JPH08144020A - オ−ステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents
オ−ステナイト系ステンレス鋼Info
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- JPH08144020A JPH08144020A JP6313993A JP31399394A JPH08144020A JP H08144020 A JPH08144020 A JP H08144020A JP 6313993 A JP6313993 A JP 6313993A JP 31399394 A JP31399394 A JP 31399394A JP H08144020 A JPH08144020 A JP H08144020A
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Abstract
れ”を発生することがない耐高温酸化性高Siオ−ステナ
イト系ステンレス鋼を提供する。 【構成】 耐高温酸化性オ−ステナイト系ステンレス鋼
を、C:0.10%以下, Si 2.0〜 4.0%, Mn:
2.0%以下,Ni:12.0〜15.0%, Cr:17.0〜20.0%,
Al: 0.005%以下,S:0.0010%以下, Ca:0.0005
〜0.0025%, O:0.0030%未満を含み、残部がFe及び
不可避的不純物からなる化学成分組成に構成する。
Description
割れの発生が少ない耐高温酸化性オ−ステナイト系ステ
ンレス鋼に関するものである。
テナイト系ステンレス鋼は高温雰囲気の下で優れた耐酸
化性を示す鋼として知られるようになり、そのためこれ
を冷間圧延して得られる薄鋼板は自動車の排ガス処理用
フレキシブルパイプ等に用いられなど、耐高温酸化性を
要する分野で次第に普及しつつある鋼種の1つである。
ス鋼には、例えば冷間圧延を施すと圧延後の鋼帯表面に
“線状の地疵(線状の表面疵)”が現れがちであるとい
う問題があった。即ち、高Siオ−ステナイト系ステンレ
ス鋼の薄板材は、通常、AOD(希釈ガス脱炭法)又は
VOD(真空酸素脱炭法)といった炉外精錬設備で溶鋼
を清浄化してから連続鋳造設備でこれを無酸化鋳造し、
得られたスラブを熱間圧延して熱延鋼帯とした後、更に
焼鈍,酸洗の工程を経て所定の板厚にまで冷間圧延して
製造されるが、このような冷延鋼帯の表面に線状地疵が
顕在化する場合があった。
なるため、線状地疵が発生すると鋼材の製造コスト面で
の損失は非常に大きいものとなった。その上、高Siの耐
高温酸化性オ−ステナイト系ステンレス鋼には、熱間加
工時や冷延鋼帯からのフレキシブルパイプ加工時に加工
割れが発生しやすいという問題もあった。しかしなが
ら、これらの問題を解決する手立ては未だ十分に確立さ
れてはいなかった。
“冷間圧延による表面疵”や“加工による割れ”を発生
することがない耐高温酸化性高Siオ−ステナイト系ステ
ンレス鋼を提供することに置かれた。
記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、次に示すよ
うな知見を得ることができた。即ち、冷間圧延後の高Si
オ−ステナイト系ステンレス鋼表面に顕在化してくる線
状地疵は鋼中に存在する Al2O3 系非金属介在物に起因
するものであり、また高Siオ−ステナイト系ステンレス
鋼冷延鋼帯からのフレキシブルパイプ加工時に発生する
加工割れも、鋼中に存在する Al2O3 系非金属介在物を
起点として発生するものである。従って、これらを防止
するには鋼中の Al2O3 系非金属介在物を低減すること
が必要である。また、高Siオ−ステナイト系ステンレス
鋼の熱間加工性はSi,Ni,Cr及びSの含有量を適正に調
整することにより改善され、これにより熱間加工時の割
れを抑えることが可能になる。
の冷間圧延後に顕在化しがちな表面欠陥(線状地疵)や
フレキシブルパイプへの加工時に発生する加工割れ、更
には熱間加工時に発生しがちな割れを防止するのに、A
l,O及びSの各含有量を重量割合でAl: 0.005%以
下, O:0.0030%未満, S:0.0010%以下に低減す
ると共に、0.0005〜0.0025%のCaを含有させ、かつSi,
Ni,Crの含有量を規制することが有効であることを見出
したのである。
されたものであり、「耐高温酸化性オ−ステナイト系ス
テンレス鋼を、C:0.10%以下(以降、 成分割合を表わ
す%は重量%とする),Si 2.0〜 4.0%, Mn: 2.0
