JPH08151321A - 徐放剤 - Google Patents

徐放剤

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JPH08151321A
JPH08151321A JP7250818A JP25081895A JPH08151321A JP H08151321 A JPH08151321 A JP H08151321A JP 7250818 A JP7250818 A JP 7250818A JP 25081895 A JP25081895 A JP 25081895A JP H08151321 A JPH08151321 A JP H08151321A
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microcapsule according
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Shigeyuki Takada
重行 高田
Tomofumi Kurokawa
智文 黒川
Susumu Iwasa
進 岩佐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性生理活性物質の含有率が高く、その初
期放出および副作用を軽減させる徐放性マイクロカプセ
ルの提供。 【解決手段】 無晶型水溶性生理活性物質と高分子重合
物とを含んでなるマイクロカプセル。無晶型水溶性生理
活性物質を高分子重合物の有機溶媒溶液に分散させた分
散液を水相に分散させてs/o/w型乳化物をつくり、
水中乾燥に付すことを特徴とするマイクロカプセルの製
造法。該製造法により得られるマイクロカプセル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無晶型水溶性生理
活性物質含有マイクロカプセルおよびその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開昭57−118512に記載された
水溶性薬物の徐放性マイクロカプセル型製剤の製造法で
は、コアセルベーション相分離法によってマイクロカプ
セル化するが、この方法では、(1)水溶性薬物は外水相
へ漏出し薬物のトラップ率が低下し、高含有量のマイク
ロカプセルを得るのが難しい、また(2)得られるマイク
ロカプセルは多孔質で初期放出が大きい、という欠点が
ある。ジャーナル・オブ・ファーマシュウティカル・サ
イエンス(Jounal of Pharmaceutical Science)、
1986年、75巻、750〜755頁には、シスプラ
チンの微細化乾燥粉末(micronized dry powder)をポリ
(dl−ラクチド)溶液に分散するs/o/w型乳化物によ
るマイクロスフェアーの製造法が記載されているが、無
晶型のシスプラチンの記載はなく、しかも長期の徐放性
を達成していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水溶性薬物の取りこみ
率が高く、かつ初期放出の少ない徐放性マイクロカプセ
ルの製造法の開発が期待されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究した結果、無晶型水溶性生理活
性物質と高分子重合物とを含んでなるマイクロカプセル
が生理活性物質の取りこみ率が高く、初期放出が少ない
ことを見出した。これに基づいてさらに鋭意研究した結
果、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、無晶型水溶性生理活
性物質と高分子重合物とを含んでなるマイクロカプセル
を提供するものである。また、本発明は、無晶型水溶性
生理活性物質を高分子重合物の有機溶媒溶液に分散させ
た分散液を水相に分散させてs/o/w型乳化物をつく
り、水中乾燥に付すことにより得られるマイクロカプセ
ルをも提供する。さらに、本発明は、無晶型水溶性生理
活性物質を高分子重合物の有機溶媒溶液に分散させた分
散液を水相に分散させてs/o/w型乳化物をつくり、
水中乾燥に付すことを特徴とするマイクロカプセルの製
造法をも提供する。
【0006】本明細書においてアミノ酸、ペプチド、保
護基等に関し、略号で表示する場合、アイユパック−ア
イユービー・コミッション・オン・バイオケミカル・ノ
メンクレーチャー(IUPAC−IUB Commission
on Biochemical Nomenclature)による略号あるいは
当該分野における慣用略号に基づくものとし、また、ア
ミノ酸に関し光学異性体がありうる場合は、特に明示し
なければL体を示すものとする。本明細書中、マイクロ
カプセルとは、マイクロスフェア、マイクロカプセル、
マイクロパーティクル、ナノパーティクル、ナノスフェ
ア、ナノカプセルの総称を意味する。本明細書中、s/
o/w型乳化物とは、固/油/水型(水中油中固相型)
乳化物を意味する。s相は固相を意味するが、微粒子お
よびゲル化した水相をも包含する意である。本発明で
は、水溶性生理活性物質を高含量に含有しながら、かつ
初期放出の少ない徐放性マイクロカプセルとすることが
可能である。
【0007】本発明で用いる無晶型生理活性物質は水溶
性である。該生理活性物質が水溶性であるとは、水10
0mlに対する溶解度が20℃で一般に約1g以上、好ま
しくは約3g以上、さらに好ましくは約5g以上であるこ
とを意味する。好ましくは、該生理活性物質は水易溶性
である。該生理活性物質が水易溶性であるとは、水10
0mlに対する溶解度が20℃で約5g以上、好ましくは
約10g以上であることを意味する。
【0008】該無晶型水溶性生理活性物質は、これらの
性質を有する限り特に限定されないが、好ましくは酸性
または中性物質である。該生理活性物質としては、例え
ば、生理活性を有するペプチド系化合物、その他の抗生
物質、抗真菌剤、抗高脂血症剤、循環器官用剤、抗血小
板薬(血小板凝集抑制剤)、抗腫瘍剤、解熱剤、鎮痛
剤、消炎剤、鎮咳去たん剤、鎮静剤、筋弛緩剤、抗てん
かん剤、抗潰瘍剤、抗うつ剤、抗アレルギー剤、強心
剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、降圧利尿剤、糖尿病治
療剤、抗凝血剤、止血剤、抗結核剤、ホルモン剤、麻薬
拮抗剤、骨吸収抑制剤、血管新生阻害剤などが挙げられ
る。このうち、特にペプチド系化合物が好ましい。該ペ
プチド系化合物としては、2個以上のアミノ酸によって
構成される例えばタンパク質やポリペプチドおよびこれ
らの誘導体またはペプチド様構造を有する化合物が挙げ
られる。なかでも分子量約200〜20000のものが
好ましい。本発明では特に、比較的長期の投与が必要と
されるものに有用である。
【0009】該ペプチド系化合物としては、例えば黄体
形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH)作用を有する物
質、例えばLH−RHまたはこれと同様の作用を有する
誘導体(LH−RHアナログ)であって、例えば式(I)
【化2】 (Pyr)Glu−R1−Trp−Ser−R2−R3−R4−Arg−Pro−R5 (I) [式中、R1はHis、Tyr、Trpまたはp−NH2−Phe、
2はTyrまたはPhe、R3はGlyまたはD型のアミノ酸
残基、R4はLeu、IleまたはNle、R5はGly−NH−
6またはNH−R6(式中R6はHまたは水酸基を有して
いてもよい低級アルキル基を示す)を示す。]で表わされ
る化合物またはその塩が挙げられる[米国特許第3,85
3,837、同第4,008,209、同第3,972,8
59、英国特許第1,423,083、プロシーディング
ス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメ
リカ(Proceedings of the National Academy o
f Science of the United States of Ameri
ca)第78巻、第6509〜6512頁(1981年)参
照]。
【0010】上記式(I)において、R3で示されるD型
のアミノ酸残基としては、例えば炭素数が2〜9のα−
D−アミノ酸(例、D−Leu、Ile、Nle Val、Nva
l、Abu、Phe、Phg、Ser、Thr、Met、Ala、Tr
p、α−Aibu)などが挙げられ、それらはペプチド合成
で通常用いられる保護基(例、t−ブチル、t−ブトキ
シ、t−ブトキシカルボニルなど)を有していてもよい。
6で示される低級アルキル基としては、例えば炭素数
1〜6のアルキル基、具体的には、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチルなどが挙げられる。勿論、上記式(I)
で表されるペプチドの酸塩、金属錯体化合物も式(I)
で表されるペプチドと同様に使用しうる。上記式(I)で
表されるポリペプチドのうち、R1がHis、R2がTyr、
3がD−Leu、R4がLeu、R5がNHCH2−CH3
あるペプチドが好ましい。他のLH−RHアナログとし
ては、ナファレリン:(pyro)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Al
a(2-ナフチル)-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2、ゴセレリン:(py
ro)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Ser(t-Bu)Leu-Arg-Pro-セミ
カルバジド、ヒストレリン:(pyro)Glu-His-Trp-Ser-Ty
r-[1-(フェニルメチル)-D-His]-Leu-Arg-Pro-NH-C2H5
たはそれらの塩が挙げられる。
【0011】また、これらの他に上記ペプチド系化合物
