JP4621356B2 - 三環キノロンカルボン酸誘導体またはその塩 - Google Patents

三環キノロンカルボン酸誘導体またはその塩 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌、たとえば、プロピオニバクテリウムアクネス(Propionibacterium acnes)、キノロン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)および非定型抗酸菌、とりわけ、キノロン耐性黄色ブドウ球菌に対し、強力な抗菌作用を発揮する三環キノロンカルボン酸誘導体またはその塩に関する。
背景技術
キノロンカルボン酸骨格を有する化合物は、キノロン系合成抗菌剤として感染症の治療に用いられている。その中で、三環性キノロン骨格を有するものとして、現在臨床で使用されているオフロキサシンおよびナジフロキサシンなどが知られている。しかし、三環性キノロン骨格を有する化合物の9位に水素原子、10位(ナジフロキサシンの8位に相当する)にベンゼン縮合環を有する化合物は知られていない。また、三環性キノロン骨格を有する化合物の9位に水素原子、10位にピリジル基を有する化合物は、1位が酸素原子であるオキサジン骨格を有する化合物以外は知られていない。特開平1−319463号には、製造方法の一般的開示において、三環性キノロン骨格を有しその10位にベンゼン縮合環を有する化合物も包含する表現がなされている。しかし、具体的に、詳細な説明において、当該化合物を、当業者が過度の努力なしに具体性をもって認識可能な程度には開示されていない。特開平1−139583号には、三環性キノロン骨格を有し、その10位にピリジル基を有する化合物も包含する表現がなされている。しかし、該発明の三環性キノロン骨格は、9位がフッ素であることを特徴にしており、本願発明の9位が水素であるものとは生物学的有用性において大きな差異を有するものである。
また、1989年開催の第29回ICAAC(Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy)の演題番号1193においては、(3S)−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]−オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸が、黄色ブドウ球菌に対して活性を有することが開示されている。一方、バイオオルガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters)、第3巻、第8号、第1711−1716頁(1993年)には、同様の化合物がトポイソメラーゼII阻害活性を示さないことが開示されている。しかしながら、これらの開示は、一般的な細菌および作用機作についての検討が行われているに過ぎない。本願発明は、外用などで問題となっている特定の細菌、とりわけ、キノロン耐性黄色ブドウ球菌に対する抗菌力に着目している点でこれらの先行技術から容易に発想できるものではない。
WO96/05192は、本願出願人の先の発明に関するものであるが、その記載内容は本願発明を一部において上位概念で包含するものである。しかし、本願発明のように、特定の外用の細菌に対する抗菌力を指標にして、特定の抗菌作用に対して特徴をもつ広範な抗菌スペクトルを有する化合物を具体的に特定していないので、本願発明とは、その本質において大きな差異を有する。すなわち、本願発明は、上記のような技術の開示に対して、従来とはスクリーニングにおける視点をかえ、一般的思想として開示された技術思想のうち、特定化合物を具体的に選択したことを特徴とする選択発明に該当する。
ナジフロキサシンは唯一、キノロン系皮膚外用剤として臨床に用いられているが、化膿性疾患の原因菌であるグラム陽性菌、たとえば、プロピオニバクテリウムアクネス、キノロン耐性黄色ブドウ球菌および非定型抗酸菌、とりわけキノロン耐性黄色ブドウ球菌に対する活性が十分ではない。そのため、これらの菌に対しても有効で広範囲な抗菌スペクトルを有する合成抗菌剤の開発が望まれている。
また、キノロン−3−カルボン酸の6位にフッ素原子を有する、いわゆるニューキノロンについては、その安全性について変異原性の面から議論されている(変異原性試験,2(3),154−161(1993)など)。
発明の開示
このような状況下において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、三環性キノロンカルボン酸骨格の9位が無置換であり、10位(Aがメチレンの場合、8位となる)にベンゼン縮合環あるいはピリジンを有することを特徴とする次の一般式[1]
Figure 0004621356
「式中、Rは、水素原子またはカルボキシル保護基を;Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アルコキシもしくはアルキルチオ基、保護されていてもよいヒドロキシルもしくはアミノ基またはニトロ基を;Rは、水素原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、アルキリデン基およびR2が結合する炭素原子と共にシクロアルカン環を形成する基から選ばれる一つ以上の基を;Aは、メチレン、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基またはアルキル基で置換されていてもよいイミノ基を;Zは、式
Figure 0004621356
(式中、Dは、5員もしくは6員の複素環または炭化水素環を;Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシまたはアルキルチオ基、ニトロ基、シアノ基、アシル基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護または置換されていてもよいアミノ基から選ばれる1つ以上の基を;Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルアルキル、アリール、アルコキシまたはアルキルチオ基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護または置換されていてもよいアミノ基、Rが結合する炭素原子と共にシクロアルカン環を形成する基から選ばれる1つ以上の基を示す。)で表される基、または、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルアルキル、アリール、アルコキシまたはアルキルチオ基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護または置換されていてもよいアミノ基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよいピリジン−3−イルもしくはピリジン−4−イル基{ただし、Aが酸素原子の場合は、置換されていてもよいピリジン−3−イルもしくはピリジン−4−イル基を除く}を、それぞれ示す。」
で表される三環キノロンカルボン酸誘導体またはその塩が、各種のグラム陽性菌、陰性菌に対して優れた抗菌活性を有し、たとえば、プロピオニバクテリウムアクネス、キノロン耐性黄色ブドウ球菌および非定型抗酸菌、とりわけ、キノロン耐性黄色ブドウ球菌に対して優れた抗菌活性を有し、かつ変異原性が低減された安全性の高い化合物であることを見出し、本願発明を完成するに至った。以下、本願発明化合物について詳述する。
本明細書において特に断らない限り、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を;アルキル基とは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルなどの直鎖状または分枝鎖状C1−10アルキル基を;アルケニル基とは、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニルおよびオクテニルなどの直鎖状または分枝鎖状C2−10アルケニル基を;シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどのC3−6シクロアルキル基を;シクロアルカン環とは、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタンおよびシクロヘキサンなどのC3−6シクロアルカン環を;ハロゲノアルキル基とは、例えば、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、クロロエチル、ジクロロエチル、トリクロロエチル、クロロプロピル、クロロブチル、クロロペンチル、クロロヘキシル、クロロヘプチルまたはクロロオクチルなどのハロゲノ−直鎖状または分枝鎖状C1−10アルキル基を;ヒドロキシアルキル基とは、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシヘプチルまたはヒドロキシオクチルなどのヒドロキシ−直鎖状または分枝鎖状C1−10アルキル基を;アルキリデン基とは、例えば、メチレン、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデン、ブチリデンまたはヘキシリデンまたはオクチリデンなどの直鎖状または分枝鎖状C1−10アルキリデン基を;アルコキシ基とは、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシおよびオクチルオキシなどの直鎖状または分枝鎖状C1−10アルコキシ基を;アルキルチオ基とは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオおよびオクチルチオなどの直鎖状または分枝鎖状C1−10アルキルチオ基を;アルキルスルホニル基とは、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル、ヘプチルスルホニルおよびオクチルスルホニルなどの直鎖状または分枝鎖状C1−10アルキルスルホニル基を;アルキルアミノ基とは、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノおよびジペンチルアミノなどの直鎖状または分枝鎖状C1−5アルキル基で置換されたアミノ基を;アシル基とは、例えば、ホルミル基、アセチルおよびエチルカルボニルなどの直鎖状または分枝鎖状C2−5アルカノイル基並びにベンゾイルおよびナフチルカルボニルなどのアロイル基を;アルコキシカルボニル基とは、アルコキシ−CO−基(アルコキシは、上記したアルコキシ基を示す。)を;アリール基とは、例えば、フェニルおよびナフチル基を;アリールスルホニル基とは、例えば、フェニルスルホニルおよびナフチルスルホニル基を;アルアルキル基とは、例えば、ベンジル、フェネチルおよびトリチル基を;複素環式基とは、該環を形成する異項原子として酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる1つ以上の異項原子を含む4員、5員もしくは6員環またはそれらの縮合環、例えば、オキセタニル、チエタニル、アゼチジニル、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピロリジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ピリジル、キノリル、ピリミジニルおよびモルホリニル基を、それぞれ意味する。
