JPH08143379A - 軽量・高強度けい酸カルシウム成形体の製造方法 - Google Patents

軽量・高強度けい酸カルシウム成形体の製造方法

Info

Publication number
JPH08143379A
JPH08143379A JP30952494A JP30952494A JPH08143379A JP H08143379 A JPH08143379 A JP H08143379A JP 30952494 A JP30952494 A JP 30952494A JP 30952494 A JP30952494 A JP 30952494A JP H08143379 A JPH08143379 A JP H08143379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium silicate
slurry
solid content
weight
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP30952494A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Akai
潤 赤井
Seiichi Fukunaga
精一 福永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP30952494A priority Critical patent/JPH08143379A/ja
Publication of JPH08143379A publication Critical patent/JPH08143379A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で強度が高くひび、反りの少ないけい酸
カルシウム成形体を能率的に製造する方法を提供する。 【構成】 けい酸カルシウムの結晶スラリーの固形分濃
度の高い状態から再び水を加えて一旦特定の固形分濃度
レベルに低下させ、その後脱水成形して成形体を得る方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として建築用の壁材、
間仕切り材、天井材、断熱材等の用途に利用される軽量
・高強度けい酸カルシウム成形体の製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スラリー状のけい酸カルシウム結晶から
成形体を得るための方法として従来、 抄造ろ過成形法、脱水プレス法等があった。 抄造ろ過成形法は目的の成形体を得るためにいろいろな
方法が行われているが、最もポピュラーな方法としては
型枠の底にメッシュ状(網状)体を敷きその上にスラリ
ー状の原料を流し込み、自然落下またはポンプ等により
吸引して水分を下に抜き、成形体を得る方法がある。他
にベルトコンベアーを使用した連続式の方法があるが、
基本的には高い水分率を連続的に低い水分率に下げてゆ
く方法である。脱水プレス法は基本的に抄造ろ過成形法
と同じであるが圧力で水分を抜き出す方法である。
【0003】従来の抄造ろ過成形法、脱水プレス法では
密度の低い成形体を得ることが非常に困難であった。例
えば脱水プレス法で密度の低い成形体を得ようとすると
成形体中の水分率が高くなって、成形体を運搬する際に
変形しやすくなり、後工程で乾燥する際に長時間を要し
たり、ひび、反り等が発生しやすい等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の方法で
密度の低い成形体を得ようとする際に生じる運搬時の変
形、乾燥の長時間化、成形体におけるひび、反りの発生
等の問題を解決しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はけい酸カルシウ
ムの針状結晶が絡まって集合体を形作っている結晶のス
ラリーから成形体を製造する工程において、けい酸カル
シウム結晶スラリー中の固形分を50重量%(以下単に
