JP4622118B2 - 配線板の成形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板などに加工して使用される配線板の成形装置に関するものであり、特に、回路を設けた配線基板の表面に絶縁樹脂層を形成して回路と絶縁樹脂層を逐次的に設けるビルドアップ工法で配線板を製造するにあたって、樹脂フィルムで配線基板の表面に絶縁樹脂層を成形するための成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器等に用いられるプリント配線板にあって、近年の電子機器の小型化や高性能化の要請に伴い、プリント配線板の回路の高密度化への要求が高まってきている。そこで、特開平2−260491号公報などで開示されているように、配線基板の表面に永久レジストからなる絶縁樹脂層及び回路パターンを逐次的に形成する、いわゆるビルドアップ工法によって高密度な回路を形成した配線板を製造することが行なわれている。このものは、従来は平面状に広がった回路を三次元的に配置し、回路配置の高密度化と基板面積の小面積化を達成しようとするものである。
【0003】
このビルドアップ工法でプリント配線板を作製する場合、一般的にセミアディティブ法で回路形成が行なわれている。すなわち、回路が形成された配線基板に液状樹脂を塗布又は印刷し、これを硬化させて絶縁樹脂層を形成し、次にこの絶縁樹脂層の表面に無電解メッキや電解メッキを施して回路形成をするのである。しかし、このように液状樹脂を配線基板に塗布又は印刷して絶縁樹脂層を形成する場合、配線基板の一方の片面に液状樹脂を塗布又は印刷して加熱乾燥させた後、配線基板の他方の片面に液状樹脂を塗布又は印刷して加熱乾燥させるようにする必要があり、配線基板の表裏両面の絶縁樹脂層は熱履歴の差で硬化度が異なる。そしてこのように表裏両面の絶縁樹脂層の硬化度が異なると、次の工程で絶縁樹脂層にメッキとの密着性向上のための粗面化処理をする際の粗面化の度合いが異なって、表裏でメッキピール強度が安定しないというトラブルの発生につながるおそれがあると共に、また配線板に反りが大きく発生するトラブルにつながるおそれがある。
【0004】
そこで、配線基板に液状樹脂を塗布又は印刷して絶縁樹脂層を形成する代わりに、加熱することによって溶融した後に永久レジストになる樹脂フィルムを用い、配線基板の両面に樹脂フィルムを重ね、これを加熱加圧して積層することによって、樹脂フィルムが溶融硬化して形成される絶縁樹脂層を配線基板に設ける工法が提案されている。この工法では、表裏同時に熱を受けるために、表裏両面の絶縁樹脂層の熱履歴が同じであって硬化度が同じになり、上記のような粗面化の相異によるメッキピール強度の不安定や、反りのトラブルを回避することできるのである。
【0005】
そして、配線基板に重ねた樹脂フィルムを加熱加圧し、樹脂フィルムが溶融硬化して形成される絶縁樹脂層を配線基板に積層するための成形装置として、図6に示すものが本出願人によって検討されている。
【0006】
すなわち図6において、1は上下に対向して配置される一対の熱盤、2は各熱盤1の対向側に配置される一対の成形板であって、上の成形板2は上の熱盤1の下面に弾性板15を介して取り付けてあり、下の成形板2は下の熱盤1の上面側に設けたダイアフラム16の上に取り付けてある。また上下の熱盤1,1の間には上下に重ねた2枚の長尺の搬送用フィルム5が配設してあり、上下の熱盤1,2を離間する方向に移動させて開いた状態で、搬送用フィルム5は長手方向に移送されるようにしてある。そして表面に回路を加工して形成される配線基板4の表面に樹脂フィルム3を重ね、これを搬送用フィルム5の間に挟むことによって、配線基板4に樹脂フィルム3を重ねた状態で搬送用フィルム5の間に保持されるようにしてある。
【0007】