Dは、5員もしくは6員環の複素環または炭素水素環を意味するが、好ましくは5員または6員環の複素環であり、より好ましくは6員環の複素環である。該環を形成する異項原子は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる1つ以上の異項原子を意味するが、これらの好ましい複素環としては例えば、トリアジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピリジン、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、ピラン、フラザンなどの5員または6員の芳香族複素環;テトラヒドロ−2H−ピラン、テトラヒドロ−2H−チオピラン、ピペリジン、ジオキサン、オキサチアン、モルフォリン、チオモルフォリン、ジチアン、ピペラジン、ピロリジン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、テトラヒドロイソチアゾール、1,3−チアゾラン、テトラヒドロイソオキサゾール、1,3−オキサゾラン、ジチオラン、オキサチオラン、ジオキソランなどの5員もしくは6員環の脂肪族複素環が挙げられる。Dにおける5員または6員環の炭化水素環としては、ベンゼン、シクロヘキセン、シクロペンテンなどの5員または6員環不飽和炭化水素環;シクロヘキサンおよびシクロペンタンといった飽和炭化水素環が挙げられる。
におけるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基およびアミノ基;Rにおけるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基およびアミノ基;Rにおけるアルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよいアルキルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基およびハロゲン原子で置換されたアルキル基が挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては、通常のカルボキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、1,1−ジメチルプロピル、n−ブチルおよびtert−ブチルなどのアルキル基;フェニルおよびナフチルなどのアリール基;ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジルおよびビス(p−メトキシフェニル)メチルなどのアルアルキル基;アセチルメチル、ベンゾイルメチル、p−ニトロベンゾイルメチル、p−ブロモベンゾイルメチルおよびp−メタンスルホニルベンゾイルメチルなどのアシルアルキル基;2−テトラヒドロピラニルおよび2−テトラヒドロフラニルなどの含酸素複素環式基;2,2,2−トリクロロエチルなどのハロゲノアルキル基;2−(トリメチルシリル)エチルなどのアルキルシリルアルキル基;アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチルおよびピバロイルオキシメチルなどのアシルオキシアルキル基;フタルイミドメチルおよびスクシンイミドメチルなどの含窒素複素環式アルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;メトキシメチル、エトキシメチルおよび2−(トリメチルシリル)エトキシメチルなどのアルコキシアルキル基;ベンジルオキシメチルなどのアルアルコキシアルキル基;メチルチオメチルおよび2−メチルチオエチルなどのアルキルチオアルキル基;フェニルチオメチルなどのアリールチオアルキル基;1,1−ジメチル−2−プロペニル、3−メチル−3−ブテニルおよびアリルなどのアルケニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert−ブチルメトキシフェニルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
アミノ基の保護基としては、通常のアミノ保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、トリクロロエトキシカルボニル、トリブロモエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、o−ブロモベンジルオキシカルボニル、(モノ−、ジ−、トリ−)クロロアセチル、トリフルオロアセチル、フェニルアセチル、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、tert−アミルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−(フェニルアゾ)ベンジルオキシカルボニル、2−フルフリルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、フタロイル、スクシニル、アラニル、ロイシル、1−アダマンチルオキシカルボニルおよび8−キノリルオキシカルボニルなどのアシル基;ベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアルアルキル基;2−ニトロフェニルチオおよび2,4−ジニトロフェニルチオなどのアリールチオ基;メタンスルホニルおよびp−トルエンスルホニルなどのアルキル−もしくはアリール−スルホニル基;N,N−ジメチルアミノメチレンなどのジ−低級アルキルアミノアルキリデン基;ベンジリデン、2−ヒドロキシベンジリデン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンジリデンおよび2−ヒドロキシ−1−ナフチルメチレンなどのアルアルキリデン基;3−ヒドロキシ−4−ピリジルメチレンなどの含窒素複素環式アルキリデン基;シクロヘキシリデン、2−エトキシカルボニルシクロヘキシリデン、2−エトキシカルボニルシクロペンチリデン、2−アセチルシクロヘキシリデンおよび3,3−ジメチル−5−オキシシクロヘキシリデンなどシクロアルキリデン基;ジフェニルホスホリルおよびジベソジルホスホリルなどのジアリール−もしくはジアルアルキル−ホスホリル基;5−メチル−2−オキソ−2H−1,3−ジオキソール−4−イル−メチルなどの含酸素複素環式アルキル基;並びにトリメチルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
ヒドロキシル基の保護基としては、通常のヒドロキシル保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、ベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニルメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2,2,2−トリブロモエトキシカルボニル、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、2−(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスホニオ)エトキシカルボニル、2−フルフリルオキシカルボニル1−アダマンチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、S−ベンジルチオカルボニル、4−エトキシ−1−ナフチルオキシカルボニル、8−キノリルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチルメトキシアセチル、フェノキシアセチル、ピバロイルおよびベンゾイルなどのアシル基;メチル、tert−ブチル、2,2,2−トリクロロエチルおよび2−トリメチルシリルエチルなどのアルキル基;アリルなどのアルケニル基;ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアルアルキル基;テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロチオピラニルなどの含酸素および含硫黄複素環式基;メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルおよび1−エトキシエチルなどのアルコキシ−およびアルキルチオ−アルキル基;メタンスルホニルおよびp−トルエンスルホニルなどのアルキル−およびアリール−スルホニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert−ブチルメトキシフェニルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
一般式[1]の化合物の塩としては、通常知られているアミノ基などの塩基性基またはヒドロキシルもしくはカルボキシル基などの酸性基における塩を挙げることができる。塩基性基における塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの鉱酸との塩;酒石酸、ギ酸、クエン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;並びにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩を、また、酸性基における塩としては、例えば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミンおよびN,N’−シベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩などを挙げることができる。さらに好ましい一般式[1]の化合物の塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。
また、一般式[1]の化合物またはその塩において、異性体(例えば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、本発明は、それらの異性体を包含し、また、溶媒和物、水和物および種々の形状の結晶を包含するものである。
本発明の代表的化合物としては、例えば、表1〜4に示す化合物が挙げられる。
【表1】
Figure 0004621356
Figure 0004621356
【表2】
Figure 0004621356
Figure 0004621356
【表3】
Figure 0004621356
Figure 0004621356
Figure 0004621356
【表4】
Figure 0004621356
Figure 0004621356
