JPH0814347A - 無段変速機のプーリ連結構造 - Google Patents

無段変速機のプーリ連結構造

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JPH0814347A
JPH0814347A JP6144889A JP14488994A JPH0814347A JP H0814347 A JPH0814347 A JP H0814347A JP 6144889 A JP6144889 A JP 6144889A JP 14488994 A JP14488994 A JP 14488994A JP H0814347 A JPH0814347 A JP H0814347A
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JP
Japan
Prior art keywords
ring
shaft
conical plate
continuously variable
variable transmission
Prior art date
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Pending
Application number
JP6144889A
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English (en)
Inventor
Masahiko Yamada
昌彦 山田
Toshio Yamaguchi
俊男 山口
Kiyobumi Tanaka
清文 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aichi Machine Industry Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Aichi Machine Industry Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】信頼性を高めながら単純な組み立てによりコス
トダウンが図られる無段変速機の駆動プーリ連結構造を
提供することを目的とする。 【構成】駆動軸24の他端に形成された縮径軸部24b
1 の外周には、2本のリング溝が形成されている。固定
円錐板52側に位置する一方のリング溝100には、周
方向に分割された複数の分割部材106a、106bに
より構成されたC型リング106が嵌入されている。こ
のC型リングの外周には、リテナー108が一体的に配
設されている。また、端部24e側に位置する他方のリ
ング溝102には、リテナーの軸線方向の移動を規制す
るスナックリング102が嵌入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、組み立てが容易とな
り、しかも軸と各部材との連結構造が高い信頼性を得る
ことが可能な無段変速機のプーリ連結構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に示すものは、Vベルト式無段変速
機構の駆動プーリを示すものである。図中符号1は、回
転駆動源から回転力が伝達される駆動軸であり、その一
端側はベアリング2を介してケーシングを構成している
サイドカバー3に回転自在に支持されている。この駆動
軸1には、駆動軸1と一体に回転する固定円錐板5と、
固定円錐板5に対向配置されてV字状プーリ溝を形成す
るとともに、駆動プーリシリンダ室6に作用する油圧に
よって駆動軸1の軸方向、すなわち固定円錐板5に離接
する方向へ移動可能とされた可動円錐板7とからなる駆
動プーリ4が配設されている。
【0003】そして、駆動プーリシリンダ室6は、固定
円錐板5と対向しない可動円錐板7の背面側に設けら
れ、ピストン部材8とシリンダ部材9により画成された
空間部に形成されている。この駆動プーリシリンダ室6
には、駆動軸1に穿設された油穴10及び可動円錐板7
に穿設された油穴11を通過して油圧が供給されるよう
になっている。
【0004】ところで、ベアリング2が配設されている
駆動軸1の一端部は、可動円錐板5が外嵌される摺動部
1aより縮径されている(以下、この一端部を縮径部1
bと略称する。)とともに、この縮径部1bの端部外周
には、雄ねじ13が形成されている。そして、縮径部1
bに外嵌されたベアリング2及びピストン部材8の外嵌