しかして、上下の熱盤1,1を開いた状態で搬送用フィルム5を移送し、配線基板4に樹脂フィルム3を重ねたものを上下の熱盤1,1の間に搬入した後、上下の熱盤1,1を近接させるように駆動させて閉じると共にダイアフラム16を風船のように膨らませることによって、熱盤1,1で加熱しながら、成形板2,2で搬送用フィルム5を介して配線基板4と樹脂フィルム3を加圧し、樹脂フィルム3を溶融・硬化させて形成される絶縁樹脂層6を配線基板4の表面に積層することができる。このようにして成形を行なった後、上下の熱盤1,1を開いて搬送用フィルム5を移送し、成形済みの配線基板4を熱盤1,1間から送り出すことができるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにして加熱加圧して成形を行なうにあたって、成形板2は表面が平滑面に形成されているので、成形板2と搬送用フィルム5とが真空密着した状態になり、成形を行なった後に上下の熱盤1,1を開いても一方の成形板2に搬送用フィルム5が密着したままになっていることがある。上記の加熱加圧の成形を真空系で行なう場合に、このような成形板2と搬送用フィルム5との真空密着が生じ易い。
【0009】
そしてこのように上下の熱盤1,1を開いても一方の成形板2に搬送用フィルム5が密着したままになっていると、成形済みの配線基板4を熱盤1,1間から送り出すために搬送用フィルム5を移送させる際に、搬送用フィルム5が破れるなどのトラブルが発生する原因になるものであり、また成形板2から搬送用フィルム5を剥がすのに時間がかかって、成形の生産性が低下することになるものであった。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、成形板に搬送用フィルムが密着しても容易に剥がすことができ、搬送用フィルムが破れたり成形の生産性が低下したりすることを防止することができる配線板の成形装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第一の発明に係る配線板の成形装置は、対向して配置され近接離間する方向に駆動される一対の熱盤1と、各熱盤1の対向面の側に設けられる成形板2と、樹脂フィルム3を表面に重ねた配線基板4を挟んで保持すると共に熱盤1,1の間を通して長手方向に移送される一対の長尺の搬送用フィルム5とを具備して形成され、一対の熱盤1を近接駆動させることによって、搬送用フィルム5で熱盤1間に搬入された配線基板4と樹脂フィルム3を搬送用フィルム5を介して成形板2で加熱加圧し、樹脂フィルム3を溶融・硬化させて形成される絶縁樹脂層6を配線基板4の表面に積層した配線板7を成形するために用いられる成形装置であって、加熱加圧後に一対の熱盤1を離間駆動させる際に作動され、搬送用フィルム5を押圧して成形板2から離す方向に移動させる離型用シリンダー8を設けて成ることを特徴とするものである。
【0012】
また第二の発明は、第一の発明において、離型用シリンダー8に振動を与えるバイブレータ9を設けて成ること特徴とするものである。
【0013】
第三の発明に係る配線板の成形装置は、対向して配置され近接離間する方向に駆動される一対の熱盤1と、各熱盤1の対向面の側に設けられる成形板2と、樹脂フィルム3を表面に重ねた配線基板4を挟んで保持すると共に熱盤1の間を通して長手方向に移送される一対の長尺の搬送用フィルム5とを具備して形成され、一対の熱盤1を近接駆動させることによって、搬送用フィルム5で熱盤1間に搬入された配線基板4と樹脂フィルム3を搬送用フィルム5を介して成形板2で加熱加圧し、樹脂フィルム3を溶融・硬化させて形成される絶縁樹脂層6を配線基板4の表面に積層した配線板7を成形するために用いられる成形装置であって、成形板2の加圧面に通気孔10を設けて成ることを特徴とするものである。
【0014】
