JPH08141498A - 鋳鉄管外面の塗装方法 - Google Patents

鋳鉄管外面の塗装方法

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JPH08141498A
JPH08141498A JP28503294A JP28503294A JPH08141498A JP H08141498 A JPH08141498 A JP H08141498A JP 28503294 A JP28503294 A JP 28503294A JP 28503294 A JP28503294 A JP 28503294A JP H08141498 A JPH08141498 A JP H08141498A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 予熱した鋳鉄管外面に、カルボキシル基を有
する水性ウレタン樹脂を結合剤とする水系ジンクリッチ
塗料を塗布し、次いでアクリル樹脂系エマルジョン塗料
を塗布し、形成された複層塗膜を前記予熱により乾燥さ
せることからなる鋳鉄管外面の塗装方法。 【効果】 本発明の鋳鉄管外面の塗装方法においては、
大気汚染防止、省資源が可能となり、また得られる複層
塗膜は防食性、密着性、耐湿性に優れており、更に、工
場でのライン塗装が可能であり、短時間に且つ簡便に乾
燥出来る特徴を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳鉄管外面に防食性に
優れた塗膜を簡便に且つ短時間に形成し得る鋳鉄管外面
の塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から鋳鉄管の防食方法としてジンク
リッチ塗料を塗装し、該塗膜を乾燥させた後、エマルジ
ョン塗料を塗装する方法が代表的な方法として知られて
いる。この塗装方法で用いられているジンクリッチ塗料
としては、アルキルシリケート縮合物を結合剤とする無
機系ジンクリッチ塗料とエポキシ樹脂を結合剤とする有
機系ジンクリッチ塗料が主流を占めているが、これら塗
料はいずれも溶媒として有機溶剤を使用した有機溶剤型
ジンクリッチ塗料であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年、大
気汚染防止、省資源等の観点から有機溶剤型ジンクリッ
チ塗料から、水もしくは水に少量の有機溶剤を併用した
溶媒を使用した水系ジンクリッチ塗料への転換が強く要
望されるようになってきている。水系ジンクリッチ塗料
としては、アルカリシリケートを結合剤とするジンクリ
ッチ塗料が知られているが、得られる塗膜のpHが非常
に高く、そのためエマルジョン塗料を塗り重ねて塗装す
るとブリスター等の塗膜欠陥が生じやすいという問題点
があった。
【0004】そこでジンクリッチ塗膜表面を中和した
り、水洗したりした後、エマルジョン塗料を塗装する方
法も考えられていたが、工程が増加し、時間的、コスト
的に、並びに必要な装置の追加あるいは作業スペースの
点で問題があり、特に工場でのライン塗装においては実
用的でなかった。本発明は、ジンクリッチ塗料を用いる
鋳鉄管外面の塗装方法における上記のような問題点を克
服した、即ちエマルジョン塗料を塗装する前にジンクリ
ッチ塗膜表面を中和したり、水洗したり、乾燥処理した
りする必要がなく、有機溶剤を含まないかもしくは含ん
だとしても少量ですみ、大気汚染防止、省資源が可能で
あり、かつ工場でのライン塗装が可能であり、更に、防
食性の優れた塗膜を簡便に且つ短時間に形成し得る鋳鉄
管の塗装方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、鋳鉄管自体を予熱
し、その予熱を利用してジンクリッチ塗料及びエマルジ
ョン塗料を乾燥させる技術と、ジンクリッチ塗料として
カルボキシル基を有する水性ウレタン樹脂を結合剤とす
る水系ジンクリッチ塗料を用いる技術とを組み合わせる
ことにより上記目的が達成されることを見出し、本発明
を完成した。
【0006】即ち、本発明の鋳鉄管外面の塗装方法は、
予熱した鋳鉄管外面に、カルボキシル基を有する水性ウ
レタン樹脂を結合剤とする水系ジンクリッチ塗料を塗布
し、次いでアクリル樹脂系エマルジョン塗料を塗布し、