としては、LH−RH拮抗物質(米国特許第4,086,
219号、同第4,124,577号、同第4,253,9
97号、同第4,317,815号参照)が挙げられる。
具体的には、例えば、N−(2S−テトラハイドロフロ
リル)Gly−3−(2−ナフチル)−D−アラニル−(4
−クロロ)−D−Phe−3−(3−ピリジル)−D−Ala
−L−Ser−N−メチル−L-Tyr−(N−ε−ニコチニ
ル)−D−Lys−L−Leu−(N−ε−イソプロピル)−
L−Lys−L−Pro−D−Ala・NH2が挙げられる。
【0012】さらに、上記ペプチド系化合物としてはG
PIIb/IIIa拮抗物質、例えばGPIIb/IIIa
拮抗作用を有する蛇毒ペプチド(例、バルブリン(barbou
rin))、あるいはArg−Gly−Asp配列を有するペプチ
ド、例えばArg−Gly−Asp−Ser、(Arg−Gly−A
sp−Ser)テトラマー、Gly−Arg−Gly−Asp−Ser
−Pro、シクロ−S,S−[Ac−Cys(Nα−メチル)Ar
g−Gly−D−Asn−ペニシラミン]−NH2(SK&F
−106760)、さらにGPIIb/IIIa拮抗作用
と同様の活性を有する化合物、例えば(S)−4−[(4−
アミジノベンゾイル)グリシル]−3−メトキシ−カルボ
ニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸、4−
(4−アミジノベンゾイルグリシル)−2−オキソピペ
ラジン−1,3−2酢酸・塩酸塩、2−S−(n−ブチル
スルホニルアミノ)−3−[4−(N−ピペリジン−4−
イル)ブチルオキシフェニル]−プロピオン酸・HCl(M
K−383)、L−Tyr−N−(ブチルスルホニル)−O
-[4−(4−ピペリジニル)ブチル]モノハイドロクロラ
イド(L−700462)、エチル[4−[[4−(アミノ
イミノメチル)フェニル]アミノ]−1,4−ジオキシブチ
ル]アミノ−4−ペンチノエート(SC−5648
4)、[1−[N−(p−アミジノフェニル)−L−Tyr]−
4−ピペリジニル]酢酸(Ro−44−9883)、サイ
クリック[D−2−アミノブチリル−N−2−メチル−
L−Arg−Gly−L−Asp−3−アミノメチル−安息香
酸]メタンスルフォン酸塩(DMP728)などが挙げ
られる。さらに該ペプチド系化合物としては、(S)−4
−(4−グアニジノベンゾイルアミノ)アセチル−3−
[3−(4−グアニジノベンゾイルアミノ)]プロピル−2
−オキソピペラジン−1−酢酸塩酸塩、(S)−4−(4
−アミジノベンゾイルアミノ)アセチル−3−[3−(4
−アミジノベンゾイルアミノ)プロピル]−2−オキソピ
ペラジン−1−酢酸塩酸塩が挙げられる。また、さらに
上記ペプチド系化合物としては、例えばインスリン、ソ
マトスタチン、ソマトスタチン誘導体であって、例えば
式(II):
【0013】
【化3】
【0014】[式中、YはD−Ala、D−SerまたはD
−Val、ZはAsnまたはAlaを示す]で表されるポリペ
プチドまたはそれらの塩(米国特許第4,087,390
号、同第4,093,574号、同第4,100,117
号、同第4,253,998号参照)]、成長ホルモン、プ
ロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、メラノ
サイト刺激ホルモン(MSH)、甲状腺ホルモン放出ホル
モン(TRH)、その塩、およびその誘導体であって、例
えば式(III)
【0015】
【化4】
【0016】[式中、X'は4,5または6員複素環基
(例、γ−ブチロラクトン−γ−カルボニル、L−ピロ
グルタミル、L−N−(2−オキソピペリジン−6−イ
ル−カルボニル))を、Y'はイミダゾール−4−イル
または4−ヒドロキシフェニルを、Z'はCH2またはS
を、R1',R2'は同一または異なって水素もしくはC
1-8アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル)を、
3'は水素または置換基を有していてもよいアラルキル
基を示す]で表される化合物またはそれらの塩(特開昭5
0−121273号、特開昭52−116465号公報
参照)]、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモ
ン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、副甲状腺ホルモ
ン(PTH)、その誘導体であって、式(VIII):
1''−Val−Ser-Glu−Leu−R2''−His−Asn−R
3''−R4''−R5''−His−Leu−Asn−Ser−R6''−
7''−Arg−R8''−Glu−R9''−Leu−R10''−R
11'−R12''−Leu−Gln−Asp−Val−His−Asn−
13''[式中、R1''はSerまたはAib、R2''はMetま
たは天然型の脂溶性アミノ酸(例、Leu、Val、Trp)、
3''はLeu、Ser、Lysまたは芳香族アミノ酸(例、T
yr、Trp、Phe)、R4''はGlyまたはD−アミノ酸
(例、D−Gly、D−Ala)、R5''はLysまたはLeu、
6''はMetまたは天然型の脂溶性アミノ酸(例、Leu、
Val、Trp)、R7''はGluまたは塩基性アミノ酸(例、
Lys、Arg)、R8''はValまたは塩基性アミノ酸(例、
Lys、Arg)、R9''はTrpまたは2−(1,3−ジチオラ
ン−2−イル)Trp、R10''はArgまたはHis、R11''
はLysまたはHis、R12''はLys、GlnまたはLeu、R
13''はPheまたはPhe−NH2を示す]で表されるペプチ
ドまたはそれらの塩(特開平5−32696号、同第4
−247034号、ヨーロッパ特許公開第510662
号、同第477885号、同第539491号公報参
照)、ヒト型PTHのN末端(1→34位)のペプチド
フラグメント(hPTH(1→34)と略す)(ジー・ダブリ
ュー・トレギアー(G.W.Tregear)ら、エンドクリノロジー
(Endocrinology),93 1349−1353(197
3))、バソプレシン、バソプレシン誘導体[例、デスモ
プレシン(日本内分泌学会雑誌、第54巻、第5号、第
676〜691頁(1978))参照]、オキシトシン、カ
ルシトニン、カルシトニンと同様な作用を有する誘導体
であって、式(IV):
【0017】
【化5】
【0018】[式中、X''は2−アミノスベリン酸]で表
される化合物またはその塩[エンドクリノロジー(Endocr
inology)1992,131/6(2885−289
0)]、グルカゴン、ガストリン、セクレチン、パンク
レオザイミン、コレシストキニン、アンジオテンシン、
ヒト胎盤ラクトーゲン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(H
CG)、エンケファリン、エンケファリン誘導体であっ
て、例えば式(V):
【0019】
【化6】
【0020】[式中、R1'''とR3'''は水素または炭素
数1から6のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル)、R2'''は水素またはD−α−アミノ酸
(例、D−Ala、D−Ile)、R4'''は水素または炭素
数1から8の置換されていてもよい脂肪族アシル基
(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル)を示す]で
表されるペプチドまたはそれらの塩(米国特許第4,27
7,394号、ヨーロッパ特許出願公開第31567号
公報参照)]、エンドルフィン、キョウトルフィン、イン
ターフェロン(α型、β型、γ型)、インターロイキン
(I、II、III、VI、XIなど)、タフトシン、サ
イモポイエチン、サイモスチムリン、胸腺液性因子(T
HF)、血中胸腺因子(FTS)およびその誘導体であっ
て、例えば式(VI): PGlu−X'''−Lys−Ser−Gln−Y'''−Z'''−Ser−Asn−OH (VI) [式中、X'''はL−またはD−Ala、Y'''およびZ'''
は各々Glyまたは炭素数3から9のD−アミノ酸(例、
D−Gly、D−Ala、D−Leu)を示す]で表されるペ
プチドまたはそれらの塩(米国特許第4,229,438
号参照)]、およびその他の胸腺因子[例、サイモシンα1
およびβ4、サイミックファクターXなど(医学のあゆ
み、第125巻、第10号、835−843頁(198
3年))]、腫瘍壊死因子(TNF)、コロニー誘発因子(C
SF)、モチリン、デイノルフィン、ボムベシン、ニュ
ウロテンシン、セルレイン、ブラディキニン、ウロキナ
ーゼ、アスパラギナーゼ、カリクレイン、サブスタンス
P、神経成長因子、血液凝固因子の第VIII因子、第
IX因子、塩酸リゾチーム、ポリミキシンB、コリスチ
ン、グラミシジン、バシトラシン、タンパク合成刺激ペ
プチド(英国特許8232082号)、胃酸分泌抑制ポ
リペプチド(GIP)、バソアクティブ・インティステ
ィナル・ポリペプチド[vasoactive intestinal polypep
tide(VIP)]、プレートレット−ディライブド・グロ
ース・ファクター[platelet-derived growth factor(P
DGF)]、成長ホルモン分泌因子(GRF、ソマトクリ
ニン)、ボーン・モルファジェネティック・プロテイン
[bone morphagenetic protein(BMP)]、上皮成長因子
(EGF)、エリスロポエチンなどのポリペプチドが挙
げられる。またエンドセリン拮抗物質であって、例えば
シクロ−[D−α−アスパルチル−3−[(4−フェニル
ピペラジン−1−イル)カルボニル]−L−アラニル−
L−α−アスパルチル−D−2−(2−チエニル)グリ
シル−L−ロイシル−D−トリプトフィル]−ナトリウ