第四の発明に係る配線板の成形装置は、対向して配置され近接離間する方向に駆動される一対の熱盤1と、各熱盤1の対向面の側に設けられる成形板2と、樹脂フィルム3を表面に重ねた配線基板4を挟んで保持すると共に熱盤1の間を通して長手方向に移送される一対の長尺の搬送用フィルム5とを具備して形成され、一対の熱盤1を近接駆動させることによって、搬送用フィルム5で熱盤1間に搬入された配線基板4と樹脂フィルム3を搬送用フィルム5を介して成形板1で加熱加圧し、樹脂フィルム3を溶融・硬化させて形成される絶縁樹脂層6を配線基板4の表面に積層した配線板7を成形するために用いられる成形装置であって、熱盤1が離間している際に作動され、搬送用フィルム3を掴んで振動しながら移送するフィルム送りチャック11と、このフィルム送りチャック11に振動を与えるバイブレータ12を設けて成ることを特徴とするものである。
【0015】
また第五の発明は、第一乃至第四の発明において、真空引きした系内で加熱加圧が行われることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は第一の発明に係る成形装置の一例を示すものであり、ヒーター等の発熱体18を内蔵する一対の熱盤1,1が上下に対向させて配置してある。この上下一対の熱盤1,1は、下の熱盤1を上昇・下降させることによって、近接離反する方向に駆動されるようにしてある。下の熱盤1の上面には真空引き用凹部19が凹設してあり、真空引き用凹部19内に多数の小孔21を全面に設けた孔明き金属板20が凸状に張ってある。この孔明き金属板20としてはステンレスのパンチングメタル板を用いることができる。またこの下の熱盤1の上面には真空引き用凹部19を囲むようにパッキン22が設けてあって、熱盤1,1を型締めして閉じたときに真空引き用凹部19が密閉されるようにしてある。そして上の熱盤1に真空引き用凹部19に連通する真空引き用孔23が設けてあり、真空引き用孔23から密閉された真空引き用凹部19内の空気を抜くことによって、真空引き用凹部19内を真空引きすることができるようにしてある。
【0018】
また、下の熱盤1の真空引き用凹部19内には、孔明き金属板20の上面を覆うようにダイヤフラム16を張って取り付けてある。ダイヤフラム16としては、クロロプレンゴム、シリコン系ゴム、フッ素系樹脂などの軟質のゴム状弾性体のシートを用いることができる。このダイヤフラム16と下の熱盤1の真空引き用凹部19の底面との間に空気が封入される密閉空間25が形成されるようにしてあり、この密閉空間25に連通して下の熱盤1に形成した流通孔26から加圧空気などを密閉空間25に供給することによって、ダイヤフラム16を風船のように膨らませることができるようにしてある。さらにダイヤフラム16の上面には表面を平滑に形成した成形板2が接着等して取り付けてある。上記の孔明き金属板20は、ダイヤフラム16を膨らませないときに、ダイヤフラム16がこれ以上下がらないようにするためのものである。
【0019】
一方、上の熱盤1の下面にはクッションゴムで形成される弾性板15が取り付けてあり、弾性板15の下面に表面を平滑に形成した成形板2が接着等して取り付けてある。下の熱盤1と上の熱盤1にそれぞれ設けられる成形板2は、上下に対向する位置に配置されているものであり、この成形板2としてはSUS板、真鍮板、銅板などの鏡面金属板を用いることができる。また成形板2は外形寸法が、配線基板4の外形寸法より小さく且つ樹脂フィルム3の外形寸法より大きいものを用いるようにしてある。
【0020】
また、上の熱盤1には離型用シリンダー8が設けてある。離型用シリンダー8はエアーシリンダーなどのシリンダー37にシリンダーロッド38を下方へ突出するように設けて形成されるものであり、熱盤1の両側部にそれぞれ取り付けてある。図1の実施の形態では、振動を発生させるバイブレータ9を熱盤1の側面に取り付け、このバイブレータ9に離型用シリンダー8を取り付けるようにしてあり、離型用シリンダー8を振動させることができるようにしてある。この離型用シリンダー8にあって、シリンダーロッド38はその下端が上の熱盤1に設けた成形板2の下面より上に位置するようにシリンダー37内に没入しているが、離型用シリンダー8を作動させてシリンダーロッド38をシリンダー37から突出させることによって、シリンダーロッド38の下端がこの成形板2の下面よりも下方へ突出するようにしてある。
【0021】
