JPH0814080A - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射量制御装置

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JPH0814080A
JPH0814080A JP14312394A JP14312394A JPH0814080A JP H0814080 A JPH0814080 A JP H0814080A JP 14312394 A JP14312394 A JP 14312394A JP 14312394 A JP14312394 A JP 14312394A JP H0814080 A JPH0814080 A JP H0814080A
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JP
Japan
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amount
starting
fuel
increase
engine
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Application number
JP14312394A
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English (en)
Inventor
Mikio Matsumoto
幹雄 松本
Hiroshi Oba
大羽  拓
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0814080A publication Critical patent/JPH0814080A/ja
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料の性状(重軽質)にかかわらず、適切な
始動後増量率KASを得る。 【構成】 始動直後に、軽質燃料に適合させて、始動時
水温TWINTに応じた始動後増量率の初期値KAS0
を設定する(S15,S16)。そして、始動後の時間経過
と共に、始動後増量率KASを漸減する(S24)。そし
て、機関の回転変動量Rを検出していて(S22)、これ
が所定のしきい値R1以上になると(S23)、その時点
での始動後経過時間Tにより燃料の重軽質を判別して、
再増量率K1を決定し(S27)、始動後増量率KASを
再増量する(S28)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の燃料噴射量
制御装置に関し、特に燃料噴射量の冷機時の始動後増量
補正において、機関の回転変動量(回転変動幅)を検出
し、その結果によって燃料噴射量を補正する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の技術として、内燃機関の冷機時の
回転変動量を計測し、その結果によって燃料噴射量を補
正する方法が、例えば特開平5−1598号公報に開示
されている。すなわち、許容される回転変動量(スライ
スレベル)を設定し、現在の回転変動量がこのスライス
レベルに比して小さければ燃料噴射量を減量し、大きけ
れば増量することにより、回転変動を過大とせず良好な
運転性を保ちながらも、必要以上の燃料噴射を控え、空
燃比過濃による排気有害成分の排出を抑制するものであ
る。
【0003】一方、機関始動直後は、該機関の吸気管へ
付着する燃料(壁流燃料)量が平衡状態に達しておら
ず、噴射した燃料のうち吸気管壁等へ付着する分、実際
にシリンダへ吸入される燃料量は減少するので、これを
補うため噴射燃料を増量する必要がある。また、冷機時
には、壁流燃料の蒸発が促進されず、噴射燃料がシリン
ダに吸入されるのに大きな時間遅れを伴うため、大きな
増量率を設定する。更に、運転条件が急変し吸気量が急
増した場合に噴射燃料量をこれに合わせて増加させて
も、この大きな時間遅れによって、シリンダに吸入する
燃料量は間に合わず、一時的に空燃比がリーン化する。
このとき過剰にリーンとなって運転性を損ねることのな
いように予め多量の燃料を噴射しておく必要があり、こ