ム塩などのペプチドまたはそれらの塩、さらにそれらの
誘導体などが挙げられる。
【0021】上記抗生物質としては、例えばゲンタマイ
シン、ジベカシン、カネンドマイシン、リピドマイシ
ン、トブラマイシン、アミカシン、フラジオマイシン、
シソマイシン、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテト
ラサイクリン、ロリテトラサイクリン、塩酸ドキシサイ
クリン、アンピシリン、ピペラシリン、チカルシリン、
セファロチン、セファロリジン、セフォチアム、セフォ
キシチン、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾ
ール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾ
ン、セフチゾキシム、モキソラクタム、チエナマイシ
ン、スルファゼシン、アズスレオナムなどが挙げられ
る。
【0022】上記抗真菌剤としては、例えば、2−[(1
,2)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒ
ドロキシ−1−メチル−3−(1−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル)プロピル]−4−[4−(2,2,3,3
−テトラフルオロプロピル)フェニル]−3(2,4)−1,
2,4−トリアゾロンなどが挙げられる。上記抗高脂血
症剤としては、例えば、プラバスタチン、シンバスタチ
ンなどが挙げられる。上記循環器官用剤としては、例え
ば、塩酸デラプリルなどが挙げられる。
【0023】上記抗血小板薬としては、例えば、チクロ
ピジン、シロスタゾール、アルプロスタジル、リマプロ
スト、ジピリダモール、アイコサペンタエートエチル、
ベラプロスト、オザグレル、アスピリンなどが挙げられ
る。上記抗腫瘍剤としては、例えば塩酸ブレオマイシ
ン、メソトレキセート、アクチノマイシンD、マイトマ
イシンC、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、
塩酸ダウノルビシン、アドリアマイシン、ネオカルチノ
スタチン、シトシンアラビノシド、フルオロウラシル、
テトラヒドロフリル−5−フルオロウラシル、クレスチ
ン、ピシバニール、レンチナン、レバミゾール、ベスタ
チン、アジメキソン、グリチルリチン、ポリI:C、ポ
リA:U、ポリICLCなどが挙げられる。
【0024】上記の解熱、鎮痛、消炎剤としては、例え
ばサリチル酸ナトリウム、スルピリン、フルフェナム酸
ナトリウム、ジクロフェナックナトリウム、インドメタ
シンナトリウム、塩酸モルヒネ、塩酸ペチジン、酒石酸
レボルファノール、オキシモルフォンなどが挙げられ
る。上記鎮咳去たん剤としては、例えば塩酸エフェドリ
ン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸ノスカピン、リン酸
コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸アロクラマイ
ド、塩酸クロフェジアノール、塩酸ピコペリダミン、ク
ロペラスチン、塩酸プロトキロール、塩酸イソプロテレ
ノール、硫酸サルブタモール、硫酸テルブタリンなどが
挙げられる。上記鎮静剤としては、例えば塩酸クロルプ
ロマジン、プロクロルペラジン、トリフロペラジン、硫
酸アトロピン、臭化メチルスコポラミンなどが挙げられ
る。上記筋弛緩剤としては、メタンスルホン酸プリジノ
ール、塩化ツボクラリン、臭化パンクロニウムなどが挙
げられる。
【0025】上記抗てんかん剤としては、例えばフェニ
トインナトリウム、エトサクシミド、アセタゾラミドナ
トリウム、塩酸クロルジアゼポキシドなどが挙げられ
る。上記抗潰瘍剤としては、例えばメトクロプロミド、
塩酸ヒスチジンなどが挙げられる。上記抗うつ剤として
は、例えばイミプラミン、クロミプラミン、ノキシプチ
リン、硫酸フェネルジンなどが挙げられる。上記抗アレ
ルギー剤としては、例えば塩酸ジフェンヒドラミン、マ
レイン酸クロルフェニラミン、塩酸トリペレナミン、塩
酸メトジラジン、塩酸クレミゾール、塩酸ジフェニルピ
ラリン、塩酸メトキシフェナミンなどが挙げられる。上
記強心剤としては、例えばトランスバイオキソカンファ
ー、テオフィロール、アミノフィリン、塩酸エチレフリ
ンなどが挙げられる。上記不整脈治療剤としては、例え
ば塩酸プロプラノール、塩酸アルプレノロール、塩酸ブ
フェトロール、塩酸オキシプレノロールなどが挙げられ
る。
【0026】上記血管拡張剤としては、例えば塩酸オキ
シフェドリン、塩酸ジルチアゼム、塩酸トラゾリン、ヘ
キソベンジン、硫酸バメタンなどが挙げられる。上記降
圧利尿剤としては、例えばヘキサメトニウムブロミド、
ペントリニウム、塩酸メカミルアミン、塩酸エカラジ
ン、塩酸クロニジンなどが挙げられる。上記糖尿病治療
剤としては、例えばグリミジンンナトリウム、グリピザ
イド、塩酸フェンフォルミン、塩酸ブフォルミン、メト
フォルミンなどが挙げられる。上記抗凝血剤としては、
例えばヘパリンナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが
挙げられる。上記止血剤としては、例えばトロンボプラ
スチン、トロンビン、メナジオン亜硫酸水素ナトリウ
ム、アセトメナフトン、ε−アミノカプロン酸、トラネ
キサム酸、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム、アド
レノクロムモノアミノグアニジンメタンスルホン酸塩な
どが挙げられる。
【0027】上記抗結核剤としては、例えばイソニアジ
ド、エタンブトール、パラアミノサリチル酸ナトリウム
などが挙げられる。上記ホルモン剤としては、例えばコ
ハク酸プレドニゾロン、リン酸ナトリウムプレドニゾロ
ン、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、ベタメタゾンリン
酸ナトリウム、リン酸ヘキセストロール、酢酸ヘキセス
トロール、メチマゾールなどが挙げられる。上記麻薬拮
抗剤としては、例えば酒石酸レバロルファン、塩酸ナロ
ルフィン、塩酸ナロキソンなどが挙げられる。
【0028】上記骨吸収抑制剤としては、例えば(硫黄
含有アルキル)アミノメチレンビスフォスフォン酸、あ
るいは4−フェノキシブチルアミノメチレン−1,1−
ビスフォスフォネート・2ナトリウム塩などが挙げられ
る。上記血管新生抑制剤としては、例えば血管新生抑制
ステロイド[サイエンス(Science)第221巻、719
頁(1983年)参照]、フマギリン(ヨーロッパ特許公開
第325,119号公報参照)、フマギロール誘導体
[例、O−モノクロロアセチルカルバモイルフマギロー
ル、O−ジクロロアセチルカルバモイルフマギロールな
ど(ヨーロッパ特許公開第357,061号、同第35
9,036号、同第386,667号、同第415,29
4号公報参照)]などが挙げられる。
【0029】生理活性物質はそれ自身であっても、その
塩であってもよい。例えば、生理活性物質がアミノ基等
の塩基性基を有する場合は、炭酸、塩酸、硫酸、硝酸等
との塩であってもよく、生理活性物質がカルボン酸基等
の酸性基を有する場合は、ナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属、トリエチルアミン等の有機アミン類、アル
ギニン等の塩基性アミノ酸類との塩であってもよい。
【0030】上記水溶性生理活性物質の使用量は、生理
活性物質の種類、所望の薬理効果および効果の持続期間
などにより異なるが、高分子重合物の有機溶媒溶液中の
濃度として、約0.001%ないし90%(W/W)、よ
り好ましくは約0.01%ないし80%(W/W)、特に
好ましくは約0.01%ないし70%(W/W)から選ば
れる。
【0031】該無晶型水溶性生理活性物質は微粒子状に
て使用される。微粒子の平均粒径は一般に約1nmないし
約10μm、好ましくは約1nmないし約1μmである。
【0032】本発明で用いる高分子重合物は、水に難溶
または不溶で生体適合性のある高分子重合物である。そ
の例としては生体内分解型として、ポリ脂肪酸エステル
(例、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポ
リリンゴ酸、ポリ乳酸カプロラクトンなど)、ポリ−α
−シアノアクリル酸エステル、ポリ−β−ヒドロキシ酪
酸、ポリアルキレンオキサレート(例、ポリトリメチレ
ンオキサレート、ポリテトラメチレンオキサレートな
ど)、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネート、
あるいはその他のポリカーボネート(例、ポリエチレン
カーボネート、ポリエチレンプロピレンカーボネートな
ど)、ポリアミノ酸(例、ポリ−γ−ベンジル−L−グル
タミン酸、ポリ−L−アラニン、ポリ−γ−メチル−L
−グルタミン酸など)、ヒアルロン酸エステルなどが挙
げられる。さらに、生体適合性を有するその他の高分子
重合物として、ポリスチレン、ポリメタアクリル酸、ア
クリル酸とメタアクリル酸との共重合物、ポリアミノ
酸、デキストランステアレート、エチルセルロース、ア
セチルセルロース、ニトロセルロース、無水マレイン酸
系共重合物、エチレンビニールアセテート系共重合物、
ポリビニールアセテート、ポリアクリルアミドなどが挙
げられる。これらの高分子重合物は1種でもよく、また
2種以上の共重合物、あるいは単なる混合物でもよく、
またその塩でもよい。
【0033】これらの高分子重合物の中で、特に、注射
剤として用いる場合は生体内分解性高分子重合物が好ま
しい。該生体内分解性高分子重合物の生体内分解性は例
えば乳酸・グリコール酸共重合物(PLGA)の場合、
PLGAから分解した水溶性低分子量断片のPLGAに
対する割合(w/w%)で定義され、一般に、皮下また
