JPH08138208A - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドの製造方法

Info

Publication number
JPH08138208A
JPH08138208A JP27680394A JP27680394A JPH08138208A JP H08138208 A JPH08138208 A JP H08138208A JP 27680394 A JP27680394 A JP 27680394A JP 27680394 A JP27680394 A JP 27680394A JP H08138208 A JPH08138208 A JP H08138208A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic head
magnetic
block
sliding
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27680394A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuto Sato
康人 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP27680394A priority Critical patent/JPH08138208A/ja
Publication of JPH08138208A publication Critical patent/JPH08138208A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 摺動幅規制溝がダイシングソー等による溝入
れの際の溝深さや規制溝幅を安定させる。 【構成】 低融点溶着ガラスで接着してなる磁気ヘッド
ブロック12の磁気テープ摺動面を円弧状に研磨した
後、摺動幅規制溝が施される際に、ダミーブロック11
に磁気ヘッドブロック12を貼り付け、前記研磨面とダ
ミーブロック11の底面とを平行にし、摺動幅規制溝が
溝入れの際の溝深さや規制溝幅を安定させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドの製造方法
に関し、より詳細には、ビデオテープレコーダ(VT
R)等の高密度記録再生をおこなうために必要な高い飽
和磁束密度を有する磁気ヘッドの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電磁変換用のヘッドの一般的な構造とし
ては、基本的にはリング状の軟磁性体の一部に狭いギャ
ップを設けた磁心に巻線を施した構造となっており、狭
いスリットを有する電磁石と考えてよい。そして、録
音、録画、ディジタル用など用途によって形状寸法は異
なっている。録音(オーディオ)用の磁心は、通常薄い
磁性薄板を積層したいわゆるラミネート形なのに対し、
録画(ビデオ)用では一枚板を用い、回転ドラム上に数
個取り付けられている。ディジタル用では、使用する磁
気記憶装置の形態に応じた、種々の構造のヘッドが用い
られ、ギャップは記録媒体を磁化し、またこれにより磁
束をピックアップするポイントとなる所で、その形状と
正確さは記録再生特性に重要な影響を与える。
【0003】ビデオヘッド開発当初の昭和30年代に
は、高周波損失の少ないフェライトコアと、ギャップの
構造が比較的容易な合金磁性材料(アルパーム)のチッ
プを用いた、いわゆる複合形が用いられたが、最近では
単結晶フェライトやセンダスト合金の単体構造が用いら
れている。また、この二つを複合したMIG(Metal In
Gap)等もある。これらのヘッドでは、ギャップは短波
長記録であるため、著しく狭く1ミクロン以下となって
いる。また、相対速度が早いため、摩耗、コスト面から
の生産性(歩留り)、それに画質の点でノイズの問題な
どがビデオヘッドの場合、重要な課題となっている。
【0004】前述のように、ビデオヘッドはアルパーム
に始まって、センダスト、フェライト、センダストとフ
ェライトの複合であるMIG、そしてセンダスト積層と
移り変わってきた。これは、ビデオが、家庭用VTRは
もとより8ミリビデオ、放送用として1インチヘリカル
VTRからディジタル化、ハイビジョンVTRといった
推移と平行して、ますます高密度化の要求が高まる上で
の磁気ヘッドの進化の過程と言えよう。また、記録波長
λと媒体に記録される深さD(有効磁性層厚)との間に
は、D≒0.2λの関係があり、ヘッドによる記録磁界
がテープ表面からDの深さにおいて媒体の抗磁力Hcに