れらの理由により、冷機始動後は噴射燃料量を燃焼に必
要な量よりも過剰に供給するため、CO,HC等の有害
成分の排出濃度が高い。
【0004】この過剰な燃料量の割合(増量率)の要求
値は、機関の機械的形状(噴射燃料の方向によって壁流
に捕捉される率が変化したり壁温の上昇しやすさによっ
ても変わる)や使用する燃料の揮発性によって異なる。
市販されている全ての燃料で運転性を損ねないよう、通
常は、市場に供給される最も重質の燃料に適合させて増
量率を設定するので、平均的な揮発性の燃料を使用して
いる場合には、前記燃料の供給量のうち、過剰(無駄に
噴射している)分は大きくなる。また、冷機時は排気浄
化触媒も暖機されておらず、ほとんど浄化能力を発揮で
きない状況にあるため、これら有害成分の浄化も困難で
ある。
【0005】そこで、これら有害成分の排出量低減を目
的として、始動後増量率を小さくすれば、特に重質燃料
を使用する場合にラフアイドル等を生じ易くなり、運転
性を損ねる。これら冷機時の運転性確保と有害成分の排
出量低減という相反する要求を両立させ、使用する燃料
に応じて適切な増量率を得る手法の1つに、ラフアイド
ルを回転変動量として検出して、これを増量率にフィー
ドバックする方法があり、前記公報の発明例は、この1
つの例になる。
【0006】前記公報の発明例においては、例えば重質
燃料を使用しているときなどで回転変動量が大きくな
り、ラフアイドルが発生していると推察される場合に
は、増量率を大きくして、良好な運転性を確保し、逆
に、比較的軽質の燃料を使用しているときなどで回転変
動量が比較的小さく運転性が十分良好であると推察され
る場合には、増量率を減じて有害成分の排出を極力抑え
ることを狙いとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、始動直
後など冷機時の燃料増量が必要である理由として先に述
べたように、壁流により噴射燃料の応答が極めて遅い条
件下においては、例えば機関の運転状態が良好で回転変
動量が小さいと判定されて増量率を小さくする場合、燃
料を減量させてから壁流が減少し、実際にシリンダに吸
入される燃料が減じて空燃比が薄くなり、回転変動にそ
の影響が現れるまでにかなりの時間を要する。
【0008】従って、前記公報の発明例のように、回転
変動量をもって増量率にフィードバックする方式では、
フィードバックループ遅れが大きくなる。実際に機関が
運転される状況を考えるとき、アイドリングが長時間続
くとは限らないから、上記のフィードバックループ遅れ
は問題となる。例えば、始動してすぐに、運転手が機関
の回転を変化させるような運転を行ったとき、機関回転
の変化を検出しても、それがラフアイドル等による回転
変動であるのか、運転手の意向に従った回転変化である
のかを判別するのは困難である場合が多い。
【0009】更に、同じ冷機時でも、始動直後であれば
あるほど、増量率は大きく設定されるから、なるべく早
期に増量率を減ずる方が排気有害成分の排出量を効果的
に低減できる。冷機時の壁流燃料の挙動のようにフィー
ドバックループ遅れの大きなシステムでは、早期に増量
率を減じようとしてフィードバックゲインを上げすぎる
と過補正を陥り易く、ラフアイドルを検出するまでの間
に始動後増量を減じすぎて(オーバーシュート)、かえ
って深刻なラフアイドルを引き起こしたり、逆に、オー
バーシュートを抑えるため、フィードバックゲインを小
さくすれば、それだけ無駄吹き燃料を減ずるのに時間が
かかり、有害成分低減の効果が期待できない。よって、
単なるフィードバックでは極めて限られた条件下以外で
は、その効果を発揮し難いという問題点がある。
【0010】本発明は、このような従来の問題点に鑑
み、使用する燃料に応じた適切な始動後増量率を得て、
冷機時の運転性確保と有害成分の排出量低減とを図るこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、図
1に示すように、機関吸気系に燃料噴射弁を備えると共
に、始動直後に始動後増量率を始動時冷却水温に応じて
初期設定する始動後増量率初期設定手段aと、始動後の
時間経過と共に始動後増量率を漸減する始動後増量率漸