図2は搬送用フィルム5を用いた搬送装置の一例を示すものであり、長尺に形成される一対の搬送用フィルム5,5が上下に対向して配置してあり、上の搬送用フィルム5は繰り出しロール28aから繰り出し、上下に対向配置される熱盤1,1間を通して、巻取りロール29aによって巻き取るようにしてある。また下の搬送用フィルム5は繰り出しロール28bから繰り出し、セットテーブル30の上を通過させた後に上下に対向配置される熱盤1,1間を通して、巻取りロール29bによって巻き取るようにしてある。この搬送用フィルム5としては耐熱性を有する薄いフィルムが好ましく、例えばPETフィルムを用いることができる。
【0022】
一方、配線基板4は、図3に示すように、絶縁板32の表面に回路33を設けて形成されるものであり、配線基板4の端部には回路形成工程などで位置決め用等として用いられるガイド孔34が設けてある。また樹脂フィルム3としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を半硬化状態(Bステージ)でフィルム化したものが用いられるものである。この樹脂フィルム3は、配線板において回路形成する必要のある範囲に対応する寸法に形成してある。従って樹脂フィルム3の外形寸法は配線基板4の外形寸法よりも小さく形成してあり、樹脂フィルム3を配線基板4に重ねたときに、配線基板4のガイド孔34を設けた外周端部にまで樹脂フィルム3の端部が及ばないようになっている。
【0023】
そして、配線基板4に樹脂フィルム3からなる絶縁樹脂層6を積層して図3(b)のような配線板7を成形するにあたっては、まず図3(a)のように配線基板4の上下両面にそれぞれ樹脂フィルム3を重ね、これをセットテーブル30の上で下の搬送用フィルム5の上に載置する。上下一対の各搬送用フィルム5,5は熱盤1,1が開いている際に繰り出しロール28a,28bから繰り出して移送されるようになっており、各搬送用フィルム5,5を移送することによって、この配線基板4と樹脂フィルム3を重ねたものを搬送用フィルム5,5の間に挟んだ状態で図1(a)のように熱盤1,1間に導入してセットすることができるものである。
【0024】
次に下の熱盤1を上昇駆動させて上下の熱盤1,1を型締めすることによって、上の熱盤1の成形板2と下の熱盤1の成形板2の間に配線基板4と樹脂フィルム3を挟み込み、この状態で加熱加圧成形が行なわれるものである。このとき、上下の熱盤1,1を型締めすることによって密閉される真空引き用凹部19内を真空引き用孔23から真空引きすると共に、ダイヤフラム16の背面の密閉空間25に流通孔26から加圧空気を供給してダイヤフラム16を膨らませる。すると図1(b)に示すように、配線基板4の両面に重ねた各樹脂フィルム3,3の表面に搬送用フィルム5,5を介して成形板2,2が密着すると共に、配線基板4のうち樹脂フィルム3の外方に位置する四周の端部の両面にはそれぞれ加圧空気で膨らんだダイヤフラム16が弾性的に変形して密着される。
【0025】
そしてこの状態で配線基板4の両面に重ねた樹脂フィルム3を成形板2で加圧しながら熱盤1,1で加熱して、加熱加圧成形をすることができるものであり、樹脂フィルム3が加熱加圧で溶融・硬化することによって形成される絶縁樹脂層6を配線基板4の両面に積層した、図3(b)に示すような配線板7を得ることができるものである。ここで、上記のように成形を行なうにあたって、樹脂フィルム3の表面は平滑で硬い成形板2で加圧されているので、樹脂フィルム3が加熱されることによって溶融状態になった樹脂を成形板2で押圧して、強制的に回路33間に流入させて充填することができるものであり、回路33間に気泡が残って絶縁樹脂層6内に気泡残りが発生することを防ぐことができるものである。また平滑な成形板2で押圧されるために、絶縁樹脂層6の表面を平滑に仕上げることができ、絶縁樹脂層6の表面に凹凸が発生することを防ぐことができるものである。さらに、配線基板4の周縁端部にはダイヤフラム16が密着した状態で成形が行なわれるので、樹脂フィルム3が溶融した樹脂が配線基板4の端部へ流れ出すことをダイヤフラム16が配線基板4に密着していることによって防ぐことができ、樹脂フィルム3の溶融樹脂が配線基板4の端部に流れてはみ出すことを規制することができるものであり、配線基板4の端部に設けられているガイド孔34がこのはみ出した絶縁樹脂層6の樹脂で埋まってしまうことを防ぐことができるものである。
