−10倍モルであればよい。一般
式[9]の化合物またはその塩とオルトエステル類の反
応は、通常、0−150℃、好ましくは、50−150℃で、20
分−50時間実施すればよい。
【0026】ついで、得られた反応混合物と一般式[1
0]の化合物またはその塩の反応において、一般式[1
0]の化合物またはその塩の使用量は、一般式[9]の
化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよ
い。この反応は、通常、0−100℃、好ましくは、10−6
0℃で、20分−30時間実施すればよい。
【0027】(b) 別法として、一般式[11]の化合
物またはその塩は、一般式[9]の化合物またはその塩
にアセタール類を酸無水物の存在下あるいは不存在下に
反応させた後、一般式[10]の化合物またはその塩を反
応させることによっても得ることができる。この反応で
使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないも
のであれば特に限定されないが、たとえば、(2)
(a)で挙げた溶媒と同様の溶媒が挙げられる。酸無水
物としては、たとえば、無水酢酸などが挙げられる。ま
た、アセタール類としては、たとえば、N,N−ジメチ
ルホルムアミドジメチルアセタールまたはN,N−ジメ
チルホルムアミドジエチルアセタールなどが挙げられ、
その使用量は、一般式[9]の化合物またはその塩に対
して、等モル以上であればよく、好ましくは、1−5倍
モルであればよい。この反応は、通常、0−100℃、好
ましくは、20−85℃で、20分−50時間実施すればよい。
【0028】ついで、一般式[10]の化合物またはその
塩を反応させるには、一般式[10]の化合物またはその
塩を、一般式[9]の化合物またはその塩に対して、等
モル以上使用すればよい。この反応は、通常、0−100
℃、好ましくは、10−60℃で、20分−30時間実施すれば
よい。
【0029】(3) 一般式[12]の化合物またはその
塩は、一般式[11]の化合物またはその塩を、フッ化塩
もしくは塩基の存在下または不存在下に閉環反応に付す
ことによって得ることができる。この反応で使用される
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば
特に限定されないが、たとえば、N,N−ジメチルホル
ムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのア
ミド類;ジオキサン、アニソール、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエ
ーテル類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキ
シドなどが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以
上混合して使用してもよい。この反応で所望に応じて用
いられるフッ化塩としては、たとえば、フッ化ナトリウ
ムおよびフッ化カリウムなどが挙げられ、所望に応じて
用いられる塩基としては、たとえば、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウム、カリウムtert−ブトキシドおよび水
素化ナトリウムなどが挙げられ、それらの使用量は、一
般式[11]の化合物またはその塩に対して、等モル以上
であればよく、好ましくは、1.0−3.0倍モルであればよ
い。この反応は、通常、0−180℃で、5分−30時間実
施すればよい。
【0030】(4)一般式[13]の化合物またはその塩
は、一般式[12]の化合物またはその塩を、公知の方法
により脱保護することにより得られる。
【0031】(5)一般式[5]の化合物またはその塩
は、一般式[13]の化合物またはその塩から、製造法2
と同様の方法により得られる。
【0032】(6) 一般式[6]のアリールスズ化合
物またはその塩は、一般式[5]のハロゲン化アリール
化合物またはその塩を、たとえば、ブレティン・オブ・
ザ・ケミカル・ソサェティ・オブ・ジャパン(Bull.Che
m.Soc.Jpn.)、第56巻、第3855−3856頁(1983年)に記載
の方法に準じ、パラジウム触媒を用いて、ヘキサアルキ
ルジスタナンと反応させることによって得ることができ
る。この反応で使用される溶媒およびパラジウム触媒と
しては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限
定されないが、具体的には、製造法1に記載したと同様
のものが挙げられる。ヘキサアルキルジスタナンの使用
量は、一般式[5]のハロゲン化アリール化合物または
その塩に対して、等モル以上、好ましくは、1.0−3.0倍
モルであればよい。この反応は、通常、40−160℃で、
1時間−72時間実施すればよい。
【0033】(製造法B) (1)一般式[14]の化合物またはその塩は、一般式
[12]の化合物またはその塩から、製造法Aの(6)と
同様の方法により得ることができる。 (2)一般式[15]の化合物またはその塩は、一般式
[14]の有機スズ化合物またはその塩に一般式[3]の
化合物またはその塩を製造法1に記載のカップリング反
応に付することにより得ることができる。 (3)一般式[7]の化合物またはその塩は、一般式
[15]の化合物またはその塩を自体公知の方法により脱
保護することにより得られる。
【0034】さらに、製造ルートにおいて、一般式[1
a]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、
[7]、[8]、[9]、[10]、[11]、[12]、
[13]、[14]または[15]の化合物もしくはそれらの