減手段bと、前記始動後増量率により前記燃料噴射弁に
よる燃料噴射量を増量補正する始動後増量補正手段cと
を備える内燃機関の燃料噴射量制御装置において、前記
始動後増量率初期設定手段aにより初期設定される始動
後増量率を小側に設定する一方、始動後の機関の回転変
動量を検出する回転変動量検出手段dと、機関の回転変
動量が所定のしきい値以上になるまでの始動後の経過時
間を計測する計時手段eと、機関の回転変動量が所定の
しきい値以上になったときに、前記計測時間に応じた再
増量率で、前記始動後増量率を増大させる再増量手段f
とを設ける構成としたものである。
【0012】ここで、前記再増量手段fは、機関の回転
変動量が所定のしきい値以上になるまでの始動後の経過
時間が長いほど、又は、短いほど、前記再増量率を大き
くするものとする。また、図1に点線で示すように、始
動後所定時間経過するまで、前記回転変動量検出手段d
による回転変動量の検出を禁止する禁止手段gを設ける
とよい。
【0013】
【作用】上記の構成においては、始動直後に始動後増量
率を始動時冷却水温に応じて初期設定する際、軽質燃料
に対応する小側に初期設定して、以降、時間経過と共に
始動後増量率を漸減する。そして、始動後の機関の回転
変動量を検出して、機関の回転変動量が所定のしきい値
(ラフアイドルに至らない許容範囲内で定めた値)以上
になるまでの始動後の経過時間を計測する一方、機関の
回転変動量が所定のしきい値以上になったときに、前記
計測時間に応じた再増量率(上げ代)で、前記始動後増
量率を増大させて、再増量を行うことで、重質燃料に対
応可能とする。
【0014】従って、始動後、即座に、予め設定されて
いる軽質燃料対応の値まで増量率を低下させるので、最
も早く増量率低減の効果を得ることができる。すなわ
ち、CO,HCといった排気有害成分の低減を最も効果
的に行うことができる。フィードバックでいえばゲイン
を無限大にしたのと同等の効果が得られる。しかし、フ
ィードバックのように軽質燃料に対応した値以下に、さ
らに増量率を下げることにはならない(オーバーシュー
トは生じない)ので、過補正に陥ることはなく、従っ
て、ハンチングを起こす可能性もない。
【0015】その後、時間経過に伴う減量によって空燃
比はリーン化していき、それに従って回転変動量が漸増
するが、この回転変動量の変化のパターンは燃料の揮発
性(重軽質)によって異なる。すなわち、重質燃料を使
用していて揮発性が低ければ、初期の壁流からの揮発量
が少なく、且つ、噴射量も減量されているので、もとも
とシリンダへの吸入空燃比がさほどリッチではない条件
からリーン化が始まるため、初期の回転変動量は大き
い。その後は壁流量の減少はゆっくりとしているので、
回転変動量の上昇速度も比較的ゆっくり進む。
【0016】軽質燃料の場合は、増量率低減初期は、既
に壁流となっている燃料からの蒸発量が多いため、初期
の回転変動量は小さい。その後の壁流の減少は速いの
で、回転変動の上昇速度も比較的速い。それぞれの回転
変動量の変化のパターンを図6に示す。図6において、
回転変動量のしきい値を比較的小さな値(同図Aの範
囲)に設定すれば、重質燃料を用いる場合、回転変動量
がこのしきい値に達するまでの時間は比較的短く、軽質
燃料の場合は相対的に長い。
【0017】よって、回転変動量が所定のしきい値以上
となるまでの始動後の経過時間が長いほど、重質と判定
できるので、再増量率を大きくする。また、回転変動の
しきい値を比較的大きな値(同図Cの範囲)に設定すれ
ば、この逆のパターンも生じることがあり、軽質燃料の
方が、壁流は比較的早期に枯渇するから、回転変動量が
このしきい値に達するまでの時間は短い。
【0018】よって、回転変動量が所定のしきい値以上
となるまでの始動後の経過時間が短いほど、重質と判定
できるので、再増量率を大きくする。従って、機関の回
転変動量が所定のしきい値以上となるまでの始動後の経
過時間を計測し、その計測結果によって、その後の増量
率を、当該燃料の重軽質に見合ったものにすることで、
運転性を損ねることもなく、有害成分の排出も極力抑制
可能な増量率の設定とすることができる。
【0019】また、燃料の重軽質を検出するまでの時間
長の間は、増量率は小さく抑えられているから、始動直