本発明化合物中、Aが酸素原子または硫黄原子;Rがアルキル基;Rが水素原子またはハロゲン原子;Rが水素原子;Rが水素原子である化合物が好ましい。また、Aが硫黄原子;Rがアルキル基;Zが、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルアルキル、アリール、アルコキシまたはアルキルチオ基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護または置換されていてもよいアミノ基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよいピリジン−3−イルもしくはピリジン−4−イル基;Rが水素原子である化合物が更に好ましい。
次に、本発明化合物の製造法について説明する。
本発明化合物は、例えば、次に示す製造法1にしたがって合成することができる。
製造法1
Figure 0004621356
「式中、R、R、R、AおよびZは、前記したと同様の意味を有し;Xは、臭素原子、ヨウ素原子、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基またはp−フルオロフェニルスルホニルオキシ基を;Alkは、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のアルキル基を;RおよびRは、水素原子もしくはアルキル基、または一緒になって形成されるホウ素を含有する環[該環を形成する異項原子として酸素原子および窒素原子から選ばれる1つ以上の異項原子を含む5員〜8員環またはそれらの縮合環(例えば、1,3,2−ジオキサボロラン、1,3,2−ジオキサボリナン、4H−ジヒドロ−1,3,5,2−ジオキサアザボリン、1,3,5,2−トリオキサボリナン、1,3,6,2−トリオキサボロカン、1,3,6,2−ジオキサアザボロカンなど)]を示す。」
[製造法1]
(1−a)一般式[1]の化合物は、酸化銀の存在下または不存在下、パラジウム触媒を用いて、一般式[2]の化合物と一般式[3a]の有機スズ化合物、あるいは一般式[4]の有機スズ化合物と一般式[5]の化合物をカップリング反応に付すことによって得ることができる。この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、また、これらの溶媒は二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるパラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリドなどの有機パラジウム触媒が挙げられる。
パラジウム触媒の使用量は、一般式[2]の化合物または一般式[4]の化合物に対して0.00001倍モル以上、好ましくは、0.001〜0.05倍モルあればよい。
酸化銀の使用量は、一般式[2]の化合物または一般式[4]の化合物に対して等モル以上、好ましくは、1〜10倍モルである。
一般式[3a]の有機スズ化合物の使用量は、一般式[2]の化合物に対して等モル以上、好ましくは、1.0〜2.0倍モルであり、また、一般式[5]の化合物の使用量は、一般式[4]の有機スズ化合物に対して等モル以上、好ましくは、1.0〜5.0倍モルである。
このカップリング反応は、通常、不活性気体(例えば、アルゴンおよび窒素が挙げられる)雰囲気下、50〜170℃で1分〜24時間実施すればよい。
(1−b)別法として一般式[1]の化合物は、塩基の存在下または不存在下、パラジウム触媒またはニッケル触媒を用いて、一般式[2]の化合物と一般式[3b]の有機ホウ素化合物をカップリング反応に付すことによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジブチルセロソルブなどのエーテル類;酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエステル類;アセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、また、これらの溶媒は二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される塩基としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基またはトリエチルアミンなどの有機塩基が挙げられ、塩基の使用量は、一般式[2]の化合物に対して等モル以上、好ましくは、2〜5倍モルである。
この反応で使用されるパラジウム触媒としては、前述の(1−a)で説明したと同様の触媒が挙げられる。
この反応で使用されるニッケル触媒としては、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンニッケル(II)クロリドなどの有機ニッケル触媒が挙げられ、その使用量は、一般式[4]の化合物に対して、0.00001倍モル以上、好ましくは、0.001〜0.05倍モルあればよい。
一般式[3b]の有機ホウ素化合物の使用量は、一般式[2]の化合物に対して等モル以上、好ましくは、1.0〜1.5倍モルである。
このカップリング反応は、通常、不活性気体(例えば、アルゴン、窒素)雰囲気下、50〜170℃で1分〜24時間実施すればよい。
本発明化合物のうち、Aが酸素原子、硫黄原子およびアルキル基で置換されていてもよいイミノ基の場合、次の製造法2により得ることもできる。
製造法2
Figure 0004621356
「式中、R、R、RおよびZは、前記したと同様の意味を有し;ここでのAは、酸素原子、硫黄原子およびアルキル基で置換されていてもよいイミノ基を;R1aは、Rと同様のカルボキシル保護基を;Xは、ハロゲン原子を;Rは、水素原子またはアミノ保護基を、それぞれ示す。」
[製造法2]
(2−a)一般式[7]の化合物は、一般式[6]の化合物に、無水酢酸中、オルトギ酸メチルまたはオルトギ酸エチルなどのオルトエステルを反応させた後、一般式[8]の化合物を反応させることによって得ることができる。
これらの反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;塩化メチレン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、また、これらの溶媒は二種以上混合して使用してもよい。
オルトエステルの使用量は、一般式[6]の化合物に対して等モル以上であればよく、好ましくは、1〜10倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜150℃、好ましくは、50〜150℃で20分〜50時間実施すればよい。無水酢酸の使用量は、一般式[6]の化合物に対して等モル以上、好ましくは、1〜5倍モルである。
次いで、一般式[8]の化合物を反応させるが、その際の一般式[8]の化合物の使用量は、一般式[6]に対して等モル以上であり、またこの反応は、通常、0〜100℃、好ましくは、10〜60℃で20分〜30時間実施すればよい。
(2−b)別法として、一般式[6]の化合物に、無水酢酸などの酸無水物の存在下あるいは不存在下に、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールまたはN,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタールなどのアセタールを反応させた後、一般式[8]の化合物を反応させて、一般式[7]の化合物を得ることもできる。
これらの反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、具体的には前述の(2−a)と同様の溶媒が挙げられる。
アセタールの使用量は、一般式[6]の化合物に対して等モル以上であればよく、好ましくは、約1〜5倍モルであればよい。
酸無水物の使用量は、一般式[6]の化合物に対して等モル以上、好ましくは、1〜10倍モルである。
この反応は、通常、0〜100℃、好ましくは、20〜85℃で20分〜50時間実施すればよい。
次いで、一般式[8]の化合物を反応させるが、その際の一般式[8]の化合物の使用量は、一般式[6]に対して等モル以上であり、またこの反応は、通常、0〜100℃、好ましくは、10〜60℃で20分〜30時間実施すればよい。
(2−c)一般式[9]の化合物は、一般式[7]の化合物を、フッ化塩もしくは塩基の存在下または不存在下に閉環反応に付すことによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジオキサン、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、また、これらの溶媒は二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるフッ化塩としては、例えば、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムなどが挙げられる。
また、使用される塩基としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、カリウムtert−ブトキシドおよび水素化ナトリウムなどが挙げられる。
フッ化塩および塩基の使用量は、一般式[7]の化合物に対して、それぞれ等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜1.5倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜180℃で5分〜30時間実施すればよい。
一般式[1]の化合物は、一般式[9]の化合物を、フッ化塩もしくは塩基の存在下または不存在下に閉環反応に付すことによって得ることができる。
この反応は前述の説明した閉環反応と同様の反応条件で実施すればよい。
(2−d)別法として、一般式[1]の化合物は、一般式[7]の化合物を、フッ化塩もしくは塩基の存在下または不存在下に閉環反応に付すことによって得ることもできる。
この反応で使用されるフッ化塩および塩基は、前述の(2−c)で例示したと同様のものが挙げられる。
この反応で使用されるフッ化塩または塩基の使用量は、一般式[7]の化合物に対して、それぞれ2倍モル以上である。
この反応は、通常、0〜180℃で5分〜30時間実施すればよい。
本発明化合物の中でAがメチレンの化合物は、次の製造法3により得ることもできる。
製造法3
Figure 0004621356
「式中、R、R、R、ZおよびR1aは、前記したと同様の意味を有する。」
[製造法3]
一般式[11]の化合物は、溶媒の存在下もしくは不存在下に、一般式[10]の化合物に、エトキシメチレンマロン酸ジエチルなどのアルコキシマロン酸ジアルキルエステル類を反応させることによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;塩化メチレン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、また、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
この反応は、通常、50〜150℃で20分〜50時間実施すればよい。
アルコキシマロン酸ジアルキルエステル類の使用量は、一般式[10]の化合物に対して等モル以上であればよく、好ましくは、1〜10倍モルである。
また、一般式[11]の化合物は、単離せずに、次の反応に用いることもできる。