塩がアミノ基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を
有する場合は、あらかじめこれらの基を通常の保護基で
保護しておき、反応後、自体公知の方法でこれらの保護
基を脱離することができる。
【0035】前述した製造法において、一般式[1a]、
[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、
[8]、[9]、[10]、[11]、[12]、[13]、
[14]または[15]の化合物もしくはそれらの塩に異性
体(たとえば、光学異性体、幾何異性体および互変異性
体など)が存在する場合、これらの異性体を使用するこ
とができ、また、溶媒和物、水和物および所望の形状の
結晶を使用することができる。また、反応終了後、反応
目的物は単離せずに、そのままつぎの反応に用いてもよ
い。
【0036】このようにして得られた一般式[1]の化
合物またはその塩は、抽出、晶出および/またはカラム
クロマトグラフィーなどの常法にしたがって単離精製す
ることができる。
【0037】本発明化合物を医薬として用いる場合、通
常製剤化に使用される賦形剤、担体および希釈剤などの
製剤補助剤を適宜混合してもよく、これらは常法にした
がって、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、顆粒
剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、粉体製剤、坐剤、軟膏
剤または注射剤などの形態で経口または非経口で投与す
ることができる。また投与方法、投与量および投与回数
は、患者の年齢、体重および症状に応じて適宜選択する
ことができ、通常成人に対しては、経口または非経口
(たとえば、注射、点滴および直腸部位への投与など)
的投与により、1日、0.1−100mg/kgを1回から数回に
分割して投与すればよい。
【0038】つぎに、本発明の代表的化合物についての
薬理作用を説明する。 1.抗ウイルス作用 試験方法 単純ヘルペスウイルス アンチバイラール・リサーチ(Antiviral Research)、
第22巻、第175−188頁(1993年)記載のインビトロプラ
ーク減少法に準じて行った。すなわち、6穴培養プレー
トにVero細胞を十分増殖させ、HSV−2(G)株を10
0PFU/0.5mlで感染させた。感染終了後、各種濃度の被
験化合物を含んだ培地を添加し、3日間培養した。判定
は、メチレンブルーで染色後、プラークを計数し、対照
に対する百分率から50%抑制値(IC50)を算出した。そ
の結果を表1に示す。
【表1】
【0039】エイズウイルス 96穴培養プレートにMT−4細胞を1×104個/穴で
蒔き込み、被験化合物を添加した。ついで、HIV−I
IIBを用い感染させ、4日間培養した。効果判定はH
IV感染者血清を1次抗体とし、FITC(Fluorescei
n isothiocyanate)化抗ヒトIgG抗体を二次抗体とす
る蛍光抗体法により行った。なお、対照群には、薬剤溶
解時に使用したジメチルスルホキシドを終濃度0.1%に
なるように添加した。その結果を表2に示す。
【表2】
【0040】
【実施例】つぎに本発明を参考例および実施例を挙げて
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、溶離液における混合比は、すべて用量比であ
り、カラムクロマトグラフィーにおける担体は、シリカ
ゲル60、No.7734(メルク社製)を用いた。また、参考
例および実施例中で用いられる記号は、つぎの意味を有
する。 TFA−d1:重トリフルオロ酢酸 DMSO−d6:重ジメチルスルホキシド
【0041】参考例1 4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸30.0gを無水テトラ
ヒドロフラン300mlに溶解させ、氷冷下、N,N'−カル
ボニルジイミダゾール32.9gを加え、室温で1時間攪拌
する。ついで、エトキシカルボニル酢酸のマグネシウム
塩29.4gを加え、同温度で20時間攪拌する。反応混合物
を酢酸エチル600mlおよび水600mlの混合溶媒に加え、6
N塩酸でpH1に調整した後、有機層を分取する。得られ
た有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽
和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥さ
せ、減圧下に溶媒を留去する。得られた残留物をカラム
クロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチ
ル=10:1]で精製すれば、無色油状の4−ブロモ−2−
フルオロベンゾイル酢酸エチルエステル37.6gを得る。 IR(neat):νC=0 1745,1693 NMR(CDCl3)δ値:1.10-1.42(3H,tt,J=7.8Hz),3.90-4.50
(3H,m),5.80(0.5H,s),7.21-8.00(3.5H,m)
【0042】参考例2 (1)4−ブロモ−2−フルオロベンゾイル酢酸エチル
エステル37.6gを塩化メチレン190mlに溶解させ、無水酢
酸26.5gおよびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルア
セタール30.0gを加え、室温で1時間攪拌し、減圧下に
溶媒を留去する。得られた残留物をエタノール120mlに
溶解させ、4−フルオロアニリン17.3gを加え、室温で1
0時間攪拌し、減圧下に溶媒を留去する。得られた残留
物にn−ヘキサンを加え、結晶を濾取すれば、無色結晶
の2−(4−ブロモ−2−フルオロベンゾイル)−3−
(4−フルオロアニリノ)アクリル酸エチルエステル4