後の最も有害成分の排出濃度の高い領域で効果的に有害
成分の低減が行える。但し、始動後所定時間経過するま
で、すなわちの図6のDの区間は、回転変動量に対し、
始動の影響が大きいため、回転変動量の検出を禁止する
のがよい。
【0020】
【実施例】以下に本発明の一実施例を説明する。図2は
本発明の一実施例のシステム構成を示している。機関1
にはエアクリーナ2から導入されてスロットル弁3の制
御を受けた空気が吸気マニホールド4を経て吸入され
る。吸気マニホールド4には各気筒毎に電磁式の燃料噴
射弁5が設けられており、機関1の回転に同期した所定
のタイミングで燃料を噴射供給する。尚、機関1からの
排気は排気マニホールド6を経て三元触媒(図示せず)
に導入される。
【0021】ここにおいて、燃料噴射弁5の作動は、マ
イクロコンピュータ内蔵のコントロールユニット7によ
り制御される。このため、コントロールユニット7に
は、クランク角センサ8からの基準クランク角信号RE
F及び単位クランク角信号POS(例えば基準クランク
角信号REFの周期より機関回転数Nを算出可能)、エ
アフローメータ9からの吸入空気流量Q検出信号、水温
センサ10からの冷却水温TW検出信号、スロットルセン
サ11からのスロットル開度TVO検出信号、排気マニホ
ールド6に取付けられて排気の組成(例えばO2 濃度)
から機関1に供給されている混合気の空燃比を検出する
空燃比センサ12からのリッチ・リーン検出信号、イグニ
ッションスイッチ13のON・OFF信号、スタートスイ
ッチ14のON・OFF信号等が入力されている。
【0022】コントロールユニット7による燃料噴射弁
5の燃料噴射量の制御の概要を説明する。この燃料噴射
量制御は、始動時(スタートスイッチONのとき)と、
始動後(スタートスイッチOFFのとき)とで、燃料噴
射量の算出プロセスを異にしている。
【0023】始動時は、始動時水温(イグニッションス
イッチONとなったときの冷却水温)によって始動時噴
射量TSTが決定される。このときの始動時噴射量TS
Tは良好な始動性を得られるように、予め実験等により
適合された値をメモリにテーブルとして記憶しておき、
スタートスイッチONと同時にこれを読出して用いる。
【0024】一方、始動後、すなわち通常の運転状態に
あっては、エアフローメータにより検出される吸入空気
流量Qとクランク角センサにより検出される機関回転数
Nとから、基本燃料噴射量Tp=K×Q/N(Kは定
数)を演算し、かつこれに各種の増量補正やフィードバ
ック補正を加えて、最終的な燃料噴射量Tiを演算する
のであり、具体的には、次式によって燃料噴射量Tiが
求められる。
【0025】Ti=Tp×COEF×α+Ts ここで、COEFは各種増量補正係数であり、次式のご
とく、例えば高速高負荷時の空燃比補正率KMR、水温
TWに応じた水温増量率KTW、始動後の良好な運転性
を得るための始動後増量率KASなどからなる。 COEF=1+KMR+KTW+KAS+・・・ αは空燃比フィードバック補正係数であり、空燃比セン
サからの信号に基づいて、リッチ時には時間経過と共に
所定量ずつ減少され、リーン時には時間経過と共に所定
量ずつ増大される。
【0026】Tsは電圧補正分であり、燃料噴射弁の無
効時間を補償するようにバッテリ電圧に応じて付加され
る。ここでは、各種補正増量係数COEFのうち、特に
機関の冷却水温が低い冷機時の始動後の運転性に関連す
る水温増量率KTWと始動後増量率KASとについて更
に説明する。
【0027】水温増量率KTW及び始動後増量率KAS
は、機関の冷機時、始動後に基本燃料噴射量Tpに乗ぜ
られ、通常時の燃料噴射量よりも増量される。従来、そ
の増量率は、図6に示すように、水温増量率KTWにつ
いては、冷却水温の上昇に伴って減ぜられるように設定
されているが、始動後増量率KASについては、始動後
の経過時間(スタートスイッチがON→OFFとなって
からの時間)に応じて減ぜられるように設定されてい
る。
【0028】これらの増量は、その値を大きくすれば、
燃料噴射量が増大し、従って空燃比は濃くなり、燃焼が
安定して良好な運転性が得られる。もちろん過剰に濃く
すれば、かえって燃焼が安定せず運転性の悪化を招く事
