JPH08142128A - 加圧または加圧切断部材を内装した射出金型 - Google Patents

加圧または加圧切断部材を内装した射出金型

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JPH08142128A
JPH08142128A JP31423794A JP31423794A JPH08142128A JP H08142128 A JPH08142128 A JP H08142128A JP 31423794 A JP31423794 A JP 31423794A JP 31423794 A JP31423794 A JP 31423794A JP H08142128 A JPH08142128 A JP H08142128A
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岡田晴雄
Toshimi Kato
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加振プレートを突出と加振の両方に兼用する
ことにより突出プレートを省略し、金型の小型化とコス
トの低減を可能とする。 【構成】 固定盤11と型閉する可動盤12の内部に加
振プレート6を移動自在に設ける。加振プレート6にキ
ャビティ13内の樹脂を部分的に加圧または加圧切断す
る加振部材5を突設する。加振プレート6にフランジ4
1を後端に設けた突出ピン4を加振プレート後部内に形
成した凹所63にフランジ41を収容して貫挿する。フ
ランジ41から所要スペースを隔てた後方の凹所内に係
止縁65を突設する。型取付板31の内面に突設した支
持部材32により突出ピン後端を支え、突出ピン先端を
加振部材5の先端と共にキャビティ13に臨ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金型内のキャビティ
に射出充填した樹脂を冷却中に振動を部分的に与えて加
圧またはゲートカット等の切断処理を行うことができる
射出金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】キャビティに射出充填した樹脂に加振周
波数が10Hz 程度の振動を部分的に与え、打抜やゲー
トカット、部分圧縮、流動性の向上等の種々の処理を施
すことができる射出金型は既に公知となっている。
【0003】この従来の射出金型は、固定型に対して開
閉自在に配置した可動型の内部に、先端が金型内のキャ
ビティに臨む所要数の加振ピンを前面に止着した加振プ
レートを収容し、その加振プレートを油圧作動の振動発
生装置が備える加振ロッドに当接し、リターンスプリン
グを反力として前後に振動し、振動ピンにより金型内の
樹脂を部分的に処理する構成よりなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常の射出金型では型
開き後に成形品を離型する突出ピンを不可欠とする。こ
の突出ピンは突出プレートに突設してあるので、加振手
段を備えた金型では突出プレートに加えて、加振プレー
トを可動型内に収容している。このため両プレートの移
動スペースが必要となり、また互いに干渉しないように
組込みを行う必要があるなど、通常の射出金型に比べて
内部構造が複雑となり易い。
【0005】この発明は上記課題を解決するために考え
られたものであって、その目的は突出プレートを省略し
ても加振プレートの兼用により加振と突出の両方がで
き、また加振プレートの兼用によって金型の小型化とコ
ストの低減を可能とする新たな構成の射出金型を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的によるこの発明
は、成形機の固定盤に取付けられる固定型と、固定盤に
対し移動自在な可動盤に取付けられる可動型とからな
り、その可動型にキャビティ内の樹脂を部分的に加圧ま
たは加圧切断する加振部材を加振プレートに突設して内
装し、その加振プレートに加振ロッドを型取付板を貫通
して当接可能に構成した射出金型において、上記加振プ
レートにフランジを後端に設けた突出ピンを、該加振プ
レートの後部内に形成した凹所に上記フランジを収容し
て貫挿し、そのフランジから所要スペースを隔てた後方
の凹所内に係止縁を加振プレートに固定して突設する一
方、型取付板の内面に突設した支持部材により突出ピン