%と記す。)以上にまで上げたのち水を再び加え、けい
酸カルシウム結晶スラリー中の固形分を40%以下、1
0%以上に低減させ、次いで加圧成形することを特徴と
する軽量・高強度けい酸カルシウム成形体の製造方法に
係わる。 以下詳しく説明する。
【0006】本発明におけるけい酸カルシウムのスラリ
ー、すなわち針状結晶が絡まって集合体を形作っている
結晶のスラリーは、公知の方法によって製造することが
できる。けい酸質原料としては特に限定されることはな
く、例えばけい石粉、けい砂粉、けい酸、シリコンダス
ト、けいそう土などを使用することが可能であるが、好
ましくは純度の高いけい酸質原料、例えばけい石粉、け
い砂粉等がよい。石灰質原料としては消石灰、生石灰、
カーバイド滓などを使用することが可能であるが、好ま
しくは純度の高い消石灰、生石灰がよい。またけい酸質
原料(SiO2 )と石灰質原料(CaO)のモル比は
1:0.8〜1.2の範囲が好ましいが略当量が更に好
ましい。配合する水の量はけい酸質原料と石灰質原料の
合計重量の20〜40倍量が好ましい。
【0007】これらのけい酸質原料、石灰質原料に水を
混合してスラリーとする。このスラリーをオートクレー
ブに入れて攪拌しつつ水熱反応させる。水熱反応の条件
としては温度が180〜230℃が好ましい。圧力はこ
の温度に対応する飽和水蒸気圧(10〜28kg/cm2)を
用いることが好ましい。また攪拌時の周速度は0.45
〜3m/秒が好ましい。なお温度については230℃以
上であってもほゞ同じ品質のものが得られるがエネルギ
ーコストが高くなる。圧力については別に不活性ガスで
更に加圧することもできるが付加装置が必要となる。
このようにしてけい酸質原料(SiO2)と石灰質原料
(CaO)とを水熱反応させると、けい酸カルシウムの
針状(繊維状)結晶が集合し好適なスラリーが得られ
る。針状結晶の集合体はまりも状となる。条件によって
内部が中空となると比重が低く、また外側の針状結晶の
絡みあいで比強度が高くなり良質の製品を作る事が出来
る。スラリーの製造条件が異なると、けい酸カルシウム
のスラリーを構成する結晶が板状結晶や柱状結晶となっ
たり、針状結晶となっても非集合状となる。これらの場
合には最終製品の比重が大となったり、集合体同士の絡
み合いがないため比強度を下げたり、プレス成形時に成
形体にひびが発生するなどの問題が生じる。この結晶状
態は原料や石灰質原料の種類、粒径、SiO2 /CaO
のモル比、配合水量、反応温度、圧力、攪拌速度(周速
度)などの条件により影響を受ける。これらの条件を適
切に選択する事により個々の結晶の形状、大きさ、集合
状態等を制御する事が可能である。
【0008】従来法では水熱反応で合成されたスラリー
をモールドに入れ、プレス成形していた。この時軟らか
な豆腐状の1次成形体が得られる。次にひび、反りの発
生を避けるため、100℃前後の比較的低温で乾燥して
最終成形体(製品)を得ているが、乾燥に長時間を要し
ていた。またプレス直後の1次成形体はもろい豆腐状で
運搬したり乾燥機に移す際、変形しやすくその後乾燥し
て所定の形状の製品を得るのが困難であった。 そこで
水熱合成後のけい酸カルシウム結晶スラリー(固形分約
5%以下)を抄造ろ過、脱水プレス、スプレードライ、
加熱乾燥等の方法の単独又は組合せで効率的な方法を選
定しそれにより、一旦固形分を50%以上にまで高めて
けい酸カルシウム結晶集合体の表面や内部の水を追い出
した後、モールドに入れプレス成形し、乾燥することを
試みた。これにより外観上は乾いた感じで(但し完全乾
燥時に比べ比重のみが大きい)固形状の1次成形体が得
られた。この場合モールド成形後の乾燥時間は短縮さ
れ、運搬時の変形性も改善されたが、モールドに入れて
プレス成形した直後に早くも多数のひび割れを生じ、そ
の後の乾燥工程で更に反りを生じるという問題が生じ
た。固形分の比率の高めかたを50%以下にとどめた場
合でもプレス成形にひび割れを生じたり、乾燥工程でひ