態も起こり得るが、通常、冷機時は、前述したように噴
射燃料の多くが壁流として吸気管壁等に残り、直接シリ
ンダに吸入されないばかりか、その壁流燃料も、吸気管
壁温が低いために燃料の蒸発がはかばかしくなく、従っ
て、噴射した燃料に比べて、実際に吸入される燃料が少
ない状況であることや、また、この吸気管壁温が低い状
況下でスロットル弁が急開したりして急にシリンダへ吸
入される空気量が増えた場合には、壁流の挙動が遅いた
め、一時的にシリンダへ吸入される燃料量が空気量に比
較して不足する、という状況に陥り、空燃比が薄くなり
すぎることもあり、通常は、増量によって安定的な運転
性を得られる。
【0029】この良好な運転性を得られる増量率は、壁
流の蒸発し易さに依存するため、使用する燃料の揮発特
性によっても異なる。すなわち、重質燃料を使用する場
合は、燃料の揮発性が悪いため、始動直後は壁流からシ
リンダへ吸入される燃料量が不足するため増量率を大き
くする必要があり、軽質燃料の場合は、始動後、吸気管
壁温の上昇に伴って、壁流からシリンダへ吸入される燃
料量は比較的早く増加するから、増量率は小さくて済
む。
【0030】このような背景の下、次のように制御を行
う。図3は、始動時噴射量制御ルーチンのフローチャー
トである。尚、本ルーチンは、イグニッションスイッチ
ONにより例えば一定時間毎に繰り返し実行される。ス
テップ1(図にはS1と記してある。以下同様)では、
フラグF0の値を判定し、初回のみ、F0=0であるの
で、ステップ2,3を実行する。
【0031】ステップ2では、水温センサにより検出さ
れる冷却水温TWを読込み、これを始動時水温TWIN
Tとして記憶する。そして、ステップ3では、フラグF
0=1にセットする。ステップ4では、スタートスイッ
チがONか否かを判定する。スタートスイッチがONに
なると、ステップ5へ進んで、始動時水温TWINTに
応じて始動時噴射量TSTを予め定めたテーブルを参照
して、始動時噴射量TSTを決定し、このTSTのパル
ス幅の駆動パルス信号を機関回転に同期した所定のタイ
ミングで燃料噴射弁に出力して、始動時の燃料噴射を行
わせる。この後、ステップ6へ進む。
【0032】ステップ6では、始動完了(例えば機関回
転数Nが所定値以上)か否かを判定し、始動が完了する
前は、ステップ7へ進んで、フラグF1=0に保持した
後、本ルーチンを終了する。そして、始動が完了する
と、ステップ8へ進んで、フラグF1=1にセットした
後、本ルーチンを終了する。
【0033】スタートスイッチがOFFになると、ステ
ップ4での判定により本ルーチンを終了する。図4は、
始動後増量率KAS設定ルーチンのフローチャートであ
る。本ルーチンは一定時間毎に実行される。ステップ11
では、スタートスイッチがOFFか否かを判定し、OF
Fの場合のみステップ12へ進む。
【0034】ステップ12では、フラグF1=1(始動完
了)か否かを判定し、始動完了の場合のみステップ13へ
進む。ステップ13では、フラグF2の値を判定し、初
回、すなわち始動直後のみ、F2=0であるので、ステ
ップ14へ進む。ステップ14では、始動後の経過時間を計
測するためのタイマTを0にリセットする。
【0035】ステップ15では、軽質燃料に適合させて始
動時水温TWINTに応じて始動後増量率の初期値KA
0 を予め定めたテーブルを参照して、始動後増量率の
初期値KAS0 を決定する。次のステップ16では、決定
された初期値KAS0 を始動後増量率KASに代入し
て、初期設定を行う。ここで、ステップ15,16の部分が
始動後増量率初期設定手段に相当する。
【0036】次のステップ17では、フラグF2=1にセ
ットした後、本ルーチンを終了する。従って、始動後2
回目以降は、ステップ13での判定で、F2=1であるの
で、ステップ18へ進む。ステップ18では、始動後増量率
KAS=0(始動後増量終了)か否かを判定し、KAS
≠0の場合は、ステップ19へ進む。
【0037】ステップ19では、フラグF3の値を判定
し、再増量が終了するまではF3=0であるので、ステ
ップ20へ進む。ステップ20では、始動後の経過時間を計
測するためのタイマTを本ルーチンの実行時間隔ΔT分
カウントアップして、ステップ21へ進む。この部分が計