は筋内投与後の1年間で10%以上、好ましくは、皮下
または筋内投与後の3カ月間で80%以上である。該生
体内分解性高分子重合物は好ましくはポリエステルであ
る。該生体内分解性高分子重合物の好ましい具体例とし
ては、例えばヒドロキシカルボン酸の重合物または共重
合物あるいはそれらの混合物などが挙げられる。該ヒド
ロキシカルボン酸としては特に限定されないが、一般式
(VII)
【化7】 [式中、Rは水素またはアルキル基を示す。]で表わされ
るヒドロキシカルボン酸が好ましい具体例として挙げら
れる。上記式中、Rで示されるアルキル基としては、例
えば炭素数1から8の直鎖あるいは分枝状のアルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル等)が好ましい。これらの中で、炭
素数1から3の直鎖あるいは分枝状のアルキル基が特に
好ましい。
【0034】上記ヒドロキシカルボン酸の好ましい具体
例としては、例えばグリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪
酸(例、2−ヒドロキシ酪酸)、2'−ヒドロキシ吉草
酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシ
カプロン酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、2−ヒド
ロキシカプリル酸などが挙げられる。このうち特に、グ
リコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキ
シ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸が好ま
しい。さらに、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪
酸が特に好ましい。これらのヒドロキシカルボン酸にお
いて、D−体、L−体およびD,L−体が存在するもの
は、そのいずれを用いてもよいが、D,L−体が好まし
い。該共重合物の共重合の形式は、ランダム、ブロッ
ク、グラフトの何れでもよい。これらのグリコール酸共
重合物においては、生体内での分解が比較的速やかで単
独で用いた場合の放出期間が1ケ月以内のものが好まし
い。特に、乳酸・グリコール酸共重合物またはヒドロキ
シ酪酸・グリコール酸共重合物が好ましい。本発明に使
用される高分子重合物は、一般的な合成法(例えば、特
開昭61−28521号公報参照)で問題なく合成でき
る。
【0035】本発明に使用されるこれらの高分子重合物
の平均分子量は約2000ないし約800000のもの
が好ましく、より好ましくは約5000ないし約200
000の範囲から選定される。上記の高分子重合物とし
て乳酸・グリコール酸共重合物を用いる場合、乳酸/グ
リコール酸のモル比は好ましくは約100/0ないし2
5/75、より好ましくは約100/0ないし50/5
0である。乳酸・グリコール酸共重合物の重量平均分子
量は好ましくは約5000ないし約30000、より好
ましくは約5000から20000である。上記の高分
子重合物としてヒドロキシ酪酸・グリコール酸共重合物
(例、2−ヒドロキシ酪酸・グリコール酸共重合物)を
用いる場合、ヒドロキシ酪酸/グリコール酸のモル比は
好ましくは約100/0ないし25/75、より好まし
くは約100/0ないし50/50である。特に、2−
ヒドロキシ酪酸/グリコール酸のモル比は好ましくは約
60/40ないし約30/70である。ヒドロキシ酪酸
・グリコール酸共重合物の重量平均分子量は好ましくは
約5000ないし約25000、より好ましくは約50
00から20000である。上記高分子重合物として酪
酸・グリコール酸共重合物を用いる場合、酪酸/グリコ
ール酸のモル比は好ましくは約100/0ないし25/
75である。
【0036】上記高分子重合物として例えばポリ乳酸
(A)とグリコール酸・2−ヒドロキシ酪酸共重合物(B)
との混合物を用いる場合、(A)/(B)で表わされる混合
比が約10/90から約90/10(重量比)の範囲で使
用される。好ましくは約25/75から約75/25
(重量比)の範囲である。ポリ乳酸の重量平均分子量は約
5000から約30000のものが好ましい。さらに約
6000から約20000のものが特に好ましい。
【0037】なお、本明細書における分子量とは、ポリ
スチレンを基準物質としてゲルパーミェーションクロマ
トグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の分
子量をいう。測定は、GPCカラムKF804L×2
(昭和電工製)を使用、移動相としてクロロホルムを用い
た。該高分子重合物の多分散性は重量平均分子量/数平
均分子量として定義され、一般に1ないし3.5、好ま
しくは1.5ないし2.5である。これら高分子重合物の
使用する量は、生理活性物質の薬理活性の強さと、該物
質の放出の速度および期間などによって決まり、例えば
生理活性物質に対して約0.2ないし10000倍(重量
比)、好ましくは約1ないし1000倍(重量比)の量を
マイクロカプセル基剤として用いるのがよい。油相中の
高分子重合物の濃度は、約0.5ないし90%(W/
W)、さらに好ましくは約2ないし60%(W/W)から
選ばれる。
【0038】さらに、マイクロカプセルからの水溶性薬
物の初期放出を抑制する目的で、この高分子重合物の有
機溶媒溶液に塩基性物質や油脂類を添加することも有効
である。塩基性物質として、例えば、L−アルギニン、
N−メチルグルタミン、L−リシンのような塩基性アミ
ノ酸等が挙げられる。このうちL−アルギニンまたはN
−メチルグルタミンが好ましい。油脂類として、例え
ば、ビタミンE、中鎖脂肪酸類(ミグリオール類)、コレ
ステロール、リン脂質類等が挙げられる。高分子重合物
の有機溶媒溶液中の塩基性物質の濃度は、約0.01%
ないし20%(W/W)、好ましくは約0.1%ないし5
%(W/W)、より好ましくは約0.1%ないし3%(W/
W)である。高分子重合物の有機溶媒溶液中の油脂類の
濃度は、約0.01%ないし30%(W/W)、好ましく
は約0.1%ないし20%(W/W)、より好ましくは約
0.2%ないし10%(W/W)である。
【0039】本発明においては、水相に浸透圧調節剤を
含有させることが好ましい。該浸透圧調節剤としては、
水溶液とした場合、浸透圧を示すものであればいかなる
物質であってもよい。該浸透圧調節剤の具体例として
は、例えば水溶性の多価アルコール類、水溶性の一価ア
ルコール類、水溶性の無機物(例、無機塩)、水溶性の
単糖類、二糖類、オリゴ糖および多糖類あるいはそれら
の誘導体、水溶性の有機酸またはその塩、水溶性のアミ
ノ酸、水溶性のペプチド、タンパク質あるいはそれらの
誘導体などが挙げられる。これらのうち水溶性の多価ア
ルコール類、水溶性の無機物、水溶性の単糖類、二糖
類、オリゴ糖および多糖類あるいはそれらの誘導体、水
溶性の有機酸またはその塩が好ましい。さらに、塩類、
水溶性の多価アルコール類および水溶性の無機物が特に
好ましい。
【0040】上記水溶性の無機塩としては、例えば塩化
カリウム、塩化ナトリウム、臭化カリウム、臭化ナトリ
ウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等のハロゲン
化アルカリ金属、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等
のハロゲン化アルカリ土類金属、硫酸ナトリウム、硫酸
カリウム等のアルカリ金属硫酸塩、硫酸マグネシウム、
硫酸カルシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩、リン酸二
水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウ
ム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウ
ム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩類など
が挙げられる。このうち、塩化ナトリウムが好ましい。
【0041】上記水溶性の多価アルコール類としては、
例えばグリセリン等の二価アルコール類、アラビトー
ル、キシリトール、アドニトール等の五価アルコール
類、マンニトール、ソルビトール等の六価アルコール類
などが挙げられる。これらのうち六価のアルコール類が
好ましい。上記水溶性の一価アルコール類としては、例
えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等が挙げられる。これらのうちエタノールが好ましい。
上記水溶性の単糖類としては、例えばアラビノース、キ
シロース、リボース、2−デオキシリボース等の五炭糖
類、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、マンノース、ソル
ボース、ラムノース、フコース等の六炭糖類が挙げられ
る。これらのうち六炭糖類が好ましい。上記水溶性の二
糖類としては、例えば麦芽糖、セロビオース、α−トレ
ハロース、乳糖、ショ糖などが挙げられる。これらのう
ち乳糖およびショ糖が好ましい。
【0042】上記水溶性のオリゴ糖としては、例えばマ
ルトトリオース、ラフィノース糖の三糖類、スタキオー
ス等の四糖類などが挙げられる。これらのうち三糖類が
好ましい。上記水溶性の多糖類としては、例えばセルロ
ース、デンプン、グリコーゲン等のグルカン類、ペクチ
ン酸等のガラクツロナン類、アルギン酸等のマンヌロナ
ン類、イヌリン、レバン等のフルクタン類、キチン等の
N−アセチルグリコサミン重合体類、イネワラのキシラ
ン等のキシラン類、マンナン、グルコマンナン、ガラク
トマンナン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパ
リン等のジヘテログルカン類などが挙げられる。これら
のうちグルカン類、ジヘテログルカン類が好ましい。上
記水溶性の単糖類、二糖類、オリゴ糖および多糖類の誘
導体としては、例えばグルコサミン、ガラクトサミン、
グルクロン酸、ガラクツロン酸などが挙げられる。
【0043】上記水溶性の有機酸またはその塩として
は、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、これらのアル
カリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)などが挙
げられる。上記水溶性のアミノ酸としては、例えばグリ
シン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フ
ェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、
トレオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、システイ
ン、メチオニン等の中性アミノ酸、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸等の酸性アミノ酸、リジン、アルギニン、ヒ
スチジン等の塩基性アミノ酸等が挙げられる。またこれ
らの水溶性アミノ酸の酸(例、塩酸、硫酸、リン酸等)ま
たはアルカリ(例、ナトリウム、カリウム等のアルカリ
金属等)との塩を用いてもよい。水溶性のペプチド、タ
ンパク質あるいはそれらの誘導体としては、例えばカゼ
イン、グロブリン、プロラミン、アルブミン、ゼラチ
ン、プロタミン、ヒストンなどが挙げられる。
【0044】浸透圧調節剤は単独で使用しても、1種以
上を混合して使用してもよい。これらの浸透圧調節剤の
外水相中での濃度は、浸透圧調節剤が非イオン性物質の
場合、約0.001%ないし60%(W/W)で、好まし
くは約0.01ないし40%(W/W)、より好ましくは
約0.05ないし30%(W/W)である。また、浸透圧
調節剤がイオン性物質の場合、上記の濃度を全体のイオ
ン価で除した濃度が用いられる。浸透圧調節剤の添加濃
度は、溶解度以下である必要はなく、一部が分散状態で
あってもよい。
【0045】本発明のマイクロカプセルは、例えば以下
に示すs/o/w型水中乾燥法により製造することができ
る。まず、無晶型水溶性生理活性物質を高分子重合物の
水不溶性有機溶媒溶液に分散させ、得られた分散液をよ
く混合してs/o型乳化物を得る。該乳化物中、生理活性
物質は高分子重合物溶液中に実質的に均一に分散してい
る。水溶性生理活性物質はそれ自身が無晶型であればそ
のまま用いることができるし、結晶型であっても無晶型
とした後で用いることができる。好ましくは、無晶型水
溶性生理活性物質は、水溶性生理活性物質の水溶液、好
ましくは希薄水溶液から凍結乾燥法、噴霧乾燥法のよう
な急速乾燥法により得られる。上記のとおり、該無晶型
水溶性生理活性物質は好ましくは微粒子状にて使用さ
れ、生理活性物質の平均粒径は一般に約1nmないし約1
0μm、好ましくは約1nmないし約1μmである。生理活
性物質が微粒子状で入手できる場合はそのまま使用する
ことができるが、そうでない場合は常法(例、ジェット
ミル法、アトマイザー法またはボールミル法)により微
粒子化した後使用する。上記水不溶性溶媒としては、該
高分子重合物を溶解し、水に不溶性のものであればいか
なるものでもよい。該水不溶性溶媒の具体例としては、
例えばハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、ジクロロヘキサン、クロロエタン、ジクロ
ロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、エステ
ル類(例、酢酸エチル等)、エーテル類(例、エチルエー
テル等)、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン
等)、炭化水素類(例、n−ペンタン、n−ヘキサン等)な
どが挙げられる。上記s/o型乳化物の乳化操作は、公知
の分散法が用いられる。該分散法としては、例えば、断
続振とう法、プロペラ型撹拌機あるいはタービン型撹拌
機などのミキサーによる方法、コロイドミル法、ホモジ
ナイザー法、超音波照射法などが挙げられる。この場
合、所望により水不溶性溶媒と共に水溶性溶媒を用いる
ことも有効である。該水溶性溶媒は、水溶性を有し、上
記水不溶性溶媒と混合し得るものであればいかなるもの
でもよい。該水溶性溶媒の具体例としては、例えばアル
コール類(例、メタノール、エタノール、プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール等)、アセトン、アセ
トニトリルなどが挙げられる。該s/o型乳化物では、
該生理活性物質をより細かく微粒化して分散させること
が好ましく、微粒子の粒径は通常約1nmないし約10μ
m、好ましくは約1nmないし約1μmである。
【0046】次いで、このようにして製造されたs/o型
乳化物を、水相中で水中乾燥法に付す。好ましくは、該
水相中に上記濃度の浸透圧調節剤を含有させて行う。す
なわち、該油相をさらに浸透圧調節剤を含有した第2相
目の水相中に加え、s/o/w型乳化物を形成させた後、
油相中の溶媒を除去させ、マイクロカプセルを製造す
る。
【0047】s/o/w型水中乾燥法における外水相に乳
化剤を加えてもよい。その例としては、一般に安定なo
/w型乳化物を形成するものであればいずれでもよい。
さらに具体的には、例えばアニオン界面活性剤(例、オ
レイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリ
ル硫酸ナトリウムなど)、非イオン性界面活性剤(例、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル[例、ツイ
ーン(Tween)60、ツイーン80(アトラスパウダー社)
など]、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体[例、HCO
−60、HCO−50(日光ケミカルズ)など]あるいは
ポリビニールピロリドン、ポリビニールアルコール、カ
ルボキシメチルセルロース、レシチン、ゼラチンなどが
挙げられ、これらの中の1種類か、あるいはいくつかを
組み合わせて使用してもよい。使用の際の濃度は約0.
01%から20%(W/W)の範囲から適宜選定でき、よ
り好ましくは約0.05%から10%(W/W)の範囲で
用いられる。
【0048】油相中の溶媒の除去は、通常用いられる方
法が採用される。該方法としては、プロペラ型撹拌機、
あるいはマグネチックスターラーなどで撹拌しながら徐
々に減圧して行うか、ロータリーエバポレーターなどを
用いて、真空度を調節しながら除去する。この場合、高
分子重合物の固化がある程度進行し、内層から生理活性
物質の放出による損失が減少した時点で、溶媒の除去を
より完全にする目的で、s/o/w型乳化物を徐々に加温
して行うと所要時間を短縮することができる。また、温
度以外の方法で増粘化および固化を行う場合は、単にs
/o/w型乳化物を撹拌下放置するか、加温するか、窒素
ガスなどを吹き付けるかすることなどによって除去して
もよい。この溶媒の除去過程は生理活性物質の放出をコ
ントロールするマイクロカプセルの表面構造を大きく左
右する重要な過程である。例えば、除去の速度を速く行
うことによって、表面に多くの細孔を生じ、またより大
きな細孔となり、生理活性物質の放出速度を高める。
【0049】このようにして得られたマイクロカプセル
は遠心分離あるいは濾過して分取した後、マイクロカプ
セルの表面に付着している遊離の水溶性生理活性物質、
該生理活性物質の保持物質などを、蒸留水で数回繰り返
し洗浄し、必要であれば加温し減圧下でマイクロカプセ
ル中の水分の除去およびマイクロカプセル剤中の溶媒の
除去をより完全に行う。上記で得られたマイクロカプセ
ルは、必要であれば軽く粉砕した後、篩過して、大きす
ぎるマイクロカプセル部分を除去する。マイクロカプセ
ルの粒子径は、徐放性の程度により懸濁剤として使用す
る場合には、その分散性、通針性を満足させる範囲であ
ればよく、例えば、平均径として約0.5〜400μmの
範囲が挙げられ、より好ましくは約2〜200μmの範
囲にあることが望まれる。
【0050】本発明方法により製造されたマイクロカプ
セルは、そのまま筋肉内、皮下、血管、臓器、あるいは
関節腔、腫瘍などの病巣に容易に注射剤および埋め込み
剤として投与することができる。また、種々の製剤に成
型して投与することもでき、そのような製剤を製造する
際の原料物質としても使用され得る。上記製剤として
は、注射剤、経口投与製剤(例、散剤、顆粒剤、カプセ
ル剤、錠剤)、経鼻投与製剤、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐
剤)などが挙げられる。例えば、本発明のマイクロカプ
セルを注射剤とするには、本発明のマイクロカプセルを
分散剤(例、ツイーン(Tween)80、HCO 60(日光
ケミカルズ製)、カルボキシメチルセルロース、アルギ
ン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メチルパラベン、プ
ロピルパラベン、ベジールアルコール、クロロブタノー
ルなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、グリセリン、
ソルビトール、ブドウ糖など)などと共に水性懸濁剤
に、あるいはオリーブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、綿実
油、コーン油などの植物油、プロピレングリコールなど
に分散して油性懸濁剤に成形され、徐放性注射剤とす
る。
