JPH08143166A - 長尺物の船体内積込み装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 甲板上の搭載用架台への船外からの吊り下ろ
し載置が容易な、したがって、省力性，省人性及び安全
性に優れた長尺物の船体内積込み装置を図る。 【構成】 船体内に固定された傾斜搬入筒０２と、甲板
０１上に仮設され傾斜搬入筒０２の軸線の延長上に船外
から吊り下ろし載置された長尺物０７の軸線を一致させ
ることが可能な搭載用架台とを有する長尺物の船体内積
込み装置において、水平姿勢〜傾斜姿勢に回動すること
が可能な搭載用架台３を具えたこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は長尺物の船体内積込み装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、潜水型特殊船舶等における長尺
物の船体内積込み装置としては、構造及び機能面より搬
入出口は狭隘で、かつ垂直構造又は傾斜構造のものが知
られている。そして、長さ，重量がそれぞれ５〜７ｍ，
１〜２ｔｏｎに達する長尺物の積込みについては、船内
高さの制約などの関係で、竪吊り状態での積込みが困難
であるから、スロープを有する傾斜状搬入出筒を設け
て、図３側面図で示す要領で、搬入，搬出を行ってい
る。

【０００３】すなわち、まず、同図(1) に示すように、
甲板０１に開口した傾斜搬入筒０２の傾斜に合わせた搭
載用傾斜架台（以下傾斜架台という）０３を仮設する。
ここで、０４，０５はそれぞれ傾斜搬入筒０２，傾斜架
台０３に設けられた滑台，滑車付金物である。次に、同
図(2) に示すように、図示省略のクレーン等の吊り下ろ
しロープ０６を使用して長尺物０７を吊り下ろし、複数
の作業員０８がロープ０９等を使用し、傾斜架台０３へ
載置する。さらに、同図(3) に示すように、傾斜架台０
３に載置した長尺物０７からの吊り下ろしロープ０６の
取外しと、傾斜架台０３上でのこれと長尺物０７との間
の図示省略の安全ロープ等の取付けをする。そして、同
図(4) に示すように、積込みウインチ０１０のロープ０
１１を滑車０１２，０１３を介して、長尺物０７の先端
部に固定した積込み金具０１４に接続し、その後積込み
ウインチ０１０を駆動し、長尺物０７を傾斜搬入筒０２
から船内へ積込む。

【０００４】しかしながら、このような装置では、下記
のような欠点がある。 (1) 動搖した船の甲板０１上で、仮設された傾斜架台０
３へ長尺物０７を立て掛け状に、人力をかなり併用して
載せるので、作業が難しく、したがって、工数が嵩むと
ともに、安全性が十分とはいえない。 (2) 傾斜架台０３と積込みウインチ０１０等との距離が
かなりあるので、６名程度の作業員０８を必要とし、し
たがって省人性が十分とはいえない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて提案されたもので、甲板上の搭載用架台へ
の船外からの吊り下ろし載置が容易な、したがって、省
力性，省人性及び安全性に優れた長尺物の船体内積込み
装置を提供することを目的とする。

【０００６】また、甲板上の搭載用架台への船外からの
吊り下ろし載置が容易であるとともに、船体内の傾斜搬
入筒への滑り下ろしが容易な、したがって、さらに、省
力性，省人性及び安全性に優れた長尺物の船体内積込み
装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そのために、請求項１の
発明は船体内に固定された傾斜搬入筒と、甲板上に仮設
され上記傾斜搬入筒の軸線の延長上に船外から吊り下ろ
し載置された長尺物の軸線を一致させることが可能な搭
載用架台とを有する長尺物の船体内積込み装置におい
て、水平姿勢〜傾斜姿勢に回動することが可能な搭載用
架台を具えたことを特徴とする。