(3−a)一般式[1]の化合物は、溶媒の存在下または不存在下に一般式[11]の化合物を加熱反応に付すことにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、例えば、ビフェニル、ジフェニルエーテル、o−ジクロロベンゼンおよびジブチルフタレートなどの高沸点不活性溶媒が挙げられ、また、これらを混合して使用してもよい。
この反応は、通常、50〜260℃で1分〜50時間、好ましくは、100〜260℃で10分〜3時間実施すればよい。
(3−b)別法として、一般式[1]の化合物は、溶媒の存在下または不存在下、一般式[11]の化合物を閉環剤の存在下に加熱反応に付すことにより得ることもできる。
この反応で使用される閉環剤としては、例えば、ポリリン酸、ポリリン酸エステル、五酸化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リン、チオニルクロリドおよび濃硫酸などが挙げられる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、前述の(3−a)で例示した溶媒に加え、閉環剤としてポリリン酸、ポリリン酸エステル、五酸化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リンまたはチオニルクロリドなどを使用する場合には、例えば、ベンゼン、ジオキサンおよびジメチルホルムアミドなどが挙げられ、閉環剤として濃硫酸などを使用する場合には、例えば、無水酢酸および酢酸などが挙げられる。これらの使用される溶媒は、混合して使用してもよい。閉環剤の使用量は、一般式[11]の化合物に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜10倍モルである。
この反応は、通常、50〜260℃で1分〜50時間、好ましくは、50〜140℃で10分〜3時間実施すればよい。
また、この反応においては、エステル基の加水分解反応も同時に進行し、一般式[1]の化合物において、Rが水素原子である化合物を直接得ることもできる。
このようにして得られた一般式[1]の化合物を、例えば、酸化、還元、転位、置換、ハロゲン化、脱水または加水分解などの自体公知の反応に付すかあるいはそれらを適宜組み合わせることによって、他の一般式[1]の化合物に誘導することができる。
このようにして得られた一般式[1]の化合物またはその塩は、抽出、晶出および/またはカラムクロマトグラフィーなどの常法にしたがって単離精製することができる。
上記した製造法における一般式[2]、[3a]、[3b]、[4]〜[11]の化合物は塩として使用することもでき、それらの塩としては、一般式[1]の化合物の塩で説明したと同様の塩が挙げられる。
上記した製造法における一般式[2]、[3a]、[3b]、[4]〜[11]の化合物において、異性体(例えば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、これらの異性体も使用することができ、また、溶媒和物、水和物および種々の形状の結晶も使用することができる。
また、一般式[2]、[3a]、[3b]、[4]〜[11]または[1]の化合物においてアミノ基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する化合物は、予めこれらの基を通常の保護基で保護しておき、反応後、自体公知の方法でこれらの保護基を脱離することもできる。
本発明化合物を製造するための原料である一般式[2]、[3a]、[3b]、[4]、[5]、[6]および[10]の化合物は、例えば、WO/96/05192、WO/97/29102、特開平2−85255号、特願平9−227619号並びにケミカル・ファーマシューティカル・ブリチン(Chem.Pharm.Bull.)、第37巻、第2103−2108頁(1989年)、同第42巻、第2569−2574頁(1994年)およびオーストラリアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Aust.J.Chem.)、第35巻、第2025−2034頁(1982年)などに記載の方法またはそれに準じた方法により製造することができる。
本発明化合物を医薬として用いる場合、通常製剤化に使用される賦形剤、担体および希釈剤などの製剤補助剤を適宜混合してもよく、これらは常法にしたがって、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、粉体製剤、坐剤、軟膏剤または注射剤などの形態で経口または非経口で投与することができる。好ましくは、非経口、特に粘膜投与薬剤、外用剤として調剤することが好適である。また投与方法、投与量および投与回数は、患者の年齢、体重および症状に応じて適宜選択することができ、通常成人に対しては、経口または非経口(たとえば、注射、点滴および直腸部位、への投与など)的投与により、1日、0.1〜100mg/kgを1回から数回に分割して投与すればよい。好ましくは、非経口により例えば粘膜投与もしくは皮膚への外用投与によって、同量を投与すればよい。
つぎに、本願発明の代表的化合物についての薬理作用を説明する。
[試験化合物]
a:(3S)−10−(8−フルオロ−6−キノリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸(実施例6)
b:(3S)−10−(6−イソキノリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸(実施例8)
c:(3S)−10−(6−アミノ−5−メチル−3−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸(実施例21)
d(対照):9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル)−5−メチル−1−オキソ−1−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸(一般名;ナジフロキサシン)
抗菌作用
[試験方法1]
プロピオニバクテリウムアクネス(Propionibacterium acnes)の薬剤感受性の測定は、日本化学療法学会標準法[ケモテラピー(CHEMOTHERAPY)、第41巻、第2号、第183−189頁(1993年)]に従って行った。すなわち、35℃で2H間培養した変法GAM寒天(GAM agar,modifled”Nissui”)[日水製薬社製]培地上の被検菌体を変法GAMブイヨン(GAM broth,modified”Nissui”)[日水製薬社製]に1McFarlandとなるように懸濁し、この菌液を同培地で5倍に希釈して接種用菌液とした。この菌液を2倍希釈系列の薬剤を含む変法GAMブイヨン100μLを分取したマイクロプレートに最終菌量が10CFU/ウェルとなるように接種し、嫌気培養装置(Forma Scientific anaerobic system:model 1024)内で35℃、2日間培養した。肉眼観察にて菌の発育が阻止された最小濃度をもってMIC(μg/mL)とした。結果を表5に示す。
[試験方法2]
スタフィロコッカスオーレウス(Staphylococcus aureus)の薬剤感受性の測定は、日本化学療法学会標準法[ケモテラピー(CHEMOTHERAPY)、第41巻、第2号、第183−189頁(1993年)]に従って行った。すなわち、37℃で一夜培養したミューラーヒントン寒天(Mueller−Hinton agar)[ジフコ(Difco)社製]培地上の被検菌体を滅菌生理食塩液に0.5McFarlandとなるように懸濁し、この菌液を滅菌生理食塩液で10倍に希釈して接種用菌液とした。この菌液を2倍希釈系列の薬剤を含むカチオン調製ミューラーヒントンブイヨン(Cation−adjusted Mueller−Hinton broth)[ジフコ(Difco)社製]100μLを分取したマイクロプレートに最終菌量が10CFU/ウェルとなるように接種し、孵卵器中で37℃、一夜培養した。肉眼観察にて菌の発育が阻止された最小濃度をもってMIC(μg/mL)とした。結果を表5に示す。
【表5】
Figure 0004621356
また、本願発明化合物は、変異原性において、フッ素原子を有する化合物に比べて、著しく軽減されていた。
発明を実施するための最良の形態
実施例
次に本願発明を参考例および実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、溶離液における混合比は、全て用量比であり、また、カラムクロマトグラフィーにおける担体は、シリカゲル60、70〜230メッシュ(メルク社製)を用いた。また、参考例および実施例中で用いられる記号は、次の意味を有する。
−TFA :重トリフルオロ酢酸
−DMSO:重ジメチルスルホキシド
Ac :アセチル
Cbz :ベンジルオキシカルボニル
Ts :4−メチルフェニルスルホニル
また、特にことわらない限り、NMRにおける数値は、δ値を示す。
参考例1
3−(4−ブロモ−2,3−ジフルオロフェニル)−3−オキソプロピオン酸エチルエステル6.00gを塩化メチレン60mLに溶解し、これに氷冷下、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール4.66gおよび無水酢酸4.00gを加え、室温で1時間撹拌する。減圧下に反応混合物を濃縮し、得られた残留物をエタノール30mLに溶解し、(S)−(+)−2−アミノ−1−プロパノール1.8mLを加え、室温で1時間撹拌する。減圧下に反応混合物を濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1]で精製すれば、無色油状物の2−(4−ブロモ−2,3−ジフルオロベンゾイル)−3−{[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}−2−アクリル酸エチルエステル7.60gを得る。
IR(KBr)cm−1:3422
NMR(CDCl):0.8−1.2(3H,m),1.2−1.5(3H,m),2.3−2.8(1H,brs),3.4−4.2(5H,m),6.9−7.5(2H,m),8.20(1H,d,J=14.4Hz),10.7−11.2(1H,m)
参考例2
2−(4−ブロモ−2,3−ジフルオロベンゾイル)−3−{[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}−2−アクリル酸エチルエステル7.60gおよび無水炭酸カリウム5.90gをN,N−ジメチルホルムアミド76mLに加え、100℃で1.5時間撹拌する。反応混合物を氷水に加え、6mol/L塩酸でpH2.0に調整した後、酢酸エチルで抽出する。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去する。得られた残留物にジエチルエーテルを加えて結晶を濾取すれば、無色結晶の(3S)−10−ブロモ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸エチルエステル5.96gを得る。
IR(KBr)cm−1:1681