比べて充分に大きいことが必要である。記録媒体もメタ
ルテープといった高Hc,高Br化へと移行する過程
で、飽和磁束密度の高いセンダスト材料を使用すること
で、長波長記録時の磁気飽和による弊害を回避すると共
に、高帯域に対応すべく積層することで渦電流損失を軽
減した構造の磁気ヘッドが、昨今のトレンドと言える。
【0005】図7及び図8は、前述したセンダスト積層
薄膜ヘッドの構造図である。センダスト積層薄膜ヘッド
の構造は主に2つの種類がある。1つは図7に示すよう
なヘッドのテープ摺動面21とセンダスト積層薄膜22
とのなす角が平行で、そのセンダスト積層薄膜22をサ
ンドイッチとするように非磁性基板材料23を配した、
いわゆるラミネートタイプと呼ばれる磁気ヘッドであ
る。このタイプの磁気ヘッドの問題点としては、磁気テ
ープ摺動の際の磁気ヘッド摺動面の偏摩耗が上げられ
る。
【0006】磁気テープ摺動の際の偏摩耗とは、磁気テ
ープとのある期間での摺動において、磁気ヘッドの摺動
面上の複合部材の材料それぞれの摩耗量が異なることに
よって、磁気ヘッド摺動面に段差が生じることで、これ
によって実際の磁気テープ摺動の際にテープとヘッドに
スペーシングが生じ、これが磁気ヘッドの記録再生時の
スペーシングロスとなって電磁変換出力を低下させる。
また、この偏摩耗は磁気ヘッドの摺動面上の複合部材の
境界線がテープ摺動方向と平行である場合はより顕著に
現われるため、ラミネートタイプの磁気ヘッドでは特に
問題とされる。
【0007】この問題に対してもう1つの図8に示すよ
うな構造がある。基板23に溝を形成し、該溝に沿わせ
て軟磁性薄膜22と非磁性非導体薄膜24を交互に積層
成膜し、これを対峙させて低融点溶着ガラス23で接着
してなる磁気ヘッド(以下 TFSヘッド)の場合は、
その摺動面上の複合部材の境界部が、テープ摺動面とあ
る角度をなしているため、偏摩耗の影響はラミネートタ
イプの磁気ヘッドに比較してかなり少ない。しかし、T
FSヘッドの問題点としては、テープ摺動方向とセンダ
スト積層薄膜がある角度を有していることで、偏摩耗に
対しては有利となるが、例えば、図8中で示すチップ厚
みdが一定である場合、センダスト積層薄膜の体積が制
限されてしまう。
【0008】また、チップ厚みdの値は、これを大きく
すると、TFSヘッドの製造上、1加工単位あたりのチ
ップ取れ数を低減させることになり、コスト的な問題も
発生してくる。これに対して、ラミネートタイプの磁気
ヘッドは、寸法dによるセンダスト積層薄膜の体積制限
を受けない。ただし、センダスト合金は高Bsであるた
め、記録媒体に十分記録しうる磁束で飽和することがな
い程度の有効体積を有すれば、それほど磁気特性を劣化
させるものではない。
【0009】次に、磁気ヘッドの設計形状について説明
する。ビデオが家庭用VTRはもとより8ミリビデオ、
放送用として1インチヘリカルVTRからディジタル
化、ハイビジョンVTRへと推移しているに従って、ま
すます高密度化の要求が高まっていることは前述したと
おりであるが、この磁気ヘッドの進化の過程で、形状的
な改善が必要となってきた。例えば、ヘッドドラムの小
型化に伴い、磁気ヘッド形状の小型化が当然のことなが
ら要求される。磁気ヘッドチップの幅、長さ、摺動部の
R形状寸法等は小さくなる一方である。
【0010】また、磁気ヘッドチップの磁気テープとの
摺動幅なども、磁気テープの記録密度の向上に伴うテー
プの薄型化などで、小さくなる傾向にある。具体的に
は、VHS(登録商標)やS−VHS(登録商標)規格
の磁気テープを記録媒体とする磁気ヘッドの摺動幅は2
00μm程度であるのに対して、8mmやHi−8規格
の磁気テープを記録媒体とする磁気ヘッドの摺動幅は6
0μm程度となっている。これに伴い、従来この磁気ヘ
ッドの摺動幅規制溝は、摺動面に垂直に施されていた
が、ある角度を有するように仕上げることによって、摺
動面付近の磁性体の体積を確保して、特性劣化を防いで
いる。特に前述したセンダスト薄膜積層ヘッドの場合な
どは、フェライトヘッドに比較して磁性体の体積が少な
く、こういった工夫が特に必要とされる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが図9に示すよ
うに、前記磁気ヘッドの摺動幅規制溝をある角度θ1
有するように仕上げることによって、加工仕上がり寸法
の管理が困難となった。これは加工する磁気ヘッドブロ
ックの高さ寸法tが、それ以前の加工の寸法公差によっ
て50μm程度のバラツキを生じるためで、これによ
り、実際回転ブレード27を用いた摺動幅規制溝の研削
加工で多数個処理をすると、摺動幅wの仕上がり寸法誤