【0051】さらに、上記のマイクロカプセルの徐放性
注射剤は、懸濁剤として、上記の組成以外に、賦形剤
(例、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、ブド
ウ糖など)を加えて、再分散した後、凍結乾燥もしくは
噴霧乾燥して固型化し、用時に、注射用蒸留水あるいは
適当な分散剤を加えると、より安定した徐放性注射剤が
得られる。
【0052】本発明のマイクロカプセルを例えば錠剤に
するには、一般に公知の製法に準じて行うことができ
る。例えば賦形剤(例、乳糖、結晶セルロース、白糖、
トウモロコシデンプン等のデンプン類など)、崩壊剤
(例、トウモロコシデンプン等のデンプン類、クロスカ
ルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナト
リウム、炭酸カルシウムなど)、結合剤(例、結晶セルロ
ース、アラビアゴム、デキストリン、カルボキシメチル
セルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロ
ピルセルロースなど)または滑沢剤(例、タルク、ステア
リン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000
など)などを添加して圧縮成形する。
【0053】本発明のマイクロカプセルを例えば経鼻投
与製剤にするには、固状、半固状または液状のものに成
形され、いずれも一般に用いられる製法で行うことがで
きる。例えば、上記固状のものとしては、該マイクロカ
プセルをそのまま、あるいは賦形剤(例、グルコース、
マンニトール、デンプン、微結晶セルロースなど)、増
粘剤(例、天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸
重合物など)などを添加、混合して粉状の組成物とす
る。上記液状のものとしては、注射剤の場合とほとんど
同様で、油性あるいは水性懸濁剤とする。半固状の場合
は、水性または油性のゲル剤、あるいは軟膏状のものが
よい。また、これらはいずれも、pH調節剤(例、炭酸、
リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウムなど)、防
腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタ
ノール、塩化ベンザルコニウムなど)などを加えてもよ
い。
【0054】本発明のマイクロカプセルを坐剤とするに
は、油性または水性の固状、半固状あるいは液状のもの
を自体公知の方法で製造しうる。上記組成物に用いる油
性基剤としては、マイクロカプセルを溶解しないもので
あればよく、例えば高級脂肪酸のグリセリド[例、カカ
オ脂、ワイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社)な
ど]、中級脂肪酸[例、ミグリオール類(ダイナマイトノ
ーベル社)など]、あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆
油、綿実油など)などが挙げられる。また、水性基剤と
しては、例えばポリエチレングリコール類、プロピレン
グリコール、水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム
類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重
合体などが挙げられる。
【0055】本発明のマイクロカプセルは一定した薬物
量を長期にわたって放出するため、低毒性で一定した薬
効が得られ、安全で効能の高い徐放剤として期待され
る。例えば、GPIIb/IIIa拮抗物質の場合、副作
用として出血傾向が懸念されるが、本発明のマイクロカ
プセルの使用により非毒性・薬効濃度を長期にわたって
維持できる。したがって、本発明のマイクロカプセル
は、生理活性物質の薬効に応じて、マウス、ラット、ウ
マ、ウシ、ヒトなどの哺乳動物における循環器系疾患
[例、血栓症、一過性脳虚血発作、脳血栓症(急性期)、
慢性動脈閉塞症、四肢動脈血栓症、肺血栓塞栓症、心筋
梗塞、脳梗塞、高血圧、高脂血症]、潰瘍、喘息、細菌
または真菌感染症、腫瘍、炎症性疾患、てんかん、うつ
病、アレルギー性疾患、不整脈、糖尿病、結核、骨粗鬆
症などの種々の疾患の治療に安全に用いることができ
る。とりわけ循環器系疾患、特に血栓症、一過性脳虚血
発作、脳血栓症(急性期)、慢性動脈閉塞症、四肢動脈血
栓症、肺血栓塞栓症、心筋梗塞あるいは脳梗塞、および
これら梗塞再開通後の維持療法などに有利に用いられ
る。
【0056】本発明の徐放性製剤の投与量は、主薬であ
る水溶性薬物の種類と含量、剤形、薬物放出の持続時
間、投与対象動物(例、マウス、ラット、ウマ、ウシ、
人等の温血哺乳動物)、投与目的により種々異なるが、
該主薬の有効量であればよい。例えば、成人(体重50k
g)に1回当たりの投与量として、マイクロカプセルの適
量が約1mgないし10g。好ましくは約10mgないし2g
の範囲から、適宜選択することができる。なお、上記注
射剤として投与する場合の懸濁溶液の容量は、約0.1
ないし5ml、好ましくは約0.5ないし3mlの範囲から
適宜選ぶことができる。このようにして、通常の1回投
与量より多い有効量の水溶性生理活性物質および生体適
合性のある高分子重合物よりなり、長期間にわたって生
理活性物質を持続的に放出させることができるマイクロ
カプセルとして調製された医薬組成物が得られる。
【0057】本発明のマイクロカプセルは、例えば次の
特徴を有する。 (1)コアセルベーション相分離法等の従来の製造法より
も、マイクロカプセル中に水溶性薬物を効率よく取り込
ませることができる。 (2)マイクロカプセル投与後の薬物の初期放出量を少な
くできる。 (3)薬物高含有量のマイクロカプセルを用いることによ
り、製剤としての総投与量を少なくすることができるた
め、例えば皮下投与部位における疼痛や局所刺激性を緩
和できる。
【0058】
【実施例】以下、実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例示に限
定されるものではない。実施例中で用いる%は特記しな
い限り重量/重量%である。
【0059】実施例1 A法: 凍結乾燥で得た無晶型の抗血小板薬(S)−4−
[(4−アミジノベンゾイル)グリシル]−3−メトキシ−
カルボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸
(以下、化合物Aと称することがある)450mgを乳酸
・グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=75/
25、ポリスチレン換算平均分子量10500)4.05
gのジクロロメタン4ml溶液に分散し、ポリトロン(キ
ネマチカ(Kinematica、スイス)製のホモジナイザ
ー)で微粒化した後、2.7(w/v)%の塩化ナトリウム
を含有する0.2(w/v)%PVA(ポリビニールアルコ
ール)水溶液800ml中でホモジナイザーを使用してs
/o/w型エマルションとした。この後、通常のプロペラ
撹拌機で3時間ゆっくり撹拌し、マイクロカプセルから
ジクロロメタンの揮散と共に固化するのを待って遠心分
離機で捕集し、同時に精製水で水洗した。捕集されたマ
イクロカプセルは、一昼夜凍結乾燥することによって粉
末として得られた。 B法: 結晶型の化合物A 450mgを上記の乳酸・グリ
コール酸共重合体4.05gのジクロロメタン4ml溶液に
分散し、ポリトロンで微粒化した後、2.7(w/v)%の
塩化ナトリウムを含有する0.2(w/v)%PVA水溶液
800ml中でホモジナイザーを使用してs/o/w型エマ
ルションとした。この後、同上の方法でマイクロカプセ
ル粉末を得た。 表1に両方法で得られたマイクロカプセルの特性を示
す。無晶型の化合物Aを用いることにより薬物のトラッ
プ率を向上させることが可能となった。
【表1】製法 薬物 含量 トラップ率 A法 凍結乾燥無晶型 9.2% 92%B法 結晶型 3.6% 36%
【0060】実施例2 凍結乾燥で得た無晶型の化合物A 450mgを予めL−
アルギニン90mgを溶解した乳酸・グリコール酸共重合
体(乳酸/グリコール酸=75/25、ポリスチレン換
算平均分子量10500)3.96gのジクロロメタン4m
l溶液に分散し、ポリトロンで微粒化した後、2.7(w/
v)%の塩化ナトリウムを含有する0.2(w/v)%PVA
水溶液800ml中でホモジナイザーを使用してs/o/w
型エマルションとした。この後、通常のプロペラ撹拌機
で3時間ゆっくり撹拌し、マイクロカプセルからジクロ
ロメタンの揮散と共に固化するのを待って遠心分離機で
捕集し、同時に精製水で水洗した。捕集されたマイクロ
カプセルは、一昼夜凍結乾燥することによって粉末とし
て得られた。表2に本方法で得られたマイクロカプセル
の特性を示す。本方法により薬物のトラップ率を向上さ
せることが可能となった。
【表2】薬物 含量 トラップ率 凍結乾燥無晶型 9.4% 94%
【0061】実施例3 凍結乾燥で得た無晶型の化合物A 450mgを予めL−
アルギニン90mgを溶解した乳酸・グリコール酸共重合
体(乳酸/グリコール酸=75/25、ポリスチレン換
算平均分子量8400)3.96gのジクロロメタン4ml
溶液に分散し、ポリトロンで微粒化した後、2.7(w/
v)%の塩化ナトリウムを含有する0.2(w/v)%PVA
水溶液800ml中でホモジナイザーを使用してs/o/w
型エマルションとした。この後、通常のプロペラ撹拌機
で3時間ゆっくり撹拌し、マイクロカプセルからジクロ
ロメタンの揮散と共に固化するのを待って遠心分離機で
捕集し、同時に精製水で水洗した。捕集されたマイクロ
カプセルは、一昼夜凍結乾燥することによって粉末とし
て得られた。本発明のs/o/w法により得られたマイク