2.1gを得る。 (2)2−(4−ブロモ−2−フルオロベンゾイル)−
3−(4−フルオロアニリノ)アクリル酸エチルエステ
ル42.1gをジメチルスルホキシド210mlに溶解させ、炭酸
カリウム21.3gを加え、100℃で30分間攪拌する。反応混
合物を室温まで冷却後、水1.00lを加え、結晶を濾取す
れば、無色結晶の7−ブロモ−1−(4−フルオロフェ
ニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−
カルボン酸エチルエステル34.0gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1726,1695 NMR(DMSO-d6)δ値:1.25(3H,t,J=7.4Hz),4.15(2H,q,J=7.
4Hz),7.03(1H,bs),7.25-7.90(5H,m),8.10(1H,d,J=7.5H
z),8.39(1H,s)
【0043】参考例3 7−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)−1,4−
ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチル
エステル1.0gをジオキサン10mlに懸濁させ、6N塩酸10
mlを加え、1時間加熱還流する。冷却後、反応混合物に
水20mlを加え、結晶を濾取すれば、淡黄色結晶の7−ブ
ロモ−(4−フルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−
4−オキソキノリン−3−カルボン酸0.85gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1728,1618 NMR(CDCl3)δ値:7.00-7.80(6H,m),8.35(1H,d,J=7.8Hz),
8.66(1H,s),14.30(1H,bs)
【0044】参考例4 7−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)−1,4−
ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸0.80g
をキノリン4.0mlに懸濁させ、銅粉0.40gを加え、190℃
で1時間攪拌する。不溶物を濾去し、濾液をカラムクロ
マトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチル=3:
1]で精製した後、ジエチルエーテルを加え、結晶を濾
取すれば、無色結晶の7−ブロモ−1−(4−フルオロ
フェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.5
0gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1635 NMR(DMSO-d6)δ値:6.23(1H,d,J=7.8Hz),7.00-8.35(8H,
m)
【0045】参考例5 7−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)−1,4−
ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチル
エステル20gをトルエン400mlに懸濁させ、ビス(トリブ
チルスズ)59gおよび塩化ビス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(2)0.36gを加え、2時間加熱還流す
る。反応混合物を減圧下に濃縮し、得られた残留物をカ
ラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチ
ル=10:1]で精製すれば、無色結晶の1−(4−フルオ
ロフェニル)−7−トリブチルスタニル−1,4−ジヒ
ドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチルエス
テル8.6gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1727,1624 NMR(CDCl3)δ値:0.75-1.75(30H,m),4.35(2H,q,J=7.2H
z),7.03(1H,bs),7.20-7.80(5H,m),8.35-8.55(2H,m)
【0046】参考例6 7−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)−1,4−
ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチル
エステル1.0gをキシレン20mlに懸濁させ、4−トリメチ
ルスタニルピリジン0.80gおよびテトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(0)20mgを加えた後、窒
素雰囲気下、5時間加熱還流する。反応混合物を減圧下
に濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー
[溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1]で精製した
後、ジエチルエーテルを加え、結晶を濾取すれば、無色
結晶の1−(4−フルオロフェニル)−7−(ピリジン
−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン
−3−カルボン酸エチルエステル0.75gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1730,1616 NMR(DMSO-d6)δ値:1.35(3H,t,J=7.0Hz),4.25(2H,q,J=7.