差を生じる。摺動幅のバラツキはそのままテープタッチ
のバラツキとなり、スペーシングロスによる磁気ヘッド
の実機上での記録再生特性の劣化につながる。また磁性
体の体積にバラツキを生じ、磁気ヘッドそのものの特性
バラツキの要因ともなる。
【0012】また、図10に示すように、従来、摺動幅
規制溝は磁気ヘッドブロック28の長手面にある一定の
角度(アジマス角度)傾斜をさせて施されるが、研削加
工で多数個処理する際は、基準板(ベークライト等)2
9に専用の角度位置合わせ、貼り付け治工具30で磁気
ヘッドブロックの底面を貼り付け面31としていたが、
低融点溶着ガラスで接着する工程で発生していた底面部
のガラスのはみ出しによる接着不良や底面部のCrスパ
ッタの付着強度不良による接着不良で加工中に磁気ヘッ
ドブロックが破損したりしていた。その上、前記基準板
(ベークライト等)29に専用の角度位置合わせ、貼り
付け治工具30で磁気ヘッドブロックの底面を貼り付け
る際に、図10に示すように接着剤32が位置合わせ、
貼り付け治工具30にまわりこんで接着してしまうこと
などもあった。
【0013】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、摺動幅規制溝がダイシングソー等による溝入
れの際の溝深さや規制溝幅を安定させるようにした磁気
ヘッドの製造方法を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、基板に溝を形成し、該溝に沿わせて軟磁
性薄膜と非磁性非導体薄膜を交互に積層成膜し、該積層
を対峙させて低融点溶着ガラスで接着してなる磁気ヘッ
ドの製造方法において、前記低融点溶着ガラスで接着し
てなる磁気ヘッドブロックの磁気テープ摺動面を円弧状
に研磨した後、該磁気ヘッドブロックの研磨面とダミー
ブロックの底面とを平行にした状態で、該ダミーブロッ
クに前記磁気ヘッドブロックを貼り付け、その後に、ダ
ミーブロックの底面を基準面として摺動幅規制溝を加工
することを特徴としたものである。
【0015】
【作用】本発明の磁気ヘッドの製造方法によれば、磁気
ヘッドを製造する際、(1)加工する磁気ヘッドブロッ
クの高さ寸法が安定し、摺動幅規制溝の深さを管理すれ
ば、摺動幅w寸法を一定に管理することができる。ま
た、(2)磁気ヘッドブロックの底面を貼り付け面とし
ないので、従来低融点溶着ガラスで接着する工程で発生
していた底面部のガラスのはみ出しによる接着不良や底
面部のCrスパッタの付着強度不良による接着不良がな
くなる。さらに、(3)従来基準板(ベークライト等)
に専用の角度位置合わせ、貼り付け治工具で磁気ヘッド
ブロックの底面を貼り付ける際に、接着剤が角度位置合
わせ、貼り付け治工具にまわりこんで接着してしまうこ
とがあったが、張り付け面をダミーブロックの底面とし
て、磁気ヘッドブロックの底面は浮いた状態となり、ま
たダミーブロックを位置合わせ、貼り付け治工具との接
触面と反対側に配したことで、前記問題を解決すること
ができる。
【0016】
【実施例】実施例について、図面を参照して以下に説明
する。図1(a)〜(c)〜図3は、本発明による磁気
ヘッドの製造方法の一実施例を説明するための工程図
で、図中、1は基板、1aはV字状溝、2はセンダスト
膜、3は中間膜、4はガラス、5はピース、5aは導線
巻き用窓、5bは導線巻き固定用溝、6はトルク治工
具、7はブロック、8は摺動幅規制溝である。
【0017】図1(a)に示すように、例えば、結晶化
ガラスあるいはセラミックス等の非磁性材料からなる略
直方体形状の基板1の表面に、所定の寸法と深さを有す
る断面略V字状の複数溝1aが形成される。磁気ヘッド
の製造工程における寸法は、V字状溝1aの深さが約
0.6mm、ピッチが0.6mmの正三角溝としたが、こ
の寸法は、その後、前記V字状溝の1斜面に軟磁性膜が
成膜される際の斜面成膜長さと成膜する角度に関連す
る。
【0018】磁気ヘッドの製造工程における成膜角度は
20°とし、斜面成膜長さを0.5mm前後となるよう
に設定した。この基板材料に非磁性材料を使用すること
によって、磁気ヘッドチップの磁路をセンダスト積層薄
膜に限定し、共振周波数をビデオ帯域より高域にするこ
とができる。また、前記V字状の複数溝1aは、ダイヤ
モンドブレードによるダイシング加工によって行われ
る。このV字状溝1aの片面は、センダストの成膜部分
となるので、特に鏡面加工が施される。
【0019】その後、図1(b)に示すように、前記V
字状の複数溝1aがなされた基板1の鏡面部にセンダス
ト膜2が積層蒸着される。基板1はあらかじめ精密洗浄
された後、蒸着装置に鏡面加工がなされたV字状溝1a