連結部8aは、前記雄ねじ13に螺合されるナット12
により摺動部1aに向けて締め付けられた状態で一体に
連結される。
【0005】すなわち、ベアリング2及びピストン部材
8を連結する手順は、先ず、シリンダ部材9を可動円錐
板7に連結した後、固定円錐板5とによりV字状プーリ
溝を形成するように可動円錐板7を駆動軸1の摺動部1
aに外嵌する。次に、第1のリング部材14を縮径部1
bに外嵌して可動円錐板7の移動範囲(固定円錐板5と
最も離間する位置)を規制する。そして、ピストン部材
8の外嵌連結部8aを縮径部1bに外嵌し、さらに第2
のリング部材15を外嵌してピストン部材8の固定位置
を設定する。そして、ベアリング2を縮径部1bに外嵌
した後、雄ねじ13にナット12を螺合していくことに
より、可動円錐板7及びピストン部材8は駆動軸1に連
結される。
【0006】ここで、ナット12を雄ねじ13に螺合す
る際には、振動によるナット緩みが発生しないように、
トルクレンチ等の使用により所定の締め付けトルクで締
め付け作業が行われる。そして、内壁部3aがベアリン
グ2の外周に圧着するように設計されたサイドカバー3
を、駆動軸1の一端側を覆うように配設していく。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5で
示した駆動プーリの連結構造においては、以下に示す問
題がある。第1に、駆動軸1に雄ねじ13が形成される
ことにより、ねじ研磨や防炭処理等の仕上げ処理工程が
必要となり、駆動軸1の加工費が大幅に向上してしま
う。
【0008】第2に、ナット12の締め付け時には、前
述したようにナット緩みに対する締め付けトルク管理を
行わなければならないが、それとともに、駆動プーリシ
リンダ室8の液密構造を高めるため、ピストン部材8の
外嵌連結部8aをかしめ状態としなければならない。そ
のため、ナット12の締め付け作業時には、かしめ管理
も行わなければならず、組み立ての際の管理工程数が非
常に多い。
【0009】第3に、前述した駆動軸1の加工費の問題
とともに、組み立てに多大な労力と時間が費やされるの
で、コスト削減の面で問題がある。第4に、ベアリング
2の外周は、サイドカバー3の内壁3aに圧着される構
造となっているが、ベアリング2が軸線方向にずれた位
置で縮径部1bに外嵌されると内壁3aとの間に間隙が
発生してしまい、それによりベアリング2全体が回転す
ることによって軸受け部の摩耗に発展するおそれがあ
る。したがって、ナット12の締め付けによってベアリ
ング2の位置決めも行う従来の構造は、組み立てがさら
に複雑となっている。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、信頼性が高められながら単純な組み立てにより
コストダウンが図られる無段変速機のプーリ連結構造を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の無段変速
機のプーリ連結構造は、ベアリングを介してケーシング
に回転自在に支持されている軸と、この軸の一端側に一
体に固定された固定円錐板と、前記軸の他端側に軸線方
向に移動可能となるように外嵌され、前記固定円錐板に
対向配置されてV字状溝を形成する可動円錐板と、この
可動円錐板の前記固定円錐板と対向しない背面側に配設
されて流体圧供給制御により前記可動円錐板を軸線方向
に移動させる流体圧シリンダ室とを備える無段変速機の
プーリ連結構造において、前記軸の前記他端側にリング
溝が形成されているとともに、当該リング溝に、外嵌さ
れた流体圧シリンダ室のシリンダ部材の軸方向の移動を
拘束するリング部材が嵌入されていることを特徴とする
構造である。
【0012】また、請求項2記載の無段変速機のプーリ
連結構造は、請求項1記載の構造において、リング溝
が、軸の外周に軸線方向に離間して2本形成されている
とともに、リング部材が、固定円錐板側に位置する一方
のリング溝への嵌入によりシリンダ部材の軸方向の移動
を拘束する周方向に分割された複数の分割部材により構
成されたC形リングと、このC形リングの外周に一体的
に配設されてC形リングの径方向の移動を拘束するリン
グ状のリテナーと、軸の他端側に位置する他方のリング
溝への嵌入により前記リテナーの軸線方向位置を規制す
るスナップリングにより構成されていることを特徴とす
る構造である。
【0013】さらに、請求項3記載の無段変速機のプー