【0026】
また、上記の成形は、真空引き用凹部19内において真空引きされた系内で行なわれるものであり、空気が存在しない状態で樹脂フィルム3の加熱加圧成形を行なうことができるために、絶縁樹脂層6内に気泡残りが発生することを防ぐことができるものである。尚、図1の実施の形態では、熱盤1に真空引き用凹部19を設けて熱盤1,1間を真空引き系にして成形を行なうようにしたが、図2のように熱盤1,1の全体を真空チャンバー35に収容し、真空チャンバー35内を真空引き系にして成形を行なうようにしてもよい。
【0027】
そして上記のように成形が終了した後、下の熱盤1を下動させて図1(c)のように熱盤1,1を上下に開き、各搬送用フィルム5,5を巻取りロール29a,29bに巻き取ることによって搬送用フィルム5,5を移送し、搬送用フィルム5,5間に保持された配線板7を熱盤1,1間から送り出して取り出すことができる。熱盤1の側方にフィルム送りチャック39を設けておき、このフィルム送りチャック39で搬送用フィルム5,5をチャックして移動させることによって、搬送用フィルム5,5を移送させるようになっていてもよい。
【0028】
このとき、上記の成形の際に成形板2と搬送用フィルム5とが真空密着した状態になり、上下の熱盤1,1を開いても成形板2に搬送用フィルム5が密着したままになっていることがあり、特に成形を真空系で行なう場合にこのような成形板2と搬送用フィルム5との真空密着が生じ易い。また図1の実施の形態では、下の熱盤1は上下に駆動され、上の熱盤1は固定状態にあるので、上下の熱盤1,1を開いた際に、上の熱盤1の成形板2に搬送用フィルム5が密着していることが多い。そこで、成形が終了した後に上下の熱盤1,1を開く際に、この型開きに連動して、上の熱盤1に付設した離型用シリンダー8を作動させ、図1(c)のように離型用シリンダー8のシリンダーロッド38を下方へ突出させることによって、シリンダーロッド38の先端で搬送用フィルム5を押圧し、搬送用フィルム5を上の熱盤1の成形板2から離す方向に移動させて、成形板2から搬送用フィルム5を離型させるようにしてある。このとき、離型用シリンダー8を作動させると同時にバイブレータ9も作動して離型用シリンダー8に振動が与えられるようにしてあり、振動を加えながら搬送用フィルム5を押圧することによって、搬送用フィルム5が成形板2から容易に剥がれるようにしてある。このようにして、成形板2に搬送用フィルム5が密着しても容易に剥がすことができるので、搬送用フィルム5を移送する際に搬送用フィルム5が破れるようなことがなくなると共に、成形板2から搬送用フィルム5を剥がすのに手間取って成形の生産性が低下したりするようなことがなくなるものである。
【0029】
上記のようにして熱盤1,1間から送り出された配線板7を搬送用フィルム5,5間から離脱させて取り出した後、各搬送用フィルム5,5は巻取りロール29a,29bに巻き取られる。またこのように成形して得られた図3(b)の配線板7において、配線基板4の表面に設けた回路33は絶縁樹脂層6によって覆われている。そしてこの絶縁樹脂層6の表面に次工程で回路33を形成し、さらに上記と同様に絶縁樹脂層6と回路33を逐次的に形成することによって、最終的には多層プリント配線板として仕上げることができるものである。
【0030】