の片面が蒸着物質の蒸着源とのなす角度0〜30°にな
るようにセッティングされ、センダスト膜2と中間膜3
であるSiO2等が交互に積層される。中間膜3の役目
はセンダスト膜2どうしのモレ磁界をできるだけ減少す
るためのものであるので、成膜厚みとしては1000Å
程度とし、センダストの成膜厚みは5μm程度とする。
これを交互に成膜して積層し、所定の総厚みが磁気ヘッ
ドのトラック幅となるようにする。なお、図1(b)の
センダスト膜2と中間膜3は各1層のみ示してある。
【0020】その後、図1(c)に示すように、ガラス
4が前記V字状溝1aに充填される。このガラス4は、
後の磁気ヘッドのギャップ形成の際の接着剤となる。こ
のガラス4の選定においては、以下の〜点に留意す
る。 熱膨張係数が基板やセンダスト膜に近い値であるこ
と。 融点が低く、センダスト膜の特性を劣化させない温度
域(700℃以下)で作業が可能であること。 耐環境性や耐薬品性にすぐれていること。 ある程度の硬度と耐摩擦性を有すること(磁気テープ
との摺動性)。 その後、このガラス4の盛り上がり部を除去して、セン
ダスト成膜部がわずかに露出する程度まで、ダイヤモン
ドのカップ型砥石にて研削を行う。
【0021】その後、図2(d)のようにピース5に切
断する。該ピース5には、電磁変換素子とするための導
線巻き用窓5aが溝加工される。該ピース5のセンダス
ト成膜部の露出面は、ダイヤモンド微細遊離砥粒によっ
て研磨される。次に、前記ピースを図2(e)に示すよ
うに、一対を対面させてセンダスト膜2が直線上となる
ようにし、一定のトルクをトルク治工具6で両側よりか
けて、前述の接着用ガラスの融点以上の温度にて溶融接
着(以下、溶着とする)する。この溶融温度域では、ガ
ラス4の粘度はかなり低い状態であるので、トルク治工
具6より印荷されるトルクは、センダスト成膜部のみに
加えられる。このことより、このトルクを高くすると、
センダスト膜2の層間より剥離がれを生じることがある
ので、トルクは100gfcm程度が望ましい。その
後、溶着された部材(ブロック)7は、図2(f)に示
すように、磁気テープが摺動する面が適当な曲率(R)
となるように円弧研削が行われ、また、前記電磁変換素
子とするための、導線巻き用窓5aに対となる導線巻き
固定用溝5bがブロック7の両面に施される。
【0022】次に、図3に示すように、磁気テープ摺動
面の摺動幅規制溝8が施される。該摺動幅規制溝8は、
磁気テープとの最適摺動を保つためのものである。また
該摺動幅規制溝8は磁気ヘッドブロックの長手面にある
一定の角度(アジマス角度)傾斜をさせて施される。こ
の溝幅寸法w以下では、磁気ヘッドの磁気テープ摺動幅
が広くなり、磁気テープと磁気ヘッドの接触面積が大き
くなることによる接触の不均一が発生し、その結果、ビ
デオデッキでの記録再生時に、磁気ヘッドのギャップ部
と磁気テープとの間に空気層を巻き込み、エアーフィル
ムが発生して、スペーシング損失となる。
【0023】また、この寸法以上では、摺動面の摺動幅
規制溝8によって、センダスト成膜部が切り取られる量
が多くなり、特性劣化となりうる。また、磁気ヘッドチ
ップの磁気テープとの摺動幅は、磁気テープの記録密度
の向上に伴うテープの薄型化などで、小さくなる傾向に
ある。具体的には、VHSやS−VHS規格の磁気テー
プを記録媒体とする磁気ヘッドの摺動幅は200μm程
度であるのに対して、8mmがHi−8規格の磁気テー
プを記録媒体とする磁気ヘッドの摺動幅は60μm程度
となっている。
【0024】これに伴い、従来、この磁気ヘッドの摺動
幅規制溝8は、摺動面に垂直に施されていたが、ある角
度(図9のθ2)を有するように仕上げることによっ
て、摺動面付近の磁性体の体積を確保して、特性劣化を
防いでいる。特に前述したセンダスト薄膜積層ヘッドの
場合などは、フェライトヘッドに比較して磁性体の体積
が少なく、こういった工夫が特に必要とされる。ところ
でこの加工はダイシングソー等による溝入れ加工として
行われるのが一般的で、センダスト成膜部が切り取られ
ることより、センダスト積層薄膜の相互が層間にて磁気
回路的にショートしてしまうことに起因するビデオ信号
の高域における特性劣化を防ぐために、高番定のダイヤ
モンド砥石が使用される。ここでは、#2000以上の
番定が適する。
【0025】ここで問題となるのが、加工する磁気ヘッ
ドブロックの高さ寸法tのバラツキで、それ以前の加工
の寸法公差によって50μm程度のバラツキを生じるた
め、例えば、図9に示すダイヤモンド砥石の角度θ2
30°の場合、wが60μmの範囲でバラツキを生ず
る。ところが高密度磁気記録化に伴う狭トラック化と記