び割れや反りを生じて好ましい結果が得られなかった。
【0009】その後研究を重ね、けい酸カルシウム結晶
スラリー中の固形分を一旦50%以上に高めた後、水を
再添加して固形分を40%以下10%以上に薄めた後、
モールドに入れプレス成形したところ、予期以上の好結
果を得、本発明を完成したものである。 プレス後の1
次成形体はいずれも完全乾燥時にほぼ近い乾いた外観を
示すが希釈度を10%付近に調整した時は若干湿った感
じの固形状で従来法による豆腐状のものとは異なったも
のであった。運搬時の変形性は大幅に改良された。水を
再添加して希釈する工程を加えたため、プレス成形後の
乾燥時間は薄めない場合より長くなるものの、従来法よ
りは格段に短縮された。また全体としての乾燥時間も事
前の予備乾燥工程にスプレードライ等の効率的な乾燥法
を採用することが可能となるためエネルギー的には利点
がなくても全体として短縮することができた。脱水プレ
スした直後のひび割れはなく、その後の乾燥によるひび
割れや反りも発生しなくなった。この理由は1次の脱水
工程で固形分を50%以上に高めるため中空まりも状の
針状結晶集合体の内部に取り込まれていた水がかなり絞
り出され、後から添加された水は結晶集合体内部には取
り込まれず、主に結晶集合体の表面付近に存在しプレス
成形時に潤滑効果を果たし、割れの発生を防ぐこと、乾
燥工程で水の表面張力の作用により集合体の表面部分の
絡み合いが助長され、強度が上がること等によるためと
考えられる。
【0010】本発明では結晶スラリーにいろいろな添加
剤を加えることができる。添加剤としては例えば硫酸ア
ルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化アルミニウ
ム、アクリルアミドポリマー、エチレンイミンポリマ
ー、アクリル酸ナトリウムなどの無機、有機高分子凝集
剤;ガラス、パルプ、炭素、ビニロン、ポリプロピレン
等の繊維類;アクリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
スチレン、フエノール等の樹脂のエマルジョン、SBR
等のゴムのエマルジョン;アルミニウム、亜鉛などの金
属粉末や酸化チタン、炭化けい素などの無機質粉末等が
あげられる。これらの内1種または2種以上を加えるこ
とができる。これらの添加により凝集性を向上させた
り、強度や靱性を増したりひび、われの発生を抑えたり
することができる。
【0011】
【作用】本発明ではけい酸カルシウムの針状結晶が絡ま
って集合体を形成している状態から一旦固形分を50%
以上に高めて内部の水分を絞った状態とする。この際結
晶集合体の内部に存在する水がかなり絞り出される。そ
の後水を再び加え、固形分を40%〜10%に調整す
る。この時添加された水は結晶集合体内部に入り込まず
集合体表面に水が行き渡る。次の乾燥工程で脱水される
時、水の表面張力で集合体表面の結晶が絡み合うので、
ひびや反りの発生がなくなるものと考えられる。
【0012】
【実施例】
実施例1 平均粒径が44μmの大きさの消石灰微粉末55.7重
量部と平均粒径が4.5μmの大きさのケイ石粉44.
3重量部(合計乾燥重量100重量部、CaO/SiO
2 モル比1.0)とを混合し、さらに2000重量部の
水を加えてよく攪拌し、均一なスラリー(A)を造り、
オートクレーブに入れた。オートクレーブ中で攪拌しな
がら温度200℃、圧力15kgf/cm2 の条件下で5時間
水熱反応させた。 攪拌速度は200rpm(周速度
0.89m/秒)であった。 この水熱反応により合成
されたけい酸カルシウム結晶は水中に分散しスラリー
(B)となる。 これをスプレードライヤー方式の乾燥
機でけい酸カルシウム結晶の固形分が55%になるまで
乾燥を行った後、5重量部のポリ塩化アルミニウムと
0.5重量部のガラス繊維(10デニール、8mm)と1
00重量部の水を加えオムニミキサーで1分間攪拌し
た。けい酸カルシウム結晶の固形分は35.5%であっ
た。 得られた混合物をモールドに入れプレス機で0.