図4は第三の発明に係る成形装置の一例において用いる成形板2を示すものであり、成形板2の加圧を行なう側の表面に開口させて通気孔10が穿設してある。この通気孔10は成形板2内に形成した連通孔41を通して、成形板2の側面の開口に連通するようにしてある。連通孔41は図4(a)のように成形板2内に設けた空洞孔だけで形成するようにしてもよく、図4(b)のように一部が成形板2の背面の溝で形成されていてもよい。そして、図1の成形装置の成形板2として、図4(a)あるいは図4(b)の連通孔10付きの成形板2を用いることによって、第二の発明に係る成形装置を構成することができるものである(後述の図5の成形装置の成形板2として連通孔10付きの成形板2を用いることもできる)。
【0031】
ここで、成形板2としてこのような連通孔10付きのものを用いると、成形の際には成形板2と搬送用フィルム5が真空密着していても、成形が終わった後に上下の熱盤1,1を開くと、成形板2と搬送用フィルム5との間に連通孔10から空気が入って真空状態が開放されるので、成形板2と搬送用フィルム5は真空密着しなくなり、成形板2から搬送用フィルム5が容易に剥がれるものである。
【0032】
図5は第四の発明に係る成形装置の一例を示すものであり、熱盤1の側方にフィルム送りチャック11を配置して設けてある。フィルム送りチャック11は搬送用フィルム5の送り方向と平行に熱盤1に近付いたり離れたりする方向で往復移動駆動されるようにしてあり、一対の搬送用フィルム5,5を上下から挟み込んでチャックする一対の爪42,42を設けて形成してある。またこのフィルム送りチャック11にはバイブレータ12が設けてあり、フィルム送りチャック11に振動を与えることができるようにしてある。その他の構成は図1のものと同じである。
【0033】
そして図5の成形装置にあって、図1(a)(b)と同様にして成形を終えた後に、上下の熱盤1,1が開かれると、フィルム送りチャック11で搬送用フィルム5がチャックされ、フィルム送りチャック11が熱盤1から離れる方向に移動駆動して、搬送用フィルム5をこのフィルム送りチャック11で引いて移送させるようにしてあり、成形して得られた配線板7を搬送用フィルム5とともに熱盤1,1間から送り出すようになっている。このとき、フィルム送りチャック11が搬送用フィルム5をチャックする際に、バイブレータ12が作動してフィルム送りチャック11に上下方向の振動が与えられるようになっている。このようにフィルム送りチャック11が振動すると、振動が搬送用フィルム5に伝わって成形板2に密着している搬送用フィルム5が容易に剥がれるものである。
【0034】
【発明の効果】
上記のように第一の発明に係る配線板の成形装置は、対向して配置され近接離間する方向に駆動される一対の熱盤と、各熱盤の対向面の側に設けられる成形板と、樹脂フィルムを表面に重ねた配線基板を挟んで保持すると共に熱盤の間を通して長手方向に移送される一対の長尺の搬送用フィルムとを具備して形成され、一対の熱盤を近接駆動させることによって、搬送用フィルムで熱盤間に搬入された配線基板と樹脂フィルムを搬送用フィルムを介して成形板で加熱加圧し、樹脂フィルムを溶融・硬化させて形成される絶縁樹脂層を配線基板の表面に積層した配線板を成形するために用いられる成形装置において、加熱加圧後に一対の熱盤を離間駆動させる際に作動され、搬送用フィルムを押圧して成形板から離す方向に移動させる離型用シリンダーを設けるようにしたので、離型用シリンダーを作動させて搬送用フィルムを押圧することによって、成形板から搬送用フィルムを容易に離型させることができるものであり、搬送用フィルムが破れたり成形の生産性が低下したりすることを防止することができるものである。
【0035】
また第二の発明は、離型用シリンダーに振動を与えるバイブレータを設けるようにしたので、振動を加えながら搬送用フィルムを押圧することができ、搬送用フィルムを成形板から容易に剥がすことができるものである。
【0036】
第三の発明に係る配線板の成形装置は、成形板の加圧面に通気孔を設けるようにしたので、成形板と搬送用フィルムとの間に連通孔から空気が入って真空状態を開放することができ、成形板から搬送用フィルムを容易に離型させることができるものであり、搬送用フィルムが破れたり成形の生産性が低下したりすることを防止することができるものである。
【0037】