後端を支え、突出ピン先端を上記加振部材の先端と共に
キャビティに臨ませてなる、というものであり、さらに
は上記加振部材を管状に形成して先端をキャビティ中央
部に臨ませ、かつ内部に上記突出ピンを相対的に可動自
在に備えるというものでもある。
【0007】
【作 用】上記構成では加振ロッドを介して加振プレー
トが受ける振動が直接加振部材に伝達されるようになる
が、突出部材には後方のスペースにより伝達されず、加
振部材のみが軸方向に振動して先端に接する部分の樹脂
を励振し、ゲートカットや打抜き或いは加圧圧縮などの
処理がなされる。
【0008】また型開後に加振ロッドを前進移動させる
と、加振プレートも前進して上記スペースが縮小し、係
止縁がフランジと接するようになるので、突出ピンは加
振プレートと一緒に前進移動する。これにより成形品が
キャビティ半部から突出されて離型する。
【0009】
【実施例】図中1は金型で、成形機の固定盤2に型取付
板21をもって取付けられる固定型11と、可動盤3に
型取付板31をもって取付けられる可動型12とからな
り、両型の型閉によりキャビティ13が形成される。
【0010】上記可動型12の内部には、突出ピン4と
加振部材5とがそれぞれ先端を上記キャビティ13に臨
ませて軸方向に可動自在に挿入してある。また可動型1
2の後部内は空所に形成され、そこに加振プレート6が
リターンスプリング7を設けて進退自在に収容してあ
り、その加振プレート6に突出ピン4と加振部材5とが
取付けてある。
【0011】上記加振プレート6は、図では省略した
が、正面形状が十字形で前部プレート61と後部プレー
ト62とを積重してボルトなどにより一体的に縫着した
ものかになる。上記前部プレート61の中央の交差部分
には管状の加振部材5の貫挿孔が、両端部には突出ピン
4の貫挿孔がそれぞれ貫設してある。また上記後部プレ
ート62には、プレート後面に開口した凹所63が上記
中央部及び貫通孔の位置ごとに同心円に形成してあり、
各凹所63の中央には加振部材5の内孔または上記貫挿
孔の延長孔が穿設してある。
【0012】上記突出ピン4及び加振部材5は後端にフ
ランジ41,51をそれぞれを一体に有し、加振部材5
はそのフランジ51を前部プレート61と後部プレート
62とにより挟持固定して加振プレート6の前面に突設
してある。また突出ピン4は上記凹所63から貫挿孔ま
たは加振部材内に挿通してフランジ41を該凹所63に
収容し、そのフランジ41よりも小径で上記型取付板3
1の内面に突設した支持部材32により支えて、加振プ
レート6の前面または加振部材内に可動自在に突設して
ある。
【0013】上記後部プレート62の後面には、上記フ
ランジ41を介して突出ピン4を加振プレート6と共に
前進移動させる係止プレート64がねじビス(図は省
略)等を用いて張り設けてある。この係止プレート64
には上記凹所63の位置ごとに、該凹所より小径である
が上記支持部材32よりも大径の開口部が穿設してあ
り、この開口部の周縁がフランジ41から所要スペース
を隔てた後方に突出位置し、かつフランジ41と係合し
て突出ピン4を加振プレート6と共に前進移動する係止
縁65を形成している。
【0014】上記加振プレート6の背部には、型取付板
31及び可動盤3など貫通して加振ロッド8が当接して
ある。この加振ロッド8は図では省略したが油圧シリン
ダによる振動発生装置の振動軸に接続してあり、また振
動発生装置の油圧回路には比例流量弁やサーボバルブが
設けられ、これらの操作により振動軸が前後運動して振
動を発生し、前進位置の制御も行えるようになってい
る。
【0015】上記構成の射出金型1では、加振ロッド8
を介して加振プレート6が受ける振動が直接加振部材5
に伝達されるようになるが、突出ピン4には凹所63に
収容したフランジ41の後方のスペースにより振動は伝
達されず、加振部材5のみが軸方向に振動してキャビテ
ィ13に射出充填した樹脂を先端により部分的に励振し
ながら前進する。
【0016】これによりキャビティ13により成形され
た成形品9の中央部が、管状の上記加振部材5により円
形に打ち抜かれて、図2に示すようにスプル91がカッ
トされる。
【0017】型開後にさらに加振ロッド8を前進移動さ
せると、加振プレート6も加振部材5と共に前進して上
記スペースが縮小し、係止縁65がフランジ41と接す
る。これにより突出ピン4も加振プレート6と一緒に前