リ連結構造は、請求項1若しくは2記載の構造におい
て、軸の他端と対向するケーシングに、ベアリングのア
ウタレースと略同一内径を有する凹部が形成され、当該
凹部にアウターレースを圧入して配設されたベアリング
が、リング部材よりさらに他端部の軸に外嵌されている
ことを特徴とする構造である。
【0014】
【作用】この発明の請求項1記載の無段変速機のプーリ
連結構造によれば、軸には、従来構造のように雄ねじが
形成されず、軸の外周にリング溝を形成するだけなの
で、軸の加工費が大幅に低減する。また、軸に外嵌され
たシリンダ部材は、リング部材をリング溝に嵌入するだ
けで軸に一体に連結されるので、単純な組み立て手順に
よって極めて容易に連結作業が完了する。したがって、
無段変速機のコストダウンが可能となる。
【0015】また、リング部材がリング溝に嵌入するこ
とにより、シリンダ部材は軸と圧着状態とされて確実に
かしめられるので、流体圧シリンダ室を信頼性の高い液
密構造とすることができる。これにより、流体圧シリン
ダ室に所定の流体圧が供給されると、高精度にV字状溝
の幅を拡大若しくは縮小させ、軸に伝達された動力を所
定の変速比で他の伝動機構に伝達することができる。
【0016】この発明の請求項2記載の無段変速機のプ
ーリ連結構造によれば、請求項1記載の作用に加えて、
リング部材を構成するC形リングは、周方向に分割され
た分割体により構成され、簡単に固定円錐板側のリング
溝に嵌め込むことが可能なので、さらに組み立て作業が
容易となる。また、C形リングの径方向の移動を拘束す
るリテナーや、リテナーの軸線方向位置を規制するスナ
ップリングを使用することにより、さらに単純な組み立
て作業となる。
【0017】また、この発明の請求項3記載の無段変速
機のプーリ連結構造によれば、請求項1及び請求項2記
載の作用に加えて、ケーシングに形成された凹部にベア
リングのアウターレースが圧入されているので、ベアリ
ングとケーシングとの間に間隙が容易に発生せず、軸受
け部の摩耗のおそれがない。したがって、従来のナット
の締め付けを使用した構造と比較して、組み立て作業が
さらに容易となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明に係るVベルト式無段変速機
の動力伝達機構を示すスケルトン図である。図中符号2
0は、回転駆動源としてのエンジンであって、その出力
軸20aに流体伝動装置であるフルードカップリング2
2が連結されている。このフルードカップリング22
は、ロックアップ機構付きのものであり、ロックアップ
油室22aの油圧を制御することにより、入力側のポン
プインペラー22bと出力側のタービンランナー22c
とを機械的に連結し又は切り離し可能としている。
【0019】フルードカップリング22の出力側は回転
軸23と連結されている。回転軸23は前後進切換機構
25と連結されている。この前後進切換機構25は、遊
星歯車機構27、前進用クラッチ40及び後進用ブレー
キ45を有している。遊星歯車機構27は、サンギヤ2
9と、2つのピニオンギヤ31及び33を有するピニオ
ンキャリア35と、インターナルギヤ37とから構成さ
れている。2つのピニオンギヤ31及び33は互いに噛
合しており、ピニオンギヤ31はサンギヤ29と噛合し
ており、またピニオンギヤ33はインターナルギヤ37
と噛合している。サンギヤ29は常に回転軸23と一体
に回転するように連結されている。ピニオンキャリア3
5は前進用クラッチ40によって回転軸23と連結可能
である。また、インターナルギヤ37は後進用ブレーキ
45によって静止部に対して固定可能である。ピニオン
キャリア35は回転軸23の外周に配置された駆動軸2
4と連結され、この駆動軸24に駆動プーリ50が設け
られている。
【0020】駆動プーリ50は、駆動軸24と一体に回
転する固定円錐板52と、固定円錐板52に対向配置さ
れてV字状プーリ溝を形成すると共に、駆動プーリシリ
ンダ室54に作用する油圧によって駆動軸24の軸方向
に移動可能とされた可動円錐板56とから構成されてい
る。駆動プーリ50はVベルト58によって従動プーリ
60と伝動可能に連結されている。
【0021】従動プーリ60は、従動軸62に設けられ
ている。この従動プーリ60は、従動軸62と一体に回
転する固定円錐板64と、固定円錐板64に対向配置さ
れてV字状プーリ溝を形成すると共に、従動プーリシリ
ンダ室66に作用する油圧によって従動軸62の軸方向