%以下, Ni:12.0〜15.0%,Cr:17.0〜20.0%, A
l: 0.005%以下, S:0.0010%以下,Ca:0.0005〜
0.0025%, O:0.0030%未満を含み、 残部がFe及び不
可避的不純物からなる化学成分組成に構成することによ
って、 冷間圧延による線状地疵や加工による割れの発生
を極力抑制できるようにした点」に大きな特徴を有して
いる。
テナイト系ステンレス鋼の化学成分組成を上記の如くに
限定した理由を、その作用と共に説明する。
あるが、その含有量が0.10%を超えると加工により極端
な硬化を生じるようになることから、C含有量は加工状
態での硬化を抑制するため0.10%以下と限定した。
とが好ましい成分であり、所望の高温耐酸化性を確保す
るには 2.0%以上含有させる必要があるが、その含有量
が 4.0%を超えると熱間加工性の悪化を招くようになる
ことから、Si含有量は 2.0〜 4.0%と定めた。
ト相の安定化に役立つ成分であるが、その含有量が 2.0
%を超えると焼鈍時の耐スケ−ル性を損なうようになる
ことから、Mn含有量は 2.0%以下と定めた。
が、その含有量が12.0%未満ではオ−ステナイト相が不
安定となり、一方、15.0%を超えて含有させるとオ−ス
テナイトが過度に安定化して熱間加工性を損なわれるよ
うになることから、Ni含有量は12.0〜15.0%と定めた。
であるが、その含有量が17.0%未満になるとオ−ステナ
イト系ステンレス鋼としての耐食性を維持できず、一
方、20.0%を超えると鋳造組織であるδ−フェライトの
消失が起こりにくくなって熱間加工性が損なわれること
から、Cr含有量は17.0〜20.0%と定めた。
ければ少ないほど好ましく、そのため積極的に添加され
ることはないが、溶解原料より不可避的に混入する元素
であるためCa添加によりCa−アルミネ−トとして鋼滓中
へ浮上分離させる必要がある。そして、Al含有量が 0.0
05%を超えると線状疵が発生するようになることから、
鋼中のAl含有量は 0.005%以下にまで低減しなければな
らない。ただ、 0.001%未満にまでのAlの除去は工業的
に困難であり、コスト的な面からは 0.001%が下限とも
言える。
り、その含有量が0.0010%を超えると鋼の熱間加工性が
損なわれ熱延鋼帯の耳割れが発生しやすくなる。従っ
て、S含有量は0.0010%以下と定めた。ただ、S含有量
を0.0002%未満とすることは脱硫処理の著しいコストア
ップにつながるため、コスト的な面からすれば0.0002%
が下限とも言える。なお、製品鋼中S量と精錬中のスラ
グ塩基度とは図1に示すような関係にあるので、製品鋼
中S量は精錬中のスラグ塩基度を調整することによりコ
ントロ−ルすることができる。
の含有量が0.0005%未満では Al2O3 系介在物の除去効
果が十分ではなく、一方、0.0025%を超えて含有させる
とCaO系介在物による線状地疵が発生するようになるこ
とから、Ca含有量は0.0005〜0.0025%と定めた。なお、
図2はCa量,Al量及びO量と線状地疵との関係の調査結
果を整理して示したグラフであるが、この図2からも、
Ca量が0.0005〜0.0025%,Al量が 0.005%以下,O量が
0.0030%未満の制約下では Al2O3 系介在物による線状
地疵は発生しないものの、Ca量が0.0025%を超えると過
剰Ca量が多くなってCaO系介在物による線状地疵が発生
することを確認できる。
で好ましいが、その含有量が0.0030%以上になると線状
地疵が発生しやすくなることから、O含有量は0.0030%
未満と定めた。なお、製品鋼中O量と精錬中のスラグ塩
基度とは図3に示すような関係にあるので、製品鋼中O
量は精錬中のスラグ塩基度を調整することによりコント
ロ−ルすることができる。
設備で無酸化鋳造し、得られた表1に示す各化学成分組
成の耐高温酸化性高Siオ−ステナイト系ステンレス鋼ス
ラブ(厚さ:145mm)を熱間圧延して板厚が6mmの熱
延鋼帯とした。次に、この熱延鋼帯を常法通りに焼鈍,
酸洗してから冷間圧延し、板厚が 0.3mmの冷延鋼帯を得
た。この試験での「熱間圧延における割れ発生の有無」
及び「得られた冷延鋼帯の線状地疵評価結果」を表1に
併せて示す。
耐高温酸化性高Siオ−ステナイト系ステンレス鋼は熱間
加工性が良好で、しかも冷間圧延後に線状疵の顕在化が
生じないことを確認できる。また、得られた本発明鋼に
係る冷延鋼帯から自動車の排ガス処理用フレキシブルパ
イプの製造を試みたが、加工割れの発生は見られなかっ
た。