NMR(CDCl):1.40(3H,t,J=7.1Hz),1.58(3H,d,J=6.6Hz),4.2−4.7(5H,m),7.47(1H,d,J=8.3Hz),7.85(1H,d,J=8.3Hz),8.33(1H,s)
参考例3
2−(4−ブロモ−2,3−ジフルオロベンゾイル)−3−{[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ}−2−アクリル酸エチルエステル1.54gをN,N−ジメチルホルムアミド15.4mLに溶解し、これに炭酸水素ナトリウム0.34gを加え、70−80℃で6時間撹拌する。反応混合物を氷に注ぎ、析出晶を濾取し、水で洗浄すれば、無色結晶の7−ブロモ−1−[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリンカルボン酸エチルエステル1.13gを得る。
IR(KBr)cm−1:3347,1698,1638,1595
NMR(CDCl):1.3−1.8(6H,m),3.8−4.1(1H,m),4.2−4.5(3H,m),5.0−5.5(2H,m),7.1−7.5(2H,m),8.68(1H,s)
参考例4
7−ブロモ−1−[(1S)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリンカルボン酸エチルエステル1.11gを塩化メチレン11mLに懸濁させ、これに四臭化炭素1.98gおよびトリフェニルホスフィン1.54gを加え、室温で3時間撹拌する。反応混合物を減圧下に濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチル=2:1]で精製し、ジエチルエーテルを加えて結晶を濾取すれば、無色結晶の7−ブロモ−1−[(1S)−2−ブロモ−1−メチルエチル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリンカルボン酸エチルエステル0.82gを得る。
IR(KBr)cm−1:1734,1699,1637,1591
NMR(CDCl):1.43(3H,t,J=7.1Hz),1.6−1.9(3H,m),3.7−3.9(2H,m),4.42(2H,q,J=7.1Hz),5.3−5.6(1H,m),7.59(1H,dd,J=8.5,5.9Hz),8.25(1H,dd,J=8.5,1.0Hz),8.56(1H,s)
参考例5
7−ブロモ−1−[(1S)−2−ブロモ−1−メチルエチル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリンカルボン酸エチルエステル0.81gをN,N−ジメチルホルムアミド8.1mLに溶解し、これにキサントゲン酸カリウム1.19gを加え、室温で12時間撹拌する。反応混合物を氷に注ぎ、析出晶を濾取する。これをクロロホルムに溶解し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去する。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=20:1]で精製し、ジイソプロピルエーテルを加えて結晶を濾取すれば、無色結晶の(3S)−10−ブロモ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル0.51gを得る。
IR(KBr)cm−1:1684,1644,1601
NMR(CDCl):1.3−1.7(6H,m),3.0−3.7(2H,m),4.3−4.8(3H,m),7.54(1H,d,J=9Hz),8.12(1H,d,J=9Hz),8.39(1H,s)
参考例6
(3S)−10−ブロモ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル80mgを無水酢酸8mLに懸濁させ、発煙硝酸5滴加え、50℃で1時間撹拌する。反応混合物を水に注ぎ、これをクロロホルムで抽出する。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:エタノール=50:1]で精製すれば黄色固体の(3S)−10−ブロモ−3−メチル−8−ニトロ−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル40mgを得る。NMR(CDCl):1.0−1.4(3H,m),1.9−2.2(3H,m),4.1−4.5(5H,m),7.46(1H,s),8.57(1H,s)
参考例7
7−ブロモ−1−[(1S)−2−ブロモ−1−メチルエチル]−8−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−3−キノリンカルボン酸エチルエステル0.50gを40%メチルアミンメタノール溶液5mLに溶解し、室温で1時間撹拌する。反応混合物を水に注ぎ、これをクロロホルムで抽出する。得られた有機層を1mol/L塩酸、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した後、ジエチルエーテルを加えて結晶を濾取すれば、無色結晶の(3S)−10−ブロモ−N,1,3−トリメチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H,7H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−6−カルボン酸アミド0.23gを得る。
IR(KBr)cm−1:1660,1558
NMR(CDCl):1.70(3H,d,J=6.6Hz),3.01(3H,d,J=4.9Hz),3.19(3H,s),3.2−3.4(2H,m),4.2−4.6(1H,m),7.59(1H,d,J=8.8Hz),7.99(1H,d,J=8.8Hz),8.83(1H,s),9.9(1H,brs)
参考例8
60%水素化ナトリウム3.80gをテトラヒドロフラン180mLに懸濁し、これに0℃でアセト酢酸tert−ブチルエステル15.3gをテトラヒドロフラン80mLに溶解した溶液を加え、室温で30分間撹拌する。この溶液を0℃に冷却し、1−ブロモ−2−(ブロモメチル)−3−ニトロベンゼン13.00gをテトラヒドロフラン100mLに溶解した溶液を加え、室温で5時間撹拌する。反応混合物に水、酢酸エチルおよび6moL/L塩酸を加え、有機層を分取した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去する。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1]で精製すれば、黄色油状物の2−(2−ブロモ−6−ニトロベンジル)−3−オキソブタン酸tert−ブチルエステル13.72gを得る。
IR(ニート)cm−1:1714,1538
NMR(CDCl):1.40(9H,s),2.25(3H,s),3.5−3.9(3H,m),7.1−7.4(1H,m),7.6−7.9(2H,m)
参考例9
2−(2−ブロモ−6−ニトロベンジル)−3−オキソブタン酸tert−ブチルエステル13.72gに0℃でトリフルオロ酢酸140mLを加え、室温で1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下に濃縮する。得られた残留物をトルエン40mLに溶解し、2時間還流する。減圧下に反応混合物を濃縮した後、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1]で精製すれば、橙色油状物の4−(2−ブロモ−6−ニトロフェニル)−2−ブタノン9.19gを得る。
IR(ニート)cm−1:1715,1530
NMR(CDCl):2.21(3H,s),2.7−3.4(4H,m),7.1−7.5(1H,m),7.6−8.0(2H,m)
参考例10
4−(2−ブロモ−6−ニトロフェニル)−2−ブタノン7.89gを酢酸80mLに溶解し、これに亜鉛19gを加え、90℃で1時間撹拌する。反応混合物を濾過し、減圧下に濾液を濃縮した後、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1]で精製すれば、油状の5−ブロモ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン4.48gを得る。
IR(ニート)cm−1:3400
NMR(CDCl):1.19(3H,d,J=6.4Hz),1.8−2.1(1H,m),2.6−2.9(2H,m),3.1−3.6(3H,m),6.38(1H,dd,J=3,6Hz),6.7−6.9(2H,m)
参考例11
5−ブロモ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン4.40gをキシレン22mLに溶解し、これにエトキシメチレンマロン酸ジエチル5.03gを加え、4時間還流する。減圧下に反応混合物を濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1]で精製すれば、油状の2−[(5−ブロモ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−キノリニル)メチレン]マロン酸ジエチル6.94gを得る。
IR(ニート)cm−1:1697,1606,1564
NMR(CDCl):1.1−1.4(9H,m),1.7−2.2(2H,m),2.7−3.0(2H,m),3.9−4.4(5H,m),7.0−7.2(2H,m),7.2−7.5(1H,m),7.78(1H,s)
参考例12
2−[(5−ブロモ−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−キノリニル)メチレン]マロン酸ジエチル6.94gにポリリン酸23.69gを加え、130℃で30分間撹拌する。反応混合物を冷却した後、酢酸エチルおよび飽和重曹水を加え、有機層を分取する。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した後、ヘキサンを加えて結晶を濾取すれば、淡黄色結晶の8−ブロモ−5−メチル−1−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[3,2,1−ij]キノリン−2−カルボン酸エチルエステル4.81gを得る。
IR(KBr)cm−1:1683,1630
NMR(CDCl):1.1−1.7(6H,m),2.0−2.4(2H,m),2.9−3.2(2H,m),4.2−4.6(3H,m),7.59(1H,d,J=8.5Hz),8.27(1H,d,J=8.5Hz),8.46(1H,s)
実施例1
(3S)−10−ブロモ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸エチルエステル0.29gをトルエン4mLに懸濁し、これに8−フルオロ−6−(1,1,1−トリブチルスタニル)キノリン0.54gおよびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド0.012gを加え、アルゴン雰囲気下4時間加熱還流する。減圧下に反応混合物を濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:エタノール=30:1]で精製し、ジエチルエーテルを加えて結晶を濾取すれば、無色結晶の(3S)−10−(8−フルオロ−6−キノリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸エチルエステル0.25gを得る。