に移動可能とされた可動円錐板68とから構成されてい
る。これらの駆動プーリ50、Vベルト58及び従動プ
ーリ60により、Vベルト式無段変速機構70が構成さ
れる。
【0022】また、従動軸62には駆動ギヤ72が固着
されており、この駆動ギヤ72はアイドラ軸74上のア
イドラギヤ76と噛合している。アイドラ軸74に設け
られたピニオンギヤ76はファイナルギヤ78と常に噛
合している。ファイナルギヤ78には、作動装置80を
構成する一対のピニオンギヤ82及び84が取付けられ
ており、このピニオンギヤ82及び84と一対のサイド
ギヤ86及び88が噛合しており、サイドギヤ86及び
88は夫々出力軸90及び92と連結されている。
【0023】上記のような動力伝達機構にエンジン20
の出力軸20aから入力された回転力は、フルードカッ
プリング22及び回転軸23を介して前後進切換機構2
5に伝達され、前進用クラッチ40が締結されると共
に、後進用ブレーキ45が解放されている場合には一体
回転状態となっている遊星歯車機構27を介して回転軸
23の回転力が同じ回転方向のまま駆動軸24に伝達さ
れ、一方、前進用クラッチ40が解放されると共に、後
進用ブレーキ45が締結されている場合には遊星歯車機
構27の作用により回転軸23の回転力は回転方向が逆
になった状態で駆動軸24に伝達される。駆動軸24の
回転力は駆動プーリ50、Vベルト58、従動プーリ6
0、従動軸62、駆動ギヤ72、アイドラギヤ76、ア
イドラ軸74、ピニオンギヤ76及びファイナルギヤ7
8を介して差動装置80に伝達され、出力軸90及び9
2が前進方向又は後進方向に回転する。なお、前進用ク
ラッチ40及び後進用ブレーキ45の両方が解放されて
いる場合には動力伝達機構は中立状態となる。
【0024】上記のような動力伝達の際に、駆動プーリ
50の可動円錐板56及び従動プーリ60の可動円錐板
68を軸方向に移動させてVベルト58との接触位置半
径を変えることにより、駆動プーリ50と従動プーリ6
0との回転比を変えることができる。例えば、駆動プー
リ50のV字状プーリ溝の幅を拡大すると共に、従動プ
ーリ60のV字状プーリ溝の幅を縮小すれば、駆動プー
リ50側のVベルト58は接触位置半径が小さくなり、
従動プーリ60側のVベルト58は接触位置半径が大き
くなり、結局大きな変速比が得られることになる。可動
円錐板56及び68を逆方向に移動させれば上記と全く
逆に変速比は小さくなる。
【0025】次に、図1に示したVベルト式無段変速機
の駆動プーリ50の要部を、図2から図4を参照して詳
細に説明する。固定円錐板52と対向しない可動円錐板
56の背面側に設けられている駆動プーリシリンダ室
(駆動油圧シリンダ室)54は、第1油室54a、第2
油室54bの2つの油室から構成されている。第1油室
54aは、第1シリンダ部材54(シリンダ部材)a1
及び第1ピストン部材54a2 により形成されている。
また、第2油室54bは、第2シリンダ部材54b1
び第2ピストン部材54b 2 により形成されている。そ
して第1油室54aには、駆動軸24に穿設された第1
油穴24h1 及び可動円錐板56に設けられた第1油穴
56aを通過して油圧が供給されるようになっている。
また、第2油室54bには、駆動軸24に穿設された第
2油穴24h2 及び可動円錐板56に穿設された第2油
穴56bを通過して油圧が供給されるようになってい
る。
【0026】ここで、第1シリンダ部材54a1 が連結
する駆動軸24の端部24e側は、可動円錐板56が外
挿されている摺動部24aに対して2段階に縮径された
形状とされている。この2段階の縮径部を、摺動部24
aと連続する部分を第1縮径部(縮径軸部)24b1
称し、この第1縮径部24b1 と連続する部分を第2縮
径部24b2 と称する。
【0027】第1縮径部24b1 の外周には、軸線方向
に離間して2本のリング溝100、102が形成されて
おり、これらリング溝100、102にリング部材が嵌
入されることにより、駆動軸24に第1シリンダ部材5
4a1 が液密が保持されて連結されるようになってい
る。なお、摺動部24aと第1縮径部24aとの境の壁
部には、第1シリンダ部材54a1 の側面に当接する中
間リング部材104が配設されている。
【0028】駆動軸24の外周において摺動部24a側
に位置する前記一方のリング溝100は、第1シリンダ
部材54a1 の連結位置より端部24e側に形成されて