8kgf/cm2 の圧力をかけて成形した。プレス成型後の1
次成型品は外観的には乾いた固形状を示しひびの発生も
無く運搬においての変形等は認められなかった。100
℃のオーブンで加熱したところ約2時間で乾燥したけい
酸カルシウムの成形体を得ることができた。製品は長さ
120mm、幅80mm、厚み80mmである。ひび、反りの
発生はなく収縮率も低いものであった。比重も低く比強
度も大であった。特性を表1に示す。
【0013】実施例2 実施例1と同様にして得られたスラリー(B)をスプレ
ードライヤー方式の乾燥機でけい酸カルシウム結晶の固
形分が50%になるまで乾燥を行った後5重量部のポリ
塩化アルミニウムと0.5重量部のガラス繊維(10デ
ニール、8mm)と100重量部の水を加えオムニミキサ
ーで1分間攪拌した。けい酸カルシウム結晶の固形分は
14.3%であった。 得られた混合物をモールドにい
れプレス機で0.8kgf/cm2 の圧力をかけて成形した。
なおこの場合も1次成型品は乾いた感じの固形状でひび
の発生はなく運搬時の変形もなかった。 得られた混合
物をモールドにいれプレス機で0.8kgf/cm2 の圧力を
かけて成形した後、100℃のオーブンで加熱したとこ
ろ3.5時間で乾燥したけい酸カルシウムの成形体を得
ることができた。製品は長さ106mm、幅92mm、厚み
93mmであった。ひび、反りの発生はな収縮率も低いも
のであった。比重も低く比強度も大であった。特性を表
1に示す。
【0014】比較例1 これは従来から一般に行われている方法である。実施例
1と同様にして得られたスラリー(B)に、5重量部の
ポリ塩化アルミニウムと0.5重量部のガラス繊維(1
0デニール、8mm)を加えオムニミキサーで1分間攪拌
した。けい酸カルシウム結晶の固形分は5.0%であっ
た。 得られたスラリーをモールドに流し込みプレス機
で0.8kgf/cm2 の圧力をかけて成型した。このときの
状態は豆腐状でプレス成型後乾燥機に移す際変形が起こ
りやすいものであった。これを100℃のオーブンで加
熱したところ、7.5時間を要してようやく乾燥したけ
い酸カルシウムの成形体を得ることができた。これは実
施例1の3.75倍の時間を要している。製品は長さ1
09mm、幅86mm、厚み92mmであった。物性を表1に
示す。成形収縮率が大きく、ひび、反りの発生があっ
た。特性を表1にしめす。
【0015】比較例2 実施例1と同様にして得られたスラリー(B)に5重量
部のポリ塩化アルミニムを添加して混合した。 その
後、スプレードライヤー方式の乾燥機でけい酸カルシウ
ム結晶の固形分が55%になるまで乾燥を行い、0.5
重量部のガラス繊維(10デニール、8mm)を加えオム
ニミキサーで1分間攪拌した。 得られた混合物をモー
ルドに入れ、プレス機で0.8kgf/cm2 の圧力をかけて
成形したがこの時多数のひびが発生した。100℃のオ
ーブンで2時間乾燥しけい酸カルシウムの成形体を得る
ことができたがひびのため実用に供しがたいものであっ
た。
【0016】比較例3 実施例1と同様にして得られたスラリー(B)をスプレ
ードライヤー方式の乾燥機でけい酸カルシウム結晶の固
形分が55%になるまで乾燥を行った後、5重量部のポ
リ塩化アルミニウムと0.5重量部のガラス繊維(10
デニール、8mm)と40重量部の水を加え、オムニミキ
サーで1分間攪拌した。けい酸カルシウム結晶の固形分
は40%を越え45.1%となった。 得られた混合物
をモールドに入れ、プレス機で0.8kgf/cm2 の圧力を
かけて成形すると固形分が多く水分が少ないため成形体
に多数のひびが入っていた。100℃のオーブンで1.
5時間乾燥しけい酸カルシウムの成形体を得ることがで
きた。製品は長さ122mm、幅80mm、厚み85mmであ
った。反りの発生はなく、収縮率も比重も低いものであ
ったが、ひびが多数発生しているため実用品にはならな
かった。
【0017】比較例4 実施例1と同様にして得られたスラリー(B)をスプレ
ードライヤー方式の乾燥機でけい酸カルシウム結晶の固
形分が50%になるまで乾燥を行った後、5重量部のポ
リ塩化アルミニウムと0.5重量部のガラス繊維(10
デニール、8mm)と1050重量部の水を加え、オムニ
ミキサーで1分間攪拌した。けい酸カルシウム結晶の固
形分は10%を切り8.0%であった。 得られた混合
物をモールドに入れ、プレス機で0.8kgf/cm2 の圧力
をかけて成形した後、100℃のオーブンで5.5時間
乾燥しけい酸カルシウムの成形体を得ることができた。
製品は長さ116mm、幅78mm、厚み79mmであった。
ひびの発生はなく、比重も比較的低いものであったが、
乾燥時間が実施例1に比べ2.75倍と長く、収縮率が
大きく反りも発生していた。特性を表2に示す。従って