録媒体である磁気テープの薄手化によって、wの値は小
さくしないとテープタッチが悪くなることより、wは5
0μm±5μmの寸法精度が要求されている。
【0026】そこで、以下の(1)〜(3)の手順で加
工治工具に設置する。 (1)図4に示すようなダミーブロック11を準備す
る。寸法は2辺が加工する磁気ヘッドブロック12の高
さtとほぼ同じ寸法で、1辺が磁気ヘッドブロックの長
さ1より少し大きい寸法とし、各面はRmax=5μm程
度(瞬間接着剤が接着する程度)に仕上げたもの。 (2)図5(a),(b)に示すような位置合わせ治工
具13にダミーブロック11を位置合わせピース14で
図中矢印の方向に押し込む。次に、磁気ヘッドブロック
12をダミーブロック11の上に乗せダミーブロック1
1を押しつけた長手面の対面にピンセット等で押しつけ
る。この状態で接着剤15を介して、磁気ヘッドブロッ
クの研磨面の対面とダミーブロックの底面とを平行に貼
り合わせることにより、前記研磨面とダミーブロックの
底面とを平行にすることができる(T≧t+100μ
m)。すなわち、ダミーブロックの底面を基準面とし
て、該基準面と磁気ヘッドブロックの底面とを平行に配
置することにより、該磁気ヘッドブロックの底面の反対
側にある研磨面とダミーブロックの底面とを平行にする
ことができるわけである。 (3)図6に示すように、前記(2)を専用の角度位置
合わせ、貼り付け治工具17で基準板(ベークライト
等)16上に瞬間接着剤15で加工ロット分貼り付け
る。
【0027】この後はダイシングソー等による溝入れ加
工で摺動面規制溝8を形成する。これにより、従来の磁
気ヘッドブロックの高さバラツキによる摺動面規制溝8
のバラツキは改善される。続いて磁気ヘッドチップがブ
ロックより切り離される。この幅は、V字状溝1aの形
成ピッチと、この切断しろで決定される値で、加工はダ
イシングソー、またはワイヤソー等による切断加工とし
て行われる。以下は、図8に示すように、電磁変換素子
としての導線25が所定のインダクタンスに達するよう
に巻き線され、磁気テープ摺動面が精密研磨されて、磁
気ヘッドとして完成する。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、以下のような効果がある。 (1)本発明は、基板にV字状溝を形成し、該V字状溝
に沿わせて軟磁性薄膜と非磁性非導体薄膜を交互に積層
成膜し、これを対峙させて低融点溶着ガラスで接着して
なる磁気ヘッドの製造方法であり、前記低融点溶着ガラ
スで接着してなる磁気ヘッドブロックの磁気テープ摺動
面を円弧状に研磨した後、該磁気ヘッドブロックの研磨
面とダミーブロックの底面とを平行にした状態で、該ダ
ミーブロックに磁気ヘッドブロックを貼り付け、その後
に、ダミーブロックの底面を基準面として摺動幅規制溝
を加工することにより、摺動幅規制溝がダイシングソー
等による溝入れの際の溝深さや規制溝幅を安定させる。
この方法によれば、加工する磁気ヘッドブロックの高さ
寸法が安定し、摺動幅規制溝の深さを管理すれば、摺動
幅w寸法を一定に管理することができる。 (2)磁気ヘッドブロックの底面を貼り付け面としない
ので、従来低融点溶着ガラスで接着する工程で発生して
いた底面部のガラスのはみ出しによる接着不良や底面部
のCrスパッタの付着強度不良による接着不良がなくな
る。 (3)従来、基準板(ベークライト等)に専用の角度位
置合わせ、貼り付け治工具で磁気ヘッドブロックの底面
を貼り付ける際に、接着剤が角度位置合わせ、貼り付け
治工具にまわりこんで接着してしまうことがあったが、
張り付け面をダミーブロックの底面として、磁気ヘッド
ブロックの底面は浮いた状態となり、またダミーブロッ
クを位置合わせ、貼り付け治工具との接触面と反対側に
配したことで、前記問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気ヘッドの製造方法の一実施例
を説明するための工程図(その1)である。
【図2】本発明による磁気ヘッドの製造方法の一実施例
を説明するための工程図(その2)である。
【図3】本発明による磁気ヘッドの製造方法の一実施例
を説明するための工程図(その3)である。
【図4】本発明における部材の形状説明図である。
【図5】本発明の実施例の説明図である。
【図6】本発明の作業工程の加工治工具への設置状態の
例を示す図である。
【図7】従来の高密度磁気記録用磁気ヘッドチップの一
例の斜視図である。
【図8】従来の磁気ヘッドチップの斜視図である。
【図9】従来の磁気ヘッドチップの側面の寸法図であ
る。
【図10】作業工程の加工治工具への設置状態の従来例