おり、一方のリング溝100より一端部側に位置する他
方のリング溝102は、前記リング溝100よりさらに
端部側の位置に、狭幅で且つ浅い溝深さとされて形成さ
れている。
【0029】そして、一方のリング溝100には、厚さ
がリング溝100の幅と略同一に設定されたC形リング
106の内輪側が嵌め込まれている。このC形リング1
06は、図3に示すように、周方向に2分割された分割
部材106a、106bにより構成され、それらの部材
で画成される内輪部の内径d1 は、リング溝100の溝
底部の直径と略同一寸法に設定されている。
【0030】そして、リング溝100に嵌め込まれたC
形リング106の外輪側には、リング状のリテナー10
8が一体に配設されている。このリテナー108は、図
4に示すように、第1縮径部24aの外径と略同一寸法
の内径d2 を有し、C形リング106の外径と略同一寸
法の外径d3 を有するリング部108aと、このリング
部108aの外周縁部から立ち上がるリング状の立縁部
108bとで構成され、第1縮径部24aに外嵌される
ことにより、リング部108aがC形リング106の側
面に当接し、立縁部108bの内壁がC形リング106
の外周面に当接してC形リング106を構成する分割部
材106a、106bの径方向移動を拘束している。
【0031】また、他方のリング溝102には、リテナ
ー108の側面に当接するスナップリング110が嵌め
込まれている。このスナップリング110が装着される
ことにより、リテナー108及びC形リング106が第
1シリンダ部材54a1 側に向けて押し付けられる。そ
して、第1シリンダ部材54a1 の外嵌連結部54a 3
がC形リング106及び中間リング部材104にかしめ
られた状態となり、これにより、第1シリンダ部材54
1 は駆動軸24に連結される。
【0032】そして、第2縮径部24b2 には、ボール
ベアリング114が配設されている。ここで、駆動軸2
4の端部24eと対向するサイドカバー112の内壁に
は、ボールベアリング114のアウタレース112aの
外周と略同一内径に設定された円形凹部(凹部)112
aが形成されている。ボールベアリング114は、前記
円形凹部112a内にアウターレース112aが圧入さ
れた状態で、駆動軸24の第2縮径部24b2 に外嵌さ
れている。
【0033】次に、本実施例の駆動プーリ50の組み立
て手順について説明する。なお、サイドカバー112
は、図2の符号116で示すケーシング本体と連結ボル
ト118により一体化されておらず、駆動軸24の一端
側にサイドカバー112が配設されていないものとす
る。先ず、可動円錐板56を、駆動軸24の摺動部24
a上まで外嵌する。次いで、第2ピストン部材54b2
外嵌嵌連結部を可動円錐板56に一体に取り付ける。次
いで、第2シリンダ部材54b1 の内径部を可動円錐板
56に外嵌する。次いで、第1ピストン部材54a2
内径部を可動円錐板56の外周に圧入していく。次い
で、中間リング部材104を摺動部24aと最も近接す
る第1縮径部24b1 まで外嵌する。次いで、第1シリ
ンダ部材54a1 の外嵌連結部54a3を、中間リング
部材104と当接する位置まで外嵌する。次いで、分割
部材106a、106bを、順次、リング溝100内に
嵌め込む。次いで、C形リング106に向けてリテナー
108を外嵌していき、リング部108aをC形リング
106の側面に当接し、立縁部108bの内壁をC形リ
ング106の外周面に当接させてC形リング106と一
体になるように配設する。次いで、治具によって第1縮
径部24b1 の外径寸法より拡径させたスナップリング
110を、リング溝102の外周に位置させ、治具によ
る拡径形状を解除することによってスナップリング11
0をリング溝102内に嵌め込む。この際、リング溝1
02に嵌め込まれたスナップリング110は、リテナー
108及びC形リング106を第1シリンダ部材54a
1 の外嵌連結部54a3 側に押し付けて圧着していき、
第1シリンダ部材54a1 の外嵌連結部54a3 がC形
リング106及び中間リング部材104にかしめられた
状態で第1シリンダ部材54a1 が駆動軸24に連結さ
れる。 次いで、サイドカバー112の円形凹部112
aに、先ずベアリング114のアウタレース114aを
圧入する。そして、サイドカバー112に圧入されたア
ウタレース114aに、ボール114b及びインナーレ
ース114cを装着する。そして、サイドカバー112