第四の発明に係る配線板の成形装置は、熱盤が離間している際に作動され、搬送用フィルムを掴んで振動しながら移送するフィルム送りチャックと、このフィルム送りチャックに振動を与えるバイブレータを設けるようにしたので、フィルム送りチャックの振動によって成形板に密着している搬送用フィルムを容易に剥がすことができるものであり、搬送用フィルムが破れたり成形の生産性が低下したりすることを防止することができるものである。
【0038】
また第五の発明は、真空引きした系内で加熱加圧が行われるようにしたので、空気が存在しない状態で樹脂フィルムの加熱加圧を行なうことができ、絶縁樹脂層内に気泡残りが発生することを防ぐことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一の発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b),(c)はそれぞれ断面図である。
【図2】 搬送用フィルムによる搬送装置を示す概略図である。
【図3】 (a)は配線基板と樹脂フィルムを示す断面図、(b)は配線板の断面図である。
【図4】 第三の発明の実施の形態に用いる成形板の一例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【図5】 第四の発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図6】 従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 熱盤
2 成形板
3 樹脂フィルム
4 配線基板
5 搬送用フィルム
6 絶縁樹脂層
7 配線板
8 離型用シリンダー
9 バイブレータ
10 通気孔
11 フィルム送りチャック
12 バイブレータ

Claims (4)

  1. 対向して配置され近接離間する方向に駆動される一対の熱盤と、各熱盤の対向面の側に設けられる成形板と、樹脂フィルムを表面に重ねた配線基板を挟んで保持すると共に熱盤の間を通して長手方向に移送される一対の長尺の搬送用フィルムとを具備して形成され、一対の熱盤を近接駆動させることによって、搬送用フィルムで熱盤間に搬入された配線基板と樹脂フィルムを搬送用フィルムを介して成形板で加熱加圧し、樹脂フィルムを溶融・硬化させて形成される絶縁樹脂層を配線基板の表面に積層した配線板を成形するために用いられる成形装置であって、加熱加圧後に一対の熱盤を離間駆動させる際に作動され、搬送用フィルムを押圧して成形板から離す方向に移動させる離型用シリンダーと、この離型用シリンダーに振動を与えるバイブレータとを設けて成ることを特徴とする配線板の成形装置。
  2. 対向して配置され近接離間する方向に駆動される一対の熱盤と、各熱盤の対向面の側に設けられる成形板と、樹脂フィルムを表面に重ねた配線基板を挟んで保持すると共に熱盤の間を通して長手方向に移送される一対の長尺の搬送用フィルムとを具備して形成され、一対の熱盤を近接駆動させることによって、搬送用フィルムで熱盤間に搬入された配線基板と樹脂フィルムを搬送用フィルムを介して成形板で加熱加圧し、樹脂フィルムを溶融・硬化させて形成される絶縁樹脂層を配線基板の表面に積層した配線板を成形するために用いられる成形装置であって、熱盤が離間している際に作動され、搬送用フィルムを掴んで振動しながら移送するフィルム送りチャックと、このフィルム送りチャックに振動を与えるバイブレータを設けて成ることを特徴とする配線板の成形装置。
  3. 形板の加圧面に通気孔を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線板の成形装置。
  4. 真空引きした系内で加熱加圧が行われることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の配線板の成形装置。
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