【０００８】また、請求項２の発明は請求項１の長尺物
の船体内積込み装置において、搭載用架台の内部に配設
された搭載用架台の自動傾斜機構と傾斜搬入筒内への長
尺物自動滑り下ろし機構とを具えたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】このような構成によれば、下記の作用が行われ
る。 (1) 請求項１の発明によれば、船体内に固定された傾斜
搬入筒と、甲板上に仮設され上記傾斜搬入筒の軸線の延
長上に船外から吊り下ろし載置された長尺物の軸線を一
致させることが可能な搭載用架台とを有する長尺物の船
体内積込み装置において、水平姿勢〜傾斜姿勢に回動す
ることが可能な搭載用架台を設けているので、甲板上の
搭載用架台への船外からの吊り下ろし載置が容易とな
る。

【００１０】(2) 請求項２の発明によれば、上記(1) の
構成要件のほかに、搭載用架台の内部に配設された搭載
用架台の自動傾斜機構と傾斜搬入筒内への長尺物自動滑
り下ろし機構とを設けているので、甲板上の搭載用架台
への船外からの吊り下ろし載置が容易となるとともに、
船体内の傾斜搬入筒への滑り下ろしが容易となる。

【００１１】

【実施例】本発明を図３に示した船体構造に適用した一
実施例を図面について説明すると、同図と同一の符号は
それぞれ同図と同一の部材を示し、まず、図１(A) 側面
図及び同図(B) 平面図において、１は前後１対の据付け
脚部２で甲板０１上に固定された積込み架台、３は長尺
物０７を搭載する搭載用架台で、これは積込み架台１の
前端部上に軸支され左右方向に延びる搭載架台支持軸４
で前下り回動可能に枢支されている。そして、傾斜用サ
ーボモータ５と減速機６は一体的に搭載用架台３のフレ
ーム内に固定されており、減速機６の図示省略の出力軸
はボールスクリユ７に接続されており、傾斜用サーボモ
ータ５を駆動することにより、ボールスクリユ７が回転
し、これに螺合された移動片８が前後方向に移動する。

【００１２】この移動により、移動片８と積込み架台１
の前側据付け脚部２の下部に軸支された水平ピン９の間
を連結した支持棒１０が水平ピン９を支点として矢印１
１方向に回動運動すると、搭載用架台３が搭載架台支持
軸４を支点として矢印１２で示す反時計方向に傾動す
る。この傾動角は移動片８の移動量、あるいはボールス
クリユ７、すなわち傾斜用サーボモータ５の回転量で検
出が可能であり、これらの信号により自動運転・停止が
可能である。

【００１３】次に、積込み用サーボモータ１３，減速機
１４，ワイヤドラム１５は、それぞれ搭載用架台３の後
方内部に固定されており、ワイヤドラム１５に巻取られ
た積込みロープ１６は、搭載用架台３に支持された滑車
１７，１８を介して長尺物０７の前端付近に固定した固
定金具１９に連結される。積込み用サーボモータ１３を
停止している状態で、搭載用架台３を一点鎖線のように
前端を下げて傾斜させたときは、固定金具１９に連結し
た積込みロープ１６で長尺物０７が落下することを防止
している。

【００１４】図示一点鎖線にて示す搭載用架台３の傾斜
状態で積込み用サーボモータ１３を積込み方向に駆動す
れば、長尺物０７は積込みロープ１６に吊られた状態で
傾斜搬入筒０２内に矢印２０の方向に下ろされることに
なる。この場合、積込み速度は積込み用サーボモータ１
３の回転速度を制御することにより自動調整することが
可能である。

【００１５】さらに、傾斜機構と同様に積込み用サーボ
モータ１３やワイヤドラム１５の回転量を検出すること
により、所定の位置で自動停止させることも可能であ
る。なお、搭載用架台３と長尺物０７の間には積込み時
における両者間の摩擦を低減させる目的から、回転ロー
ラ２１が積込み方向に複数縦列的に設置されている。ま
た積込みロープ１６の途中に張力センサ等を配設するこ
と等により、積込みロープ１６の引張り荷重信号等を利
用した自動停止操作も可能となる。

【００１６】次に、図２に本発明の積込み装置を使用し
た長尺物０７の積込み作業の流れ図を示す。本装置によ
れば長尺物０７を設置した搭載用架台３の傾斜作業及び
長尺物の積込み作業もリモートコントローラ２２を使っ
た遠隔操作にて行うことが可能となる。