を示す図である。
【符号の説明】
1…基板、1a…V字状溝、2…センダスト膜、3…中
間膜、4…ガラス、5…ピース、5a…導線巻き用窓、
5b…導線巻き固定用溝、6…トルク治工具、7…ブロ
ック、8…摺動幅規制溝、11…ダミーブロック、12
…磁気ヘッドブロック、15…接着剤、16…基準板、
17…貼り付け治工具。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に溝を形成し、該溝に沿わせて軟磁
    性薄膜と非磁性非導体薄膜を交互に積層成膜し、該積層
    を対峙させて低融点溶着ガラスで接着してなる磁気ヘッ
    ドの製造方法において、前記低融点溶着ガラスで接着し
    てなる磁気ヘッドブロックの磁気テープ摺動面を円弧状
    に研磨した後、該磁気ヘッドブロックの研磨面とダミー
    ブロックの底面とを平行にした状態で、該ダミーブロッ
    クに前記磁気ヘッドブロックを貼り付け、その後に、ダ
    ミーブロックの底面を基準面として摺動幅規制溝を加工
    することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
JP27680394A 1994-11-10 1994-11-10 磁気ヘッドの製造方法 Pending JPH08138208A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27680394A JPH08138208A (ja) 1994-11-10 1994-11-10 磁気ヘッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27680394A JPH08138208A (ja) 1994-11-10 1994-11-10 磁気ヘッドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08138208A true JPH08138208A (ja) 1996-05-31

Family

ID=17574606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27680394A Pending JPH08138208A (ja) 1994-11-10 1994-11-10 磁気ヘッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08138208A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0546010B2 (ja)
JPH0475566B2 (ja)
JP2554041B2 (ja) 磁気ヘッドコアの製造方法
JPH08138208A (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPH0475564B2 (ja)
JPS60231903A (ja) 複合型磁気ヘツドおよびその製造方法
JP2669965B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JP2887204B2 (ja) 狭トラック磁気ヘッドの製造方法
JP2957319B2 (ja) 基板材料の製造方法及び磁気ヘッドの製造方法
JP2933638B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
KR0137626B1 (ko) 자기헤드의 제조방법
JPH0546011B2 (ja)
JPS62183012A (ja) 磁気ヘツドおよびその製造方法
JPH0654528B2 (ja) 磁気ヘツド
JPH0744816A (ja) 磁気ヘッド
JPH06150243A (ja) 磁気ヘッドのヘッドチップ製造方法及びヘッドチップ
JPH103606A (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPS59203210A (ja) 磁気コアおよびその製造方法
JPH0585962B2 (ja)
JPH0227506A (ja) 複合型磁気ヘッドおよびその製造方法
JPH0827899B2 (ja) 磁気ヘッドとその製造方法
JPH06124407A (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JP2005259183A (ja) 磁気ヘッドおよびその製造方法
JPS626415A (ja) 複合磁気ヘツドの製造方法
JPH0527164B2 (ja)