の内壁に一体化されたボールベアリング114を一体的
に配設する。次いで、ボールベアリング114の内径部
114dを駆動軸24の第2縮径部24b2 に外嵌して
いきながら、サイドカバー112のボルト連結孔112
aとケーシング本体116のボルト連結孔116aとを
対応させ、それらボルト連結孔に連結ボルト118を装
着する。これにより、駆動プーリ50が組み立てられ
る。
【0034】したがって、本実施例の駆動プーリの連結
構造によれば、駆動軸24には、図5で示した従来構造
のように雄ねじ13を形成せず、駆動軸24への加工は
外周にリング溝100、102を形成するだけなので、
駆動軸24の加工費を大幅に低減することができる。ま
た、第1シリンダ部材54a1 は、C形リング106を
リング溝100に嵌め込み、リテナー108を外嵌した
後に、スナップリング110をリング溝102内に嵌め
込むだけで駆動軸24に一体に連結される。また、ボー
ルベアリング114は、予めサイドカバー112の内壁
に一体に配設され、前記C形リング106、リテナー1
08及びスナップリング110が配設された第1縮径部
24b 1 よりさらに端部24e側の第2縮径部24b2
に連結される。したがって、従来構造と比較して多くの
組み立て装置(トルクレンチやかしめ装置等)を不要と
しながら、単純な組み立て手順によって極めて容易に組
み立てることが可能となる。
【0035】そして、リテナー108により径方向の移
動が拘束されているC形リング106は、周方向に2分
割された分割部材106a、106bにより構成されて
いるので、簡単にリング溝100に嵌め込むことが可能
であり、さらに組み立てが容易となる。また、スナップ
リング110がリング溝102に嵌め込まれることによ
りC形リング106が摺動部24a側に押し付けられ、
第1シリンダ部材54a1 の外嵌連結部54a3 は圧着
されて確実にかしめられるので、駆動プーリシリンダ室
54(第1油室54a)を信頼性の高い液密構造とする
ことができる。これにより、駆動プーリシリンダ室54
に所定の油圧が供給されると、高精度にV字状プーリ溝
の幅を拡大若しくは縮小させ、駆動軸24に伝達された
動力を所定の変速比で確実に従動プーリ60に伝達する
ことができる。
【0036】さらに、ボールベアリング114のアウタ
レース114aは、サイドカバー112の内壁に形成さ
れた円形凹部112aに圧入されており、且つボールベ
アリング114は駆動軸24の第2縮径部24bに外嵌
されるので、取り付けの際にボールベアリング114と
サイドカバーの内壁との間に間隙が容易に発生せず、軸
受け部の摩耗のおそれがない。したがって、ナットによ
る締め付け力を用いた従来の構造と比較して、組み立て
がさらに容易となる。
【0037】なお、本実施例のC形リング106は、図
3に示すように、106a、106bによる2分割形状
とされているが、本発明の要旨はこれに限るものではな
い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の無段変速機のプーリ連結構造は、軸の外周にリン
グ溝が形成されるだけなので、加工費を大幅に削減する
ことができる。また、軸に外嵌されたシリンダ部材は、
リング部材をリング溝に嵌入するだけで軸に一体に連結
されるので、単純な組み立て手順によって極めて容易に
連結作業が完了する。したがって、本発明は、無段変速
機のコストダウンを図ることができる。
【0039】また、リング部材がリング溝に嵌入するこ
とにより、シリンダ部材は軸と圧着状態とされて確実に
かしめられながら軸方向の移動が拘束されているので、
流体圧シリンダ室を信頼性の高い液密構造とすることが
できる。したがって、流体圧シリンダ室に所定の流体圧
が供給されると、高精度にV字状溝の幅を拡大若しくは
縮小させ、軸に伝達された動力を所定の変速比で他の伝
動機構に伝達することができる。
【0040】また、この発明の請求項2記載の無段変速
機のプーリ連結構造は、請求項1記載の効果に加えて、
リング部材を構成するC形リングは分割体とされ、簡単
に固定円錐板側のリング溝に嵌め込むことが可能なの
で、さらに組み立て作業が容易となる。また、C形リン
グの径方向の移動を拘束するリテナーや、リテナーの軸
線方向位置を規制するスナップリングを使用することに
より、さらに単純な組み立て作業となる。
【0041】また、この発明の請求項3記載の無段変速
機のプーリ連結構造は、請求項1及び請求項2記載の効