形成された複層塗膜を前記予熱により乾燥させることを
特徴とする。以下本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明において使用する水系ジンクリッチ
塗料は、カルボキシル基を有する水性ウレタン樹脂、該
樹脂を中和するための中和剤、亜鉛末及び水を必須成分
として含有し、更に、必要に応じて通常のジンクリッチ
塗料に用いられているものと同様の体質顔料、着色顔
料、防錆顔料等の顔料;タレ止め剤、色分れ防止剤、分
散剤、沈殿防止剤、消泡剤等の各種添加剤;有機溶剤等
を配合したものから構成されている。
【0008】前記水性ウレタン樹脂は、カルボキシル基
を有し、中和剤で中和することにより水に安定に分散も
しくは溶解するものであれば特に制限なく、各種水性ウ
レタン樹脂が使用可能であるが、代表的には次のように
して製造される。即ち、カルボキシル基を持たない多価
アルコールとカルボキシル基を持つ多価アルコールと多
価イソシアネート化合物並びに必要に応じて鎖伸長剤と
を有機溶剤の存在下または非存在下で、常法によるワン
ショット法または多段法により反応させ、中和後または
中和しながら水と混合し、有機溶剤を用いた場合には必
要により有機溶媒を除去して、水性ウレタン樹脂液を製
造する。
【0009】前記カルボキシル基を持たない多価アルコ
ールとしては、ネオペンチルグリコール、ブタンジオー
ル、ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレング
リコール、水素化ビスフェノールA、トリメチロールプ
ロパン、その他ポリエステルポリオール、ポリカーボネ
ートポリオール、アクリルポリオールなどの高分子ポリ
オール等が代表的なものとして挙げられる。
【0010】前記カルボキシル基を持つ多価アルコール
としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酢
酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、ジヒドロ
キシコハク酸、グルコン酸、トリメチロールエタンや、
グリセリン等の3価アルコールと無水フタル酸等の酸無
水物との半エステル化物等が代表的なものとして挙げら
れる。
【0011】前記多価イソシアネート化合物としては、
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加
ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の各種
脂肪族、脂環族、芳香族系の多価イソシアネート化合物
が挙げられる。
【0012】前記鎖伸長剤としては、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、トリレンジアミン、キシレン
ジアミン、イソホロンジアミン等のジアミン類が代表的
なものとして挙げられる。水性ウレタン樹脂は、上記の
各成分を反応させた後、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリエタノールアミン、アンモニア等の通常の
中和剤にて、好ましくはpH7〜11になるように中和
し、水を添加することにより水溶性もしくは水分散性の
ウレタン樹脂水性液として得られる。
【0013】水性ウレタン樹脂は、分子量が5,000
〜2,000,000、好ましくは10,000〜1,00
0,000であることが適当である。また酸価が10〜
50であることが適当である。このような水性ウレタン
樹脂の市販品としては、例えばサンキュア825、82
2A(以上、グンゼ産業社製)、9D232、9D30
2(以上、カネボウエヌエスシー社製)、ユーコートU
X−2505、UX−4300(以上、三洋化成工業社
製)、ボンディック(大日本インキ化学工業社製)、ネ
オレッツ(ICIレジンズ社製)、オレスター(三井東
圧化学社製)、スーパーフレックス(第一工業製薬社
製)などがある。
【0014】その他特開昭58−7422号、特開昭5
9−71324号、特開昭59−170112号、特開
昭62−246972号、特開昭63−66266号、
特開平3−195786号、特開平4−154879
号、特開平4−214784号等の公開公報に記載の水