希釈し過ぎることは好ましくないことがわかった。
【0018】比較例5 実施例1と同様にして得られたスラリー(B)をスプレ
ードライヤー方式の乾燥機でけい酸カルシウム結晶の固
形分が35.5%になるまで乾燥を行った後、5重量部
のポリ塩化アルミニウムと0.5重量部のガラス繊維
(10デニール、8mm)を加えオムニミキサーで1分間
攪拌した。得られた混合物をモールドに入れ、プレス機
で0.8kgf/cm2 の圧力をかけて成形した。この際ひび
が多数発生したため以後のプロセスを中止した。
【0019】比較例6 実施例1と同様にして得られたスラリー(B)をスプレ
ードライヤー方式の乾燥機でけい酸カルシウム結晶の固
形分が14.3%になるまで乾燥を行った後、5重量部
のポリ塩化アルミニウムと0.5重量部のガラス繊維
(10デニール、8mm)を加えオムニミキサーで1分間
攪拌した。得られた混合物をモールドに入れ、プレス機
で0.8kgf/cm2 の圧力をかけて成形した。この際ひび
が発生したしたため以後のプロセスを中止した。
【0020】比較例7 実施例1と同様にしてスラリーAを造り、オートクレー
ブに入れた。オートクレーブ中で攪拌しながら温度17
5℃、圧力8kgf/cm2 の条件下で5時間水熱反応させ
た。攪拌速度は200rpm(周速度0.89m/秒)
であった。この水熱反応により合成されたけい酸カルシ
ウム結晶をスプレードライヤー方式の乾燥機でけい酸カ
ルシウム結晶の固形分が55%になるまで乾燥を行った
後、5重量部のポリ塩化アルミニウムと0.5重量部の
ガラス繊維(10デニール、8mm)と100重量部の水
を加え、オムニミキサーで1分間攪拌した。けい酸カル
シウム結晶の固形分は35.5%であった。得られた混
合物をモールドに入れプレス機で0.8kgf/cm2 の圧力
を加えて成形した後、100℃のオーブンで2時間乾燥
しけい酸カルシウムの成形体を得ることができた。製品
は長さ120mm、幅80mm、厚み75mmであった。ひ
び、反りの発生はなく収縮率も低いものであつたが、水
熱反応時の温度が低いことが影響し板状結晶が生成した
ため製品の比強度の点で劣っていた。特性を表3に示
す。
【0021】比較例8 実施例1と同様にしてスラリーAを造り、オートクレー
ブに入れた。オートクレーブ中で攪拌しながら温度20
0℃、圧力15kgf/cm2 の条件下で5時間水熱反応させ
た。攪拌速度は41rpm(周速度0.18m/秒)で
あった。この水熱反応により合成されたけい酸カルシウ
ム結晶をスプレードライヤー方式の乾燥機でけい酸カル
シウム結晶の固形分が55%になるまで乾燥を行った
後、5重量部のポリ塩化アルミニウムと0.5重量部の
ガラス繊維(10デニール、8mm)と100重量部の水
を加え、オムニミキサーで1分間攪拌した。けい酸カル
シウム結晶の固形分は35.5%であった。得られた混
合物をモールドに入れプレス機で0.8kgf/cm2 の圧力
を加えて成形した後、100℃のオーブンで2時間乾燥
しけい酸カルシウムの成形体を得ることができた。製品
は長さ115mm、幅80mm、厚み80mmであった。反り
の発生はなく収縮率、比重も低いものであつたが、水熱
反応時の攪拌の周速度の低さが影響して柱状結晶が生成
したため比強度の低いものであった。特性を表3に示
す。
【0022】比較例9 実施例1と同様にしてスラリーAを造り、オートクレー
ブに入れた。オートクレーブ中で攪拌しながら温度20
0℃、圧力15kgf/cm2 の条件下で5時間水熱反応させ
た。攪拌速度は720rpm(周速度3.2m/秒)で
あった。この水熱反応により合成されたけい酸カルシウ
ム結晶をスプレードライヤー方式の乾燥機でけい酸カル
シウム結晶の固形分が55%になるまで乾燥を行った
後、5重量部のポリ塩化アルミニウムと0.5重量部の
ガラス繊維(10デニール、8mm)と100重量部の水
を加え、オムニミキサーで1分間攪拌した。けい酸カル
シウム結晶の固形分は35.5%であった。得られた混
合物をモールドに入れプレス機で0.8kgf/cm2 の圧力
を加えて成形した後、100℃のオーブンで2時間乾燥
しけい酸カルシウムの成形体を得ることができた。製品
は長さ108mm、幅65mm、厚み72mmであった。収縮
率が高くてひびが多く、反りも大きいものであった。特
性を表3に示す。水熱反応時の攪拌の周速度が大のため
針状結晶の集合度に悪影響があったためと考えられる。
【0023】比較例10 実施例1と同様に行ったがポリ塩化アルミニウムとガラ
ス繊維は添加しなかった。 この場合プレス成形の段階
でひびが多数発生したので以後のプロセスを中止した。