果に加えて、ケーシングの内壁に形成された凹部にベア
リングのアウターレースが圧入されているので、ベアリ
ングとケーシングとの間に間隙が容易に発生せず軸受け
部の摩耗のおそれがない。したがって、単純な組み立て
作業により信頼性の高い無段変速機を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無段変速機の動力伝達機構を示す
図である。
【図2】本発明に係る駆動プーリ連結構造を示す要部断
面図である。
【図3】本発明に係るC形リングを示す正面図である。
【図4】本発明に係るリテナーを示す正面図である。
【図5】従来の駆動プーリ連結構造を示す要部断面図で
ある。
【符号の説明】
24 駆動軸(軸) 24b1 第1縮径部(軸) 24b2 第2縮径部(軸) 24e 駆動軸の端部 25 前後進切換機構(回転駆動部)50 駆動プー
リ 52 固定円錐板 54、54a、54b 駆動プーリシリンダ室(流体圧
シリンダ室) 54a1 第1シリンダ部材(シリンダ部材) 54a3 第1シリンダ部材の外嵌連結部 56 可動円錐板 58 Vベルト 100、102 リング溝 106 C形リング(リング部材) 106a、106b C形リングの分割部材 108 リテナー(リング部材) 110 スナップリング 112 サイドカバー(ケーシング) 112a 円形凹部(凹部) 114 ベアリング 114a ベアリングのアウタレース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 清文 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベアリングを介してケーシングに回転自
    在に支持されている軸と、この軸の一端側に一体に固定
    された固定円錐板と、前記軸の他端側に軸線方向に移動
    可能となるように外嵌され、前記固定円錐板に対向配置
    されてV字状溝を形成する可動円錐板と、この可動円錐
    板の前記固定円錐板と対向しない背面側に配設されて流
    体圧供給制御により前記可動円錐板を軸線方向に移動さ
    せる流体圧シリンダ室とを備える無段変速機のプーリ連
    結構造において、 前記軸の前記他端側にリング溝が形成されているととも
    に、 当該リング溝に、外嵌された前記流体圧シリンダ室のシ
    リンダ部材の軸方向の移動を拘束するリング部材が嵌入
    されていることを特徴とする無段変速機のプーリ連結構
    造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の無段変速機のプーリ連結
    構造において、 リング溝は、軸の外周に軸線方向に離間して2本形成さ
    れているとともに、 リング部材は、固定円錐板側に位置する一方のリング溝
    への嵌入によりシリンダ部材の軸方向の移動を拘束する
    周方向に分割された複数の分割部材により構成されたC
    形リングと、このC形リングの外周に一体的に配設され
    てC形リングの径方向の移動を拘束するリング状のリテ
    ナーと、軸の他端側に位置する他方のリング溝への嵌入
    により前記リテナーの軸線方向位置を規制するスナップ
    リングにより構成されていることを特徴とする無段変速
    機のプーリ連結構造。
  3. 【請求項3】 請求項1若しくは2記載の無段変速機の
    プーリ連結構造において、 軸の他端と対向するケーシングに、ベアリングのアウタ
    レースと略同一内径を有する凹部が形成され、当該凹部
    にアウターレースを圧入して配設されたベアリングが、
    リング部材よりさらに他端部の軸に外嵌されていること
    を特徴とする無段変速機のプーリ連結構造。
JP6144889A 1994-06-27 1994-06-27 無段変速機のプーリ連結構造 Pending JPH0814347A (ja)

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US08/494,815 US5628700A (en) 1994-06-27 1995-06-26 Pulley device for continuously variable transmission

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