性ウレタン樹脂も使用可能である。前記亜鉛末として
は、通常のジンクリッチ塗料に使用されているものと同
様なものが使用出来る。即ち、金属亜鉛末あるいは亜鉛
合金末(Zn/Al合金末、Zn/Al/Mg合金末
等)の粒径0.5〜20μmの粉末状のもの、直径3〜
25μm、厚み0.5〜2μmのフレーク状のものが代
表的なものとして挙げられる。
【0015】必要に応じて配合される前記顔料として
は、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、
マイカ等の体質顔料;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化クロ
ム、酸化鉄、カーボンブラック等の着色顔料;ジンクク
ロメート、黄鉛、鉛丹、ストロンチウムクロメート、リ
ン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、縮合リン酸アルミニウ
ム、モリブデン酸亜鉛、メタホウ酸バリウム等の防錆顔
料が代表的なものとして挙げられる。特に前記リン酸塩
系防錆顔料が白錆防止性に優れているので好ましい。
【0016】また必要に応じて配合される前記有機溶剤
としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジオキサン、
アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等が代表的
なものとして挙げられる。特にN−メチル−2−ピロリ
ドンは亜鉛末表面への吸着、濡れ性がよいので好まし
い。本発明において使用する水系ジンクリッチ塗料を構
成する各成分の割合は、塗料固形分中、亜鉛末40〜9
4重量%、好ましくは70〜92重量%;水性ウレタン
樹脂5〜50重量%;好ましくは6〜30重量%;顔料
0〜50重量%、好ましくは0.5〜25重量%(内防
錆顔料0.5〜5重量%);添加剤0〜10重量%、好
ましくは0.01〜5重量%であることが適当である。
【0017】また水系ジンクリッチ塗料の揮発分は20
〜35重量%であることが適当であり、その内で水と有
機溶剤との重量比率は100:0〜80:20であるこ
とが適当である。本発明において使用するアクリル樹脂
系エマルジョン塗料は、アクリルエマルジョン樹脂及び
水を必須成分とし、更に、必要に応じて体質顔料、着色
顔料、防錆顔料等の顔料;pH調整剤、成膜助剤、消泡
剤、増粘剤、分散剤、湿潤剤等の各種添加剤;有機溶剤
等を配合したものから構成されている。
【0018】前記アクリルエマルジョン樹脂としては、
従来からアクリル樹脂系エマルジョン塗料に普通に使用
されている樹脂が利用出来る。具体的には、例えば、ア
クリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエ
ステルを主要構成モノマーとした、好ましくはそれを4
0モル%以上含む共重合体を利用することができる。こ
のアルキルエステルを構成するアルキル基としては、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、ターシャリーブチル、sec−ブチ
ル、2−エチルヘキシル、ベンジル等の炭素数1〜10
のアルキル基が代表的なものとして挙げられる。その他
コモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、イタコン酸、ビニルバーサチック酸、ヒドロキ
シエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート等の官能基含有モノマー;スチレ
ン、メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系モノ
マー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニト
リル系モノマー;エチレン、プロピレン等のオレフィン
系モノマー;酢酸ビニル等のビニル系モノマー;アクリ
ル酸アミド、メタクリル酸アミド等のアミド系モノマー
等が代表的なものとして挙げられる。
【0019】アクリルエマルジョン樹脂の分子量は2
0,000〜300,000、好ましくは50,000〜