【0024】 表1 実施例 1 実施例 2 比較例 1 比較例2 結晶形態 針状集合体 針状集合体 針状集合体 針状集合体 プレス時ひび(個) 0 0 0 多数 外観(プレス時) 乾燥固形状 乾燥固形状 豆腐状 乾燥固形状 運搬時の変形性 なし なし あり なし 乾燥所要時間(Hr) 2.0 3.5 7.5 2.0 乾燥比重 0.13 0.11 0.12 0.32 成形体収縮率 (%) 2.1 1.5 14.3 2.4 比強度 大 大 中 小 ひび(個)乾燥後 0 0 3 多数 反り発生 なし なし あり あり
【0025】 表2 比較例3 比較例4 比較例5 比較例6 結晶形態 針状集合体 針状集合体 針状集合体 針状集合体 プレス時ひび(個) 多数 0 多数 8 外観(プレス時) 乾燥固形状 湿った固形状 乾燥固形状 乾燥固形状 運搬時の変形性 なし あり なし なし 乾燥所要時間 (Hr) 1.5 5.5 乾燥比重 0.12 0.14 成形体収縮率 (%) 1.2 9.4 比強度 小 中 ひび(個)乾燥後 多数 1 反り発生 なし あり
【0026】 表3 比較例7 比較例8 比較例9 比較例10 結晶形態 板状集合体 柱状集合体 針状集合体 針状集合体 プレス時ひび(個) 0 3 多数 多数 外観(プレス時) 乾燥固形状 乾燥固形状 乾燥固形状 乾燥固形状 運搬時の変形性 なし なし なし なし 乾燥所要時間 (Hr) 2.0 2.0 2.0 乾燥比重 0.14 0.14 0.14 成形体収縮率 (%) 1.9 2.5 9.2 比強度 小 小 小 ひび(個)乾燥後 0 5 多数 反り発生 なし なし あり 成形体収縮率 (%): プレス成形時の成形体の体積Aと乾燥後の成形体の体 積Bとの差から次の式に基づき算出。(A−B)/A
【0027】
【発明の効果】本発明ではけい酸カルシウムのスラリー
を脱水して成形体を造る際、プレス成形時のひび割れや
その後の運搬時における変形をなくす事ができる。また
その後の乾燥に要する時間が大幅に短縮されると共に乾
燥後のひび、反りがなく、低比重で比強度の高い成形体
が得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 軽量・高強度けい酸カルシウム
成形体の製造方法

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 けい酸質原料、石灰質原料及び水の混合
    物から水熱反応によりけい酸カルシウムの針状結晶が絡
    まって集合体を形作っている結晶のスラリーを得、この
    スラリーより成形体を製造する工程において、けい酸カ
    ルシウム結晶スラリーを一旦脱水して固形分濃度を50
    重量%以上に高めたのち、再び水を加えてけい酸カルシ
    ウム結晶スラリー中の固形分を40重量%以下10重量
    %以上に低減させ、次いで加圧成形することを特徴とす
    る軽量・高強度けい酸カルシウム成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 けい酸カルシウム結晶スラリーを作る
    際、水熱反応の条件として反応温度を180〜230℃
    とする請求項1記載の軽量・高強度けい酸カルシウム成
    形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 けい酸カルシウム結晶スラリーを作る
    際、水熱反応の条件として反応圧力を反応温度に対応す
    る飽和水蒸気圧と同等とする請求項1記載の軽量・高強
    度けい酸カルシウム成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 けい酸カルシウム結晶スラリーを作る
    際、水熱反応の条件として攪拌時の周速度を0.2〜3
    m/秒とする請求項1記載の軽量・高強度けい酸カルシ
    ウム成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 けい酸カルシウム結晶スラリーに対し添
    加剤を加える請求項1記載の軽量・高強度けい酸カルシ
    ウム成形体の製造方法。
JP30952494A 1994-11-17 1994-11-17 軽量・高強度けい酸カルシウム成形体の製造方法 Withdrawn JPH08143379A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30952494A JPH08143379A (ja) 1994-11-17 1994-11-17 軽量・高強度けい酸カルシウム成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30952494A JPH08143379A (ja) 1994-11-17 1994-11-17 軽量・高強度けい酸カルシウム成形体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08143379A true JPH08143379A (ja) 1996-06-04