IR(KBr)cm−1:1715
NMR(CDCl):1.4−1.8(6H,m),4.3−4.6(5H,m),7.4−7.8(4H,m),8.1−8.4(3H,m),9.0−9.1(1H,m)
実施例2〜5
実施例1と同様にして表6の化合物を得る。
【表6】
Figure 0004621356
以下に表中のNo.2〜No.5の化合物の名称と物性を示す。
No.2:(3S)−10−(1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフラニル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸エチルエステル
No.3:(3S)−10−(6−イソキノリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸エチルエステル
No.4:(3S)−10−{2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸エチルエステル
NMR(CDCl):1.3−1.9(6H,m),4.2−4.6(5H,m),4.86(4H,brs),5.24(2H,s),7.2−7.6(8H,m),8.07(1H,d,J=8.3Hz),8.39(1H,s)
No.5:(3S)−10−{7−フルオロ−2−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸エチルエステル
NMR(CDCl):1.3−1.8(6H,m),2.43(3H,s),4.2−4.9(9H,m),7.0−7.5(5H,m),7.7−7.9(2H,m),8.0−8.2(1H,m),8.40(1H,s)
実施例6
(3S)−10−(8−フルオロ−6−キノリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸エチルエステル0.23gをエタノール2mLに懸濁し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液2mLを加え、40℃で1時間撹拌する。反応混合物に希酢酸を加えてpH6に調製した後、析出晶を濾取すれば、無色結晶の(3S)−10−(8−フルオロ−6−キノリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸0.21gを得る。
IR(KBr)cm−1:1718
NMR(d−TFA):1.92(3H,d,J=6.8Hz),4.77(2H,s),5.1−5.5(1H,m),8.2−8.7(5H,m),9.3−9.6(3H,m)
実施例7〜8
実施例6と同様にして表7の化合物を得る。
【表7】
Figure 0004621356
以下にNo.7〜8の化合物名と物性を示す。
No.7:(3S)−10−(1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフラニル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸
IR(KBr)cm−1:1718
NMR(CDCl):1.68(3H,d,J=6.8Hz),4.4−4.7(3H,m),5.20(4H,s),7.4−7.7(4H,m),8.16(1H,d,J=8.3Hz),8.76(1H,s)
No.8:(3S)−10−(6−イソキノリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸
NMR(CDCl):1.6−1.8(3H,m),4.4−4.8(3H,m),7.6−8.3(6H,m),8.61(1H,d,J=5.9Hz),8.79(1H,s),9.33(1H,s)
実施例9
(3S)−10−{2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸エチルエステル0.38gをエタノール3.8mLおよびジオキサン3.8mLに懸濁し、これに1mol/L水酸化ナトリウム水溶液3.8mLを加え、室温で1時間撹拌する。反応混合物に1mol/L塩酸3.8mLを加えて析出晶を濾取すれば、無色結晶の(3S)−10−{2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸0.32gを得る。
NMR(CDCl):1.67(3H,d,J=6.6Hz),4.3−4.8(3H,m),4.86(4H,brs),5.24(2H,s),7.2−7.6(8H,m),8.15(1H,d,J=8.3Hz),8.74(1H,s)
実施例10
(3S)−10−{2−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸0.32gに氷冷下、30%臭化水素酢酸溶液3.2mLを加え、2時間撹拌する。反応混合物にジエチルエーテルを加えて析出晶を濾取すれば、黄色固体の(3S)−10−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸の臭化水素酸塩0.22gを得る。これを1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、1mol/L塩酸でpH7.0に調製した後、減圧下に濃縮し、析出晶を濾取すれば淡黄色結晶の(3S)−10−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸106mgを得る。
IR(KBr)cm−1:1635
NMR(d−TFA):1.9−2.2(3H,m),4.6−5.6(7H,m),7.7−8.0(2H,m),8.0−8.3(1H,m),8.4−8.8(1H,m),9.51(1H,s)
実施例11
(3S)−10−{7−フルオロ−2−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸エチルエステル110mgをエタノール1.1mLに懸濁し、これに1mol/L水酸化ナトリウム水溶液1.1mLおよびジオキサン1.1mLを加え、室温で30分間撹拌する。反応混合物に1mol/L塩酸2.2mLを加えて析出晶を濾取すれば、淡黄色結晶の(3S)−10−{7−フルオロ−2−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸92mgを得る。
NMR(d−TFA):1.8−2.0(3H,m),2.48(3H,s),4.06(2H,s),4.5−4.8(1H,m),4.86(4H,s),7.2−7.6(4H,m),7.8−8.2(3H,m),8.3−8.6(1H,m),9.39(1H,s)
実施例12
(3S)−10−{7−フルオロ−2−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸86mgを47%臭化水素酸0.86mLに懸濁させ、これにプロピオン酸0.52mLおよびフェノール45mgを加え、100℃で6.5時間撹拌する。減圧下に反応混合物を濃縮し、得られた残留物にエタノールおよびジエチルエーテルを加えて析出晶を濾取すれば、(3S)−10−(7−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸の臭化水素酸塩51mgを得る。これをエタノール0.28mL、水0.28mLおよび1mol/L水酸化ナトリウム水溶液0.28mLに溶解し、希酢酸でpH7.0に調製した後、クロロホルムで抽出する。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した後、エタノールを加えて析出晶を濾取すれば、(3S)−10−(7−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−1]キノリン−6−カルボン酸7mgを得る。
NMR(d−TFA):1.86(3H,d,J=6.6Hz),4.68(2H,s),4.9−5.5(5H,m),7.4−7.7(2H,m),7.9−8.2(1H,m),8.3−8.7(1H,m),9.44(1H,s)
実施例13
(3S)−10−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸の臭化水素酸塩0.13gをギ酸2.6mLに溶解し、これに37%ホルムアルデヒド液0.78mLを加え、2.5時間還流する。減圧下に反応混合物を濃縮し、得られた残留物にエタノールおよびジエチルエーテルを加えて析出晶を濾取する。これを水に溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調製した後、クロロホルムで抽出する。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した後、ジエチルエーテルを加えて析出晶を濾取すれば、淡黄色結晶の(3S)−10−(7−クロロ−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸71mgを得る。
IR(KBr)cm−1:1716,1616
NMR(d−TFA):1.80(3H,d,J=6.6Hz),3.33(3H,s),4.4−4.9(4H,m),4.9−5.5(3H,m),7.58(1H,s),7.73(1H,s),7.96(1H,d,J=8.5Hz),8.40(1H,d,J=8.5Hz),9.35(1H,s)
実施例14
実施例13と同様にして次の化合物を得る。
・(3S)−3−メチル−10−(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル)−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸
NMR(CDCl):1.64(3H,d,J=6.8Hz),2.60(3H,s),3.96(4H,s),4.2−4.6(3H,m),7.0−7.6(4H,m),8.12(1H,d,J=8.8Hz),8.69(1H,s)
実施例15
(3S)−10−ブロモ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル0.30g、2,6−ジメチル−4−(1,1,1−トリメチルスタニル)ピリジン0.33g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド34mgおよびトルエン3mLの混合液をアルゴン雰囲気下、3.5時間還流する。反応混合物を放冷後、ジエチルエーテルを加えて析出物を濾取する。これをカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:エタノール=10:1]で精製し、ジイソプロピルエーテルを加えて結晶を濾取すれば、褐色結晶の(3S)−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル0.20gを得る。