200,000であることが適当である。なお、アクリ
ルエマルジョン樹脂は、アルキド樹脂やエポキシエステ
ル樹脂等で変性したものも使用可能である。また必要に
応じて配合される前記顔料としては、前述の水系ジンク
リッチ塗料において使用されるものと同様なものが使用
可能である。
【0020】本発明において使用するアクリル樹脂系エ
マルジョン塗料を構成する各成分の割合は、塗料固形分
中、アクリルエマルジョン樹脂25〜100重量%、好
ましくは30〜60重量%;顔料0〜75重量%、好ま
しくは40〜70重量%;添加剤0〜10重量%、好ま
しくは3〜8重量%であることが適当である。またアク
リル樹脂系エマルジョン塗料の揮発分は40〜60重量
%であることが適当である。
【0021】次に本発明の鋳鉄管外面の塗装方法につい
て説明する。被塗物である鋳鉄管外面を必要に応じ清浄
にした後、熱湯浸漬、熱風吹付け、赤外線照射等の手段
により鋳鉄管自体を約50〜95℃、好ましくは60〜
90℃に予熱し(その予熱の熱量はジンクリッチ塗料及
びエマルジョン塗料を乾燥させるのに充分な熱量であ
る)、その温度が維持されている間に前述の水系ジンク
リッチ塗料をスプレー、ローラー、刷毛等の手段により
乾燥膜厚約10〜50μmになるように塗装する。
【0022】なお、鋳鉄管は、一般的には固定した状態
で塗装するが、鋳鉄管を回転させながら塗装することも
可能である。水系ジンクリッチ塗料を塗装した後、5秒
間以上、好ましくは30秒〜3分間インターバルをおい
て(即ち、水系ジンクリッチ塗料の水分をある程度蒸発
させてジンクリッチ塗膜をある程度乾燥させた後)前述
のアクリル樹脂系エマルジョン塗料をスプレー、ローラ
ー、刷毛等の手段により乾燥膜厚約30〜100μmに
なるように塗り重ねて複層塗膜を形成し、前記予熱で複
層塗膜を乾燥硬化させるが、場合により前述の熱風吹付
け、赤外線照射等の予熱手段を併用して乾燥させること
も可能である。複層塗膜形成後3〜10分間放置し、乾
燥させ、必要に応じ散水や水中浸漬により強制冷却させ
てもよい。なお、複層塗膜の乾燥膜厚は、防食性等の塗
膜性能、乾燥時間等の塗装作業性を考慮して約40〜1
50μmとするのが適当である。
【0023】本発明においては、鋳鉄管自体を予熱し、
その予熱を利用してジンクリッチ塗料及びエマルジョン
塗料を乾燥させるので、鋳鉄管外面に防食性に優れた塗
膜を簡便に且つ短時間に形成することができる。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の
実施例及び比較例において「部」及び「%」は、それぞ
れ「重量部」及び「重量%」を示す。以下に実施例及び
比較例で用いた水系ジンクリッチ塗料及びアクリル樹脂
系エマルジョン塗料の製造を説明する。
【0025】<水系ジンクリッチ塗料A〜D>下記表1
に示す成分からなる混合物(量単位は部)をトリエチル
アミンでpH10±1に調整した展着剤と亜鉛末とを
3:7(重量比)の割合で混合して水系ジンクリッチ塗
料A〜Dを製造した。 <水系ジンクリッチ塗料E〜F>下記表1に示す成分か
らなる混合物(量単位は部)である展着剤と亜鉛末とを
3:7(重量比)の割合で混合して水系ジンクリッチ塗
料E〜Fを製造した。
【0026】<市販水系ジンクリッチ塗料G>アルカリ
シリケートを結合剤とする水系ジンクリッチ塗料「アマ
ジンク#1」(アマジンク社製)を使用した。
【0027】
【表1】
【0028】表中の、アニオン系水性ウレタン樹脂ワニ
スAは「9D302」(カネボウエヌエスシー社製)、
樹脂の酸価20、分子量800,000、固形分40
%、N−メチル−2−ピロリドン量4%、pH7.5で
あり、アニオン系水性ウレタン樹脂ワニスBは「サンキ
ュア825」(グンゼ産業社製)、樹脂の酸価30、分
子量700,000、固形分34%、N−メチル−2−
ピロリドン量8.1%、pH8.0であり、アニオン系水
性ウレタン樹脂ワニスCは「サンキュア822A」(グ
ンゼ産業社製)、樹脂の酸価35、分子量1,000,0
00、固形分30%、N−メチル−2−ピロリドン量1
4.4%、pH9.5であり、アニオン系水性ウレタン樹
脂ワニスDは「9D232」(カネボウエヌエスシー社
製)、樹脂の酸価20、分子量800,000、固形分
40%、N−メチル−2−ピロリドン量0%、pH7.