【００１７】このような、実施例の装置によれば、下記
効果が奏せられる。 (1) 船体内に固定された傾斜搬入筒と、甲板上に仮設さ
れ上記傾斜搬入筒の軸線の延長上に船外から吊り下ろし
載置された長尺物の軸線を一致させることが可能な搭載
用架台とを有する長尺物の船体内積込み装置において、
水平姿勢〜傾斜姿勢に回動することが可能な搭載用架台
を設けた場合には、甲板上の搭載用架台への船外からの
吊り下ろし載置が容易となり、したがって、省力性，省
人性及び安全性が向上する。

【００１８】(2) 上記(1) の構成要件のほかに、搭載用
架台の内部に配設された搭載用架台の自動傾斜機構と傾
斜搬入筒内への長尺物自動滑り下ろし機構とを設けた場
合には、甲板上の搭載用架台への船外からの吊り下ろし
載置が容易となるとともに、船体内の傾斜搬入筒への滑
り下ろしが容易となり、したがって、さらに省力性，省
人性及び安全性が向上する。

【００１９】

【発明の効果】要するに、請求項１の発明によれば、船
体内に固定された傾斜搬入筒と、甲板上に仮設され上記
傾斜搬入筒の軸線の延長上に船外から吊り下ろし載置さ
れた長尺物の軸線を一致させることが可能な搭載用架台
とを有する長尺物の船体内積込み装置において、水平姿
勢〜傾斜姿勢に回動することが可能な搭載用架台を具え
たことにより、甲板上の搭載用架台への船外からの吊り
下ろし載置が容易な、したがって、省力性，省人性及び
安全性に優れた長尺物の船体内積込み装置を得るから、
本発明は産業上極めて有益なものである。

【００２０】また、請求項２の発明によれば、請求項１
の長尺物の船体内積込み装置において、搭載用架台の内
部に配設された搭載用架台の自動傾斜機構と傾斜搬入筒
内への長尺物自動滑り下ろし機構とを具えたことによ
り、甲板上の搭載用架台への船外からの吊り下ろし載置
が容易であるとともに、船体内の傾斜搬入筒への滑り下
ろしが容易な、したがって、さらに、省力性，省人性及
び安全性に優れた長尺物の船体内積込み装置を得るか
ら、本発明は産業上極めて有益なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を図３に示す船体構造に適用した一実施
例を示し、(A) ，(B) はそれぞれ側面図，平面図であ
る。

【図２】図１に示す船体内積込み装置による長尺物の積
込み手順を示す流れ図である。

【図３】公知の船体内積込み装置による長尺物の積込み
手順を示す流れ図である。

【符号の説明】

１ 積込み架台 ２ 据付け脚部 ３ 搭載用架台 ４ 搭載架台支持軸 ５ 傾斜用サーボモータ ６ 減速機 ７ ボールスクリユ ８ 移動片 ９ 水平ピン １０ 支持棒 １１ 矢印 １２ 矢印 １３ 積込み用サーボモータ １４ 減速機 １５ ワイヤドラム １６ 積込みロープ １７ 滑車 １８ 滑車 １９ 固定金具 ２０ 矢印 ２１ 回転ローラ ２２ リモートコントローラ ０１ 甲板 ０２ 傾斜搬入筒 ０４ 滑台 ０６ 吊り下ろしロープ ０７ 長尺物 ０８ 作業員

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 船体内に固定された傾斜搬入筒と、甲板
   上に仮設され上記傾斜搬入筒の軸線の延長上に船外から
   吊り下ろし載置された長尺物の軸線を一致させることが
   可能な搭載用架台とを有する長尺物の船体内積込み装置
   において、水平姿勢〜傾斜姿勢に回動することが可能な
   搭載用架台を具えたことを特徴とする長尺物の船体内積
   込み装置。
2. 【請求項２】 請求項１の長尺物の船体内積込み装置に
   おいて、搭載用架台の内部に配設された搭載用架台の自
   動傾斜機構と傾斜搬入筒内への長尺物自動滑り下ろし機
   構とを具えたことを特徴とする長尺物の船体内積込み装
   置。