時手段に相当する。
【0038】ステップ21では、タイマTの値に基づい
て、始動後所定時間経過したか否か判定し、所定時間経
過する前はステップ24へ進み、所定時間経過した場合の
み、ステップ22,23を実行する。始動後所定時間経過す
るまでは、回転変動量に対する始動の影響が大きいの
で、回転変動量の検出及び判定を禁止するためであり、
従ってこの部分が禁止手段に相当する。
【0039】ステップ22では、後述する図5のルーチン
により検出される回転変動量Rを読込む。ステップ23で
は、回転変動量Rを所定のしきい値R1と比較して、R
<R1の場合は、ステップ24へ進み、R≧R1の場合
は、ステップ27へ進む。ステップ24では、始動後増量率
KASを時間経過と共に漸減させるべく、現在の始動後
増量率KASを微少量ΔK減少させて、ステップ25へ進
む。この部分が始動後増量率漸減手段に相当する。
【0040】ステップ25では、減少された始動後増量率
KASが0より小さくなったか否かを判定し、KAS<
0の場合のみ、ステップ26でKAS=0として、本ルー
チンを終了する。ステップ23での判定で、回転変動量R
≧R1となった場合は、ステップ27へ進む。
【0041】ステップ27では、再増量のため、回転変動
量Rが所定のしきい値R1以上となるまでの始動後の経
過時間(T)に応じて再増量率K1を予め定めたテーブ
ルを参照し、タイマTの計時値により、再増量率K1を
決定して、ステップ28へ進む。ステップ28では、現在の
始動後増量率KASに再増量率K1を加えて、始動後増
量率KASを増大させる。従って、ステップ27,28の部
分が再増量手段に相当する。
【0042】そして、ステップ29で再増量終了を示すべ
く、フラグF3=1にセットして、本ルーチンを終了す
る。この後は、ステップ19での判定でステップ24へ進ん
で、始動後増量率KASを漸減し、KAS=0となる
と、ステップ18から本ルーチンを終了する。このように
して設定される始動後増量率KASを含んで前述のよう
に各種増量補正係数COEFが算出され、これにより補
正されて最終的に算出される燃料噴射量Tiに相応する
パルス幅の駆動パルス信号が機関回転に同期した所定の
タイミングで燃料噴射弁に出力されて、燃料噴射が行わ
れる。
【0043】図5は、回転変動量検出ルーチンのフロー
チャートである。本ルーチンは回転変動検出手段に相当
し、クランク角センサからの基準クランク角信号REF
の発生に同期して実行される。ステップ101 では、基準
クランク角信号REFの周期(以下REF周期という)
TREF(n) をサンプリングする。尚、添字のnは時系
列データであることを示している。
【0044】ステップ102 では、前記REF周期の気筒
別変化量TREFC(n) を次式により算出する。 TREFC(n) =TREF(n) −TREF(n-4) この式は、4気筒エンジンを前提としたもので、TRE
F(n-4) は、4回前のルーチンでサンプリングされた同
一気筒の同一行程でのREF周期を示している。
【0045】ステップ103 では、前記REF周期の気筒
別変化量TREFC(n) ,TREFC(n-1) に基づい
て、REF周期変動TRFOUT(n) を次式により算出
し、時系列データとして記憶する。 TRFOUT(n) =TREFC(n) −TREFC(n-1) 尚、TREFC(n-1) は、前回のルーチンで算出された
1つ前の気筒に関する前記REF周期の気筒別変化量を
示している。
【0046】ステップ104 では、次式のごとく、前記R
EF周期変動の時系列データ(最新のm個)に基づき、
各データの絶対値の総和を求めて、これを回転変動量R
とする。 R=Σ|TRFOUT(i) | (但し、i=n−m+
1 〜 n) 尚、かかる回転変動量Rの算出方式は、一例として示し
たもので、これに限るものではない。
【0047】図7は、本発明における増量率の推移を従
来例と比較して表した図である。図7図において、〔重
質対応〕は、重質燃料に対応させて増量率を大きくした
場合で、回転変動に関しては充分安定しているものの、
過剰増量によりエミッションが悪化する。〔従来制御:
ゲイン小〕は、回転変動に応じて増量率を制御する場合