ロカプセルでは薬物のトラップ率は98%であった。
【0062】実施例4 噴霧乾燥で得た無晶型の化合物A 150mgを予めL−
アルギニン90mgを溶解した乳酸・グリコール酸共重合
体(乳酸/グリコール酸=50/50、ポリスチレン換
算平均分子量8000)4.26gのジクロロメタン4ml
溶液に分散し、ポリトロンで微粒化した後、0.9(w/
v)%の塩化ナトリウムを含有する0.2(w/v)%PVA
水溶液800ml中でホモジナイザーを使用してs/o/w
型エマルションとした。この後、通常のプロペラ撹拌機
で3時間ゆっくり撹拌し、マイクロカプセルからジクロ
ロメタンの揮散と共に固化するのを待って遠心分離機で
捕集し、同時に精製水で水洗した。捕集されたマイクロ
カプセルは、マンニトールと共に一昼夜凍結乾燥するこ
とによって粉末として得られた。
【0063】実施例5 凍結乾燥した化合物A 300mgをヒドロキシ酪酸/グ
リコール酸共重合体(ヒドロキシ酪酸/グリコール酸=
50/50、ポリスチレン換算平均分子量12000)
4.2gのジクロロメタン4ml溶液に分散し、ポリトロン
で微粒化した後、1.8(w/v)%の塩化ナトリウムを含
有する0.2(w/v)%PVA水溶液1000ml中でホモ
ジナイザーを使用してs/o/w型エマルションとした。
この後、通常のプロペラ撹拌機で3時間ゆっくり撹拌
し、マイクロカプセルからジクロロメタンの揮散と共に
固化するのを待って遠心分離機で捕集し、同時に精製水
で水洗した。捕集されたマイクロカプセルは、マンニト
ールと共に一昼夜凍結乾燥することによって粉末として
得られた。
【0064】実施例6 凍結乾燥で得た無晶型のエンドセリン拮抗物質シクロ−
[D−α−アスパルチル−3−[(4−フェニルピペラジ
ン−1−イル)カルボニル]−L−アラニル−L−α−ア
スパルチル−D−2−(2−チエニル)グリシル−L−ロ
イシル−D−トリプトフィル]−ナトリウム塩および結
晶型の該エンドセリン拮抗物質を、それぞれ実施例1に
記載の方法に供し、マイクロカプセルを調製した。本方
法で得られたマイクロカプセルについては、無晶型の薬
物を用いた場合にほぼ100%のトラップ率が得られ
た。
【0065】実施例7 凍結乾燥で得た無晶型の抗血小板薬4−(4−アミジノ
ベンゾイルグリシル)−2−オキソピペラジン−1,3−
2酢酸・塩酸塩および結晶型の該抗血小板薬を、それぞ
れ実施例1に記載の方法に供し、マイクロカプセルを調
製した。表3に本方法で得られたマイクロカプセルの特
性を示す。本方法で得られたマイクロカプセルについて
は、無晶型の薬物を用いた場合に結晶型の薬物を用いた
場合の約1.5倍のトラップ率が得られた。
【表3】
【0066】実施例8 凍結乾燥で得た無晶型のGPIIb/IIIa拮抗作用ペ
プチド(Arg−Gly−Asp−Ser)テトラマー200mg
を、予めL−アルギニン100mgを溶解した乳酸・グリ
コール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=90/10、
ポリスチレン換算平均分子量12000)3.7gのジク
ロロメタン4ml溶液に分散した。ポリトロンで微粒化
後、15℃に冷却した2.7(w/v)%の塩化ナトリウム
を含有する0.5(w/v)%PVA水溶液800ml中でホ
モジナイザーを使用してs/o/w型エマルションとし
た。通常のプロペラ撹拌機で3時間緩徐に撹拌し、ジク
ロロメタンの揮散と共にマイクロカプセルが固化するの
を待って遠心分離機により捕集し、同時に精製水で水洗
した。捕集されたマイクロカプセルは、マンニトールと
共に一昼夜凍結乾燥することにより粉末として得られ
た。
【0067】実施例9 凍結乾燥で得た無晶型の抗生物質セフォキシチン・ナト
リウム150mgを、予めN−メチルグルカミン150mg
を溶解したヒドロキシ酪酸・グリコール酸共重合体(ヒ
ドロキシ酪酸/グリコール酸=75/25、ポリスチレ
ン換算平均分子量14000)4.7gのジクロロメタン
4ml溶液に分散した。ポリトロンで微粒化後、15℃に
冷却した15(w/v)%マンニトールを含有する0.2(w
/v)%PVA水溶液800ml中でホモジナイザーを使用
してs/o/w型エマルションとした。通常のプロペラ撹
拌機で3時間緩徐に撹拌し、ジクロロメタンの揮散と共
にマイクロカプセルが固化するのを待って遠心分離機に
より捕集し、同時に精製水で水洗した。捕集されたマイ
クロカプセルは、マンニトールと共に一昼夜凍結乾燥す
ることにより粉末として得られた。
【0068】実施例10 凍結乾燥で得た無晶型の骨吸収抑制物質4−フェノキシ
ブチルアミノメチレン−1,1−ビスフォスフォネート
・2ナトリウム塩200mgを、予めL−アルギニン10
0mgを溶解した乳酸・グリコール酸共重合体(乳酸/グ
リコール酸=90/10、ポリスチレン換算平均分子量
8400)3.7gのジクロロメタン4ml溶液に分散し
た。ポリトロンで微粒化後、15℃に冷却した10(w/
v)%のマンニトールを含有する0.1(w/v)%PVA水
溶液800ml中でホモジナイザーを使用してs/o/w型
エマルションとした。通常のプロペラ撹拌機で3時間緩
徐に撹拌し、ジクロロメタンの揮散と共にマイクロカプ
セルが固化するのを待って遠心分離機により捕集し、同
時に精製水で水洗した。捕集されたマイクロカプセル
は、一昼夜凍結乾燥することにより粉末として得られ
た。
【0069】試験例1 上記実施例2のs/o/w法により得られたマイクロカプ
セルをSDラット(雄性、約300g)に20mg/kgで皮
下投与した後の血漿中濃度推移を図1に示す。投与後3
週間にわたり有効血中濃度(20〜100ng/ml)を維持
した。
【0070】
【発明の効果】本発明において、凍結乾燥した水溶性薬
物を高分子重合物溶液に分散・微粒化することにより、
高含有量で初期放出の少ない徐放性マイクロカプセルを
得ることができる。さらにこのマイクロカプセルを使用
することにより、例えば抗血小板薬等の薬物の多量の初
期放出によって引き起こされる長時間の出血などの副作
用を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 化合物A含有マイクロカプセルをラットに皮
下投与(20mg/kg)した後の血漿中濃度推移を示すグ
ラフである。縦軸は化合物Aの血漿中濃度(ng/ml)を
示し、横軸は投与後の時間(日)を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/22 38/28 38/23 38/11 38/27 38/24 38/04 38/46 ACB 38/48 45/00 47/34 D B01J 13/12 C08L 67/04 LPM A61K 37/26 37/30 37/32 37/34 37/36 37/38 37/43 37/54 ACB 37/553 9342−4D B01J 13/02 J

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無晶型水溶性生理活性物質と高分子重合
    物とを含んでなるマイクロカプセル。
  2. 【請求項2】 徐放性である請求項1記載のマイクロカ
    プセル。
  3. 【請求項3】 生理活性物質が高分子重合物中に分散さ
    れた請求項1記載のマイクロカプセル。
  4. 【請求項4】 無晶型水溶性生理活性物質が水溶性生理
    活性物質の水溶液から急速乾燥法によって得られたもの
    である請求項1記載のマイクロカプセル。
  5. 【請求項5】 急速乾燥法が凍結乾燥法または噴霧乾燥
    法である請求項4記載のマイクロカプセル。
  6. 【請求項6】 生理活性物質が水易溶性である請求項1
    記載のマイクロカプセル。
  7. 【請求項7】 生理活性物質の水に対する溶解度が、2
    0℃で約1g/100ml以上である請求項1記載のマイ
    クロカプセル。
  8. 【請求項8】 生理活性物質の水に対する溶解度が、2
    0℃で約5g/100ml以上である請求項1記載のマイ
    クロカプセル。
  9. 【請求項9】 生理活性物質が平均粒径約10μm以下
    である請求項1記載のマイクロカプセル。
  10. 【請求項10】 生理活性物質が平均粒径約1μm以下
    である請求項1記載のマイクロカプセル。
  11. 【請求項11】 生理活性物質が酸性または中性物質で
    ある請求項1記載のマイクロカプセル。
  12. 【請求項12】 生理活性物質がペプチド系化合物であ
    る請求項6記載のマイクロカプセル。
  13. 【請求項13】 ペプチド系化合物がLH−RH作用を
    有する物質、LH−RH拮抗物質、GPIIb/IIIa
    拮抗物質、GPIIb/IIIa拮抗作用と同様の活性を
    有する化合物、インスリン、ソマトスタチン、ソマトス
    タチン誘導体、成長ホルモン、プロラクチン、副腎皮質
    刺激ホルモン(ACTH)、メラノサイト刺激ホルモン
    (MSH)、甲状腺ホルモン放出ホルモン(TRH)、その
    塩もしくはその誘導体、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、
    黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、
    副甲状腺ホルモン(PTH)もしくはその誘導体、ヒト
    型PTHのN末端(1→34位)のペプチドフラグメン
    ト、バソプレシン、バソプレシン誘導体、オキシトシ
    ン、カルシトニン、カルシトニンと同様な作用を有する
    誘導体、グルカゴン、ガストリン、セクレチン、パンク
    レオザイミン、コレシストキニン、アンジオテンシン、
    ヒト胎盤ラクトーゲン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(H