0Hz),7.10-8.80(12H,m)
【0047】参考例7 1−(4−フルオロフェニル)−7−(ピリジン−4−
イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−
カルボン酸エチルエステル0.75gをジオキサン7.5mlに懸
濁させ、1N水酸化ナトリウム水溶液7.5mlを加えた
後、室温で2時間攪拌する。反応混合物に1N塩酸7.5m
lを加え、結晶を濾取すれば、無色結晶の1−(4−フ
ルオロフェニル)−7−(ピリジン−4−イル)−1,
4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸0.
60gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1717,1616 NMR(TFA-d1)δ値:7.20-9.20(11H,m),9.40(1H,s)
【0048】実施例1 7−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)−1,4−
ジヒドロ−4−オキソキノリン0.50gをN,N−ジメチル
ホルムアミド10mlに懸濁させ、ついで、イミダゾール0.
21g、臭化第一銅0.045g、水素化ナトリウム0.13gを順次
加え、室温で10分間攪拌後、3時間加熱還流する。反応
混合物を冷却した後、クロロホルム20mlおよび水20mlの
混合溶媒を加え、有機層を分取する。得られた有機層を
水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去する。得られた残留
物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢
酸エチル:メタノール=5:5:1]で精製すれば、無
色結晶の1−(4−フルオロフェニル)−7−(1H−
イミダゾール−1−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソキノリン0.15gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1634 NMR(CDCl3)δ値:6.36(1H,d,J=8.3Hz),6.80-7.85(7H,m),
8.53(1H,d,J=8.8Hz)
【0049】実施例2 2,6−ジクロロニコチン酸を原料として参考例1、
2、3および4と同様にして得た7−クロロ−1−
(2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4
−オキソ−1,8−ナフチリジン0.40gをN,N−ジメチ
ルホルムアミド8mlに懸濁させ、臭化第一銅0.10g、炭
酸カリウム0.24gおよびイミダゾール0.12gを順次加え、
120℃で8時間反応する。反応混合物を冷却した後、ク
ロロホルム20mlおよび水20mlの混合溶媒を加え、有機層
を分取する。得られた有機層を水および飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒
を留去する。得られた残留物をカラムクロマトグラフィ
ー[溶離液;トルエン:酢酸エチル:メタノール=10:
10:1]で精製すれば、1−(2,4−ジフルオロフェ
ニル)−7−(1H−イミダゾール−1−イル)−1,
4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン0.15
を得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1639 NMR(CDCl3)δ値:6.42(1H,d,J=7.8Hz),6.80-7.85(8H,m),
8.80(1H,d,J=7.8Hz)
【0050】実施例3 (1)2−ブロモチアゾール0.42gをN,N−ジメチルホ
ルムアミド5.0mlに溶解させ、酸化銀(1)0.58gおよび
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)0.19gを加え、窒素雰囲気下、100℃で5分間攪拌
する。ついで、この反応混合物にN,N−ジメチルホル
ムアミド2.5mlに溶解させた1−(4−フルオロフェニ
ル)−7−トリブチルスタニル−1,4−ジヒドロ−4
−オキソキノリン−3−カルボン酸エチルエステル0.50
gを加え、100℃で15分間攪拌する。反応混合物を酢酸エ
チル20mlおよび水50mlの混合溶媒に加え、2N塩酸でpH
2に調整後、不溶物を濾去し、有機層を分取する。得ら
れた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去する。得られた残留
物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢
酸エチル=3:1]で精製した後、ジエチルエーテルを
加え、結晶を濾取すれば、無色結晶の1−(4−フルオ
ロフェニル)−7−(チアゾール−2−イル)−1,4
−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチ
ルエステル0.16gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1727,1688 NMR(CDCl3)δ値:1.37(3H,t,J=7.1Hz),4.35(2H,q,J=7.1H
z),7.36-7.88(8H,m),8.40-8.54(2H,m)
【0051】(2)1−(4−フルオロフェニル)−7
−(チアゾール−2−イル)−1,4−ジヒドロ−4−
オキソキノリン−3−カルボン酸エチルエステル0.15g
をジオキサン1.5mlに懸濁させ、1N水酸化ナトリウム
水溶液1.5mlを加え、室温で2時間攪拌する。反応混合
物に1N塩酸1.5mlを加え、結晶を濾取すれば、無色結
晶の1−(4−フルオロフェニル)−7−(チアゾール
−2−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン
−3−カルボン酸0.10gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1724,1613 NMR(CDCl3)δ値:7.10-7.90(10H,m),14.50(1H,bs)
【0052】(3)1−(4−フルオロフェニル)−7
−(チアゾール−2−イル)−1,4−ジヒドロ−4−
オキソキノリン−3−カルボン酸0.09gをキノリン0.9ml
に懸濁させ、銅粉0.03gを加え、190℃で1時間攪拌す
る。不溶物を濾去し、濾液をカラムクロマトグラフィー
[溶離液;トルエン:酢酸エチル=3:1]で精製した
後、ジエチルエーテルを加え、結晶を濾取すれば、無色
結晶の1−(4−フルオロフェニル)−7−(チアゾー
ル−2−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリ
ン0.04gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1633 NMR(CDCl3)δ値:6.36(1H,d,J=7.8Hz),7.00-8.00(9H,m),
8.51(1H,d,J=8.3Hz)
【0053】実施例4−6 実施例3(1)−(3)と同様にして、つぎの化合物を
得る。 No.4 1−(4−フルオロフェニル)−7−(3−ニト
ロピリジン−6−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキ
ソキノリン IR(KBr)cm-1C=O 1630 NMR(DMSO-d6)δ値:6.21(1H,d,J=7.8Hz),7.25-8.75(10H,
m),9.30(1H,d,J=2.5Hz) No.5 1−(4−フルオロフェニル)−7−(4−ニト
ロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン IR(KBr)cm-1C=O 1630 NMR(CDCl3)δ値:6.22(1H,d,J=7.8Hz),7.10-8.45(12H,m) No.6 1−(2,4−ジフルオロフェニル)−7−(チ
アゾール−5−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ
キノリン IR(KBr)cm-1C=O 1637 NMR(CDCl3)δ値:6.38(1H,d,J=7.8Hz),6.80-8.35(9H,m)
【0054】実施例7 1−(4−フルオロフェニル)−7−(ピリジン−4−
イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−
カルボン酸0.60gをキノリン3.0mlに懸濁させ、銅粉0.3g
を加え、190℃で1時間攪拌する。不溶物を濾去し、濾
液をカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢
酸エチル=2:1]で精製した後、ジエチルエーテルを
加え、結晶を濾取すれば、無色結晶の1−(4−フルオ
ロフェニル)−7−(ピリジン−4−イル)−1,4−
ジヒドロ−4−オキソキノリン0.35gを得る。 IR(KBr)cm-1C=O 1627 NMR(CDCl3)δ値:6.39(1H,d,J=7.8Hz),7.00-7.90(9H,m),
8.40-8.80(3H,m)
【0055】実施例8−10 参考例2、6、7および実施例7と同様にして、つぎの
化合物を得る。 No.8 1−シクロペンチル−7−(ピリジン−4−イ
ル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン IR(KBr)cm-1C=O 1627 NMR(CDCl3)δ値:1.50-2.60(8H,m),4.75-5.30(1H,m),6.3
3(1H,d,J=8.8Hz),7.28-7.80(5H,m),8.50-8.85(3H,m) No.9 1−ピペリジノ−7−(ピリジン−4−イル)
−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン IR(KBr)cm-1C=O 1626 NMR(DMSO-d6)δ値:1.20-2.10(6H,m),1.85-2.30(4H,m),
6.12(1H,d,J=7.8Hz),7.55-8.90(8H,m) No.10 1−(2,4−ジフルオロフェニル)−7−