で、ゲインを小さくした場合であり、応答が遅いため、
減量効果が少なく、エミッション向上効果はほとんど得
られない。
【0048】〔従来制御:ゲイン大〕は、回転変動に応
じて増量率を制御する場合で、ゲインを大きくした場合
であり、減量効果によるエミッション向上効果を期待で
きるが、ハンチングを生じ、運転性が悪化する。〔本発
明〕は、本発明での増量率の推移を示している。即減量
のため効果が大きく、安定限界近くにセットできるた
め、エミッション向上効果が大である。
【0049】本発明においては、始動時噴射量TSTは
従来の噴射量制御の通り、吸気管壁への壁流付着分を考
慮して増量するが、スタートスイッチがON→OFFと
なると同時に、増量率(始動後増量)に比較的小さな値
(初期値)をストアして、燃料噴射量の演算を進める。
このことにより、過剰燃料の噴射が抑制され、有害成分
の排出を削減可能である。
【0050】さて、始動後の燃料噴射量が少ないから、
始動時に増量された燃料のうち壁流となった分からシリ
ンダに吸入される燃料によって燃焼を支えることになる
が、ここで重質燃料であると、その蒸発速度が遅いから
壁流からシリンダへ吸入される燃料量は充分には増えな
いものの、壁流の消費もゆっくりとしているので、比較
的長く壁流の影響は残り、従って空燃比が薄くなるのに
も相当の時間を要する。
【0051】軽質燃料の場合は、壁流からシリンダへ蒸
発して吸入する速度が速いので、始動後に一時的に空燃
比が濃くなるが、その分壁流燃料の消費が速く、供給さ
れる噴射燃料量を比較的小さく抑えているため、壁流が
枯渇してきて、シリンダに吸入される燃料量も少なくな
り始めるのも早い。従って、これらの壁流からシリンダ
へ吸入される燃料量の減少に伴うシリンダ吸入空燃比の
希薄化の速度は燃料の揮発特性毎に異なる。
【0052】さて、シリンダ吸入空燃比が薄くなれば、
燃焼が不安定となって、機関回転が変動するようになっ
てくる。そこで、クランク角センサにより検出される機
関回転数を一時的に記憶しておいて、所定時間内の回転
変動量を算出する。回転変動量は、前述の図5のルーチ
ンにより算出されるものの他、所定時間内にサンプリン
グした回転数データの分散値でもよいし、あるいは最大
値と最小値との差でもよい。前記所定時間は、例えば、
機関回転数に応じてサンプリングするため、機関の回転
で、数 100回転とすることもある。
【0053】このようにして算出される回転変動量をモ
ニタしておき、始動後、壁流の枯渇によりシリンダ吸入
空燃比が薄くなって、燃焼が不安定になり、回転変動が
所定のしきい値より大きくなるまでの時間を計測すれ
ば、その時の燃料が重質であるのか、軽質であるのか、
を判別することができる。その後、判別した燃料の特性
に合わせて再増量率を決定することで、燃料の揮発特性
に見合った再増量を供することができる。
【0054】本発明においては、機関始動後のアイドル
運転中即座に、燃料の揮発性を判別して、相応しい増量
率を供するのが目的であるから、回転変動量と比較する
所定のしきい値は、ラフアイドルに相当する値に対して
少し余裕代のある設定とすればよい。この値の決定は予
め実験により運転フィーリングなども加味しながら決定
する。
【0055】一方、回転変動量の変化は、図6に示した
ように、例えば、Aの範囲では、重質燃料の方が軽質燃
料より早く所定値に到達するし、B点では同時となり、
Cの範囲では、軽質燃料の方が先に所定値に達する。従
って、望ましくは、Aの範囲に回転変動量のしきい値を
設定すればよい。すなわち、最も早く燃料特性の把握が
可能であり、そのためラフアイドルとなるまでの余裕が
あり、また、燃料種による、前記計測時間差が明確であ
り、さらに、重質燃料使用時はより早く再増量を行っ
て、安定的に運転が可能である。
【0056】もちろん、Cの範囲で判別してもよい。C
の範囲では、回転変動をより明確に捉えることができる
ため、例えば回転変動の計測精度に限界のあるとき、回
転変動が多少大きくても、運転性、フィーリングを損ね
ない機関の場合は、Cの範囲で判別することも有益であ
る。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、始