ば、“熱間圧延時の耳割れ",“冷間圧延による線状地疵
の顕在化”及び“フレキシブルパイプ等への加工時にお
ける加工割れ”の発生を抑止できる耐高温酸化性高Siオ
−ステナイト系ステンレス鋼を提供することができ、製
造歩留りの大幅な向上が可能となるなど、産業上有用な
硬化がもたらさる。
すグラフである。
結果を整理して示すグラフである。
すグラフである。
設備で無酸化鋳造し、得られた表1に示す各化学成分組
成の耐高温酸化性高Siオ−ステナイト系ステンレス鋼ス
ラブ(厚さ:145mm)を1250℃にて熱間圧延して
板厚が6mmの熱延鋼帯とした。次に、この熱延鋼帯を常
法通りに焼鈍,酸洗してから冷間圧延し、板厚が 0.3mm
の冷延鋼帯を得た。この試験での「熱間圧延における割
れ発生の有無」及び「得られた冷延鋼帯の線状地疵評価
結果」を表1に併せて示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量割合にてC:0.10%以下, Si
2.0〜 4.0%, Mn: 2.0%以下,Ni:12.0〜15.0
%, Cr:17.0〜20.0%, Al: 0.005%以下,S:0.
0010%以下, Ca:0.0005〜0.0025%, O:0.0030%
未満を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなること
を特徴とする、加工による表面疵や割れの発生が少ない
耐高温酸化性オ−ステナイト系ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6313993A JPH08144020A (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | オ−ステナイト系ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6313993A JPH08144020A (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | オ−ステナイト系ステンレス鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08144020A true JPH08144020A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=18047939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6313993A Pending JPH08144020A (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | オ−ステナイト系ステンレス鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08144020A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013018629A1 (ja) * | 2011-07-29 | 2013-02-07 | 新日鐵住金株式会社 | 高Siオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法 |
WO2017195372A1 (ja) * | 2016-05-13 | 2017-11-16 | 新日鐵住金株式会社 | オーステナイト系ステンレス鋼 |
-
1994
- 1994-11-24 JP JP6313993A patent/JPH08144020A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9243314B2 (en) | 2011-07-29 | 2016-01-26 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Method for manufacturing high-Si austenitic stainless steel |
WO2017195372A1 (ja) * | 2016-05-13 | 2017-11-16 | 新日鐵住金株式会社 | オーステナイト系ステンレス鋼 |
JP6288397B1 (ja) * | 2016-05-13 | 2018-03-07 | 新日鐵住金株式会社 | オーステナイト系ステンレス鋼 |
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