    CG)、エンケファリン、エンケファリン誘導体、エン
    ドルフィン、キョウトルフィン、インターフェロン、イ
    ンターロイキン、タフトシン、サイモポイエチン、サイ
    モスチムリン、胸腺液性因子(THF)、血中胸腺因子
    (FTS)、FTS誘導体、サイモシン、サイミックファ
    クターX、腫瘍壊死因子(TNF)、コロニー誘発因子
    (CSF)、モチリン、デイノルフィン、ボムベシン、ニ
    ュウロテンシン、セルレイン、ブラディキニン、ウロキ
    ナーゼ、アスパラギナーゼ、カリクレイン、サブスタン
    スP、神経成長因子、血液凝固因子、塩酸リゾチーム、
    ポリミキシンB、コリスチン、グラミシジン、バシトラ
    シン、タンパク合成刺激ペプチド、胃酸分泌抑制ポリペ
    プチド(GIP)、バソアクティブ・インティスティナ
    ル・ポリペプチド(VIP)、プレートレット−ディラ
    イブド・グロース・ファクター(PDGF)、成長ホル
    モン分泌因子(GRF)、ボーン・モルファジェネティ
    ック・プロテイン(BMP)、上皮成長因子(EG
    F)、エリスロポエチン、またはエンドセリン拮抗物質
    またはその塩または誘導体である請求項12記載のマイ
    クロカプセル。
  14. 【請求項14】 LH−RH作用を有する物質が、式
    (I): 【化1】 (Pyr)Glu−R1−Trp−Ser−R2−R3−R4−Arg−Pro−R5 (I) [式中、R1はHis、Tyr、Trpまたはp−NH2−Phe、
    2はTyrまたはPhe、R3はGlyまたはD型のアミノ酸
    残基、R4はLeu、IleまたはNle、およびR5はGly−
    NH−R6またはNH−R6(式中、R6はHまたは水酸基
    を有していてもよい低級アルキル基を示す)を示す。]で
    表わされる化合物またはその塩である請求項13記載の
    マイクロカプセル。
  15. 【請求項15】 R1がHis、R2がTyr、R3がD−Le
    u、R4がLeu、およびR5がNHCH2−CH3である請
    求項14記載のマイクロカプセル。
  16. 【請求項16】 LH−RH拮抗物質がN−(2S−テ
    トラハイドロフロリル)Gly−3−(2−ナフチル)−D
    −アラニル−(4−クロロ)−D−Phe−3−(3−ピリ
    ジル)−D−Ala−L−Ser−N−メチル−L-Tyr−
    (N−ε−ニコチニル)−D−Lys−L−Leu−(N−ε
    −イソプロピル)−L−Lys−L−Pro−D−Ala・NH
    2である請求項13記載のマイクロカプセル。
  17. 【請求項17】 GPIIb/IIIa拮抗物質がバルブ
    リンまたはArg−Gly−Asp配列を有するペプチドであ
    る請求項13記載のマイクロカプセル。
  18. 【請求項18】 Arg−Gly−Asp配列を有するペプチ
    ドがArg−Gly−Asp−Ser、(Arg−Gly−Asp−S
    er)テトラマー、Gly−Arg−Gly−Asp−Ser−Pro
    またはシクロ−S,S−[Ac−Cys(Nα−メチル)Arg
    −Gly−D−Asn−ペニシラミン]−NH2である請求項
    17記載のマイクロカプセル。
  19. 【請求項19】 GPIIb/IIIa拮抗作用と同様の
    活性を有する化合物が(S)−4−[(4−アミジノベンゾ
    イル)グリシル]−3−メトキシ−カルボニルメチル−2
    −オキソピペラジン−1−酢酸、4−(4−アミジノベ
    ンゾイルグリシル)−2−オキシピペラジン−1,3−
    2酢酸・塩酸塩、2−S−(n−ブチルスルホニルアミ
    ノ)−3−[4−(N−ピペリジン−4−イル)ブチルオキ
    シフェニル]−プロピオン酸・HCl、L−Tyr−N−(ブ
    チルスルホニル)−O−[4−(4−ピペリジニル)ブチ
    ル]モノハイドロクロライド、エチル[4−[[4−(アミ
    ノイミノメチル)フェニル]アミノ]-1,4−ジオキシブ
    チル]アミノ−4−ペンチノエート、[1−[N−(p−ア
    ミジノフェニル)−L−Tyr]−4−ピペリジニル]酢
    酸、またはサイクリック[D−2−アミノブチリル−N
    −2−メチル−L−Arg−Gly−L−Asp−3−アミノ
    メチル−安息香酸]メタンスルフォン酸塩である請求項
    13記載のマイクロカプセル。
  20. 【請求項20】 GPIIb/IIIa拮抗作用と同様の
    活性を有する化合物が(S)−4−[(4−アミジノベンゾ
    イル)グリシル]−3−メトキシ−カルボニルメチル−2
    −オキソピペラジン−1−酢酸である請求項19記載の
    マイクロカプセル。
  21. 【請求項21】 エンドセリン拮抗物質がシクロ−[D
    −α−アスパルチル−3−[(4−フェニルピペラジン
    −1−イル)カルボニル]−L−アラニル−L−α−ア
    スパルチル−D−2−(2−チエニル)グリシル−L−
    ロイシル−D−トリプトフィル]−ナトリウム塩である
    請求項13記載のマイクロカプセル。
  22. 【請求項22】 生理活性物質が(S)−4−(4−グア
    ニジノベンゾイルアミノ)アセチル−3−[3−(4−グ
    アニジノベンゾイルアミノ)]プロピル−2−オキソピペ
    ラジン−1−酢酸塩酸塩である請求項1記載のマイクロ
    カプセル。
  23. 【請求項23】 生理活性物質が(S)−4−(4−アミ
    ジノベンゾイルアミノ)アセチル−3−[3−(4−アミ
    ジノベンゾイルアミノ)プロピル]−2−オキソピペラジ
    ン−1−酢酸塩酸塩である請求項1記載のマイクロカプ
    セル。
  24. 【請求項24】 高分子重合物が生体内分解性高分子重
    合物である請求項1記載のマイクロカプセル。
  25. 【請求項25】 生体内分解性高分子重合物がポリエス
    テル類である請求項24記載のマイクロカプセル。
  26. 【請求項26】 ポリエステル類が乳酸・グリコール酸
    共重合物である請求項25記載のマイクロカプセル。
  27. 【請求項27】 乳酸/グリコール酸のモル比が100
    /0〜25/75である請求項26記載のマイクロカプ
    セル。
  28. 【請求項28】 乳酸/グリコール酸のモル比が100
    /0〜50/50である請求項27記載のマイクロカプ
    セル。
  29. 【請求項29】 乳酸・グリコール酸共重合物の重量平
    均分子量が約5000〜約30000である請求項26
    記載のマイクロカプセル。
  30. 【請求項30】 乳酸・グリコール酸共重合物の重量平
    均分子量が約5000〜約20000である請求項29
    記載のマイクロカプセル。
  31. 【請求項31】 ポリエステル類がヒドロキシ酪酸・グ
    リコール酸共重合物である請求項25記載のマイクロカ
    プセル。
  32. 【請求項32】 ヒドロキシ酪酸/グリコール酸のモル
    比が100/0〜25/75である請求項31記載のマ
    イクロカプセル。
  33. 【請求項33】 ヒドロキシ酪酸/グリコール酸のモル
    比が100/0〜50/50である請求項32記載のマ
    イクロカプセル。
  34. 【請求項34】 ヒドロキシ酪酸・グリコール酸共重合
    物の重量平均分子量が約5000〜約25000である
    請求項31記載のマイクロカプセル。
  35. 【請求項35】 乳酸・グリコール酸共重合物の重量平
    均分子量が約5000〜約20000である請求項34
    記載のマイクロカプセル。
  36. 【請求項36】 循環器系疾患治療用である請求項1記
    載のマイクロカプセル。
  37. 【請求項37】 血栓症治療用である請求項1記載のマ
    イクロカプセル。
  38. 【請求項38】 無晶型水溶性生理活性物質を高分子重
    合物の有機溶媒溶液に分散させた分散液を水相に分散さ
    せてs/o/w型乳化物をつくり、水中乾燥に付すこと
    により得られるマイクロカプセル。
  39. 【請求項39】 高分子重合物の有機溶媒溶液中の生理
    活性物質の濃度が約0.01〜約70%(w/w)であ
    る請求項38記載のマイクロカプセル。
  40. 【請求項40】 高分子重合物の有機溶媒溶液が更に塩
    基性物質を含有する請求項38記載のマイクロカプセ
    ル。
  41. 【請求項41】 塩基性物質が塩基性アミノ酸である請
    求項40記載のマイクロカプセル。
  42. 【請求項42】 塩基性物質がL−アルギニンである請
    求項40記載のマイクロカプセル。
  43. 【請求項43】 塩基性物質がN−メチルグルタミンで
    ある請求項40記載のマイクロカプセル。
  44. 【請求項44】 高分子重合物の有機溶媒溶液中の塩基
    性物質の濃度が約0.1〜約3%(w/w)である請求
    項40記載のマイクロカプセル。
  45. 【請求項45】 水相がさらに浸透圧調整剤を含有する
    請求項38記載のマイクロカプセル。
  46. 【請求項46】 浸透圧調整剤が塩類である請求項45
    記載のマイクロカプセル。
  47. 【請求項47】 塩類が塩化ナトリウムである請求項4
    6記載のマイクロカプセル。
  48. 【請求項48】 無晶型水溶性生理活性物質を高分子重
    合物の有機溶媒溶液に分散させた分散液を水相に分散さ
    せてs/o/w型乳化物をつくり、水中乾燥に付すこと
    を特徴とするマイクロカプセルの製造法。
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