NMR(CDCl):1.3−1.8(6H,m),2.61(6H,s),2.8−3.5(2H,m),4.3−4.8(3H,m),7.03(2H,s),7.2−7.4(1H,m),8.3−8.5(2H,m)
実施例16〜18
実施例15と同様にして以下の化合物を得る。
No.16:(3S)−10−(2−アセチルアミノ−4−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル
IR(KBr)cm−1:1719,1686,1604
NMR(CDCl):1.43(3H,t,J=7.1Hz),1.66(3H,d,J=6.4Hz),2.24(3H,s),2.7−3.6(2H,m),4.42(2H,q,J=7.1Hz),4.2−4.9(1H,m),7.0−7.3(1H,m),7.27(1H,d,J=8.3Hz),8.2−8.7(5H,m)
No.17:(3S)−10−(6−アセチルアミノ−5−メチル−3−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル
IR(KBr)cm−1:1685,1605
NMR(CDCl):1.43(3H,t,J=7.1Hz),1.65(3H,d,J=6.8Hz),2.35(6H,s),2.8−3.6(2H,m),4.42(2H,q,J=7.1Hz),4.4−4.9(1H,m),7.25(1H,d,J=8.3Hz),7.63(1H,d,J=2.2Hz),7.95(1H,brs),8.2−8.5(3H,m)
No.18:(3S)−10−(6−アセチルアミノ−3−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル
IR(KBr)cm−1:1732,1698,1610
NMR(CDCl):1.43(3H,t,J=7.1Hz),1.65(3H,d,J=6.4Hz),2.26(3H,s),2.8−3.6(2H,m),4.42(2H,q,J=7.1Hz),4.3−4.9(1H,m),7.26(1H,d,J=8.1Hz),7.7−8.0(1H,m),8.0−8.5(5H,m)
実施例19
(3S)−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル0.20gをエタノール2mLに懸濁し、これに1mol/L水酸化ナトリウム水溶液2mLを加え、室温で1時間撹拌する。反応混合物に水2mLを加え、二酸化炭素ガスを吹き込み析出晶を濾取すれば、淡黄色結晶の(3S)−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸0.16gを得る。
IR(KBr)cm−1:1708,1603
NMR(CDCl):1.6−1.9(3H,m),2.63(6H,s),2.9−3.5(2H,m),4.7−5.0(1H,m),7.04(2H,s),7.37(1H,d,J=8.3Hz),8.38(1H,d,J=8.3Hz),8.79(1H,s)
融点:260℃以上
実施例20
(3S)−10−(2−アセチルアミノ−4−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル34mgをエタノール1.5mLに懸濁し、これに1mol/L水酸化ナトリウム水溶液1.5mLを加え、60℃で3時間撹拌する。反応混合物に水1.5mLを加え、二酸化炭素ガスを吹き込み析出晶を濾取すれば、淡黄色結晶の(3S)−10−(2−アミノ−4−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸12mgを得る。
IR(KBr)cm−1:1708,1608
NMR(CDCl+CDOD):1.69(3H,d,J=5.9Hz),2.8−3.9(2H,m),4.7−5.2(1H,m),6.60(2H,brs),6.69(1H,d,J=5.4Hz),7.37(1H,s),7.49(1H,d,J=8.3Hz),8.07(1H,d,J=5.4Hz),8.34(1H,d,J=8.3Hz),8.82(1H,s)
実施例21〜22
実施例20と同様にして次の化合物を得る。
No.21:(3S)−10−(6−アミノ−5−メチル−3−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,2,3−de]ベンゾチアジン−6−カルボン酸
IR(KBr)cm−1:1718,1618
NMR(d−DMSO):1.53(3H,d,J=6.3Hz),2.11(3H,s),3.0−3.7(2H,m),5.0−5.5(1H,m),6.07(2H,brs),7.4−7.5(2H,m),7.9−8.0(1H,m),8.18(1H,d,J=8.1Hz),9.04(1H,s),14.9−15.1(1H,brs).
No.22:(3S)−10−(6−アミノ−3−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸
IR(KBr)cm−1:1702,1605
NMR(d−DMSO):1.53(3H,d,J=6.6Hz),3.0−3.7(2H,m),5.0−5.5(1H,m),6.28(2H,brs),6.56(1H,d,J=8.6Hz),7.4−7.7(2H,m),8.03(1H,d,J=2.2Hz),8.19(1H,d,J=8.3Hz),9.04(1H,s),14.9−15.1(1H,brs)
実施例23
(3S)−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸19mgを濃硫酸0.2mLに溶解し、硝酸カリウム10mgを加え、室温で2時間撹拌する。反応混合物を水に注ぎ、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7に調整し、これをクロロホルムで抽出する。得られた有機層を飽和重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去すれば淡褐色結晶の(3S)−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸 S−オキシド13mgを得る。
IR(KBr)cm−1:1725,1607,1442
NMR(CDCl):2.02(3H,d,J=6.1Hz),2.59(6H,s),3.0−3.7(2H,m),4.9−5.4(1H,m),7.13(2H,s),7.52(1H,d,J=8.3Hz),8.73(1H,d,J=8.3Hz),9.00(1H,s)
実施例24
(3S)−10−ブロモ−3−メチル−8−ニトロ−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル40mg、2,6−ジメチル−4−(1,1,1−トリメチルスタニル)ピリジン50mg、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド5mgおよびトルエン1.2mLの混合液をアルゴン雰囲気下2.5時間還流する。反応混合物を放冷後、カラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:エタノール=30:1]で精製し、ジエチルエーテルを加えて結晶を濾取すれば、褐色結晶の(3S)−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−3−メチル−8−ニトロ−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル19mgを得る。
実施例25
(3S)−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−3−メチル−8−ニトロ−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル19mgを酢酸2mLに溶解し、5%パラジウム炭素20mgの酢酸懸濁液を加え、室温で3時間撹拌する。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下に濃縮した後、分取薄層クロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:エタノール=50:1]で精製すれば、黄色固体の(3S)−8−アミノ−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル3.4mgを得る。
NMR(CDCl):1.3−1.6(3H,m),1.8−2.0(3H,m),2.51(6H,s),3.1−3.7(2H,m),4.2−4.6(3H,m),6.30(1H,s),6.88(2H,s),8.29(1H,s)
実施例26
(3S)−8−アミノ−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸エチルエステル3.4mgをエタノール0.34mLに懸濁し、これに1mol/L水酸化ナトリウム水溶液0.34mLを加え、室温で1時間撹拌する。反応混合物に1mol/L塩酸0.34mLを加え、クロロホルムで抽出する。得られた有機層を飽和重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去すれば、黄色結晶の(3S)−8−アミノ−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾチアジン−6−カルボン酸3mgを得る。
NMR(CDCl):1.8−2.0(3H,m),2.50(6H,s),3.2−3.6(2H,m),3.9−4.2(3H,m),6.38(1H,s),6.91(2H,s),8.65(1H,s)
実施例27
(3S)−10−ブロモ−N,1,3−トリメチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H,7H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−6−カルボン酸アミド0.18g、2,6−ジメチル−4−(1,1,1−トリメチルスタニル)ピリジン0.20g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド10mgおよびトルエン3.6mLの混合液をアルゴン雰囲気下1.5時間還流する。反応混合物を放冷後、ジエチルエーテルを加えて析出物を濾取する。これをカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:エタノール=30:1]で精製し、ジエチルエーテルを加えて結晶を濾取すれば、黄色結晶の(3S)−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−N,1,3−トリメチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H,7H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−6−カルボン酸アミド0.13gを得る。
NMR(CDCl):1.64(3H,d,J=6.6Hz),2.60(6H,s),2.68(3H,s),3.02(3H,d,J=4.9Hz),3.2−3.8(2H,m),4.3−4.6(1H,m),7.13(2H,s),7.27(1H,d,J=8.5Hz),8.04(1H,d,J=8.5Hz),8.75(1H,s),10.0(1H,brd)