(ピリジン−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキ
ソキノリン IR(KBr)cm-1C=O 1629 NMR(DMSO-d6)δ値:6.25(1H,d,J=7.8Hz),7.00-8.10(8H,
m),8.35(1H,d,J=8.3Hz),8.50-8.75(2H,m)
【0056】
【発明の効果】本発明化合物のナフチリドンまたはキノ
ロン化合物もしくはそれらの塩は、優れた抗ウイルス活
性を有し、医薬品として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 417/04 215 471/04 114 //(C07D 401/04 213:16 215:22) (C07D 401/04 233:58 215:22) (C07D 417/04 215:22 277:22) (72)発明者 松原 信之 富山県富山市中川原新町285−4 (72)発明者 白木 公康 富山県富山市五福末広町2556−4

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 [式中、R1は、置換されていてもよいアルケニル、シ
    クロアルキル、アリールまたは複素環式基を;R2は、
    置換されていてもよいアリールまたは複素環式基を;X
    は、水素原子またはハロゲン原子を;Aは、NまたはC
    Hを示す。]で表わされるナフチリドンまたはキノロン
    化合物もしくはそれらの塩。
  2. 【請求項2】R1が置換されていてもよい低級アルケニ
    ル、シクロアルキル、アリールまたは複素環式基である
    請求項1記載のナフチリドンまたはキノロン化合物もし
    くはそれらの塩。
  3. 【請求項3】R1が置換されていてもよいシクロアルキ
    ル、アリールまたは複素環式基;R2が置換されていて
    もよい複素環式基である請求項2記載のナフチリドンま
    たはキノロン化合物もしくはそれらの塩。
  4. 【請求項4】 【化2】 [式中、R1は、置換されていてもよいアルケニル、シ
    クロアルキル、アリールまたは複素環式基を;R2は、
    置換されていてもよいアリールまたは複素環式基を;X
    は、水素原子またはハロゲン原子を;Aは、NまたはC
    Hを示す。]で表わされるナフチリドンまたはキノロン
    化合物もしくはそれらの塩を含有する抗ウイルス剤。
  5. 【請求項5】R1が置換されていてもよい低級アルケニ
    ル、シクロアルキル、アリールまたは複素環式基である
    請求項4記載のナフチリドンまたはキノロン化合物もし
    くはそれらの塩を含有する抗ウイルス剤。
  6. 【請求項6】R1が置換されていてもよいシクロアルキ
    ル、アリールまたは複素環式基;R2が置換されていて
    もよい複素環式基である請求項5記載のナフチリドンま
    たはキノロン化合物もしくはそれらの塩を含有する抗ウ
    イルス剤。
  7. 【請求項7】 【化3】 [式中、R1は、置換されていてもよいアルケニル、シ
    クロアルキル、アリールまたは複素環式基を;R2は、
    置換されていてもよいアリールまたは複素環式基を;X
    は、水素原子またはハロゲン原子を;Aは、NまたはC
    Hを示す。]で表わされるナフチリドンまたはキノロン
    化合物もしくはそれらの塩を含有する抗ヘルペスウイル
    ス剤。
  8. 【請求項8】R1が置換されていてもよい低級アルケニ
    ル、シクロアルキル、アリールまたは複素環式基である
    請求項7記載のナフチリドンまたはキノロン化合物もし
    くはそれらの塩を含有する抗ヘルペスウイルス剤。
  9. 【請求項9】R1が置換されていてもよいシクロアルキ
    ル、アリールまたは複素環式基;R2が置換されていて
    もよい複素環式基である請求項8記載のナフチリドンま
    たはキノロン化合物もしくはそれらの塩を含有する抗ヘ
    ルペスウイルス剤。
  10. 【請求項10】 【化4】 [式中、R1は、置換されていてもよいアルケニル、シ
    クロアルキル、アリールまたは複素環式基を;R2は、
    置換されていてもよいアリールまたは複素環式基を;X
    は、水素原子またはハロゲン原子を;Aは、NまたはC
    Hを示す。]で表わされるナフチリドンまたはキノロン
    化合物もしくはそれらの塩を含有する抗エイズウイルス
    剤。
  11. 【請求項11】R1が置換されていてもよい低級アルケニ
    ル、シクロアルキル、アリールまたは複素環式基である
    請求項10記載のナフチリドンまたはキノロン化合物もし
    くはそれらの塩を含有する抗エイズウイルス剤。
  12. 【請求項12】R1が置換されていてもよいシクロアルキ
    ル、アリールまたは複素環式基;R2が置換されていて
    もよい複素環式基である請求項11記載のナフチリドンま
    たはキノロン化合物もしくはそれらの塩を含有する抗エ
    イズウイルス剤。
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