動直後に増量率を減じ、回転変動量が所定のしきい値ま
で増大する時間をもって燃料の性状(重軽質)を判別し
て、再増量率の設定より対応するので、排気有害成分を
極限まで制限しながら、燃料の性状に応じて再増量し、
良好なる運転性をも得ることができるという効果が得ら
れる。
【0058】また、所定のしきい値の設定により、回転
変動量が所定のしきい値以上となるまでの始動後の経過
時間に対する再増量率の設定を変えることで、燃料特性
の早期把握を可能としたり、より正確な把握を可能とし
たりすることができるという効果が得られる。また、始
動後所定時間内は回転変動量の検出を禁止することによ
り、始動の影響を受けて、燃料性状を誤検出するのを防
止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】 本発明の一実施例を示すシステム図
【図3】 始動時噴射量制御ルーチンのフローチャート
【図4】 始動後増量率設定ルーチンのフローチャート
【図5】 回転変動量検出ルーチンのフローチャート
【図6】 回転変動量の変化等を示す図
【図7】 始動後増量率の変化等を示す図
【符号の説明】
1 機関 5 燃料噴射弁 7 コントロールユニット 8 クランク角センサ 9 エアフローメータ 10 水温センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関吸気系に燃料噴射弁を備えると共に、
    始動直後に始動後増量率を始動時冷却水温に応じて初期
    設定する始動後増量率初期設定手段と、始動後の時間経
    過と共に始動後増量率を漸減する始動後増量率漸減手段
    と、前記始動後増量率により前記燃料噴射弁による燃料
    噴射量を増量補正する始動後増量補正手段とを備える内
    燃機関の燃料噴射量制御装置において、 前記始動後増量率初期設定手段により初期設定される始
    動後増量率を小側に設定する一方、 始動後の機関の回転変動量を検出する回転変動量検出手
    段と、 機関の回転変動量が所定のしきい値以上になるまでの始
    動後の経過時間を計測する計時手段と、 機関の回転変動量が所定のしきい値以上になったとき
    に、前記計測時間に応じた再増量率で、前記始動後増量
    率を増大させる再増量手段と、 を設けたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記再増量手段は、機関の回転変動量が所
    定のしきい値以上になるまでの始動後の経過時間が長い
    ほど、前記再増量率を大きくするものであることを特徴
    とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射量制御装置。
  3. 【請求項3】前記再増量手段は、機関の回転変動量が所
    定のしきい値以上になるまでの始動後の経過時間が短い
    ほど、前記再増量率を大きくするものであることを特徴
    とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射量制御装置。
  4. 【請求項4】始動後所定時間経過するまで、前記回転変
    動量検出手段による回転変動量の検出を禁止する禁止手
    段を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいず
    れか1つに記載の内燃機関の燃料噴射量制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08170557A (ja) * 1994-12-16 1996-07-02 Nippondenso Co Ltd 電子制御燃料噴射装置
JP2008202413A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Hitachi Ltd 内燃機関の燃料制御装置
JP2010190209A (ja) * 2009-02-13 2010-09-02 Dr Ing Hcf Porsche Ag 内燃機関を始動させるための方法

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