進移動するようになって、中央の突出ピン4はスプル9
1を、また両側の突出ピン4は成形品9をキャビティ半
部から突出し、図3に示すよう金型からの離型を行う。
【0018】離型後に加振ロッド8を後退移動させる
と、リターンスプリング7により加振プレート6が元の
位置に押し戻され、突出ピン4は支持部材32により支
えられて次回の突出に備えられる。
【0019】図4に示す実施例は、加振部材によりキャ
ビティ内のゲート14をカットする場合であって、この
ときにはピンによる加振部材5をゲート14に臨ませ、
そのピンを加振プレート6とともに振動してゲートカッ
トを行う。
【0020】なお、実施例としての説明は省略したが、
加振部材によりキャビティ内の樹脂を部分的に加圧して
圧縮したり、溶融状態の樹脂に振動を与えて流動性の向
上を図る場合にも、突出部材と加振部材の配置をそれな
りに設定するだけでよく、構成上の変更は要しないの
で、この発明は加圧切断を行う射出金型のみに制限され
るものではない。
【0021】
【発明の効果】この発明は上述のように、加振プレート
に突出ピントを加振部材と共に取付けたので、突出プレ
ートが不要となり、また加振プレートの移動スペースを
可動型内に設けるだけでよいので、金型の簡素化と相俟
って小型とすることができ、金型コストも低減する。さ
らにまた加振プレートを突出プレートに兼用するので、
加振装置を突出に利用して従来の金型が備える突出装置
を省略することもでき、既存の金型にも応用することが
できる利点を有する。
【0022】またフランジを後端に設けた突出ピンを、
該加振プレートの後部内に形成した凹所に上記フランジ
を収容して貫挿し、そのフランジから所要スペースを隔
てた後方の凹所内に係止縁を加振プレートに固定して突
設する一方、型取付板の内面に突設した支持部材により
突出ピン後端を支え、突出ピン先端を上記加振部材の先
端と共にキャビティに臨ませて加振が先行するよう構成
したので、加振時に突出ピンが作動するようなこともな
く、加振と突出の二つの動作を加振プレートをもって常
に確実に行うことができるなどの特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る射出金型の型閉時の断面図で
ある。
【図2】 同じく成形品打抜時の断面図である。
【図3】 同じく成形品離型時の断面図である。
【図4】 この発明の他の実施例の型閉時の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 射出金型 2 固定盤 3 可動盤 4 突出ピン 5 加振部材 6 加振プレート 7 リターンスプリング 8 加振ロッド 9 成形品 11 固定型 12 可動型 13 キャビティ 14 ゲート 21 固定型の型取付板 31 可動型の型取付板 32 支持部材 41 突出ピンのフランジ 51 加振部材のフランジ 61 前部プレート 62 後部プレート 63 凹所 65 係止縁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形機の固定盤に取付けられる固定型
    と、固定盤に対し移動自在な可動盤に取付けられる可動
    型とからなり、その可動型にキャビティ内の樹脂を部分
    的に加圧または加圧切断する加振部材を加振プレートに
    突設して内装し、その加振プレートに加振ロッドを型取
    付板を貫通して当接可能に構成した射出金型において、 上記加振プレートにフランジを後端に設けた突出ピン
    を、該加振プレートの後部内に形成した凹所に上記フラ
    ンジを収容して貫挿し、そのフランジから所要スペース
    を隔てた後方の凹所内に係止縁を加振プレートに固定し
    て突設する一方、型取付板の内面に突設した支持部材に
    より突出ピン後端を支え、突出ピン先端を上記加振部材
    の先端と共にキャビティに臨ませてなることを特徴とす
    る加圧または加圧切断部材を内装した射出金型。
  2. 【請求項2】 上記加振部材は管状で先端はキャビティ
    中央部に臨み、かつ内部に上記突出ピンを相対的に可動
    自在に備えることを特徴とする請求項1の記載の加圧ま
    たは加圧切断部材を内装した射出金型。
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