5であり、ノニオン系水性ウレタン樹脂ワニスは「ユー
コートUX−2505」(三洋化成工業社製)、樹脂の
酸価0、分子量1,000,000以上、固形分45%、
N−メチル−2−ピロリドン量0%、pH6.5であ
り、カチオン系水性ウレタン樹脂ワニスは「パーマリン
UC−20」(三洋化成工業社製)、樹脂の酸価0、分
子量1,000,000以上、固形分23%、N−メチル
−2−ピロリドン量0%、pH5.0である。
【0029】<アクリル樹脂系エマルジョン塗料(i)
〜(ii)>表2に示すミルベースを顔料粒子がB法25
μm以下(JIS K 5400による粒子判定法)に
なるまで練合し、次いでアクリル樹脂系エマルジョンを
加え、混合してアクリル樹脂系エマルジョン塗料(i)
〜(ii)を製造した。
【0030】
【表2】
【0031】表中、アクリル化エポキシエステル樹脂水
溶液は「アロロン#40」(日本触媒社製)、固形分6
7%、pH9.0であり、アクリル樹脂系エマルジョン
Eは「BCX−3182」(東洋インキ製造社製)、固
形分48%、pH7.5であり、アクリル樹脂系エマル
ジョンFは「アクロナール295D」(バディシュ社
製)、固形分50%、pH7.6である。
【0032】実施例1 外面をブラスト処理した鋳鉄管を70℃に予熱し、その
外面に、水系ジンクリッチ塗料Aを、乾燥膜厚15μm
になるよう回転塗装機を使用してエアレススプレー塗装
した。次いで30秒間放置した後、アクリル樹脂系エマ
ルジョン塗料(i)を同様にして乾燥膜厚50μmにな
るように塗装し、鋳鉄管の予熱を利用してその複層塗膜
を乾燥させた。なお、アクリル樹脂系エマルジョン塗料
を塗装した1分後には指触乾燥していた。
【0033】実施例2 実施例1において、予熱を90℃にし、水系ジンクリッ
チ塗料Bを使用し、放置時間を3分間とする以外は同様
にして複層塗膜を形成させた。 実施例3 実施例1において、水系ジンクリッチ塗料Cを使用し、
該塗膜の乾燥膜厚を30μmとする以外は同様にして複
層塗膜を形成させた。
【0034】実施例4 実施例1において、水系ジンクリッチ塗料Dを使用し、
アクリルエマルジョン塗料(ii)を使用する以外は同様
にして複層塗膜を形成させた。 比較例1 実施例1において、水系ジンクリッチ塗料Eを使用する
以外は同様にして複層塗膜を形成させた。
【0035】比較例2 実施例1において、水系ジンクリッチ塗料Fを使用する
以外は同様にして複層塗膜を形成させた。 比較例3 実施例1において、市販水系ジンクリッチ塗料Gを使用
する以外は同様にして複層塗膜を形成させた。
【0036】実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた
複層塗膜について下記の試験方法により密着性試験、防
食性試験及び耐湿性試験を実施した。その結果は表3に
示す通りであった。 密着性試験:素地に達する2mm巾の切り傷をゴバン目
状に付けセロハン粘着テープをはり、はがした後の塗膜
の残存数を測定。
【0037】防食性試験:カッターナイフにより素地に
達するクロスカットを入れ、塩水噴霧試験500時間後
の塗膜外観を目視評価。 耐湿性試験:1週間放置後、湿度100%、温度50℃
の恒温恒湿装置に10日間放置し、塗膜外観を目視評
価。
【0038】
【表3】
【0039】表3からも明らかな通り本発明の方法より
得られた複層塗膜は優れた密着性、防食性、耐湿性を有
していた。一方カルボキシル基を持たない水性ウレタン
樹脂を結合剤とする水系ジンクリッチ塗料を使用した比
較例1、2は、塗膜の平滑性が悪く、また防食性、耐湿
性の各試験において著しい発錆がみられた。
【0040】また市販のアルカリシリケートを結合剤と
する水系ジンクリッチ塗料を使用した比較例3は、密着
性が悪く、また防食性、耐湿性の各試験においてジンク
リッチ塗膜とアクリル樹脂系エマルジョン塗膜との間に
ブリスターが発生した。
【0041】
【発明の効果】本発明の鋳鉄管外面の塗装方法において
は、塗料の溶媒として水を使用しているので大気汚染防
止、省資源が可能となり、また得られる複層塗膜は防食
性、密着性、耐湿性に優れており、更に、鋳鉄管自体を
予熱し、その予熱を利用してジンクリッチ塗料及びエマ
ルジョン塗料を乾燥させるので工場でのライン塗装が可
能であり、短時間に且つ簡便に乾燥出来る特徴を有して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 302 P 7415−4F 303 C 7415−4F (72)発明者 本炭 家道 千葉県船橋市栄町二丁目16番1号 株式会 社クボタ船橋工場内 (72)発明者 山田 邦男 大阪府豊中市寺内二丁目14番1−607号 (72)発明者 篠原 稔雄 京都府相楽郡加茂町南加茂台15丁目201番 地

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予熱した鋳鉄管外面に、カルボキシル基
    を有する水性ウレタン樹脂を結合剤とする水系ジンクリ
    ッチ塗料を塗布し、次いでアクリル樹脂系エマルジョン
    塗料を塗布し、形成された複層塗膜を前記予熱により乾
    燥させることを特徴とする鋳鉄管外面の塗装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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