Family

ID=17994052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30952494A Withdrawn JPH08143379A (ja) 1994-11-17 1994-11-17 軽量・高強度けい酸カルシウム成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08143379A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6139620A (en) * 1995-05-30 2000-10-31 Ask Corporation Calcium silicate board and method of manufacturing same
WO2013150660A1 (ja) * 2012-04-04 2013-10-10 G-8 International Trading 株式会社 重金属類を含む廃棄物の処理装置およびそれを用いた重金属類を含む廃棄物の処理方法
JP2021073090A (ja) * 2021-01-26 2021-05-13 G−8 International Trading 株式会社 汚染土壌の処理装置および処理方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6139620A (en) * 1995-05-30 2000-10-31 Ask Corporation Calcium silicate board and method of manufacturing same
WO2013150660A1 (ja) * 2012-04-04 2013-10-10 G-8 International Trading 株式会社 重金属類を含む廃棄物の処理装置およびそれを用いた重金属類を含む廃棄物の処理方法
JPWO2013150660A1 (ja) * 2012-04-04 2015-12-17 G−8 International Trading 株式会社 重金属類を含む廃棄物の処理装置およびそれを用いた重金属類を含む廃棄物の処理方法
JP2021073090A (ja) * 2021-01-26 2021-05-13 G−8 International Trading 株式会社 汚染土壌の処理装置および処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08143379A (ja) 軽量・高強度けい酸カルシウム成形体の製造方法
CN86103427A (zh) 微孔硅酸钙保温绝热材料的制造方法
US4180433A (en) Production of improved chrysotile asbestos fibres
JP2006117478A (ja) 石炭灰の固化方法及び固化体
CN1307083A (zh) 硅酸钙隔热防火材料的制造方法
JP4001478B2 (ja) 建材用組成物
JPH06305854A (ja) 軽量ケイ酸カルシウム成形体
JPS622080B2 (ja)
JPH01224253A (ja) 珪酸カルシウム・ポリマー複合板の製造方法
JP3300118B2 (ja) 珪酸カルシウム板の製造方法
JPH08118330A (ja) 無機質板の製造方法
CN100400256C (zh) 用浇注成型生产硅酸钙隔热防火材料的方法
JP3204954B2 (ja) 無機質板の湿式製造方法
JPS59199564A (ja) ケイ酸カルシウム系耐熱材料の製造法
JP4312872B2 (ja) 珪酸カルシウム成形体及びその製造方法
JP4180871B2 (ja) 無機質板及びその製造方法
JP2514462B2 (ja) セメント板の製造方法
SU1765133A1 (ru) Способ изготовлени минераловатных плит повышенной жесткости
JPS6183667A (ja) 耐熱性成形体の製造法
JPH0253385B2 (ja)
JPH05339038A (ja) 水硬体の製法
JPH09328374A (ja) パーライト硬化体及びその製造方法
JPH0459674A (ja) 軽量成形体の製造方法
JPH09314533A (ja) 無機質板の製造方法
JPH11130560A (ja) セメント硬化体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020205