実施例28
(3S)−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−N,1,3−トリメチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H,7H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−6−カルボン酸アミド0.13gを水0.65mLに懸濁し、これに濃硫酸1.3mLを加え、2.5時間還流する。反応混合物に5mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えpH6に調整し、析出物を濾取する。得られた析出物を水1.0mL、エタノール1.0mLおよび1mol/L水酸化ナトリウム水溶液1.0mLに溶解し、これに炭酸ガスを吹き込み、析出晶を濾取すれば、黄色結晶の(3S)−10−(2,6−ジメチル−4−ピリジル)−N,1,3−ジメチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H,7H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−6−カルボン酸68mgを得る。
IR(KBr)cm−1:1729,1604
NMR(CDCl):1.65(3H,d,J=6.8Hz),2.60(6H,s),2.71(3H,s),3.2−3.8(2H,m),4.4−4.7(1H,m),7.11(2H,s),7.35(1H,d,J=8.5Hz),8.04(1H,d,J=8.5Hz),8.71(1H,s)
実施例29
8−ブロモ−5−メチル−1−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[3,2,1−ij]キノリン−2−カルボン酸エチルエステル0.50g、2−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−5−(1,1,1−トリブチルスタニル)イソインドリン1.20g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド20mgおよびキシレン10mLの混合液をアルゴン雰囲気下1時間還流する。反応混合物を放冷した後、カラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチル=1:1]で精製し、ヘキサンを加えて結晶を濾取すれば、無色結晶の5−メチル−8−{2−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−1−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[3,2,1−ij]キノリン−2−カルボン酸エチルエステル500mgを得る。
IR(KBr)cm−1:1685,1610
NMR(CDCl):1.2−1.8(6H,m),1.9−2.2(2H,m),2.42(3H,s),2.6−3.0(2H,m),4.2−4.8(7H,m),7.0−7.5(6H,m),7.6−7.9(2H,m),8.3−8.6(2H,m)
実施例30
5−メチル−8−{2−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−1−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[3,2,1−ij]キノリン−2−カルボン酸エチルエステル500mgをエタノール3.3mLおよびジオキサン3.3mLに懸濁し、これに1mol/L水酸化ナトリウム水溶液3.3mLを加え、30℃で3.5時間撹拌する。反応混合物にエタノールを加え、2mol/L塩酸でpH1に調製した後、析出晶を濾取すれば、淡黄色結晶の5−メチル−8−{2−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−1−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[3,2,1−ij]キノリン−2−カルボン酸470mgを得る。
IR(KBr)cm−1:1718,1516
実施例31
5−メチル−8−{2−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−1−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[3,2,1−ij]キノリン−2−カルボン酸460mgを47%臭化臭素酸4.6mLに懸濁し、これにフェノール0.26gおよびプロピオン酸2.8mLを加え、90℃で6時間撹拌する。減圧下に反応混合物を濃縮し、得られた残留物にエタノールおよびジエチルエーテルを加えて結晶を濾取すれば、8−(2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル)−5−メチル−1−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[3,2,1−ij]キノリン−2−カルボン酸の臭化臭素酸塩400mgを得る。この臭化臭素酸塩をエタノール2.3mLおよび水2.3mLに懸濁し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液2.3mLを加えて溶解した後、炭酸ガスを吹き込み析出晶を濾取すれば、淡黄色結晶の8−(2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル)−5−メチル−1−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[3,2,1−ij]キノリン−2−カルボン酸226mgを得る。
IR(KBr)cm−1:1616
NMR(d−TFA):1.81(3H,d,J=6.6Hz),2.2−2.7(2H,m),2.9−3.6(2H,m),4.6−5.4(5H,m),7.0−8.6(4H,m),8.6−9.0(1H,m),9.46(1H,s)
実施例32
実施例1と同様にして、(3S)−10−{2−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル}−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸エチルエステルを得る。次いで、実施例11および12と同様にして次の化合物を得る。
・(3S)−10−(2,3−ジヒドロ−1H−5−イソインドリル)−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−[1,4]オキサジノ[2,3,4−ij]キノリン−6−カルボン酸
IR(KBr)cm−1:1718,1616
産業上の利用可能性
本発明の三環キノロンカルボン酸誘導体またはその塩は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌、とりわけプロピオニバクテリウムアクネス(Propionibacterium acnes)、キノロン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)および非定型抗酸菌に対して強力な抗菌作用を有し、かつ安全性の高い化合物であり、皮膚感染症などの治療剤として有用である。

Claims (5)

  1. 一般式
    Figure 0004621356
    「式中、R1は、水素原子またはカルボキシル保護基を;R5は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アルコキシもしくはアルキルチオ基、保護されていてもよいヒドロキシルもしくはアミノ基またはニトロ基を;R2は、水素原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキリデン基およびR2が結合する炭素原子と共にシクロアルカン環を形成する基から選ばれる一つ以上の基を;Aは、メチレン、硫黄原子またはアルキル基で置換されていてもよいイミノ基を;Zは、ロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルアルキル、アリール、アルコキシまたはアルキルチオ基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護または置換されていてもよいアミノ基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよいピリジン−3−イルもしくはピリジン−4−イル基を、それぞれ示し、並びに、
    上記において、
    アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルチオおよびアミノ基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基またはハロゲン原子で置換されたアルキル基を示し、
    カルボキシル基の保護基は、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、アシルアルキル基、含酸素複素環式基、ハロゲノアルキル基、アルキルシリルアルキル基、アシルオキシアルキル基、含窒素複素環式アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基、アルアルコキシアルキル基、アルキルチオアルキル基、アリールチオアルキル基、アルケニル基または置換シリル基を示し、
    ヒドロキシル基の保護基は、アシル基、アルキル基、アルケニル基、アルアルキル基、含酸素および含硫黄複素環式基、アルコキシ−およびアルキルチオ−アルキル基、アルキル−およびアリール−スルホニル基、置換シリル基を示し、
    アミノ基の保護基は、アシル基、アルアルキル基、アリールチオ基、アルキル−およびアリール−スルホニル基、ジ−低級アルキルアミノアルキリデン基、アルアルキリデン基、含窒素複素環式アルキリデン基、シクロアルキリデン基、ジアリール−およびジアルアルキル−ホスホリル基、含酸素複素環式アルキル基または置換シリル基を示す
    で表される三環キノロンカルボン酸誘導体またはその塩。
  2. Aが硫黄原子である請求項記載の三環キノロンカルボン酸誘導体またはその塩。
  3. 2がアルキル基、R5が水素原子から選択される組み合わせによって得られる請求項記載の三環キノロンカルボン酸誘導体またはその塩。
  4. Zが、置換されていてもよいアルキル基または保護もしくは置換されていてもよいアミノ基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよいピリジン−3−イルもしくはピリジン−4−イル基である請求項に記載の三環キノロンカルボン酸誘導体またはその塩。
  5. 請求項1〜から選ばれる三環キノロンカルボン酸誘導体またはその塩を含む抗菌剤。
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